新入社員研修のカリキュラム作成!効果を最大化するポイントを紹介
新入社員研修は、企業の将来を担う人材を育成するための重要なステップです。
しかし、効果的なカリキュラムの設計は多くの企業にとって課題となっています。特に、どのような内容を取り入れ、どの順序で進めるべきかに悩む企業が多いです。
では、どのようにして効率的な研修カリキュラムを作り、新入社員の成長を促すことができるのでしょうか?
新入社員研修カリキュラムの設計における一般的な課題を考えてみましょう。多くの企業では、研修内容が実際の業務と乖離している、また一律で個々の新入社員のスキルやニーズに対応していないことが問題となっています。
そのため、研修が形式的なものになりやすく、新入社員が実務に即戦力として活用できるスキルを十分に身につけられない状況が生じています。
本記事では、効果的な新入社員研修カリキュラムの設計方法を具体的に紹介します。
紹介したポイントを実践していただくことで、新入社員研修の効果を最大化し、新入社員が早期に実務で活躍できるよう支援できます。重要なのは、研修が単なる座学にとどまらず、実践的かつインタラクティブな学びを提供することです。
今回紹介している内容をうまく取り入れることで、新入社員研修の効果が高まるだけでなく、新入社員研修の担当者として評価が高まります。
▼導入研修のみならず、新入社員フォローアップ研修や新人の戦力化を図ることについては下記で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
- 新入社員研修の事例15選|Z世代に刺さる・育つ研修内容を徹底解説
- 新入社員フォローアップ研修のあるべき姿とは?Z世代の定着・戦力化に向けて徹底解説!
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▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。
目次[非表示]
- 1.新入社員研修の詳細カリキュラム例
- 1.1.従来のカリキュラム例
- 1.2.効果的なカリキュラム例(1か月分詳細)
- 2.新入社員研修カリキュラムの効果最大化
- 2.1.これまでのやり方をゼロベースで見直す
- 2.2.ラーナーオリエンテッドな学習設計をする
- 2.3.最適な時期を検討する
- 3.新人研修、実際のカリキュラム事例
- 4.新入社員研修のカリキュラム作り
- 5.新人研修のカリキュラム作りの流れ
- 5.1.①組織の目標設定
- 5.2.②新入社員の目標設定
- 5.3.③習得すべきスキルを整理する
- 5.4.④カリキュラムを作成する
- 5.5.⑤研修の効果測定・フィードバックをする
- 6.新入社員研修のカリキュラムで効果を出すためにはハイブリッド型が最適
- 7.新入社員研修のカリキュラムに上司やOJTリーダーを巻き込む
- 7.1.育成責任は配属先の上司やOJTリーダー
- 7.2.新入社員研修とOJTの連携
- 7.3.新人の成長ステージ(OJTマニュアル)の活用
- 8.新人研修の効果最大化のための要素
- 9.まとめ
新入社員研修の詳細カリキュラム例
新入社員研修の1カ月間のカリキュラム例をご案内します。
やり方論ベースではなく、ゼロベース、ラーナーオリエンテッドで、学習者の学習の効果性を最大限高めるという観点から、効果的な新入社員研修にしていくためのヒントになれば幸いです。
今回の例では、便宜的に4月1日を入社式とし、その翌週から期間として4週間のカリキュラム例です。まずは従来の集合研修をベースにした全体的なスケジュール例を示します。
従来のカリキュラム例
図のオレンジ色の部分が社内研修で、青色の部分が外部講師による研修です。
はじめの1週間は外部講師に依頼し、ビジネスマナーやコミュニケーション、ロジカルシンキング研修など汎用的な内容を扱います。
学生と社会人では立場が違うことや社会人として大切な考え方などを伝え、意識づけを行っていきます。その翌週から社内の具体的な内容に入っていきます。
会社の仕組みや事業紹介、CSRやハラスメント、PCや社内システムの使い方などです。最終週となる4週目は配属先となる各部門の研修につながっていきます。
効果的なカリキュラム例(1か月分詳細)
図のオレンジ色の部分が社内研修で、青色の部分が外部のeラーニングや研修です。
枠の実線が集合研修で、点線がオンラインです。
週に1~2日間は集合し、集合が好ましい内容で構成します。
オンラインが好ましい内容についてはオンラインコンテンツやオンライン研修で展開します。
インプットだけでなくアウトプットする要素も多分に用意し、初めて学ぶことがきちんと実践できるように進めて行きます。
上記を1週間ごとにさらに詳しいカリキュラム例を紹介します。
1週目は、1日目はPCやスマホの配布が必要なので、集合研修でガイダンスを行います。
その後2~3日目はオンラインスタイルで主に、会社概要・事業概要や学生と社会人の違い、ビジネスマナー、電話応対、仕事の進め方、言葉遣いなど仕事の基礎について学習します。
その後4~5日目は集合スタイルでビジネスマナーや仕事の進め方の実践スキルやコミュニケーションスキルについて対面で学びます。
身だしなみの確認や報連相のロールプレイングなど1人ではできない相手が必要な実習やグループワークを通じて学びます。
そして、毎日夕方30分程度はサステイナビリティについての理解を深めるための学習を組み込んでいます。
継続的に基本的なことを学習し、3週目にディスカッションの機会を設けます。
2週目は、人事が主体となり、1~4日目はオンラインを中心に自社の業界や事業詳細、CSR、各種制度やビジネススキルの基礎的なことを学びます。
もちろんインプットだけでなく、テーマについての問題や理解度クイズなどを通じてアウトプットも行います。
そして、5日目は集合研修スタイルにて、オンラインで学んできたことの実践力を身に付けるためのグループワークを中心に取り組みます。
サステイナビリティについての学習は引き続き、夕方に行っていきます。
3週目も引き続き、1~4日目はオンラインを中心に、コンプライアンス、ハラスメント、安全衛生、メンタルヘルス、社内システムなどについて学びます。
5日目は集合研修スタイルで、これまで毎日少しずつ学習を進めてきたサステイナビリティについて、理解を深め、自社に落とし込むためのワークショップを行います。
毎日学習してきたことで、ある程度の事前情報をそろえた上でのディスカッションが可能となります。
また、新人の視点から検討したアイデアの発表を聞くことは、会社としてサステイナビリティについて考える良いきっかけとなります。
4週目は、配属予定の部門別研修にシフトしていきます。
1日目は集合研修スタイルで部門研修のガイダンスを行い、営業職であれば先輩社員との同行営業、製造系であれば工場見学など部門ごとの研修を行います。
2~4日目はオンラインで部門ごとに求められる実務スキルについてコンテンツを学習し。
5日目は集合研修スタイルで、オンラインで学習してきたことの実技実習などを行います。
そして1カ月間の振り返りを行います。 1カ月間のスケジュール概要と1日ごとの詳細カリキュラムの例を紹介してきました。
このようなカリキュラムデザインを行っていくためには、ビジネススキルについての汎用的な学習コンテンツと、自社の事業についての独自の学習コンテンツが必要になります。
自社独自のコンテンツは自社で作るしかありませんが、汎用的なコンテンツについては、eラーニングベンダーの提供するコンテンツなどを活用することが現実的です。
それにより、コンテンツ作成の労力を自社コンテンツに注力することができます。
▼新入社員研修のオンライン化については下記でも解説しています。合わせてご覧ください。
⇒新入社員研修のオンライン化を成功させる秘訣!詳細事例と合わせてポイントを解説!
新入社員研修カリキュラムの効果最大化
新入社員研修カリキュラムの効果を最大化するためには、これまでのやり方をゼロベースで見直し、学習者中心(ラーナーオリエンテッド)で、最適な時期を見据えて学習設計をする必要があります。
なぜなら、オンライン研修の普及により、やれることが変わってきているからです。オンラインの利点を効果的に取り込むことで、従来の集合研修以上の効果を得ることができます。
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これまでのやり方をゼロベースで見直す
新入社員研修の効果の最大化を目指す場合、まずはこれまでのやり方をゼロベースで見直すことが重要となります。
つまり、過去の研修プログラムや方法をそのまま引き継ぐのではなく、すべて一度見直してから新しいカリキュラムを作り上げるということです。
2020年のコロナショックにより、それまで最適化を図ってきた集合研修をベースにしたやり方が崩壊しました。
現在ではオンライン研修などの活用により効果を高めることができますが、実態としては、ゼロベースではなく、従来のやり方をオンラインに置き換えるという代替式が多いのです。
このような置き換えでは、オンライン研修の特性を生かしきれていません。
従来のやり方をオンラインに置き換えるのではなく、ゼロベースで組み立て直すことが、研修効果を最大化するポイントとなります。
(補足情報:調査結果より)
株式会社LDcubeでは2023年7月に「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」についてのアンケート調査(有効回答数223件)を行いました。
その中で、「コロナ禍において、オンラインでの研修も実施されたのではないかと思います。オンライン研修を実施してみて、その効果についての印象を教えてください。」として、オンライン研修への印象を聞いています。
- 36%が集合研修と同様の効果が得られていると回答
- 反面、32%の方が効果が下がったと回答
- 効果が高まったと回答した方は4%にとどまった
- 19%の方はオンライン研修の実施はしていないと回答
オンライン研修は急速に普及しましたが、ゼロベースで組み立て直し効果を実感できている組織が少ないのが現状です。
多くの場合、集合研修をオンライン研修へ置き換えていますが、その効果は同等かあるいはそれ以下になってしまっています。
オンライン研修には集合研修とは異なる特性と可能性があります。
これらを十分に活用できていなければ、研修はその効果を十分に発揮できないことが注意点です。
逆にゼロベースで組み立て直すことができればこれまで以上の効果を得ることができます。
ラーナーオリエンテッドな学習設計をする
新入社員の能力開発を図る場合には、「ラーナーオリエンテッド(学習者中心)」な学習設計をすることが大切となります。
新入社員の多くは新卒一括採用で4月に入社します。その入社のタイミングは新入社員がいるので、研修を行う側もそのタイミングにまとめて教えようとし、様々なことを詰め込もうとする傾向があります。
しかし、新入社員も1人の人間で、一度に覚えられる量には限界があります。その点を考慮した学習設計が求められます。
研修を行う側の都合ではなく、学習者が効果的に学び、パフォーマンスを発揮しやすい学習設計を行うことを心がけましょう。
最適な時期を検討する
効果的な新入社員研修のためには、研修を実施する最適なタイミングが重要となります。
新入社員の興奮や不安が最高潮に達している入社直後だけでなく、業務に少し慣れてきた時期や、実務を経験する前に知識を深めるなど、研修実施の時期も最適なタイミングを見つけて実施しましょう。
さらに、その時期に合わせて研修内容を変えることで、新入社員は必要な知識やスキルをタイムリーに学ぶことができます。これにより、新入社員が自分自身の仕事に対して自信と満足感を持つことが可能となります。
▼新入社員研修のみならず、フォローアップも重要です。フォローアップ研修のあるべき姿については下記で解説しています。合わせてご覧ください。⇒新入社員フォローアップ研修のあるべき姿とは?Z世代の定着化・戦力化に向けてポイントを徹底解説!
新人研修、実際のカリキュラム事例
建設コンサルタント業 新入社員研修のケース
【背景】 Withコロナ時代の中で、単にオンラインで研修を行うだけでなく、学び方のイノベーションを図りたい。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して理解度を都度チェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン協調学習のセッションで演習や質問BOXに入力された質疑応答を行う
【結果】受講の満足度は? 理解度は?
2019年度までは集合研修をベースに新入社員研修を実施していましたが、コロナ禍に突入した2020年度は新入社員研修を実施できませんでした。
2021年度はオンラインで新入社員研修が実施できるように準備を進めました。
オンラインで行った新入社員研修の効果について、受講者の満足度と理解度の観点から効果測定しています。 2019年度と2021年度の研修の満足度のアンケートデータの比較 満足度を見てみましょう。
研修のテーマごとに受講者のアンケートを取っています。
2019年度までの研修アンケートと2021年度の研修アンケート結果を比べると、大きな差が出ています。 (2020年度は研修未実施のためデータなし)
2019年度までは研修の満足度に関して、5段階中で4をつける人がボリュームゾーンでしたが、2021年度は5をつける方がボリュームゾーンとなりました。
受講者の研修満足度が大きく高まった結果となりました。 また理解度については、毎年テーマごとに試験を実施しています。
新入社員の中には、ある分野について大学時代に学習したことがある履修者と、学習したことがない初学者が混在しています。
例年の傾向として、初学者は得点が低く、履修者は得点が高い傾向にありました。 2021年度の試験は下記のような結果になりました。
初学者の得点が低く、履修者の得点が高いという傾向は存在しますが、その差はあまりなく、初学者が履修者に追いついてきているという結果になりました。
オンラインで効果的な学習環境を構築してきたことで、受講者の満足度も理解度もどちらも高めることに成功しました。
今回のケースの場合、カリキュラム作成に当たり下記に取り組みました。
【新たな取り組み】
- 動画コンテンツを作成してオンライン自己学習の充実化を図る
- 確認テストを実施して理解度を都度チェックする
- 質問BOXを設け、随時質問があれば入力してもらう
- オンライン協調学習のセッションで演習や質問BOXに入力された質疑応答を行う
※上記について、ラーニングプラットフォームUMU(ユーム)を活用して展開 カリキュラムの効果測定をしたところ、受講者の満足度、理解度ともに良い結果を得ることができ、上記のカリキュラムが効果的であるということを証明することができました。
▼新入社員研修における動画活用については下記で解説しています。合わせてご覧ください。 ⇒新入社員研修で動画を活用するメリット!コンテンツの形式や特徴を解説
新入社員研修のカリキュラム作り
新入社員研修は、企業理念や価値観の共有や社会人として必要なスキル・知識の習得、新入社員同士の交流など、企業によって実施目的はさまざまです。
企業理念や価値観の共有は企業文化の理解を深めるために有用であり、組織としての一体感の向上が期待できます。
また、学校を卒業して間もない新卒社員であれば社会経験が乏しいことから、社会人としてのマナーや基本的な知識の習得に役立ちます。
新卒社員や中途社員に関係なく、誰しも新たな環境で働くことは不安を感じたり緊張したりするものです。
新入社員同士だけではなく、既存社員と交流する機会を新入社員研修に含めることでコミュニケーションの活性化や人間関係の構築の円滑化が期待できます。
新入社員研修は新入社員が企業の一員としていち早く活躍できるように、仕事環境になじめるようにするための重要なステップです。
企業の方針だけではなく新入社員のニーズに沿ったカリキュラムを作成することが大切です。
新人研修のカリキュラム作りの流れ
ここでは、新入社員研修のカリキュラム作りの流れと重要ポイントを紹介します。
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①組織の目標設定
新入社員研修のカリキュラムを作成する際は、企業の経営目標や事業戦略を踏まえ、どのような人材を必要としているか明確にすることが重要です。
企業としての目標の明確化は、新入社員研修の方向性や内容の決定に役立ちます。
企業の経営目標や事業戦略は常に変化するものです。そのため、カリキュラムを作成する際は現在必要としている人材だけではなく、将来的にどのような人材が必要になるかを予想した上で研修の方向性を決めることをおすすめします。
②新入社員の目標設定
組織の目標設定が完了した後は、新入社員の目標設定に移行します。
新入社員研修のカリキュラム作成では、組織の目標を達成するために新入社員が必要となるスキルや知識を習得できる内容にすることが重要です。
ただし、はじめから新入社員に膨大な知識や目標を投げかけることはプレッシャーやストレスの要因になるため、現実的な目標設定にしなければなりません。
新入社員が自分自身の目標として捉えられるようなカリキュラムを作成することで、自立的な成長の促進につながります。
③習得すべきスキルを整理する
カリキュラムを作成する際は新入社員の定着と即戦力化を視野に入れて、現場で必要になるスキルや知識を整理しておく必要があります。
重要なのは、研修で習得するスキル・知識と、実務を通して習得するスキル・知識を明確に差別化することです。
新入社員研修を受けるのは社会経験が乏しい新卒社員が大半であるため、社会人として必要となる基本的なスキル・知識に絞ったカリキュラム作成を推奨します。
新入社員として必要になる基本的なスキルは、以下のとおりです。
- OAスキル
- ビジネスマナー
- ロジカルシンキング
- コミュニケーション
- コンプライアンス など
パソコンやコピー機、電話などの操作に必要となるOAスキルは、仕事していくうえで欠かせない基本的なスキルです。
また、ビジネスマナーは取引先や顧客と良好な関係を築くのに必要となるため、早い段階で習得させるのが望ましいです。
どのような企業や業種でも一人で完結する仕事はなく、社員同士の連携がなくては成り立ちません。そのため、良好な人間関係を築くためのコミュニケーションスキルや論理的思考を身につけるためのロジカルシンキングを習得できるカリキュラムがおすすめです。
デジタル化やインターネットの普及が進んだ現代では、以前より情報漏洩や不正アクセスのリスクがあります。新入社員に情報セキュリティに関する正しい知識を習得してもらうためにも、コンプライアンスを含めたカリキュラムの作成が望ましいです。
④カリキュラムを作成する
組織と新入社員の目標が決定した後は、実際にカリキュラムの作成に移行します。
この段階で新入社員研修を具体的にどのような形、学習方法で実施するのか決める必要があります。新入社員研修の代表的な学習方法は以下のとおりです。
学習方法 |
特徴 |
OFF-JT(Off The Job Training) |
・業務から離れて学習 |
グループワーク |
・少人数グループで学習 |
レクリエーション |
・新入社員同士の関係づくりに最適 |
ケーススタディ |
・具体的な事例を基に学習 |
ロールプレイ |
・実際の業務を想定して疑似的な役割を演じて学習 |
企業や業種によって最適な学習方法は異なります。1つの学習方法だけを採用するのではなく、複数の学習方法を組み合わせて新入社員研修を実施することが重要です。
実務を通して習得するスキル・知識については、OJTを通じて学んでいってもらうことが大切です。 詳しくはこちらをご覧ください。
▼新入社員研修でのグループワークについては下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上!
⑤研修の効果測定・フィードバックをする
新入社員研修は実施して終わりではなく、効果測定やフィードバックを行ってブラッシュアップしていくことが大切です。
新入社員の成長を可視化する学習ソリューションを使って、効果測定や1on1、フィードバックをすることで、企業の方針やニーズに合う研修を実現できます。
学習プラットフォームを活用すれば、学習成果の見える化や研修内容のフィードバックをすることが可能です。
一方通行になりがちな従来の研修ではなく、教える側と教えられる側双方がお互いにコミュニケーションを図れる機能が搭載されているため、研修内容の見直しや更新に役立ちます。
▼人材育成効果測定に関しては下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説
新入社員研修のカリキュラムで効果を出すためにはハイブリッド型が最適
研修の運営方法は大きな変化を見せています。新入社員研修のカリキュラムで効果を出すためには、集合研修、eラーニング、オンライン研修を組み合わせたハイブリッド型が望ましいです。
それぞれの特徴を確認してみましょう。
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集合研修
集合研修は、新入社員が一箇所に集まり、講師から直接学ぶ形式の研修です。
集合研修の最大の利点は、直接質問が可能で、即座にフィードバックを受け取ることができる点です。
また、他の新入社員と交流する機会が得られ、コミュニケーション能力やチームワークを養う機会にもなります。
ただし、場所や時間の制約があり、個々の学習スピードに合わせるのが難しいという欠点もあります。
eラーニング
eラーニングは、教材をデジタル化し、インターネットを通じて提供する研修方法です。
これにより、時間や場所を問わずに学習が可能です。
また、自分のペースで学べるため、学習効率が高いとされています。
一方で、自己管理力が求められるため、新入社員によっては学習を継続するのが難しい場合もあります。
▼社内で動画などのeラーニングコンテンツを作成する場合にはこちらもご覧ください。
⇒研修用動画コンテンツの作り方!効果的に作成するポイントやコツなどを解説!
オンライン研修
オンライン研修は、オンライン会議システムなどを活用して、インターネットを通じて直接講師から学ぶ形式の研修です。
集合研修の利点とeラーニングの利点を併せ持っており、リアルタイムで質問やフィードバックが可能で、どこでも、いつでも学習が可能です。
ハイブリッド型
ハイブリッド型研修は、上記3つの研修形式を組み合わせたものです。
例えば、eラーニングで基本的な知識を学び、集合研修で実践的なスキルを学び、オンライン研修で毎週30分定期的にフォローアップするといった方法があります。
新入社員の状況や能力、学習内容に応じて最適な研修形式を組み合わせることで、より効果的な研修が可能になります。
現在の新入社員研修のカリキュラムをゼロベースで組み立て直し、ハイブリッド型で研修を運営することで、効果を更に高めることができます。
【参考情報①】下記アンケート結果が示しているように、 新入社員をはじめ、Z世代と呼ばせる世代は学び方が変わってきています。受講者の学び方に合わせた研修スタイルを構築することが望ましいです。
▼総合文具メーカーのコクヨ株式会社が2020年に行った「中高生の学びに関する実態調査レポート」でのアンケートによると、「勉強に関する情報をどこから得ますか?」という問いに対し、「YouTubeなどの動画サイト」と回答した学生が一番多い結果となっています(回答人数:824名)。
※コクヨ株式会社「中高生の学びに関する実態調査レポート」を参考に作成
【参考情報②】新入社員についてのアンケート結果も参考になります。カリキュラム作成に活用ください。⇒株式会社ビジネスコンサルタント 2024年度 新入社員アンケート調査結果
オンライン研修を成功に繋げる秘訣は下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒オンライン研修成功の秘訣:メリット・デメリット、背景にある企業内人材育成の流れまで徹底解説!
新入社員研修のカリキュラムに上司やOJTリーダーを巻き込む
新入社員の育成責任は研修企画運営者ではなく、最終的には配属先の上司です。そのため、新入社員研修のカリキュラムづくりに、上司やOJTリーダーも巻き込んで、配属後のOJTと連動させるような工夫が重要になります。ポイントを見ていきましょう。
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育成責任は配属先の上司やOJTリーダー
新入社員の育成は重要な役割を果たす上司や管理職、それにOJT(On the Job Training)リーダーが中心となります。
その理由として彼らが新入社員の直接指導を手掛け、日常業務を通じて具体的なスキルやノウハウを教えるためです。
また、新入社員研修の統括は人事部門が行いますが、具体的な育成活動の一環として上司や管理職、OJTリーダーの責任は大きいものとなります。
彼らが新入社員へのサポートやOJTを担当し、新入社員が必要な知識やスキルを習得できるよう助けるのです。
したがって、新入社員研修のカリキュラムは現場の管理職やOJTリーダーの意見を反映させ、現場での育成がスムーズに進むよう配慮すべきです。
新入社員研修とOJTの連携
新入社員研修が成功するための大切なポイントとして、新入社員研修の研修内容とOJTを効果的に連携させることが挙げられます。
つまり、研修で得た知識や理解が、OJTを通じて具体的なスキルや行動に活かされるよう計画することです。このために研修内容の設計段階からOJTリーダーのフィードバックを活かし、必要であればOJTリーダーを研修に参加させ、理論と実践が一体となる環境を作ることが重要です。
これにより新入社員は学習内容を現場で活かし、結局のところより高い成果を引き出すことができます。
新人の成長ステージ(OJTマニュアル)の活用
新入社員がステップごとに何を学び、どんなサポートが必要かを明確にするための「成長ステージ」や「OJTマニュアル」の活用は大変重要です。
このマニュアルに基づき、上司やOJTリーダーは段階的に新入社員を育成し、個々の成長を見据えた指導を実施します。実践的な仕事の手法やスキル、そして態度を新入社員が身につけるための支援が可能となります。
また、評価指標を設けることで習得度を確認し、全体を通して一貫した育成が可能になります。
▼OJTマニュアルについては下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒デジタル時代のOJTマニュアルとは?効果的な社員教育のポイントを紹介!
新人研修の効果最大化のための要素
カリキュラムを作成する際は、以下の要素を意識しておくと新入社員研修の効果を最大化しやすくなります。
- 新入社員の状態を把握する取り組みを入れる(アンケートなど)
- 配属先で必要な知識、スキルに応じた教材の最適化
- 社員同士でコミュニケーションを強化できる学習コンテンツの導入
新入社員研修は企業の意向だけで作成・実施するのではなく、実際に研修を受けた新入社員の感想や意見を取り入れて毎年更新していくことが大切です。
また、使用する教材についても慎重に検討する必要があり、それぞれの新入社員が配属先で必要な知識やスキルが適切に盛り込まれているか意識する必要があります。
仕事を円滑に進めるためには社員同士のコミュニケーションが欠かせないため、活性化させるような学習コンテンツの採用をおすすめします。
まとめ
この記事では、新入社員研修のカリキュラム作りについて以下の内容で説明しました。
- 新入社員研修の詳細カリキュラム例
- 新入社員研修カリキュラムの効果最大化
- 新入社員研修の効果的なカリキュラムの事例
- 新入社員研修のカリキュラム作りとは
- 新入社員研修のカリキュラム作りの流れと重要ポイント
新入社員研修のカリキュラムで効果を出すためにはハイブリッド型が最適
- 新入社員研修のカリキュラムに上司やOJTリーダーに巻き込む
- 新入社員研修の効果最大化のための要素
新入社員研修はあらゆる企業で実施されており、さまざまなカリキュラムがあります。
使用する教材や学習方法は異なりますが、新入社員の定着と即戦力化を目的に実施することはどこも同じです。
オンライン研修など新たな学習の選択肢が増えた現代では、これまでの新入社員研修のやり方をゼロベースで見直し、組み立て直すことで、これまで以降の効果を出すことが可能です。
それゆえ、新入社員研修の効果を最大化、最適化するために学習プラットフォームの導入も一つの選択肢です。
『LDcube』では、オンライン・オフライン・個別学習・集合研修など、幅広い研修プログラムの設計と学習状況の可視化を実現する、学習プラットフォーム『UMU』を提供しています。
最先端AI技術を駆使し、学習成果の見える化と教育・研修業務の効率化を徹底サポートします。無料のデモ体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。
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