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新入社員研修の事例15選|Z世代に刺さる・育つ研修内容を徹底解説

「新入社員研修の事例を知りたい」
「これまでとは異なる、新入社員研修の企画ネタを仕入れたい」

と感じていませんか?

ユニークな新入社員研修、定番の研修の企画には、以下の事例が参考になります。

ただし、新入社員研修=Z世代の価値観に合わせて研修を企画することも重要です。

なぜなら、Z世代の価値観に合わせて研修を行うことで、新入社員へのエンゲージメントが高まり、モチベーションアップにつながるためです。

そこでこの記事では、以下の内容をお伝えします。

この記事からわかること

  • 【ユニーク】新入社員研修の事例

  • 【定番】新入社員研修の事例

  • 【Z世代のやる気を上げる】新入社員研修の事例

  • 効果的な新入社員研修企画を作るコツ

この記事を読むことで、新入社員に刺さるような効果のある研修事例を知ることができます。
そして、効果的な研修内容を企画するコツを知って、新入社員研修をより良いものにできるでしょう。

ぜひ最後までお読みください。

▼導入研修のみならず、新入社員研修についてはテーマに合わせ下記で詳しく解説しています。


▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。 Z世代の新入社員育成について資料にまとめました。

新入社員育成のすべて3本セット資料



目次[非表示]

  1. 1.新入社員研修 ユニークな7事例
    1. 1.1.幼稚園研修/株式会社栃木ダイハツ販売会社
    2. 1.2.ウォーキング研修/国際自動車株式会社
    3. 1.3.世界一〇〇なタイマーを作るものづくり講座/TDK株式会社
    4. 1.4.しょうゆ作り研修/大和美術印刷株式会社
    5. 1.5.アウトドア研修/信濃毎日新聞社
    6. 1.6.謎解き脱出ゲーム/NTTドコモ
    7. 1.7.戦国運動会/日立建機グループ会社
  2. 2.新入社員研修 定番の4事例
    1. 2.1.学生から社会人への意識転換/第一生命保険株式会社
    2. 2.2.ビジネスマナー/株式会社NTTドコモ
    3. 2.3.コンプライアンス/建設・プラント企業
    4. 2.4.企業理念の理解/株式会社ハラサワ
  3. 3.Z世代の価値観に合わせて研修を企画することが重要
  4. 4.新入社員研修 Z世代のやる気を上げる4事例
    1. 4.1.【しごとっち】シゴト体験ビジネスゲーム型研修/株式会社ノビテク
    2. 4.2.タイムマネジメント研修/株式会社リスキル
    3. 4.3.農村体験/株式会社インソース
    4. 4.4.集合研修のDX化/株式会社LDcube
  5. 5.効果的な新入社員研修企画を作る3つのコツ
    1. 5.1.アイスブレイクをはさむ
    2. 5.2.新入社員の内発的動機を促す
    3. 5.3.研修内容は詰め込みすぎない
  6. 6.まとめ

新入社員研修 ユニークな7事例

新入社員研修事例イメージ

まずはユニークな社員研修の事例を以下7つ紹介します。

他社にはないユニークな新入社員研修の事例を知っておくことで、インパクトのある研修を企画する際の参考になるでしょう。

それでは、それぞれの事例をご紹介します。

幼稚園研修/株式会社栃木ダイハツ販売会社

1つ目の研修事例は「幼稚園研修」です。

株式会社栃木ダイハツ販売会社では、ショールームに子ども連れのお客様が多く来場します。

そのため、社員は商談中に商品説明をしつつ、子どもを飽きさせないように対応する必要があります。

しかし「商談」と「子どもへの対応の両立」は難しく、

  • 親が子供の相手に時間を取られて、商品説明をじっくり聞けない
  • 子どもの居心地が悪ければ、商談途中に子どもがぐずってしまい、商談が中断してしまう

といったことがしばしばありました。

また子どもとのコミュニケーションに時間をかけてしまい、親への商品説明を十分にできないことも頻繁に発生していました。

そこで株式会社栃木ダイハツ販売会社は、以下を目的として新入社員向けに幼稚園研修を実施しました。

研修の目的

子どもや親に対応するコミュニケーション能力を身につけること

幼稚園研修で行った内容は、以下のとおりです。

研修の内容

子どもと接するための基礎知識を事前に学んだうえで、数日間幼稚園で過ごし、

  • 絵本を読む
  • 工作をする
  • 食事のサポート 

などを通して子どもとのコミュニケーションの仕方を学ぶ

こうして研修を終えた新入社員は配属後、子ども目線でショールームの内装を提案するようになったそうです。

このように株式会社栃木ダイハツ販売会社は幼稚園研修を通して、「商談の実施」と「子どもが楽しんで過ごすこと」を両立できる人材の育成に成功しています。

ウォーキング研修/国際自動車株式会社

2つ目は「ウォーキング研修」です。

タクシー会社である国際自動車株式会社では、以下を目的としてウォーキング研修を実施しています。

研修の目的

  • タクシードライバーとして都内の地理を理解すること
  • 名所をしっかりと把握すること
  • 首都高速道路都心環状線の全入口を確認すること
  • 同期と協力して42.195キロの距離を完歩することで絆を深め、達成感を得ること

ウォーキング研修で行った内容は、以下のとおりです。

研修の内容

  • グループに分かれ、42.195キロの決められたコースを歩く
  • 東京の名所である浅草やスカイツリーなどのチェックポイントを約12時間かけて巡る

徒歩でじっくりと都内を巡る中で、業務重要な場所を確認でき、さらにチームの一体感や仲間意識強めることにもつながっているそうです。

世界一〇〇なタイマーを作るものづくり講座/TDK株式会社

3つ目は「世界一〇〇なタイマーを作るものづくり講座」です。

電子部品のメーカーTDK株式会社は、以下を目的として、新入社員研修としてものづくり講座を実施しています。

研修の目的

  • 実際のものづくりのプロセスを模擬体験し、理解すること

  • 計画段階から品質を作りこむなどの、TDKのものづくりの方針を学ぶこと

  • 学生から社会人への意識転換

そこで、ものづくり講座では以下のような内容で研修を実施しました。

研修の内容

  • 「世界一〇〇なタイマーを作ろう」をテーマに、3人チーム×2でグループを組む

  • 各チームがオリジナリティあふれる商品を考える(3週間)

  • 商品企画から資材調達、原価計算、工程管理表の作成、試作、量産までを実践する

こうした研修を実施した結果、研修後には、

  • 実際の業務では触れることのない「ものづくり」を知ることができた
  • チームの中で自分がどう動けば良いかを考える重要性を学べた

といった意見が出ました。

「これからものづくりに携わる人材」としての意識やチームでの仕事の仕方などを学べるいい機会となっています。

しょうゆ作り研修/大和美術印刷株式会社

4つ目は「しょうゆ作り研修」です。

この研修は、以下を目的として大手印刷会社である大和美術印刷株式会社で実施されています。

研修の目的

商品企画の流れやチームワークの大切さを身につけること


しょうゆ作り研修では、以下の取り組みを行います。

研修の内容

  • 近隣のしょうゆ製造会社に協力してもらい、新入社員がチームでオリジナル味のしょうゆを製造する

  • メンバー間でいろいろな企画に対する意見を出し、何度も話し合って意見を調整する

  • しょうゆの細かな味の調整をする

  • 本物の商品同様にパッケージデザインも考える

こうした研修の中で納得のいくしょうゆを作るためにチーム全員で何度も話し合うことで、新入社員同士一体感がうまれ、チームワークが良くなります

また業務外でありながら、商品の企画から制作までの流れを疑似的に学ぶことができます。

アウトドア研修/信濃毎日新聞社

5つ目は「アウトドア研修」です。

信濃毎日新聞社では、以下を目的としてアウトドア研修を実施しています。

研修の目的

  • 社会人の基礎を身につけること
  • リーダーシップやコミュニケーション能力を高めること

実際の研修内容は以下のとおりです。

研修の内容

  • まずはゲーム形式の研修を通じてメンバー間で交流を深める

  • 翌日は朝からチームに分かれて地形図とコンパスを持って登山に挑戦する

研修中、山で迷った際に「進むか、戻るか」をチームで話し合ったり、疲れが出てきた際はチームに余裕がなくなって無言になったりと、研修の中では困難な場面が何度も出てきます。

こうした困難を研修中に乗り越えることで、新入社員たちはチームでのコミュニケーションの取り方について体感で学ぶことができます。

このアウトドア研修を通じてリーダーもそれぞれのメンバーも、立場にかかわらず意見を出し合うことの大切さを、自然の中で学ぶことができました。

謎解き脱出ゲーム/NTTドコモ

6つ目の例は「謎解き脱出ゲーム」です。

NTTドコモでは、以下を目的として謎解き脱出ゲーム研修を実施しています。

研修の目的

チームワークの大切さを学ぶこと

謎解き脱出ゲームの研修は、具体的には以下の内容で行われています。

研修の内容

  • 5~6名のチームで協力して謎を解き、制限時間内にゴールを目指す

  • ゲームをクリアするためには限られた時間で多くの謎を解かなければならない

  • メンバー同士でコミュニケーションを取り合って謎を解いていく

この研修を行った結果、開始前は新入社員同士、初対面の状態でしたが、ゲーム後にはすっかり打ち解けて、メンバーの仲が深まったそうです。

また、ゲームを進めるうちにお互いの性格を把握でき、

  • メンバーを信頼して仕事を任せること
  • 時間配分の重要性に気づいた

という意見も出ました。
 
ゲームを通じて、チームワークや時間配分など、仕事をする中で大切なことを体感で理解できるため、学びを定着させることができます。

戦国運動会/日立建機グループ会社

7つ目の例は「戦国運動会」です。
 
日立建機グループ会社では、以下を目的として戦国運動会を実施しています。

研修の目的

  • グループ全体の横のつながりを深めること
  • 純粋に新入社員で楽しく交流してもらうこと

戦国運動会では以下のように、まるで戦国時代の合戦のような内容で研修を行います。

研修の内容

  • 20名ずつのチームを組む

  • 「大俵運び」「兵糧(玉)入れ」など運動神経にかかわらず楽しめる競技を実施

  • 敵が腕につけたカラーボールをスポンジ製の刀で落とす「チャンバラ合戦」を実施
    一斉に相手チームを倒したり、リーダーである「大将」を狙ったりとさまざまな合戦形式で戦う

この研修を行った結果、楽しく体を動かす中で積極的にコミュニケーションを取り合い、研修生同士で交流できるようになりました。

こうしてユニークな新入社員研修の事例を見てみると、

  • 会社で大切にしている理念や知識を身につけてもらう
  • 一連の仕事内容を試しに経験してもらう
  • 純粋に新入社員同士で楽しんで仲良くなってもらう

という目的で実施されるケースが多いことがわかります。

ただしユニークな研修を取り入れる際は、ただ単純に「面白い」「新人にウケそう」というものを選べばいいわけではありません。

新入社員にどんな人材になってほしいのかを定め、それをもとに「どうすれば楽しみながら学べるのか」を考える過程で、ご紹介した事例を参考にしましょう。

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新入社員研修 定番の4事例

新入社員研修事例イメージ②

1章ではユニークな新入社員研修の事例をご紹介しましたが、次は定番の新入社員研修の事例を以下4つ解説します。

定番の事例はいずれも知っているものだとは思いますが、他社ではどのように実施されているのかを知ることで、新入社員研修の企画を考えるうえでのヒントになるでしょう。

それでは、各事例を見ていきましょう。

学生から社会人への意識転換/第一生命保険株式会社

1つ目は「学生から社会人への意識転換」です。

この研修は以下を目的にして、新入社員研修に取り入れられることが多い傾向にあります。

研修の目的

  • 社会人に求められる心構え、基本行動、常識を学ぶこと

  • 言われたことをこなす受け身な姿勢から主体的に行動できるようにすること

生命保険をメインに提供している第一生命保険株式会社では、学生から社会人への意識を転換するため、以下のような研修を実施しました。

研修の内容

  • 第一生命が考える次の2つのマインドセットを軸にした研修を実施
    1.「失敗を恐れず、自発・自律的に行動して実践経験を積みながら自分を高める」
    2.「自分とは異なる価値観をもった相手を受容し、変化に対して前向きに対応する」

  • 講師が一方的に研修を行うのではなく、「自分たちで時間を使う機会(例:学習目標の設定や振り返り)」を意図的に設け、話し合って学びを深め、成長しあう関係構築を促す

こうした研修を行った結果、

「自分から発言する」
「自分の課題を把握し、翌日の目標として設定する」

など、自発的な行動が見られるようになりました。

このように「学生から社会人への意識転換」の研修は、一方的な講習ではなく、一人ひとりに考えさせたり、話し合ったりできるような形式で進めることをおすすめします。

社会人としての意識が強くなり、自発的に考える人材の育成につながりやすくなるでしょう。

ビジネスマナー/株式会社NTTドコモ

2つ目は「ビジネスマナー」です。

これは以下を目的にして、新入社員研修に取り入れられることが多い傾向にあります。

研修の目的

  • 社会人としての思想や考え方を身につけること

  • 関係者との信頼関係の構築

  • 会社やブランドイメージ向上

  • 顧客満足度向上

通信事業をメインとする株式会社NTTドコモでは、以下のようなビジネスマナー研修を実施しました。

研修の内容


オンライン研修にて、以下のビジネスマナー研修を実施 

  • 基本行動(挨拶、時間厳守、傾聴と発信)
  • ビジネスマナーの型(電話対応、名刺交換、訪問来客対応、言葉遣い、席次、身だしなみ)
  • ビジネススキル(ホウレンソウ)
  • ビジネスマナーの型(メール)
  • ビジネススキル(目的意識、G-PDCA)

こうしたビジネスマナー研修を行った結果、新入社員からは、

  • 社会人になったら結果として示す必要があり、相手に認めてもらえるよう行動する必要があることに気付いた
  • ビジネスマナーがしっかりしており、信頼をおける人物であると認識されて初めて、その提案に対して納得してもらえると考えた
  • ビジネスマナーはあくまでも型であり、相手のことを想うという目的を第一に考えなければならない

といった声が上がりました。

また、

◆ビジネスマナーの型(電話応対、言葉遣い)
2日目の個別指導において、8~9割の人が電話応対方法や言葉遣いをマスターした

◆ビジネススキルの型(報連相)
2日目の個別指導において、7割の人が報連相のやり方をマスターした

◆ビジネスマナーの型(名刺交換、訪問来客対応、席次、身だしなみ、メール)
ほとんどの人が名刺交換、訪問来客対応、席次、身だしなみ、メールのルールを理解できた 

◆ビジネススキル(目的意識、G-PDCA)
目的意識やG-PDCAの重要性、必要性をほとんどの人が理解できるようになった


といった成果を得ることができました。

コンプライアンス/建設・プラント企業

3つ目は「コンプライアンス」です。

コンプライアンス研修は以下を目的にして、新入社員研修に取り入れられる傾向にあります。


研修の目的

  • 新入社員にルールを守ることの大切さを教えること

  • 新入社員が守るべきこと・とるべき行動を具体的に伝えること

  • 明文化されていないことが起きたときに適切な行動が取れるようになること

そこで建設・プラント企業では、以下のような内容で新入社員向けにコンプライアンス研修を行いました。

研修の内容

  • コンプライアンスとは何か
    (1)事例をもとに考える
    (2)コンプライアンスが意味することとは
    (3)コンプライアンス違反がもたらす影響とは
       ①法的制裁 ②社会的制裁 ③組織内の制裁
    (4)新人が守るべきコンプライアンス 
  • コンプライアンスの常識
    (1)業務上で情報の取り扱いを考える
    (2)会社の保有情報は徹底管理する
    (3)テレワーク時のコンプライアンス
    (4)著作権について理解する
    (5)SNSは組織人として適切に使用する 
  • コンプライアンスリスクへの対処方法
    (1)迷ったら上司に相談する
    (2)日頃からの細かいホウレンソウを行う
    (3)職場のハラスメントに対処する
    (4)社内の相談窓口を確認する

その結果、参加した新入社員からは、

  • 故意ではなくとも、知らず知らずのうちに問題を起こしてしまうことがあるため、自分は大丈夫だと過信せず、今回学んだことを忘れずに日々意識して過ごしていきたい
  • コンプライアンスについてとても勉強になった。特に個人情報の取り扱いに注意し、コンプライアンス違反をしないよう心掛けたい
  • ハラスメントの問題を起こす人は、人の気持ちを考えられなかったり、自身を客観視できないところがあると感じた。そうならないように、日頃から注意して過ごしたい

といった声が上がり、コンプライアンスを侵すことのリスクを、研修参加者全員が「理解できている」状態にできました。

▼コンプライアンスはeラーニングで効果的に学ぶことができます。下記で詳しく解説しています。

  eラーニングでコンプライアンス研修を行うメリットとは?ポイントを解説 eラーニングを用いたコンプライアンス研修のメリット・デメリットについて解説し、具体的な研修内容からコンプライアンス教育設計のポイントまで説明します。法令違反や不祥事リスクを低減するための対策や、今後の研修実施方法についても紹介します。 株式会社LDcube


企業理念の理解/株式会社ハラサワ

4つ目は「企業理念の理解」です。

株式会社ハラサワでは、以下を目的に企業理念の理解をしてもらうための研修を実施しています。


研修の目的

  • 新入社員に社会人としての意識を身につけてもらうこと

  • ハラサワ社員としての心構えや安全管理を理解してもらうこと

研修で行った内容は、以下のとおりです。

研修の内容

  • ハラサワの理念:社長にインタビューした内容を含め、会社の理念を講義。
    (1)ハラサワの歩み
    (2)会社で最も重要なことは、安全と素早く丁寧な対応
    (3)中小企業とは(大手企業と比較)

  • 社会人意識への切り替え:ハラサワで働く様子を細かく伝えることで、社会人意識を醸成。
    (1)ハラサワで求められる社員像
    (2)就業規則
    (3)工場ごとの仕事の流れと安全管理

このように、自社として何を大切にしているのか、どのような働きが自社で求められているのかを伝えることで、入社直後の様子とは変わり、ハラサワ社員らしく顔つきが変わった様子が見受けられたようです。

新入社員育成のすべて3本セット資料

Z世代の価値観に合わせて研修を企画することが重要

新入社員研修事例イメージ③

ここまで新入社員研修の事例について「ユニーク」「定番」という視点で紹介しましたが、新入社員、すなわちZ世代の価値観に合わせて研修を企画することも重要です。

というのも、以下のZ世代の価値観に合う研修を提供することで、新入社員企業へエンゲージメントが高まり、モチベーションアップにつながるのです。

Z世代の傾向

  • 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さがある

  • 同世代との高い関係構築スキルがある

  • タイムパフォーマンスを重視する

  • 他人の評価が気になり、失敗したくないという意識が強い

  • できている点は褒めてもらいたい

たとえば、ある企業がZ世代の新入社員に対して「一方向的な講義形式の研修」を行った場合です。

企業の「歴史」「製品」「規則」について、講師が一方的に説明し、Z世代の傾向を無視した内容となっていました。

そのため、

  • 研修内容が一方的であり、新入社員は「ものごとの必要性を理解してから取り入れたい」という自身の価値観に合わないと感じ、企業に対して共感を持てない

  • 同世代との関係構築スキルを発揮する場がなく、研修中に他の新入社員と交流する機会が少なかったため、孤立感を感じてしまった

といった事態に陥ってしまいました。

一方で、ほかの企業ではZ世代の価値観に合わせて研修を企画し、グループディスカッションやチームで課題に取り組む研修を取り入れて研修を実施しました。

その結果、

  • 同世代との関係構築スキルを発揮して、研修に意欲的に取り組む

  • グループワークの中で、業務に必要なことを体感で理解できるため、納得度が高く、「自分に取り入れよう」と自発的な姿勢になる

  • 新入社員は自身に合う研修が実施され、「この会社で働いていけそう」と意欲が湧き、企業へのエンゲージメントや働くモチベーションがアップする

といったように、Z世代に研修の内容が響き、その後の意欲につながるのです。

Z世代の新入社員が社会人として働くことに希望を持ち、意欲高く仕事に向かっていけるよう、彼らの価値観に寄り添って研修を実施することが重要です。

次章からは、そうしたZ世代の価値観に合わせ、やる気を上げるような新入社員研修の事例をご紹介します。

新入社員研修 Z世代のやる気を上げる4事例

新入社員研修事例イメージ④

先にもお伝えした通り、新入社員であるZ世代には以下のような傾向があります。

Z世代の傾向

  • 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さがある
  • 同世代との高い関係構築スキルがある
  • タイムパフォーマンスを重視する
  • 他人の評価が気になり、失敗したくないという意識が強い
  • できている点は褒めてもらいたい

こうした傾向をふまえて、Z世代のやる気を上げるような新入社員研修の事例を以下4つご紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

【しごとっち】シゴト体験ビジネスゲーム型研修/株式会社ノビテク

1つ目の事例は「【しごとっち】シゴト体験ビジネスゲーム型研修」です。

株式会社ノビテクが提供するこの研修は、以下を目的に実施されています。

研修の目的

  • 基礎的なビジネススキルやマインドを身につけること

  • 時間管理、G-PDCAサイクルを学ぶこと

この研修では、以下の内容を実施しています。

研修の内容

  • 架空のおもちゃ会社に入社する設定で、新入社員は売上1位を目指しておもちゃの開発を行う

  • チームで議論して解決していく

  • 成果物を作成するだけでなく、その過程で起こりうるリアルなトラブルを組み込んでいる
    →新入社員は予期せぬ問題に悩むことになる

この事例はZ世代の以下の傾向をふまえて、研修を実施することができます。

  • 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さがある
    →シミュレーションゲームの中で業務に役立つスキルを体感で学べる
     そのため納得度が高く、自分に取り入れようという意識が芽生える

  • 同世代との高い関係構築スキルがある
    →同世代との関係構築スキルを発揮して、研修に意欲的に取り組む

こうした研修を実施することで、

  • ビジネススキル、マインドを体感し理解できる
  • 時間管理、G-PDCAサイクルが理解できる
  • それぞれの役割に応じた期待(役割期待)があることを理解できる

といった成果を得ることができます。

タイムマネジメント研修/株式会社リスキル

2つめの事例は「タイムマネジメント研修」です。

株式会社リスキルが提供するこの研修は、以下を目的に実施されています。


研修の目的

  • 仕事の優先順位を決め、効率的に進められるようにすること

  • タイムマネジメントのスキルを身に付け、計画通りに業務を進められるようになること

具体的には、以下の研修内容を実施します。

研修の内容

  1. タイムマネジメントの必要性
    時間管理について考える:時間管理に対する苦手意識や悩みをリストアップ
    タイムマネジメントの原則:限られた時間でできることに注目
    タイムマネジメントの必要性:組織としてのメリット、個人としてのメリット
    など
  2. 仕事の分類
    今やるべき業務の確認:直近の業務と1日のスケジュールを記録
    タスクと時間の見える化:業務時間の把握
    など
  3. 無駄をいかに減らせるか
    ECRSの原則:排除・総合・交換・簡素
    無駄の洗い出し:棚卸しした仕事の中から無駄を探す
    など
  4. タスク管理
    ★タスク管理のポイントを解説

    記憶に頼らない:To Doリストの活用
    優先順位の決定:参考になる考え方
    プロセスへの分割:工程の分割と見通しを立てる
    など

この事例はZ世代の以下の傾向をふまえて、研修を実施することができます。

  • タイムパフォーマンスを重視する
    →時間の使い方や優先順位の付け方を学び、効率的に業務をこなす方法を習得する
  • 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さがある
    →実践的なワークショップを通じて、自分にとって重要なスキルや知識であることを理解し、意識的に身につけようとする


こうした研修を通して、

  • 業務の無駄の洗い出し方、無駄を減らす方法を理解する
  • タスクを効率的に管理する方法を理解する
  • タイムマネジメントを実践するうえでのルールを作成できるようになる

といった成果を得ることができます。
 
▼タイムマネジメント研修については下記で詳しく解説しています。

  タイムマネジメント研修で人生が変わる!理由や時間の使い方のポイントとは? 現代におけるタイムマネジメント研修が必要な背景、目的、内容、そして具体的な研修方法や社内で取り組むためのポイントなどを詳しく紹介します。受講を通じて自分自身の行動特性を知り、時間の使い方を知ることにより人生が変わると言われています。スキル習得面、組織活性化面の展開についても解説します。 株式会社LDcube


農村体験/株式会社インソース

3つ目は「農村体験」です。

株式会社インソースが提供するこの研修では、以下を目的として研修が実施されています。


研修の目的

  • 農村で「生きること」「暮らすこと」「つくること」「協力すること」から社会人基礎力(粘り強く取り組む力/考え抜く力/チームワーク力)を鍛えること

  • リアルに感じられる自然や環境によって参加意欲を向上させること

農村体験では、以下の内容に取り組みます。

研修の内容

1日目:事前研修(座学)

  • 社会人とは
  • 社会人基礎力とは
  • 農村体験研修の意義や流れ

2〜3日目:農村体験研修(1泊2日)

  • 農村生活体験(田植え、稲刈り、家畜の世話など)
  • 地元の方々と交流会
  • 農村体験のまとめ、気づきの整理
  • 振り返りとメンバー相互のフィードバック
    など


この事例は、Z世代の以下の傾向をふまえて研修を行うことが可能です。

  • 他人の評価が気になり、失敗したくないという意識が強い
    →「他人の評価が気になる」「失敗したくない」という気持ちに寄り添い、
     「今後仕事で失敗しないための社会人としての力」を身につけてもらえる

  • できている点は褒めてもらいたい
    →新入社員は一緒に研修を行った同期と、良い点・改善点を含めたフィードバックを伝え合うことで、「できている点は褒めてもらいたい」というZ世代の気持ちに寄り添い、モチベーションアップを図る

こうした研修を通して、

  • 自己開示を行い、積極的なコミュニケーションが取れるようになる
  • 目の前の事象に対し、前向きに捉え、継続して取り組み続けることができる
  • 考え、創意工夫する力を身につけられる
  • 人と支えあい、ともに取り組む力を身につける
  • 状況判断力をつけられる

といった成果を得ることができます。

集合研修のDX化/株式会社LDcube

4つ目の事例は「集合研修のDX化」です。

株式会社LDcubeが提供するこの研修は、以下を目的に実施されています。


研修の目的

  • 詰め込み型研修をやめ、社員の働くモチベーションを向上させること

  • 新入社員同士のコミュニケーション促進

  • OJT担当者や配属先上司が新入社員の様子を知れるようにすること

研修で行った内容は以下のとおりです。

研修の内容

  • AIを活用したデジタル学習プラットフォーム「UMU」を導入
  • 「知識習得」を目的とした内容を最低限にし、コミュニケーションを取る時間を設けた
  • 「動画を視聴する個人学習(インプット時間)」「試験を受けたり、チームでの課題投稿・意見共有したりする時間(アウトプット時間)」を設けた
  • 自己紹介動画を新入社員に作成してもらい、同期同士で閲覧してコメントし合う
  • 自己紹介動画を配属部署の上司が閲覧し、コメントする

この研修では、Z世代の以下の傾向をふまえて、研修を実施することができます。

  • 同世代との高い関係構築スキルがある
    →同世代との関係構築スキルを発揮してコミュニケーションを行い、研修に意欲的に取り組む

  • できている点は褒めてもらいたい
    →新入社員が一緒に研修を行った同期と自己紹介動画を通してコメントを伝え合うことで、「良い点は褒めてもらいたい」というZ世代の気持ちに寄り添い、モチベーションアップを図る

こうした研修を行った結果、以下のような結果を得ることができました。


  • コミュニケーションが活性化
    課題提出後に同期同士で、「いいね」やコメントし合う時間を確保し、幅広く同期とコミュニケーションを取る機会ができた

  • 研修内容や研修中の新入社員の様子を可視化して共有
    UMUを活用することで、OJT担当者や上司などが研修の状況を把握でき、配属後の新入社員との交流がスムーズになった

  • 研修内でのアウトプットが増加
    UMUを活用することで「インプット」と「アウトプット」を組み合わせた研修を実現
    多くの新入社員が動画で繰り返し学習を行い、限られた時間の中で、復習する時間を捻出可能となった
    グループワークでは意見共有する時間をつくった
    自己紹介動画を投稿し、自己表現の機会をつくれた


新入社員研修はLDcubeへご相談ください!

私たちLDcubeでは、Z世代への研修に役立つAIを活⽤したデジタル学習プラットフォーム「UMU」をご提供しています。

UMUには、

◆AIを活用したAIコーチングという機能による、セールスロープレの自動化ができる
◆さまざまなオンラインコンテンツを閲覧/視聴することで、必要な基礎知識を徹底的にインプットできる
◆業務シーンを想定したケーススタディができる
◆学習度合いを確認する修了試験を実施できる

といった魅力があり、Z世代の

  • 業務に必要な知識だと納得ができればどんどん身につけようとモチベーションアップする
  • フィードバックで良いところは褒めてもらえると、仕事への意欲が向上する 

といった特徴に寄り添って、研修を実施することができるのです。

Z世代への新入社員研修を改革したいと考えているご担当者様は、ぜひ一度、以下資料をダウンロードしてみてください。


効果的な新入社員研修企画を作る3つのコツ

新入社員研修事例イメージ⑤

ここまで効果的な新入社員研修の事例についてお伝えしましたが、ただ面白い研修・目新しい研修を実施するだけでは意味がありません。

最も重要なのは、新入社員が求める人材に近づくような、効果のある研修を実施することです。

そこで5章では、効果的な新入社員研修企画を作るコツを以下3つご紹介します。

効果的な新入社員研修企画を作る3つのコツ


  • アイスブレイクをはさむ

  • 新入社員の内発的動機を促す

  • 研修内容は詰め込みすぎない

各コツを参考にしながら、新入社員に効果のある研修企画を作成しましょう。

アイスブレイクをはさむ

1つ目は「アイスブレイクをはさむ」ことです。

新入社員は慣れない環境に緊張していることが多いため、心身の緊張をほぐすためにアイスブレイクを行うことで、

  • その場に安心していられる
  • 研修に取り組む心の準備が整う 

といった効果があるのです。

たとえば、新入社員研修の初日に以下のアイスブレイクを行った場合です。

【自己紹介ビンゴ】
参加者それぞれが自分の名前や趣味を書いたカードを持ち、それを他の参加者と交換し合う

新入社員Aさんは、同じ趣味を持つBさんと自己紹介を通じて話が弾み、共通点を見つけて親近感を感じて緊張がほぐれ、他の参加者とも積極的に話せるようになり、リラックス状態となりました。

そして講師の話にも集中しやすくなり、研修内容に対する理解が深まりました。

このようにアイスブレイクの有無で、新入社員の緊張状態が変わってきそうだとイメージできるのではないでしょうか。

したがって新入社員研修を企画する際は、はじめにアイスブレイクを行うことをおすすめします。

新入社員の内発的動機を促す

2つ目は「新入社員の内発的動機を促す」ことです。

というのも、内発的動機を促すことができないと、現場に入ってから指示待ち・受け身な人材となってしまうのです。

そもそも内発的動機とは、内面に沸き起こる興味・関心や意欲に動機づけられている状態のことです。

興味や関心、意欲のないものについては、どれだけ研修で新入社員に「こうしたほうがいい」と伝えても、疲弊や諦めを感じさせてしまったり、正解を外に求める姿勢が生まれやすくなったりします。

一方で、内発的動機を促すことができれば、新入社員の内から「ありたい姿」が醸成され、自発的・自律的な行動へと結びつきやすくなるのです。

実際に「世界一〇〇なタイマーを作るものづくり講座」の事例では、商品企画から量産をするところまで、すべての工程を新入社員に体験させることで興味・関心を持ってもらい、内発的動機を促しています。

したがって、新入社員の内発的動機を促せるような研修企画を作ることが重要です。

以下のポイントを意識して、内発的動機を促せる研修企画を作成しましょう。

【新入社員の内発的動機を促すためのポイント】 

  • すべての学びを「べき論」で教えるのではなく、グループディスカッションで話し合ってもらい、新入社員の主体性を高める
  • 「講師だけが正解を持っているわけでなく、新入社員同士で学び合って決めていくことも重要」であることを理解しておく



研修内容は詰め込みすぎない

3つ目は「研修内容は詰め込みすぎない」ことです。

なぜなら、研修内容を詰め込みすぎると新入社員が内容を処理しきれず、何が重要なのかポイントがわからなくなってしまうからです。

たとえば、以下のように新入社員Aさんの研修スケジュールと、Bさんの研修スケジュールを比較すると、重要なポイントをしっかり理解できる時間があるのはBさんだとわかります。

【新入社員Aさんの研修スケジュール】

1日目:会社の歴史と企業文化、ビジネスマナー
2日目:各部門の役割と製品知識
3日目:ITツールの使用方法
4日目:セキュリティ対策
5日目:チームビルディングとコミュニケーションスキル

重要なことがわからなくなる/知識を覚えきれない

【新入社員Bさんの研修スケジュール】

1日目:会社の歴史と企業文化、ビジネスマナーの基本
2日目:製品知識の基礎(1)
3日目:製品知識の基礎(2)
4日目:IT・セキュリティ対策の基本(午前)
5日目:チームビルディング活動(午前)

本当に重要なことをしっかり理解できる/理解するための時間がある

このように詰め込みすぎず、スケジュールには余裕を持ったほうが、新入社員が学んだことを整理でき、効果が高まるのです。

とくに新入社員育成に強い思いを持っている人事・企業の場合、研修内容を詰め込みすぎてしまう傾向にあります。

そのため、以下のポイントを確認して、研修内容を企画していきましょう。

【新入社員の研修内容を詰め込みすぎないための確認ポイント】

  • 自社の育成コンセプトや研修目的に即した内容であるかどうかを確認する
  • 研修期間内で、本当に実施すべき内容かどうか、優先順位は付けられているか確認する


まとめ

この記事では新入社員研修の事例や効果的な新入社員研修企画を作るコツを解説しました。

◆新入社員研修 ユニークな7事例

◆新入社員研修 定番の4事例

◆Z世代の価値観に合わせて研修を企画することが重要

▼Z世代の傾向

  • 必要だと理解した事柄を取り入れる柔軟さがある
  • 同世代との高い関係構築スキルがある
  • 多様性を受け入れることに抵抗を感じない
  • タイムパフォーマンスを重視する
  • 他人の評価が気になり、失敗したくないという意識が強い
  • できている点は褒めてもらいたい


◆新入社員研修 Z世代のやる気を上げる4事例

◆効果的な新入社員研修企画を作る3つのコツ

  • アイスブレイクをはさむ

  • 新入社員の内発的動機を促す

  • 研修内容は詰め込みすぎない

新入社員研修の企画作成の際に参考になれば幸いです。

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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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