新入社員研修にeラーニングを活用するメリットと進め方・注意点

「新入社員にeラーニングって、どうなんだろう?」
「eラーニングを活用した新人教育を検討中だが、進め方や注意点が知りたい」

近年、多くの企業が新入社員研修にeラーニングを取り入れています。

結論からいえば、新入社員に対するeラーニング導入は、多くのメリットがあり、早期に推進すべき施策といえます。

というのは、時間や場所に縛られない柔軟な学習環境を整備でき、一貫した教育の質を担保しつつ、コスト削減も図れるからです。

新入社員eラーニング②

しかしながら一方で、注意点があるのも事実です。適切に実施しなければ、逆に非効率になる恐れがあります。

この記事では、新入社員の研修でeラーニングを活用するメリットと、導入の進め方、注意点について解説します。

新入社員の能力開発とエンゲージメント向上を両立できる、eラーニングの活用法を身に付けましょう。

▼新入社員の育成や研修については下記で詳しく解説しています。併せてご覧ください。

▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。

新入社員育成のすべて企画編資料

新人育成のすべて実践編資料

新人育成のすべてカリキュラム編資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.eラーニングを活用した新入社員研修のメリット  
    1. 1.1.一貫した教育内容で品質を均一化できる
    2. 1.2.個人のペースで反復学習できる
    3. 1.3.学習状況を可視化できる
    4. 1.4.時間や場所の制約がない
    5. 1.5.教育コストを削減できる
  2. 2.新入社員研修にeラーニングを導入する進め方  
    1. 2.1.ステップ1:新入社員教育における課題を明確にする
    2. 2.2.ステップ2:新入社員に必要な知識やスキルを精査する
    3. 2.3.ステップ3:eラーニングの全体設計に取り組む
    4. 2.4.ステップ4:ブレンディッドラーニングの設計をする
    5. 2.5.ステップ5:マイクロラーニングを効果的に取り入れる
    6. 2.6.ステップ6:eラーニングの進捗管理と評価の仕組みを整える
  3. 3.eラーニングを新入社員研修で活用する注意点  
    1. 3.1.eラーニングの限界を理解する(過度な期待は禁物)
    2. 3.2.運用負荷を見極めて現実的な計画を立てる
    3. 3.3.eラーニングの効果検証を継続的に行う
    4. 3.4.新入社員の声に耳を傾けフィードバックを反映させる
  4. 4.まとめ


eラーニングを活用した新入社員研修のメリット  

冒頭でも触れたとおり、eラーニングは、新入社員の教育にさまざまなメリットをもたらします。

新入社員eラーニング④

まずは、以下5つのポイントを具体的に見ていきましょう。

  1. 一貫した教育内容で品質を均一化できる
  2. 個人のペースで反復学習できる
  3. 学習状況を可視化できる
  4. 時間や場所の制約がない
  5. 教育コストを削減できる 


一貫した教育内容で品質を均一化できる

1つ目のメリットは「一貫した教育内容で品質を均一化できる」です。

新入社員を教育する際、講師やトレーナーのスキル・経験の違いにより、教育内容にばらつきが生じるケースは、少なくありません。

入社時期や同期の人数、研修の期間や職場の繁閑状況などの条件でも、教育の質に差が出ることがあります。

しかし、eラーニングなら統一された教材を使うため、すべての新入社員に対して、同じ水準の学びを提供できるのです。

【教育品質の均一化がもたらす効果】

  • 全国の支社や営業所、工場など、さまざまな部署や拠点に配属された新入社員に、同じ内容の研修を施せます
  • ベテラン社員から新米の指導担当者まで、講師の力量に左右されることなく、安定的な教育を実現できます
  • eラーニング教材は内容の更新を容易にできるため、常に最新の情報を伝えられます

    全新入社員に質の高い教育を公平に提供できる体制を整備することは、企業の責任であり、組織の生産性向上にも大きく貢献します。

    個人のペースで反復学習できる

    2つ目のメリットは「個人のペースで反復学習できる」です。

    集合研修では、受講者全員が同じペースで学習を進めるため、個人差への対応が難しい面があります。

    一方、eラーニングでは一人一人の理解度に合わせて、繰り返し学習できる点が強みです。

    苦手な部分は何度も復習し、よくわかったところは先に進むなど、個別最適化された学習が実現します。

    【自分のペースで学べるeラーニング】

    • 自分の理解度に合わせて、学習のペースを調整できます
    • 講義の動画を何度も視聴して、ポイントを押さえられます
    • テストの結果から弱点を把握し、苦手な箇所を重点的に復習できます
    • システムが学習履歴を記録するので、振り返りに役立ちます

      個人の能力や進捗に合わせたセルフペースの学習は、着実なレベルアップにつながります。

      学習状況を可視化できる

      3つ目のメリットは「学習状況を可視化できる」です。

      eラーニングは、LMSと連携しやすいという大きなメリットがあります。

      LMSは「ラーニングマネジメントシステム(Learning Management System)」の略語で、学習管理システムのことです。

      新入社員eラーニング⑤

      LMSを活用すると、新入社員の学習進捗状況や習得状況を可視化でき、適切な指導やフォローに役立てられます。

      管理者は、個々の学習者の状況を把握し、きめ細やかなサポートを行えるのです。

      新入社員eラーニング⑥


      【LMSによる管理の効果】

      • 学習者ごとの学習進捗状況を確認できます
      • 各コンテンツの受講完了率を把握できます
      • 学習者の理解度に応じて、次に受講すべきコンテンツを推奨できます
      • 学習者からの質問やフィードバックを収集し、サポートに役立てられます
      • 修了証の発行や履修状況の報告など、管理業務を効率化できます

        eラーニングとLMSの導入により、新入社員の学習状況を一元管理できることは、大きなメリットといえます。

        ▼LMSについて詳しくは、以下の記事で解説しています。
        ⇒LMS(学習管理システム)とは?最新トレンドや導入の目的について解説!

        時間や場所の制約がない

        4つ目のメリットは「時間や場所の制約がない」です。

        eラーニングは、いつでもどこでも学習できる点が大きな特徴です。

        日常業務の合間など、隙間時間を有効活用できるため、効率的にスキルアップできます。

        【eラーニングの柔軟性】

        • PCやスマートフォン、タブレットなど、多様なデバイスで学習できる柔軟性があります
        • オフィス・自宅・移動中など、場所を選ばずに学習を進められます
        • 業務の都合のよい時間帯に集中して取り組めます
        • 隙間時間を活用して、効率的にカリキュラムを消化できます
        • 自分のペースでじっくり学べるので、理解度や定着度が高まります

          着目点として、最近では「マイクロラーニング」という手法が注目されています。これは、5〜10分程度の短い動画コンテンツを使って、隙間時間に少しずつ学習を積み重ねていく方法です。

          詳しくは以下の資料にてご確認ください。  

          マイクロラーニング資料


          教育コストを削減できる

          5つ目のメリットは「教育コストを削減できる」です。

          新入社員研修を集合形式で行う場合、会場準備や講師の派遣、資料の印刷などの負担が生じます。社内で各種教育を実施する場合には、トレーナー担当者自身の教育や業務時間の調整などが必要です。

          eラーニングを活用すれば、これらのコスト(費用面・労力面)を大幅に削減できます。

          【eラーニングによるコスト削減効果】

          • 集合研修の会場手配や設営、資料印刷などにかかるコストが不要になります
          • eラーニング教材を一度作成すれば、長期的に使い回せるので経済的です
          • 受講者数が多くても、追加の費用があまりかからないスケールメリットがあります
          • 集合研修の日程調整や運営にかかる工数を削減でき、業務の効率化が図れます
          • 自社内の会議室の占有や、社内講師の業務時間を最小限に抑えられます

            研修コストを適正化し、浮いた予算を他の施策に充当できるのは大きなメリットです。

            費用対効果の高いeラーニングの導入により、人材育成の質向上とコスト最適化の両立が実現できるでしょう。

            ▼LMS/eラーニングの費用については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
            ⇒LMSの費用とは?3つの代表相場と形態・種類・機能による違いを徹底解説

              LMSの費用とは?3つの代表相場と形態・種類・機能による違いを徹底解説 LMSは形態や機能によっても費用は大きく変わるため、どれが妥当かどうかを判断するのも容易ではないでしょう。本記事では代表的な導入費用の3つのパターンを紹介しながら、料金の種類、相場、変動のポイントなどを解説します。貴社に最適な選択の参考にしてください。 株式会社LDcube

            新人育成のすべて企画編資料

            新入社員研修にeラーニングを導入する進め方  

            新入社員eラーニング⑦

            多くのメリットがあるeラーニングですが、新入社員の教育に取り入れるなら、慎重に計画を立てて進める必要があります。

            ここでは、6つのステップに分けて、具体的な進め方を見ていきましょう。

            • ステップ1:新入社員教育における課題を明確にする
            • ステップ2:新入社員に必要な知識やスキルを精査する
            • ステップ3:eラーニングの全体設計に取り組む
            • ステップ4:ブレンディッドラーニングの設計をする
            • ステップ5:マイクロラーニングを効果的に取り入れる
            • ステップ6:eラーニングの進捗管理と評価の仕組みを整える

            ステップ1:新入社員教育における課題を明確にする

            1つ目のステップは「新入社員教育における課題を明確にする」です。

            まずは、自社の新入社員教育の現状を振り返りましょう。

            集合研修の実施状況や、教育の効果、コストなどの面から、現行の新入社員教育の問題点を洗い出します。

            【新入社員教育の課題例】

            • 集合研修の実施が困難で、教育の機会が十分に提供できていない
            • 研修内容にばらつきがあり、教育の質を均一に保てていない
            • 新入社員の習得状況を把握し、フォローアップすることが難しい
            • 教育にかかるコストや時間が負担となっている
            • 新入社員のモチベーション維持が難しく、自発的な学習を促せていない

              このように、自社の新入社員教育の改善点を見据えることが、効果的なeラーニング設計の第一歩となります。

              課題解決に向けて、どのようにeラーニングを活用していくのか、具体的なイメージを持つことが大切です。

              ステップ2:新入社員に必要な知識やスキルを精査する

              2つ目のステップは「新入社員に必要な知識やスキルを精査する」です。

              集合研修で扱っていた項目を、漫然とeラーニング化するのでは、失敗しやすくなります。改めて、新入社員の学習ニーズを見直しましょう。

              【新入社員に必要な知識やスキルの例】

              • 社会人としてのマインドセット
                社会人として必要な心構えや行動規範を身に付けます
              • ビジネスマナー
                ビジネスの場で求められる適切なマナーや言葉遣いを学びます
              • ITリテラシー
                業務で必要なITツールの操作スキルや、情報セキュリティの知識を習得します
              • 業界知識
                自社の業界における基本的な知識や動向を理解します
              • 商品・サービス知識
                自社の商品やサービスの特徴、強みを把握します
              • 基本的なビジネススキル:
                ロジカルシンキングやタイムマネジメント、ビジネス文書の書き方などについて学びます

                こういった項目を網羅的にリストアップし、優先順位をつけて教育内容を設計します。

                実務で直面する場面を想定し、新入社員の立場に立って、本当に必要な知識やスキルを見極めることが大切です。

                ステップ3:eラーニングの全体設計に取り組む

                3つ目のステップは「eラーニングの全体設計に取り組む」です。

                新入社員に必要な知識やスキルが明確になったら、次はeラーニングの全体設計に取り組みます。

                明らかになった課題を踏まえつつ、学習内容を体系立てて整理し、新入社員の成長を効果的に支援するカリキュラムを組み立てましょう。

                【eラーニング設計のポイント】

                • 体系的なカリキュラム設計
                  習得すべき知識やスキルを段階的に配列し、無理のない学習の流れを作ります
                • 学習目標の設定
                  各項目の学習目標を明確に定め、達成度の評価基準を設けます
                • 適切な学習時間の見積もり
                  新入社員の集中力や余裕時間を考慮し、現実的な学習時間を設定します
                • 多様な学習手法の採用
                  テキストや動画、演習問題など、多彩な学習素材を組み合わせます
                • モチベーション維持の工夫
                  ゲーミフィケーションの要素を取り入れるなど、学習意欲を刺激する仕掛けを施します

                  なお、eラーニングの学習効果を高めるためには、質の高い動画教材が欠かせません。

                  動画教材の選択肢は、大きく分けて2つです。

                  • 人材教育機関などが制作した動画教材
                    既成の汎用性のある動画教材を購入して利用します。一流の講師陣による質の高い教材を選択すれば、専門的な知識やスキルを効果的に学べます。ただし、自社の業務内容に完全にマッチしない場合もあります。
                  • 自社で制作した動画教材
                    自社の業務内容や社風に合わせてオリジナルの動画教材を制作します。自社に特化した内容を盛り込めるため、業務に直結したスキルを身に付けやすいメリットがあります。ただし、制作には時間とコストがかかります。

                  ▼既成の動画教材の具体的なイメージをつかみたい方は、以下をご覧ください。
                  CrossKnowledge ビジネススクール教授陣による動画コンテンツ

                  ▼自社で動画教材を制作する方法については、以下の記事で解説しています。
                  ⇒研修用動画コンテンツの作り方!効果的に作成するポイントやコツなどを解説!

                  以下の資料もあわせてご覧ください。  

                  研修用動画コンテンツの作り方

                  ステップ4:ブレンディッドラーニングの設計をする

                  4つ目のステップは「ブレンディッドラーニングの設計をする」です。

                  ブレンディッドラーニング(Blended learning)とは、複数の形態やメディアを組み合わせる学習手法です。

                  新入社員eラーニング⑧

                  eラーニングを、集合研修や対面での実践演習と組み合わせると、多角的な学びが促進され、より深い理解と定着につながります。

                  【ブレンディッドラーニングの設計例】

                  • 基礎知識のインプット
                    eラーニングで基本的な知識を習得します
                  • 集合研修での実践
                    eラーニングで得た知識を活用し、ロールプレイングなどの演習を行います
                  • 振り返りと再学習
                    研修での気づきをeラーニングに反映させ、より深い理解へと結びつけます
                  • OJTとの連動
                    指導担当者と連携を取り、日々の業務の中で学びを実践に移す機会を設けます
                  • フィードバックの実施
                    上司や先輩社員から適宜フィードバックをもらい、スキルの向上を図ります

                    新入社員教育では、実務で生きるスキルの習得が最重要です。「知識の習得」と「実践を通じた定着」の両方を促進するための最適解を追求しましょう。

                    ステップ5:マイクロラーニングを効果的に取り入れる

                    5つ目のステップは「マイクロラーニングを効果的に取り入れる」です。

                    新入社員向けのeラーニングを設計する際は、マイクロラーニングの手法を取り入れることが有効です。

                    マイクロラーニングとは、学習内容を小さな単位に分け、短時間で集中的に学ぶ方式です。新入社員の学習意欲を維持しつつ、業務と両立しやすい学習スタイルを実現できます。

                    【マイクロラーニング設計のポイント】

                    • 学習時間の設定
                      1コンテンツあたりの学習時間を5~10分程度に抑えます
                    • 適切な難易度
                      新入社員の理解度に合わせて、難しすぎず、易しすぎない内容に調整します
                    • 動画コンテンツの活用
                      短い動画教材を用いて、重要ポイントを簡潔に解説します

                      ▼マイクロラーニングに関する詳細は、以下の資料にまとめていますので、あわせてご覧ください。

                      マイクロラーニング資料

                      ステップ6:eラーニングの進捗管理と評価の仕組みを整える

                      6つ目のステップは「eラーニングの進捗管理と評価の仕組みを整える」です。

                      社員教育でeラーニングを活用する際は、“eラーニングプラットフォーム” の導入が不可欠です。

                      【eラーニングプラットフォームの基本機能】

                      • コンテンツ管理とコース作成
                      • 学習の進捗管理
                      • テストと評価
                      • 講師や受講者との意見交換

                      出典:【企業向け】eラーニングプラットフォームとは?失敗しない5つの選定ポイント

                      eラーニングプラットフォームを選定する際には、前述のLMS(学習管理システム)機能が充実しており、進捗管理と評価をしやすいサービスを見極めることが大切です。

                      具体的な選択肢としては、グローバルで活用できるLMSや、著名なMBA教授が監修したeラーニングコンテンツなど、高品質な自律型学習を展開できる「CrossKnowledge」があります。

                      LMS資料

                      ▼その他のLMSも含めて比較検討されたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
                      ⇒【比較表付き】LMS(学習管理システム)11選を機能別に徹底紹介

                        【比較表付き】LMS(学習管理システム)11選を機能別に徹底紹介 人事部や研修担当の方は、LMSを活用して効果を得たいものの、「数が多い上に、各社のHPで書いてあることが異なる…」と、比較をしようにも、情報不足で困っているのではないでしょうか。本記事では多数のLMSを徹底比較した上で、おすすめ11選ご紹介します。 株式会社LDcube

                      新人育成のすべて実践編資料

                      eラーニングを新入社員研修で活用する注意点  

                      新入社員eラーニング⑨

                      eラーニングは、新入社員教育の強力なツールとなる一方、使い方を誤ると効果が薄れてしまいます。

                      新入社員の教育でeラーニングを成功させるためのポイントを押さえておきましょう。

                      1. eラーニングの限界を理解する(過度な期待は禁物)
                      2. 運用負荷を見極めて現実的な計画を立てる
                      3. eラーニングの効果検証を継続的に行う
                      4. 新入社員の声に耳を傾けフィードバックを反映させる


                      eラーニングの限界を理解する(過度な期待は禁物)

                      1つ目は「eラーニングの限界を理解する(過度な期待は禁物)」です。

                      新入社員教育にeラーニングを取り入れる際は、その限界を見極めることも大切です。

                      eラーニングはあくまでも教育手段のひとつであり、万能ではありません。過度な期待を抱くことなく、長所と短所を冷静に見定めましょう。

                      【eラーニングの限界と留意点】

                      • 実践的なスキルの習得
                        知識の習得は可能ですが、実践力の養成には限界があります
                      • 社会性の育成
                        対面でのコミュニケーションによる社会性の醸成は難しい面があります
                      • モチベーションの維持
                        自己管理能力が求められるため、学習意欲の持続が課題となります
                      • 学習効果の個人差
                        個人の適性によって、eラーニングの学習効果には差が出るケースがあります
                      • コンテンツの更新
                        陳腐化を防ぐため、定期的なコンテンツの更新とメンテナンスが欠かせません

                        eラーニングの特性を十分に理解したうえで、新入社員教育の目的に応じて適切に活用しましょう。集合研修やOJTとの組み合わせを検討し、eラーニングの弱点を補う工夫が求められます。

                        運用負荷を見極めて現実的な計画を立てる

                        2つ目は「運用負荷を見極めて現実的な計画を立てる」です。

                        eラーニングの導入はコストメリットが大きいものの、一定の負荷はかかることを認識しておく必要があります。

                        安易に始めてしまい、現場に過重な負担を強いるようでは本末転倒です。運用体制やコストを見極め、現実的な計画を立てましょう。

                        【運用負荷への対策】

                        • 担当者の配置
                          eラーニングの運用管理を専任する担当者を置き、現場の負担を軽減します
                        • LMSの効果的な利用
                          LMSの機能を有効活用し、運用の自動化・効率化を図ります
                        • PDCAサイクルの確立
                          運用状況を定期的に評価し、業務の見直しと改善を継続的に実施します
                        • 社内の理解醸成
                          eラーニング推進の意義を丁寧に説明し、関係者の協力を仰ぎます

                          関係各所の協力を得ながら、持続可能なeラーニング活用を目指していきましょう。

                          eラーニングの効果検証を継続的に行う

                          3つ目は「eラーニングの効果検証を継続的に行う」です。

                          eラーニング導入後は、その効果を可視化し、継続的な検証が欠かせません。学びの成果が業務成果に反映されているか、定期的に確認することが重要です。

                          【eラーニングの効果測定の方法】

                          • 受講率や修了率のチェック
                            新入社員のeラーニング受講状況を定量的に把握します
                          • テスト結果の分析
                            確認テストの成績推移を追跡し、知識習得度の変化を見極めます
                          • 業務への活用度合いの評価
                            学んだ知識やスキルが実務でどの程度活用されているかを評価します
                          • 上司や先輩からのフィードバック
                            新入社員の成長ぶりについて、職場の関係者から意見を集めます
                          • ROI(投資収益率)の算出
                            eラーニング導入・運用コストに見合った効果が得られているか、費用対効果を測ります

                            効果検証の仕組みを整え、PDCAサイクルを回しながら、教育の質を高めていきましょう。

                            データに基づく冷静な分析と、それを研修設計に反映する継続的な取り組みが、eラーニング活用の成功の鍵を握ります。

                            たとえば、以下は建設コンサルタント業の企業で行っている、新入社員研修の効果測定の様子です(一部抜粋)。

                            新入社員eラーニング⑩

                            (出典:人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説

                            満足度や理解度をデータで捉えることで、次の打ち手が見えてきます。詳しくは以下の記事をご覧ください。⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説

                            新入社員の声に耳を傾けフィードバックを反映させる

                            4つ目は「新入社員の声に耳を傾けフィードバックを反映させる」です。

                            eラーニングに取り組む新入社員の声に、真摯に耳を傾ける姿勢も忘れてはなりません。

                            新入社員目線のフィードバックを吸い上げ、eラーニング教材や運用の改善に生かす仕組みを作りましょう。

                            【新入社員の声を生かす施策】

                            • アンケートの実施
                              eラーニングの内容や使い勝手について、定期的にアンケートを行います
                            • インタビューの実施
                              一部の新入社員を対象に、eラーニングの感想を直接ヒアリングします
                            • フィードバック内容の分析
                              得られたフィードバックを整理・分析し、改善策の立案に役立てます

                              新入社員の立場に立ち、彼ら彼女らのニーズを的確に捉えることが、教育の質向上につながります。

                              新入社員と運営側が一体となって教育を作り上げていく協働の意識が、eラーニング成功の礎となるでしょう。

                              新人育成のすべてカリキュラム編資料

                              まとめ

                              本記事では「新入社員教育とeラーニング」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

                              eラーニングを活用した新入社員研修のメリットとして、以下が挙げられます。

                              1. 一貫した教育内容で品質を均一化できる
                              2. 個人のペースで反復学習できる
                              3. 学習状況を可視化できる
                              4. 時間や場所の制約がない
                              5. 教育コストを削減できる

                              新入社員研修にeラーニングを導入する進め方を6つのステップで解説しました。

                              • ステップ1:新入社員教育における課題を明確にする
                              • ステップ2:新入社員に必要な知識やスキルを精査する
                              • ステップ3:eラーニングの全体設計に取り組む
                              • ステップ4:ブレンディッドラーニングの設計をする
                              • ステップ5:マイクロラーニングを効果的に取り入れる
                              • ステップ6:eラーニングの進捗管理と評価の仕組みを整える

                               eラーニングを新入社員研修で活用する際の注意点は以下のとおりです。

                              1. eラーニングの限界を理解する
                              2. 運用負荷を見極めて現実的な計画を立てる
                              3. eラーニングの効果検証を継続的に行う
                              4. 新入社員の声に耳を傾けフィードバックを反映させる 

                              新入社員教育におけるeラーニングのノウハウを蓄積していけば、人材育成プロセスの最適化が期待できます。

                              新入社員の成長を最大限に後押しする手段として、eラーニングを前向きに検討していただければ幸いです。

                              株式会社LDcubeでは世界のLMS市場トップ50リストで2020年に1位に輝いたCrossKnowledgeのLMS/eラーニング製品を日本で展開しています。

                              CrossKnowledgeのLMS/eラーニングは多言語対応しており、世界レベルの著名なMBA教授らが監修した高品質なコンテンツを有しており、24時間365日稼働しています。

                              もちろん新入社員向けのコンテンツも用意しております。

                              無料のデモIDの発行や導入事例の紹介なども行っています。受講者からの評判や受講費用など含めて、お気軽に問合せ、ご相談ください。

                              ▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。

                              新人育成のすべて企画編資料

                              新人育成のすべて実践編資料

                              新人育成のすべてカリキュラム編資料

                              LMS選定資料

                              LMS資料

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