新入社員研修の資料の効果的な作り方とは?理解しやすい構成も解説!

新入社員研修で使用する資料は、研修の成否を左右する重要な要素です。

しかし、効果的な研修資料の作成には多くの工夫が必要となります。特に、業務未経験の新入社員に対して、分かりやすく、かつ記憶に残る資料を作ることは、人事・研修担当者にとって大きな課題となっています。

新入社員研修の資料には、ビジネスマナーから業務の基礎知識まで、幅広い内容を含める必要があります。

また、研修時の理解度を高めるだけでなく、研修後の振り返りにも活用できる構成にすることが求められます。さらに、次年度以降の研修でも使用できるよう、汎用性の高い内容にまとめることも大切です。

本記事では、新入社員研修の資料作成に悩む研修担当者の方に向けて、効果的な資料作成の方法を解説していきます。初めに資料の基本構成を紹介し、その後、具体的な作成手順を6つのステップでお伝えします。

また、理解度を高めるための5つのポイントや、含めるべき重要項目まで、実践的な内容を紹介していきます。

研修資料の作成では、情報量の調整や構成の設計、視覚的な要素の活用など、さまざまな工夫が必要です。

また、研修目的に沿った効果的な内容を盛り込みながら、新入社員が理解しやすい形にまとめることも重要です。本記事では、これらの課題に対する具体的な解決策も提示していきます。

ただし、資料については研修会社が提供しているものを購入するという選択肢もあります。また、時代の流れから資料をデジタル化することも求められるようになってきています。全体にかかる労力と使えるリソースを加味して、研修効果を最大限発揮できるように取り組んでいくことがポイントです。

これから新入社員研修の資料を作成する方はもちろん、既存の研修資料をブラッシュアップしたいと考えている人材育成を担当されている方にも参考になる内容となっています。

ぜひ、より良い研修資料づくりにお役立てください。

▼ 新入社員に関連して、テーマごとに下記で詳しく解説しています。

▼新入社員の育成についてのお役立ち資料は下記よりダウンロードできます。(4部作:企画編・実践編・カリキュラム編・講師ガイド編)

	新入社員育成のすべて4本セットバナー

目次[非表示]

  1. 1.新入社員研修の資料はなぜ必要か
  2. 2.新入社員研修の資料への理解度が高まる基本構成
  3. 3.新入社員研修の資料作成6ステップ
  4. 4.新入社員研修の資料作成における5つのポイント
    1. 4.1.情報の優先順位を明確にする
    2. 4.2.視覚的な要素を効果的に使用する
    3. 4.3.実践的な例示を取り入れる
    4. 4.4.確認テストや演習を組み込む
    5. 4.5.復習しやすい構成にする
  5. 5.新入社員研修の資料に含めるべき重要テーマ
  6. 6.新入社員研修の資料作成でよくある失敗と対策
    1. 6.1.情報量が多すぎて理解できない
    2. 6.2.実践的な内容が不足している
    3. 6.3.体系的な構成になっていない
  7. 7.新入社員研修の資料は作るより購入する
  8. 8.これからの時代は新入社員研修の資料もデジタル化
  9. 9.新入社員研修における講師と資料活用の最適な形
  10. 10.まとめ

新入社員研修の資料はなぜ必要か

研修の資料を作成しているイメージ画像

新入社員研修において、効果的な研修資料の存在は研修の成否を左右する重要な要素です。単なる情報の伝達手段としてだけでなく、新入社員の成長をサポートする重要なツールとして機能します。以下では、なぜ研修資料が必要なのかを詳しく見ていきましょう。

研修効果を最大化する土台となる

研修資料は、新入社員の研修効果を最大限に高めるための土台となります。口頭での説明だけでは理解が不十分になりがちな内容も、適切に説明された資料があることで、より深い理解につながります。特に以下の点で効果を発揮します。

  • 研修内容への集中力向上:
    手元に資料があることで、メモを取ることに追われず、説明に集中することが可能

  • 視覚的な理解促進:
    図表やイラストを用いることで、複雑な概念が理解しやすくなる

  • 学習ペースの個人最適化:
    自分のペースで内容を確認し、理解を深めることが可能


研修後の振り返りツールとして機能する

研修資料は、研修終了後も重要な役割を果たします。新入社員が実際の業務に携わる中で、研修で学んだ内容を再確認する必要が生じた際の重要な参考資料となります。

  • 業務上の疑問点を解決する際のレファレンスとして活用できる
  • 基本的なルールや手順を再確認する際の情報源になる
  • 不明点があった際の自己学習ツールとして機能する


次年度以降の研修にも活用できる

一度作成した研修資料は、次年度以降の研修でも活用できる貴重な資産となります。これにより、以下のような効果が期待できます。

  • 研修内容の標準化:
    毎年一定水準の研修品質を維持できる

  • 改善の継続:
    前年の反省点を生かして、資料を年々ブラッシュアップ可能

  • 作業効率の向上:
    一から資料を作成する手間が省け、運用コストを削減できる

このように、新入社員研修の資料は、単なる補助教材以上の価値を持つ重要なツールと言えます。適切に作成・活用することで、研修の効果を最大限に高めることができるのです。

新入社員研修の資料への理解度が高まる基本構成

研修のイメージ画像

新入社員研修の資料を作成する際、その構成は学習効果を左右する重要な要素となります。効果的な研修資料には、学習者の理解を段階的に深めていく構成が必要です。ここでは、理解度を高める基本的な資料構成について解説します。

全体の目次と学習目標の設定

研修資料の冒頭には、全体の目次と明確な学習目標を設定することが重要です。これにより、学習者は以下の効果を得ることができます。

  • 学習内容の全体像を把握できる
  • 各単元の位置づけと重要性を理解できる
  • 自分が何を学ぶべきか、明確な指針を得られる

特に学習目標は、「〜ができるようになる」という具体的な行動目標として設定することで、より効果的な学習が可能になります。

各単元の導入と解説パート

各単元は、導入から解説へと段階的に理解を深める構成にすることで、学習効果が高まります。以下のような流れを意識しましょう。

  1. 導入部分:
    - その単元で学ぶ内容の概要
    - なぜその内容を学ぶ必要があるのか(学ぶ理由)
    - 実務でどのように活用されるのか

  2. 解説部分:
    - 基本的な概念や原則の説明
    - 具体的な例示や事例
    - 実践的なポイントの解説


演習と確認テストの配置

学んだ内容を定着させるためには、適切なタイミングでの演習や確認テストが効果的です。以下のポイントを押さえて配置しましょう。

  • 重要な概念の解説とセットで確認問題を設ける
  • 実践的な演習を通じて応用力を養う
  • 複数の単元をまたぐ総合演習を用意する

演習は実務に即した具体的なシチュエーションを設定することで、より効果的な学習につながります。

補足資料とレファレンス

研修資料の最後には、学習を支援する補足資料やレファレンス情報を収録します。
これには以下のような要素が含まれます。

  • 用語集:専門用語や社内独自の用語の説明
  • 参考資料:より詳しい学習のための推奨文献や資料
  • FAQ:よくある質問とその回答
  • チェックリスト:実務での確認項目一覧

このような体系的な構成により、新入社員は効率的に必要な知識やスキルを習得することができ、研修効果を最大限に高めることが可能となります。

新入社員研修の資料作成6ステップ

ステップを踏んで資料を作成しているイメージ画像

新入社員研修の資料作成は、計画的に進めることで効率的に質の高い資料を作ることができます。ここでは、効果的な研修資料を作成するための6つのステップを詳しく解説していきます。

STEP1.研修の目的と達成目標を設定する

研修資料作成の第一歩は、明確な目的と達成目標の設定です。この段階では以下の点を明確にします。

  • 研修全体で達成したい最終目標
  • 各単元での具体的な習得スキル
  • 研修後に期待される行動(研修後のチェックリストとして活用する)
  • 目標達成の評価指標

目標設定は具体的かつ測定可能な形で行うことで、より効果的な研修資料の作成が可能になります。

STEP2.必要なコンテンツをリストアップする

設定した目標を達成するために必要なコンテンツを洗い出します。この際に重要なポイントは下記の通りです。

  • 基礎知識から応用スキルまでの体系的な整理
  • 必須項目と補足項目の区分け
  • 社内特有のルールや慣習の抽出
  • 実践的なケーススタディーの選定

特に、新入社員がつまずきやすいポイントを重点的にカバーすることを意識しましょう。

STEP3.全体の構成を設計する

リストアップしたコンテンツを効果的に学習できるよう、全体の構成を設計します。以下の点に注意して進めましょう。

  • 基礎的なことから応用的なことへの段階的な学習フロー
  • 関連する内容のグルーピング
  • 適切な演習タイミングの設定
  • 復習・確認テストの配置

効果的な学習順序を意識するとともに、インプット要素だけにならないようにし、内容の重複や欠落がないように注意します。

STEP4.各単元の詳細を作り込む

設計した構成に基づき、各単元の詳細な内容を作成していきます。

  • 分かりやすい説明文の作成
  • 効果的な図表やイラストの挿入
  • 具体例や事例の選定と解説
  • 演習問題や確認テストの作成

社内資料は研修資料の素材として活用できるものが眠っていることが多いです。社内のさまざまな人に情報収集し、活用できるものがないかどうかを探してみましょう。社内から使えそうな素材を集めてくることで、効率的に資料を作成することができます。

STEP5.デザインとレイアウトを整える

作成した内容を効果的に伝えるため、視覚的な要素を整えます。

  • 一貫性のあるデザインテンプレートを使う
  • 見やすいフォントサイズと行間の設定する
  • 重要ポイントを強調して表示する
  • 適切な余白を入れたページ構成にする

見た目の統一感は、学習効率と理解度に大きく影響します。特に複数人で資料作成を行う場合には、作成作業に取り掛かる前に、作成のガイドラインとして設定しておくと良いでしょう。

STEP6.チェックリストで最終確認する

完成した資料は、以下のような観点から最終確認を行います。

  • 目標との整合性の確認
  • 内容の正確性と情報の鮮度の確認
  • 説明の分かりやすさの確認
  • 誤字脱字や表記の統一性の確認
  • デザインの一貫性の確認

可能であれば、複数の目で確認することで、より質の高い資料に仕上げることができます。

新入社員研修の資料作成における5つのポイント

研修のイメージ画像

新入社員研修の効果を最大限に高めるには、資料作成時の細かな工夫が重要です。ここでは、研修資料作成時に押さえておくべき5つのポイントについて解説していきます。

情報の優先順位を明確にする

効果的な研修資料では、情報の重要度に応じた優先順位付けが不可欠です。全ての情報を同じ重要度で扱うのではなく、まず新入社員が必ず理解しなければならない必須知識を明確に区分けし、その上で段階的に学ぶべき内容を整理していく必要があります。
この際、特に重要なポイントについては、色分けや太字、枠囲みなどの視覚的な要素を効果的に活用して強調することで、学習者の注意を適切に誘導することができます。

また、基本情報と補足情報を適切に区別することも重要です。基本情報はメインの本文として明確に示し、より詳細な説明や発展的な内容は補足情報として別枠で提供することで、情報の重要度が理解しやすくなります。
特に、新入社員が最初に理解すべき基本的な内容と、業務に慣れてから段階的に習得していく応用的な内容を明確に区分けすることで、混乱を避け、効率的な学習を実現することができます。

このような情報の優先順位付けにより、新入社員は自身の理解度に合わせて、適切な順序で必要な知識を習得していくことが可能となります。

視覚的な要素を効果的に使用する

複雑な概念や手順は、視覚的な要素を活用することで理解が深まります。

  • 図解やフローチャートによる手順の可視化
  • イラストや写真による具体例の提示
  • 色分けやアイコンによる情報の整理
  • 表やグラフによるデータの効果的な表現

ただし、装飾的な要素の使用は最小限に抑え、理解促進につながる視覚要素を選択します。

実践的な例示を取り入れる

理論的な説明だけでなく、実践に即した具体例を効果的に盛り込むことが重要です。

  • 実際の業務シーンに基づくケーススタディー
  • よくある失敗例とその対処法
  • ベストプラクティスの具体的な解説
  • 自社特有の状況に応じた応用例

現場で直面する具体的な状況に基づいた例示により、理解度と実践力が高まります。

確認テストや演習を組み込む

学習内容の定着を図るため、適切なタイミングで確認テストや演習を設定します。アウトプットしてみないことには正しく理解できているかどうかを確認することができません。インプットの要素だけではなく、適度にアウトプットの要素を組み込みましょう。

  • 各単元終了時の理解度クイズ
  • 実践的なロールプレイング
  • グループワーク用の演習問題
  • 総合的な理解を確認する最終テスト

特に、実務で遭遇する可能性の高いシーンを想定した演習を含めることで、実践的なスキル向上につながります。

復習しやすい構成にする

研修後の自己学習や振り返りを支援する構成にすることは、研修効果を持続させる上で極めて重要です。研修内容を効果的に復習できる構成を実現するためには、まず明確な見出しと体系的な目次を整備し、必要な情報への素早くアクセスできるようにする必要があります。

また、各単元の要点をまとめた「まとめ欄」を適切に配置することで、重要ポイントの確認が容易になります。

さらに、索引を充実させることで、特定のトピックや用語を効率的に探し出すことができます。重要なのは、業務開始後に新入社員が実務の中で疑問に直面した際に、必要な情報にすぐにアクセスできる構成にしておくことです。実務での活用を想定した情報の配置と検索のしやすさは、研修内容の実践的な活用を大きく左右します。

このように、効果的な研修資料の作成には、単なる情報の羅列ではなく、学習者の理解と実践を継続的に支援する構成が不可欠です。復習のしやすさを意識した構成によって、研修で得た知識を確実に定着させ、実務での活用へとつなげることができるのです。

新入社員研修の資料に含めるべき重要テーマ

研修のテーマを検討しているイメージ画像

新入社員研修の資料には、社会人としての基礎から会社特有のルールまで、さまざまな要素を含める必要があります。ここでは、効果的な研修資料に必ず含めるべき重要テーマについて解説していきます。

ビジネスマナーと社会人の基礎

新入社員として必要不可欠な、ビジネスマナーと社会人の基礎を中心に説明します。

  • 社会人としての身だしなみ
  • 基本的なビジネスマナー(あいさつ、言葉遣い、電話対応など)
  • 時間管理とスケジュール調整の方法
  • 基本的なビジネス文書の作成方法
  • ビジネスメールの作成方法と注意点

特に自社の業務で遭遇することの多い実践的な場面を想定した具体例を交えることで、理解を深めることができます。

▼新入社員研修でのビジネスマナーについては下記で詳しく解説しています。
新入社員研修で押さえるべきビジネスマナーとは?研修成功のコツ・マナー定着のポイントを徹底解説

  新入社員研修で押さえるべきビジネスマナーとは?研修成功のコツ・マナー定着のポイントを徹底解説 新人へのビジネスマナー指導は、社会人としての基礎力を育成する重要な機会です。本記事では、電話対応やメールの書き方、敬語の使い方など、新入社員研修のビジネスマナーを基礎から応用まで解説し、スキル定着に向けた指導で失敗しないための実践ポイントをご紹介します。 株式会社LDcube


会社の理念と行動指針

組織の一員として理解しておくべき基本的な価値観と指針について説明します。

  • 企業理念とビジョン、価値観
  • 企業の歴史と発展の経緯
  • 会社の事業領域と主要サービス
  • 組織構造と各部門の役割
  • 期待される行動規範と倫理基準

これらの理解は、日々の行動断の基準となるため、具体的な事例と共に解説することが重要です。

業務に必要な基礎知識

業務で必要となる基本的なスキルと知識を体系的に説明します。

  • 基本的な業務フロー
  • 使用する主要システムの操作方法
  • 文書管理のルールとガイドライン
  • セキュリティーポリシーと情報管理ガイドライン など

特に、部門固有の専門知識については、段階的な学習ができるよう構成を工夫します。

コミュニケーションガイドライン

効果的な社内外のコミュニケーションに必要な指針を提供します。

  • 報告・連絡・相談(ホウレンソウ)の基本
  • 会議での発言や参加の仕方
  • 上司や先輩社員との関わり方
  • 社内外の関係者との接し方
  • 困った時の相談体制

特に新入社員がつまずきやすいポイントについては、具体的な事例を用いて詳しく解説することが重要です。

これらの重要項目を適切に盛り込むことで、新入社員が円滑に職場に適応し、早期に戦力として活躍できるための基盤を作ることができます。

▼新入社員研修におけるコミュニケーションについては下記で詳しく解説しています。
新入社員のコミュニケーションの悩みに対する3つの解決策|ポイントを解説!

  新入社員のコミュニケーションの悩みに対する3つの解決策|ポイントを解説! 新入社員が抱えるコミュニケーション上の悩みを解決する方法をご紹介します。報連相や敬語の基本から、新入社員のコミュニケーションの悩みに効く研修プログラム、Z世代向けの学習環境構築まで、現場で使える具体的な解決策について解説します。 株式会社LDcube


新入社員研修の資料作成でよくある失敗と対策

成功例のイメージ画像

新入社員研修の資料作成では、経験不足や準備不足によりさまざまな課題が発生することがあります。ここでは、よくある失敗パターンとその具体的な対策について解説します。これらを事前に把握することで、より効果的な研修資料を作成することができます。

情報量が多すぎて理解できない

最も多い失敗パターンの一つが、情報の詰め込み過ぎです。以下のような問題が発生します。

  • 1ページあたりの情報が過密で読みにくい
  • 重要ポイントが埋もれてしまう
  • 学習の優先順位が不明確になる

問題に対する主な対策:

  1. 情報を重要度に応じて優先順位を付ける
  2. 1ページあたりの情報量を制限する
  3. 補足情報は別途参考資料としてまとめる
  4. 視覚的な余白を適切に設ける


実践的な内容が不足している

理論や概念の説明に偏り、実務での活用方法が不明確になってしまうケースです。

  • 具体的な業務との結びつきが見えない
  • 学んだ内容を実践できない
  • 現場の実態と研修内容がかけ離れている

問題に対する主な対策:

  1. 実際の業務シーンに基づく具体例の追加
  2. 実践的な演習問題の設定
  3. 現場の事例やケーススタディーを組み込む
  4. 応用方法の具体的な説明


体系的な構成になっていない

情報の並びや構成に論理的な流れがなく、学習効率が低下してしまう状況です。

  • 基礎的なことから応用的なことへの流れが不明確
  • 関連する内容が散在している
  • 重要度に応じた構成になっていない

問題に対する主な対策:

  1. 全体の学習フローを明確に設計する
  2. 関連する内容をまとめてグルーピングする
  3. 段階的な理解を促す構成にする
  4. 目次や見出しで構造を可視化する

資料を作成する側は業務についてさまざまな知見を持っているため、作成者の説明しやすい順番で構成してしまうことがありますが、知識の少ない新入社員にはその順番では理解しづらいこともあります。知識のない人が段階的に理解していくことを改めて意識しましょう。

これらの失敗を防ぐことで、より効果的な研修資料を作成することができ、新入社員の学習効果を最大限に高めることができます。

▼内容の詰め込み過ぎなど、新入社員研修についていけない社員をつくらないようにしましょう。
新入社員研修についていけない状況への対処法とは?Z世代に合わせた学習方法を解説!

  新入社員研修についていけない状況への対処法とは?Z世代に合わせた学習方法を解説! 新入社員研修のスタートは、新しい環境に慣れるための重要なステップですが、新人の中には「研修についていけない」という悩みを抱えることが少なくありません。本記事では、新人が研修についていくための具体的な方法を紹介します。 株式会社LDcube


新入社員研修の資料は作るより購入する

研修の資料について打ち合わせをしているイメージ画像

新入社員研修の資料作成について解説してきましたが、研修会社が提供している資料を購入するという選択肢もあります。新入社員研修の資料作成には多大な時間と労力が必要です。

自社で一から作成するよりも、既存の研修資料を購入し、活用することが全体で見るとコストパフォーマンスが高いこともあります。ここでは、その理由と効果的な活用方法について解説します。

新入社員研修の資料を作成する労力は膨大

研修資料の作成には、想像以上の工数が必要となります。
まず、内容の企画から最終チェックまでには数週間から数ヶ月という長期間を要することが一般的です。また、研修内容は複数の部署が関わることが多いため、各部署との綿密な調整や確認作業が必須となります。

さらに、一度作成した資料も、毎年の更新や改訂作業が発生するため、継続的な労力が必要となります。
加えて、ビジネスマナーやコミュニケーションなど、自社の業務ではない汎用的なテーマも多く、担当者の負担は決して小さくありません。

このように、質の高い研修資料の作成と維持には、想像以上の時間と労力が必要となるのです。
特に、品質の高い研修資料を作成するためには、教育設計の知識や経験も求められ、担当者の負担が大きくなります。

研修会社が提供している資料はすぐ使える

専門の研修会社が提供する資料には、以下のようなメリットがあります。

  • 教育効果が実証済みの体系的な内容である
  • プロフェッショナルによる分かりやすい解説がある
  • 豊富な事例やケーススタディーの収録がある
  • すぐに活用できる演習や確認テストがある
  • 定期的な内容の更新とサポートがある

これらの資料は、多くの企業での実績に基づいて作成されているため、高い教育効果が期待できます。

資料作成よりもプログラムの充実化を図ろう

既存の研修資料を活用することで、以下のような取り組みに注力することができます。

  • 自社独自の研修プログラムの設計
  • 部署別の専門研修の充実化
  • 個別フォローアップの強化
  • 実践的な演習作成の時間確保
  • 現場との連携強化

外部から資料を購入し活用することで、資料作成にかける工数を削減し、社内の限られたリソースを効果的に分配し、より充実した研修プログラムを実現することが可能となります。

このように、新入社員研修の資料は、必ずしも自社で全てを作成する必要はありません。汎用性の高いテーマについては、既存の質の高い研修資料を活用し、自社でしか作れない資料作成に注力することで、より効率的かつ効果的な研修実施が可能となります。

これからの時代は新入社員研修の資料もデジタル化

デジタル化のイメージ画像

研修の資料は、時代の変化とともにデジタル化が進んでいます。従来の紙媒体からデジタル形式への移行は、単なる形式が変わること以上の価値を組織にもたらします。これからの時代に即した研修資料のあり方について考えていきましょう。

新入社員研修の紙資料であることのデメリット

従来の紙資料による研修には、多くの課題が存在します。多くの新入社員は研修後、分厚い紙の資料を自席の引き出しにしまい込んでしまい、必要な時に素早く参照することができません。

また、資料の更新や修正が必要な場合、印刷済みの資料を差し替えることは容易ではありません。
さらに、保管スペースの問題や、紛失のリスク、環境への配慮という観点からも、紙資料による研修には限界があります。

新入社員研修の資料をデジタル化することのメリット

研修資料のデジタル化には、多くのメリットがあります。スマートフォンやタブレット、PCから必要な時に必要な情報にすぐアクセスできるため、業務中に疑問が生じた際にも即座に確認することができます。

また、動画や音声、インタラクティブなコンテンツを組み込むことで、より効果的な学習が可能になります。検索機能を活用することで、必要な情報をピンポイントで見つけ出すことができ、学習効率が大きく向上します。

さらに、デジタル化された資料は、内容の更新や修正が容易で、常に最新の情報を提供することができます。また、学習の進捗状況や理解度を把握することも可能となり、個々の新入社員に合わせた適切なフォローアップを実施することができます。

このように、研修資料のデジタル化は、新入社員の学習効果を高め、組織全体の効率性を向上させる重要な施策となっています。

新入社員研修における講師と資料活用の最適な形

最適な新入社員研修のイメージ画像

時代の変化とともに新入社員の育ってきた環境や日常生活の過ごし方、学び方などが変化しています。新入社員研修講師活用の最適な形は、基本的には社内講師で研修を実施しながら部分的に外部講師のノウハウを活用して、時代に合わせた学習環境を整えていくことです。

基本的には社内講師で実施する

社内で新入社員研修を行う場合、講師を社内から選定することが基本です。以下の理由があります。

  • 企業文化の理解が深い:
    社内講師はその企業の文化、ミッション、ビジョンを深く理解しており、その理解を直接新入社員に伝えることができます。企業固有の価値観を共有しやすい環境を作り出すことができます。

  • 業務内容の具体的な説明ができる:
    社内講師は実際に業務を行っている社員であるため、具体的な業務内容や職務に関するリアルな視点を新入社員に提供できます。これにより、新入社員は実践的な知識とスキルが身に付きやすくなります。

  • コスト効率が良い:
    外部講師の採用には費用がかかりますが、社内講師はその費用を抑えることができます。そのため、リソースを有効活用することができ、コスト効率が良くなります。

▼研修実施に関する費用については下記で詳しく解説しています。
研修実施に伴う費用とは?外部講師から内製化の相場まで解説!

  研修実施に伴う費用とは?外部講師から内製化の相場まで解説! 本記事では、社員の成長と企業の発展にむけ社員研修を実施する際、外部講師を活用した場合と、社内講師を活用した場合の研修費用・相場について解説し、費用を抑えて効果を最大化するポイント(外部講師の教材活用、オンラインの活用)等を紹介していきます。 株式会社LDcube


​​​​​​​外部講師が活用している教材を利用する

新入社員研修のテキストの画像

外部講師による研修は効果的ですが、社内講師が外部講師の教材を活用することで、同様の効果を得ることができます。社内講師が外部講師の持つノウハウを習得することで自社ならではの研修を組み立てることができます。

  • 質の高い教材の利用:
    外部講師が使用する専門的で洗練された教材は非常に有用です。社内講師がこれらの教材を効果的に取り入れることで、外部講師に匹敵する、質の高い研修を提供できます。

  • 社内に合わせたカスタマイズ:
    社内講師が外部教材を使う際に、そのまま使うのではなく、企業の特性や現場の状況に合わせてカスタマイズします。これにより、一般的な内容を具体的な業務に関連付けることができ、効果的な学びを提供できます。

  • 継続性と一貫性:
    社内講師が外部教材を取り入れて研修を実施することで、社内講師を務める人によって教える内容が変わるということがなく、研修の一貫性と継続性が保たれます。また、社内のフィードバックを基に、教材や研修内容を随時改善することが容易です。

新入社員研修は社内講師である社員が情熱を持って行っていくことが理想です。そのため、講師は社内から向いていそうな人を選び、そしてその社内講師に外部講師が使っているノウハウを身に付けてもらうことで、他社には真似のできない自社オリジナルの研修をつくることが可能です。

まとめ

新入社員研修の資料の効果的な作り方とは?理解しやすい基本構成も解説!について紹介してきました。

  • 新入社員研修の資料はなぜ必要か
  • 新入社員研修の資料の理解度が高まる基本構成
  • 新入社員研修の資料作成6ステップ
  • 新入社員研修の資料作成における5つのポイント
  • 新入社員研修の資料に含めるべき重要テーマ
  • 新入社員研修の資料作成でよくある失敗と対策
  • 新入社員研修の資料は作るより購入する
  • これからの時代は新入社員研修の資料もデジタル化
  • 新入社員研修における講師と資料活用の最適な形

新入社員研修の資料作成は、組織の未来を左右する重要な取り組みです。効果的な研修資料は、新入社員の早期戦力化を支援し、組織全体の生産性向上に貢献します。

本記事で解説してきたように、優れた研修資料の作成には、明確な目的設定から始まり、体系的な構成、分かりやすい内容の作り込み、そして効果的な演習の設計まで、多岐にわたる要素を考慮する必要があります。特に重要なのは、新入社員の視点に立ち、段階的な理解を促す構成を心がけることです。

また、研修資料は単なる情報の集合体ではなく、新入社員の成長を支援するツールとして機能する必要があります。そのためには、実践的な例示や具体的なケーススタディーを効果的に組み込み、理論と実践のバランスを取ることが重要です。

さらに、デジタル化の時代に即した形式での提供を検討することで、より効果的な学習環境を整えることができます。必要に応じて、既存の研修資料や外部機関のサポートを活用することも、質の高い研修を実現するための有効な選択肢となります。

最後に、研修資料は完成して終わりではなく、実施後の振り返りや改善を通じて継続的にブラッシュアップしていくことが大切です。新入社員からのフィードバックや、実際の業務での活用状況を踏まえて、より効果的な内容へと進化させていくことで、組織全体の成長につながる貴重な資産となっていくのです。

株式会社LDcubeでは、外部講師が活用している研修プログラムを内製し、社内トレーナーが研修実施できるようになるためのサポートや資料提供、学習プラットフォームを活用した、研修資料のデジタル化から効果的な学習環境づくりの支援を行っています。

無料でのプログラム体験会やプラットフォームのデモセミナーなども行っています。お気軽にお声がけください。

▼新入社員育成については下記にまとめました。こちらからダウンロードできます。

	新入社員育成のすべて4本セットバナー

▼関連記事一覧はこちら。

  新入社員研修のカリキュラム作成!効果を最大化するポイントを紹介 新入社員研修は、新入社員の定着と即戦力化させるために重要です。研修効果の最大化には、これまでのやり方を見直し、企業と新人のニーズや目標に沿ったカリキュラムの作成が必要です。1カ月間の教育内容・カリキュラムの事例を取り上げ、作成の流れ、重要ポイントなどについて解説します。 株式会社LDcube
  新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上! グループワークは社員が楽しみながら学習したり会話したりすることができるため、自然なコミュニケーションが図れ、モチベーションや人間関係の構築を促すことが可能です。今回は新入社員研修にグループワークを活用するメリットやおすすめのワークについて解説します。 株式会社LDcube
  新入社員フォローアップ研修のあるべき姿とは?すべて解説! 今回は新入社員フォローアップ研修の目的や効果、内容、日数、タイミング、その他施策について解説しながら、導入研修時から意識して取り組んだ方が良いことなどを解説していきます。研修は社内講師でやるか外部講師に依頼すべきかについても紹介します。 株式会社LDcube
  新入社員研修の事例15選|Z世代に刺さる・育つ研修内容を徹底解説 本記事では、新入社員=Z世代の価値観に合わせて研修を企画するためのユニークな研修、定番の研修の企画・事例についてご紹介します。Z世代の価値観に合わせて研修を行うことで、新入社員へのエンゲージメントが高まり、定着・戦力化につながります。 株式会社LDcube
  おすすめの新入社員研修12選|早期戦力化を叶える研修をプロが厳選 本記事では、目的に応じて厳選した新入社員研修のおすすめ12選をご紹介します。本記事を通して、自社にぴったりの新入社員研修を選ぶことで、新入社員がスムーズに職場に適応し、早期に戦力として活躍できるようになるはずです。 株式会社LDcube
  新入社員研修にeラーニングを活用するメリットと進め方・注意点 新入社員研修でのeラーニング導入は、多くのメリットがあります。時間や場所に縛られない柔軟な学習環境を整備でき、教育の質を担保しつつ、コスト削減も図れます。本記事では新人教育のオンライン化を進めるメリットと導入の進め方、注意点について解説します。 株式会社LDcube
  新入社員のオンボーディングに必要な要件とは?構築と運用の工数についても解説! 新入社員のオンボーディングは、企業の成長と持続的な成功の鍵を握る重要なプロセスです。本記事では、オンボーディングに必要な要件や組織内での構築方法、工数、事例など人材育成を早期に成功させるポイントを解説します。 株式会社LDcube
  新入社員向け財務研修には経営シミュレーションが最適!ポイントを解説! 新人が財務の基本知識を身に付けることは、ビジネスパーソンへの成長に向け重要な要素です。本コラムでは、新入社員向けの財務研修の目的や内容、展開ステップ、経営シミュレーションの活用について説明します。経営シミュレーションを通じて、生きた数字が学べるポイントを解説していきます。 株式会社LDcube
  研修実施に伴う費用とは?外部講師から内製化の相場まで解説! 本記事では、社員の成長と企業の発展にむけ社員研修を実施する際、外部講師を活用した場合と、社内講師を活用した場合の研修費用・相場について解説し、費用を抑えて効果を最大化するポイント(外部講師の教材活用、オンラインの活用)等を紹介していきます。 株式会社LDcube


代表取締役 新井澄人
代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

テーマで探す

Webinar
近日開催ウェビナー

Download
おすすめ資料

Article
おすすめ記事