eラーニングシステムのデメリットとは?課題を解決する方法
eラーニングは、従来の学習方法に比べて多くの利点がありますが、その一方でデメリットも無視できません。
特に企業がeラーニングを導入する際には、これらのデメリットをしっかりと理解し、対策を講じることが重要です。
では、具体的にどのような問題が存在し、その解決策にはどのようなものがあるのでしょうか?
まず、問題提起としてeラーニングの代表的なデメリットを挙げてみましょう。
多くの企業が直面する課題としては、以下の点が挙げられます。
- 学習者の自己管理能力に依存する
- 講師や他の学習者との交流がない
- 技術的な問題
- 学習者の学習ニーズにフィットしていない
次に、これらのデメリットに対する解決策を考えてみましょう。
- 双方向コミュニケーションのeラーニング
- リアルタイムフィードバックの活用
- 講師とコミュニケーションを取る
- 学習者同士のつながりを形成する
- 学習状況を一元管理する
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教材の作成やコースデザインを柔軟に行う
eラーニングのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、その効果を最大限に引き出すことが可能です。
企業はこれらの課題に対して前向きに取り組むことで、eラーニングを企業研修の中核として活用することができます。
デメリットを克服し、より効果的な学習環境を構築するための第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
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目次[非表示]
- 1.eラーニングの最大のデメリット
- 1.1.学習者の自己管理能力に依存する
- 1.2.講師や他の学習者との交流がない
- 1.3.技術的な問題
- 1.4.学習者の学習ニーズにフィットしていない
- 2.eラーニングのデメリットと対策
- 2.1.双方向コミュニケーションのeラーニング
- 2.2.②リアルタイムフィードバックの活用
- 2.3.③講師とコミュニケーションを取る
- 2.4.④学習者同士のつながりを形成する
- 2.5.⑤学習状況を一元管理する
- 2.6.⑥教材の作成やコースデザインを柔軟に行う
- 3.eラーニングにはメリットもある
- 4.eラーニングのトレンド
- 5.まとめ
eラーニングの最大のデメリット
eラーニング最大のデメリットは受講率が高まらないことです。eラーニングはテクノロジーを活用して、教えたい内容や学んでほしいコンテンツを多くの人に届けることが可能になりました。
しかしながら受講率が高まらないというデメリットを抱えています。なぜ、受講率が高まらないのでしょうか。解説していきます。
(eラーニングのデメリット)
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学習者の自己管理能力に依存する
eラーニングでの学習は大きく学習者の自己管理能力に依存します。
学習計画の設定や目標達成のためのステップ設計など、活動全般が自己管理に基づいています。
もちろん、それは進捗管理にも当てはまります。
しかしこれらの行為全てが一人の学習者に委ねられるため、自己管理能力が不十分な場合には学習が計画通り進まないことがあります。
その結果として、学習者が早々に挫折し、受講率が高まらない可能性があります。
講師や他の学習者との交流がない
集合研修のように講師や他の学習者と意見交換や質問などのやり取りが可能な場合、それは学習の刺激となりモチベーションアップにつながります。
しかし、基本的にeラーニングではそのようなやり取りを直接行うことが少なく、コミュニケーションがメールやチャットを通した問い合わせの形になります。
学習を一人で進めなければならないため、外部からの刺激を受ける機会が少なくなり、学習そのものが停滞してしまい、結果的に受講率が高まらない可能性があります。
技術的な問題
eラーニングは主にインターネットという技術を利用した教育形態です。
そのため、インターネット接続の問題やデバイスのトラブル、あるいはプラットフォームやソフトウェアのバグといった技術的な問題が学習の妨げとなることもあります。
学習者の学習ニーズにフィットしていない
eラーニングは学習コンテンツを多くの人に配信することが可能です。
しかしこの様に一斉に多くの人に向けて配信される教材は、言わば"平均的な"内容となりやすいです。
個々の学習者が置かれた状況はそれぞれ異なり、異なる学習ニーズを抱えています。
したがって、一般的な教材ばかりが提供される中で自分の学習ニーズを満たせないと感じた場合、受講率が高まらない可能性があります。
eラーニングのデメリットと対策
ここでは、eラーニングのデメリットに対する対策を紹介します。
(デメリットに対する対策!)
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双方向コミュニケーションのeラーニング
eラーニングを用いた研修は、学習者自身のペースで進められるため、本人のやる気やモチベーションで進捗が左右されやすいです。
モチベーションが維持できなければ研修内容を理解せずに終了してしまう可能性があります。
このような事態に陥らないためにも、双方向コミュニケーションやソーシャル機能が備わったeラーニングシステムを導入することが大切です。
他者とコミュニケーションをとることができれば、疑問や分からないことを解消しやすくなります。
企業が必要と考えるコンテンツだけではなく、より学習者のニーズに沿った学習コンテンツを提供することが重要です。
②リアルタイムフィードバックの活用
eラーニングはインターネットを利用して学ぶ学習形態のため、集合研修のように講師と対面できません。
文字や図表、動画などのコンテンツが中心になるため、ロールプレイングや機器の操作などの実践を伴う内容には向いていないです。
eラーニングで実践を伴う学習をさせたい場合は、Webカメラやマイクなどが使用できる多用なアウトプットに対応した学習プラットフォームがおすすめです。
オンラインで実践シーン・実技シーンなどを見ながら、リアルタイムでフィードバックを行うことができれば、スキルや知識に対する理解と定着がしやすくなります。
③講師とコミュニケーションを取る
eラーニングでは、収録された動画を中心に学習するのが基本です。
そのため、講師とリアルタイムでのコミュニケーションやフィードバックができない可能性があります。
学習者は研修内容に対して疑問や質問があっても、直接講師に聞くことができないため、正しくスキルや知識が身につかないまま進んでしまう恐れがあります。
このような事態を回避するためには、オンラインの研修対応やライブ配信対応、コミュニケーション機能などが備わった双方向コミュニケーションに適した学習プラットフォームを選ぶことが大切です。
必要に応じて学習者と講師がコミュニケーションをとることができれば、学習内容に対する理解を深めやすくなります。
④学習者同士のつながりを形成する
eラーニングは基本的に1人で学習するため、学習者同士で横のつながりを強化しづらいデメリットがあります。
例えば、内定者研修や新入社員研修は学習者同士の関係性の構築が一つの目的となっています。
しかし、eラーニングで研修を実施した場合は、学習者同士がコミュニケーションをとることができません。
対策としては、学習者同士でのディスカッションやグループワークなどの機能が充実した学習プラットフォームがおすすめです。
対面ではありませんが、学習者同士がお互いにやり取りができるため、横のつながりを強化できます。
⑤学習状況を一元管理する
自製でeラーニングを導入する場合は、学習状況の管理が煩雑になりやすいです。
eラーニングシステムのなかには、誰が何の教材をどこまで進めたか、どのような成績を残したかなどの情報が可視化できないものがあるため、注意が必要です。
オンライン学習プラットフォーム(LMS)なら、学習状況の可視化や情報の一元管理ができるため、学習者一人ひとりの進捗状況やテストの結果などが管理しやすくなります。
⑥教材の作成やコースデザインを柔軟に行う
eラーニングシステムのなかには、教材を自社で作成できるものがあります。
自社のニーズに沿った教材が作成できるというメリットがありますが、作成には膨大な時間とコストがかかる可能性があるため、注意が必要です。
自社に最適化された教材を作成したい場合は、オリジナル教材の作成やコース設計を柔軟に行える学習プラットフォームがおすすめです。
また、これまでの研修で使用してきた資料や写真、ナレーション原稿などをシステムに読み込ませることで、最適なコンテンツを自動生成してくれるツールなどを併用することもおすすめです。
教育・研修担当者の負担が軽減されるため、コンテンツ内容のブラッシュアップに専念できます。
▼人材育成の効率化を図っていくためにはAIの活用も効果的です。AI活用についてはこちらで解説しています。合わせてご覧ください。⇒人材育成をAIで効率化する方法!学習プラットフォーム選びの秘訣
eラーニングにはメリットもある
eラーニングとは、インターネットを利用して学ぶ学習形態のことをいいます。
パソコンはもちろん、スマートフォンやタブレットなどの通信端末を利用して学習することが可能です。
一般的な研修では1つのテーマに沿って学習することが一般的であり、準備に手間と時間がかかります。
しかし、eラーニングはビジネスにおける基礎知識から専門的な内容までカバーしているため、研修のたびに教材やコンテンツを用意する必要がありません。
学習者も決まった日時に指定された場所に研修を受けに行く必要がなく、自身の都合がいいタイミングで学習ができることが最大のメリットです。
従来の集合研修に比べて、eラーニングには他にもさまざまなメリットがあります。主なメリットは以下のとおりです。
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前述したように、eラーニング最大のメリットは研修を受ける時間と場所が問われないことです。
務の隙間時間や通勤時間など、学習者の任意のタイミングで学習できるため、負担を最小限に抑えられます。
登録されたコンテンツが研修の中心となるため、講師の指導力に左右されることもなく、教育の均質化を図ることが可能です。
eラーニングの導入は学習者が主体的に学べる環境の創出に役立ちます。
また、eラーニングは異なる種類の学習方法を組み合わせたブレンディッドラーニングにも活用できます。
eラーニングと実技研修を組み合わせることで、基礎から専門的な分野まで幅広くカバーできるため、より効率的に社員教育を行うことが可能です。
eラーニングシステムを導入すれば1つのプラットフォームで研修の企画から管理までできるため、教育業務の効率化が図れます。
▼eラーニングシステム(LMS)を活用した業務の効率化についてはこちらで解説しています。合わせてご覧ください。⇒LMSを人事評価や施策の改善に生かすポイント!失敗しない選び方
eラーニングのトレンド
emergency learningとしてのeラーニング
コロナ禍を経てeラーニングの位置づけが変化したと言われています。従来eラーニングのeは「electric:電子的な」という意味合いでずっと活用されてきました。
コロナ禍を経て、electricの意味合いはなくなりませんが、「emergency:緊急な」という意味に変わっているといわれています。仕事を進める中で、“今”知りたいことを“今”知れるという学習環境としてのeラーニングが求められています。
つまり、学ぶことのベースが「講義」から「仕事を進めるためのサポート」や「仕事についての質疑応答」に変わってきたと言われています。
今までの一般的なeラーニングだけでなく、自社の実務遂行上必要な事柄を学べる環境が求められるようになってきているのです。
パーソナライズ学習としてeラーニング
テクノロジーの進化により、「パーソナライズ学習」が注目されています。これは、一人ひとりの学習者に合わせて教育内容や学習ペースを最適化し、効果的に学習を進めることを可能にするものです。
そこで、eラーニングシステムを活用したパーソナライズ学習が注目されています。データ分析技術を活用すれば、学習者一人ひとりの理解度や学習速度、弱点などを把握し、それに合わせて学習内容や問題をパーソナライズすることができます。
これにより、効率的な学習を実現でき、学習者のモチベーション維持にも寄与すると言われています。
また、個人診断などの結果を基に、学習者の強みや啓発点を明確にし、その強みや啓発点に合わせて学習コンテンツをリコメンドするパーソナライズ学習なども取り入れられています。
学習者は自分の状況や自分の成長につながる学習を望んでいます。自分の成長につながるコンテンツがリコメンドされることで、学習へのモチベーションが高まり、結果として受講率の向上につながります。
このように、テクノロジーを活用したパーソナライズ学習の発展によって、従来の"平均的"なコンテンツ配信から新たな学習方法へとシフトしてきています。
これにより、個々の学習者が自分自身のペースで学習を進め、最適な学び方を見つけることが可能になったと言えるでしょう。
まとめ
この記事では、eラーニングシステムについて以下の内容で解説しました。
- eラーニングの最大のデメリット
- eラーニングのデメリットと対策
- eラーニングにはメリットもある
- eラーニングのメリット
- eラーニングのトレンド
eラーニングの最大のデメリットは受講率が高まらないことです。
しかしながら、メリットもあります。コロナ禍を経てeラーニングの位置づけなども変わってきています。
現在のトレンドは、emergency learningとしてのeラーニングとパーソナライズ学習としてのeラーニングです。
eラーニングの導入は社内研修の質を上げたり全体的な教育業務の効率化を図れたりなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、すべての研修がeラーニングに適しているわけではなく、実践を伴う学習やコミュニケーションを図る必要があるものは実施が難しいケースも想定されます。
eラーニングは基本的に学習者1人で受けるものであり、講師と対面していないことから、疑問や質問があっても尋ねることはできません。
スキルの習得と知識の定着を促すためには、学習者の状況や特性、ニーズに合った学習プラットフォームを導入することが重要です。
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また、パーソナライズ学習につなげるため、個人診断を基にした、学習者の強みや啓発点に合わせて学習コンテンツをリコメンドする『CK-Connect』などの機能もあります。
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