意味がないeラーニングから卒業する6つの秘訣!原因や対策を解説
現在、場所と時間に捉われない学習方法として、eラーニングが普及しさまざまな企業や業種で取り入れられています。
eラーニングは専用の会場や講師を必要とせず、学習者の任意のタイミングで学習できることが特徴です。
しかし、eラーニングのコンテンツ内容や実施方法によっては「意味がない」と従業員に思われるケースもあります。
単にeラーニングを用意しただけでは、受講率を高めることは難しいです。効果的なラーニングデザインが必要です。
このコラムでは、eラーニングの実施目的や意味がないeラーニングを実施している企業の特徴、意味がないeラーニングから卒業する秘訣を紹介します。
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▼効果的なeラーニング環境を構築し、社員のエンゲージメントを高めることも重要です。
目次[非表示]
- 1.eラーニングは「意味ない」と感じる理由
- 1.1.学習者がeラーニングの内容に不満を持っている
- 1.2.学習の進捗管理ができていない
- 1.3.学びたいことと教材の内容が剥離している
- 1.4.学習者の成長や課題を可視化できていない
- 1.5.eラーニングの機能を使いこなせていない
- 2.意味ないeラーニングを卒業する秘訣6つ
- 2.1.①労働時間を配慮した受講ルールの策定
- 2.2.②隙間時間で効率よく学べるeラーニングの活用
- 2.3.③成果を見える化する学習プラットフォームの活用
- 2.4.④学習進捗・研修管理を一元化できるLMSの活用
- 2.5.⑤異なる研修とeラーニングを組み合わせる
- 2.6.⑥eラーニングでの成果を人事評価に反映する
- 3.eラーニングを実施する目的とは?
- 4.現代のeラーニングの意味合いとは
- 5.eラーニングの内容における2分類
- 5.1.一般的なビジネススキルなどのコンテンツ
- 5.2.自社特有のコンテンツ
- 6.これからの時代のeラーニングのあり方
- 6.1.パーソナライズ学習
- 6.2.インプットとアウトプットのデザイン
- 7.eラーニングをコホート型学習に活用
- 7.1.コホート型学習とは
- 7.2.今こそeラーニングの出番
- 8.まとめ
eラーニングは「意味ない」と感じる理由
近年では、幅広い企業や業種でeラーニングが実施されていますが、なかには意味がないeラーニングを実施してしまっているケースがあり、導入・実施するだけで満足していることも少なくありません。 eラーニングは「意味がない」と感じる理由を紹介します。
(eラーニングは意味ないと感じる理由)
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学習者がeラーニングの内容に不満を持っている
学習者がeラーニングの内容に不満を持っている場合、「意味ない」と感じます。
なぜなら、学習者は自分にとって有用でないと感じる可能性のある教材を学習することで、学習体験そのものに価値を見いだせないと感じるからです。
教材が古い、不適切な、または関連性のない情報を含んでいる場合、学習者はeラーニングの価値を疑うことにつながります。
学習の進捗管理ができていない
学習の進捗管理ができていないと、「意味ない」と感じてしまうことがあります。
なぜなら、学習者が学習の進捗を追跡管理することなく継続すると、学習者は自分がどれくらい効果的に学んでいるか、または自分の学習目標にどれくらい近づいているかを知ることができないからです。
進捗管理の欠如は、「やっても無駄ではないか」と学習することを無意味に感じてしまう恐れを生じさせます。
学びたいことと教材の内容が剥離している
学習者が学びたいことと教材の内容がかいりしている場合、「意味ない」と感じてしまいます。
なぜなら、学習者は有限である自分の時間を使って学習しており、学習者が特定の情報を求めていて、提供された教材がそのニーズを満たしていない場合、学習者は時間の浪費と感じてしまうからです。教材は学習者のニーズに合わせて調整されるべきです。
学習者の成長や課題を可視化できていない
学習者の成長や課題を可視化できない場合、「意味ない」と感じることがあります。
なぜなら、学習プロセスにおいて成果を確認できないと、学習者は進歩の兆しを見ることができず、自己効力感が減少してしまうからです。
学習を通じて自分の成長や課題をつかむことができれば、さらなる学習につながります。
eラーニングの機能を使いこなせていない
eラーニングの機能を使いこなせていない場合、「意味ない」と感じてしまいます。
eラーニングシステムは通常、学習経験を豊かにし、パーソナライズ化されたものにするための多くの機能を備えています。
これらの機能を最大限に活用できていないと、学習者は機能が過剰で自分たちには意味がないのではないかと価値を感じない可能性があります。
意味ない理由のまとめ
eラーニングの意味がないと思われる要因の一つとして、学習者のニーズに沿っていないことが挙げられます。 長時間コンテンツは細かい内容まで学習できるメリットはありますが、学習者にとっては時間拘束が長いことから負担になる可能性もあります。
また、企業側で学習者の管理が適切に行われていないことも課題です。 学習者に足りていないことや学習者が実際に学びたいと思っていることを把握できていない場合は、適切なコンテンツを提供できません。
そして、学習者が必要に応じて自分が学びたいコンテンツを選ぶことができるようにしておくこともポイントです。
導入・実施して終わりではなく、学習者が本当に必要としているものを把握したうえで、学びの場を提供することが重要です。
▼学習疲労を招いてしまう原因については下記で解説しています。 ⇒行き過ぎた学習の構造化は「学習疲労」を招く! その原因を解説!
意味ないeラーニングを卒業する秘訣6つ
意味がないeラーニングから卒業する6つの秘訣を紹介します。
(意味ないeラーニングを卒業する秘訣6つ)
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①労働時間を配慮した受講ルールの策定
労働時間外にeラーニングを実施した場合や長時間コンテンツの研修を実施した場合、忙しい従業員から不満が出やすいです。
eラーニングを実施する前に、まずはeラーニングが任意もしくは義務なのか、労働時間としてカウントされるのかなど、明確な受講ルールの策定が必要になります。
労働時間外にeラーニングを実施した場合、給与計算や特別手当の有無などのルールを事前に伝えておくと従業員も安心して学習できます。
また、任意とする場合でも労働時間内に学習が可能か決めておくと、従業員のモチベーション低下を防止することも可能です。
②隙間時間で効率よく学べるeラーニングの活用
隙間時間で効率よく学べるeラーニングを活用すれば、従業員もストレスなく学習できます。
長時間のコンテンツは集中力を保つことが難しく、時間拘束が長いことから従業員にとっても負担となる可能性があります。
10分以内のショートコンテンツであれば、隙間時間で手軽に学習できるうえに集中力を保った状態で学習することが可能です。
マイクロラーニングなら1セッション3分〜5分の短時間学習を可能とし、学習者が自分で考えて学べるように質問と回答を記載できるようなものもあります。
パソコンだけではなく、スマートフォンやタブレットなどさまざまなデバイスに対応しているため、場所に関係なく効果的な学習を実現できます。
③成果を見える化する学習プラットフォームの活用
学習成果を見える化できる学習プラットフォームを活用することで、より学習者のニーズに沿った学びを提供できます。
LMS(学習管理システム)を活用すれば、各学習者のテスト結果、アンケート結果など、さまざまな情報を見える化することが可能です。
企業にとって必要な学習の選定・実施に情報を役立てられるため、学習者のニーズを満たせるようになります。
▼eラーニングのプラットフォーム選びについては下記で解説しています。
⇒eラーニングプラットフォームとは?失敗しない5つの選定ポイント
④学習進捗・研修管理を一元化できるLMSの活用
学習状況や研修状況を一元管理できるLMSを活用すれば、より効率的かつ的確な学習を提供できるようになります。
LMSの活用で、学習の進捗状況や各研修の管理を一元化・簡素化・整理することが可能です。
また、コンテンツの作成や更新はもちろん、受講する順序の設定や月間総合アクティブレポートなどの確認・管理もできます。
どのようなコンテンツが人気でよく視聴されているのかなどの傾向をつかむこともできます。
そして、受講者ごとの学習管理ができるため、必要な学習や強化したいスキルなどが一目で把握することが可能です。
⑤異なる研修とeラーニングを組み合わせる
時間と場所に捉われないeラーニングは、従来の集合研修に比べて便利に見えます。
しかし、企業の研修をすべてeラーニングに切り替えることは難しく、実技や演習を伴う研修は集合研修で行う方が学習効果を期待できます。
従業員の学習を効率的に行うためには、集合研修とeラーニングを組み合わせることが重要です。
1人で学習できることはeラーニングで研修を実施し、実技やグループディスカッションが必要な学習は対面の集合研修で行うことをおすすめします。
集合研修も織り交ぜることで学習者は他者とのコミュニケーションを図ることができ、モチベーションを維持しやすくなります。
▼研修との効果的な組み合わせなどについては下記で解説しています。
⇒オンライン研修での効果的なeラーニングの活用とは?
⑥eラーニングでの成果を人事評価に反映する
eラーニングでの成果や個人の成長を可視化して人事評価に反映することで、学習者のモチベーションやエンゲージメント向上につながります。
LMSや学習プラットフォームを活用することで、学習者の進捗状況やテスト結果などが一元管理できるようになります。
学習者一人ひとりの学習状況が把握できるため、テストの結果や成長具合に応じて適切な評価をすることが可能です。
ただし、マイナス評価は学習者のモチベーション低下の原因になる可能性があるため、あくまでプラス評価だけに留めておくことが大切です。
▼法人におすすめなeラーニングのポイントについては下記で解説しています。合わせてご覧ください。⇒法人におすすめのeラーニング選定ポイント!種類や特徴を徹底解説
eラーニングを実施する目的とは?
社員に移動などの負担をかけずに、スキルアップの機会を提供する |
企業がeラーニングを導入する目的はさまざまであり、新入社員研修や既存従業員のスキルアップ・キャリアアップを目的とした研修など幅広いです。
膨大な従業員数を抱える企業や研修を実施するためのリソースが不足している企業などでは、研修一つ実施するだけでも大変です。
eラーニングは専用会場の用意や専門の講師を手配する必要がないため、場所に捉われず学習機会を設けられるメリットがあります。
いつでもどこでも学習ができるため、たとえ従業員が忙しい場合でも移動や時間の負担をかけることなく学習してもらえます。
企業でeラーニングを実施するのであれば、LMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムの導入がおすすめです。
学習管理システムはeラーニングの実施だけではなく、コンテンツ作成や学習者管理、進捗状況や学習成果の管理など、さまざまな機能を備えています。
eラーニングを効率よく実施できるようになるため、従業員のスキルアップ・キャリアアップに役立てられます。
現代のeラーニングの意味合いとは
emergency learningとしてのeラーニング
(現代のeラーニングの意味合い)
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コロナ禍を経てeラーニングの位置づけが変化したと言われています。
従来eラーニングのeは「electric:電子的な」という意味合いでずっと活用されてきました。
コロナ禍を経て、electricの意味合いはなくなりませんが、「emergency:緊急な」という意味に変わっているといわれています。
仕事を進める中で、“今”知りたいことを“今”知れるという学習環境としてのeラーニングが求められています。
つまり、学ぶことのベースが「講義」から「仕事を進めるためのサポート」や「仕事についての質疑応答」に変わってきたと言われています。
今までの一般的なeラーニングだけでなく、自社の現場で実務遂行上必要な事柄を学べる環境が求められるようになってきているのです。
eラーニングの内容における2分類
eラーニングと一口に言ってもさまざまなコンテンツが存在します。ここではeラーニングの内容面から2分類を紹介します。
(eラーニングにおける2分類)
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一般的なビジネススキルなどのコンテンツ
一般的なビジネススキルへの理解を深めるためのもので、全ての業種や職種で共通して必要とされるスキルに焦点を当てています。
例えば、コミュニケーションスキル、マネジメントスキル、リーダーシップスキル、プレゼンテーションスキル、時間管理、エクセル操作といった基本的なビジネススキルが含まれます。
主に人事・人材開発部門が中心となって展開することが多い内容です。
これらの学習コースを通じて、従業員は業務を効率的に行うためのスキルを向上させることができます。
主にeラーニングベンダーが提供しているコンテンツから必要なものを選んで利用することが一般的です。
▼一例として、「プロジェクトマネジメント」を学ぶeラーニングについて下記で紹介しています。⇒プロジェクトマネジメントを学ぶeラーニング!PDU取得コースも紹介!
自社特有のコンテンツ
企業特有の製品やサービス、社内のポリシーや作業手順、企業文化などに関する知識を付与するための学習コースです。
こうしたコースは、新人教育や中途採用者の教育、新製品のローンチなど、特定の状況や目的に応じて設計・提供されることが多いです。
主に、現場で人材育成に携わる部門や担当者が中心となって展開することが多いです。
自社特有のコンテンツによる研修は、社員が自社のビジネスに対する深い理解を持つことで、より良いパフォーマンスを発揮できるようになるとともに、顧客へのサービスも向上します。
基本的には、外部で販売されていることの無い内容のため、自社オリジナルで作成してきます。
これからの時代のeラーニングのあり方
これからの時代のeラーニングは下記2点を意識して活用していくことが重要です。
(これからの時代のeラーニングのあり方)
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パーソナライズ学習
パーソナライズ学習は、学習者一人ひとりのニーズや能力、学習速度に合わせてカスタマイズされた学習体験を提供します。それにより一人一人に「意味ある」学習を提供します。
eラーニングの発展により、パーソナライズ学習が可能となり、AIなどの技術を使用して学習者の理解度や進行具合に応じて学習の進行を調整できます。
また、従来の「一斉教育」ではカバーできなかった各個人の弱点や興味も考慮し、より効果的かつ効率的な学習を実現しています。
インプットとアウトプットのデザイン
eラーニングでは、情報のインプットだけでなく、その活用法、つまりアウトプットを重視することがポイントです。
理解度クイズや意見投稿、課題提出などについても、具体的な実践場面を想定したアウトプットを促し、知識の定着と応用力を高めます。
同時に、フィードバックシステムを導入し、アウトプットの結果を定量的・定性的に評価することで、学習者自身の反省・振り返りや次のステップへの機運を盛り上げる仕組みが重要です。
eラーニングをコホート型学習に活用
eラーニングを「意味ある」学習にしていくにはコホート型学習が効果的です。コホート型学習とeラーニングをどのように活用するかについて解説します。
(eラーニングをコホート型学習に活用)
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コホート型学習とは
コホート型学習とは、一定期間同じグループのメンバーとともに学び続ける学習方式をさします。
この方式は、同じ目標を持った参加者が一緒に学ぶことで互いの学びを深めることが可能です。
まずは個人向けに学習コンテンツを配信します。その上で、共通のテーマについて学ぶ仲間と共に問題解決を行ったり、ディスカッションを行ったりすることで、深い理解を得ることが可能となります。
この方式は主にオンライン研修を活用して展開されます。
今こそeラーニングの出番
コホート型学習はeラーニングを活用することで実現が可能であり、さらにその効果を広範囲に及ぼすことができます。
eラーニングを活用すれば、参加者は地理的制約を受けずに自分自身のペースで学習することができます。
さらに、オンライン研修を活用することで、参加者間のコミュニケーションやフィードバック、ディスカッションをすぐに行うことが可能となります。
これにより、学習体験をよりよくするための学習の進捗の確認が可能となります。
eラーニングは、コホート型学習を豊かで活動的なものにする強力なツールであり、今後の学習体験の新たな標準となる可能性があります。
▼コンプライアンス研修を題材にコホート型学習の展開について解説しています。
⇒コンプライアンス研修を新鮮なアイデアで刷新!「ネタ切れ」を乗り越える方法
まとめ
この記事では、eラーニングについて以下の内容で解説しました。
- eラーニングは「意味ない」と感じる理由
- 意味ないeラーニングを卒業する秘訣6つ
- eラーニングを実施する目的とは?
- 現代のeラーニングの意味合いとは
- eラーニングの内容における2分類
- これからの時代のeラーニングのあり方
- eラーニングをコホート型学習に活用
eラーニングはインターネット環境にアクセスしてログインさえできれば、時間と場所が問われない利便性があります。しかし、配信するコンテンツや研修の実施方法によっては、従業員にとって意味がないものになってしまう可能性があります。
長時間のコンテンツや従業員のニーズに合っていない研修は、従業員からの不満や不信感につながりかねません。
どのようなeラーニングが合っているかは企業によって異なるため、自社の従業員の特性やニーズに合った学習方法や内容を選定することが大切です。
eラーニングは集合研修とは違い会場費や外部講師への委託費が不要とはいえ、少なからず費用がかかるため、さまざまな工夫をこらした運用で意味のある、自社に最適な学習環境を構築していきたいところです。
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