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LMSを企業の研修に導入する5つのメリットとは?


デジタル化が進む現代では、社員研修や人材育成の分野でLMSが企業で導入されはじめています。

LMSは企業における集合研修や個人学習を管理するシステムであり、教材の登録から研修の実施、学習者の管理まで1つのプラットフォームで対応可能です。LMSを導入することで教育業務の効率を向上させるだけではなく、研修の質を高めることもできます。

企業で教育・研修担当者をされている方のなかには「LMSが研修に役立つのか知りたい」「LMSの特徴を把握した上で導入を検討したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、LMSの概要や導入するメリット、研修の質を高めるポイントについて詳しく解説します。

▼LMSの全体像についてはこちらで解説しています。合わせてご覧ください。

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目次[非表示]

  1. 1.LMSで研修の質を高める!
  2. 2.LMSを研修に導入するメリット
    1. 2.1.①多様なアウトプットで学習コンテンツを提供できる
    2. 2.2.②受講者全員の学習状況を可視化できる
    3. 2.3.③社員にパーソナライズした分析ができる
    4. 2.4.④研修の効果測定の質を高められる
    5. 2.5.⑤研修内容の見直しと改善が容易になる
  3. 3.LMSで研修の質を高めるポイント
    1. 3.1.研修前後を含めた運営のポイント
    2. 3.2.研修中の運営のポイント
  4. 4.LMSがこれからの研修に必要な“ワケ”
    1. 4.1.学習行動のデータ取得
    2. 4.2.学習行動のデータ活用
  5. 5.まとめ


LMSで研修の質を高める!

LMSとは、Learning Management Systemの略であり、日本では学習管理システムといいます。主に企業や教育機関で導入されている学習プラットフォームであり、eラーニングをはじめとした集合研修や個人学習などに活用されています。

学習コンテンツの配信と管理が主な機能であり、学習者の進捗状況やテスト結果などを一元管理することが可能です。企業においては、ビジネスの基礎的な部分からコンプライアンス研修、ハラスメント研修や新入社員研修など、幅広いシーンでLMSを活用できます。

従来の集合研修では会場や講師の手配、日程調整などが必要でした。しかし、LMSであれば研修を受けるタイミングと場所は学習者に委ねられるため、学習にかかる負担は最小限です。また、LMSは1つのプラットフォームで研修の申し込みから実施、管理まで完結させられるため、教育・研修担当者にとっても負担の軽減につながります。


LMSを研修に導入するメリット

ここでは、研修にLMSを導入するメリットを5つ紹介します。

①多様なアウトプットで学習コンテンツを提供できる

LMSでは、文章や動画、ライブ配信やeラーニングなどを組み合わせた学習コンテンツのアウトプットが可能です。

従来の集合研修でも文章や動画を用いることがあります。しかし、動画は研修期間中しか視聴できず、文章のみの教材は内容が理解しにくいなどの課題があり、社員によっては学習が不十分なまま研修を終えるケースも少なくありません。

LMSであれば単に文章や動画を提供するのではなく、繰り返し視聴できるようにしたりライブ配信で講師とコミュニケーションをとったりすることもできます。特にライブ配信機能にはチャット機能が備わっている場合もあり、リアルタイムで質問ができます。

コンテンツ内容についても組織や社員の課題に応じてカスタマイズできるため、学習者のニーズに合った研修を実施できます。

②受講者全員の学習状況を可視化できる

従来の集合研修では、学習者の進捗状況やテスト結果などの管理は煩雑になりがちでした。管理が煩雑になると、連絡漏れや資料の配布漏れなどの事務的なミスが起こりやすく、学習効率が下がってしまう要因になります。

LMSであれば、学習者一人ひとりの学習履歴や進捗状況、テストの結果などが可視化できます。1つのプラットフォームで全社員の学習データが管理されるため、連絡ミスや申し込み漏れなどが発生しにくいです。

教育・研修担当者にかかる負担が軽減されるため、コンテンツの見直しや新たな教育の導入に注力できるようになります。

③社員にパーソナライズした分析ができる

一般的な集合研修では一つの会場に大勢集まって研修を受けるため、学習者一人ひとりの理解度やモチベーションを把握することは難しいです。そのため、全体に向けたコンテンツの提供しかできず、技術の習得や知識の定着にばらつきが生じていました。

LMSでは、社員が取り組んだ学習コンテンツの進捗状況や課題、テストの結果などから、得意な分野や苦手な分野、学習者の特徴などが分析可能です。

やる気やモチベーション、研修内容の理解度などは学習者によって異なります。LMSで分析を行い、学習者一人ひとりに合ったコンテンツを提供することで、内容に興味を持たせることやモチベーションの維持につながります。

④研修の効果測定の質を高められる

従来の対面で行われる研修では、会場や講師の手配、当日の運営などで手一杯になり、効果測定が思うように実施できていないケースがあります。

研修にかけられるコストやリソースには限度がありますが、学習の効果を最大化させるためには、効果測定と評価が欠かせません。

LMSであれば、研修前後のアンケートの実施に加え、結果の集計まで対応できます。また、テストの実施と結果の管理もできるため、手間と時間をかけずに効果測定に取り入れることが可能です。

効果測定の精度や質、効率が向上すれば、学習者にとって最適なコンテンツの選定ができるようになります。

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⑤研修内容の見直しと改善が容易になる

研修内容は定期的な見直しと改善が必要です。しかし、研修内容や教材の見直しには手間と時間、社内リソースなどが必要なことから、思うように進められていないケースがあります。

LMSのフィードバック機能を活用すれば、研修内容の問題点や改善点が見つけやすくなります。

学習者からリアルタイムでフィードバックが得られるため、研修に必要とされている要素を明確にすることが可能です。学習者のニーズと合致した研修内容にすることができれば、知識や技術などの定着を効率化できます。


LMSで研修の質を高めるポイント

企業において、研修の質を高めることは非常に重要です。LMSを活用して研修の質を向上させることができれば、社内全体のスキルアップが期待できます。

研修前後を含めた運営のポイント

LMSで研修の質を高めるポイントは以下のとおりです。

  • チャットやコミュニティ機能などを活用し、講師と受講者、受講者同士のコミュニケーションを強化する   
  • ライブ配信やディスカッション機能などで、リアルタイムでの双方向コミュニケーションに力を入れる   
  • 研修ごとにアンケートを実施して、受講者の満足度から改善点を見つける   
  • 学習コンテンツは、部門、階層、属性などに区別した最適なものを作成する   
  • ベンダーの導入、運用サポート、コンサルティングサービスを活用して、自社に最適な形で利活用する

オンラインで行われる研修は基本的に学習者一人で受けるため、分からないことがある場合は講師とコミュニケーションをとる手段が必要です。チャットやコミュニティ機能を活用すれば講師と学習者でやりとりがしやすくなります。

また、ライブ配信やディスカッション機能などを利用すればリアルタイムでの双方向コミュニケーションができるようになり、より気軽に質問や意見交換ができます。

LMSを導入するだけですべての教育課題が解消するわけではなく、定期的に内容を見直していくことが大切です。研修を行うたびにアンケートを実施すれば、学習者の満足度から改善点が見つかるはずです。

学習コンテンツは可能な限り部門や階層、属性などに区分して作成することで、より専門的な研修を実施できます。専門性が上がれば社内全体のスキルアップにつながる可能性があるため、コンテンツの最適化は非常に重要です。

学習管理システムを自社だけで導入するのは容易ではないケースもあるため、ベンダーや運用サポート、コンサルティングサービスなどを活用することをおすすめします。

▼研修の質を高め、人的資本を高めていくことが求められてます。人的資本経営については下記資料で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

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研修中の運営のポイント

最近では、オンライン研修が増えてきています。オンライン研修実施時はPCでオンライン会議システムに接続して行うことが一般的です。つまり、受講者の前にPCがある状況です。このようなオンライン研修の運営には、コンテンツや教材配布、意見投稿などもLMSを活用して運用すると効果的な研修運営を行うことができます。
また、講師がオンライン会議システムを使ってレクチャーをするのではなく、LMS上に動画を載せて、時間を区切りながら、受講者にそれを見せながら研修運営すると、高品質で再現性の高い研修運営が可能となります。
 
▼オンライン研修の運営については下記で徹底解説しています。合わせてご覧ください。

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LMSがこれからの研修に必要な“ワケ”

学習行動のデータ取得

これからの時代、研修などの人材育成施策を展開していく上では「学習行動のデータ取得」が鍵になります。LMSを活用することにより、研修の充実化や運用の効率化が図れるだけでなく、学習者の学習行動のデータ取得が可能になります。また、研修期間中以外の学習行動のデータを収集することにもつながります。

学習行動のデータ活用

学習行動のデータを活用することで、研修などの人材育成施策のPDCAを効果的に回していくことができます。

例えば、成長著しいメンバー居たとして、そのメンバーが研修期間中を含め、日ごろからどの程度学習行動を取っているのかというデータが取得できます。そしてそのデータがあれば、データを踏まえて、著しい成長につなげるために必要な学習行動量などが見えてきます。それを目安として、その他のメンバーに学習をしてもらうことで、著しい成長につなげる確率を高めていくことが可能になります。
 
さらに、学習行動のデータが蓄積されてくると、そのデータを活用して、学習者にコンテンツをリコメンドすることなども出来るようになってきています。また、個人サーベイを受診し、その結果を基に学習者の強みや啓発点に合わせてコンテンツをリコメンドするということも可能になっています。
 
このように研修や人材育成にLMSを活用することは、コンテンツの配信や研修運営の効率化を図るということだけではなく、学習者の学習行動のデータ取得とそのデータ活用を可能にするのです。このデータを活用して人材育成のPDCAを回していくことで人材育成の質を高めていくことにつながります。

まとめ

この記事では、LMS(学習管理システム)について以下の内容で解説しました。

  • 研修の質を高めるLMSとは
  • 研修にLMSを導入するメリット
  • LMSで研修の質を高めるポイント
  • これからの研修にLMSが必要な“ワケ”

教材の登録から研修の実施、学習者の管理まで一括して行えるLMSは、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。

従来の研修では実現が難しかった双方向コミュニケーションはLMSであれば容易です。講師と学習者がお互いにコミュニケーションをとれるため、疑問の解消や情報共有、意見交換などがスムーズに行えます。

また、LMSのフィードバック機能は研修内容の改善に有用です。自社の研修にどのような要素が足りていないか明確になるため、研修内容や教材の見直しに役立ちます。LMSの導入には一定のITリテラシーが必要になるため、自社だけで導入できない場合はベンダーやコンサルティングサービスに頼ってみるのも一つの選択肢です。

そして、LMSを活用し人材育成施策を展開することで、学習者の学習行動のデータ取得とその活用が可能になります。そのデータを活用して人材育成のPDCAを回していくことで人材育成の質を高めていくことができます。

LDcube』では、フランスに本社を置くCrossKnowledge社が開発したLMSを日本にローカライズして提供しています。ビジネスにおける基礎から専門性を磨く内容まで幅広いジャンルに対応しているため、あらゆる企業で活用できます。提供しているLMSは多言語に対応しています。豊富なコンテンツも用意しており、世界レベルのMBA教授のマイクロラーニングなども取り揃えています。そして、個人サーベイをもとに学習コンテンツをリコメンドするサービスも実装されています。

導入前はもちろん、導入後の運用サポートも徹底して行うため、LMSの導入がはじめての企業でも安心です。詳しくは、お気軽にお問い合わせください。


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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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