LMSを企業の研修に導入する5つのメリットとは?
現代の業務環境の変化に伴い、社員のスキル向上と成長を促進する研修プログラムの必要性が益々高まっています。
しかし、従来の対面型研修は時間やコスト、場所の制約から限界がありました。そこで注目されるのが、LMS(Learning Management System:学習管理システム)を活用した研修の導入です。
多くの企業がLMSを取り入れたいと考えていますが、その具体的な効果や方法について疑問を抱くことが多いようです。
まず、従来の研修方法が抱える課題について考えてみましょう。対面型の研修はスケジュール調整や会場の確保、コスト面での負担が大きく、また社員が一度に集まらなければならないため、業務に支障を来す場合があります。
さらに、一度の研修で全員が同じレベルの理解を深めることが難しく、個々の進捗や理解度を細かくフォローすることが困難です。
本記事では、LMSを活用した研修の利点および具体的な導入方法を紹介します。LMSを導入することで、これらの課題を解決し、効果的な研修が実現できます。
LMSの導入は単なる研修方法の一つを超えて、企業全体の学習文化と効率性を大きく変える力を持っているのです。
今こそ、LMSを活用して効果的な研修プログラムを構築し、社員の成長と企業の競争力を高めましょう。
具体的な導入方法や事例について知りたい方は、ぜひ専門家に相談し、最適なシステムの選定について専門家に相談することをお勧めします。
▼LMSについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。(関連記事)
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目次[非表示]
- 1.LMSで研修の質を高める!
- 2.LMSを研修に導入するメリット
- 2.1.①多様なアウトプットで学習コンテンツを提供できる
- 2.2.②受講者全員の学習状況を可視化できる
- 2.3.③社員にパーソナライズした分析ができる
- 2.4.④研修の効果測定の質を高められる
- 2.5.⑤研修内容の見直しと改善が容易になる
- 3.LMSで研修の質を高めるポイント
- 3.1.研修前後を含めた運営のポイント
- 3.2.研修中の運営のポイント
- 4.LMSで研修の成果に結びつける学習設計
- 4.1.学習教材や機会を効果的に組み合わせる
- 4.2.専用コースで運用する
- 5.LMSがこれからの研修に必要な“ワケ”
- 5.1.学習行動のデータ取得
- 5.2.学習行動のデータ活用
- 6.LMS活用で受講率100%を達成した支援事例
- 7.まとめ
LMSで研修の質を高める!
LMSとは、Learning Management Systemの略であり、日本では学習管理システムといいます。
主に企業や教育機関で導入されている学習プラットフォームであり、eラーニングをはじめとした集合研修や個人学習などに活用されています。
学習コンテンツの配信と管理が主な機能であり、学習者の進捗状況やテスト結果などを一元管理することが可能です。
企業においては、ビジネスの基礎的な部分からコンプライアンス研修、ハラスメント研修や新入社員研修など、幅広いシーンでLMSを活用できます。
従来の集合研修では会場や講師の手配、日程調整などが必要でした。
しかし、LMSであれば研修を受けるタイミングと場所は学習者に委ねられるため、学習にかかる負担は最小限です。
また、LMSは1つのプラットフォームで研修の申し込みから実施、管理まで完結させられるため、教育・研修担当者にとっても負担の軽減につながります。
LMSを研修に導入するメリット
ここでは、研修にLMSを導入するメリットを5つ紹介します。
(LMSを研修に導入するメリット)
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①多様なアウトプットで学習コンテンツを提供できる
LMSでは、文章や動画、ライブ配信やeラーニングなどを組み合わせた学習コンテンツのアウトプットが可能です。
従来の集合研修でも文章や動画を用いることがあります。しかし、動画は研修期間中しか視聴できず、文章のみの教材は内容が理解しにくいなどの課題があり、社員によっては学習が不十分なまま研修を終えるケースも少なくありません。
LMSであれば単に文章や動画を提供するのではなく、繰り返し視聴できるようにしたりライブ配信で講師とコミュニケーションをとったりすることもできます。特にライブ配信機能にはチャット機能が備わっている場合もあり、リアルタイムで質問ができます。
コンテンツ内容についても組織や社員の課題に応じてカスタマイズできるため、学習者のニーズに合った研修を実施できます。
②受講者全員の学習状況を可視化できる
従来の集合研修では、学習者の進捗状況やテスト結果などの管理は煩雑になりがちでした。管理が煩雑になると、連絡漏れや資料の配布漏れなどの事務的なミスが起こりやすく、学習効率が下がってしまう要因になります。
LMSであれば、学習者一人ひとりの学習履歴や進捗状況、テストの結果などが可視化できます。1つのプラットフォームで全社員の学習データが管理されるため、連絡ミスや申し込み漏れなどが発生しにくいです。
教育・研修担当者にかかる負担が軽減されるため、コンテンツの見直しや新たな教育の導入に注力できるようになります。
③社員にパーソナライズした分析ができる
一般的な集合研修では一つの会場に大勢集まって研修を受けるため、学習者一人ひとりの理解度やモチベーションを把握することは難しいです。そのため、全体に向けたコンテンツの提供しかできず、技術の習得や知識の定着にばらつきが生じていました。
LMSでは、社員が取り組んだ学習コンテンツの進捗状況や課題、テストの結果などから、得意な分野や苦手な分野、学習者の特徴などが分析可能です。
やる気やモチベーション、研修内容の理解度などは学習者によって異なります。LMSで分析を行い、学習者一人ひとりに合ったコンテンツを提供することで、内容に興味を持たせることやモチベーションの維持につながります。
④研修の効果測定の質を高められる
従来の対面で行われる研修では、会場や講師の手配、当日の運営などで手一杯になり、効果測定が思うように実施できていないケースがあります。
研修にかけられるコストやリソースには限度がありますが、学習の効果を最大化させるためには、効果測定と評価が欠かせません。
LMSであれば、研修前後のアンケートの実施に加え、結果の集計まで対応できます。また、テストの実施と結果の管理もできるため、手間と時間をかけずに効果測定に取り入れることが可能です。
効果測定の精度や質、効率が向上すれば、学習者にとって最適なコンテンツの選定ができるようになります。
▼人材育成の効果測定については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説
⑤研修内容の見直しと改善が容易になる
研修内容は定期的な見直しと改善が必要です。しかし、研修内容や教材の見直しには手間と時間、社内リソースなどが必要なことから、思うように進められていないケースがあります。
LMSのフィードバック機能を活用すれば、研修内容の問題点や改善点が見つけやすくなります。
学習者からリアルタイムでフィードバックが得られるため、研修に必要とされている要素を明確にすることが可能です。学習者のニーズと合致した研修内容にすることができれば、知識や技術などの定着を効率化できます。
LMSで研修の質を高めるポイント
企業において、研修の質を高めることは非常に重要です。LMSを活用して研修の質を向上させることができれば、社内全体のスキルアップが期待できます。
研修前後を含めた運営のポイント
LMSで研修の質を高めるポイントは以下のとおりです。
- チャットやコミュニティ機能などを活用し、講師と受講者、受講者同士のコミュニケーションを強化する
- ライブ配信やディスカッション機能などで、リアルタイムでの双方向コミュニケーションに力を入れる
- 研修ごとにアンケートを実施して、受講者の満足度から改善点を見つける
- 学習コンテンツは、部門、階層、属性などに区別した最適なものを作成する
- ベンダーの導入、運用サポート、コンサルティングサービスを活用して、自社に最適な形で利活用する
オンラインで行われる研修は基本的に学習者一人で受けるため、分からないことがある場合は講師とコミュニケーションをとる手段が必要です。チャットやコミュニティ機能を活用すれば講師と学習者でやりとりがしやすくなります。
また、ライブ配信やディスカッション機能などを利用すればリアルタイムでの双方向コミュニケーションができるようになり、より気軽に質問や意見交換ができます。
LMSを導入するだけですべての教育課題が解消するわけではなく、定期的に内容を見直していくことが大切です。研修を行うたびにアンケートを実施すれば、学習者の満足度から改善点が見つかるはずです。
学習コンテンツは可能な限り部門や階層、属性などに区分して作成することで、より専門的な研修を実施できます。専門性が上がれば社内全体のスキルアップにつながる可能性があるため、コンテンツの最適化は非常に重要です。
学習管理システムを自社だけで導入するのは容易ではないケースもあるため、ベンダーや運用サポート、コンサルティングサービスなどを活用することをおすすめします。
▼研修の質を高め、人的資本を高めていくことが求められてます。人的資本経営については下記資料で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
研修中の運営のポイント
最近では、オンライン研修が増えてきています。オンライン研修実施時はPCでオンライン会議システムに接続して行うことが一般的です。つまり、受講者の前にPCがある状況です。このようなオンライン研修の運営には、コンテンツや教材配布、意見投稿などもLMSを活用して運用すると効果的な研修運営を行うことができます。
また、講師がオンライン会議システムを使ってレクチャーをするのではなく、LMS上に動画を載せて、時間を区切りながら、受講者にそれを見せながら研修運営すると、高品質で再現性の高い研修運営が可能となります。
▼オンライン研修の運営については下記で徹底解説しています。合わせてご覧ください。
⇒オンライン研修成功の秘訣:メリット・デメリット、背景にある企業内人材育成の流れまで徹底解説!
LMSで研修の成果に結びつける学習設計
成果に結びつける学習設計は、会社での人材育成においては重要な要素となります。何となく学ぶのではなく、目的意識を持つことが重要です。
その目的を達成するためには、どのように学習を進めるかをしっかりと設計する必要があります。そして、その設計に基づいた学習方法を学習者に提供することが大切です。その後、学習状況の進捗管理を通じて学習者一人一人の成長を効果的に促進します。
学習教材や機会を効果的に組み合わせる
学習教材や機会を効果的に組み合わせるためには、まず現在の学習教材や機会にどのようなものがあるのかを洗い出して確認し、学習者の学習の効果性を高めるために組み立て直す必要があります。
資料、動画、集合研修、オンライン研修、職場での実践などを整理し、管理者がこれらをサイト上でコースに制作し配置することで、より効果的な学習環境を提供できます。学習者は順を追って学習していくことで、自然と効果の高い学習をすることができます。
専用コースで運用する
学習者のニーズに合わせて、オンライン環境で専用コースを構築し、進捗管理を行います。専用コースの中には、オンラインコンテンツのみならず、集合研修や職場での実践課題なども含めてデザインします。
これにより、学習者は効果的な順番で学習を自然と進めることができます。また、初めて学習するテーマに対しては、このようなコース設計が特に重要です。
▼教材を組み合わせてコース設計できるサービス:Blendedxについてはこちら。
⇒成果に結びつく学習設計「CrossKnowledge Blendedx」
LMSがこれからの研修に必要な“ワケ”
学習行動のデータ取得
これからの時代、研修などの人材育成施策を展開していく上では「学習行動のデータ取得」が鍵になります。LMSを活用することにより、研修の充実化や運用の効率化が図れるだけでなく、学習者の学習行動のデータ取得が可能になります。また、研修期間中以外の学習行動のデータを収集することにもつながります。
学習行動のデータ活用
学習行動のデータを活用することで、研修などの人材育成施策のPDCAを効果的に回していくことができます。
例えば、成長著しいメンバー居たとして、そのメンバーが研修期間中を含め、日ごろからどの程度学習行動を取っているのかというデータが取得できます。そしてそのデータがあれば、データを踏まえて、著しい成長につなげるために必要な学習行動量などが見えてきます。それを目安として、その他のメンバーに学習をしてもらうことで、著しい成長につなげる確率を高めていくことが可能になります。
さらに、学習行動のデータが蓄積されてくると、そのデータを活用して、学習者にコンテンツをリコメンドすることなども出来るようになってきています。また、個人サーベイを受診し、その結果を基に学習者の強みや啓発点に合わせてコンテンツをリコメンドするということも可能になっています。
このように研修や人材育成にLMSを活用することは、コンテンツの配信や研修運営の効率化を図るということだけではなく、学習者の学習行動のデータ取得とそのデータ活用を可能にするのです。このデータを活用して人材育成のPDCAを回していくことで人材育成の質を高めていくことにつながります。
LMS活用で受講率100%を達成した支援事例
支援事例:専門商社(400名)
【これまでの課題】
- eラーニングを「必修」にしなければ学習しない
- 流し見で「完了」することが目的になってしまっている
- 業務が忙しくて受講することを忘れてしまう ・・・など
↓
【CK-Connectによるパーソナライズ学習を導入】
(CK-Connectはパーソナライズ学習を実現するLMSです)
↓
【受講率100%を実現】
- 「必修」「受講期限」の設定がない中で、受講率100%を実現
- 診断結果を基に自動でリコメンドされるコースを自主的に受講
- 1人平均5.7コースの受講(多い人は16コースの受講)
★今回のポイント
- パーソナライズ学習:パーソナル診断結果を基にした個々人に合わせた学習コンテンツを自動配信
- いつでも学べる環境:学習者が必要なときに必要な学習にアクセスできる環境
- 学習データの蓄積:学習者の学習状況をトラッキングするための学習行動のデータ取得
★お客さまの声
- 社内ではeラーニングは結局導入しても、やってくれないのではないかという疑問視する声が出ていました。これまでは「必修」にしないとやってくれなかったことからもそのように捉えられていました。同じことを繰り返していても効果は上がらないと思い、パーソナライズ学習を取り入れたところ、受講率が100%になったので正直驚きました。
- また、これまではコンテンツ数にも限りがあり、自社のオリジナルコンテンツの搭載ができなかったのですが、自社オリジナルコンテンツの搭載もできるようになったことで、学習してもらう幅が広がりました。
- また、診断結果のレポートには、自身の強みや課題の啓発だけではなく、他の職場メンバーとの関係性の中で起こりうることや周囲が必要なことについてもアドバイスがあり、そのレポートを基に、他メンバーと対話することで、職場の中でのコミュニケーションが取りやすくなり、仕事がスムーズに進むようになりました。
まとめ
この記事では、LMS(学習管理システム)について以下の内容で解説しました。
- 研修の質を高めるLMSとは
- 研修にLMSを導入するメリット
- LMSで研修の質を高めるポイント
これからの研修にLMSが必要な“ワケ”
LMS活用で受講率100%を達成した支援事例
教材の登録から研修の実施、学習者の管理まで一括して行えるLMSは、企業にとってさまざまなメリットをもたらします。
従来の研修では実現が難しかった双方向コミュニケーションはLMSであれば容易です。講師と学習者がお互いにコミュニケーションをとれるため、疑問の解消や情報共有、意見交換などがスムーズに行えます。
また、LMSのフィードバック機能は研修内容の改善に有用です。自社の研修にどのような要素が足りていないか明確になるため、研修内容や教材の見直しに役立ちます。LMSの導入には一定のITリテラシーが必要になるため、自社だけで導入できない場合はベンダーやコンサルティングサービスに頼ってみるのも一つの選択肢です。
そして、LMSを活用し人材育成施策を展開することで、学習者の学習行動のデータ取得とその活用が可能になります。そのデータを活用して人材育成のPDCAを回していくことで人材育成の質を高めていくことができます。
『LDcube』では、フランスに本社を置くCrossKnowledge社が開発したLMSを日本にローカライズして提供しています。ビジネスにおける基礎から専門性を磨く内容まで幅広いジャンルに対応しているため、あらゆる企業で活用できます。提供しているLMSは多言語に対応しています。豊富なコンテンツも用意しており、世界レベルのMBA教授のマイクロラーニングなども取り揃えています。そして、個人サーベイをもとに学習コンテンツをリコメンドするサービスも実装されています。
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