
DXで変わる!営業研修の最適な進め方・ポイントとは?
営業研修の有効性を最大化するための必要な要素とは何でしょうか?
本コラムでは、具体的な研修内容や効果的なカリキュラム構築方法、営業スキル向上のためのポイント、そしてデジタル変革(DX)によるオンライン研修の効果などについて詳しく解説します。企業の営業力向上を目指す担当者の皆さまへ、最新トレンドに基づいた情報を提供いたします。
最後までご覧いただき、営業研修のブラッシュアップにお役立てください。
▼ 営業研修をより効果の高いものにしていくには営業研修のDX化が求められます。
前編後編70ページで営業研修のDXを進めていくためのガイドをダウンロードいただけます。
目次[非表示]
- 1.営業研修の目的
- 2.営業活動のフローと研修内容
- 3.営業研修で身に付けるべきスキル
- 3.1.コミュニケーションスキル
- 3.2.プレゼンテーションスキル
- 3.3.ネゴシエーションスキル
- 3.4.マーケティングスキル
- 4.自社内で営業研修の内容を検討する方法やポイント
- 5.営業研修で個人の営業力を強化するポイント
- 6.営業研修のDXへ 効果的なカリキュラム構築に向けて
- 7.営業研修の費用
- 8.営業研修における効果的で面白い施策
- 9.事例紹介 営業研修のDXでこれまで以上の成果を実現
- 9.1.事例① 金融業 3カ月で3倍の売上実績営業職研修の工夫とは?
- 9.2.事例② 住宅メーカー デジタルOJTとリアルOJTの連動で業績向上へ
- 9.3.事例③ ソフトウェア開発業 デジタルテクノロジーを活用した中途社員の早期戦力化
- 10.まとめ
営業研修の目的
営業研修の主な目的は、研修を通じて営業活動を行う営業パーソンの人材育成を行うことです。具体的には営業スキルの向上、新入社員や既存社員の営業活動における知識習得、営業チームのモチベーション向上、売上目標の達成への動機づけ、プロフェッショナルな行動規範の教示、そして共通認識の醸成です。
まず、営業研修によって新入社員や既存社員の営業スキルを高めることが目指されます。営業にはさまざまなスキルが求められます。セールストーク、プレゼンテーション力、交渉力、ヒアリング力など、全てがバランスよく必要とされます。これらのスキルを身に付けることで、営業結果の向上が期待できます。
次に、研修を通じて具体的な知識の習得を図ります。例えば、会社の製品やサービスについて、または会社のビジョンや方針等、会社全体としてどのような戦略をとっていくのかなど、営業パーソンが理解・共有すべき情報が多く存在します。
また、研修は営業チームのモチベーションを向上させる上でも重要です。営業活動がうまくいかないときはモチベーションが下がり、活動も鈍り、という負の連鎖に陥りがちです。成功している事例や成功している人の考え方やスキル、戦略を学ぶことで、自分でもやれそうだという実感が向上し、これが結果的に売上目標の達成につながっていきます。
研修を通じて、社員に対する行動規範やマナーも共有します。営業パーソンは会社の顔として常に見られている意識で、ビジネスパーソンとして高いプロフェッショナリズムを保つことが求められます。
営業研修は営業組織全体としての統一感の醸成を図ります。企業全体で一貫したメッセージや価値を顧客に伝えるためには、全体の共通認識や統一感の醸成が重要です。そのために、研修は全ての営業パーソンが同じスキルや手法を持つことを目指します。
営業活動のフローと研修内容
営業活動は一般的に、準備・接触・提示・締結・フォローの5つのステップに基づいて行います。営業研修もそのフローに合わせて行うことが多いです。特に強化したい部分などを取り上げて行うこともあります。
それぞれのステップにおける主要な内容を以下に説明します。
準備
このステップでは、営業パーソンが営業活動を開始する前に必要な準備を学びます。具体的には、市場調査の方法やそれに基づく営業戦略の立案、顧客のニーズや購買行動について仮説を立てること、自社商品やサービスの特徴およびそれが顧客にどのように価値を提供するのかについての深い知識などが含まれます。
接触
このステップでは、潜在顧客と初めて接触する際のスキルを学びます。これには、電話やメールなどを通じた、アポイントメントの取り方などのアプローチを学びます。
また、初対面での自己紹介の仕方、会社案内の仕方、適切な質問をしてニーズや悩みを引き出したり、こちらから情報提供したり、お客さまとのやり取りを通じて、お客さまから相談相手と認識してもらえるような信頼関係を築いていくコミュニケーションなどが含まれます。
提示
このステップでは、潜在顧客に商品やサービスを提示・提案するためのスキルを習得します。良いプレゼンテーションをするための一般的な枠組みや説得力のあるプレゼンテーションを行うための啓発ポイント、相手の興味やニーズに合わせて情報をカスタマイズする方法などを学びます。
締結
このステップでは、提案を受け入れてもらい、契約を締結まで持っていくためのクロージングについて学びます。これには、顧客の疑念や懸念を解消するための説明の仕方、説得の仕方、交渉術など含めたクロージングスキルなどが含まれます。
フォロー
契約後のフォローステップも重要です。このステップでは、顧客との長期的な関係を維持し、リピート購入や他の顧客の紹介を促進するための方法を学びます。具体的には、定期的なフォローの方法、顧客からのフィードバックを得る方法、問題が発生したときの適切な対応方法、アフターサービスの提供方法などが含まれます。
これらのステップごとに体系的に必要なスキルや知識を身に付けることで、営業パーソンはお客さまの開拓から契約後、長期的な関係性を築くための準備ができます。営業パーソンは顧客や案件ごとにそれぞれが今どの段階にあるかをきちんと把握しマネジメントすることが重要です。
最近では扱っている商材により、上記を1人の営業パーソンが全て行うスタイルではなく、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなど各ステップ役割分担して行うケースも増えてきています。
各ステップの役割分担は、準備=マーケティング、接触=インサイドセールス、提示・締結=フィールドセールス、フォロー=カスタマーサクセスというイメージです。このような役割分担で進めていく際にはステップから次のステップに案件を渡していく際、情報を連携しシームレスにつないでいくことが重要になります。
営業研修で身に付けるべきスキル
コミュニケーションスキル
これはお客さまと適切にコミュニケーションをとり、情報を伝えるだけでなく、理解する能力を含みます。例えば、顧客が何を求めているのか、そしてその裏にある本質的なニーズは何かを見抜く能力が求められます。また、効果的な質問を投げかけながら、適切な応答をして顧客の状況や課題をしっかりとつかむヒアリング力も重要です。
プレゼンテーションスキル
営業活動において、自社の商品やサービスを顧客に対して効果的、魅力的に伝える、課題解決につながることを理解してもらうためには、明確で説得力のあるプレゼンテーション能力が必要です。これはヒューマンスキルの側面だけでなく、視覚的な資料の作成能力も含まれます。
ネゴシエーションスキル
営業活動は顧客との商談においてさまざまな交渉を含むため、自分自身の立場を保ちつつ、顧客の立場を尊重し、双方が納得できる解決策を見つけ出す能力が必要となります。交渉のプロセスをきちんと見定め、相手の主張とこちらの主張を評価し、調整できるスキルが必要です。
マーケティングスキル
市場全体の動向や、業界の競争状況をフォローし、分析する能力も重要です。これにより、自社製品やサービスが市場でどのような立場を占めるべきかを理解し、戦略的な営業活動を計画することができます。
これらの基本となるスキルは座学で理論的なことを学ぶだけでなく、ロープレなどを通じて練習を繰り返し行うことが実践的なスキルの習得となり、成長につながります。
▼ 営業研修におけるロープレに関してはこちらをご覧ください。
自社内で営業研修の内容を検討する方法やポイント
自社内で営業研修を成功させるためには、以下のステップを踏むことが重要です。
まず、営業研修を行う目的を明確に定義することが必要です。何のために研修をするのか明確にしておかないと、無目的な方法論の検討が中心になってしまいます。
そして、現在の営業メンバーがどのようなパフォーマンスを発揮するべきか、つまり、期待される成果や業績を把握することがポイントです。その上で、現在のメンバーがどの程度のスキルを身に付けているのかを確認しましょう。期待する業績と現状のスキル習得度のギャップを確認し、どのような知識やスキルが不足しているのかを特定します。そのギャップを埋めるために必要な内容が、営業研修で取り扱うべき内容となります。
▼ より詳細の内容については、こちらを参照ください。
営業研修で個人の営業力を強化するポイント
営業力や提案力を高めるための営業研修は、一律なものではなく、各個人の状況やニーズ、レベルに応じた学習環境の提供が理想的です。しかし、実際には全員のニーズに対応するのは困難で、異なるバックグラウンドを持つ営業メンバーへの対応が難しいのが現状です。
最近の学習のトレンドとしては、マイクロラーニング、モバイルラーニング、ソーシャルラーニング、パフォーマンスラーニング、アダプティブラーニングがあり、これらを最適に活用して個々の学習環境をカスタマイズすることが重要となります。
▼ 学習のトレンドについてはこちらをご覧ください
全員向けの一律の営業研修プログラムよりも、各個人のニーズを満たす学習環境の構築が求められます。これにより、各営業メンバーの能力向上を支え、業績の向上につなげることが可能となります。
現代はデジタルツールを活用することで、個々人に合わせた学習環境を構築していくことが可能です。研修の機会がなくてもオンライン上で基礎的なことから応用内容まで、自己学習、自己練習、AIからのフィードバックによる学習が可能です。
特に新入社員や若手社員は覚えなければならないことや身に付けなければならないスキルがたくさんあるため、個々人に合わせた学習環境があるとスキルアップに役立つでしょう。
より詳細の内容については、こちらを参照ください。
営業研修のDXへ 効果的なカリキュラム構築に向けて
コロナ禍での営業研修は、オンライン研修が主流になりましたが、単純に既存の研修内容をオンラインに置き換えても、必ずしも効果が上がるわけではありません。各方法のメリット・デメリットを踏まえ、効果的なカリキュラムを考える必要があります。
また、2023年5月より新型コロナウイルス感染症の位置づけが「5類感染症」となったことから、オンライン研修スタイルから集合研修スタイルへ戻す傾向も見られます。集合研修は、場の空気感で規範を作りやすく、実技も習得しやすいという利点がありますが、移動費や時間などのコストがかかります。
一方、オンライン研修は場所や時間の制約がなく、個別適応学習が可能で、内容の繰り返し学習も可能というメリットがあります。ただし、集合研修に比べて場の雰囲気を醸成することが難しく、懇親会などの副次的な要素も失われがちです。
しかし、現場の営業活動に支障をきたさないような研修スタイルを踏まえると、オンライン研修が効果的である場合が多いです。実際の活動に即した練習が重要な営業研修においては、ラーニングプラットフォームを活用し、営業研修プログラムのDXを進め、学習を進化させることが効果的です。
より詳細の内容については、こちらを参照ください。
営業研修の費用
営業部門では、業績を上げるための営業研修が必要ですが、その費用対効果を厳しく見る傾向があります。営業研修やセミナーを外部講師に依頼する場合や、内部講師で実施する場合でもそれぞれに費用がかかります。
外部講師に依頼する場合、一般的には20名を対象とした1日の研修で、30万円〜50万円の費用がかかることが多いです。しかし、著名な講師の場合には上記よりも高額になることが多いです。また、研修会場までの交通費、宿泊費等が別途必要な場合もあります。
一方、営業研修を実施するためには、営業パーソンが研修に参加するための交通費や宿泊費などの費用もかかります。特に全国を営業エリアとしている場合、その費用は大きくなります。
外部講師などへの直接的な支払費用だけでなく、集合にかかるコストや営業活動を止めることによる潜在的な損失も考慮する必要があります。そのため、最適な研修スタイルを模索し、費用対効果を見極めることが重要です。
より詳細の内容については、こちらを参照ください。
営業研修における効果的で面白い施策
企業内での営業研修が行われ、個々の営業能力や業績向上に注力されていますが、企業としてはこれを通じて組織全体の業績向上を実現したいと考えています。そのため、個々の成功体験を組織全体に伝え、自己学習を組織持続的な学習につなげることが重要です。
具体的な施策としては、オンラインロープレコンテストやヒーローインタビューがあります。
オンラインロープレコンテストは、セールストークを動画で撮影して共有し、参加者同士が投票するなどして学び合いながらスキルアップと情報共有を同時に行います。
ヒーローインタビューでは、早期に成果を上げた営業パーソンをインタビューし、その成功体験を動画で共有することで、営業研修の機会などを待たずに水平展開することにつなげます。
オンラインとラーニングプラットフォームを活用すれば、時間や場所の制約を受けずにこれらの施策を展開することが可能です。
詳しくはこちらをご覧ください。
事例紹介 営業研修のDXでこれまで以上の成果を実現
事例① 金融業
3カ月で3倍の売上実績営業職研修の工夫とは?
キャリア入社後1カ月間の営業研修のDXを実現しました(ラーニングプラットフォームUMUを活用)。
事前学習、研修当日、事後学習全ての場面において知識のインプットは動画で行い、研修当日は確認テストの解説や、受講生同士のディスカッション、質疑応答に比重を置くことなどで、カスタマイズ性の高い学習の提供を実現しています。
研修中は特に「学んだことが現場でも生かせそうだ、使えそうだ」と思ってもらうための支援や関わりを重視することで受講生のエンゲージメント向上にもつなげています。
その結果、入社3カ月後の売上実績が従来の研修受講者と比較して3倍になりました。
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事例② 住宅メーカー
デジタルOJTとリアルOJTの連動で業績向上へ
3年で一人前とする計画の基、「研修は事前学習→集合研修→職場実践サイクルによる、OJTとの連動形式をとる」「計画的なロールプレーイングの実施で営業のスキル向上を図る」「個々の学習の進捗状況と習得度の把握」をしながら持続的学習を促進していくために、ラーニングプラットフォームUMUを活用し営業研修のDXを実現しました。
これまで現場でOJT実施状況は不透明でしたが、営業研修プログラムのDX実現より、現場での上司の関わり(OJT行動)の可視化をすることができ、データを活用して上司の関わりを促進し、全体の学習・育成を促進することができました。
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事例③ ソフトウェア開発業
デジタルテクノロジーを活用した中途社員の早期戦力化
中途社員の採用が増える中、全国に営業拠点があり、拠点ごとで教え方が異なり、OJTに格差ができてしまっていました。社員が配属されてから、現場で受けた教育の違いによって営業成績にばらつきがあるという事象が起きていました。
そのため、ラーニングプラットフォームUMUを活用した中途社員の早期戦力化に向けたオンボーディングプログラムの構築を行いました。プログラムを運用していく中で、早期に業績を上げてくる受講者の学習データを見ていくと他者と比べ、学習量が多いという業績と学習の良好な関係も見えてきました。
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まとめ
DXで変わる!営業研修の最適な進め方について解説してきました。
株式会社LDcubeではこれまで多くの集合研修やオンライン研修、eラーニングの提供で得られた経験やノウハウを踏まえ、ソリューションの一環としてラーニングプラットフォーム「UMU(ユーム)」を活用した営業研修のDX化に向けた支援をしています。
AIによるセールストークのコーチングなど営業研修と親和性の高い機能が兼ね備えられており、高い効果が期待できます。「UMU(ユーム)」がどのようなプラットフォームなのかを体験的に理解いただくための無料体験会なども開催しています。ぜひお気軽にお問合わせください。