
営業研修における効果的で面白い施策とは?組織内での事例やコツを紹介!
営業研修では営業パーソン個人のスキルを高めることを主な目的としていますが、その先には個人の学びだけではなく、組織全体で成功事例を共有し業績向上につなげていきたいという思いがあります。
今回は個人の学びを組織の学びにつなげていく、営業研修における効果的で面白い施策を紹介します。
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営業研修の効果を高める学習サイクル
企業内ではさまざまな営業研修が行われ、営業パーソンの育成施策が展開されています。営業パーソンは個々人の業績が自分の評価に直結するということもあり、自身の能力向上や業績向上への関心は高いものの、組織全体の業績向上という点には関心が薄いことも少なくありません。
しかし、企業としては個人の能力向上、業績向上はもちろんのことながらそれを通じて組織全体の業績向上につなげたいという思いを持っています。そのためには個人の学習を組織の学習へと昇華させていく必要があります。その学習サイクルを紹介します。
中心に「学習」がありますが、学習は期待する「成果」にひもづいた学習としてデザインされている必要があります。その上で、まずは右側の個人の学びを効果的にデザインしていきます。学んだことをできるようになるためにしっかりと「練習」することがポイントです。練習が適切な方向に進んでいるかどうか「フィードバック」を得て、「リフレクション」しながら学びを深めていきます。その次はそれをしっかりと仕事に活かし、職場で実践し「業務適応」するということがポイントです。
個人の学びで業務適応できるようになったら、次は職場・組織の学びとつなげて会社全体に広げていきます。業務適応を試みると、うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。その中でうまくいったという「パフォーマンスに転化できたベストプラクティス」といえる社内事例を取り上げて、学習のためのコンテンツ化を図ります。現場で業務適応を試みている人たちは、同じ活動に取り組み、うまくいったりいかなかったりという同じ悩みを抱えています。ベストプラクティスをコンテンツ化して、それを社内でスピーディーに共有して「社内のナレッジ化」につなげることができれば、さらに成功事例が生まれやすくなります。
そして、その成功事例のコンテンツから再度学び、練習し、職場適応し、成功事例ができたら、またベストプラクティスをコンテンツ化して、共有して、というサイクルを回していくことができると自然と学習が進み業績向上につながる期待がもてます。
個人の学習を最適な学習につなげる
個人の学習ではさまざまな工夫を凝らしながらスキルアップにつなげるための学習にしていく必要があります。
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AIを活用した練習とフィードバック
現代では、ラーニングプラットフォームの活用でこれまでにない新しい学習が実現できるようになりました。個人の学習においてはアウトプットを意識してできるようになるための練習がポイントになります。ラーニングプラットフォーム「UMU」を活用することで、セールストークやプレゼンテーションの練習をAI相手に壁打ち練習ができるようになりました。
近くに先輩や同僚がいなくても、AI相手にトークやプレゼンテーションの練習をすることができます。練習後にはAIから自身のトークやプレゼンテーションについてのアドバイスがもらえます。そのアドバイスをもとに再度練習するという学習サイクルを回していくと、知っているだけではなくできるという状態にもっていくことができます。
上司・先輩からのフィードバック
AI相手に練習した後は、その動画を上司・先輩に提出します。提出すると上司・先輩がその動画を確認し、適切な内容かどうかをチェックしてアドバイスします。
このようにAIと上司・先輩とで役割分担をしてデジタルとリアルの融合を図りながら学習設計をしていくことで学びの質を高めることが可能となります。
成功事例を拾い上げ、組織内で共有して学ぶ
個人の学びの質を高めたのち、それを業務適応していくと、成功事例が生まれてきます。その成功事例をピックアップして組織内で共有して学ぶことが重要ですが、ポイントはそれをいかにスピーディーに展開できるかという点です。
従来このような成功事例をピックアップするには時間を要していました。具体的な場面としては、半年や1年に1回の営業研修の場面で、うまくいったことを発表しあう中で共有したり、もしくは毎月の営業会議の中で発表して共有するということが中心でした。
現在では、ラーニングプラットフォームを活用することで、日々活動している中で成功事例があればそれを意見投稿することで、即座に共有することが可能となりました。文字で共有する、動画で共有するなどさまざまな方法があります。
他者から学び、パフォーマンス向上へのスピードをあげる
成功事例の共有をスピーディーに行うことで、業績向上につなげること、その時間を短縮することが期待できます。その点において、成功事例の中でも特に良い事例については、営業研修などを企画している事務局サイドで事例の当事者にインタビューなど行い、事例をしっかりとした学習コンテンツ化できると効果的です。
本人による成功事例の意見投稿や情報発信だけでは伝わらない情報もあります。本人の中では無意識的に行っている対応や行動であり、他の人に共有するほどのことではないと思っているような行動の中に業績向上につながるヒントがあることも多いです。インタビューを行い、事例そのものだけでなく、日ごろから意識していることやその成功事例の案件を進めている中で考えていたことなど周辺情報含めて引き出してコンテンツ化することで、他者にとってはとても有意義なことが学べるコンテンツになります。
また副次的な効果として、成功事例となるような実績を作った人物をインタビューし、コンテンツ化して営業部門内で共有することで、その人物が脚光を浴びます。まるでヒーローインタビューのような位置づけとなり、成功事例を作った本人のモチベーション向上につながります。そしてそのようなコンテンツを見た人が「次は自分がヒーローになる」という思いをもち、学習に、業務適応に励むという好循環サイクルが回っていくことも少なくありません。
効果的で面白い施策事例(オンライン・ロールプレイング・コンテスト)
個人が学ぶという観点と成功事例を組織内に共有して学びの底上げを図るという観点で効果的で面白い施策事例を紹介します。それはオンラインロールプレイングコンテストです。
参考情報として実際に実施した株式会社ビジネスコンサルタントの実例を挙げて紹介します。
当社ではパッケージ化された商品について、いかにお客さまに魅力的に伝えるかというセールストーク力を磨くことをねらいに完全オンラインでコンテストを行いました。
期間を決めて下記のステップで営業管理職も含め営業社員全員参加で実施しました。
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【1週目】練習してトークを動画投稿(予選)
まずは商品についてのトークを考える。そのトークをブラッシュアップする。ラーニングプラットフォームUMUを活用し、そのトークをAI相手に練習し、満足のいく出来栄えになったら動画として提出する -
【2週目】他者が提出したトーク動画を視聴
他者が提出したトーク動画を見て、誰のトークが優れているかを投票します。投票も大事ですが、このタイミングで他者のトークについて動画を通じて触れることができることに参加者は新鮮な驚きを示していました。
通常はポケットノウハウとして営業パーソンから外に出てこないセールストークだったりしますが、それを引き出して共有することが可能となったことに意味があります。 -
【3週目】投票結果をもとに上位者に絞って決勝戦・表彰
動画を視聴し投票してもらった結果の上位者に絞って決勝戦を行い、その結果を表彰します。これにより上位者へは内的リワードを提供することができますし、社内での優れた営業パーソンとしての認知形成にもつながります。 -
【4週目】投稿動画を学習コンテンツ化
投票の結果、商品ごとにトップ3に入った動画を別途切り出して学習コンテンツ化を図ります。ランキング上位者の動画は内容を見てみると、票が入るだけのことはあって、内容のバランスがとても良いトークとしてブラッシュアップされています。必要な説明は含まれており、単調な説明ではなく事例を含めた紹介で分かりやすく、印象に残るようなキーワードを活用しているなど学習コンテンツとして優れており、教材として役立ちます。 -
コンテスト以降 OJT水準の底上げを実現
学習コンテンツ化した動画を、いつでも、どこでも、誰でも学習できるようラーニングプラットフォーム上に公開し、日常的に学習してもらうよう学習環境を整備しました。
ロープレコンテストで提出されたラインキング上位動画を学習コンテンツとして採用したことで、弊社内の基礎力向上につながり、当社のOJT水準の底上げにつながりました。
従来は新人が職場に配属されると、先輩である若手社員がOJTしていましたが、先輩がどの職場でも、いつでも常に優秀とは限りません。まだ実績をあまり上げられずに苦戦している先輩がいることも事実です。新人は配属先の先輩に相談し、商品のセールストークなどを学習していました。中にはさえないトークを教えられ、さえないトークでセールスしてしまうこともありました。
コンテストの動画を学習コンテンツ化してからは、新入社員はまず商品のセールストークについてはその動画を見て学習するようになりました。この動画はランキング上位のコンテンツのため、バランスの良い内容になっており、効果的なトークを学習し、身につけることができます。これにより身近な先輩社員や先輩社員の力量に依存することなく、どこに配属された社員でも上質のトークをはじめから学習することができOJTの底上げにつながりました。
実際に動画を視聴し、それをまねてお客さまにご案内したところ成約に至った、売り上げアップにつながったという事例が度々報告されています。
このように、個人で練習してしっかりと学ぶことで基礎力という土台をつくること、そしてそれを組織内で共有して組織全体の学びの底上げを図ることで、業績向上を期待することができます。今回紹介したようなオンライン・ロールプレイング・コンテストとそこで投稿された動画の学習コンテンツ化という取り組みは、とてもコストパフォーマンスの良いというメリットがあります。
今回の取り組みは管理職も含めて参加した取り組みだったことから、管理職もコンテストで恥ずかしい結果となるわけにはいかないという心理が働き、ランキング上位者の中には管理職も多く含まれています。管理職に対して忙しい中学習コンテンツの依頼をすることは躊躇されがちですが、今回のような取り組みの結果良いコンテンツが生み出されることは大きなメリットとなります。
今回は良質な学習コンテンツを作ろうと力んでコンテンツ制作をしているわけではなく、受講者は学びの一環としてトークを磨いて動画を投稿する、その投稿された動画の中から上位の動画を切り出してコンテンツ化しているので、コンテンツ制作そのものにコストがかかっていません。
そして管理職も本動画の存在を認識しているため、現場で管理職や若手社員が部下に指導する際にも積極的にこの動画コンテンツが使われています。このような学習サイクルが構築できると組織内の学びが自然と好循環になっていきます。
まとめ
営業研修における効果的で面白い施策を紹介してきました。
効果的で効率的な好循環の学習サイクル構築に向け、ラーニングプラットフォーム「UMU」の活用を検討してみてはいかがでしょうか。株式会社LDcubeではこれまで多くの集合研修で得られた経験やノウハウを踏まえ、営業研修のみならず、UMUを活用したオンライン・ロールプレイング・コンテストなど、効果的なプログラム展開のご支援をしています。
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