営業研修の内容やネタはどうする?検討するポイントや方法を解説
営業研修の多くは企業内でプランニングされ、各企業独自で行われているケースが多いです。
その際に出てくる悩みが、営業研修を行う必要性を感じているものの、その内容はどのようなものにするか、既にさまざまな研修を実施していてネタ切れになってしまっている、というものです。
実は、営業研修のネタは社内に存在します。研修内容検討の流れに沿って整理していけば自ずと必要な研修内容を特定することができます。
何となく内容を検討しても営業研修の効果は高まりません。営業研修は内容もさることながら、研修実施を通じて業績向上につなげていくことが求められます。
株式会社LDcubeはこれまで集合研修スタイルで営業や接客のロープレトレーニングなどの支援を行ってきました。ここ数年はその取り組みを進化させ、DXを取り入れてより効果の高いものにしています。
あるクライアント先において、中途採用者向けの営業研修において、アプリを使った営業研修とアプリ不使用の営業研修受講者の研修後の業績の比較を行いました。
結果はアプリを使用した研修受講者の方が、アプリ不使用の研修受講者と比較して、3カ月で業績が3倍になりました。アプリを使用して一人でも営業の練習する機会を設けたことに差があります。
今回は営業力強化に向け、営業研修の内容やネタについて検討する上でのポイントや効果的な検討方法、実施する際のポイントやDXも視野に入れた今後の営業研修のあり方まで解説します。
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目次[非表示]
- 1.営業研修の内容・ネタ検討の流れ
- 2.【STEP1】営業パーソンに期待する成果を確認
- 2.1.期待する成果を確認する切り口①~商品ごと、エリアごと、お客さまごとなどの軸~
- 2.2.期待する成果を確認する切り口②~対象社員の属性などの軸~
- 2.3.マネジャー層で期待する成果を棚卸しする方法
- 3.【STEP2】スキル習得・育成状況を確認する
- 4.【STEP3】研修内容の特定 ⇒ 講師選定
- 5.一般的に営業研修で扱うネタ(身に付けるべきスキル)
- 6.営業研修のこれからのあり方
- 6.1.オンライン学習環境の活用
- 6.2.学習行動のデータ取得と活用
- 7.営業研修の内容をバージョンアップし成果を上げた事例
- 8.まとめ
営業研修の内容・ネタ検討の流れ
営業研修の内容・ネタを検討する流れは下記です。
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営業研修で扱われる主なテーマは自社商品をどのように顧客に訴求し成約につなげていくかということであり、おのずとテーマは「自社商品・サービス」が中心となります。
そのため営業研修は企業内で計画され、実施することが多いです。
営業研修の内容を検討するにあたっては、はじめに「何のために営業研修を実施するのか?」という目的を確認することから始める必要があります。
営業研修を行う目的を明確にしておかないと目的不在の方法論の検討ばかりに終始しがちです。
上記の流れで特定された内容が営業研修として取り上げるべき内容であり、ネタとなります。
同時に講師は誰が務めるのかということも検討する必要があります。
これまでの流れで特定された内容についてきちんと学習し、職場で実践することが実現できれば「1.現在の営業パーソンに期待する成果や業績」につながりやすくなるという仮説が成り立ちます。
この記事では営業研修内容検討の流れについて掘り下げて紹介していきます。
▼本記事では主にフィールドセールスの営業スキルに焦点をあてています。テレアポなどについては下記を参照ください。⇒テレアポ獲得率が劇的に上がるロープレ実践術!4ステップで詳細解説
【STEP1】営業パーソンに期待する成果を確認
期待する成果を確認する切り口①
~商品ごと、エリアごと、お客さまごとなどの軸~
まずは営業パーソンにどのような成果を期待しているかをきちんと確認することが重要です。
なぜなら、商材ごと、エリアごと、お客さまごとでも期待する成果は異なる場合が多いからです。
企業の置かれた状況により、今期注力する商材や重点的に活動するエリア、受注を増やしたい顧客など会社の方針と照らし合わせて期待する成果を確認していくことが必要です。
中期経営計画や今期の事業方針・事業計画などで明文化されたものがあればそれらを確認し、明文化されていない場合には経営幹部や事業責任者へのヒアリングを通じて確認します。
営業パーソンは会社の業績を担う重要な位置づけです。営業パーソンが全員目標達成することができれば、会社としての目標も達成することができます。
しかし、現実には全員が目標達成というのはなかなか実現できるものではありません。だからこそ、営業パーソンに期待している成果をきちんと確認することが必要です。
期待する成果を確認する切り口②
~対象社員の属性などの軸~
新入社員、2年目社員、3年目社員、中堅社員、ベテラン社員ごとにも期待する成果は異なります。
業界や扱う商材などにより営業パーソンとして一人前と言えるまでにかかる時間は異なりますが、年次ごとや階層ごとに期待している成果などがあるものです。
このような年次や階層ごとに期待する成果とそのために必要なスキルなどを整理したものを「スキルマップ」や「成長のステージ」と呼んで活用している企業もあります。
そのように整理されているものがある場合には、改めて現状を確認し、そこで設定されている基準が現在期待している基準と相違がないかを確認します。
このような整理されたものがない場合には、マネジャー層で意見交換する場を持って、検討するとよいでしょう 。
マネジャー自身もそれぞれ育ってきた環境や経験が違うため、さまざまな意見・見解を持っています。それらを洗い出し集約して対象社員の属性ごとに期待する成果を確認します。
マネジャー層で期待する成果を棚卸しする方法
マネジャー層で期待する成果を棚卸する方法について解説します。下記の流れでミーティングの機会を持つことで、現場の実態に合わせた内容を確認することができます。
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【STEP2】スキル習得・育成状況を確認する
現状の営業パーソンのスキル習得状況や育成度合いを確認することが重要です。
なぜなら、営業パーソンの育成状況については、ばらつきが生じやすいという特徴があるからです。
各現場で経験値が変わってくることや担当するお客さまによっても経験できることが変わってくるためです。
また営業パーソンの上司や先輩のかかわり度合いによってもばらつきが生じるということが起こります。
そこで、営業パーソンに求めるスキルや経験から簡易的にアセスメントをします。
求めるスキルや経験を一覧にし、各営業パーソンに経験の有無、実績の有無などを入力してもらうことでスキルや経験を棚卸しします。このことをスキルインベントリーといいます。
最近ではそのようなスキルインベントリーやスキルアセスメントができるツールなども登場してきていますが、表計算ソフトを活用してワークシートを作成し、各営業パーソンが入力するということでも実施が可能です。
ワークシート作成の際には実績や経験の有無だけではなく、実際のお客さま名なども併せて入力してもらうことで、実績や経験があった気がするというあいまいさを排除することができます。
そして営業パーソンの上司にも確認してもらうことでその精度が高まります。各営業パーソンに入力してもらったワークシートを商品ごと、エリアごとの軸や年次や階層ごとの軸で分析していくことで、今注力すべき育成ターゲットが見えてきます。
▼スキルインベントリーのできるツールについては下記サービスページで紹介しています。
【STEP3】研修内容の特定 ⇒ 講師選定
期待する成果から逆算した研修内容・テーマ・ネタの特定
期待する成果から逆算して研修内容・ネタを特定することがポイントです。
これが現在期待する成果につなげるために必要な学習項目となり、営業研修で扱う内容であり、ネタとなります。
なぜなら、営業パーソンに期待する成果と営業パーソンの知識・スキル習得状況が整理できれば、それらのGAPから現状の営業パーソンに不足している知識やスキルをあぶり出すことができるからです。
例えば、「2年目社員が○○という商材について期待する成果をあげられていないので、2年目社員を対象に○○を売るための知識やスキルについて営業研修を実施する」というのが営業研修の内容を検討する上での流れとなります。
このように、期待する成果を確認し、現状を照らし合わせ、期待する成果から逆算して必要な能力開発につなげるための育成施策を用意するという点がポイントです。
能力開発テーマ二つの分類と講師選定
能力開発の内容としては大きく二種類に分けることができます。内容に合わせ誰が講師を務めるかも方向性が見えてきます。
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一つ目は、自社の商品やサービスについての理解やその提案方法、事例についてなど自社内にしかそのノウハウがない自社特有の内容です。
これらは社内での集合研修や勉強会、現場でのOJTを中心に能力開発されてきました。
研修を行う場合には社内の実績や経験豊富な方や専門性をお持ちの方が研修内容を組み立てたり、実際に講師となって研修を実施したりという流れになります。
二つ目は、例えば、期待している成果と現状のGAPから「お客さま共感するためのコミュニケーション能力」といったような自社特有の内容ではなく、営業パーソンであれば汎用的に身に着けておく必要がある内容やスキルです。
このような内容やスキルの場合には、社内でその内容について得意としている人が研修内容を考え実施するということももちろんですが、外部講師を活用することも選択肢の一つです。
社内で研修を実施する際には、研修内容の組み立て、研修教材の作成、研修に向けた準備・リハーサル、研修実施、研修実施内容と効果検証など、研修を行うことに労力がかかります。
汎用的な内容・スキルの場合にはそのようなテーマでの研修実施をしている外部講師を活用することで社内での労力を軽減し、社内でしかできない自社特有の研修に労力を割くことが可能となります。
「世間では○○が流行っているということなので、〇〇をテーマに研修を行う」ということや「何となくコミュニケーションが課題だと感じるのでコミュニケーションをテーマに研修を行う」ということでは、それが成果につながるかどうかの検証がしにくく、研修の費用対効果などの確認もできません。
また、研修を組み立てる際にも受講者に集まってもらって集合研修を実施するのか、オンライン上で実施するのかなどの方法論の検討も必要になってきます。
▼営業研修における資料作成については下記で解説しています。
⇒営業研修に資料作成は不要!研修で業績向上に必要なポイントを徹底解説!
一般的に営業研修で扱うネタ(身に付けるべきスキル)
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上記のスキルは主にロールプレイングなどの実践練習を通じて使えるスキルとして身に付けていく必要があります。座学で聞いただけではスキルアップしません。
▼営業研修におけるロープレトレーニングについては下記で解説しています。
⇒営業ロープレのポイントとは!成功の秘訣は練習にあり!
営業研修のこれからのあり方
営業研修のこれからのあり方は、内容もさることながらその進め方も時代に合わせてブラッシュアップしていくことが重要です。
なぜなら、オンラインの活用などによりこれまでは不可能だった学習方法などを取り入れることができ、営業研修の成果を高めてくれるからです。下記にポイントを紹介します。
オンライン学習環境の活用
これからの営業研修は、集合研修をオンラインに置き換えるということではなく、DXを取り入れることでより成果につなげるための学習設計を行うことが重要です。
なぜなら、オンラインの学習環境を効果的に取り入れることで、学習の効果性と効率性を高め、営業研修で学んだことを実践し、成果につなげやすい学習が実現できるからです。
コロナ前は、研修実施に際して、圧倒的に多くの場合、集合研修スタイルでの実施が中心でした。半日~1日2日程度研修会場に集合し学ぶスタイルです。
コロナ禍には集合が難しくなったことを背景に、オンライン会議システムを活用してオンライン上に集合してのオンライン集合研修スタイルが急増しました。新たな研修スタイルが急速に発達してきました。
コロナ禍においては多くの企業でオンライン研修が行われました。ここで起こったことが集合研修をオンライン研修で置き換えるという現象でした。
集合研修で実施していた内容をオンライン研修に置き換えようとすると、置き換えられるものもあれば、置き換えることに無理がある内容も出てきます。
置き換えるという学習設計ではなく、オンラインの特徴を生かして作り変えるという発想が重要です。
▼具体的な学習設計や研修の進め方については下記で解説しています。
⇒営業研修のDX 成果につながるカリキュラムとは?ポイントを解説
学習行動のデータ取得と活用
これからの営業研修においては、受講者の学習行動のデータ取得と活用が重要です。
なぜなら、オンラインを活用した学習環境を整備をすることで、営業研修の場面だけでなく、日頃の学習行動をデータ化することが可能だからです。
それにより好業績者がどれくらいの学習を行っているのかなどを可視化することができます。
どれくらいの人が、基本的な業務知識の学習や、商談に向けて質問の手法のロールプレイングなどを隙間時間を活用して練習しているかなどを具体的につかむことができます。
今後は学習行動のデータを活用してP D C Aを回していくことがポイントになります。
▼営業研修についておすすめを整理しておきました。施策検討にお役立てください。
⇒営業研修おすすめ27選!新人・中堅・ベテランの階層別に深掘り紹介
営業研修の内容をバージョンアップし成果を上げた事例
社員数: 8,000名以上
事業:生命保険販売、資産運用
営業研修内容見直しの成果 ~入社3カ月後の売上実績が従来の研修受講者と比較して3倍に~ アウトプット中心の学習で実践力を身に付けた上、研修中に学んだことを、動画でいつでもどこでも復習・確認ができる環境を作ることで、学習内容を実践につなげることができるようになりました。 その結果、 Teamsをつないでの従来の研修スタイルで学習した受講生集団と比較 しましたが、営業研修内容をバージョンアップした研修を受けた集団は、従来の研修を受講した集団と比較し、入社3カ月後の売上実績が3倍という飛躍的な成果を出しました。
ライブでの講義ではなく、動画を活用した研修運営をすることで、高品質な研修情報を余すことなく再現することが可能となりました。 従来は、毎月入社するキャリア採用社員の導入研修を毎月実施するため、トレーナーの方々はかなりのリソースを割かなければなりませんでした。 しかし、マイクロラーニングの導入により初期教育を効率化することで、そのリソースを営業管理職教育に充てることができるようになりました。 それにより、現場の指導力強化につなげることができ、学習の好循環を生んでいます。
職種別オンボーディングプログラムを展開 キャリア入社後1カ月間の導入研修をマイクロラーニングを活用した研修にバージョンアップしました。 事前学習、研修当日、事後学習全ての場面においてマイクロラーニングで知識のインプットを行い、研修当日は確認テストの解説や、受講生同士のディスカッション、質疑応答に比重を置くことなどで、カスタマイズ性の高い学習の提供を実現しています。 マイクロラーニングはそれまで社内で活用されていた動画をベースに、新たなコンテンツも社内トレーナーの方が中心となって作成しました。 研修中は特に「学んだことが現場でも生かせそうだ、使えそうだ」と思ってもらうための支援や関わりを重視することで受講生のエンゲージメント向上にもつなげています。 これまでのインプットは社内トレーナーの方がレクチャーしてインプットしていましたが、リニューアルしてからはレクチャーは全て動画に代替しました。
インプットして終わりにならないように、動画を活用し、受講者が研修で学んだことを生かしながら1人でも何度もAIを相手にセールストークを練習し、動画で提出するという環境を提供されています。 動画を見た研修トレーナーから、直属の上司・先輩から、他部署の上司・先輩から、そして同期からフィードバックを受けることができ、学習の深化につなげています。 また、動画を閲覧した上で学んだことや仕事に生かせそうなことを共有することで、自分の考えを整理しながら、他の受講生の意見に触れながら新たな学びを得るという、学習の相乗効果を生んでいます。
研修がイベント化してしまっている 集合研修で社員にいくら良い内容を提供しても 、現場に戻った後は目の前の仕事をこなすことに集中してしまい、学んだことがその場限りとなってしまうことが多く見受けられました。 集まった場だけではなく、事前と事後の学習活動を充実化させ、学習を続けながら学んだことを仕事に生かすことができる環境を作るため、 マイクロラーニング・コホート型学習を導入しました。 現場で得られた成功事例や失敗事例が個人のものにしかなっておらず、ポケットノウハウ化してしまっていることに課題を感じていました。 個人の学びを暗黙知から形式知に変えていくことで、受講生同士の学びを促進しながら、組織全体のナレッジとして好循環を生み出していきたいという思いがありました。 |
▼上記の事例のような研修カリキュラムの構築方法については下記で解説しています。合わせてご覧ください。⇒営業研修のDX 成果につながるカリキュラムとは?ポイントを解説
まとめ
営業研修の内容やネタについて検討方法をご紹介してきました。
- 営業研修の内容・ネタ検討の流れ
- 営業パーソンに期待する成果を確認
- スキル習得・育成状況を確認する
- 研修内容の特定 講師はどうする?
- 一般的に営業研修で扱うネタ(身に付けるべきスキル)
- 営業研修のこれからのあり方
について解説してきました。営業研修で取り扱うべきネタは社内にあります。内容検討の流れに沿って検討し、今求められている成果から逆算して研修内容やネタを特定していくことが重要です。
営業研修で取り扱うべき内容が、自社の商品やサービスなど自社特有の内容の場合には社内講師で、コミュニケーションスキルなどの汎用性の高い内容の場合には外部講師活用も選択肢補一つです。
これからの時代の営業研修は、オンライン学習環境をふんだんに取り入れて展開していくことが重要になります。
オンライン活用により従来では実現できなかった学習の効果性と効率性を同時追求していくことが可能となるためです。
またオンラインを効果的に活用することで、受講者の学習行動のデータ取得と活用が可能になります。
株式会社LDcubeではこれまで多くの集合研修で得られた経験やノウハウを踏まえ、新時代の学習環境づくりのご支援をしています。
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▼ 参考記事はこちらから。