あなたの会社も変わる、アジャイル・ラーニングの進め方とは?
近年、求められるスキルが急速に進化しているにもかかわらず、多くの組織は学習のあり方をこれまでの方法から更新していません。不十分な計画と対応力の欠如が、学習者のエンゲージメント不足を招き、求められるスキルとのギャップをますます拡大させています。
しかし、適切なアプローチをとれば、アジャイル・ラーニング(※1)を推進し、ビジネス目標の達成を支援するアジャイルでエンゲージメントの高い人材を生み出すことは可能です。
※1アジャイル・ラーニングとは、柔軟で迅速な対応が可能な学習手法のことを指します。この学習手法は、組織が急速に変化するビジネス環境や技術の進歩に対応するためにさまざまな組織で取り入れられるようになりました。
目次[非表示]
職場学習の必要性を理解する
どのような組織でも成功し続けるためには、環境変化に機敏に対応できるよう、自分のスキルを常に向上させようとする意欲にあふれたチームメンバーの存在が不可欠です。
ある調査によると、チームメンバーの大多数は自己の専門能力を開発することに非常に前向きに取り組み、かつその機会を積極的に探っています。
しかし、よく練られた学習戦略があっても、ラーナー(学習者)マーケティング、配信方法、学習スタイルなどの整備が不十分なために学習者にとっては期待外れとなることがあります。
スキルギャップをつかむ
現代の職場で求められる能力は複雑で、常に進化しているため、スキルギャップを特定し、それが組織に与える影響を測定することは困難です。
Towards Maturity(学習についての研究機関)の調査によると、マネジャーが最大の課題とするのは、どこにスキルギャップがあるかを理解し、どのような能力が必要なのかを把握することです。必要なスキルを特定するのに苦労しているのはマネジャーだけでなく、チームメンバーの多くも、自分自身のトレーニングニーズを特定するのに苦労しています。
技術の進歩により、多くの役割や職種が自動化(機械化)される傾向にあるため、生涯を通じた能力開発は、ビジネスと同様に個人にとっても不可欠となりました。
正確な数字については専門家の間でも意見が分かれるところですが、一般的には、欧州連合(EU)域内では全職業の3分の1から2分の1が将来的に自動化される可能性があるといわれています。
ビジネスにおいて、スキルギャップが具体的にどこに存在し、チームメンバーがスキルを開発し目標を達成するためにどのようなトレーニングが必要かを特定することが非常に重要になります。
アジャイル・ラーニングを推進する
必要とされるトレーニングのタイプに熟知している組織であっても、時代遅れの提供方法(学習方法)のために、チームメンバーの参加(学習促進)に苦労している場合があります。
高い成果を上げている学習文化を持つ組織は、従来の対面式の教育スタイルから、デジタル学習を含むハイブリッド型のアプローチへと移行し、そのスタイルを柔軟に適応させています。これは、エコロジー、スケーラビリティ、迅速なフィードバック対応、さらにはチームメンバーが自身の能力開発に対する責任を引き受けることを可能にする、など多くの恩恵をもたらします。
認識ギャップが学習のエンゲージメントの低下につながる
約50%の企業が、従業員の新しいデジタルテクノロジーへの取り組みが不足していると報告していますが、同時にチームメンバーの4分の3以上が、新しいテクノロジーを使用する機会があることを喜んでいると答えています。
半数以上のマネジャーは、チームメンバーは自分の学習に責任を持ちたがらないと述べています。しかしここで再び認識のギャップが生まれています。チームメンバーの75%以上は、常に自分自身の学習と能力開発を望んでいると言っているのです。
このような認識のずれは、適切に対処されない場合、大きな不満を引き起こす可能性があります。
人材育成部門は最新学習メソッドに精通すべし
柔軟で迅速な対応力のある企業文化を創造するためには、人材育成部門がプロフェッショナルとして成功実績のある最新の学習メソッドに精通している必要があります。
学習メソッドへの理解や専門性を高め、より良いパフォーマンスを上げるためのスキルギャップを埋めながら、個々の学習者のニーズに対応しつつも、今後新たなビジネスを創出するための新しい学習戦略、人材育成戦略を構築していくことが重要です。そのためには外部の専門家のサポートを受けることも選択肢の一つです。
デジタルテクノロジーを全面的に活用している企業と、そうでない企業の差は非常に大きいです。自社独自eラーニング、双方向学習コンテンツ、社内ラーニング・ポータル、オープンソースのeラーニング・ツールなどを活用することで学習におけるエンゲージメントを20%以上高めることができます。
最も成功している企業は、単に優れた学習を提供するだけでなく、チームメンバーが自分自身の個人的および専門的な能力開発に責任を持つように動機づけています。
このような主体的な学びは、個人のウェルビーイング向上の鍵であると同時に、ビジネスのパフォーマンスを最適化する鍵でもあります。
アジャイルな学習文化を持つ企業は、チームメンバーがウェルビーイングを高め、多様性を受け入れています。これは多くの企業にとって重要な関心事であり、従業員の定着率も向上します。デジタル・ラーニングとアジャイル・ラーニングへの積極的な取り組みは、生産性の向上、有能な人材の確保、市場環境の変化への迅速な対応につながります。
スキル開発を促す、アジャイルな職場のメリットを享受するために、人材育成部門が克服すべき課題は多いです。学習者が自律的に学習に取り組むことで新しいスキルを身に付け、身に付けた新しいスキルはビジネスを前進させることにつながり、チームメンバー全員に満足感と達成感をもたらします。
あらゆる学習行動のデータは、目標達成につなげるための学習を提供する方法を理解するための鍵となります。これは健全なデジタル学習戦略を通じて従業員に大きなメリットをもたらします。
まとめ
あなたの会社も変わる、アジャイル・ラーニングの進め方とは?について紹介してきました。
株式会社LDcubeでは単に学習コンテンツを提供するだけではなく、最新の学習トレンドを踏まえたサービスを提供しています。個人サーベイを基にしながら、個人の強みや啓発点に合わせた学習コンテンツの提供ができる「CKコネクト」や著名MBA教授の学習コンテンツを活用してライブファシリテーターが研修を進めるためのサポートなど、個人、職場、組織のパフォーマンス向上につなげるための学習環境づくりを支援しています。企業の人事部門向けに無料体験会なども実施しています。お気軽にお問い合わせください。
▼ CrosKnowledge社原文記事
https://www.crossknowledge.com/blog/towards-maturity-driving-agile-learning/