経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説
企業経営の全領域を体験する研修「経営シミュレーション研修」をご存じでしょうか?
経営シミュレーションについては、経営シミュレーションゲームやボードゲームで学べるものもありましたが、現在ではPCやスマホで本格的な会社経営が体験できる経営シミュレーションのアプリを活用した研修会が注目されています。
企業内ではビジネスパーソンの育成に向けて、戦略、マーケティング、財務会計、人材マネジメントなどのビジネススキルについて学ぶ研修会やeラーニングでの学習が行われています。
しかし、多くの場合学んだあと、それらのビジネススキルを実際に使うシーンが少なく、学んで終わりになってしまっているケースが多いです。
そして、時間の経過とともに学んだ内容を忘れてしまうというということが起きています。
経営シミュレーションを活用した研修は、それらのビジネススキルを実際に試してみる機会を提供します。
それにより、学んで終わりではなく、実践で使えるスキルとして磨いていくことができます。
株式会社LDcubeでは、経営シミュレーション「Biz-Ex(ビジックス)」を活用した経営シミュレーション研修の提供を行っています。
内定者・新入社員から、若手・中堅社員、管理職、役員、海外赴任者、海外現地法人トップに至るまで幅広い対象層に研修を提供しています。
そこで得られた知見など踏まえて、経営シミュレーション研修の意義や具体的な内容、対象者、必要なスキル、そして進め方について詳しく解説します。
経営シミュレーションを活用して、学んで終わりのビジネススキル学習を卒業し、使えるスキルへと磨き上げていきましょう。
▼昇格試験対策として活用されているケースもあります。詳しくはこちらから。
⇒昇格試験に合格する人の特徴とは?試験に受かる実践的な学習方法を紹介
▼調査により能力開発が進む年齢が分かりました。経営シミュレーションなどを活用し、タイミングを逃さない能力開発施策が望まれます。
▼経営シミュレーション「Biz-Ex」の資料はこちらからダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.経営シミュレーション研修とは?
- 2.経営シミュレーション研修で啓発できる能力
- 2.1.戦略思考力
- 2.2.クリティカルシンキング
- 2.3.チームワーク
- 2.4.財務データを基にした意思決定力
- 2.5.結果の責任を取る意識
- 3.経営シミュレーション研修の主な対象者
- 4.経営シミュレーション研修の受講に必要な知識
- 5.経営シミュレーション研修ならBiz-Ex
- 6.経営シミュレーション研修にBiz-Exを使った進め方
- 7.経営シミュレーション研修 受講者の声
- 8.まとめ
経営シミュレーション研修とは?
経営シミュレーション研修(経営研修)とは、仮想的なビジネス環境下で経営体験をすることです。
この教育方法は、ビジネススキルや経営戦略、意思決定の経験を積むためのものです。
ビジネスの具体的な問題に対する解決策を立案し、実行することで、参加者はまるで実際の経営を行っているかのような体験を得ることができます。
具体的には、参加者はまず仮想会社のビジネス環境と現状を把握します。
市場の状況、競合の動向、自社の資源や財務状況を理解し、分析します。分析結果を基にどのような経営戦略を立て、どのようなビジネス判断をすべきかを決定します。
次に、その戦略や判断を実行します。生産計画、マーケティング戦略、財務戦略、人材マネジメントなど、経営全般の意思決定を求められる場面が設定されます。
その結果、仮想会社の業績が変動し、市場シェアや売り上げ、利益などが具体的な数値で反映されます。
そして、経営の結果を見て分析と戦略立案、実行を繰り返し、経営を進めていきます。
この流れを通じて、参加者は市場分析、戦略立案、意思決定、実行という経営の一連の流れを理解し、体験することができます。
また、経営シミュレーション研修により、周囲の変化に対する柔軟な対応力や問題解決能力、リーダーシップ、チームワークといった、ビジネスに必要なさまざまなスキルの養成も可能です。
▼経営シミュレーション研修で学ぶようなスキルをシリーズ研修で学ぶ選抜研修については下記で解説しています。⇒“新”実践型選抜研修とは!?人材育成の現代ソリューションについて解説!
経営シミュレーション研修で啓発できる能力
経営シミュレーション研修(経営研修)は、参加者が実際の経営環境を再現したシミュレーションを体験することによって、多くの重要なビジネススキルを学び、理解を深めることが可能です。下記のような能力を啓発することができます。
(経営シミュレーション研修で啓発できる能力)
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戦略思考力
戦略思考力とは、競争優位を獲得し、維持するための戦略を立案するスキルのことを言います。
経営シミュレーション研修では具体的な市場環境が設定され、参加者は自社の位置付け、目指すべき方向性、競争状況、そして目標達成するための手段を考えます。
また、自社の強みや弱み、チャンスやリスク(SWOT)を考慮し、内部と外部の状況から最適な戦略を導き出す力を養います。
クリティカルシンキング
事物を深く理解し、問題解決に向けた判断をするためには、情報を批判的に分析する能力、すなわちクリティカルシンキングが必要です。
経営シミュレーション研修では、与えられた情報を基に立案した戦略が適切か、結果として予想した通りの結果が出るかどうかを判断します。
そうした経験を通じて、クリティカルシンキングを養うことができます。
チームワーク
大抵のビジネスは、1人で行うものではなく、チームで成果を出すものです。
経営シミュレーション研修でも、多くの場合、チームとして仮想企業を運営します。
そこでは、他の参加者とのコミュニケーション、意見の対立時の意思疎通、妥協点の見つけ方など、チームとして働くための重要な能力を身に付けることができます。
財務データを基にした意思決定力
ビジネスにおいては常に意思決定が求められます。
しかし、それには情報収集、情報の分析と解釈、選択肢の評価、そして行動への移行という一連のプロセスが必要です。
経営シミュレーション研修では、市場情報や財務データなどを基に最善の決定を下す練習ができます。
その結果、リアルなビジネス状況で即時に最善の決定を下す「意思決定力」が養われます。
結果の責任を取る意識
自分の行動が結果に直接影響を及ぼすという認識は、ビジネスパーソンとして非常に重要です。
経営シミュレーション研修では、自分たちの決定がその後の仮想企業の結果にどのように影響を及ぼすかを目の当たりにするため、「結果の責任を取る意識」を育てることに非常に有効です。
また、失敗を恐れずに挑戦し、結果を改善するための新たな解決策を考える能力も同時に養われます。
これらの能力は身に付けるだけでなく、それぞれの能力が相互作用することで、経営状況ではどのように発揮されるかを理解することにより、さらに深めることができます。
例えば、戦略思考力があったとしても、それをチームの中で効果的に議論することができなければ、個人の意思決定よりも良いと思える意思決定を導き出すことはできません。
このような複合的な経験が、人材を育成する上で効果性を発揮します。
経営シミュレーション研修の主な対象者
経営シミュレーション研修はあらゆるビジネスパーソンに役立ちます。主な対象者ごとに役立つポイントを紹介します。
(経営シミュレーション研修の主な対象者)
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新入社員
新入社員が経営シミュレーション研修を受けることのメリットは大きいです。
職場という現場だけでなく、ビジネス全体の視点から事象を捉える能力を身に付けることができます。
個々の業務が組織全体に与える影響や、経営戦略の一部としての自身の役割などを理解する機会を得ることができます。
ただし、ある程度のビジネスリテラシーを学んでいることが前提となります。
ビジネスリテラシーが乏しい場合、何をしてよいか分からない状況に陥ってしまうことがあります。
▼銀行では新入社員時から経営者視点を養うため、経営シミュレーションを活用しています。こちらで解説しています。⇒銀行員研修の新定番!顧客視点を学ぶ経営シミュレーションとは?
マネジャーやリーダー候補
管理職として上位層の決定に影響を与えるケースが増えてきます。
そのため、組織全体のビジョンや戦略に基づいて意思決定を行うためのスキルを身に付け、実践的な経験を積むことが大切です。
シミュレーション研修は経験を伴う学習の場であり、さまざまな状況での意思決定の結果を見ることができます。
現場からのたたき上げの場合、財務などについての知識が不足していることがあるため、その点に気付く良いきっかけとなり、能力開発していくことが可能です。
経営者
経営者にとって経営シミュレーションは自分の傾向を知るためのツールとして重宝します。
自分の意思決定をリスクなく試すことが可能で、自分の癖や特徴に気付くことができます。
これにより経営陣は、現実の意思決定の場面で、より効果的な意思決定や、結果を予測する能力を磨くことができます。
海外赴任者
海外赴任者の経営者としての意思決定力を磨く機会として役立ちます。
海外赴任者は赴任先では国内よりも立場が高くなることが多いためです。
国内では課長職だった方が、海外赴任先で社長になるということも少なくありません。
この場合、国内では経営者としての意思決定トレーニングの機会がないため、経営シミュレーションを通じて経営者の視点を養うことは、赴任のミッションを遂行するためにも必要です。
▼海外赴任者に本当に必要な研修については下記で解説しています。
⇒海外赴任者を成功に導く!本当に必要な赴任前の研修とは?
事業部門のスタッフ
事業部門のスタッフは自分たちの業務が全体の戦略にどのように貢献し、組織の業績にどのように影響を与えるのか理解することは重要です。
シミュレーション研修を通じて、スタッフは自分の経営活動の一部であることを理解し、自身の職責に対する責任ある意識を養います。
新規事業部や事業拡大を目指す組織の方
新規事業や事業拡大を考えている組織であれば、経営シミュレーション研修は必要不可欠です。
なぜなら、これらのシナリオでは多くの不確定要素や予測不能な状況が生じるためです。
シミュレーション研修は、これらの不確定要素に対してどのように対処したらよいかを予測する能力を身に付けるための練習の場となります。
▼経営の勉強法については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒経営の勉強は何をすべきか?実践スキルを身に付ける効果的な方法
経営シミュレーション研修の受講に必要な知識
経営シミュレーション研修の受講には下記の知識が必要です。
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ただし、上記のような知識や能力が未熟でも受講することをおすすめします。
なぜならば研修が進むにつれて理解が深まっていくからです。不慣れでも、楽しみながら学び、経験を積んでいくことが大事です。
経営シミュレーション研修は試行錯誤を大切にし、「失敗から学ぶ」というプロセスを通じて、実践的な学びを重視します。
未熟でも、一歩一歩確実に前進し、体験を通じて学び、積極的に経験を積んでいくことが大切です。
必要な知識を全て持っている必要はなく、挑戦心を持って参加することが求められます。
▼ビジネススキルやマネジメントスキルを自己啓発として学んでいくことも重要です。ポイントについて下記で解説しています。⇒己啓発でマネジメントを学び、生かすポイントとは?キャリアアップに生かすコツも紹介
経営シミュレーション研修ならBiz-Ex
Biz-Exは経営シミュレーションアプリであり、実際の業務と同じような経験を可能にし、実践的なスキルを磨くことができる企業経営トレーニングを提供します。
学習者は独自のシミュレーション環境で経営者の立場を体験します。
15期目の企業経営を引き継ぎ、自らの意思決定に基づいて6期分の経営活動を実践的に学びます。
参加者はロジカルシンキング、戦略、マーケティング、ファイナンス、アカウンティング、組織人事論、ビジネスプランなどの基礎知識を用いて、アプリを使用します。
具体的には、学習者は財務諸表や関係者とのヒアリングを通じて現状と課題を理解し、それに基づいて中期経営計画を策定します。
そして、その計画に沿いつつ、経営活動に必要な各項目について意思決定し、企業の成長を追求します。
Biz-Exの研修は専属講師によるオンラインコーチングと組み合わせて進められます。
これにより、学習者のシミュレーション結果と学習行動データが反映され、学習者自身の強みや改善点を見つけ出す助けとなります。
このように、Biz-Exは従来の研修とは一線を画した経営者体験とフィードバックを通じて現代の企業経営に必要な要素を良質なシミュレーションで学ぶことができる環境を提供します。
Biz-Exは2017年に一般社団法人日本オンライン教育産業協会主催のeラーニングアワードで「HR Tech特別部門賞」を、さらに2018年には同じく「経営シミュレーション教育特別部門賞」を受賞しています。 |
経営シミュレーション研修にBiz-Exを使った進め方
経営シミュレーション研修の進め方について、個人での受講とグループ単位での受講の、2つの観点からご紹介します。
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個人での受講
個人での受講では、参加者は各自で仮想企業の経営者(代表取締役社長)となり、自身の意思決定によって企業を運営していきます。
市場の変動、競争環境の変化、資源の管理など、実際のビジネス環境をシミュレートした状況で、自身で意思決定を行いながら業績を上げることを目指します。
この形式のメリットとして、全ての意思決定が自分に依存するため、自由度が高く、自分自身の思考や判断力を試すことができます。
また、自身の決定が結果としてどのように影響を与えるかを直接見ることができ、自己反省や学習の機会にもなります。
自分の特徴や改善点を明確に見つけることができますが、リーダーシップを発揮するなどのグループ活動の機会はありません。
グループ単位での受講
グループ単位での受講では、数人の参加者が1つのチームを組み、役員チームを形成し仮想企業を運営します。
チーム全体で戦略を設定し、各メンバーが役割を担って遂行します。
この形式のメリットは相互協力やチームワーク、コミュニケーション、リーダーシップという観点の学びが得られる点にあります。
また、他のメンバーから学習したり、異なる視点を尊重したりすることで、自分一人では考えられなかった戦略や解決策を見つけられる可能性もあります。
さらに、共同で取り組む経験は、実務のチームワークを強化するための現実的なトレーニングにもなります。
その反面、意思決定は個々人よりもチーム全体を重視するため、個々の意思決定の特性や影響は明確につかみにくい可能性があります。
以上が、個人での受講とグループ単位での受講による経営シミュレーション研修の進め方です。どちらの方式を選択するかは、参加者の目的やニーズに応じて決められます。
▼ Biz-Exは将来のビジネスをを支えるビジネスリーダーの発掘と育成に多くの企業で活用されています。発掘と育成で活用されている事例を紹介します。⇒ビジネスリーダー育成と発掘の仕組みづくり~育成型アセスメントプログラム~【Biz-Ex活用事例】
経営シミュレーション研修は、リアルな経営環境で自分の経営スキルを試すことのできる研修です。
真剣に経営活動に臨む経験をすることで、経営の本質を理解したビジネスリーダーを育成することが可能です。
経営シミュレーションと呼ばれる研修会は他にもありますが、Biz-Exほど本格的で、競合環境なども踏まえた経営結果がシミュレーションされる研修会はありません。
それがアワード受賞にもつながっています。
▼経営ノウハウについては下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒新時代の経営ノウハウとは?経営者が事業の未来を築くためのポイントを解説!
経営シミュレーション研修 受講者の声
【受講者の声(一例)】
- これまでマーケティングや財務など基礎的なことは会社の研修で学習したことはありましたが、実戦で使う機会がなかったので忘れてしまっていることが多かったものの、Biz-Exでは、経営シミュレーションで実際に体験から学習することができたので、知識と体験が紐づき深く理解することができました。
- 経営シミュレーションを通じて販売価格やプロモーションなどが売上にどのように影響を与えているのか理解することができた。
- 製造のことが分かっていないと、なぜ値引き調整に応じてくれないのかといった不満につながることがありますが、今回他部門の人たちがどのようなことを考えて意思決定しているかが分かりました。
- Biz-Exで学んだおかげで、海外赴任後、現地の財務部門と直ちに連携し、必要な措置を講じることができました。
【事務局・導入者の声(一例)】
- 受講者一人一人の特徴がよく分かり、ビジネスリーダーとしての情報分析力や判断力を把握することができました。私(社長)は一人ひとりのキャラクターを理解し、それに基づいた人員配置を行ってこなかったのかもしれません。現在は、受講者との1on1を通じて、受講者の適性を考慮した上で異部門への移動を決定し、人材育成に取り組んでいます。
- 銀行員として、経営が十分に理解でき、お客様と円滑なコミュニケーションを取ることを期待しています。そのため、新入行員に対しても、「財務については知識を持っていることは当然」「経営シミュレーションで業績を上げることができないのは恥ずかしい」という強いメッセージを送り、意欲的に取り組んでもらっています。新入行員もそれが当たり前となるよう、理解が不足している部分については再学習する等、努力を重ねています。経営成績が見える化されることによる緊張感と刺激が、優れた学びにつながっています。
まとめ
経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説 !について案内してきました。
経営シミュレーションは仮想的なビジネス環境下でゲームのように経営体験をするでき、ビジネススキルや経営戦略、意思決定の経験を積むことができます。
それにより経営者に求められる思考力、数値を見る能力、結果に対する責任感などを啓発することが可能です。
新入社員からマネジャー、経営者まで幅広く、ビジネスリーダーの能力開発の機会として活用されています。
受講にはある程度のビジネスリテラシーが求められますが、シミュレーションを進める中で、戦略、マーケティング、財務会計についての理解が深まっていくこともあります。
経営の本質を理解したビジネスリーダーの育成をお考えの際にはBiz-Exの活用をおすすめします。
株式会社LDcubeでは、Biz-Exによる経営シミュレーション研修の提供はもちろん、基本的なビジネスリテラシーを高めるためのeラーニングやマイクロラーニングなどの提供も行っております。
無料でのデモIDの発行やデモ体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
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