
ビジネスにおけるコーチングとは?コーチングの神様と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミス博士の教えも紹介【本人動画有】
この記事では、企業のパフォーマンス向上戦略として注目を集めるコーチングについて取り上げます。主に、企業の成長と従業員の自己実現を目指す中で、組織全体のパフォーマンスを向上させ、企業体質の変革を成功させる手段としてのコーチングの役割を明らかにします。
さらに、この分野で長年にわたり活躍するトップクラスコーチであるマーシャル・ゴールドスミス博士の教えを紹介し、彼が提唱する「フィードフォワード」などの具体的なアプローチも紹介します。
全てのビジネスリーダーまたは組織の成長を切望する方々にとって貴重なヒントになることでしょう。
▼ コーチング研修の内容についてはこちらをご覧ください。
目次[非表示]
- 1.コーチングとは
- 2.ビジネスシーンにおけるコーチング
- 3.コーチングが有効な具体的なシーン
- 3.1.新たなプロジェクトや役割を引き受けたとき
- 3.2.パフォーマンス改善が必要なとき
- 3.3.キャリア開発やソフトスキルの開発が必要なとき
- 3.4.組織開発・職場開発が求められるとき
- 4.組織開発、企業体質変革のアプローチにも有効
- 4.1.ビジョンや価値観の共有
- 4.2.リーダーシップの改革
- 4.3.メンバーの才能を引き出す
- 5.組織内でコーチングを行う主体
- 5.1.トップマネジメント、マネジャー、スーパーバイザー、リーダー
- 5.2.人事部または研修・教育担当
- 5.3.専門のプロコーチ
- 5.4.階層間コーチング
- 6.マーシャル・ゴールドスミス博士とは
- 7.マーシャル・ゴールドスミス博士の教え
- 7.1.コーチング力を高める6つの質問
- 7.2.良きリーダーとして成長するための8つのステップ
- 7.3.フィードバックよりフィードフォワード
- 8.マーシャル・ゴールドスミス博士から学べるコースの紹介
- 9.まとめ
コーチングとは
コーチングとは、個人やチームが目標達成に向かって自己啓発や自己開発を促進するための対話型の支援手法です。コーチは、アドバイスや解答を直接提供するのではなく、質問を用いて受け手に自分自身で考え、学び、新しい洞察や解決策を見つけてもらうことを手助けします。
この手法はビジネス、スポーツ、教育など、さまざまな分野で使用されており、受け手のパフォーマンスの改善、自己成長、人間関係の改善、キャリアの発展などが期待できます。
コーチングにはさまざまな種類があり、エグゼクティブコーチング、キャリアコーチング、グループコーチングなどがあります。
ビジネスシーンにおけるコーチング
ビジネスシーンにおけるコーチングとは、個々の社員やチームが課題解決や目標達成を自発的に進められるように、対話や質問を通じて考える力や自己理解を深める手助けをすることです。具体的には、新しいプロジェクトへの取り組み方、キャリアパスの設定、リーダーシップの強化、パフォーマンス改善、難問解決などさまざまなテーマに対してコーチングが行われます。
マネジャーやリーダーがコーチとしてメンバーを指導する場合、単に指示や命令をするのではなく、質問を通じてメンバー自身に考えさせ、自己成長と自主性を促すことがポイントです。この手法は、社員一人一人が自己実現に向けて主体的に行動し、組織全体のパフォーマンス向上につながると考えられています。また、社員のモチベーションや満足度向上にも寄与します。
なれないとついつい教えてしまったり、指示や命令をしてしまったりということがあります。コーチはきちんとコーチングについての訓練を受けてからコーチングを行うことが重要です。
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コーチングが有効な具体的なシーン
新たなプロジェクトや役割を引き受けたとき
取り組んだことがないことに直面した際、コーチングを通じて新しい課題に向き合い、成功に必要なスキルや知識を理解し、自己の成長を支援します。
パフォーマンス改善が必要なとき
パフォーマンスが伸び悩んでいるときなどは、気付かない壁に立ち向かっていることも少なくありません。コーチングを通じて、壁を乗り越えるのに必要なスキルや知識を強化し、パフォーマンスを向上させます。
キャリア開発やソフトスキルの開発が必要なとき
長期的な計画や目標を定め、そこに近づいていくためにコーチングは有効です。自分自身のキャリアパスを描くためのサポートになります。また、そこに近づいていく上で必要なリーダーシップ、チームビルディング、対人コミュニケーション等を伸ばすためにコーチングが行われます。
組織開発・職場開発が求められるとき
組織や職場の調和や生産性を高めることや文化や体質を変革していくことを目指して、組織全体、職場全体に対するコーチングが行われます。トップダウンではなくボトムアップで進めていくことが求められる際に、現場の意見や力を引き出すコーチングが有効です。
基本的に、目標を達成するために必要な行動や思考の変容を促すあらゆる状況でコーチングは展開されています。
組織開発、企業体質変革のアプローチにも有効
企業体質変革や組織風土の改革にあたってコーチングが用いられることも多いです。トップダウンではなく、ボトムアップで従業員の意見や潜在能力を引き出しながら、体質や風土を変えていくアプローチです。
下記はそのアプローチの一例です。
ビジョンや価値観の共有
新たなビジョンや価値観を共有し、それを念頭に置いた行動や意思決定を促進します。コーチングは全社員が新たなビジョンや価値観に向けて一致団結する手助けをします。コーチング的なアプローチを取り入れることにより、社員の参画意識を醸成することにつながります。
リーダーシップの改革
上級管理者やリーダーに対するコーチングは、その考え方や行動が組織全体に影響を与えるため、体質変革の一環としてとても重要です。
企業体質を変えていくことを試みる場合、上級管理者やリーダーの位置付けはとても重要です。コーチングを通じて、チームのコミュニケーションの向上、相互理解の促進、コンフリクトの解決等を行っていきます。
これまでのマネジメントの在り方を見直すためにコーチングアプローチは有効なのです
メンバーの才能を引き出す
言われたことだけをやっていればよいということではなく、社員が自ら考え、自らアクションにつなげていくアプローチを展開していくことで、個々の社員が自己の持つ能力を最大限に引き出すことにつながります。これにより、社員が変革を主導することになると共に、組織の信頼や満足度向上にもつながります。
これらのように、コーチングは組織の活性化や企業体質変革を成功させるための重要な手段なのです。ただし、それは一夜にして達成するものではなく、長期的な取り組みと継続したコミットメントが必要となります。
トップマネジメントの理解、適切な組織の現状把握、変革のマスタープランの作成などを行った上で、それを展開していく1つのアプローチがコーチングです。特にトップダウンでの組織運営からボトムアップで従業員の意見を引き出しながらの組織運営への変革、心理的安全性が高く、声の上げやすい組織づくりの教育においてはコーチングのアプローチは重要になります。
▼ 心理的安全性についてはこちらをご覧ください。
組織内でコーチングを行う主体
トップマネジメント、マネジャー、スーパーバイザー、リーダー
ラインマネジメント機能の中でコーチングを展開していきます。直接部下と仕事を行う上で、彼らのパフォーマンスを向上させたり、自己啓発を促したりするためにコーチングを行います。彼らはいわゆる"内部コーチ"となり、日々の仕事の中でコーチングスキルを使用します。
人事部または研修・教育担当
社内専任部署がコーチとなり、社員のさまざまな活動をバックアップし、潜在能力を引き出していきます。社内での管理職研修などの階層別研修や社員のキャリア開発やリーダーシップ開発などを通じてコーチングを行います。
専門のプロコーチ
一部の組織では、専門的なコーチングスキルを持つプロのコーチを内部に持つか、外部のプロフェッショナルなコーチを用いてコーチングを行います。
これらのコーチは、特定のテーマ(例えばエグゼクティブコーチングやキャリアコーチング)に関するコーチングを行うことが多いです。トップマネジメントに対して、社内でコーチングを展開することは現実的に困難です。
階層間コーチング
企業によっては、異なる役職や部署の人間がお互いにコーチの役割を果たす場合もあります。これには、メンター制度やリバースメンター制度(年齢や経験の少ない社員が経験豊富な社員に対してコーチングを行う)などがあります。
これら全てのケースにおいて、コーチングが行われる際には、信頼関係の構築とコミュニケーション能力が重要な要素となります。そのためには、単にコーチングのメソッドを学ぶだけでなく、その主体が人間であるということを理解し、人間理解を深めておくことが重要です。
▼ リーダーやマネジャーの力の能力開発に向けた新たな学習スタイルを紹介しています。
マーシャル・ゴールドスミス博士とは
マーシャル・ゴールドスミス博士は、世界トップクラスのエグゼクティブ・トレーナー、コーチ、作家です。博士はトップリーダーに結果を出させる卓越した手腕によって、150人以上のCEOとその経営陣が職場の変化に対応できるよう支援してきました。
成功した人々が自身と部下のために前向きで持続的な行動改善を実現できるよう手助けすることが、博士の使命です。博士は40年にわたる経験を生かし、トップクラスのCEOや経営幹部が信念や行動の制約を克服し、さらに成功できるようサポートします。
また、ニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト入りした『トリガー 自分を変えるコーチングの極意』『コーチングの神様が教える「前向き思考」の見つけ方』『コーチングの神様が教える「できる人」の法則』の3冊をはじめ、32の言語に翻訳された40冊の著書も世に出しています。
Thinkers 50 Leadership Awardを2度受賞し、Inc. MagazineやGlobal Gurusから一流のエグゼクティブ・コーチとして評価されています。コーチング領域での世界的権威です。
マーシャル・ゴールドスミス博士の教え
マーシャル・ゴールドスミス博士は動画講義の中で下記のようなポイントを教えてくれています。
マネジャーがコーチとなって部下をコーチングする際のコーチング力を高めるには下記の6つの質問をすると良い。
コーチング力を高める6つの質問
- 組織の目標は何か?
組織の目標を説明した後、部下から意見を聞いてください。 - あなたの目標は?
チームの目標を説明した後、部下の意見を聞きます。 - 何が順調か?
部下の仕事ぶりをほめた後で、何が順調かを聞いてください。部下から思わぬ朗報が聞けるかもしれません。 - 改善への提案は?
部下の成長に必要なことを助言した後で、セルフコーチングするなら、自分にどのような提案をするかを聞きます。 - 私にできることは?
何か手伝えることを聞きます。 - 私の問題点に対して何か良いアイデアは?
コーチング成功のカギは相互責任です。2~3カ月ごとにこの質問について部下とやり取りしましょう。また、活動している中で迷うことがあったら気軽に相談してほしいと伝えておくことがポイントです。
実際4.のセルフコーチングをするならどうするかという点について質問し、本人に考えてもらうと、多くの場合、コーチよりも良い提案をします。
つまりどのようにしたらよいかを質問によってしっかりと考えさせることで、最適な解決策を本人の中から引き出すことができるのです。
その解決策を引き出すことができれば、後は自分の心に従いなさいと背中を押してあげれば、前に進んでいきます
良きリーダーとして成長するための8つのステップ
- 意見を求めること 上司や同僚部下からコメントを集めること
- フィードバックを聞く
- 言われたことを考える
- 指摘してくれた人に感謝する
- フィードバックに応える
- 周りを巻き込む
- 自分を変える
- 変化をフォローアップする
動画講義の中では上記8つのステップについて、マーシャル・ゴールドスミス博士が1つずつ事例を挙げながら解説しています。概要を紹介します。
リーダーとして成長するためには、自ら積極的に意見やフィードバックを求める姿勢が大切です。誰からも意見を聞き、耳を傾け、感謝しながら接することが重要です。何よりもまずは、相手からの意見を受け入れる姿勢を持ち、聞き手の認識が現実となることを理解しなければなりません。そして、フィードバックに対しては感謝の意を持ちつつ、自らの行動についての責任を全うし、その後でより良い行動のためのフィードフォワードを求めましょう。
周囲を巻き込み、共に目標を達成するための改善度評価を設定することも大切です。その人たちには「より効果的に行動するには?」と質問し、その反応を見ることで信頼関係を深められます。また、成長と変化の過程をフォローアップすることが重要です。継続してフィードバックを得ることで、行動の改善とともに自身の認識も変わっていきます。
自分が言ったことがどのように受け取られるかを常に意識し、その反応を重視することが大切です。結局のところ、リーダーシップとは自分の思考や発言が周囲にどのように影響を与えるかが重要なのです。
フィードバックよりフィードフォワード
動画講義の中で、行動変容を促すアプローチとして、フィードフォワードを用いると効果的ということを教えてくれています。
フィードバックとは、他人の行動や成果に対して、どのように感じたか、どのように改善できるかを伝えることです。これにより、相手はどこに問題点があるのか、どのように成長できるのかを理解し、行動や結果を改善することができます。
一方フィードフォワードとは、これからの行動や目標に対してどのようにするとよいか具体的な提案やアドバイスを行い、未来の改善や成長を促すアプローチのことを指します。
コーチング研修を実施している際に、グループをつくって、フィードフォワードを行うと、多くの人が役に立つし楽しいと答えます。フィードバックでは楽しいとは感じません。フィードフォワードは過去ではなく、未来に焦点を当てており、未来を変えられるからです。周りに自己改善法を聞く習慣ができます。この体験は自分がコーチングする際にも生かすことができます。
マーシャル・ゴールドスミス博士から学べるコースの紹介
「更なる高みを目指すコーチングコース」
キャリアアップの段階で誰しも経験するのが停滞期です。伸び悩んでしまうのです。なぜなら、これまで成功に導いてくれたやり方が道を阻むものになっているからです。どうすれば自分の道を阻んでいるものを見極めることができるでしょうか?
本コースでは、すでに高いレベルにいる人のどこに問題があるのかを学習します。リーダーシップの弱点を取り除き、前進するための手引きとなるでしょう。
まとめ
ビジネスにおけるコーチングとは? コーチングの神様と呼ばれるマーシャル・ゴールドスミス博士の見解も併せて紹介【本人動画有】について紹介してきました。
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