
一歩先を行く!次世代の経営者を育成する秘訣
ビジネス環境の急速な変化に対応するために、デジタルスキルやダイバーシティの理解などなど、経営者に求められるスキルセットが大きく変わっています。
サクセッションプランに取り組む意義、期待されるリーダー像、そして、経営課題に対応するための実践的な経営トレーニングツール「Biz-Ex」についても紹介します。
ビジネスリーダーに求められる3つのスキルについてはこちらをご覧ください。
サクセッションプランについてはこちらもご覧ください。
目次[非表示]
- 1.次世代の経営者が直面する課題
- 1.1.デジタル化への対応
- 1.2.ダイバーシティ・インクルージョン
- 1.3.倫理観と道徳性、社会問題への敏感さ
- 1.4.リーダーシップの強化
- 2.経営を引き継ぐことの難しさ
- 2.1.スキルと経験の不足
- 2.2.前経営者との比較
- 2.3.ビジョンの再設定と浸透の難しさ
- 2.4.社内外の変化への抵抗
- 2.5.株式の引き継ぎ
- 3.サクセッションプランとは
- 4.サクセッションプランに早めに着手した方が良い理由
- 4.1.適切な人材の見極めと育成期間の確保
- 4.2.スムーズな移行
- 4.3.リスクマネジメント
- 5.次世代の経営人材を育成するためのポイント
- 5.1.リーダーシップ強化
- 5.2.変革とイノベーションの推進力の啓発
- 5.3.持続可能な経営への理解度の向上
- 6.次世代の経営者を育成する「秘訣」は経営シミュレーションの活用
- 7.まとめ
次世代の経営者が直面する課題
次世代の経営者は環境変化の中でさまざまな課題への対応が求められます。経営環境が複雑になっている中、下記のような課題と向き合わないといけません。
デジタル化への対応
ビジネスの世界では、デジタル技術が急速に進化しています。それに対応するために、次世代の経営者には、ビッグデータやAIなどに関する新たな知識とスキルを習得し、業務の効率化や企業価値の向上を図ることが求められます。
ダイバーシティ・インクルージョン
企業の組織文化が多様化し、より包括的になってきているため、次世代の経営者にはダイバーシティとインクルージョンに対する理解と対応力が求められます。ダイバーシティやインクルージョンを経営戦略として捉え、多様性を持つチームの力を最大に引き出せる能力を身に付け、異なる背景を持つ人々が組織内で活躍することをサポートしていくことが必要とされます。
さらに、技術の進化とグローバリゼーションにより、国際的な競争が激化しています。そのため、グローバルな視野を持ち、常に新しい価値を創出し、変化し続ける市場環境に対応し、イノベーションを起こす力も、次世代の経営者が自社のグローバル競争力を高める上で必要な能力となります。
倫理観と道徳性、社会問題への敏感さ
経営者としては、組織の倫理規範を遵守し、適切なビジネス判断を下し、社会との調和を重視し、公正な行動を通じて企業の信頼性を確保する必要があります。次世代の経営者には高い倫理観と道徳性を有することが求められます。
また、さまざまな社会問題に対して注意を払い、それらについての理解度を高めることが重要です。社会問題には、人権問題、環境問題、貧困問題、教育問題、格差問題など、幅広いテーマが含まれます。次世代の経営者自身が関わっているテーマもあれば、自分以外の人々が関わるテーマもあります。
サステナビリティやコーポレートソーシャルレスポンシビリティ(CSR)への関心が高まっている現代ビジネスにおいて、さまざまな立場や視点から社会問題を敏感に捉え、経営判断をすることが次世代の経営者に求められています。
不祥事を起こさない組織を作っていくためには、組織の中に心理的安全性を育んでいくことが重要です。心理的安全性についてはこちらを参照ください。
リーダーシップの強化
チーム・組織をリードし、社員を適切に指導・育成するために、次世代の経営者にはハイレベルなコミュニケーション力が求められます。社員、お客さま、取引先、投資家との適切なコミュニケーションを通じて信頼関係を築くことや、組織内でのオープンなコミュニケーションを推進し、社員のエンゲージメントを高めることが求められます。
経営を引き継ぐことの難しさ
後任の経営者として前任から経営を引き継ぐことは容易ではありません。その難しさは以下のことに起因します。
スキルと経験の不足
あらゆる分野において専門的な知識や技能を習得するには長い年月が必要で、一夜で身に付けることは不可能です。経営の世界でも同じです。経営者となると、業界知識だけでなく、リーダーシップや意思決定力、人間関係の管理などのスキルが求められます。
これらのスキルは経験を積むことでしか身に付けることができず、後任の経営者が前任のような経営者になるためには、多くの時間と労力をかけないといけません。
前経営者との比較
新経営者が登場すると、社員や顧客がその人を前経営者と比較しがちです。過去の経営者が優秀だった場合、社員や顧客の新経営者への期待が非常に高いです。新経営者がその期待に大きなプレッシャーを感じ、自信を失ってしまうケースがあります。
ビジョンの再設定と浸透の難しさ
経営者としての自身のビジョンを企業のビジョンとして再設定して活動していくことは、新経営者にとって大きな課題となります。新経営者の提案するビジョンや戦略が、社員、取引先、投資家に受け入れられるかどうかは、新経営者の説得力や表現力、そしてリーダーシップに大きく依存します。
社内外の変化への抵抗
新経営者の下での組織変革は、社員の間に不安を生じさせます。人間は変化を恐れる傾向があり、新たな環境に適応するのに時間がかかります。そのため、新経営者による組織変革に対して社員が抵抗することがあります。
また、市場の変化、競合他社の動き、技術の革新、法規制の変更など、経済環境は常に変化が伴っています。新経営者には、これらの変化を予測し、適応することが求められますが、容易にできることではありません。
株式の引き継ぎ
経営を引き継ぐ際、株式の引き継ぎにおける重要なポイントには、株式の引き継ぎのタイミングと方法の検討、株主間の予めの合意、所有者と経営者の役割分担の明確化、ファミリー企業の場合の相続問題の考慮、適正な価格での株式の引き継ぎを実現するための企業価値評価、そして複雑な法的手続きを円滑に進めるための法務のサポートなどが挙げられます。早すぎたり遅すぎたりするタイミングは経営統制の安定性を揺るがす恐れがある上、全株式を一度に引き継ぐのか段階的に引き継ぐのかも重要な判断となります。
また、経営権と株式所有権は必ずしも一致しないため、役割分担を明確にすることが求められます。ファミリー企業の場合、経営継承と遺産相続を同時に考慮し、家族間の紛争を防ぐことも重要です。
さらに、公平な価格で株式の引き継ぎを行うためには、企業価値の適正な評価が不可欠で、法的手続きは専門家の協力を得て行うべきです。
これらの問題を乗り越えるためには、適切なサクセッションプランニングと、新たな経営者が適切なスキルと経験、サポートを持つことが重要です。
次期経営幹部は現幹部がOJTで育成してくことがポイントです。
OJTでの幹部育成についてはこちらをご覧ください。
サクセッションプランとは
サクセッションプランは、後継者育成計画ともいい、経営のリーダーシップの移行をするための計画のことを指します。このプランでは、経営者の後継者を選定し、彼らの役割と責任、彼らが企業を引き継ぐタイミング、そして彼らが必要とするスキルや知識を明確にします。
具体的には、経営者やリーダーが退職、突然の病気や不慮の事故などで組織を離れる場合の事前準備や、新たなリーダーを育成するためのトレーニングや教育のプログラムの企画が含まれます。サクセッションプランの目的は、業績の悪化や経営のリーダーシップの空白を防ぐことです。優れたサクセッションプランは、組織が持続的に成長し、目標を達成することを可能にします。また、社員のモラルを上げ、組織目標へのコミットメントを強める効果もあります。
サクセッションプランに早めに着手した方が良い理由
サクセッションプラン(後継者育成計画)は、将来的に企業の重要な役職を引き継ぐ人物を選定し、育成する計画です。育成するまでには時間がかかるため、早めに着手することが重要です。
以下、その理由をいくつか挙げます。
適切な人材の見極めと育成期間の確保
後継者となる人材を見極め、そのスキルや能力を評価し、育成するためには時間がかかります。リーダーシップとマネジメントスキルを身につけ、組織のビジョンや目標を理解し実行できるようにするためには時間が必要です。サクセッションプランに早めに着手することで時間を確保することができます。
後継者候補となる人材の見極め、選抜についてはこちらをご覧ください。
スムーズな移行
突然の経営者交代や後継者未定の状態は、組織の業績や社員のモチベーションに影響を与える可能性があります。早期に計画を立て、着実に進めることで、スムーズな移行を実現できます。サクセッションプランに早めに着手し、中長期的な視点から計画的に進めていくことがスムーズな移行につなげるポイントです。
リスクマネジメント
現経営者が突然引退したり、病気になったりするような緊急事態に対して、十分な準備ができます。早めにサクセッションプランに着手することはリスクマネジメントの一環とも言えます。
次世代の経営人材を育成するためのポイント
リーダーシップ強化
リーダーシップとは、他の社員を導き、組織全体の目標達成に導く能力です。トレーニングやワークショップを通じて、次世代の経営者候補に、リーダーシップについて学ぶ機会を提供することが重要です。
また、メンターを指定し、経営者候補をサポートできるようにすべきです。信頼できるメンターがいることで、若手経営者候補が疑問などを共有し、助言を得ることができます。経験豊富なメンターから学ぶことは、経営者候補のリーダーシップや経営スキルを育む上で非常に有益なことです。
変革とイノベーションの推進力の啓発
企業が成長し続けるためには、変化と進歩が不可欠です。次世代の経営者には変革を進め、イノベーションを促進する能力を持つことが求められます。そのために抽象的な理論の学習だけでなく、実際の業務やプロジェクトを通じて問題解決や意思決定の経験を積むことが、経営者の育成においては重要なことです。
さらに、最新のテクノロジートレンドを理解し、それをビジネスに適用できる能力の啓発も経営者の育成には必要不可欠です。
持続可能な経営への理解度の向上
次世代の経営者には、社会や環境に配慮し、ESG投資を意識して企業運営を行うことや、ダイバーシティとインクルージョンを理解し、尊重することが求められます。次世代の経営者育成には、このような観点を取り入れ、理解度を向上させる取り組みが必要です。
以上は次世代の経営者を育成する際に必要とされるポイントです。本人たちの成長においてもっと重要なことは、次世代の経営者たちの継続的な学習と自己改善です。定期的に外部機関が提供するセミナーや異業種交流会に参加し、eラーニングなどで学ぶことを続けていくと、次世代の経営者が新たな課題に直面したときに、柔軟に対応できるようになります。
次世代の経営者を育成する「秘訣」は経営シミュレーションの活用
Biz-Exは、ビジネスリーダーに、経営シミュレーションを通して良質なトレーニングと実践の機会を提供する経営シミュレーションアプリです。従来のリーダー育成と一線を画し、受講者が企業の最高経営責任者の立場である15期目の企業を引き継ぎ、自身の意思決定に基づく6期分の経営活動を行い、企業の成長を目指すというストーリーが展開されます。Biz-Exを活用すると、講義で習得した知識を活用しながら、具体的な経営計画の策定から意思決定まで、一連の経営過程を体験することができます。
現代社会では、ビジネス環境の変化スピードが速く、従来のリーダー育成の方法では変化に追いつかないという課題があります。Biz-ExはESG投資や持続可能な企業経営の視点を取り入れ、受講者が現代的な経営課題と向き合いながら経営に取り組むことができます。また、Biz-Exは従来の研修や他社のリーダー育成プログラムに加え、その後の実践練習の場として活用することができます。
Biz-Exの学習中は、受講者がオンラインで専任講師からコーチングを受けながら進めて行きます。エグゼクティブ層の場合はパーソナルコーチング、次世代リーダー層の場合はグループコーチング、受講者に合わせたコーチングが行われます。さらにBiz-Exでの経営結果や学習行動の全てがデータ化・可視化されるため、企業人事や経営者が受講者のアセスメントをする1つの参考情報にもなります。
以上をまとめると、Biz-Exは、現代のビジネス環境に対応した実践的な経営トレーニングと練習の機会を提供するアプリです。具体的な経営活動のシミュレーションを提供し、学習行動データの分析を通じて、次世代のビジネスリーダー育成を支援します。
まとめ
一歩先を行く!次世代の経営者を育成する秘訣について解説してきました。次世代の経営者を育成する際に、課題や経営を引き継ぐ難しさを理解した上で、早めにサクセッションプランの作成に着手し、展開していくことが組織の持続可能性を高めることにつながります。次世代の経営者候補の選抜や育成には経営シミュレーションBiz-Exが役に立ちます。また、高品質なeラーニングやマイクロラーニングの活用もおすすめです。
株式会社LDcubeでは、世界レベルのMBA教授によるマイクロラーニングや良質な経営体験を提供する経営シミュレーションアプリ「Biz-Ex」を提供しております。次世代経営者の育成やサクセッションプランの実現に活用してみてはいかがでしょうか。