人材育成で大切なこと!新時代の課題と成功のポイントなどを解説!
「人材育成で大切なことってなんだろう?」と思ったことはありませんか?
人材育成と一口で言っても奥が深く、悩みは尽きません。
さまざまなことが大切に思えてきて、何から手を付けたらよいか分からなくなってしまうことも少なくありません。
人材育成で大切なことの本質は、時代が変わっても変わりませんが、その方法は時代とともに変わってきています。
なぜなら、テクノロジーの変化により可能なことが進化しているからです。
既に実社会ではさまざまなテクノロジーが活用されており、便利な世の中になりました。
例えば、かつては電車に乗る際には切符を買うことが必要でした。現在では切符を買わずにICカードやスマホを改札でタッチすれば電車に乗ることができます。
しかし、その一方で、人材育成の領域では、これまでの方法が大きく変わっていないのが現状です。
社会の進化に伴い、今社会に出てくるZ世代の学び方なども変わってきています。
学び方が変わってきているのに、企業内で提供する学び方がこれまで変わらないとなると、そのギャップが生じます。
このギャップに気づき、それを埋めることができれば、時代に合った効果的な人材育成施策を展開することができます。
ギャップに気づかずに放置すると、人材が育たないだけでなく、社員から時代遅れの組織と思われ、人材が流出してしまうことにもつながるでしょう。
本記事では、人材育成において大切なことについて、本質的に大切なことと、時代の流れの中で、これからの新時代において大切なことについて解説します。
最後までお読みいただくことで、自社の人材育成施策の現状を点検し、今後対処すべき課題を把握できることでしょう。
また、この記事が人材育成施策のヒントとなることを期待しています。
▼人材育成では個人のレジリエンスを高めていくことも重要です。レジリエンスを高めていくポイントについては下記で詳しく解説しています。⇒レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法を紹介!
▼個人のセルフエスティームを高い状態に保つことも重要です。
⇒セルフエスティーム(自尊感情)とは?公式や測定尺度・高める方法
▼人材育成で大切なことの1つはタイミングを逃さない人材育成施策の展開です。コンピテンシーサーベイの結果から能力開発に適した年齢がわかりました。下記からご覧ください。
目次[非表示]
- 1.人材育成で大切なこと!
- 1.1.経験・体験が全て
- 1.2.若いうちの経験がその後に生きる
- 1.3.自分で学ぶ(自己学習)
- 2.人材育成で大切な仕組みづくり
- 2.1.明確なビジョンの共有
- 2.2.個々の強みと改善点の理解
- 2.3.教育とトレーニングの提供
- 2.4.定期的なフィードバックとコミュニケーション
- 2.5.適切な評価と報酬
- 3.人材育成ってそもそも何!?
- 4.人材育成で大切な目標・目的とは
- 5.人材育成で大切なフレームワークの例
- 6.人材育成の具体的なプログラム例
- 7.人材育成で大切な効果測定
- 8.人材育成「新時代」で大切なこと
- 8.1.学習行動のデータ取得
- 8.2.学習行動のデータ活用
- 8.3.LMS:学習管理システムの活用
- 8.4.TMS:タレントマネジメントシステムの活用
- 8.5.学習データとシステム活用の統合
- 9.これからの人材育成担当に大切なこと
- 9.1.デジタル化への適応力
- 9.2.ダイバーシティ&インクルージョンの理解
- 9.3.コーチングスキル
- 9.4.スキルギャップの特定、効果測定
- 9.5.トレーナーとして必要な時にトレーニングを提供する
- 10.これからの人材育成で大切なツール活用
- 11.まとめ
人材育成で大切なこと!
これまで長きにわたり大切とされてきたことだけでなく、弊社が人材育成サービスを提供する現場で見てきた大切なことを交えて解説します。
人材育成における大前提3つと仕組みづくりについて5つを紹介します。
(人材育成の大前提)
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経験・体験が全て
人の成長に影響を与えるのは、何に取り組み、どのような経験をするかが全てです。
研修やeラーニングで学ぶことも重要ですが、実際に仕事として経験することに勝る学習はありません。とにかくやってみることが極めて重要です。
しかしながら、いきなりぶっつけ本番でやっても、できることとできないことがあります。
失敗することもあります。失敗しないように事前に研修などを受けて対策しておく必要があります。
若いうちの経験がその後に生きる
人材育成において重要なのは、吸収力のある若いうちのさまざまな経験や体験です。
独自に調査したコンピテンシーサーベイの調査によると「30代前半」がコンピテンシーの最も伸びる時期であることが分かりました。
能力開発はいつでも良いわけではなく、若手・中堅といわれる吸収力の高い若いうちに、簡単にはできない難しい仕事、つまり良質な修羅場体験をする活動が人材育成において大切なことであると言えます。
やりなれた仕事や活動ではなく、初めての経験や新たな学習が必要な仕事など適切な負担が、しっかりとかかることに取り組むことが非常に重要です。
自分で学ぶ(自己学習)
自己学習を促すこともとても重要です。会社が提供できる学習環境や時間には限界があります。
人材育成にはSDと呼ばれるセルフディベロップメント(自己啓発)があります。
学習の重要性に気付き、自発的にどんどん学習する社員が増えることはとても望ましいことです。
しかし、日本人は社会人になると勉強しなくなると言われることもあります。自らやる気・意欲を持って学ぶことが不足している可能性があります。
会社として社員が自律的に自己学習ができる環境を整え、そのことを周知していくことが重要です。
▼自律型人材の育成については下記で詳しく解説しています。⇒自律型人材とは?特性や特徴、行動パターン・育成方法の実践ポイントを解説!
人材育成で大切な仕組みづくり
大前提を踏まえながら、人材育成の仕組みづくりも大切です。
これまで長きにわたり、人材育成の仕組みづくりで大切だと言われている5つのことを紹介します。
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明確なビジョンの共有
人材育成の第一歩は、明確なビジョンの共有です。組織の目指す方向や方針・理念を社員と共有し、社員が自身の成長と組織の目標に向けて動くように動機付けを行います。
ビジョンや方針は社員に大局的な視野を与え、個々の業務が組織の大きな目標にどのようにつながるのかを理解させるための羅針盤となります。
個々の強みと改善点の理解
社員個人の強みと改善点を理解することが重要です。
これにより、個人の可能性を最大限に引き出す機会を提供できます。
社員の性格、能力、経験、興味等を理解し、それに基づいて、社員が最大限に自分の潜在能力を生かすことができるように役割を割り当てましょう。
適性に合った役割が与えられれば、その人のモチベーションも高まり、結果として組織の生産性も向上します。
教育とトレーニングの提供
具体的なスキルや知識を身に付けるための教育とトレーニングの提供は必要不可欠です。
新しいスキルを学び、既存のスキルを磨く機会を提供することで、社員のパフォーマンスを高め、組織全体の成長を促進します。
また、社内研修だけでなく、外部セミナーやオンライン学習など、多角的な学習環境の提供も考えてみると良いでしょう。
定期的なフィードバックとコミュニケーション
定期的なフィードバックとコミュニケーションも大切です。
定期的に1on1の面談を行い、その人の業務進捗と成長を把握することが必要です。
また、社員が抱えている問題や懸念に早急に対応できるように、オープンかつ双方向のコミュニケーションを維持することが重要です。
適切な評価と報酬
社員の努力と成果を適切に評価し、報酬を提供することが重要です。
実績に対して公平な評価と報酬を提供することで、社員は自分が価値ある存在であり、組織にとって重要な役割を果たしていると感じることができます。
そのための人事制度と評価制度を時代に合わせてチューニングし、意図通りに運用していくことがポイントです。
それにより、社員のモチベーションが維持され、継続的な成長が期待できます。
人材育成ってそもそも何!?
人材育成は、社員の知識、能力、技術を向上させ、パフォーマンスを高めるための、一連の教育的なプロセスやプログラムのことを指します。
組織における人材育成の取り組みには、新入社員教育、On The Job Training(OJT)、階層別研修、専門スキル研修、リーダーシップトレーニングなどのOff-JTまでさまざまな教育プログラムや人材開発プログラムが含まれます。
人材育成は組織が持続的な競争力を持つために不可欠な要素であり、人材育成への投資は組織の成長と直結しています。
人材育成を通じて、組織は新しい技術や手法を迅速に取り入れ、業務の効率を向上させ、組織全体のパフォーマンスを高めることが可能になります。
また、人材育成は社員のキャリア開発を促進するための手段でもあります。
目指すキャリアパスに対して、必要なスキルや知識を習得するためのサポートを提供することにより、社員は自分自身の成長を感じ、やりがいを与えられます。
人材育成を通じて、社員の満足度や帰属意識を高め、離職率を低下させることが可能です。
さらに、人材育成は組織の文化形成にも関わってきます。共有の価値観や行動規範を浸透させることにより、組織は一体感を持ち、目標に向かって効果的に動くことができるようになります。
つまり、人材育成は、社員のスキルアップやキャリア開発を可能にするだけでなく、組織全体の競争力を強化し、働き甲斐を育み、組織の成長と発展に寄与する重要な役割を果たします。
▼人的資本経営の観点からも人材育成への関心が高まっています。人的資本経営についてはこちらの資料をご覧ください。⇒人的資本経営で重要な指標とは?KPI設定の具体的な流れを紹介
人材育成で大切な目標・目的とは
アンケート調査によると、人材育成の目的は「社内の教育制度に則った人財育成を行うこと」でした。
弊社では2023年7月に「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」についてのアンケート調査(有効回答数223件)を行いました。
その中で、「貴社で研修を実施する際、その目的は何ですか?」として、研修実施の目的について聞いています。
最も多い回答は「社内の教育制度に則った人財育成を行うこと」で、全体の51%でした。
教育制度が環境変化に合わせてチューニングされている場合、問題ありません。
ただし、これだけ環境変化が激しい現代において、教育制度の改定が追いついている組織ばかりではないでしょう。 教育制度どおりの研修を行うことで組織の成長に貢献できるかという点を改めて問い直す必要があります。
人材育成の目的や目標は企業によって異なりますが、業績向上や社員のスキルの維持・向上を図りたいという点で共通している企業が多いです。
これは、企業にとって社員のスキルや知識を向上させることで、個人だけでなく組織全体の業績や競争力を高める需要があるからです。
そして、人材育成は社員の働きやすさや満足度を向上させる手段の1つです。
キャリアアップの機会を提供し、社員の成長を支援することで、社員が自分の仕事に対する満足感や帰属意識を高めることを可能にします。
また、人材育成は新たなリーダーを育成するための重要なプロセスでもあります。
将来的に組織をけん引するための人材を発掘・育成することで、人材育成は組織の持続的な成長を支える役割を果たします。
環境変化の激しい現代では、社員の適応力を強化することも人材育成の大事な目標の1つです。 組織や市場環境が常に変化するため、それに対応できる柔軟な人材を育てることや、これから求められる新たなスキルを習得させることが、組織全体の変革や新環境への対応能力を強化できます。
人材育成を通じて、社員の満足度や適応力を高めることで、エンゲージメントを向上させ、結果的に離職率の低下が期待できます。
人材育成の取り組みは組織全体の安定につながり、長期的な業績向上を実現します。最近では、若手社員の離職防止が大きな課題となっている組織は少なくありません。
人材の流動性が高まる一方、若手社員の離職は組織の持続可能性に影響を与えます。人材育成を通じて離職防止を図ることは、これから多くの組織にとっての大きな目標・目的となるでしょう。
▼人材育成の目標・ゴールについてはこちらもご覧ください。⇒人材育成の目標とは?目標設定の仕方やこれからの時代の重要ポイントを解説!
▼離職防止に向けてはこちらを参照ください。⇒若手社員の離職防止をするには?効果的な取り組みや定着を支援するツールも紹介!
人材育成で大切なフレームワークの例
人材育成の企画・運営・効果測定においては、さまざまなフレームワークが活用されています。以下、いくつか紹介します。
(人材育成フレームワークの一例)
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●70-20-10 フレームワーク
学び・成長の70%は仕事を通じての実践経験から得ているということを表しています。 残りの20%は人との関わりやコミュニケーションから、そして10%は研修や書籍などから得られるというフレームワークです。
社会人の場合、会社が用意した研修などから得た学びはウエイトが高くなく、10%程度にとどまっています。
それ以外の多くの学びは仕事経験や他者との関わりから得ています。
このフレームワークを踏まえて、研修会は企画だけでなく、学びをどのように仕事経験につなげていくか、他者との関わりをどのようにデザインしていくかということも含めて運営していく必要があると分かります。
●カークパトリックモデル
このモデルは、4つのレベルで人材育成プログラムの効果を測定します。
- 反応(Reaction): プログラムの参加者がどのように反応したかを測定します。反応には参加者の満足度やプログラムに対する感想が含まれます。
- 学習(Learning): 参加者が何を新たに学んだか、どの程度理解できたかを測定します。理解度クイズなどが用いられます。
- 行動(Behavior): 学習したことが実際の行動にどの程度反映されているかを評価します。つまり、新たに学んだ知識やスキルを、職場でどの程度適用しているかを確認することです。
- 結果(Results): 最終的な成果、すなわち教育・トレーニングが組織のパフォーマンスや目標達成にどれだけ寄与したかを評価します。
このモデルは、学習の効果を広範的かつ具体的に評価することを可能にします。
また、プログラムの改善点を見つけ出し、どのレベルの改善が必要かを特定する手法としても活用できます。
人材育成施策は企画・運営だけでなく、効果測定も行いながら展開していくことが重要です。
その際にこのようなモデルを参考にしながら、受講アンケートや研修後の現場ヒアリングなどをデザインするとよりスムーズに展開できます。
▼人材育成に活用できるフレームワークについてはこちらをご覧ください。⇒人材育成のフレームワーク7選!実践の重要ポイントや事例を解説!
人材育成の具体的なプログラム例
人材育成のプログラムや研修は、社員の知識やスキルの向上、仕事のパフォーマンスの向上、キャリア発展など、組織における重要な役割を果たします。 以下に、その一例として具体的なプログラムや研修を詳細に説明します。
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以上のように、人材育成のプログラムや研修は、組織の目標や社員の現状に応じて柔軟に設計・適用すべきです。
一貫性を持って計画し、着実に実行すれば、その成果が組織全体の成長につながります。
▼人材育成のプログラムや階層別研修についてはこちらも参照ください。 ⇒育成プログラムの企画・設計とは?基本的な流れと成功の秘訣 ⇒階層別研修とは?達成すべき目標や習得させたい知識・スキルを徹底解説
人材育成で大切な効果測定
人材育成の効果を測定するためにさまざまな方法があります。
(効果測定の一例)
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まず、教育プログラムやトレーニングの終了後にテストを行う方法です。
テストを通じて、社員が新たに学んだ知識や技術をどの程度理解し、習得したかを客観的に測定することができます。
実績指標の変化をトラッキングすることも可能です。
例えば、販売トレーニングが業績にどの程度の影響を及ぼしたかを測定する場合、トレーニング実施前後、社員の成績や会社全体の収益を比較し、人材育成が企業全体のパフォーマンスに与えた影響の度合いを測ります。
また、360度フィードバックという方法もあります。
これは人事部門などが企画し、研修受講者について、本人、上司、部下、同僚からのフィードバックを集めて、その結果を本人にフィードバックする方法です。
社員の行動や態度の変化を評価する上で重要な情報を提供します。
効果測定を行う際に、長期的な視点を持つことも重要です。
上記のような短期的なプログラムの効果測定と、人材育成施策の中長期的な効果測定の両面から見ていくことがポイントです。
なぜなら、人はすぐには育たないからです。
今行っている施策や研修プログラムが、受講者の10年後に生きてくることもあり得るのです。
以上のように、人材育成の効果測定には様々な方法があり、それら全てが必ずしも定量的なデータに依存するものではありません。
定性的なデータ、例えば参加者のフィードバックや自己評価も重要です。
定量的なデータとして販売数が増えたとしても、それが教育プログラムの成果だけであるとは限らず、市場環境の改善等も影響している可能性があります。
直接的な効果を示す指標である売り上げの増加だけではなく、間接的な効果を示す指標、例えば社員の満足度やモチベーションも組み合わせて評価を行うことが、人材育成の効果測定において一般的なアプローチとなっています。
▼効果測定についてはこちらを参照ください。 ⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説
人材育成「新時代」で大切なこと
これからの時代の人材育成において重要なポイントは何でしょうか。
その答えは、「学習行動のデータ取得と活用」、そして「ラーニングマネジメントシステム(LMS)やタレントマネジメントシステム(TMS)の活用」です。
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株式会社LDcubeでは、ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査(2年目)」と題して、2024年6月にアンケート調査(有効回答213件)を行いました。
その中で、2024年は学習行動のデータ取得ができている組織は全体の31%にとどまりました。
2023年からの比較で見ると23%⇒31%へと増加傾向にありますが、まだまだ人材育成において、学習者の学習行動のデータ取得ができている組織は多くないということが言えます。
これからの時代、人材育成のDXを進めて行くには学習についてのデータ取得が必要不可欠です。
まだできていない組織が多いということは、きちんと理解して取り組むことができれば他社の先を行くことができます。
データを活用した人材育成の新たな可能性を模索してみましょう。
学習行動のデータ取得
これからの時代の人材育成は、学習についてのデータ取得が重要になってくるということが特徴です。
特に、オンライン学習が主流になってきている今日においては、学習者の学習進度や理解度、学習時間やパフォーマンスといったデータが簡単に取得できるようになっています。
これらのデータは、個々人の学習傾向を見極めるのに役立ちます。データを基に数値で押さえることでさまざまな施策につなげることができます。
また、豊富な学習データを持つことで、組織全体としての教育の方向性を決定する上でも重要な参考情報になります。
特定のトレーニングコースに対する受講者の満足度などの反応や、特定の問題や試験に対する受講者の理解度などを可視化し、分析し、活用することで、より効果的な研修プログラムの設計や実施が可能となるのです。
学習行動のデータ活用
学習データを取得するだけでなく、活用も重要です。具体的には、データを分析し、それぞれの社員のパフォーマンスを判断し、必要なスキル習得を促します。
また、取得したデータを用いて、組織的な視点から学習者の学習効果を定量的に評価し、人材育成プログラムの改善につなげることが可能となります。
実際の業務に学習内容がどのくらい反映されているのか、教育の投資対効果をどう評価するのかについて、学習データが判断材料にもなるのです。
LMS:学習管理システムの活用
これからの人材育成では、LMS:学習管理システムの活用が求められます。
LMSは、オンラインコースの作成から配布、進行管理、フォロー、評価まで一元的に行うことができるため、教育・研修の効率化に必要不可欠なツールです。
また、LMSの導入により、社員が自由に学習を行える環境を提供することが可能になります。
社員が学習コンテンツ、時間帯、場所を自由に選んで学習を進められるため、モチベーションを維持しながら学習を続けることが可能となります。
(補足)
株式会社LDcubeでは、ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査(2年目)」と題して、2024年6月にアンケート調査(有効回答213件)を行いました。
その中で、「貴社では、学習管理システム(Learning Management System)などのプラットフォームを活用していますか?」と質問しています。
1001名以上の組織では61%が活用しており、301名~1000名の組織では26%、300名以下の組織では13%の活用状況ということが分かりました。
人数の多い組織ほど活用が進んでおり、人数の少ない組織は活用できていない状況ですが、LMS(学習管理システム)のようなシステムは、かつては自社開発が必要だったり、システム導入には社内に専門家がいないと使いこなせないなどの状況もありました。
現在、このようなシステムの多くがクラウドサービスです。クラウドサービスであれば、自社開発することなく、専門家がいなくても、社員数に応じた課金体系で導入しやすい時代になりました。
システム利用は、「大手企業だからこそできること」ではなく「中小企業でも大手と同じサービスを手ごろに使える」と捉え、大手に勝るとも劣らない人材育成を展開していきましょう。
TMS:タレントマネジメントシステムの活用
タレントマネジメントシステム(TMS)も、これからの人材育成においてよく活用されるツールです。
タレントマネジメントシステムは、採用、業績評価、人事評価、キャリア開発などをトータルで支援するシステムです。
タレントマネジメントシステムの導入により、組織が保有する人事データだけでなく、社員のスキルや経験、パフォーマンスデータといった情報を統合的に管理できるようになります。
また、社員に快適な成長環境を提供し、適切な人材配置や昇進、退職予測の正確性を向上させる効果も期待できます。
学習データとシステム活用の統合
学習データ取得と活用、LMSやタレントマネジメントシステムの活用をうまく統合することが重要です。
ひとつだけ取り組むのではなく、相互に連携しシナジーを生むことで、より効果的な人材育成が実現できます。
例えば、学習データをLMSで管理し、タレントマネジメントシステムにもデータを取り込み、全体の人材戦略に応用するというようなことです。
社員のスキルレベルや適性を把握し、業務遂行能力を最大限に引き出し、組織全体のパフォーマンスを高めていきます。
これからの人材育成において、学習データ取得と活用、LMSやタレントマネジメントシステムの積極的な利用が重要なポイントです。
これらをうまく組み合わせ、学習環境を整えることで、社員の能力開発を最大限に支援し、組織全体の成長に寄与することができます。
これからの人材育成担当に大切なこと
人材育成担当者は、教育・研修を従来通りに実施することが多いですが、新時代においては、多角的な視点やスキルも求められるようになりました。以下、大切なで求められることを具体的に見てみましょう。
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デジタル化への適応力
テクノロジーの発展とともに、教育手法も変化してきています。
オンラインでの学習、VRやARを用いたトレーニングなど、新たな教育ツールを用いたプログラムの開発や導入がトレンドになっています。
人材育成担当者には、教育のデジタル化に対応するための適応力が求められています。
ダイバーシティ&インクルージョンの理解
多様なバックグラウンドを持つ人々が働く現代社会では、全ての社員が能力を最大限に発揮できるような環境づくりが必要とされています。
そのため、ダイバーシティ&インクルージョンを理解し、社員一人一人に合わせた育成策を立てる能力が必要です。
▼ダイバーシティインクルージョンについては下記で詳しく解説しています。
⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例
コーチングスキル
人材育成担当者の役割は、社員教育や学習環境を用意することだけではありません。社員一人一人の強みや能力を引き出し、自己啓発を促す支援も提供しなければなりません。
そのため、人材育成担当者にはコーチングスキルが求められています。
▼コーチングについてはこちらを参照ください。⇒ビジネスにおけるコーチングとは?マーシャル・ゴールドスミスの教えを紹介!
スキルギャップの特定、効果測定
環境の変化に伴い、社員に求められるスキルも変わります。人材育成担当者は、新たに必要となるスキルを予測し、それを習得する教育プログラムを開発する能力が求められます。
また、教育プログラムの効果を評価し、改善策を練るためには、データ分析が重要となります。
学習がどの程度社員のスキルアップに貢献したか、そしてその結果、どの程度業績向上に寄与したかを検証することで、人材育成策の効果をより具体的に把握し、その改善に繋げることができます。
トレーナーとして必要な時にトレーニングを提供する
人材育成担当者は人材育成施策のプランナーとして活躍するだけではなく、社内トレーナーとして、必要な時に、必要な人に、必要なトレーニングを提供することができると、社内でのプレゼンスが高まります。
これらのスキルは、これからの人材育成担当者が備えておくべきものであり、それにより組織に貢献することができます。
▼人材育成のトレーナー資格についてはこちらを参照ください。⇒人材育成のトレーナー認定資格とは?養成講座や研修を紹介!
これからの人材育成で大切なツール活用
これからの人材育成は「スキルベースの教育」「パーソナライズ学習」、そして「学習行動のデータ取得と活用」が鍵となります。この3つのことを実現するにはラーニングプラットフォーム「UMU(ユーム)」やラーニングマネジメントシステム「CK-Connect(シーケーコネクト)」など、ツールの活用が有効です。
教育の種類 |
教育主体 |
求められること |
効果的なツール |
スキルベースの教育 実務教育 |
現場の人材育成担当部署
現場の人材育成担当者
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ラーニングプラットフォーム「UMU:ユーム」 |
パーソナライズ学習
全社教育
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人事・人材開発部門
人材育成・研修担当者
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ラーニングマネジメントシステム「CK-Connect:シーケーコネクト」 |
スキルベースの教育には「UMU(ユーム)」の活用が有効!
スキルベースの教育は、特に現場の業務スキルの向上に焦点を当てます。
これに対してUMUの活用をおすすめします。UMUでは手軽に学習コンテンツの作成や配信ができます。動画やファイルの掲載や理解度クイズや相互にコメントし合うディスカッションなどです。
それにより現場で必要な業務スキルについての学習の利便性を高めることが可能です。OJTマニュアルのデジタル化も実現できます。
そして、学習者のリアルタイムな行動データを取得し、個々の学習進捗や理解度を客観的に捉えることが可能です。
これにより、社員が必要とする具体的なスキル習得を助け、即時に現場の業務に生かせるようになります。
▼OJTマニュアルのデジタル化についてはこちらもご覧ください。
⇒デジタル時代のOJTマニュアルとは?社員教育のポイントを紹介!
パーソナライズ学習には「CK-Connect:シーケーコネクト」の活用が有効!
パーソナライズ学習は、広範で汎用(はんよう)的なスキルの中から、学習者自身の強みや啓発点に合わせて学習コンテンツを選定して、学習を進めることです。
人事部門が主導して行うこのタイプの学習は、全社的な人材育成の底上げが可能であり、そのためには個々人に合わせた学習を効果的に提供することが必要となります。
ここにはCK-Connectが最適なソリューションとなります。CK-Connectは、社員が自己診断をベースに自分の強みや啓発点を確認した上で、必要な学習コンテンツをリコメンドします。
また、管理職が自職場のメンバーに必要な学習コンテンツをアサインすることもできます。これにより、組織全体でパーソナライズ学習を実現することが可能となります。
▼パーソナライズ学習についてはこちらも参照ください。
⇒クレイグ・ワイスによる調査② 2021年度のトレンド「パーソナライズ学習」について
「学習行動のデータ取得とその活用」は、社員の学習行動からデータを取得し、それを分析・活用することで、より具体的なフィードバックを提供し、的確な学習プランを作成することができます。
これからの時代、データを活用して人材育成を進めていくことはとても意味あることになっていきます。
各ツールの活用は役割や効果が異なりますが、全てが組み合わさることで、効果的な人材育成を支える完全なシステムが形成されます。
UMUは現場のスキルアップを促し、CK-Connectはパーソナライズ学習を実現し、それぞれの学習行動のデータから得られる情報を活用して人材育成施策の改善と発展へとつなげることが可能です。
このように、ツールの活用はこれからの人材育成に必要な方向性と言えるでしょう。
▼これからの時代の人材育成にはAIテクノロジーの活用による効率化が必要不可欠になります。
人材育成へのAI活用についてはこちらをご覧ください。⇒人材育成をAIで効率化!学習プラットフォーム選びの秘訣
まとめ
人材育成で大切なこととは?「新時代」の課題と成功のポイントなどを解説! について紹介してきました。
- 人材育成で大切なこと厳選3つ!
- 人材育成で大切な仕組みづくり
- 人材育成ってそもそも何!?
- 人材育成で大切な目標・目的とは
- 人材育成で大切なフレームワークの例
- 人材育成の具体的なプログラム例
- 人材育成で大切な効果測定
- 人材育成「新時代」で大切なこと
- これからの人材育成担当に大切なこと
- これからの人材育成で大切なツール活用
人材育成においては、「経験・体験が全て」「若いうちの経験がその後に生きる」「自分で学ぶ(自己学習)」ということが、大前提としてとても重要です。
会社としてそのような学習環境を用意できるかがポイントです。用意できない場合、人材育成が進まない原因となる可能性があります。
そして時代の変化とともに大切なことや大事な考え方も変わりつつあります。そのような変化にもついていくことが必要です。
学ぶことは上手い人から教わるのが手っ取り早いです。言い換えると真似をすることです。
現在では直接接点のない人でもオンライン学習環境などで真似るためのヒントを得ることができます。
そして、それをどの程度実践しているのかをデータで押さえることが出来るようになりました。
これからの時代は、学習行動のデータ取得・活用とLMSやタレントマネジメントシステムの活用をうまく統合することが鍵となります。
人材育成の目的を改めて問い直し、時代と組織に合わせた人材育成のあり方を模索していくことが重要となります。
株式会社LDcubeは、時代の変化に合わせて人材育成の施策展開を支援しています。
これからの時代に必要な学習行動のデータ取得と活用など、多くの組織からいただいた課題の解決を中心にサービスを提供しております。
無料での研修プログラムの体験会やデジタルツールのデモ体験会、導入事例の紹介なども行っています。お気軽にお声がけください。
▼これからの人材育成施策を模索する際のお役立ち資料も用意しています。お役立ち資料はこちらからご覧ください。
▼サービスについての詳細はこちらをご覧ください。
▼「ポスト・コロナの人財育成の実態」についてのレポートはこちらから。
▼関連記事はこちらから。