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営業マニュアルの作り方と運用成功の秘訣とは?成果が出た事例も解説!

営業マニュアルは、社内で営業活動の生産性向上と品質の標準化に欠かせないツールであり、会社ごとにことなります。自社の営業ノウハウをマニュアル化し共有できるようにすることは営業活動のベースを作るうえで重要な役割を担います。

そのため、営業マニュアルを作りたいけれど、「何から作り始めればいいのか分からない」「作っても現場で活用されない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。

実は、効果的な営業マニュアルの作成には、明確な手順とポイントがあります。ベテラン営業パーソンの暗黙知を形式知に変換し、誰もが実践できる具体的な行動指針として整理することで、新人営業パーソン育成の効率化や営業品質の向上、さらには組織全体の生産性アップまで実現できるのです。

本記事では、営業マニュアルの作成から運用まで、5つのステップで詳しく解説します。基本的な定義や重要性の解説はもちろん、盛り込むべき具体的な内容や、デジタル化、効果的な運用方法まで、実践的なノウハウをお伝えします。

特に注目したいのは、「現場で本当に使える」マニュアルにするためのポイントです。形だけのマニュアルではなく、実際の営業活動で成果を上げるためのエッセンスを、失敗例や対処法を交えながら具体的に解説していきます。

これから営業マニュアルの作成を検討している方はもちろん、既存のマニュアルの見直しを考えている方にも参考になる内容となっています。営業組織の強化に向けて、実践的なマニュアル作りをスタートしましょう。

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目次[非表示]

  1. 1.営業マニュアルのデジタル化で業績は上げられる
  2. 2.営業マニュアルの定義と重要性
  3. 3.営業マニュアルで得られる効果
  4. 4.営業マニュアルに盛り込む内容
  5. 5.営業マニュアルの作成手順
    1. 5.1.STEP1:現状の営業プロセスを可視化する
    2. 5.2.STEP2:必要な項目を洗い出し、優先順位をつける
    3. 5.3.STEP3:具体的な行動手順を文書化する
    4. 5.4.STEP4:ベテラン営業パーソンのカン・コツ・ノウハウを追加する
    5. 5.5.STEP5:フィードバックを基に改善を重ねる
  6. 6.営業マニュアルに入れるべき要素
    1. 6.1.基本的な営業スキルの解説がある
    2. 6.2.具体的な商談シナリオが含まれている
    3. 6.3.成功事例と失敗事例が記載されている
    4. 6.4.図表やチェックリストで見やすい
  7. 7.営業マニュアルの形式と運用方法
    1. 7.1.これからの時代はデジタルコンテンツで作成する
    2. 7.2.デジタルツールを活用して運用する
    3. 7.3.活用状況のデータ分析をしてブラッシュアップする
  8. 8.営業マニュアルを運用するコツ
    1. 8.1.営業マネジャーが率先して活用する
    2. 8.2.営業会議の中で議題に上げる
    3. 8.3.現場からのフィードバックを基にブラッシュアップしていく
  9. 9.営業マニュアル作成での失敗例
  10. 10.動画の営業マニュアルを作成し業績向上につなげた支援事例
  11. 11.営業マニュアルのデジタル化ならLDcubeにお任せ
  12. 12.まとめ:効果的な営業マニュアルで実現する組織力の強化と売上アップ

営業マニュアルのデジタル化で業績は上げられる

営業マニュアルのデジタル化のイメージ

営業マニュアルをデジタル化して運用すると、業績の向上に大きく貢献します。デジタル化の最大のメリットは、営業プロセスの効率化です。紙のマニュアルでは情報を更新するのが大変で、営業担当者が最新の情報を手に入れるのに時間がかかることがあります。

しかし、デジタルマニュアルなら、情報をリアルタイムで更新でき、必要な情報にもすぐアクセスできます。動画などであれば、紙媒体を見るよりも多くの情報や具体的なイメージを営業担当者に等しく伝えることができます。

例えば、ある住宅メーカーでは、OJTと並行して動画などデジタル化されたマニュアルを活用し、業績向上に成功しています。マニュアル活用前は、OJTの質にばらつきがありましたが、デジタル化されたマニュアルの活用で標準化が図れました。

具体的には、模範ロープレ動画を学習し、その後AIロープレを通してセールストークを練習します。その上で、ロープレ動画を提出し、上司からフィードバックを受ける仕組みを構築しました。デジタルと上司からのフィードバックというリアルの連動により、入社1〜3年目の社員が必要な知識を計画的に学習し、スキルを着実に向上させています。

デジタル化されたマニュアルの導入後は、上司のフィードバック率と受講生の学習進捗率がデータとして可視化され、好成績者は業績とこれらの指標が相関しています。デジタル化によって学習とフィードバックの連携が進むことで、結果として業績向上につながった事例です。これにより、営業マニュアルのデジタル化が単なる効率化にとどまらず、組織全体の成長と業績向上に寄与することを示しています。

この後の章では、営業マニュアルの定義から、作成ステップ、運用について順を追って解説していきます。

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営業マニュアルの定義と重要性

営業シーン画像

営業マニュアルは、企業の営業活動における知識やノウハウを体系的にまとめた文書です。単なる手順書ではなく、組織の営業力を強化し、持続的な成長を実現するための重要なツールとして位置づけられています。本章では、営業マニュアルの本質的な役割と重要性について深く理解していきましょう。

営業ノウハウを可視化する必須ツール

営業マニュアルの最も重要な役割は、これまで個人の経験や勘に依存していた営業ノウハウを、誰もが理解できる形で可視化することです。優秀な営業パーソンの思考プロセスや商談の進め方、成功のポイントなどを文書化することで、組織全体で共有可能な知的資産となります。特に以下の点において、営業ノウハウの可視化は重要な意味を持ちます。

暗黙知から形式知への転換が実現できる:

  • ベテラン営業パーソンの経験則を明文化
  •  成功パターンの共有の容易化
  •  効果的なアプローチ方法の標準化

このように、営業ノウハウを可視化することで、組織全体の営業力向上につながる基盤を作ることができます。

属人化を防ぐことにつながる

営業活動の属人化は、多くの企業が抱える課題の1つです。

特定の営業パーソンのスキルや顧客との関係性に過度に依存することは、組織にとって大きなリスクとなります。営業マニュアルは、この属人化の問題を解決する効果的なソリューションとなります。

営業プロセスを標準化し、誰もが同じ品質のサービスを提供できる環境を整えることで、組織全体としての営業力を安定させることが可能になります。

また、急な人事異動や退職があった場合でも、スムーズな引き継ぎが可能となり、ビジネスの継続性を確保することができます。

単なる手順書ではなく人材育成ツールとなる

営業マニュアルは、単純な業務手順の一覧ではありません。営業マニュアルの目的は業務遂行をスムーズにしながら、業績向上につなげることです。

効果的な営業マニュアルは、組織の営業人材を育成するための重要な教育ツールとしても機能します。

具体的には、以下のような人材育成効果が期待できます。

  • 基本的なビジネスマナーの習得
  • 商品知識の体系的な学習
  • 実践的な商談スキルの向上

マニュアルを通じて、新人からベテランまで、それぞれのレベルに応じた学習機会を提供することで、継続的な成長を支援する教育プラットフォームとしての役割を果たします。

営業マニュアルで得られる効果

営業マニュアルの導入は、組織にさまざまなポジティブな変化をもたらします。単に業務の標準化だけでなく、組織全体の成長と発展につながる重要な効果が期待できます。ここでは、具体的にどのような効果が得られるのか詳しく見ていきましょう。

新人育成期間の短縮が実現する

営業マニュアルの導入により、新人営業パーソンの育成期間を従来よりも短縮することが可能になります。体系的にまとめられた知識とノウハウを活用することで、効率的な学習が実現します。

特に以下の点で育成期間の短縮に効果を発揮します。

学習効率の向上につながる要因

  • 必要な知識が体系的に整理されている
  • 実践的なノウハウがすぐに活用できる
  • 自己学習が可能な環境が整う

従来の「見て学ぶ」方式と比較して、より短期間での戦力化を実現できます。

営業品質が安定し成果が向上する

営業マニュアルの導入により、組織全体の営業品質が安定化します。標準化された営業プロセスに従うことで、営業パーソンによる品質のばらつきが減少し、安定した成果を上げることが可能になります。

これにより、顧客満足度の向上や、継続的な営業成果の達成につながります。

また、ベストプラクティスが共有されることで、組織全体の営業パフォーマンスが底上げされ、結果として売上の向上にも寄与します。

ベテラン営業パーソンのノウハウを有形資産にして残せる

ベテラン営業パーソンの、長年の経験で培われた貴重なノウハウを、組織の資産として保存することができます。

これまで個人の中に眠っていた成功のコツや商談時の工夫、効果的なアプローチ方法などが、マニュアルを通じて明文化され、組織全体で共有可能な知識となります。

このプロセスを通じて、ベテラン営業パーソン自身も自らのノウハウを整理し、より体系的な形で後進に伝えることが可能になります。

教育コストが削減できる

従来の対面での研修や個別指導に比べて、マニュアルを活用した教育では、大幅なコスト削減が実現できます。

講師の拘束時間や研修会場の確保といった固定費を削減できるだけでなく、必要な時に必要な知識にアクセスできる効率的な学習環境を提供することが可能です。

さらに、基本的な内容はマニュアルで学習し、対面での指導は高度なスキルの伝授に集中できるため、より効果的な人材育成が実現できます。

営業チーム全体の生産性が向上する

営業マニュアルの導入は、チーム全体の生産性向上に大きく貢献します。

標準化されたプロセスとツールを活用することで、以下のような生産性向上が期待できます。

生産性向上につながる要因:

  • 無駄な作業の削減
  • 効率的な情報共有の実現
  • 商談プロセスの最適化

これらの効果により、より多くの時間を実際の営業活動に充てることが可能となり、結果として組織全体の営業成果の向上につながります。
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営業マニュアルに盛り込む内容

効果的な営業マニュアルを作成するには、適切な内容を網羅的に盛り込む必要があります。

本章では、営業マニュアルに含めるべき重要な要素について、具体的に解説していきます。

これらの要素を適切に組み込むことで、実践的で使いやすいマニュアルを作成することができます。

基本的なビジネスマナーと心構え

営業活動の基盤となるビジネスマナーと心構えは、マニュアルの最初に記載すべき重要な要素です。特に新入社員にとって、これらの基本的なルールや態度は、成功への第一歩となります。具体的には以下のような内容を含めます。

基本的なマナー項目:

  • 服装や身だしなみの基準
  • あいさつや言葉遣いのルール
  • 時間厳守の重要性
  • 名刺交換の作法

これらの基本要素は、業界特性や企業の価値観・文化も反映させながら記載することが重要です。業界知識や社会人経験の少ない新入社員が見てもすぐに分かるようにしておくことがポイントです。

商品知識と提案ポイント

自社製品やサービスに関する深い理解は、説得力のある営業活動の基礎となります。

製品の特徴やメリット、具体的な活用シーンなど、顧客への提案に直結する情報を体系的にまとめます。

特に、顧客のニーズや課題に対して、どのように自社製品が解決策となるのかを明確に示すことが重要です。

競合他社との差別化ポイント

競合他社との比較における自社製品・サービスの優位性を明確に理解することは、効果的な営業活動に不可欠です。

価格だけでなく、品質、サービス内容、サポート体制など、多角的な視点から差別化ポイントを整理して記載します。

これにより、営業パーソンは自信を持って商談に臨むことができます。

効果的な商談の進め方

商談のプロセスは、初回訪問から成約までの各段階で適切なアプローチが必要です。

各段階での具体的なアクションプランや、注意すべきポイントを明確に示すことで、効果的な商談の進行をサポートします。

商談の進め方には、業界や商材の特性に応じた独自のノウハウを反映させることが重要です。

応酬話法の具体例

顧客からの質問や異議に対する適切な応答例を具体的に示すことで、営業パーソンは自信を持って商談に臨むことができます。

特に頻出する質問や懸念事項に対する効果的な回答例を、状況に応じて整理して記載します。

ただし、機械的な対応にならないよう、基本的な考え方も併せて解説することが重要です。

クレーム対応の具体例

顧客からのクレームや不満に対する適切な対応方法は、顧客との信頼関係を維持・強化する上で重要です。過去の事例を基に、クレームの種類別の対応手順や注意点を具体的に示します。

特に以下のような要素を含めることが推奨されます。

クレーム対応の基本ステップ:

  • 初期対応の重要ポイント
  • エスカレーションの基準と手順
  • 再発防止策の立案方法

実績管理と報告の仕方

営業活動の進捗や成果を適切に管理・報告することは、組織的な営業活動の基盤となります。

日報や週報の書き方、商談記録の残し方、売上予測の立て方など、実務的な管理手法を具体的に示します。

これにより、営業活動の可視化と効果的なマネジメントが可能となります。

営業マニュアルの作成手順

ステップのイメージ画像

効果的な営業マニュアルを作成するためには、体系的なアプローチが必要です。

ここでは、実践的な作成手順を5つのステップに分けて詳しく解説します。

各ステップを確実に実行することで、組織にとって真に価値のある営業マニュアルを作り上げることができます。

STEP1:現状の営業プロセスを可視化する

マニュアル作成の第一歩は、現在の営業プロセスを詳細に把握し、可視化することです。この段階では、実際の営業活動を細かく観察し、各プロセスの流れや重要なポイントを明確にします。以下のような手順で進めることが効果的です。

可視化のポイント:

  • 営業活動の流れを時系列で整理
  • 各プロセスでの具体的な行動を列挙
  • 成功パターンと失敗パターンの特定

現場の営業パーソンへのヒアリングを通じて、実態に即した情報を収集することが重要です。

STEP2:必要な項目を洗い出し、優先順位をつける

可視化された営業プロセスを基に、マニュアルに盛り込むべき項目を網羅的に洗い出します。この際、重要度や緊急度を考慮して優先順位をつけることが重要です。

営業現場で本当に必要とされている情報を見極め、実用的なマニュアルとなるよう内容を精査します。

優先順位の設定には、現場の声を積極的に取り入れ、実務に即した判断を行うことが求められます。

注意点:
現状の営業活動を可視化し、必要な項目を洗い出す際に、現状の営業活動が本来意図している活動、期待する流れで行われていないこともあります。

これは、営業活動の方針を転換した際によく起こります。方針は新しくなっているにも関わらず、現場の営業活動は従来のままということがよく起こります。

このような場合には、現状の営業活動を点検した上で、本来意図している活動となるように調整していくことが重要です。

STEP3:具体的な行動手順を文書化する

優先順位付けされた項目について、具体的な行動手順を明確な言葉で文書化していきます。

この段階では、誰が読んでも理解できる平易な表現を心がけ、必要に応じて図表やチェックリストも活用します。

特に以下の点に注意を払いながら文書化を進めます。

文書化のポイント:

  • 具体的で分かりやすい表現を使用
  • 手順は細かく段階的に記述
  • 重要なポイントは強調して表示

STEP4:ベテラン営業パーソンのカン・コツ・ノウハウを追加する

文書化された基本的な手順に、ベテラン営業パーソンの経験から得られた暗黙知を付加していきます。長年の経験から得られた独自のノウハウや、状況に応じた判断基準など、成功のための重要な要素を織り込みます。

ベテラン営業パーソンからのヒアリングを丁寧に行い、その知見を分かりやすい形で表現することで、より実践的で価値の高いマニュアルとなります。

STEP5:フィードバックを基に改善を重ねる

完成したマニュアルは、実際に使用する営業パーソンからのフィードバックを基に継続的に改善を行います。特に新人営業パーソンからの意見は、分かりにくい点や補足が必要な箇所を特定する上で貴重な情報となります。

フィードバックを収集する際は、以下のような点に注目して改善点を見いだしていきます。

改善ポイントの確認事項:

  • 実務での使いやすさ
  • 説明の分かりやすさ
  • 必要な情報の過不足

定期的な見直しと更新を行うことで、常に現場のニーズに即したマニュアルを維持することができます。

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営業マニュアルに入れるべき要素

鍵のイメージ画像

効果的な営業マニュアルを作成するためには、いくつかの重要な要素を必ず含める必要があります。

これらの要素は、マニュアルの実用性と効果を大きく左右する重要な構成要素となります。

ここでは、営業マニュアルに必ず盛り込むべき4つの要素について詳しく解説していきます。

基本的な営業スキルの解説がある

基本的な営業スキルの解説は、あらゆる営業活動の土台となる重要な要素です。

特に新人営業パーソンにとって、これらの基本スキルの習得は成功への第一歩となります。

スキルの解説では、単なる行動手順の説明だけでなく、なぜそのスキルが重要なのか、どのような場面で活用できるのかという背景も含めて説明することが重要です。

例えば、傾聴スキルの場合、単に「顧客の話をよく聞く」という指示だけでなく、効果的な質問の仕方や、非言語コミュニケーションの重要性など、実践的な観点からの解説を加えることで、より深い理解を促すことができます。

具体的な商談シナリオが含まれている

実践的な商談シナリオの提示は、営業担当者が実際の商談をイメージしやすくするために不可欠です。

シナリオは、業界や商材の特性に応じた具体的な内容を含め、初回訪問から成約までの一連の流れを分かりやすく示す必要があります。特に重要なのは、顧客との対話例を含めることです。

これにより、営業パーソンは実際の商談場面での適切な対応方法を具体的にイメージすることができます。

また、シナリオには想定されるさまざまな状況への対応方法も含め、柔軟な対応力を養えるような内容を盛り込むことが重要です。

成功事例と失敗事例が記載されている

成功事例と失敗事例の記載は、実践的な学習を促進する重要な要素です。成功事例からは、効果的なアプローチ方法や重要な成功要因を学ぶことができます。

一方、失敗事例からは、陥りやすい罠や避けるべき状況を理解することができます。これらの事例を記載する際は、単なる結果の説明だけでなく、なぜその結果となったのか、どのような判断や行動が結果を左右したのかという分析も含めることが重要です。

さらに、失敗事例については、その後どのように改善したのか、どのような対策を講じたのかという情報も含めることで、より実践的な学びを提供することができます。

図表やチェックリストで見やすい

マニュアルの可読性と実用性を高めるためには、適切な図表やチェックリストの活用が重要です。複雑な営業プロセスや手順は、フローチャートや図解を用いることで直感的に理解しやすくなります。

また、重要なポイントをチェックリスト化することで、実務での活用がより容易になります。

ただし、図表やチェックリストの使用は必要最小限にとどめ、本文での丁寧な説明を主体とすることが重要です。視覚的な要素は、文章による説明を補完し、理解を深めるためのツールとして活用すべきです。

営業マニュアルの形式と運用方法

営業マニュアルの効果を最大限に引き出すためには、適切な形式の選択と効果的な運用方法の確立が不可欠です。

特に近年のデジタル化の進展に伴い、マニュアルの形式や運用方法も大きく変化してきています。

ここでは、現代の営業現場に適した営業マニュアルの形式と、その効果的な運用方法について詳しく解説します。

これからの時代はデジタルコンテンツで作成する

デジタル技術の進化により、営業マニュアルの形式も大きく変わりつつあります。従来の紙媒体のマニュアルからデジタルコンテンツへの移行は、もはや時代の必然といえるでしょう。

デジタルコンテンツとしてマニュアルを作成することで、情報の更新や共有が容易になり、また場所を問わずアクセスできるという大きなメリットがあります。

例えば、クラウドベースのドキュメント管理システムを活用することで、常に最新の情報を全営業パーソンが参照できる環境を整えることができます。

また、デジタルコンテンツならではの特徴として、テキストだけでなく、動画やインタラクティブなコンテンツを組み込むことも可能です。

特に商談でのロールプレイング動画や、顧客との会話例の音声など、従来の紙媒体とは違い、これまで表現できなかった形式のコンテンツを盛り込むことで、より実践的な学習環境を提供することができます。

デジタルツールを活用して運用する

弊社で活用している デジタル化した 営業マニュアル例 動画による セールストークマニュアル 文字による セールストークマニュアル

デジタル化されたマニュアルの運用には、さまざまなデジタルツールを効果的に活用することが重要です。

例えば、社内SNSやチャットツールと連携させることで、マニュアルの内容に関する質問や意見交換を即座に行うことができます。

また、マニュアルの閲覧状況や理解度を管理するためのLMSツール(学習管理システム)を導入することで、より効果的な運用が可能になります。

特に重要なのは、モバイルデバイスでの閲覧に対応することです。

営業パーソンは外出先での活動が多いため、スマートフォンやタブレットでいつでもマニュアルにアクセスできる環境を整えることが、実用性を高める上で不可欠です。

ただし、セキュリティー面には十分な配慮が必要で、適切なアクセス権限の設定や機密情報の管理には万全を期す必要があります。

活用状況のデータ分析をしてブラッシュアップする

デジタルツールの大きなメリットは、マニュアルの活用状況を詳細に分析できることです。

どのセッションが頻繁に参照されているか、どの部分で理解が進んでいないかなど、具体的なデータに基づいて改善点を特定することができます。このような分析結果を基に、定期的にマニュアルの内容をブラッシュアップしていくことが重要です。

具体的には、アクセス頻度の高いセッションについては、より詳細な情報を追加したり、理解が難しい部分については説明方法を改善したりするなど、実際の利用状況に基づいた改善を行います。

また、営業現場からのフィードバックとデータ分析結果を組み合わせることで、より効果的な改善が可能になります。

▼業務マニュアル作成の手順と活用ポイントは下記もご参照ください。
⇒Notionでマニュアルを作るには?初心者向けの手順と活用ポイントを解説

営業マニュアルを運用するコツ

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営業マニュアルを作成しただけでは、その効果を最大限に引き出すことはできません。

実際の現場で効果的に活用され、継続的に改善されていく仕組みを構築することが重要です。

ここでは、営業マニュアルを組織に定着させ、最大限の効果を得るためのコツについて解説します。

営業マネジャーが率先して活用する

営業マニュアルの効果的な運用において、最も重要なのは営業マネジャーの姿勢です。

マネジャーが率先してマニュアルを活用し、その価値を実践的に示すことで、チーム全体への浸透が促進されます。

具体的な活用方法として、以下のようなアプローチが効果的です。

マネジャーによる具体的な活用例:

  • 週次ミーティングでマニュアルの該当箇所を参照しながら指導を行う
  • 商談同行時にマニュアルの内容を実践的に解説する
  • 成功事例や失敗事例をマニュアルに基づいて分析する
  • 新しい営業手法の導入時にマニュアルを更新し、説明会を実施する
  • チーム内での成功体験をマニュアルに反映する仕組みを作る

営業会議の中で議題に上げる

営業マニュアルを単なる参考資料ではなく、実践的なツールとして活用するためには、定期的な営業会議の中で積極的に取り上げることが重要です。

例えば、特に成果を上げている営業パーソンの手法をマニュアルと照らし合わせて分析したり、新しい商品知識や市場動向をマニュアルに反映させる機会を設けたりすることで、マニュアルの有用性を実感させることができます。

また、会議の場でマニュアルの内容について建設的な議論を行うことで、現場の実態に即した改善点を見いだすことも可能となります。

現場からのフィードバックを基にブラッシュアップしていく

営業マニュアルは、現場での実践を通じて得られるフィードバックによって進化していくものです。

そのため、現場からの意見や提案を積極的に収集し、それをマニュアルの改善に反映させる仕組みを確立することが重要です。

特に、新人営業パーソンからの「分かりにくい点」や、ベテラン営業パーソンからの「実践的なノウハウ」など、さまざまな視点からのフィードバックを収集することで、より実用的なマニュアルへと発展させることができます。

また、定期的な見直しの機会を設け、市場環境の変化や新しい営業手法の導入にも柔軟に対応できる体制を整えることが、マニュアルの価値を持続的に高めることにつながります。
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営業マニュアル作成での失敗例

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営業マニュアルの作成と運用において、いくつかの典型的な失敗パターンが存在します。

これらの失敗を事前に認識し、適切な対策を講じることで、より効果的なマニュアル作成が可能となります。

ここでは、よくある失敗とその具体的な対処法について解説していきます。

現場の意見を取り入れずに作成してしまう

マニュアル作成者の机上の理論だけで作成されたマニュアルは、実務での活用が難しくなります。

現場の実態を知らないまま作成されたマニュアルは、往々にして実践的な価値に乏しく、結果として使われないものとなってしまいます。

これを防ぐためには、作成の初期段階から現場の営業パーソンを巻き込み、実際の商談現場での経験や知見を積極的に取り入れることが重要です。

特にベテラン営業パーソンの暗黙知を形式知化する過程では、丁寧なヒアリングと意見交換が不可欠です。

更新がされず古い情報のままになる

営業マニュアルの内容が更新されないことは、以下のような重大な問題を引き起こす可能性があります。

更新されないマニュアルの問題点:

  • 最新の商品情報や市場動向が反映されない
  • 効果的な新しい営業手法が取り入れられない
  • 現場の実態との乖離が大きくなる
  • 組織の成長や変化に対応できない
  • 営業パーソンの信頼を失う

これを防ぐには、定期的な更新スケジュールを設定し、責任者を明確にした更新体制を構築することが重要です。

スマホから見ることができない

現代の営業活動において、スマホでのアクセスができないマニュアルは、実用性が大きく制限されます。

営業パーソンは常に移動中や外出先での活動が多いため、必要な時に即座に参照できる環境が必要不可欠です。

この問題を解決するためにはモバイルファーストの考え方でのコンテンツ設計が重要となります。

また、オフライン時でも閲覧できる機能を実装することで、より実用的なツールとなります。

マニュアルが複雑すぎて使いづらい

必要以上に詳細な情報や複雑な構成は、マニュアルの実用性を著しく低下させます。

営業パーソンが必要な情報にすぐにアクセスできない状況は、マニュアルの活用を妨げる大きな要因となります。

この問題を解決するためには、情報を階層化し、必要最小限の情報を見やすく配置することが重要です。

また、検索機能の実装や、目次の充実化など、ユーザビリティを考慮した設計を心がける必要があります。

動画の営業マニュアルを作成し業績向上につなげた支援事例

営業シーン

デジタルOJTとリアルOJTの連動で業績向上へ【UMU活用事例】
社員数:3000名以上 事業:住宅メーカー

導入前の課題

環境変化に対応した教育を提供したい

働き方改革など、時代や環境の変化に伴い、従来通りの詰め込み型教育では新入社員がなかなか育たないという課題を抱えていました。

この課題を解決するため、2018年に新入社員の教育方針を「全社の人材育成システムを確立し、共通認識の下、営業人材を長期的視点で組織的・計画的に育成する」というものに変更しました。

3年で一人前とするという本計画の下、具体的には以下のような方針を立てました。
「研修は事前学習→集合研修→職場実践サイクルとし、OJTとの連動形式にする」
「計画的なロープレの実施で営業のスキル向上を図る」
「個々の学習の進捗状況と習得度の把握」

上記を実行しながら持続的な学習を促進していくために、マイクロラーニングによるインプットとAIによるロープレ(ラーニングプラットフォーム:UMUの活用)の導入を決定しました。

取り組みの詳細

マイクロラーニングによるインプットで本部・現場の負担減へ

現場のハイパフォーマー社員に依頼し、1人2テーマの模範ロープレ動画を提供してもらい、その動画をプラットフォーム上に掲載しました。

動画学習+AIロープレの導入前は、現場でのOJTの質にばらつきがあるという課題がありました。
動画学習の導入を機に、学習の質を均一化することができ、今では模範動画が入社1年目~3年目の必須コンテンツとなっています。

研修後の確認テストで学びの定着を図る

研修の最後にまとめとして、受講生にプラットフォーム上で確認テストに回答してもらうことで、研修の理解度を測るとともに、学習内容の定着化を図るように取り組みました。
講師は受講生たちの理解が浅いポイントをリアルタイムで分かり、その場で解説や補足説明を行うことで、効率的な学習を実現できました。

48のテーマに細分化したロープレの提供で営業スキル向上へ

新入社員が一人前になるまでに必要な知識を48テーマに細分化し、それをロープレの課題として受講生に提示、順次プラットフォーム上に動画をアップロードしてもらうことで、営業スキルの向上を図っています。

1週間に1本ずつ、模範ロープレ動画を視聴した上で、受講者に自身のロープレ動画を提出してもらい、上司からの評価70点以上でテーマクリアとして運用することで、デジタルで体系的な学習をしながら、リアルでOJTを促進するという連動を行っています。

導入後の成果

一人前として必要な知識を漏れなく学習
プラットフォーム導入前は、3年間営業活動をしていても、人によっては現場で遭遇しないため学びにならなかったテーマもありましたが、48テーマを計画的に展開していくことで、体系的に、漏れの無い学習の提供が可能となりました。

学習状況・上司からのフィードバック率と、業績の相関が分かった
受講生が動画を提出すると、AIからのフィードバックを受けられるため、1人でも自分のロープレにおける啓発ポイントを確認しながら、何度もロープレを練習することが可能です。

また、トークの中身についても上司からのフィードバックを受けることで、トークのブラッシュアップを図ることができます。

実際に受講生の学習状況や上司のフィードバック率のランキングデータを確認すると、上位者には好業績者の顔ぶれが並んでおり、学習状況・上司からのフィードバック率と、業績が相関していることが分かりました。

また、導入まで現場でのOJT実施状況は不透明でした。しかし、学習状況やフィードバック率がデータとして可視化することで、実施状況を把握しながら上司の関わりを促進し、全体の学習・育成を促進することができました。

営業マニュアルのデジタル化ならLDcubeにお任せ

LDcubeはロゴ

株式会社LDcube は営業マニュアルやセールストレーニングのデジタル化を通じて、従来のトレーニング方法を革新し、営業パーソンを育成するサポートを行っています。営業マニュアルだけではなく、営業パーソンのスキルアップとして、ロープレトレーニングのデジタル化をおすすめしています。

ロープレの強みを最大限に生かしながら、デジタルテクノロジーを駆使した学習プラットフォームを提供することで、多くの企業のセールストレーニングのデジタル化を支援しています。
ロープレは、現実の業務シナリオをシミュレーションし、実務スキルを向上させるための重要な手法です。

しかし、働き方改革の流れの中、営業パーソンの忙しさもあり、従来のロープレは時間や場所の制約から、効率的に実施するのが難しくなったという課題があります。

ロープレをデジタル化することで、参加者は自身のスケジュールに合わせて、いつでもどこでもロープレトレーニングを行うことができるようになります。業務に支障が出ることなく、効果的なトレーニングが可能です。

AIによる即時フィードバックを活用すると、参加者はトレーニング後にすぐに改善点などをつかむことができます。

ロープレはフィードバックを基に改善することがポイントですが、AIの活用により、上司や先輩がいなくてもAIからフィードバックを受けることが可能です。

LDcubeはこれまでに数多くの企業で、デジタル化を取り入れたロープレによって実際に成果を上げたケースを見てきました。営業マニュアルやセールストレーニングのデジタル化を検討している企業は、ぜひLDcubeにご相談ください。

まとめ:効果的な営業マニュアルで実現する組織力の強化と売上アップ

営業マニュアルを使って業績を上げるには?作り方・運用ポイントを解説!について紹介してきました。

  • 営業マニュアルのデジタル化で業績は上げられる
  • 営業マニュアルの定義と重要性
  • 営業マニュアルで得られる効果
  • 営業マニュアルに盛り込む内容
  • 営業マニュアルの作成手順
  • 営業マニュアルに入れるべき要素
  • 営業マニュアルの形式と運用方法
  • 営業マニュアルを運用するコツ
  • 営業マニュアル作成での失敗例
  • 動画の営業マニュアルを作成し業績向上につなげた支援事例
  • 営業マニュアルのデジタル化ならLDcubeにお任せ

営業マニュアルは、単なる業務の手順書ではなく、組織の営業力を強化し、持続的な成長を実現するための重要なツールです。本記事で解説してきた内容を実践することで、効果的な営業マニュアルの作成と運用が可能となります。

効果的な営業マニュアルは、新人営業パーソンの早期戦力化、ベテラン営業パーソンのノウハウ共有、営業品質の標準化など、多くの価値を組織にもたらします。特に重要なのは、マニュアルを作って終わりとせず、継続的な改善と更新を行うことです。現場からのフィードバックを積極的に取り入れ、常に進化し続けるマニュアルを目指すことで、組織全体の営業力向上と売上アップを実現することができます。

最後に、デジタル技術を効果的に活用し、時代の変化に対応した形式と運用方法を採用することで、より実用的で価値の高い営業マニュアルを構築することができます。これからの時代、営業マニュアルは組織の成長と発展を支える重要な基盤として、さらなる進化を遂げていくことでしょう。

LDcubeはリアルとデジタルを組み合わせた、最新のセールストレーニングのサポートを行っています。無料のデモ体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。

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企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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