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OJTトレーナー研修とは?実施率・やり方と成功ポイントを解説!

OJT(On the Job Training)とは、新入社員や中途入社社員に、実際の現場で仕事のやり方やスキルを教えるという育成・指導方法です。

しかし、OJTがきちんと機能している会社や組織は実は少ないです。

OJTが機能し、効果的な育成につながるかどうかは、OJTトレーナーの力量に大きく依存します。

株式会社LDcubeが行ったアンケート調査によると、45%の組織でOJTトレーナー研修を実施していません。

OJTを機能させるためには、キーファクターであるOJTトレーナーに研修を行ってOJTを機能させるポイントを教えることが重要です。

本記事では、OJTを効果的に運用するためのOJTトレーナー研修について、OJTトレーナーの役割から、トレーナー研修の内容、研修を成功につなげる鍵となるポイントについて紹介します。

OJTトレーナー研修を適切に行い、OJTを機能させ、組織力の向上に繋げていきましょう!

▼OJTの全体像や詳細のテーマについては以下にまとめています。併せてご覧ください。(関連記事)

▼OJTについてのお役立ち資料は下記よりダウンロードできます。

OJT資料2点セット▼OJTについてのサービス資料は下記よりダウンロードできます。

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目次[非表示]

  1. 1.OJTトレーナー研修に必要な要素
    1. 1.1.OJTトレーナーとしての役割理解
    2. 1.2.OJT計画書の作成方法
    3. 1.3.指導力向上のためのトレーニング
    4. 1.4.OJTトレーナーのコミュニケーションスキル
  2. 2.OJTトレーナーの役割とは
  3. 3.一石二鳥のOJTトレーナー研修
  4. 4.OJTトレーナー研修の実施
    1. 4.1.社内講師で実施する際のポイント
    2. 4.2.外部講師に依頼する際のポイント
  5. 5.研修で社内講師が使えるプログラム
  6. 6.OJTトレーナー研修成功ポイント
  7. 7.OJTトレーナー研修でよくある質問
  8. 8.まとめ

OJTトレーナー研修に必要な要素

OJTトレーナー研修に必要な要素イメージ

OJTトレーナーが適切にその役割を発揮してもらうためには、会社がOJTトレーナー研修の機会を用意し、OJTトレーナーにきちんと役割を伝え、役割発揮に向けた能力開発の機会を提供することが重要です。OJTトレーナー研修に必要な要素について紹介します。

(OJTトレーナー研修に必要な要素)

  • OJTトレーナーとしての役割理解
  • OJT計画書の作成方法
  • 指導力向上のためのトレーニング
  • OJTトレーナーのコミュニケーションスキル

OJTトレーナーとしての役割理解

OJTトレーナーに任命された社員がOJTトレーナーとして活動していく上で、OJTトレーナーとしての役割をきちんと理解していることが大前提です。OJTトレーナーとしての役割、人材育成において重要な役割を担っているという責任のみならず、組織独自の期待役割なども伝えて、理解してもらうことが重要です。

OJT計画書の作成方法

OJT計画なくしてOJTにあらず。OJT計画書がそもそも存在しないという課題を抱えている企業も少なくありませんが、効果的にOJTするにはOJT計画書が欠かせません。OJT計画書とは、OJTトレーナーが、OJT対象(トレーニー)に、いつまでに、何が、どれくらいできるようになってもらうのかを整理するためのものです。

OJTトレーナーは、OJTの目的を理解し、職場で日々教えていくための目標設定、計画立案、進行管理、評価方法などについて、OJTトレーナー研修で学び、OJT計画書を作成する必要があります。

▼OJT計画については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒OJT計画とは?テンプレート例や効果的なプランの立て方・注意点

指導力向上のためのトレーニング

効率的な教え方、コーチングのスキル、フィードバックの与え方など、相手に効果的に教えるために必要なスキルが多くあります。後輩も一人一人の特性が異なるため、その特性に合わせて効果的に指導や関わりを持てることが重要です。

現代では、動画を活用して教えるなど、教え方のバリエーションも増えています。それに伴い、OJTトレーナー(教える側)のさらなるスキルアップも必要です。

▼OJTについて、現代の教える側が押さえておきたいポイントについてはこちらをご覧ください。
⇒OJTで教える社員の役割とは?デジタル時代に必要なポイントを解説!

OJTトレーナーのコミュニケーションスキル

自分を知って、相手を知ることで効果的なコミュニケーションにつながります。コミュニケーションはまず自分を知ることから始まります。また、職場にはさまざまな背景を持つ人々がいます。多様性への理解や、差別、ハラスメントに対する理解を深める必要もあります。

コミュニケーションスキルは、OJTトレーナーとしてトレーニーに日々関わる上で重要なスキルとなります。トレーニーとうまくコミュニケーションが取れないとOJTが機能しません。現代では、ハラスメントにも気を付ける必要があります。自分を知って相手を知って、効果的なコミュニケーションが取れていれば問題ありません。

しかし、自分が良かれと思って行っているコミュニケーションの取り方は、相手が苦手としている場合もあります。そのような場合、日常的にそのままコミュニケーションを行い続けるとハラスメントへと発展してしまう恐れがありますので、注意しましょう。

OJTをきちんと機能させるには、OJTを担当するOJTトレーナーの方々に研修を受講してもらい、役割認識やスキルを身に付けてもらうことをおすすめします。

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OJTトレーナーの役割とは

OJTトレーナーの役割イメージ

OJTトレーナー研修実施までにOJTトレーナーの役割を明確にしておかないといけません。

OJTトレーナーは、新入社員や若手社員などに対して、実際の職場での研修や教育を行い、彼ら・彼女らの業務遂行能力の向上や職場への適応を促します。

一般的にOJTトレーナーが期待される役割は以下の通りです。

(OJTトレーナーの役割)

  • OJT計画書を作成する
  • 率先してロールモデルとなる
  • 具体的・実践的な指導を行う
  • モチベーションの向上を図る
  • 問題解決の支援をする
  • 評価とフィードバック
  • OJT計画書を作成する
    トレーニーが意図した効果的な学習結果を得るために、OJTの目標設定、進行計画、評価基準などを作成して運用します。自分だけで作成しきれない場合には管理職の支援を受ける必要があります。
  • 率先してロールモデルとなる
    OJTトレーナーは職場で後輩の良き見本となるように、適切な言動を行い、プロフェッショナルな仕事態度で模範として行動します。後輩は口には出しませんが、OJTトレーナーの一挙手一投足を見ています。その緊張感を持って活動しましょう。
  • 具体的・実践的な指導を行う
    OJTトレーナーは具体的な業務知識やスキルを指導し、状況に応じたアドバイスを行います。後輩に具体的・実践的なスキルを身に付けてもらう上では、その業務の背景にある考え方や前後の業務、関連する業務とのつながりなども合わせて伝えてあげると効果的です。
  • モチベーションの向上を図る
    モチベーションは仕事に影響を与えます。OJTトレーナーはトレーニーの自己実現と成長を促すために、積極的に仕事に取り組む姿勢を見せながら、相手に合わせて個別に接点を持ち続けながら、トレーニーのモチベーションを維持・向上する役割を果たします。
  • 問題解決の支援をする
    トレーニーが業務で問題に遭遇した際には、問題解決のアドバイスを提供しながら、一緒に問題解決に取り組みます。問題を解決する経験を積んでいくことで、仕事への対応力を身に付けていきます。
  • 評価とフィードバック
    トレーニーの言動やパフォーマンスを評価し、適切に業務を行うために具体的なフィードバックを提供します。これにより、OJT教える側がトレーニーの現状や改善点を把握し、成長を促します。

OJTトレーナーはOJT計画書の作成を行い、職場でのロールモデルとなり、具体的な業務知識やスキルを提供し、モチベーションを向上させ、問題解決を支援する役割を担っています。

また、トレーニーのパフォーマンスを評価し、具体的なフィードバックを提供して成長を促すことが求められています。

▼OJTトレーナー役割ややり方については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

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一石二鳥のOJTトレーナー研修

一石二鳥の研修イメージ画像

OJTトレーナー研修では、「一石二鳥」のアプローチをおすすめしています。

このアプローチは、OJTトレーナーとして必要な基本的な役割やスキルを教えるだけでなく、トレーナー自身が研修を通じて、実際に役立つコンテンツを作成し、組織のOJT力を向上させることを目指します。

研修の第一段階では、OJTトレーナーの基本的な役割を理解することを重視します。具体的には、新入社員の育成計画を立て、業務指導を行い、成果に基づいたフィードバックを提供する方法を学習します。

これにより、効果的な指導の基盤を築きます。次に、新入社員の成長を支える具体的なOJT計画書の作成法を学びます。この計画書は、目標設定や進捗管理、評価方法を駆使して、成長を促進するための重要なツールです。

さらに、新入社員の個性やスキルに応じたコミュニケーション方法を学ぶことも重要です。これを通じて、彼らのモチベーションを高め、個別対応した指導が可能となり、成長を促します。
 
その上で、以下の2つの要素を加えて研修を行います。
 
教える内容の洗い出し、分類、整理
 
OJTトレーナー研修の一環として、トレーナーは教えるべき内容を洗い出し、分類・整理します。まず業務で重要なスキルや知識をリスト化して全体像を把握します。

そして、これらをカテゴリーごとに分類し、優先順位を設定します。この整理された内容に基づき、何が本当に重要で、どの順序で教えることが最も効果的かを検討します。

このプロセスにより、トレーナーは新入社員に必要な情報を体系的かつ効率的に伝える準備が整います。
 
OJT用のコンテンツ作成
 
内容を整理した後、OJTトレーナーは実践的なOJT用コンテンツを作成します。

この課題を通じて、トレーナーは自身の知識とスキルを具体的な形にまとめ、職場で活用できる教材や資料を作ります。この活動によってトレーナーの理解が一層深まり、自信を持って指導に臨むことが可能になります。

また、こうしたコンテンツは後続のトレーナーや新入社員にも使えるリソースとなり、組織全体の教育資源の充実にも寄与します。
 
この「一石二鳥」アプローチによって、トレーナーは理論と実践を通じてOJTの本質を学びます。即戦力として職場に戻り、新入社員を効果的に育成するスキルを身に付けられるため、組織全体における新人育成プロセスがより効果的かつ効率的になることが期待されます。

一石二鳥のOJTトレーナー研修カリキュラム(例)

(1日目:3時間) ■オリエンテーション  ・今後求められる役割・ラーニングマネジャーとは ■講義・実習「相手に合わせて教えるスキル」  ・LIFOとは ・自己理解と他者理解  ・強みの過剰使用(緩和)  ・OJTへの応用 ・新入社員との共通言語 ■講義・実習「学習環境づくりに向けて」  ・何を教える必要があるか  ・教えることの整理  ・業務フローの見える化  ・個人検討→グループ検討→全体共有 振り返り・まとめ  (2回目:3時間) ■前回の振り返り  ・感じた事 ・気づいたこと ■講義・実習  「マイクロラーニングとは」  ※サンプルを見て作成イメージを掴む  ・動画  ・ファイル  ・理解度クイズ ■講義・実習  「役割分担の検討」  ・各グループで役割分担確認  ・作業スケジュールの確認 振り返り・まとめ  (3回目:3時間) ■前回の振り返り  ・感じた事 ・気づいたこと ■実習「マイクロラーニング作成方法」  ・動画コンテンツ   -動画   -音声スライド   -レクチャー自撮り  ・理解度クイズ   -試験   -ランダムクイズ  ・質問(問い)の設計   -質問   -ディスカッション   -アンケート  上記の作成方法を学ぶ 振り返り・まとめ  (4回目:3時間) ■前回の振り返り  ・感じた事 ・気づいたこと ■実習「マイクロラーニング作成フォロー」  ・各グループ進捗状況の確認  ・作業中のお困りごとなどをフォロー  ・質疑応答 ■実習「学習環境づくりへの課題の共有」  ・締め切りの確認   ・残りの作業の確認  ・役割分担の確認  ・懸念点の共有 振り返り・まとめOJTリーダー研修の機会を活用する際には、OJTリーダーにOJTとは何か、OJTのやり方などを案内するだけでなく、自身の経験なども振り返り、OJTすべき内容についても整理してもらいます。

1回目と2回目の間で教えることの洗い出し・整理を行います。2回目と3回目の間、3回目と4回目の間に職場でコンテンツ作成を進めます。必要に応じて上司や先輩にも協力を仰ぎながら進めて行きます。

作ってもらったコンテンツを事務局で精査し、学習用コンテンツとして活用していきます。

▼上記に関連し、研修用動画コンテンツの作り方については下記にまとめています。

研修用動画コンテンツの作り方資料

OJTトレーナー研修の実施

OJTトレーナー研修イメージ

OJTトレーナー研修を実施する際には、人事が主催し、外部講師に依頼して研修を実施することもあれば、社内講師で実施することもあります。

株式会社LDcubeでは2023年10月に「ポスト・コロナのOJTの実態」についてのアンケート調査(有効回答数235件)を行いました。

その中で、「貴社では、OJT担当者研修は実施していますか? 最も当てはまるものをお選びください」として、OJTトレーナー研修の実施状況について聞いています。

37%の組織においては「社内講師で実施している」と答えています。

「外部講師で実施している」と回答した組織は9%でした。そして、「実施していない」という回答が45%と最も多い回答となりました。

OJTトレーナー研修実施状況アンケート結果

OJTを効果的に機能させるためには、OJTトレーナー研修を実施し、OJTトレーナーに期待する役割やスキルを教えることが不可欠です。

OJTトレーナー研修を実施していない場合は、実施することをおすすめします。

研修実施に際しては、社内講師と外部講師での実施により、それぞれの特徴が異なります。

下記ポイントを踏まえて、自社の状況に合いそうな方を選択することをおすすめします。

社内講師で実施する際のポイント

適切な人選

社内講師の場合、講師の社内実績や経験などが分かるため、具体的にどのような仕事を経験してきたのか、どのような実績を有しているのかなどを踏まえて人選する必要があります。

また、経験や実績だけでなく、教えることへの情熱やコミュニケーション能力の確認も重要です。さらに、コンプライアンス意識の高さなどを踏まえ、適切な人を選ぶことが必須です。

事前準備

研修のカリキュラム構成、進行手順を明確にし、必要なテキストや資料をそろえておくことが必要です。社内講師の場合、社内の実務を知っている分、詳細の内容まで教えることが可能です。

しかしながら、必要なテキストや資料を1から用意しなければならないことも多く、その準備に多大な時間がかかることもあります。

また、研修実施に慣れていない場合には、研修前にリハーサルを行っておくことも重要です。

効果的なプログラム構築

社内講師の場合、研修実施に慣れていないことも多く、研修内容が講義一辺倒になりがちです。講義だけでなく、ディスカッション、ロールプレイング、ケーススタディーなど、多様な手法を取り入れて研修プログラムを構築することが研修成功のポイントです。

社内の事情を理解

社内講師は企業文化や事情を理解し、生かすことが大切です。社内知識を使って研修内容と職場での実践行動への橋渡しをする研修を行うことで、より効果的な研修にすることができます。

外部講師に依頼する際のポイント

講師の実績

講師がこれまでにOJTトレーナー研修の経験がどの程度あるのかについて、実績を確認しておきましょう。また、講師の出身業界や、主に研修を実施しているテーマについても確認しておくと良いでしょう。

研修プログラム内容

外部講師の場合、講師が社内の実務について情報を所持しないため、実際のOJT実務に関しては詳細を教えることができません。OJTトレーナーに期待される役割やスキルについて啓発する一般的なプログラムが中心となります。

研修を依頼する前に、研修内容が期待しているプログラムになっているかどうかについて確認しておきましょう。

フォローアップ

研修後のフォローアップ体制も確認しておくと良いでしょう。一度きりの研修だけでなく、研修後の質問対応やフォローアップ研修の実施の可否など、継続的なサポートがあるかどうかも確認しておきましょう。

▼OJTトレーナー研修に限らず、社内講師が研修を実施する際の研修プログラムの作り方についてはこちらを参照ください。⇒社内研修の作り方!効果的なプログラムとは?ポイントを解説

OJT資料2点セット

研修で社内講師が使えるプログラム

社内講師が使えるプログラムイメージ

外部講師の場合には、さまざまな研修ツールを保持しているケースが多いため、そのようなツールを使った受講者を飽きさせない研修プログラムを構築し、実施することが可能です。

しかし社内講師の場合、日々研修ばかりを行っているわけではないので、研修実施に向けての道具が不足する場合が多いです。

特に「コミュニケーションスキル」のような汎用(はんよう)性が高いテーマについては、その重要性を伝えることができたとしても、コミュニケーションスキルを啓発するためのノウハウやツールを持っていない可能性があります。

その際には、外部講師が活用しているような研修ツールを取り入れることも選択肢の1つです。

ツールの使い方についての講座に参加することで、自社内で活用できる研修ツールがあります。

ここではOJTトレーナー研修などでよく活用されている「LIFOプログラム」について紹介します。

LIFO(ライフォ)プログラム

LIFO®プログラムは、『LIFO®サーベイ』という自己診断を中核とした、人の強みに焦点を当て、強みを生かすためのプログラムです。

LIFO®(ライフォ)という名称は、Life Orientations から取っています。

LIFO®は、 自己理解と他者理解を深め、 マネジメントのやり方や個人の行動変化、タテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションをポジティブに促進します

OJTトレーナー研修においては、LIFO®プログラムが主にコミュニケーションスキルの啓発に活用されています。

自分を知り、他者を知ることがコミュニケーションの土台になるためです。

そして、相手のスタイルに合わせて効果的なアプローチをすることで、コミュニケーションが格段に取りやすくなります。

LIFO®プログラムはLIFO®サーベイやLIFO®研修テキスト、研修運営用スライド、各種ワークシートなど研修実施に必要な教材やツールを提供しています。

それらの教材を理解し、使い方を習得するために、LIFO®ライセンス取得講座に参加することで、LIFO®プログラムを自社で活用できるようになります。

教材がそろっているため、教材を購入するだけで研修の準備ができ、講師の負担が軽減されます。

▼ LIFO(ライフォ)プログラムの詳細についてはこちらをご覧ください。
⇒自己理解・分析を促すための行動特性診断 性格分析ツールとの違いも解説

LIFOを活用し社内講師で実施できる研修カリキュラム(例)

オリエンテーション OJT定義、OJTに必要な能力、目標設定の能力 【実習】 傾聴力 コーチングの能力  等 【実習】OJTリーダーシップ Chapter2 LIFOとは Chapter3 確認 ・自分のスタイルを知る  ※各スタイルの特徴          【実習】  強みのフィードバック (確認)       【演習】  お互いの違いを認めあう  強みを生かす環境        Chapter4   強みの過剰使用を慎む  各スタイルの過剰使用  Chapter5 拡張  強み未使用とは    拡張のためのアプローチ  Chapter6 応用  コミュニケーションへの応用 【演習】  コミュニケーションの改善 まとめと振り返り 

OJTの基礎を学習するプログラムです。OJTの基本概念を学習することで、計画的なOJTやり方について確認します。

OJT対象者のLIFOスタイルを確認することで効果的な変わり方を学習できます。

OJTトレーナー研修成功ポイント

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OJTトレーナー研修を成功させるポイントは、研修内でOJTトレーナーに期待する役割をきちんと整理し伝えられるようにしておくことです。

役割が明確になっておらず、研修内で明確に伝えることができなければ、参加者は研修後、何をして良いのか分からなくなってしまいます。

役割を明確にした上で、OJTトレーナー研修に必要な要素を盛り込んで実施すれば有意義な研修となります。

外部講師は研修実施経験を豊富に有していますが、社内のOJT実務に関しては経験がなく、情報が不足しがちです。それと比べて、社内講師は社内のOJT実務を知っているため、より詳細な部分まで教えることができます。

しかしながら、汎用(はんよう)性の高いコミュニケーションスキルなどを効果的に教えることはハードルが高いです。

そのハードルを下げるために、社内講師がLIFO®プログラムを活用してOJTトレーナー研修を実施することで、外部講師と社内講師の良い点を組み合わせた研修実施が可能となります。

▼人材育成のトレーナーについては下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒人材育成のトレーナー認定資格とは?養成講座や研修を紹介!

【関連情報】

現在OJTを受ける世代はZ世代と呼ばれる世代であり、学び方が変わってきています。今後のOJTの効果性向上、成功のポイントとして動画などの活用が必要不可欠になってくると考えられます。

その点も視野に入れてOJTのあり方を考えていく必要があります。

実際に、総合文具メーカーのコクヨ株式会社が2020年に行った「中高生の学びに関する実態調査レポート」でのアンケートによると、
「勉強に関する情報をどこから得ますか?」という問いに対し、
「YouTubeなどの動画サイト」と回答した学生が一番多い結果となっています(回答人数:824名)。

コクヨの学習方法についてのアンケート結果画像

※コクヨ株式会社「中高生の学びに関する実態調査レポート」を参考に作成

▼OJTでの動画活用については下記で詳しく解説してます。合わせてご覧ください。
⇒若手のOJTには動画教材の活用が効果あり!事例も含めて理由を解説!

OJT資料2点セット

OJTトレーナー研修でよくある質問

Q&Aのイメージ画像

Q1. なぜ OJT トレーナー研修が必要なのですか?

A. OJT がうまく機能するかどうかはトレーナー(指導者)の力量に大きく依存します。LDcube のアンケート調査によれば、 45%の組織が OJTトレーナー研修を未実施であるという実態があり、研修なしでは指導者のスキル・意識・基準にばらつきが出やすいという課題があります。

トレーナー研修を行うことで、指導者に必要なスキル(教え方、フィードバック、部下との関係構築など)を共通理解にのせることができ、OJTの質を安定させ、教育の “放置化” を防ぐ役割を果たします。

Q2. OJTトレーナー研修はどのくらいの時間が目安ですか?

A. LDcube の「LIFO OJT研修」プログラムでは、5時間程度 を目安に、基礎から実践までを含めた内容を設計している例があります。

ただし、受講対象(未経験トレーナー/中・上級者)、内容の深さ、研修形式(集合/オンライン/ハイブリッド)によって適切な時間は変わるため、5時間をベースに + 演習やフォローアップ時間を加える設計が望ましいでしょう。

Q3. OJTトレーナー研修後、現場での課題(トレーナーが忙しい、兼任負荷など)にどう対処すればよいですか?

A. OJTトレーナーは兼務であるため、負荷が高まり “放置化” が起こりやすくなります。LDcube は「OJTという名の放置」が発生しやすい状況を指摘しており、その原因として時間不足・教え方不明瞭・組織体制未整備を挙げています。

対応策の例としては:

  • トレーナー業務の時間をあらかじめ確保する仕組み(制度・業務調整)を設ける
  • トレーナーが負荷を感じないよう支援体制を設ける(先輩トレーナーのフォロー、複数のトレーナーで担当する)
  • 動画教材・共通コンテンツを併用して、指導の負担を軽減する
  • チェックシートなどのトレーナー向けサポートツールを提供し、指導しやすいよう支援を行う

Q4. 動画教材やデジタルツールはトレーナー研修とどう併用すべきですか?

A. 動画教材や学習プラットフォームの併用のポイントは以下の通りです。

  • 基礎知識を動画で共通化:OJT の理論、プロセス、行動原則などを動画化して、すべてのトレーナーが同じ内容を事前に学べるようにする。
  • 反転学習的アプローチ:研修前に動画教材で予習 → 研修で演習やディスカッション → 現場で応用、という流れをつくる。
  • リマインド・振り返り用コンテンツ:現場での疑問・振り返りに応じて、短尺動画やマイクロラーニングを都度配信する。
  • 進捗・行動データの活用:プラットフォームでの視聴履歴や操作ログを分析して、トレーナーの理解度・行動傾向を把握し、改善施策につなげる。
  • 共通教材 + 現場調整:動画教材をベースにしつつ、現場での課題(部署特有スキルなど)に合わせて補填する形でロープレや現場指導を設計する。

このように、動画やデジタルツールで理論を共通化し、トレーナー研修・現場対応を効率化する設計が推奨されます。

Q5. トレーナー研修は、どのタイミングで実施すべきですか?

A. トレーナー研修を実施する適切なタイミングのヒントは以下の通りです。

  • OJT を始める前:新しくトレーナーを任命した段階で事前に研修を実施し、初期段階から標準化された指導を可能にする
  • 年度初めや新卒受け入れ直前:新入社員受け入れ時期に合わせて実施し、トレーナーの準備期間を確保する
  • OJT 中・フォローアップ時期:OJTが始まってしばらく経った後、途中振り返りや修正を行うタイミングで追加研修を行う
  • トレーナー異動時:新たに指導担当が加わるタイミングで研修を提供

まとめ

OJTトレーナー研修とは?実施率・やり方と成功ポイントを解説! について紹介してきました。

  • OJTトレーナー研修に必要な要素
  • OJTトレーナーの役割とは
  • 一石二鳥のOJTトレーナー研修
  • OJTトレーナー研修の実施
  • 研修で社内講師が使えるプログラム
  • OJTトレーナー研修成功ポイント

OJTは制度として仕組みをつくるだけではなく、きちんとポイントを押さえて現場で運用していくことが重要です。

OJTトレーナーはOJTがきちんと機能するための重要な役割です。OJTトレーナーを育成するために研修を実施し、OJTがきちんと機能する確率を高めることができます。

アンケート調査では、OJTトレーナー研修を実施していない組織が多かったですが、OJTを機能させるためにOJTトレーナー研修の実施をおすすめします。

OJTトレーナー研修は外部講師に依頼して実施する方法もありますが、社内講師が研修ツールなどを活用することで、より効果の高いOJTトレーナー研修を実施することが可能になります。

昨今ではオンライン研修も増え、新人が学ぶ環境も変わってきています。そのような変化に合わせてOJTのあり方も見直す時期に来ているとも言えます。

株式会社LDcubeでは、外部講師が活用している研修プログラムやツール、社内講師養成講座などを通じて、社内での研修実施の効果性を高める支援をしています。 人事部門や現場のOJTトレーナーの方々を対象に、LIFO®プログラムの無料体験会などのサービスも提供しています。お気軽にご相談ください。

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

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▼関連記事はこちらから。

企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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