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研修トレーナーの役割とは?人材育成施策の展開方法・成功のコツを解説!

企業の成長と発展には人材育成が欠かせませんが、その要となるのが「研修トレーナー」の存在です。研修トレーナーは、新入社員や若手社員に必要なスキルや知識を伝え、実務で活躍できる人材へと育てる重要な役割を担っています。

しかし、多くの企業では「誰が研修トレーナーを担当すべきか」「どのようにトレーナーを育成すれば良いのか」という課題に直面しています。特に人手不足が深刻化する現代においては、効率的かつ効果的な人材育成の仕組みづくりが急務となっています。

研修トレーナーの役割は単なる業務知識の伝達にとどまりません。新入社員のモチベーション管理やメンタルサポート、コミュニケーションスキルの向上支援など、多岐にわたる役割を果たします。そして、その育成法を確立することは、企業全体の人材育成文化の醸成にもつながるのです。

本記事では、研修トレーナーの基本的な役割から必要なスキル、育成方法、直面する課題とその解決策、さらには成功事例まで幅広く解説します。これから研修トレーナー制度を導入したい企業の担当者さま、現役の研修トレーナーの方、またはトレーナーに任命された方など、さまざまな立場の方に役立つ情報をお届けします。

人材育成の要である研修トレーナーを効果的に活用し、組織全体の成長を加速させるヒントを見つけていただければ幸いです。

▼社内トレーナーについてはテーマに応じて下記で詳しく解説しています。 

▼社内研修の企画と実施について下記にまとめています。

社内研修の企画と実施 資料ダウンロード

目次[非表示]

  1. 1.人材育成には社内研修トレーナーが最適!
  2. 2.研修トレーナーとは?企業における役割と重要性
  3. 3.研修トレーナーに必要な5つの基本スキル
    1. 3.1.専門知識
    2. 3.2.伝えるスキル
    3. 3.3.コミュニケーションスキル
    4. 3.4.フィードバックスキル
    5. 3.5.モチベーション向上スキル
  4. 4.研修トレーナーを育成する流れ
  5. 5.研修トレーナーが直面する課題
  6. 6.研修トレーナー成功のポイント
    1. 6.1.研修トレーナーをエースポジションに位置付ける
    2. 6.2.研修トレーナーは向き不向きより「やる気」
    3. 6.3.外部機関のプログラムを活用する
    4. 6.4.新入社員研修からスタートする
    5. 6.5.デジタル化にも着手する
  7. 7.社内の研修トレーナー育成にはLDcubeのライセンス講座がおすすめ
  8. 8.社内の研修トレーナーが効果的に人材育成をしている支援事例
  9. 9.まとめ:研修トレーナーの役割と効果的な5つの育成法

人材育成には社内研修トレーナーが最適!

社内トレーナー イメージ

企業の成長や競争力強化において、人材育成の重要性はますます高まっています。しかし、どのような方法で人材育成を実現するかは多くの企業の課題となっています。

その中でも特に注目されているのが「社内研修トレーナー」の存在です。社内研修トレーナーは、自社の文化や業務を熟知した上で、実践的な知識やスキルを効率的に伝える役割を担います。

外部研修に比べてコスト効率が高く、自社の状況に合わせた柔軟な対応が可能なため、多くの企業で導入が進んでいます。

  • 人材育成施策の展開状況の実態:
    現在の企業環境において、労働力不足が深刻化する中、多くの企業は新人・若手を育成する時間的・人員的な余裕を持てなくなっています。一方で、ビジネス環境は急速に変化しており、短期的に成果を求められる時代になってきています。
    このような状況下において、即戦力の育成に適した実践的な人材育成手法として、社内研修の意義や価値があらためて見直されており、社内研修トレーナーの役割はますます重要になっています。

  • 自社にフィットした施策が展開できる:
    社内研修トレーナーの最大のメリットは、自社の業務内容や企業文化に精通した人材が指導にあたることで、より実践的で自社にフィットした育成が可能になる点です。
    外部研修では得られない具体的な業務ノウハウや社内特有のルール、価値観などを直接伝えることができるため、新入社員が実務に適応するスピードが格段に速くなります。また、自社の課題やニーズに合わせてカスタマイズされた育成プログラムを展開できることも大きなメリットです。

  • 施策展開の柔軟性が高い:
    社内研修トレーナーによる育成の特徴として、状況の変化に応じて柔軟にプログラムを調整できる点があげられます。業務の繁忙期を避けたスケジュール調整や、研修生の理解度に合わせたペース配分など、外部研修では難しい細やかな対応が可能です。
    また、受講者が直面している実際の課題に即座に対応することで、より効果的な学習体験を提供できます。このような柔軟性は、特に変化の激しい現代のビジネス環境において大きな価値を持ちます。

  • コストパフォーマンスが高い:
    外部研修に比べて、社内研修トレーナーによる人材育成は経済的なメリットも大きいと言えます。外部研修では発生する会場費や講師料などのコストを削減できるだけでなく、社員が外部研修に参加するための移動時間や業務調整の必要もなくなります。
    さらに、一度育成されたトレーナーは継続的に活用できるため、長期的に見ても費用対効果が高いと言えるでしょう。ただし、トレーナー自身の育成コストや時間も考慮する必要があり、バランスの取れた投資計画が大切です。

▼社内トレーナーについては下記で詳しく解説しています。
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研修トレーナーとは?企業における役割と重要性

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人材育成の中核を担う研修トレーナーは、企業の成長と競争力維持において不可欠な存在です。特に市場競争の激化や深刻化する人手不足を背景に、早期に戦力となる人材の育成が求められる現代において、研修トレーナーの役割はますます重要性を増しています。

ここでは、研修トレーナーの基本的な概念と企業における位置付けについて解説します。

研修トレーナーの定義と役割

研修トレーナーとは、主に社内研修において、新入社員や若手社員に対して業務に必要な知識、スキル、スタンスを指導する役割を担う人材です。社内研修は社内で行う教育・育成手法であり、研修トレーナーはその中心的存在として機能します。

一般的には現場で経験を積んだ社員が研修トレーナーを担当することが多いため、単なる業務指導にとどまらず、企業文化の伝承や社会人としてのマインドセットの形成にも関わります。

研修トレーナーは「新人や若手社員の成長をサポートする」ことを明確な目的として持ち、特に「動機づける」役割と「正す」役割の両面から人材育成に取り組みます。

研修トレーナーの主な業務内容

研修トレーナーは大きく分けて「業務支援」「動機形成」「支援行動」の3つの領域で業務を行います。「業務支援」では、専門知識やスキルの提供、業務相談への対応、必要情報の提供などが含まれます。

「動機形成」では、新入社員や若手社員の感情や気持ちに寄り添い、モチベーションを維持・向上させる働きかけを行います。

「支援行動」では、研修後のフォローアップを通じて、成果が出るように正しい方向へ導いたり、ビジネスにおける正しい考え方を教育したりすることなどが含まれます。

研修トレーナーに必要な5つの基本スキル

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効果的な人材育成の実現には、研修トレーナー自身が適切なスキルを身に付けることが不可欠です。単に業務に精通しているだけでは、その知識を効果的に伝えることはできません。

研修トレーナーが新入社員の成長を効果的にサポートするためには、幅広いスキルセットが求められます。ここでは、研修トレーナーとしての成功に必要な5つの基本スキルについて詳しく解説します。

専門知識

研修トレーナーにとって、まず基本となるのは担当業務に関する専門知識です。単に「こうやる」という手順だけでなく、「なぜそうするのか」という背景や原理を説明できることが重要です。

また、自社の製品・サービスだけでなく、業界全体の動向や競合他社の情報にも精通していると、より広い視野からの指導が可能になります。

さらに、教育や人材育成に関する基礎知識も持ち合わせていると、効果的な指導方法を選択できるようになります。

  • 業務プロセス知識:
    業務の全体像と個別の手順を体系的に理解している
  • 背景知識:
    なぜその業務が必要か、どのような価値を生むかを説明できる
  • 最新動向:
    業界や技術の最新トレンドを把握し、将来的な変化にも対応できる


伝えるスキル

専門知識をいくら持っていても、それを相手に分かりやすく伝えられなければ意味がありません。

伝えるスキルとは、複雑な内容を簡潔に説明する能力、相手の理解レベルに合わせて説明の仕方を調整する能力、適切な例示を用いて抽象的な概念を具体化する能力などを指します。

また、視覚資料の活用や体験学習の組み込みなど、多様な教授法を使い分けられることも重要です。

  • 段階的指導:
    基礎から応用へと段階的に教える構成力
  • 可視化能力:
    複雑な概念を図や例えを使って分かりやすく説明できる
  • 調整力:
    相手の理解度や学習スタイルに合わせて説明方法を変えられる


コミュニケーションスキル

研修トレーナーには、一方的に教えるのではなく、双方向のコミュニケーションを通じて効果的な学びを促進する能力が求められます。特に重要なのは傾聴力です。

受講者の質問や悩みを真摯に受け止め、その背景にある本質的な課題を理解する姿勢が必要です。また、適切なタイミングで的確な質問をすることで、相手の気付きを促すことも大切なスキルです。

  • 傾聴力:
    相手の話を注意深く聞き、真意を理解する能力
  • 質問力:
    適切な問いかけで相手の思考を深め、気付きを促す能力
  • 非言語コミュニケーション:
    表情やジェスチャーも含めた総合的な伝達能力


フィードバックスキル

成長を促進するためには、適切なフィードバックが不可欠です。効果的なフィードバックは、具体的で、タイムリーで、建設的であるべきです。

単に「良い」「悪い」と評価するのではなく、何がどう良かったのか、どう改善できるのかを具体的に伝えることが重要です。また、フィードバックは一方的な評価ではなく、対話を通じた共同作業として行うことで、より効果的になります。

  • 建設的フィードバック:
    問題点を指摘するだけでなく、改善策も提示できる
  • 強み発見:
    相手の潜在的な才能や強みを見いだし、伸ばす視点を持っている
  • バランス感覚:
    褒める点と改善点のバランスが取れたフィードバックができる


モチベーション向上スキル

研修期間中、受講者のモチベーションを維持・向上させることも研修トレーナーの重要な役割です。そのためには、適切な目標設定をサポートし、小さな成功体験を積み重ねる機会を提供することが効果的です。

また、受講者の成長を認め、適切に承認・称賛することで、自信とやる気を引き出すことができます。

  • 目標設定支援:
    達成可能かつ挑戦的な目標設定をサポートできる
  • 成功体験設計:
    段階的な成功体験が得られるよう研修内容を設計できる
  • 承認と励まし:
    適切なタイミングで効果的な承認と励ましができる

▼初めて社内講師をする人の不安については下記で詳しく解説しています。
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研修トレーナーを育成する流れ

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効果的な研修を実現するためには、研修トレーナー自身の育成が極めて重要です。「誰が教えるか」によって研修の質が大きく左右されるため、適切な人材の選定から系統的な育成まで、計画的に進める必要があります。

研修トレーナーの育成は一度きりのイベントではなく、継続的なプロセスとして捉えることが成功の鍵となります。ここでは、研修トレーナーを育成するための基本的な流れについて解説します。

①研修トレーナーに適した人材の人選

研修トレーナーの選定は、育成プロセスの最初の重要なステップです。

一般的には、業務に精通していることが前提となりますが、それだけでは十分ではありません。コミュニケーション能力が高く、人に教えることに意欲や関心を持つ人材を選ぶことが重要です。また、忍耐強さや共感力も重要な要素となります。

ある程度の経験を積んだ中堅社員が選ばれることが多く、特に中堅社員を起用すると、トレーナーとして中堅社員もさらに成長できるという相乗効果が期待できます。

選定基準としては、業務知識、コミュニケーション能力、指導への意欲、人間性などを総合的に評価することが望ましいでしょう。

②トレーナー養成プログラムへの参加

選定された研修トレーナー候補者は、トレーナーとしての基本的なスキルや心構えを学ぶための養成プログラムに参加することが重要です。

このプログラムでは、研修トレーナーの役割を理解したり、効果的な指導方法、コミュニケーションスキル、フィードバックの与え方などを体系的に学んだりします。

養成プログラムは座学だけでなく、ロールプレーイングやケーススタディーなどの実践的な演習を含めることで、より効果的な学習が可能になります。

③研修トレーナー自身の成長をサポートする取り組み

研修トレーナーの育成は、養成プログラムの終了で完結するものではありません。実際に研修を担当しながら継続的に成長していくためのサポート体制が必要です。

例えば、先輩トレーナーによるメンタリング、定期的なフィードバック会議、トレーナー同士の情報交換会などが効果的です。

また、トレーニングスキルや最新の業界動向に関する継続的な学習機会を提供することも大切です。研修トレーナー自身が学び続ける文化を醸成することで、組織全体の学習意欲も高まります。

さらに、トレーナーの負担が過度にならないよう、複数名のトレーナーを配置するなど支援体制も重要な要素となります。このような継続的なサポートにより、研修トレーナーは自信を持って役割を果たし、より質の高い研修を提供できるようになるのです。

研修トレーナーが直面する課題

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研修トレーナーは、社員の成長を支援する重要な役割を担っていますが、その過程ではさまざまな課題に直面することがあります。これらの課題を事前に把握し、適切な対策を講じることが、効果的な研修を実現するために不可欠です。

研修トレーナーが本来の役割を十分に発揮するためには、適切な研修プログラムの構築、個人差への対応など、多岐にわたる課題に取り組む必要があります。ここでは、研修トレーナーが直面する主な課題とその対応策について解説します。

研修プログラムをどのように構築するか

効果的な研修プログラムの構築は、研修トレーナーにとって最初の大きな課題です。

多くのトレーナーは、何をどのような順序で教えるべきか、どのレベルまで習得させるべきかの判断に悩みます。特に業務が複雑で多岐にわたる場合、何から手を付けるべきかの優先順位付けが難しくなります。

この課題に対しては、まず明確な目標と達成基準を設定することが重要です。受講者が研修終了時に「何ができるようになっているべきか」を具体的に定義し、そこから逆算して必要なスキルと知識を洗い出します。

また、基礎から応用へと段階的にスキルを習得できるよう、カリキュラムを設計することも大切です。さらに、実践と振り返りを繰り返す機会を意図的に組み込むことで、知識の定着と実務への応用力を高めることができます。

研修教材をどのように作成するか

効果的な研修を行うためには、適切な教材が不可欠ですが、その作成方法に悩むトレーナーは少なくありません。特に暗黙知の多い業務では、経験豊富な社員が「当たり前」と思っている知識を体系的に整理することが難しく、「どこまで詳しく説明すべきか」というレベル設定も課題となります。

こうした課題に対しては、実際の業務事例を活用した教材作成が効果的です。具体的な事例を通じて学ぶことで、抽象的な概念も理解しやすくなります。また、フローチャートや図解などの視覚的ツールを活用すると、複雑な業務プロセスも分かりやすく伝えることができます。

さらに、定期的に教材を見直し、最新の業務内容や新しい気付きを反映させることも重要です。個人の頭の中にある知識を「見える化」する作業は手間がかかりますが、一度作成しておけば組織の貴重な資産となります。

どのように研修効果を高めるか

研修を実施しても、その効果を測定し、継続的に改善していくことは容易ではありません。「受講者が本当に理解しているか」「現場で実践できているか」を客観的に評価することが難しく、また、個人差に応じた適切な指導方法を見つけることも課題となります。

この課題に対しては、具体的な評価基準を設定し、定期的にチェックする仕組みを作ることが有効です。例えば、業務の各段階における「できる」基準を明確にし、それに基づいたチェックシートを活用することで、習得度を可視化できます。

また、定期的なフィードバック面談を実施し、受講者の状況を細かく把握することも大切です。加えて、小さな成功体験を積み重ねる機会を意図的に設けることで、受講者の自信とモチベーションを高めることができます。

PDCAサイクルを回しながら、常に研修内容と方法を改善していく姿勢が重要です。

避けるべき失敗パターンと具体的な回避策

研修トレーナーの役割を担う中で、いくつかの典型的な失敗パターンが存在します。

一方的な知識伝達に終始してしまい、受講者の主体性や考える力を育てられないという失敗があります。これに対しては、対話型の指導を心掛け、適切な問いかけを通じて受講者自身の気付きを促すことが効果的です。

また、画一的な指導により受講者のモチベーションが低下するケースも見られます。これを防ぐには、個々の受講者の特性や学習スタイルを理解し、それに合わせた指導方法を柔軟に採用することが重要です。

さらに、トレーナー間で情報共有や経験交換が不足し、指導内容にばらつきが生じることも問題です。これに対しては、トレーナー同士が定期的に集まり、成功事例や失敗事例、効果的な指導方法などを共有する場を設けることが有効です。

こうした取り組みを通じて、組織全体の研修品質を向上させることができます。

研修トレーナー成功のポイント

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効果的な人材育成を実現するためには、研修トレーナーの活用方法や育成方法が非常に重要になります。多くの企業で研修トレーナー制度を導入していながら、期待した効果が得られていないケースもあります。

これは、研修トレーナー自身の位置付けや育成方法、サポート体制などが適切でないことが原因となっていることが少なくありません。ここでは、研修トレーナーを活用した人材育成を成功させるためのポイントについて解説します。

研修トレーナーをエースポジションに位置付ける

研修トレーナーの役割は単なる「研修講師」ではなく、組織の将来を担う人材を育成する重要なポジションです。それにもかかわらず、多くの組織では「誰かがやらなければならない仕事」として軽視されがちです。

研修トレーナーを成功させるためには、この役割を組織の重要なエースポジションとして明確に位置付けることが重要です。

具体的には、研修トレーナーになることがキャリアアップにつながる仕組みを整えたり、研修トレーナーとしての成果を評価する制度を設けたりすることが効果的です。また、経営層が研修トレーナーの重要性を認識し、公の場でその価値を伝えることも大切です。

こうした取り組みにより、研修トレーナー自身のモチベーションが高まるだけでなく、組織全体に「人を育てることは重要である」というメッセージが伝わります。

研修トレーナーは向き不向きより「やる気」

研修トレーナーを選定する際、「教えるのが上手な人」「コミュニケーション能力が高い人」など、向き不向きで判断しがちですが、実はそれ以上に重要なのが「やる気」です。

人材育成に対する熱意や意欲があれば、必要なスキルは習得することができますし、何より情熱を持って取り組むことで受講者にも良い影響を与えることができます。

特に中堅社員をトレーナーとして起用する場合、必ずしも十分な経験やスキルを持っているわけではありませんが、人を育てることへの意欲や「自分も共に成長したい」という思いがあれば、効果的な指導が期待できます。

また中堅社員は受講者との距離も近いため、受講者側の心理的負担を軽減することができます。トレーナー候補者の選定では、さまざまなスキルも大切ですが、何より「人を育てることへのやる気」を重視することが成功への鍵となります。

外部機関のプログラムを活用する

研修トレーナーの育成においては、社内リソースだけでなく、外部機関のプログラムを積極的に活用することも有効です。専門的なトレーナー養成プログラムを提供している外部機関は多く、体系的な指導法や最新の教育手法を学ぶことができます。

こうしたプログラムでは、実践的なロールプレーイングやケーススタディーを通じて、指導スキルやフィードバック方法を効果的に習得することが可能です。

また、外部プログラムに参加することで、他社の研修トレーナーとの交流が生まれ、さまざまな視点や事例に触れることができるというメリットもあります。自社だけでは気付かなかった課題や解決策を知る機会にもなります。

費用対効果を考慮しながら、外部の知見やノウハウを積極的に取り入れることで、より質の高い研修トレーナーを育成することができるでしょう。

新入社員研修からスタートする

研修トレーナー制度を導入する際は、まずは新入社員研修からスタートすることをおすすめします。新入社員は前提知識や経験が少なく、比較的素直な受講状態からスタートするため、研修プログラムの設計や効果測定がしやすいというメリットがあります。

また、企業文化や基本的なビジネススキルなど、汎用的な内容が中心となるため、トレーナー側も比較的取り組みやすいでしょう。

新入社員研修での成功体験を積み重ねることで、トレーナーとしての自信が生まれ、より高度な内容の研修や、対象者が多様な研修へと段階的に展開していくことができます。

さらに、新入社員の成長を間近で見守ることは、研修トレーナー自身にとっても大きなやりがいとなり、モチベーションの維持につながります。着実にステップアップしていくアプローチが、研修トレーナー制度の定着と発展には効果的です。

デジタル化にも着手する

近年のテクノロジーの進化により、研修のデジタル化も重要なポイントとなっています。

eラーニングシステムやLMS(Learning Management System)を活用することで、基礎的な知識の習得はオンラインで行い、集合研修では実践的なスキルトレーニングに集中するといった効率的な研修設計が可能になります。

また、研修の進捗状況や理解度を可視化することで、より効果的なフォローアップも実現できます。

デジタルツールを活用した研修は、特に若い世代の社員には親和性が高く、学習意欲の向上にもつながります。さらに、ビデオ会議システムを活用したリモート研修や、SNSを活用した受講者同士の情報共有など、柔軟な学習環境を提供することも可能です。

ただし、デジタル化はあくまで手段であり、目的ではありません。対面でのコミュニケーションや実践的な体験の価値も忘れずに、適切なバランスでデジタル化を進めることが大切です。

社内の研修トレーナー育成にはLDcubeのライセンス講座がおすすめ

LDcube

社内の研修トレーナーを養成するためには、効果的で信頼できるプログラムやツールを活用しながら、トレーナーを養成する株式会社LDcube(以下、LDcube)の「ライセンス講座」がおすすめです。

LDcubeのライセンスプログラムの特徴 :

  • 体系的なカリキュラム設計:
    LDcubeのライセンスプログラムは、研修の目的や受講者のレベルに応じた体系的なカリキュラムを納得のいく形で設計しやすく、初めての講師でも迷わず段取りを進めることができます。 

  • 高品質な教材とツール:
    LDcubeのライセンスプログラムには、高品質な教材やツールが含まれており、研修内容の理解を深めるためのテキストやスライド、ワークシートが提供されます。これにより、初めての研修講師でもプロフェッショナルな研修が実現可能です。

  • インタラクティブな学習方法の導入:
    ディスカッションやグループワーク、クイズなどのインタラクティブな学習方法がプログラムに組み込まれているため、受講者の参加を促進し、学習効果が高まります。

  • フレキシブルな研修形式:
    LDcubeのライセンスプログラムは、集合研修とオンライン研修どちらにも適用できます。そのため、さまざまなシチュエーションに合わせて研修を実施できます。

  • 実績と信頼性:
    LDcubeのライセンスプログラムは、プロの研修講師をはじめ、多くの企業や組織で利用されており、その効果と信頼性は実績によって証明されています。初めての講師でも安心して利用できるプログラムです。

  • コーチングサポート:
    LDcubeのライセンスプログラムには、経験豊富なコーチやメンターからのサポートが含まれており、疑問や課題に対して迅速に対応できる環境が整っています。

初めての研修講師が研修を確実に成功させるためには、自身だけで全てを用意する必要はありません。

LDcubeのライセンスプログラムを活用することで、体系的なカリキュラムと高品質な教材、インタラクティブな学習方法、フレキシブルな研修形式、実績に裏打ちされた信頼性、そして手厚いコーチングサポートを得ることができます。 

研修講師が初めての人でも自信を持って研修を進めることができ、受講者にとっても充実した学びの時間を提供できることでしょう。

▼ライセンス講座についての詳細は下記をご覧ください。 
社内トレーナー養成支援

  社内トレーナー養成支援|LDcube(エルディーキューブ) LDcubeの社内トレーナー養成支援のご紹介ページです。研修効果は高めたいがコスト(費用・時間)はかけられない、集合研修のノウハウはあるが、オンライン研修のノウハウはない、そのような課題をお持ちの研修プランナー必見。プロのコンサルタントが活用するプログラムを提供することで、企業の研修内製化・社内トレーナー養成を支援します。 株式会社LDcube


社内の研修トレーナーが効果的に人材育成をしている支援事例

リコージャパン株式会社
社員数:18,000名以上

リコージャパン株式会社 人事・コーポレート本部 人財開発センター 人財開発部 部長 武田 佳祐 様  リコーグループは、日本、米国、欧州、アジア・パシフィックに拠点を置き、全世界約200の国と地域で事業を展開しているグローバルカンパニーです。2036年に創業100周年を迎えるリコーグループは、「”はたらく”に歓びを」という価値観を基に持続可能な未来をつくる活動をしています。 「人のこころとからだに携わり、現場に寄り添った教育施策を実現したい」という個人の想いを持ち、活動しています。

背景・課題

リコージャパン株式会社では、2010年の販売会社統合以降、各支社の固有の課題に対応できず、教育施策が本部主導で一方的になるなどの課題がありました。また、縦割り組織文化がコミュニケーションの希薄化を招いていました。

これらの課題を解決するために、社員自らが強みや弱みを理解し合い、横のつながりを強化する取り組みが求められていました。

LIFOプログラム(社内トレーナーライセンス)の導入

その中で、LIFOを導入しました。LIFOの活用を通じて、社員一人一人の個性を診断し、自己理解と他者理解を促進しました。これにより、飲み会などでの非公式なコミュニケーションが減少する中でも、社員同士の人間関係を深めるための新たな手段を提供することができるようになりました。

また、LIFOライセンスを取得することで、社内トレーナーが自主的に研修を行えるようになり、組織風土改革を進めました。LDcubeとの協力により、多様なワークショップを展開し、各支社が抱える具体的な課題に対応できるようになりました。

社内展開

プログラムの展開においては、事前のLIFO診断、ワークショップの実施、職場での実践、効果検証のサイクルを組み込みました。

参加者は、研修後の職場実践を通じて得られたスキルを評価し合い、PDCAサイクルを回すことで、持続的なスキルアップを図っています。ラーニングプラットフォーム「UMU」を活用し、受講者同士が学び合う環境を整備しました。

社内トレーナーによる研修実施後の反応

 導入後、プログラム受講者の満足度は高く、多くの支社で「対人関係」や「マネジメント能力」などにおいて数値的な改善が見られました。

LIFOを活用したレクチャーは「人」の問題の解決に寄与し、特にアウトプット重視の体験学習が効果的だったとされています。UMUの活用と一連の学習サイクルの設計により、事務局の負担軽減と学習効果の向上が実現しました。

今後に向けて

今後は、各支社や部門の課題に寄り添い、人材育成を継続的にサポートすることで、社員個々の自己成長と組織全体の活性化をさらに推進する予定です。また、導入されたプログラムは、社員の特性に基づく行動変容を促すとともに、他部門にも勧められる内容として評価されています。

これにより、組織内のさまざまな課題を解決し、全体の一体感を更に高められることが期待されています。

▼本事例はインタビュー記事の一部です。インタビュー記事全文はこちらからご覧ください。
リコージャパン株式会社様 ライセンスプログラム導入事例

  リコージャパン株式会社 各支社・部門の現状と課題に合わせたプログラム展開で組織風土改革を推進 「本部主導の教育施策だけでなく、現場に寄り添った教育施策を展開したい」 「研修後の学びの定着を支援し、職場での実践と成果向上まで促進したい」 このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。 リコージャパン様では、LIFO・HEP・ITS・SBRP・行動の柔軟性開発プログラムを活用した体験学習型ワークショップにより、現場の課題解決と社員一人一人の能力開発を目的とした組織風土改革の取り組みをされています。 本記事では、人事・コーポレート本部 人財開発センター 人財開発部長の武田 佳祐 様にインタビューした内容をレポートします。 株式会社LDcube


まとめ:研修トレーナーの役割と効果的な5つの育成法

本記事では、企業における研修トレーナーの役割と育成方法について解説してきました。研修トレーナーは社員の成長をサポートし、企業文化を伝承する重要な役割を担っています。

効果的な研修トレーナーを育成するためには、適切な人選とエースポジションとしての位置付け、専門知識や伝える力などのスキル習得の機会提供、継続的な成長をサポートする体制の構築が重要です。

また、新入社員研修など取り組みやすいものから始め段階的に経験を積ませること、そしてeラーニングなどデジタル技術を適切に活用することも効果的です。

これらのポイントを踏まえ、自社に合った研修トレーナー育成プランを策定・実践することで、効果的な人材育成システムの構築が可能になります。人材育成への投資は企業の将来への最も価値のある投資の一つであることを忘れず、研修トレーナーの育成に積極的に取り組みましょう。

株式会社LDcubeでは、プロの外部講師が活用している研修プログラムを社内トレーナーの方々にも提供しています。これらの研修プログラムを活用いただくことで、プロさながらの研修を社内でも展開することができます。

また、研修の充実化を図るためのeラーニングやLMS、経営シミュレーションアプリなどの提供も行っています。これらを使いこなすことで、社内講師でもかなり充実した研修を展開することが可能となります。 

無料でのプログラム体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。 

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

社内研修の企画と実施 資料ダウンロード

研修内製化 資料ダウンロード

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  レジリエンス研修の講師になるには?資格や講座についても解説! 社内でレジリエンス研修を展開することで、環境変化に迅速かつ柔軟に対応しやすくなります。本記事では、社内でレジリエンス研修の講師を効果的に養成するための具体的な方法や資格取得講座、研修内容、背景や現代の組織課題、社内展開した事例などについて解説します。 株式会社LDcube
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  タイムマネジメント研修で人生が変わる!理由や時間の使い方のポイントとは? 現代におけるタイムマネジメント研修が必要な背景、目的、内容、そして具体的な研修方法や社内で取り組むためのポイントなどを詳しく紹介します。受講を通じて自分自身の行動特性を知り、時間の使い方を知ることにより人生が変わると言われています。スキル習得面、組織活性化面の展開についても解説します。 株式会社LDcube
  報連相研修の必要性とは!?「今」の重要性やポイントについて解説! ビジネスや組織運営における必須スキル「報連相」に焦点を当て、やり方、重要性、最新の研修内容について紹介します。本ブログでは、報連相トレーニングで自分の行動特性について知ることが組織の課題解決にどのように寄与するか、なぜ今、必要性が高まっているのかについても解説します。 株式会社LDcube
  プレゼンテーションスキル研修徹底解説!デジタル時代のビジネス・人材育成で重要! ビジネスでのプレゼンテーションに焦点を当て、資料作成方法よりも最大のプレゼンツールである「プレゼンター自身」を如何に磨くかを解説します。現代の環境変化の中で求められる、聞き手に行動を起こさせるプレゼンテーションの実践力を向上する研修について紹介します。 株式会社LDcube


企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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