
【調査レポート速報!】「社内研修・研修内製化の実態と課題」に関する調査結果を公開!
現代の企業内教育において、社内トレーナー(※)による研修の内製化を進めている企業も多いのではないでしょうか?費用対効果を高め、社内状況に合わせたプログラムによる研修実施ができるのは、研修内製化のメリットです。
しかし現代は、組織における人手不足に人材の流動化が進む時代です。
社内トレーナーや研修実施ノウハウの不足といった課題を多く伺います。
そこで今回は、人事担当者さまや人材育成ご責任者・担当者さまへ「社内トレーナーによる研修」をテーマに実態と課題について広く調査いたしました。
※社内トレーナーとは: |
本記事では、その結果の一部をご紹介します。
▼ 本内容をまとめたレポートは下記よりダウンロードできます。
【本記事のデータ利用条件】
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目次[非表示]
アンケート調査概要
アンケート名称「社内研修・研修内製化の実態と課題」に関する調査
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▼質問1
「貴社の従業員数を教えてください。」
質問一覧
- 貴社の従業員数を教えてください。
- 貴社における研修の実施方法について、当てはまるものをすべてお選びください。
- 現在、社内トレーナーは何名いますか?
- 貴社では、どのような部門の方が社内トレーナーを担当していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 貴社では、どのような役職の方が社内トレーナーを担当していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 社内トレーナーによる研修では、どのような内容を実施していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 貴社では、社内トレーナーによる研修実施において課題を感じていますか?
- 社内トレーナーによる研修実施において、どのような課題がありますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 質問8でご回答いただいた課題について、お答えできる範囲で詳細を教えてください。
- 今後、貴社で「研修を内製化したい」、あるいは「内製での研修を強化したい」と思いますか?
- 質問10でのご回答について、お答えできる範囲で理由を教えてください。
- 今後、貴社で研修を内製化したい階層はありますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 今後、貴社で研修を内製化する際に、扱いたい内容・テーマがあれば教えてください。
- その他、「社内トレーナーによる研修実施」に関して、解決したい課題や今後取り組みたいことがあれば教えてください。
サマリー
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以下でデータをもとに解説していきます。
研修の実施方法・リソース
▼質問2
貴社における研修の実施方法について、当てはまるものをすべてお選びください。
- 62%の組織が「社内トレーナーによる研修」で最多でした。
- 次いで、「外部トレーナーによる研修」が57%、「外部機関が提供しているeラーニング」が46%でした。
【コメント】
- 62%の組織が「社内トレーナーによる研修」で最も多い回答でした。
- 社内講師による研修は、社内の文化や業務を十分に理解している講師が研修を実施することで、受講者にとって現場で活用しやすい情報を届けることができるメリットがあります。一方で、コンテンツやノウハウが限られているため、必要に応じて外部から社内研修で活用できる知見を獲得することが重要と感じます。
社内トレーナーの人数
▼質問3
現在、社内トレーナーは何名いますか?
- 「5名以上」が52%で最多でした。次いで、「1名」と「2名」が同率18%でした。
- 組織規模に比例して、社内トレーナーの人数が多くなる結果となりました。
【コメント】
- 「5名以上」の社内トレーナーが存在する組織も一定以上ありましたが、特に300名以下規模の組織では、「1名」あるいは「2名」が半数以上という結果となりました。
- 社内トレーナーの人数が多ければ良いということではありませんが、効果的な研修の企画と実施、その後のフォローをすることが、人材育成においては重要です。
- 社内トレーナーが十分に確保できない場合には、必要に応じてeラーニングや学習プラットフォームの活用など、教育や学習のデジタル化をおすすめします。
▼効果的な社内研修の企画と実施については、以下の資料も参考にしてください。
社内トレーナーの所属部門・役割
▼質問4
貴社では、どのような部門の方が社内トレーナーを担当していますか?
当てはまるものをすべてお選びください。
- 最も回答が多かった部門が「人事部門」の74%で最多でした。
- 次いで、「事業部門」が35%、「営業部門」が27%でした。
【コメント】
- 「人事部門」の方がヒューマンスキル系の研修を実施する際には、自身の経験や感覚だけでなく、理論と実践に基づいた内容で実施いただくことが重要と感じます。
- また、「事業部門」や「営業部門」の方は、業務遂行知識については専門性がありますが、トレーニング実施スキルについては別途啓発していくことが、より効果的な内製研修につながるでしょう。
▼社内トレーナーを育成する方法や、そのための研修については以下で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
⇒社内の研修講師のための研修とは?養成するための公開講座も紹介!
⇒社内の研修講師養成のやり方とは?育成のステップとおすすめ講座を紹介!
社内トレーナーの役職
▼質問5
貴社では、どのような役職の方が社内トレーナーを担当していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 社内トレーナーを担当している役職は、「担当者」が65%で最多でした。
- 役職が上がるにつれて、減少していく傾向にあります。
- その他(自由回答)では、「役職に関係なくその時々の適任者が務める」という回答も見られました。
【コメント】
- 社内トレーナーとして抜擢され研修の実施を任されることは、担当者にとってプレッシャーではありますが、やりがいを感じる成長の機会でもあります。経験の無い方にも、ぜひ「任せてみる」ことをおすすめします。
- また、専門性や強みを認め、適材適所でアサインすることも重要と言えるでしょう。いずれにしても、プランから実施、その後のフォローまでサポートすることが重要です。
▼社内トレーナー導入のコツや選抜のポイントについては、以下で詳しく解説しています。
⇒社内トレーナー導入における成功のコツとは?ポイントを解説
▼社内講師を務めるのが初めての方でも成功できるよう、以下でポイントをまとめています。
⇒初めての研修講師が感じる不安とは?社内研修を成功させるポイント・コツを解説!
社内トレーナーによる研修 実施内容
▼質問6
社内トレーナーによる研修では、どのような内容を実施していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 最も多かった内容が、「実務研修」の78%で最多でした。
- 次いで、「コンプライアンス研修」が55%、「ヒューマンスキル研修」が49%と続きました。
【コメント】
- コンプライアンス研修では、法令等遵守のルール・規則・姿勢の浸透、徹底だけでなく、参加者の内省を促すことも重要です。特に、管理者は「心理的安全な職場づくり」を研修で学び、実践することが必要と感じます。
▼心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐポイントについては、以下で詳しく解説しています。
⇒心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐには?職場と組織の仕組みづくりのコツを解説!
社内トレーナーによる研修 課題認識
▼質問7
貴社では、社内トレーナーによる研修実施において課題を感じていますか?
- 課題を「とても感じでいる」(12%)と「やや感じている」(46%)を合わせて、半数以上(58%)の組織で何かしらの課題を感じている結果となりました。
- 組織規模別では、規模が小さくなるにつれて、課題を「とても感じている」傾向が強い結果となりました。
【コメント】
- 社内トレーナーにより研修を実施することで、研修の内製化を図る組織は多いです。
- しかし、半数以上の組織で課題を感じている結果を受け、「研修の内製化」および、効果的な「社内トレーナーによる研修実施」は、今後の企業の人材育成と持続可能な経営において、重要な課題と言えるでしょう。
社内トレーナーによる研修 具体的な課題(選択式)
▼質問8
社内トレーナーによる研修実施において、どのような課題がありますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 「リソース(時間・人材)の不足」が73%で最多、次いで、「コンテンツ(プログラム・資料)の不足」が55%という結果となりました。
- 一方で、研修実施後の「フォローアップ」については37%で最小でした。
社内トレーナーによる研修 詳細な課題(記述式)
▼質問9
質問8でご回答いただいた課題について、お答えできる範囲で詳細を教えてください。(自由回答)
体制・リソースの不足に関する課題
”やりたくても、やりきれない”という声が多く、人的・時間的・組織的な制約が目立ちます。
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設計・運営・実施における課題
コンテンツの質、トレーナーのスキル、実施方法など“中身”に関する不安と課題です。
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フォロー・効果測定・定着に関する課題
実施後の継続性、可視化、効果の実感に関する声。「やりっぱなし」を悩みとしています。
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【コメント】
- 「リソース(時間・人材)の不足」が73%で最も回答が多い結果となりました。一方で、研修実施後の「フォローアップ」については37%で最小でした。
- 自由回答からは、体制・リソースの不足の課題に加え、コンテンツの質やトレーナーのスキルといった運営・実施に関する課題や、研修実施後の「やりっぱなし」を無くすためのフォローや効果測定に関する課題が見られました。
- 社内トレーナーで効果的に研修を内製化するためには、社内トレーナーの選抜と育成、コンテンツの質の担保、そしてその後のフォロー・効果測定といった一連の人材育成プロセスが重要です。
- しかし、リソースやノウハウの不足から、全てに手が回らないのが実態と感じます。そのような中でも、特にフォローと効果測定については、受講者の学びと行動変容につなげる重要なプロセスとなるため、効果的・効率的な方法・体制を模索する必要があると感じます。
▼人材育成の評価・効果測定については、以下で詳しく解説しています。
⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説
研修の内製化・内製研修の強化 意向
▼質問10
今後、貴社で「研修を内製化したい」、あるいは「内製での研修を強化したい」と思いますか?
- 「とても思う」(14%)と「やや思う」(45%)を合わせて、半数以上(59%)の組織で、
- 「研修を内製化したい」あるいは「内製での研修を強化したい」と感じている結果となりました。
- 組織規模別で大きな違いはありませんが、1000名以上の組織において比較的、研修内製化の意向が強い結果です。
研修の内製化・内製研修の強化 意向の理由
▼質問11
質問10でのご回答について、お答えできる範囲で理由を教えてください。(自由回答)
コストと効率の観点から内製化は必要(とても・やや思う より)
費用や運用の制約から、内製化が“選択”ではなく“必然”になっている状況
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自社に最適な研修をつくるには、やっぱり内製(とても・やや思う より)
研修の「効果」や「実感」を高めるには、やはり社内でつくることに意味があるという実感
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内製化の重要性は認識しつつも、実行にはハードルがある(あまり・まったく思わない より)
理想は分かっていても、内製化を進める体制やリソースが整っていない悩み
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【コメント】
- 半数以上(59%)の組織で、「研修を内製化したい」あるいは「内製での研修を強化したい」と感じている結果となりました。特に、1000名以上の組織において、研修内製化の意向が強い結果でした。
- 自由回答からも、「コスト」「効率」「自社に最適化した内容」といった観点から、内製化は効果的な人材育成手段の1つと言えるでしょう。一方で、研修の内製化にあたり、スキルやカリキュラム・教材の準備などの障害も見受けられました。
- すべての研修を内製化する必要はありません。高い階層の研修や、異業種交流が有効な手段である場合などは、外部リソースを活用した方が効果的なケースが多いです。若年層向けやコミュニケーションなど、社内で実施した方が効果的と思われる研修から、内製化に取り組むことをおすすめします。
▼カリキュラムや教材など、社内研修のつくり方については以下で詳しく解説しています。
⇒社内研修の作り方!効果的なプログラムとは?ポイントを解説
今後、研修を内製化したい階層
▼質問12
今後、貴社で研修を内製化したい階層はありますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 「中堅社員研修」が37%で最多でした。次いで、「若手社員研修」が34%と続きます。
- 「新任管理職研修」は29%で、「新入社員研修」の27%を超える結果となりました。
【コメント】
- 新入社員~中堅社員といった若年層向けの研修は、比較的社内トレーナーによる研修の内製化がしやすい階層と言えるでしょう。
- なぜなら、社内トレーナーと受講者との年齢・経験のバランスがとりやすく、また、リーダーシップやコミュニケーションといった基礎的なヒューマンスキル・ビジネススキルを扱うことが多いからです。
- さらに、若年層に対しては、その組織における考え方・社風の浸透や、それを踏まえて職場でどのように行動に移すべきか、といった社内状況に合わせたトレーニングが効果的であるからです。
▼若手社員向けに社内研修を実施する際には、レジリエンス啓発のテーマがおすすめです。
⇒離職防止の鍵!若手社員のレジリエンスを高める方法無料ウェビナー
▼新人・若手の定着と育成については、調査レポートを基に、以下で結果と対策を解説しています。
⇒「新人・若手の定着~育成戦略の実態調査」結果と対策~"42%"という数字に現れた現場の実態
今後、内製研修で扱いたい内容・テーマ
▼質問13
今後、貴社で研修を内製化する際に、扱いたい内容・テーマがあれば教えてください。(自由回答)
キーワード出現頻度TOP10
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【コメント】
- コンプライアンス・ハラスメント関連の研修の回答が最も多い結果となりました。新入社員を含めた若手社員教育も、内製化したい研修として回答の多い結果となりました。
- コンプライアンス・ハラスメント関連の研修は、eラーニングと組み合わせて実施することが効果的です。一般的に理解しておくべきことの理解・学習は、一律に効率的に学習できることが重要です。
- また、社内ルールの理解度テストなども、オリジナルeラーニングを定期配信するなどが効果的です。研修では、「知っているけどできない」こと、その背景にある自身の考え方に目を向けるような内製を促す内容を実施することが効果的でしょう。
▼コンプライアンス勉強会やeラーニングの活用については、下記も併せてご覧ください。
⇒コンプライアンス勉強会の進め方とは?目的や主要テーマ・内容・実施のコツを解説
⇒eラーニングでコンプライアンスを学ぶには?ポイントや新学習法を解説
その他、解決したい課題や今後の取り組み
▼質問14
その他、「社内トレーナーによる研修実施」に関して、解決したい課題や今後取り組みたいことがあれば教えてください。(自由回答)
トレーナーのスキル・資質の向上
- 自己流を避け、ファシリテーターとしての資質向上が必要
- トレーナー自身のスキルアップや知識のブラッシュアップ
- チームビルディングや人材を生かす力の習得
研修の標準化と質の均一化
- 研修内容・質のバラつきをなくしたい
- 属人化したノウハウを形式化したい
- 技術継承の仕組みが必要
トレーナーの選定・育成
- 適切な候補者の選出が難しい
- 専任者を確保できない
- 人員不足社内トレーナー育成の仕組みづくりが必要
時間・リソースの確保
- 研修準備が大変
- トレーナーが他業務と兼任で実施するのが難しい
- 受講者も含め、時間の確保が困難
効果測定と研修の実効性
- 効果測定の仕組みが必要
- 短期的なトレーナーの力量アップを実現したい
テーマの多様化と対応力の必要性
- キャリア自律やワークライフバランスなど幅広いテーマへの対応
- 初心者向けのスキルから、AIなどの先進技術までカバーしたい
【コメント】
- 自由回答から、リソース・スキル・コンテンツの不足の他にも、「研修内容のバラつきをなくしたい」「ノウハウの属人化をなくしたい」「多様なテーマを取り扱いたい」といった声が見られました。
- いずれも社内だけでは限界があるため、一般化された「ノウハウ」「教材」「多様なカリキュラム」を外部専門会社から仕入れ、コストを抑えながら内製で活用することをおすすめします。
おわりに
人的資本の重要性が見直される現代において、組織における人材育成の重要性はますます高まっています。そのような中で、人材育成の手段として62%の組織が「社内トレーナーによる研修」により研修を内製化していることが調査結果から明らかになりました。
社内トレーナーにより研修を実施することで、研修の内製化を図る組織は多いです。しかし、半数以上の組織で課題を感じている結果を受け、「研修の内製化」および、効果的な「社内トレーナーによる研修実施」は、今後の企業の人材育成と持続可能な経営において、重要な課題と言えるでしょう。
しかしながら、今回の調査では研修の内製化に対する課題も同時に明らかになりました。半数以上の58%の組織が「社内トレーナーによる研修」に課題を感じていることが分かりました。具体的には、「リソース(時間・人材)の不足」(73%)や、「コンテンツ(プログラム・資料)の不足」(55%)といった課題が見られました。
社内トレーナーで効果的に研修を内製化するためには、社内トレーナーの選抜と育成、コンテンツの質の担保、そしてその後のフォロー・効果測定といった一連の人材育成プロセスが重要です。しかし、リソースやノウハウの不足から、全てに手が回らないのが実態と感じます。
社内トレーナーによる研修の内製化は、限られたリソースの中で効果的・効率的な人材育成を実現するための有効な手段となりますが、重要なのは「人材育成=研修」ではないということです。
研修を内製化しながらも、eラーニングや学習プラットフォームなどのデジタルツール・コンテンツを効果的に組み合わせ、学びをデザインすることが、持続可能で学習者主体の学びを提供することにつながります。人材育成を本気で検討される際には、ぜひ弊社LDcubeをパートナーの1つとしてご検討ください。
株式会社LDcubeでは、社内研修の実施に向けて、現状把握のツールや、プロ講師が活用している研修プログラム・教材、社内講師養成講座、効果測定のためのプラットフォームを提供し、社内研修実施の生産性向上、パフォーマンス向上の支援をしています。
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