心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐには?職場と組織の仕組みづくりのコツを解説!

近年、職場におけるハラスメント問題が深刻化する中で、その予防策として「心理的安全性」が注目を集めています。しかし、「心理的安全性を高めることでハラスメントは本当に防げるのか?」「具体的に何から始めればいいのか?」という疑問を抱える経営者や人事担当者も少なくありません。

本記事では、心理的安全性が低い職場でハラスメントが起きやすい理由を科学的な視点から解説するとともに、実践的な対策と仕組みづくりのポイントをご紹介します。

組織の中で誰もが安心して働ける環境づくりは、生産性の向上やイノベーションの創出にもつながります。ハラスメント対策に悩む皆さまに、心理的安全性を高める具体的なアプローチと、持続可能な仕組みづくりのヒントをお届けしていきましょう。

▼心理的安全性についてはテーマに応じて下記で詳しく解説しています。

▼心理的安全性については下記にまとめています。

心理的安全性資料

目次[非表示]

  1. 1.心理的安全性が低いとハラスメントが起きやすい4つの理由
    1. 1.1.コミュニケーション不足が対立や誤解を生むため
    2. 1.2.過度なストレス環境が攻撃的な行動を引き起こすため
    3. 1.3.失敗への過剰な否定が抑圧的な関係を作るため
    4. 1.4.相互理解の欠如が些細な言動をハラスメント化するため
  2. 2.​​​​​​​心理的安全性とハラスメントの関係とは
  3. 3.心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ組織的アプローチ
    1. 3.1.経営層による「心理的安全性の重要性」の発信
    2. 3.2.管理職向けの研修プログラムの実施
    3. 3.3.定期的な組織診断と改善計画の策定
  4. 4.心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ職場内でのアプローチ
    1. 4.1.チーム内で定期的に称賛の機会を作る
    2. 4.2.1on1で心理的な障壁を取り除く
    3. 4.3.ミーティングで全員の発言を引き出す
    4. 4.4.日常的な対話を通じて相互理解を深める
  5. 5.心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ仕組みづくりも重要
  6. 6.心理的安全性を高めるための研修支援事例
  7. 7.まとめ

心理的安全性が低いとハラスメントが起きやすい4つの理由

ハラスメントのイメージ画像

職場でのハラスメント対策において、心理的安全性の確保は非常に重要な要素となっています。心理的安全性が低下した職場では、なぜハラスメントが発生しやすくなるのでしょうか。

ここでは、その主な理由を4つの観点から詳しく解説していきます。

コミュニケーション不足が対立や誤解を生むため

心理的安全性が低い職場では、メンバー間のコミュニケーションが著しく減少する傾向にあります。特に、本音での対話が避けられ、表面的なやり取りに終始してしまうことが大きな問題となります。例えば、業務上のささいな行き違いであっても、お互いに率直な意見交換ができない環境では、その誤解が解消されないまま蓄積されていきます。

そうした状況が続くと、チーム内での認識のズレが徐々に広がり、最終的には深刻な対立に発展してしまうことも少なくありません。特に上司と部下の関係では、適切なコミュニケーションの欠如が一方的な指示や過度な叱責といったハラスメント的な言動を生む原因となってしまいます。

過度なストレス環境が攻撃的な行動を引き起こすため

心理的安全性の低い職場環境では、メンバー全員が常に高いストレス状態に置かれることになります。周囲の目を気にして必要以上に緊張状態が続いたり、自由な発言や行動が制限されることで大きな精神的プレッシャーを感じたりすることは、一人一人の心理的・精神的な状態に悪影響を及ぼします。

このような状態が継続すると、ストレスの蓄積により以下のような問題が発生しやすくなります。

  • 些細な出来事でも感情的な反応を示す
  • 部下や同僚へのコミュニケーションが攻撃的になる
  • 相手の立場や気持ちへの配慮が欠如する

これらの要因が重なることで、通常であれば抑制できるような不適切な言動が表出し、結果としてハラスメントにつながってしまうのです。

失敗への過剰な否定が抑圧的な関係を作るため

心理的安全性が欠如した職場では、失敗に対する過剰な否定や叱責が日常的に行われがちです。このような環境下では、メンバーは失敗を恐れるあまり、必要な報告や相談さえもためらうようになります。そして、この畏縮した状態が上司と部下の間に抑圧的な関係性を生み出してしまいます。

さらに、失敗を隠そうとする文化は、問題の早期発見や改善の機会を失わせるだけでなく、職場全体の雰囲気を重苦しいものに変えてしまいます。結果として、些細なミスに対しても過度に厳しい態度で接するといった、ハラスメント的な行動が常態化してしまう危険性があります。

相互理解の欠如が些細な言動をハラスメント化するため

職場での相互理解が十分でない状態では、日常的なコミュニケーションの中でも誤解や行き違いが生じやすくなります。心理的安全性が低い環境では、このような誤解を解消する機会が少なくなり、結果として些細な言動でも受け手にとっては深刻なハラスメントとして受け止められることがあります。

特に、立場や経験の違いによって生じる価値観のズレは、相互理解が不足していると深刻な対立に発展する可能性があります。通常の指導や助言が、受け手にとっては精神的な苦痛を伴うハラスメントとして認識されてしまうケースも少なくありません。このような状況を防ぐためにも、職場での心理的安全性を高め、お互いを理解し合える環境づくりが重要となります。

​​​​​​​心理的安全性とハラスメントの関係とは

心理的安全性とハラスメントの関係についてのイメージ画像

職場における心理的安全性とハラスメントは、密接な関係にあります。両者の関係性を理解することは、健全な職場環境を構築する上で重要な鍵となります。

ここでは、それぞれの概念を整理した上で、両者がどのように影響し合っているのかを詳しく解説していきます。

心理的安全性とは

心理的安全性とは、「仕事に関するアイデアや懸念、疑問、失敗を誰もが安心して言える状態のこと」を指します。これは、ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授が1999年に提唱した概念で、チームで高いパフォーマンスを発揮するための重要な要素として注目されています。

具体的には、以下のような状態が実現されている環境を指します:

  • 新しいアイデアを自由に提案できる
  • 失敗を恐れずにチャレンジができる
  • 分からないことを素直に質問できる
  • 上司や同僚に対して率直に意見を述べられる


ハラスメントとは

ハラスメントは、職場において他者に対して精神的・身体的な苦痛を与える不適切な言動を指します。厚生労働省の定義では、特に職場でのパワーハラスメントについて、以下の3つの要素がそろった場合にハラスメントと認定されます。

  • 優越的な関係を背景とした言動であること
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動であること
  • 労働者の就業環境が害されること

これらの要素は、単に上司から部下への不適切な言動だけでなく、先輩・後輩間や同僚間でも発生する可能性があることを示しています。
(厚生労働省:リーフレット(詳細版)「2020年(令和2年)6月1日から、職場におけるハラスメント防止対策が強化されました!」

心理的安全性とハラスメントの関係

心理的安全性とハラスメントは、いわば表裏一体の関係にあります。心理的安全性が高い職場では、以下のような好循環が生まれることで、ハラスメントの発生リスクが大きく低減されます。

まず、心理的安全性が確保されている環境では、メンバー間での率直なコミュニケーションが活発に行われます。これにより、些細な誤解や対立が大きな問題に発展する前に解消することができ、ハラスメントの芽を早期につかむことが可能となります。

また、失敗や間違いを認めやすい環境では、問題を隠したり責任の押し付け合ったりという不健全な行動が減少します。これは、過度な叱責やパワーハラスメントの発生を防ぐ重要な要素となります。

さらに、心理的安全性の高い職場では、お互いの個性や価値観を尊重する文化が醸成されやすく、多様性を認め合える組織となります。このような環境では、ハラスメントの原因となりやすい「同調圧力」や「過度な競争意識」が抑制され、より健全な人間関係を構築することができます。

つまり、心理的安全性を高めることは、単にハラスメント対策としてだけでなく、職場全体の生産性や創造性を向上させる基盤となるのです。

心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ組織的アプローチ

心理的安全性を組織的に高めようとしているイメージ画像

心理的安全性の向上には、個人の努力だけでなく組織全体での取り組みが不可欠です。ここでは、経営層から現場まで一貫した取り組みを実現するための、具体的なアプローチ方法をご紹介します。

それぞれの立場でできることを理解し、実践することで、ハラスメントのない健全な職場環境を構築することができます。

経営層による「心理的安全性の重要性」の発信

心理的安全性の向上には、まず経営層からの明確なメッセージ発信が重要です。経営層が率先して心理的安全性の重要性を語り、具体的な行動で示すことで、組織全体に大きな影響を与えることができます。

具体的には、経営方針や事業計画の中で心理的安全性の向上を明確な目標として位置付け、定期的に全社員向けのメッセージを発信することが効果的です。また、経営層自身が失敗を認めたり、率直な意見交換を促したりする姿勢を見せることで、組織全体の心理的安全性向上に向けた機運を高めることができます。

管理職向けの研修プログラムの実施

管理職は心理的安全性を高める上で重要な役割を担います。そのため、管理職向けの専門的な研修プログラムを実施し、必要なスキルとマインドセットを育成することが重要です。

研修では以下のような内容を取り扱います。

  • 心理的安全性の基本概念と重要性
  • ハラスメント防止に関する法的知識
  • 部下との効果的なコミュニケーション
  • 心理的安全性を高めるためのチームマネジメント

これらの学びを通じて、管理職が自身のチームで実践できる具体的なスキルを身につけることができます。

定期的な組織診断と改善計画の策定

心理的安全性の向上を継続的に実現するためには、現状把握と改善のPDCAサイクルを確立することが重要です。定期的な組織診断を実施し、その結果に基づいて具体的な改善計画を策定・実行していく必要があります。

組織診断では、従業員アンケートやヒアリングを通じて、職場の心理的安全性レベルを定量的・定性的に測定します。その結果を踏まえて、部門ごとの課題を特定し、具体的な改善目標と行動計画を設定します。

特に重要なのは、診断結果を従業員にフィードバックし、改善に向けた取り組みについて透明性を持って進めることです。定期的なモニタリングを通じて、施策の効果を検証し、必要に応じて計画を修正することで、着実な改善を実現することができます。

このように、経営層の明確なコミットメント、管理職の育成、そして継続的な改善サイクルの確立を通じて、組織全体で心理的安全性を高め、ハラスメントのない職場環境を作り上げることが可能となります。

▼心理的安全性を高めるための研修については下記で詳しく解説しています。
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心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ職場内でのアプローチ

職場で心理的安全性を高めようとしているイメージ画像

組織的な取り組みと並んで重要なのが、職場内での日常的かつ具体的なアプローチです。職場のメンバー一人一人が実践できる取り組みを通じて、心理的安全性を高め、ハラスメントを未然に防ぐことができます。ここでは、実践的かつ効果的な職場内でのアプローチ方法をご紹介します。

チーム内で定期的に称賛の機会を作る

心理的安全性を高める最も効果的な方法の一つが、チーム内での相互称賛の文化づくりです。単なる成果だけでなく、プロセスや努力を認め合うことで、メンバー間の信頼関係が強化されます。

例えば、週次のミーティングの最後に「今週のいいね!」として互いの良い取り組みを共有したり、月間MVPを選出して表彰したりすることで、自然な形で称賛の機会を作ることができます。このような取り組みを通じて、メンバー同士が互いの価値を認め合える関係性を築くことができます。

1on1で心理的な障壁を取り除く

定期的な1on1ミーティングは、個々のメンバーが抱える不安や懸念を早期に発見し、解消するための重要な機会となります。この場では、業務上の課題だけでなく、職場での人間関係や将来のキャリアについても率直な対話を行うことが大切です。

効果的な1on1を実施するためのポイントは以下の通りです。

  • 話しやすい環境づくりを意識する
  • 相手の話を最後まで傾聴する姿勢を示す
  • 具体的な解決策を一緒に考える
  • フォローアップを確実に行う


ミーティングで全員の発言を引き出す

チームミーティングは、メンバー全員が対等に意見を交換できる場として機能することが重要です。特定のメンバーだけが発言するような状況では、心理的安全性は低下してしまいます。

ミーティングのファシリテーターは、発言の少ないメンバーに対しても適切なタイミングで意見を求めたり、議論のポイントで確認の質問を投げかけたりするなど、全員が参加できる工夫を行います。また、「間違った意見はない」という原則を明確にし、自由な発想や建設的な議論を促進する雰囲気づくりを心がけましょう。

日常的な対話を通じて相互理解を深める

職場での心理的安全性を高めるためには、業務上のコミュニケーション以外にも、日常的な対話を通じて相互理解を深めることが重要です。これは、単なる雑談ではなく、お互いの価値観や考え方を理解し合うための重要なプロセスです。

例えば、昼食時間を利用した気軽な会話や、業務の合間での短い対話を通じて、メンバーの個性や背景について理解を深めることができます。

このような日常的なコミュニケーションの積み重ねが、チーム全体の心理的安全性を高め、ハラスメントの予防につながっていきます。相手の立場や考え方を理解することで、無意識の言動がハラスメントとして受け取られるリスクも軽減することができるのです。

心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ仕組みづくりも重要

仕組みづくりを検討しているイメージ画像

心理的安全性の向上とハラスメント防止を継続的に実現するためには、組織内に適切な仕組みを構築することが不可欠です。一時的な取り組みではなく、持続可能な形で組織文化として定着させるために、以下のような具体的な仕組みづくりを進めていきましょう。

アンケートとヒアリングによる定期的なモニタリングを行う

職場の心理的安全性レベルを客観的に把握し、継続的に改善していくためには、定期的なモニタリングの仕組みが重要です。1年ごとのアンケート調査や、年1回程度の詳細なヒアリングを通じて、職場の状況を定点観測していきます。

モニタリングでは、定量的な指標(心理的安全性についてのアンケート結果、ハラスメント報告件数など)と定性的な情報(従業員の声、具体的な課題など)の両方を収集することが大切です。収集したデータは、経営層や管理職と共有し、具体的な改善アクションにつなげていく必要があります。

ハラスメント防止のための研修・教育を実施

全従業員を対象としたハラスメント防止研修は、心理的安全性を高める上で基礎となる重要な取り組みです。研修では、法的な知識や基本的な対応方法だけでなく、実践的なケーススタディーやロールプレイングを通じて、実際の職場で活用できるスキルを身につけることを目指します。

効果的な研修プログラムには、以下のような要素を含めることが推奨されます

  • ハラスメントの定義と具体例の理解
  • アンコンシャスバイアスへの気づき
  • コミュニケーションスキルの向上
  • 問題発生時の適切な対応方法
  • 心理的安全性を高めるための実践的なテクニック


相談窓口の設置と匿名通報の仕組みを作る

心理的安全性が低い状態にある従業員が、安心して相談や報告ができる環境を整備することは極めて重要です。社内外に複数の相談窓口を設置し、必要に応じて匿名での通報も可能な仕組みを構築します。

相談窓口の運営においては、以下の点に特に注意を払う必要があります:

  • 相談者のプライバシー保護の徹底
  • 迅速かつ適切な対応プロセスの確立
  • 相談後のフォローアップ体制の整備
  • 報復行為の防止措置の実施


管理職評価に心理的安全性指標を組み込む

管理職の評価基準に心理的安全性に関する指標を明確に組み込むことで、継続的な改善への動機付けを強化することができます。具体的な評価項目としては、職場の心理的安全性アンケート結果、1on1の実施状況、ハラスメント予防への取り組み状況などが考えられます。

この評価の仕組みを効果的に機能させるためには、以下のポイントに留意が必要です:

  • 評価基準の透明性を確保する
  • 定期的なフィードバックを提供する
  • 改善のための具体的なサポートを行う
  • 好事例の共有と水平展開を促進する

これらの評価指標を通じて、管理職の意識改革と行動変容を促し、組織全体の心理的安全性向上につなげていくことができます。

心理的安全性を高めるための研修支援事例

事例のイメージ画像

エンジニアリング業界 5000名以上
研修対象:職場リーダー

研修のねらい

  • 心理的安全性について理解を深める。
  • 体験実習を通して、お互いに助け合い、発言しやすい環境・雰囲気づくりの重要性とポイントを学ぶ。
  • 心理的安全性を阻害する要因について理解する。

研修実施のポイント

  • 単なる知識学習ではなく、体験学習を通して心理的安全性が高い/低い状態を経験し、その生産性の違い、重要性を実感してもらう。
  • 合わせて心理的安全性を阻害する要因、高める具体的アプローチを学ぶ。

研修内容(1日間)

□開講挨拶 □チームづくりと心理的安全 ・チームづくり4つのプロセス ・心理的安全性とは □実習 「ライフライン」(自己開示と他者理解) 休憩 □実習 「心理的安全なチーム活動にチャレンジ」 ・職場で“生きがい”を感じるとき個人検討→コンサンサス ・振り返り(結果とプロセス)  昼食  □心理的安全・安心を高めるために 雰囲気(開放的・受容的・傾聴的)、ガイドライン □実習 「傾聴力実習(オウム返しと言い換え)」 休憩 □リフレクション(気づき学びと今後の実践ガイドライン) □研修アンケート □閉会 あいさつ


研修中の討議の様子(あなたの話しやすい雰囲気は?)

あなたの話しやすい雰囲気は? 雑談ができる、冗談が言える、友好的に接してくれる、挨拶し合える  否定をされない、間違った意見だとしても聞いてもらえる 会話が弾んでいる空間、明るい雰囲気 アドバイスをくれる、意見を貰える 時間切れするまでに1人1人意見を言える雰囲気、会話を遮らない  上司に意見しやすい・独りよがりが居ない職場 オンオフがしっかりしている 全員が内容を理解して話ができている 口が悪い人がいない。一方で口調や礼儀は二の次がお好みな方もいらっしゃる

研修後のアンケート(心理的安全性についての理解度は?)

心理的安全性研修の受講アンケート結果

「グループワークを通して相手の言いたいことを理解することの難しさ、自分の意見を伝えることの難しさを感じた」「チーム内での発言者に対する傾聴や言い換えによる整理によって、発言しやすい環境になる気づきがあった」など理解が深まった様子でした。

受講者の声

  • ワークを通して、話し合いの考え方や見方を学ぶことができた。また、仕事上で直面している問題点へのアプローチがつかめました。
  • 質の高い討議を体験することができ、今後に生かせそうです。
  • チーム活動で大事なことに対人関係の質があることを知れました。そして、自身は発信力が低いことに気づきました。
  • 心理的安全、傾聴、防衛について理解·気づきを得られました。
  • 普段感じていたことが分かりやすく言語化されており、自分の中では腑に落ちて研修を受けられました。
  • 相手の話を聞く上で何が足りてないか、何ができているかを気付くことができた。
  • 心理的安全性が、会議のスムーズさや意見・発言の出しやすさに大きく影響していることが体感的に理解できました。
  • グループワークを通して相手の言いたいことを理解することの難しさ、自分の意見を伝えることの難しさを感じました。
  • 話しやすい雰囲気がこれからの職場活動に大切だと感じました。大変勉強になりました。
  • 相手の話を聴く時、自分が話をする時に、自分はどんな心理的状況で聴いているのか話しているのか客観的に振り返ることができました。
  • 心理的安全性がないと効果的な活動ができないことを改めて確認できました。
  • 心理的安全性の確保のための新たな手法を知れました。
  • 発言しやすい環境を作る手法を改めて確認できた。そして、自分が本当にできているか、自分で心理的安全性を阻害していないかを考えさせられました。
  • 相手が本当に言いたいことを聞き出すのに環境、雰囲気が重要であることを改めて理解できたと思います。

まとめ

心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐには?職場と組織の仕組みづくりのコツを解説!について紹介してきました。

  • 心理的安全性が低いとハラスメントが起きやすい4つの理由
  • 心理的安全性とハラスメントの関係とは
  • 心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ組織的アプローチ
  • 心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ職場内でのアプローチ
  • 心理的安全性を高めてハラスメントを防ぐ仕組みづくりも重要
  • 心理的安全性を高めるための研修支援事例

ここまで、心理的安全性とハラスメントの関係性について、その予防と対策の具体的なアプローチ方法を詳しく見てきました。職場でハラスメントを防止し、全ての従業員が安心して働ける環境を作るためには、心理的安全性の向上が不可欠です。

心理的安全性が低い職場では、コミュニケーション不足による誤解や対立、過度なストレス環境による攻撃的な行動、失敗への過剰な否定による抑圧的な関係性など、さまざまな要因によってハラスメントが発生しやすくなります。これらの問題を解決するためには、組織全体での取り組みと、職場内での具体的なアプローチの両方が重要となります。

組織的なアプローチとしては、経営層からの明確なメッセージ発信、管理職への研修プログラムの実施、定期的な組織診断と改善計画の策定が効果的です。また、職場内での具体的な取り組みとしては、チーム内での相互称賛の促進、1on1ミーティングの活用、全員参加型のミーティング運営、日常的な対話を通じた相互理解の深化などが重要な役割を果たします。

さらに、これらの取り組みを継続的に機能させるためには、適切な仕組みづくりも欠かせません。定期的なモニタリング、効果的な研修・教育プログラム、安心して相談できる窓口の設置、そして管理職評価への組み込みなど、組織として持続可能な形で心理的安全性を向上させる体制を整えることが重要です。

心理的安全性の向上とハラスメントの防止は、一朝一夕に実現できるものではありません。しかし、本記事で紹介したさまざまなアプローチを組み合わせ、地道に取り組みを続けることで、必ず成果を上げることができます。すべての従業員が互いを尊重し、安心して働ける職場づくりに向けて、今日から具体的な一歩を踏み出してみましょう。

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心理的安全性研修

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代表取締役 新井澄人
代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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