社内研修の動画活用効果を最大化するコツとは?メリットやポイントを解説
「社内研修をオンラインで行いたいけれど、どうすれば効果的に動画化できるだろうか……」
と、お悩みの人事・教育担当者の方も多いのではないでしょうか。
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)や働き方改革の影響で、企業の研修スタイルは大きく変化しています。
とくに、オンライン研修が急速に普及し、動画活用も増え、その効果的な運用が重要な課題となっています。
動画による社内研修は、メリット・デメリットを踏まえた戦略的な活用が鍵となります。
本記事では、動画活用のメリットやデメリットから効果的な動画化のノウハウまで、実践的な知見をまとめました。
研修の質を高め、従業員の学びを加速させる動画活用のために、お役立てください。
▼社内研修や動画研修については下記で詳しく解説しています。
- 社内研修の作り方!効果的なプログラムとは?ポイントを解説
- 研修は社内講師で実施?実施のポイントやメリットとデメリットを解説
- 動画研修のメリット・デメリットとは?実際の作り方や活用法もわかる
- 新入社員研修で動画を活用するメリット|教材の形式や特徴を解説!
- 若手のOJTには動画教材の活用が効果あり!事例も含めて理由を解説!
▼ユニークな社内研修の事例については下記にまとめました。施策検討の参考に活用ください。
⇒社内研修の事例14選!ユニークな内容を受講者の階層別に詳しく紹介
▼社内研修の企画と運用については下記にまとめています。
▼研修用動画の作り方については下記にまとめています。合わせてご覧ください。
目次[非表示]
- 1.社内研修の動画活用5つのメリット
- 1.1.時間や場所の制約なく研修が実施できる
- 1.2.一貫した研修内容と品質を全従業員に提供できる
- 1.3.教育コストを大幅に削減し予算を最適化できる
- 1.4.学習進捗の可視化で効果測定と改善が可能になる
- 1.5.動画コンテンツの再利用で効率的に研修運営ができる
- 2.社内研修動画化のデメリットや注意点
- 2.1.コンテンツ制作や更新に時間と手間がかかるケースもある
- 2.2.受講者の集中力維持が課題になる
- 2.3.質問や議論の機会は限定的となる
- 2.4.ITスキルや学習習慣が学習効果に影響する
- 3.社内研修を動画化する実践ステップ
- 4.社内研修動画の運用・管理の5つの鍵
- 4.1.マイクロラーニング型の短時間動画で集中力を維持する
- 4.2.グループディスカッションやワークと組み合わせた発展学習を展開する
- 4.3.LMSを活用して管理を効率化する
- 4.4.受講状況のモニタリングとリマインダー機能で脱落を防ぐ
- 4.5.理解度テストやアンケートによる学習効果の定量評価を行う
- 5.まとめ
社内研修の動画活用5つのメリット
社内研修に動画を取り入れることには、さまざまなメリットがあります。まずは、5つの主要なメリットを見ていきましょう。
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時間や場所の制約なく研修が実施できる
1つ目のメリットは「時間や場所の制約なく研修が実施できる」です。
国内外に多拠点を持つ企業や、多忙でスケジュール調整が難しい従業員を多く抱える会社・組織でも、対面の社内研修を動画化すれば、時間や場所の制約がなくなります。
【動画研修で実現する柔軟な運用】
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一貫した研修内容と品質を全従業員に提供できる
2つ目のメリットは「一貫した研修内容と品質を全従業員に提供できる」です。
動画研修なら、どの従業員も同じ水準の教育を受けられます。拠点間や個人間の知識格差を解消し、組織全体をレベルアップします。
【動画研修による一貫した教育内容と品質の担保】
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教育コストを大幅に削減し予算を最適化できる
3つ目のメリットは「教育コストを大幅に削減し予算を最適化できる」です。
動画研修は、長期的に見れば大幅なコスト削減効果も期待できます。
【動画研修によるコスト削減効果】
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学習進捗の可視化で効果測定と改善が可能になる
4つ目のメリットは「学習進捗の可視化で効果測定と改善が可能になる」です。
専用プラットフォーム(LMS:学習管理システム)を利用して動画研修を配信すれば、従業員の学習進捗を可視化し、研修の効果検証と改善につなげられます。(*1)
【学習進捗の可視化によるメリット】
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*1:LMSは「Learning Management System」の略語で、データドリブン(データ駆動型、データや分析結果に基づいて判断を下すアプローチ)な研修運営を実現できる学習管理システムです。
動画コンテンツの再利用で効率的に研修運営ができる
5つ目のメリットは「動画コンテンツの再利用で効率的に研修運営ができる」です。
一度制作した研修動画は、何度でも再利用できるのが大きな魅力です。高品質な研修動画を一度制作すれば、長期にわたって活用できます。
【研修動画の再利用によるメリット】
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デジタルコンテンツは、一度作ったものを再利用や加工でき、時間を選ばず再生・視聴できます。そのため、長期的には費用対効果の高い情報資産としていくことが可能です。
以上、社内研修で動画を活用する5つのメリットをご紹介しました。
続いて以下では、デメリットや注意点などマイナス面を取り上げます。
▼動画研修のメリットについては下記で詳しく解説しています。
⇒動画研修のメリット・デメリットとは?実際の作り方や活用法もわかる
▼研修業務の効率化については下記で詳しく解説しています。
⇒研修を効率化するには?コスト削減とパフォーマンス向上の両立
社内研修動画化のデメリットや注意点
動画研修には多くのメリットがある一方、注意点もあります。
効果的な動画研修を実施するために、以下の4つのポイントを押さえておきましょう。
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コンテンツ制作や更新に時間と手間がかかるケースもある
1つ目のデメリットは「コンテンツ制作や更新に時間と手間がかかるケースもある」です。
研修動画を作るには、一定の時間と労力が必要です。
【研修動画の制作や更新に時間と手間がかかる理由】
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ただし、こうした労力の問題は、社内研修動画に求めるクオリティ次第で変わってきます。
多くの場合、社内向けの動画では、プロ級の制作レベルは必要ありません。見栄えにこだわらず、初心者でも作成できるレベルから始めれば、十分に社内研修を運用できるでしょう。
▼研修用動画コンテンツの作り方については下記にまとめています。
受講者の集中力維持が課題になる
2つ目のデメリットは「受講者の集中力維持が課題になる」です。
研修動画では、受講者の集中力を維持するための工夫が必要です。
【研修動画での集中力維持が難しい理由】
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受講者の集中力を高めるには、動画の時間を15分以内に収めるなど、コンテンツの設計段階での配慮が重要となります。
また視聴後の振り返りの場を設けるなど、研修動画と組み合わせた学習施策も効果的です。
▼動画コンテンツの主流はマイクロラーニングになっています。下記で詳しく解説しています。
⇒マイクロラーニングとは?効果の上がった事例、メリット、作り方など全解説!
質問や議論の機会は限定的となる
3つ目のデメリットは「質問や議論の機会は限定的となる」です。
動画研修では、質疑応答や議論の機会が限定的になるのも課題のひとつです。
【動画研修では質問や議論の機会が限定的になる理由】
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質疑応答の機会を設けるために、動画視聴後に講師とのオンラインセッションを設定したり、受講者同士のディスカッションの場を用意したりするなど、補完的な施策を用意しておくとよいでしょう。
動画学習と対面学習のベストミックスを目指すことが肝要です。
また、近年では、このようなeラーニング特有の課題を解決する機能を備えたLMSが登場しています。たとえば以下は、AIを活用したデジタル学習プラットフォーム「UMU」で利用可能な機能です。
UMUは、動画化した社内研修だけでなく、オフライン研修・オンライン研修・個別学習と、さまざまな学習シーンで使うことができ、相乗効果が期待できます。
詳しくは以下の資料にてご確認ください。
ITスキルや学習習慣が学習効果に影響する
4つ目のデメリットは「ITスキルや学習習慣が学習効果に影響する」です。
同じ研修動画を展開しても、従業員のITリテラシーや学習習慣のそれぞれ違い、人によって、効果に差が出る懸念があります。
【ITスキルや学習習慣が学習効果に影響する理由】
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自主的な学習習慣が身に付いていない従業員には、学習方法のアドバイスを通じてサポートしましょう。
ITスキルに不安のある従業員には、操作方法のレクチャーを事前に行うなど、きめ細かいフォローを用意します。
▼直感的に操作できるわかりやすいLMSを選定することも重要です。LMS選定については、下記もあわせてご覧ください。⇒【比較表付き】LMS(学習管理システム)11選を機能別に徹底紹介
以上、4つのデメリットを解説しました。
あらかじめ、これらのデメリットを知っていれば、動画研修の効果を最大限に引き出すための対策を講じられます。
続いて以下では、実際の作成プロセスについて、見ていきましょう。
社内研修を動画化する実践ステップ
研修動画を作成する際は、適切なプロセス・流れを踏まえることが重要です。
ここでは、効果的な研修動画を制作するための3つのステップを紹介します。
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ステップ1:研修目的と対象者を明確にしてコンテンツを設計する
1つ目のステップは「研修目的と対象者を明確にしてコンテンツを設計する」です。
組織の課題解決や人材育成の目標達成に向けて、まずは研修の目的と対象者を明確に定義します。
【研修目的を明文化するために必要な具体的アクション】
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研修の目的を明文化し、受講者に何を学んでほしいのかを明確にすれば、研修動画のコンテンツ設計の指針が定まります。
目的に合致した内容を厳選し、受講者の行動変容につながる構成を練り上げていきましょう。
ステップ2:省リソースで工夫しながら研修動画を制作する
2つ目のステップは「省リソースで工夫しながら研修動画を制作する」です。
研修動画の制作は、予算や人員に限りがある中で、いかに効率的に進めるかが課題となります。限られたリソースを最大限に活用しながら、効果的な動画を作り上げるための工夫が必要です。
【研修動画の低コスト制作テクニック】
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限られた時間や予算の中でも、創意工夫を凝らせば、十分に学習効果の高い動画を作成できます。社内にある研修の機会やテキスト、マニュアル動画など既に社内にあるものを有効活用しましょう。
社内リソースを最大限に活用しつつ、ときには外部リソースも柔軟に取り入れていきましょう。外部リソースとして質が高いものをひとつ挙げると、フランスに本社を置くCrossKnowledge社のLMS・eラーニング「CrossKnowledge」があります。
以下は、CrossKnowledge で展開可能なコンテンツの一例です。
詳しくは以下の資料にてご確認ください。
ステップ3:社内プラットフォーム(LMS)へ配信する
3つ目のステップは「社内プラットフォーム(LMS)へ配信する」です。
完成した研修動画を、効果的に配信することも重要なポイントです。社内のLMS(学習管理システム)を活用して動画コンテンツを一元管理し、スムーズに受講者に届けましょう。
【LMSを活用した研修動画の配信方法】
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このように受講者の視聴状況を適切に把握し、フォローアップしながら、研修効果の最大化を目指します。
社内研修動画の運用・管理の5つの鍵
最後に、社内研修動画の運用・管理の鍵となる5つのポイントをお伝えします。
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マイクロラーニング型の短時間動画で集中力を維持する
1つ目のポイントは「マイクロラーニング型の短時間動画で集中力を維持する」です。
研修動画の視聴において、受講者の集中力を維持することが重要な課題です。
マイクロラーニング型の短時間動画を活用すれば、受講者の注意力を保ちながら、効果的な学習を促進できます。
マイクロラーニングとは、学習内容を小さな単位に分割し、短時間で学習できるようにする教育手法です。一般的に、1つの学習項目を5分から10分程度で完結させるのが特徴です。
【マイクロラーニング型動画の特徴と効果】
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マイクロラーニング型の動画は、短時間で集中して学べる点が最大の利点です。集中力を維持できる短時間の積み重ねで、着実に知識やスキルが身に付きます。
グループディスカッションやワークと組み合わせた発展学習を展開する
2つ目のポイントは「グループディスカッションやワークと組み合わせた発展学習を展開する」です。
研修動画の視聴だけで知識を定着させ、実践に移せるレベルまでスキル習得することは、容易ではありません。
そこで、グループディスカッションやワークと組み合わせた発展学習を展開すれば、学びを深化できます。
【研修動画と組み合わせる発展学習の具体例】
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このような研修動画と発展学習の効果的な組み合わせによって、実践力の向上を図れます。
受講者同士の対話や協働を通じて学びを深化させ、業務への活用を促進していきましょう。
▼コンプライアンス研修を題材に動画+ディスカッションで研修を展開するイメージについては下記で解説しています。⇒コンプライアンス研修で不祥事防止!?ネタ切れを乗り越えるアイデアを紹介!
LMSを活用して管理を効率化する
3つ目のポイントは「LMSを活用して管理を効率化する」です。
研修動画の運用において、コンテンツ管理や配信の効率化は欠かせない要素となります。LMSを活用すれば、動画コンテンツの一元管理と配信の自動化を実現できます。
【LMSを活用した動画コンテンツ管理と配信の自動化のメリット】
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このようにLMSを効果的に活用すれば、研修動画の運用・管理業務を大幅に効率化できます。
コンテンツの一元管理や配信の自動化により、運用コストを削減しつつ、受講者の利便性を高めていきましょう。
受講状況のモニタリングとリマインダー機能で脱落を防ぐ
4つ目のポイントは「受講状況のモニタリングとリマインダー機能で脱落を防ぐ」です。
研修動画の配信後は、受講者の視聴状況を適切にモニタリングし、フォローアップすることが重要です。
未視聴の受講者に対するLMSのリマインド機能を活用すれば、脱落を防止し、研修完了率を高められます。
【受講状況のモニタリングとリマインダー機能の具体的な活用方法】
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受講者一人一人の状況に応じたきめ細やかなフォローアップにより、研修完了率の向上につなげていきましょう。
理解度テストやアンケートによる学習効果の定量評価を行う
5つ目のポイントは「理解度テストやアンケートによる学習効果の定量評価を行う」です。
研修動画の効果を測定するためには、理解度テストやアンケートによる定量評価が不可欠です。受講者の理解度や満足度を可視化すれば、研修内容の改善や、次なる研修計画の策定に役立ちます。
【理解度テストの設計と実施のポイント】
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【アンケートの設計と実施のポイント】
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理解度テストとアンケートは、LMS上で実施し、回答データを自動的に集計するとよいでしょう。集計結果をグラフ化するなど、視覚的にわかりやすくすれば、評価結果の共有がスムーズになります。
結果を分析し、研修内容の改善や、次なる研修計画の策定に生かしていきましょう。
▼eラーニングによるテストについては下記で詳しく解説しています。
⇒eラーニングテストとは?試験例から導入効果までわかりやすく解説!
まとめ
本記事では「社内研修の動画活用」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
社内研修における動画活用の5つのメリットは、以下のとおりです。
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知っておきたい社内研修の動画化のデメリットや注意点として、以下をご紹介しました。
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社内研修を動画化する実践ステップを、3つのステップで解説しました。
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社内研修動画の運用・管理の鍵となる5つのポイントは以下のとおりです。
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社内研修の動画化は、時代のニーズに即した合理的な選択肢といえます。
創意工夫を重ねながらメリットを最大化し、自社独自の研修動画を作り上げていきましょう。
『LDcube』では、AIを活用したデジタル学習プラットフォーム『UMU』とLMS(学習管理システム)『CrossKnowledge LMS』を提供しています。
いずれも人材育成や組織への定着を促す便利な機能が豊富に備わっているため、動画を活用した社内研修の展開に役立てられます。無料のデモ体験会なども行っています。お気軽にお問い合わせください。
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