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社内研修の作り方!効果的なプログラムとは?ポイントを解説

社内研修の質を高めることは、企業の成長と競争力を維持するために重要です。

しかし、多くの企業が悩んでいるのは、効果的な社内研修をどのように設計し、実施すればよいかという点です。

社員のスキルや知識を最大限に引き出すための「社内研修」の作り方には、どのようなステップと要点があるのでしょうか?
 
まず、多くの企業が直面する社内研修の課題について考えてみましょう。多くの社内研修は形式的なものに終わってしまい、参加者が退屈することが多く、十分な学びを得られないことがあります。

また、研修内容が実際の業務に直結していない場合、学んだ知識やスキルが現場で活かされにくいという問題もあります。

このような状況では、研修の効果が十分に発揮されず、結果として企業全体の成長にも結びつきません。
 
本記事では、効果的な社内研修を設計し、実施するための具体的な方法を紹介します。
 
紹介するポイントに沿って研修を作成することで、社内研修が単なる形式的なものから、実践的で効果的な学びの場に変わります。

社員が積極的に参加し、研修から得た知識やスキルを業務に活かせるようにするためには、研修設計の段階での緻密な計画と実行が不可欠です。
 
社内研修の質を高め、社員の成長を促進するために、これらの取り組みを導入しましょう。

【関連記事~各種研修については下記で解説しています~】

▼研修講師が初めての場合の対処法については下記で詳しく解説しています。
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▼社内研修の企画と実施の全体像についてまとめた参考資料は下記からダウンロードできます。

社内研修説明資料

▼研修の内製化の課題と対策についてまとめた参考資料は下記からダウンロードできます。

研修内製化資料

目次[非表示]

  1. 1.社内研修プログラムの作り方
    1. 1.1.【基本形】講義+グループワーク
    2. 1.2.書籍の活用
    3. 1.3.eラーニングや動画などの教材の活用
    4. 1.4.さまざまな学習コンテンツに触れる(自己理解を深める)
    5. 1.5.研修会社等が提供している教材を活用する
  2. 2.社内研修体系のイメージ図
  3. 3.社内研修を作る前に現状把握を行う
    1. 3.1.現状把握の重要性
    2. 3.2.現状把握の方法
  4. 4.社内研修の実施スタイルを決める
  5. 5.社内研修の前後を含めデザインする
  6. 6.研修受講者の上司を巻き込む
  7. 7.社内研修の効果測定を実施する
  8. 8.社内研修をバージョンアップする
  9. 9.研修でプロが使っているプログラム
    1. 9.1.LIFOプログラム(Life Orientations:ライフォ)
    2. 9.2.HEP(Human Element Program:ヘップ)
    3. 9.3.​​​​​​​ITS(Innovative Thinking System:アイ・ティ・エス)
    4. 9.4.SBRP(Strength Based Resilience Program)(エス・ビー・アール・ピー)
  10. 10.社内研修の作り方のまとめ

社内研修プログラムの作り方

研修プログラムの作り方イメージ

社内研修プログラムは下記の基本形をベースにしながら、他の要素も組み合わせて作っていきます。

(社内研修プログラムの作り方)

  • 【基本形】講義+グループワーク
  • 書籍の活用
  • eラーニングや動画などの教材の活用
  • さまざまな学習コンテンツに触れる(自己理解を深める)
  • 研修会社等が提供している教材を活用する

それぞれのポイントを解説しています。

【基本形】講義+グループワーク

研修の基本は「知っている人から知らない人に教える」というものです。

そのため、知っている人が知らない人にテーマや内容について講義をして「教える・伝える・広める」ということがベースになります。

それだけではなく、内容をより具体的にイメージが持てるようにさまざまなグループワークを取り入れ、受講者に手や口、体を動かしてもらうことを通じて理解を深めてもらいます。

▼参考として新入社員研修で活用できるグループワークについて紹介しています。
⇒新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上!

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書籍の活用

研修講師自身が読んでとても学びになったという書籍があれば、その書籍を活用して考え方を伝えていき、広めていくということが有効です。

なぜなら、「知っている人から知らない人に教える」ことを考えた場合、研修講師が全てのことを知り、把握できているわけではないからです。

書籍の読了を事前課題として受講者に提示し、研修内では書籍を通じて学んだことの共有や、実務にどのように生かせそうかについてディスカッションすることも有効な手段です。

研修講師はさまざまな領域にアンテナを張り、書籍を読むなどして常に知見を高めていこうとする姿勢が重要です。

eラーニングや動画などの教材の活用

世の中には書籍のみならず、さまざまな教育用のeラーニングがあり、それらの活用も効果的です。

最近では動画共有サイトに知識学習ができるものが多くあります。すでに世の中に存在していて無料で活用できるものは研修でも積極的に活用することをおすすめします。

見てもらいたい動画にアクセスできるURLを受講者に案内し、見てもらうことで、動画作成の手間をかけずに、伝えたい考え方や知識を伝えることが可能です。

また、コンテンツを整理して体系立てしたeラーニングも多く存在します。

研修サービス提供会社などが提供するeラーニングは有料のものが多いですが、高品質で学習効果が高いものや、なかなか直接に会えない著名MBA教授によるコンテンツなどもあります。

さまざまなレベルのコンテンツがありますので、目的に応じて使い分けるのが良いでしょう。

これらを書籍同様に活用することも学習の効率性、効果性を高めることにつながります。

▼以下でeラーニングの選び方など詳細に解説しています。合わせてご覧下さい。
⇒eラーニングプラットフォームとは?失敗しない5つの選定ポイント

  【企業向け】eラーニングプラットフォームとは?失敗しない5つの選定ポイント 企業におけるeラーニングプラットフォームは、社員のスキル向上や専門知識の習得、業務能力の向上を促進する重要な役割を果たします。 より効率的な学習と適切な評価を実現したい場合には、高いユーザビリティや学習の進度、成果を可視化できる機能などが求められます。 この記事では、eラーニングプラットフォームの基礎知識や失敗しない5つの選定ポイントなどを紹介します。 株式会社LDcube


さまざまな学習コンテンツに触れる(自己理解を深める)

世の中に存在するさまざまなコンテンツを活用しながら、自分が何を分かっていて、何を分かっていないかについて自己理解を深めていくことが重要です。

なぜなら、社内での学びだけではなく、世の中で通用するビジネスパーソンになっていくためには、自社の枠を超え、ビジネスパーソンとして活躍するために必要な事柄を自主的に学んでいくことが求められるからです。

例えば、1つの組織に長い間在籍していると、組織内での実務に精通し、自分は全て知っているような気持ちになってしまうことがあります。

しかし、世の中は広く、まだまだ学習しなければならないことは山ほどあります。

研修プランニングにおける現状把握の重要性と同じく、「自分はかなりのことを知っている」という自己理解では新しいことを学習しようとする行動にはつながりにくいです。

さまざまなコンテンツに触れることを通じて「自分が知っている範囲には偏りがある、もっともっとさまざまなことを学習していく必要がある」と思えば、自主的な学習も加速します。

立場が上になるにつれ、他者からの指導・アドバイスの機会は減っていきます。

さまざまな情報源から自己理解を深めていく必要を認識しておくことが重要です。

その点において研修サービス提供会社などが提供するeラーニングの活用は効果的です。

▼ 自己理解については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒自己理解を深める方法!5つの情報源について解説

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研修会社等が提供している教材を活用する

研修プログラム構築の基本形や使えるツールなどについてご紹介してきていますが、今まで紹介してきたもののほかに、研修実施のプロが使っている教材を活用することも効果的です。

研修の実施を仕事としている人たちは、常に1から研修プログラムを構築しているというわけではなく、いくつかの使いこなせる教材・プログラムを持っていて、それをテーマに応じて使い分け、研修を成功へと導いているのです。

例えば、コミュニケーションをテーマに使いこなせる教材・プログラムを持っていれば、「新入社員のコミュニケーション力向上」というテーマでも応用ができますし、「管理職の1on1時のコミュニケーション力向上」といったテーマでも活用ができます。

研修のプロ講師はいくつかの分野において教材・プログラムを使いこなせる応用スキルを習得しているのです。

社内で研修実施をする際にもプロ講師が活用している教材・プログラムを活用することによって品質の高い社内研修を展開することが可能となります。

▼研修実施にかかる費用については下記で詳しく解説しています。
⇒研修実施に伴う費用とは?外部講師から内製化の相場まで解説!

  研修実施に伴う費用とは?外部講師から内製化の相場まで解説! 本記事では、社員の成長と企業の発展にむけ社員研修を実施する際、外部講師を活用した場合と、社内講師を活用した場合の研修費用・相場について解説し、費用を抑えて効果を最大化するポイント(外部講師の教材活用、オンラインの活用)等を紹介していきます。 株式会社LDcube


社内研修体系のイメージ図

各研修を作ったら、それを体系立てて整理しておくことも重要です。多くの組織では、研修を階層ごとや目的ごとに整理して、次のような研修体系に基づいて、研修プログラムを準備しています。

【整理する切り口】

  • 階層別研修
  • アセスメント研修
  • 目的別研修
  • 職種別研修
  • 選抜型研修
  • eラーニング

教育体系図のイメージ 多くの組織では人事管理システムと教育体系を紐づけて運用しているケースが多いです。

各等級ごとに求められる能力などを啓発するために階層別研修を組み立てるなどです。

  • 階層別研修は階層ごとにテーマを設定し、各階層の社員に期待するテーマに基づいて研修プログラムを構築します。例えば管理職研修には仕事の管理や人の管理などマネジメントや部下育成をテーマにした研修を、中堅社員には期待役割を検討しながらモチベーションアップにつながるテーマを、新人にはビジネスマナーや社会人としての基礎をテーマにした研修などを企画するイメージです。

  • アセスメント研修では、昇進昇格、特に管理職登用時、上級管理職登用時には、昇格する階層において職務を全うできる能力・意欲・考え方が培われているかどうか評価するケースが多いです。

  • 目的別研修では、組織内で複数の階層にまたがりながら、“今”必要なテーマを設定し、指名や手挙げ式などのスタイルで研修受講者を募って展開します。受講者は希望すれば参加できる場合がほとんどです。 また、目的別研修の中には、コンプライアンス研修など全社員を対象に行う形式のものもあります。
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  • 職種別研修では、各部門・現場の育成担当者が専門知識や実務スキル、技術の向上に向けてOJTも含めさまざまな育成施策を検討しています。

  • 選抜研修は、対象を選抜して次世代リーダー育成プログラムなどを展開します。このプログラムは、対象者に担当実務の枠を超えてビジネスリーダーとしての素養を高めてもらうことを目的としています。
最近では、階層別研修や目的別研修を補完する手段としていつでもどこでも誰でも学べるeラーニングの活用した能力開発の進め方も増えています。

このような体系に基づいて各種社内研修プログラムが組まれています

▼階層別研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。 ⇒階層別研修とは?達成すべき目標や習得させたい知識・スキルを徹底解説

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▼ 選抜研修については下記で解説しています。合わせてご覧ください。 ⇒次世代リーダー育成の【最重要ポイント】とは!? その鍵はタスクアサイン!

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社内研修を作る前に現状把握を行う

社内研修を作る際には、作る前に現状把握を行い、人材育成上の課題をつかむことが重要です。

なぜなら、研修は人材育成上の課題を解決するための1つの手段であるからです。しっかりと課題をつかんだ上で、その課題を解決する手段として研修を作らないと、研修の良し悪しなどの検証もできません。

PDCAサイクル:効果的な人材育成に向けて

    RPDCAのマネジメントサイクル Research:現状把握

    • 現状を診断し、事実をつかむ

    Plan:計画づくり

    • 戦略・方針にのっとり人財育成目標を明確にする
    • 複数の計画を立案する
    • 最適な計画を決定する

    Do:実施

    • やるべき研修などをリストアップする
    • 役割とその分担、手順手続き、スケジュールをつくる
    • 研修の実施
    • 状況の変化が生じた場合、期待する効果が出ていない場合は、調整、軌道修正する

    Check:評価

    • 計画との差異を明確にする
    • 差異が生じた要因や理由を明確にする
    • 実施の効果を確認する

    Act:修正処置

    • 差異を埋めるための手段を検討する
    • 差異が生じた要因の解決策を検討する
    • 次の計画につなげるために一連の取り組みを振り返る
    • 必要に応じて軌道修正を行う

    現状把握の重要性

    研修プログラムなどの具体的な施策の検討に入る前に、まず人材育成上の課題についてリサーチし、現状把握することが重要です。

    この現状把握の内容に基づいてその後の計画、実施、評価、修正処置が行われるため、現状把握の内容がずれると施策が全てずれることとなります。

    そのため、現状把握が一番重要だと言っても過言ではありません

    しかしながら、歴史ある組織ではこれまで多くの研修が実施されてきて、現状把握をしっかりとせずに、今ある研修プログラムの見直しなどに目が行きやすいため、注意が必要です。

    定期的にしっかりと現状把握することをおすすめします。

    現状把握の方法

    現状を把握するためには下記4つの方法があると言われています。

    現状把握のための4つの方法

    • 質問紙法(アンケート法) → サーベイの活用
    • 観察法(オブザベーション法)
    • 記録法(ドキュメント法)
    • 面接法(インタビュー法)

    現状把握において一番活用されている方法が質問紙法です。つまりアンケートの活用です。

    アンケートで従業員に現在の認識や課題感などについて調査する方法です。

    あまりコストもかからず手軽に活用できることから多くの組織に取り入れられています。

    2つ目は観察法です。これは現場に行き、従業員がどのような動きをしているかなどを観察して意図通りの動きになっているかを確認する手法です。

    例えば、現場のオペレーションの手順を変更したときに、古いやり方ではなく、新しいやり方でオペレーションが展開されているかを確認します。

    3つ目は記録法です。ドキュメント法とも言いますが、現場で実際に使われている帳票類などを調査する方法です。

    各帳票が意図通りに論理的に整合性のとれた運用になっているかなど記録を調べます。

    例えばOJT計画シートなどがきちんと意図通りに運用されているかどうかを調べます。

    4つ目は面接法です。これはインタビュー法とも言います。現場で働いている従業員に直接話を聞くことによって現状を把握します。

    例えば、「今期の方針・重点課題」を掲げているとして、現場の従業員に「今期の方針・重点課題はどのようなものですか?」とインタビューすることによって、その浸透度合いなどの現状を把握することができます。

    この4つの方法の中では、手軽で活用しやすい質問紙法(アンケート法)と面接法(インタビュー法)の組み合わせが多く活用されています。

    ▼そもそもなぜ人材育成するのかなど、人材育成についての大切なことについては以下で解説しています。合わせてご覧ください。⇒人材育成で大切なこととは?「新時代」の課題と成功のポイントなどを解説!

      人材育成で大切なこととは?「新時代」の課題と成功のポイントなどを解説! 本記事では人材育成において、大前提として大切なことと、「新時代」に求められる人材育成の課題、ポイントや考え方について解説します。新時代には学習行動のデータの取得と活用が重要となります。合わせて担当者に必要なスキルなどについても徹底解説します! 株式会社LDcube


    社内研修の実施スタイルを決める

    研修の実施スタイルのイメージ

    研修を行うべき背景・課題が確認でき、研修プログラムに関しても構築が進んでくれば、研修のやり方についての実施スタイルを決める必要があります。

    コロナ前は集合研修がほとんどでしたが、コロナ禍を経てさまざまな実施方法が検討されています。研修内容と整合性の取れた研修スタイルにすることが望まれます。

    一般的には集合研修スタイルとオンライン研修スタイルのメリットとデメリットは下記です。

    集合研修のメリット

    • 場の空気感による規範づくりができる
    • 実技習得がしやすい
    • 一体感が醸成しやすい

    集合研修のデメリット

    • 集合するためにコストがかかる(移動時間・交通費など)
    • 効果を高めることよりもコストを重視せざるを得ない

    オンライン研修のメリット

    • アダプティブ・ラーニング(個別適応学習)が実現できる 
    • 繰り返し学習ができる
    • 場所(や時間)の制約がなくなる

    オンライン研修のデメリット

    • その場の空気感などが醸成しづらい
    • 懇親会などの副次的な要素のリアリティーが薄くなる

    社内研修の場合、テーマは多岐にわたります。研修内容とその目的に対応して研修スタイルを選択することが必要です。

    注意点としては、コロナ禍の2020年~2022年にかけて、それまで当たり前だった集合研修ができず、オンライン研修で代替した組織が少なくありません。

    集合研修とオンライン研修では代替できる内容とできないものがあります。その点を精査してプログラムを構築していく必要があります。

    現在、新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたことから、これまでできていなかった集合研修を復活させるという現象が起きています。

    オンラインでの学習の方が効果的な内容やテーマもありますが、オンライン向きの内容やテーマを集合研修スタイルで実施しようとするとコストアップにつながるケースが多いため注意が必要です。

    研修プログラムを作っていく際には実施スタイルも踏まえて組み立てる必要があります。

    集合研修には同じ時間、同じ場所に集まって、つながりや一体感、帰属意識を醸成するという狙いもありました。この点はオンライン研修の弱いところでもあります。

    これからの時代は、効果的な学習はオンラインで行い、つながりや一体感の醸成は集合研修から場面を変え、BBQ大会を開催するなど方法を変えることを考えると良いでしょう。

    その方が結果としてメリハリが利いて、それぞれの施策の効果が確認しやすくなります。

    社内研修の前後を含めデザインする

    研修事前事後の流れのイメージ

    研修プログラムは「研修当日何を行うか」ということがメインだと思われがちですが、そうではありません。

    なぜなら、「40:20:40の法則」があるからです。

    研修プログラムにおいての重要度としては、研修の事前学習が40%、研修当日の学習が20%、研修の事後学習が40%と言われています。

    研修当日に何を実施するかということよりもその前後の学習の方が重要なのです。

    従来研修当日に行っていた講義を動画にして事前課題として切り出して学習してもらい、研修当日は受講者が集まっていないと実施できないワークやディスカッションをメインに進め、事後は学習内容の実践や実践を通しての意見交換を中心に進めるというでの展開が主流になっています。

    これは「反転学習」とも言われ、従来の研修展開の順序を入れ替えた方法です。

    研修当日の内容よりも事前や事後に、どのような学習行動を取ってもらうかのデザインの方が効果的な学習においては重要です。そこまで含めて研修プログラムを組み立てていく必要があります。

    反転学習をデザインする

    事前学習⇒集合研修⇒事後学習のイメージ

    • 事前学習ではマイクロラーニングによる学習はもちろんのこと、終了テストや事前学習を通じての質問など、さまざまな工夫をして事前の学習効果を高めます。

    • 集合研修ではリアルタイムアンケートや学びの共有で関与意識を高めたり、リアルタイムでの理解度テストで正答率の低いものについて重点的に解説したりなど、双方向のトレーニングを実現します。

    • 事後学習はサポート動画や実践課題を課し、実践状況を動画で提出するなど学びの定着を狙っていきます。

    研修前から動機付けや事前知識のインプットをはじめ、研修受講に対する準備をしていきます。

    レディネスの形成とも言います。研修中には参画意識を高め、自分でも学んだことが実践できそうだという機運を醸成していくことがポイントです。

    そして事後には受講者が学んだことを実際に行動に移すためのサポートや、実践したことの定着を図るための学びあう支援などを用意しておくことがポイントです。

    それらをトータルに考えた研修プログラムを作っていく必要があります。

    社内で研修を担う担当者や研修講師の役割は研修当日のカリキュラム運営のみならず、その前後の充実化を図り、職場での実践につなげることです。

    一定期間後に効果検証も必要です。計画時に「職場で実践してほしいこと」が実践されているか確認しましょう。

    ▼オンラインでの研修実施が増えました。オンライン研修のポイントについて徹底解説しています。合わせてご覧ください。⇒オンライン研修成功の秘訣:メリット・デメリット、背景にある企業内人材育成の流れまで徹底解説!

      オンライン研修成功の秘訣:メリット・デメリット、背景にある企業内人材育成の流れまで徹底解説! オンライン研修には多くのメリットがある反面、注意しないと効果を下げてしまうデメリットもあります。オンライン研修を効果的に実施する上でのコツやポイント、ツールについて解説します。合わせてなぜそのような方法が効果的なのか企業内人材育成の状況などの背景も含めて紹介します。 株式会社LDcube


    研修受講者の上司を巻き込む

    上司を巻き込むイメージ

    研修受講者の上司の巻き込みを図るもとても重要です。

    なぜなら、「トレーニング(研修)の効果よりも、上司の直接的な関わりの方が影響力は大きい」と言われているからです。

    職場で働く人々は、評価される基準で動きます。評価するのは職場の上司です。

    そのため、研修で学んだことを職場で実施した際に、それを上司が評価すると、その行動は強化され、より実践されやすくなります。

    逆に上司が研修の存在などを知らずに「それはそれとして、こうやって」と指示を出せば、職場メンバーはその指示に従って動きます。

    たとえ研修で新しいやり方を教えたとしてもそのやり方には従いません。

    より高い研修効果を得るには、このメカニズムを理解し、上司を研修に巻き込む必要があります。

    研修実施の前段階から上司にアンケートを実施したり、研修実施に当たって説明会を実施したり、上司の方々の意見を吸い上げた上で研修プログラムを構築・運営できると、上司の方々の協力も得やすくなります。

    研修を計画する人は、上司の巻き込みが重要であるということも押さえた上で、研修をプランニングしていく必要があります。

    社内研修の効果測定を実施する

    研修の効果測定のイメージ

    研修プログラムを作成し、実施した後はPDCAサイクルに基づき、しっかりとチェックし、効果を測定する必要があります。

    効果検証について下記の記事を参照してください。

    ▼効果測定については下記で詳しく解説しています。詳細はこちらをご覧ください。
    ⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説

      人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説 企業における人材育成の効果測定は、学習プログラムや研修の費用対効果、社員の成長度合いを可視化するために重要なものです。 効果測定にはさまざまなフレームワークや手法があり、社員の知識やスキルの取得を定量的に評価する方法や、研修後のパフォーマンス指標を比較する方法があります。 この記事では、人材育成の効果測定における重要な観点や具体的な評価項目などを解説します。 株式会社LDcube


    社内研修をバージョンアップする

    バージョンアップのイメージ

    現場で働く社員にパフォーマンスを発揮してもらうには、これまでの研修実施のやり方を当たり前とするのではなく、時代に合わせてバージョンアップしていく必要があります。

    なぜなら、コロナ禍を経て研修のやり方も様変わりしてきており、入社してくる社員の価値観も変わってきているからです。

    バージョンアップには、動画などのデジタルコンテンツを活用し、学ぶということに特化したラーニングプラットフォームで運用することが効果的です。

    AIテクノロジーを取り入れたラーニングプラットフォーム「UMU」を活用することで、社内研修にさまざまなバリエーションを持たせ、研修の効果性を高めることが可能です。

    ▼社内研修での動画活用については下記で詳しく解説しています。併せてご覧ください。
    ⇒社内研修の動画活用効果を最大化するコツとは?メリットやポイントを解説

      社内研修の動画活用効果を最大化するコツとは?メリットやポイントを解説 動画を活用したオンライン研修が急速に普及し、効果的な運用が課題となっています。動画による社内研修は戦略的な活用が鍵です。本記事では、動画活用のメリットやデメリット、効果的な動画化のノウハウなど実践的な知見を解説します。 株式会社LDcube

    ▼AIプラットフォームを活用した研修のイメージについては下記をご覧ください。
    ⇒UMUを研修に導入する5つのメリット!革命的な機能を紹介

      UMUを研修に導入する5つのメリット!革命をもたらす多様な機能 研修を促進する学習プラットフォームは、企業や個人の課題に即したサービスを選ぶことが非常に重要です。 AIデジタル学習プラットフォームのUMU(ユーム)なら、あらゆる学習スタイルを組み合わせて必要な学習プログラムを簡単に設計できます。 この記事では、UMUを研修に導入するメリットや、研修をカスタマイズできる多様な機能について解説します。 株式会社LDcube

    研修でプロが使っているプログラム

    研修のプロのイメージ

    研修でプロが活用しているプログラムを使うことも効果が高いです。

    なぜなら、多くの人材育成シーンで活用され、効果が実証されてきた研修プログラムであり、プログラムの進め方が体系化されており、進め方をきちんと学んで研修を行うことで、プロさながらの研修が社内で展開できるからです。

    株式会社LDcubeではプロ講師、社内講師向けに4種類の研修プログラムを提供しています。

    これら4種類のプログラムを研修のテンプレートとして活用することで、無駄のない面白い研修を作ることができます。

    • LIFOプログラム(Life Orientations:ライフォ)
    • HEP(Human Element Program:ヘップ)
    • ITS(Innovative Thinking System:アイ・ティ・エス)
    • SBRP(Strength Based Resilience Program)(エス・ビー・アール・ピー)

    簡単にプログラムの種類と特徴を紹介いたします。詳しくは下記関連ページをご覧ください。

    LIFOプログラム(Life Orientations:ライフォ)

    LIFOプログラムは、自己の強みやスタイルを発見し、自己啓発を促すプログラムです。

    受講者は、行動科学に基づいて、個人の指向性や行動スタイルから個人の「強み」を理解し、その強みをコントロールすることで、対人関係の円滑化を図ることができます。

    このプログラムの汎用性(はんよう)が高く、コミュニケーション研修、タイムマネジメント研修、コーチング研修、セールス研修、OJT研修を含むさまざまな研修で活用できます。
    ⇒LIFOプログラムについての詳細はこちらをご覧ください。

    ▼コミュニケーション研修については下記で解説しています。
    ​​​​​​​⇒​​​​​​コミュニケーション研修とは何をする?目的や具体的な内容・進め方

      コミュニケーション研修とは何をする?目的や具体的な内容・進め方 円滑なコミュニケーションは、業務効率を高め、職場に活力をもたらす重要な要素です。一方、コミュニケーション不全は、組織力低下を招く恐れがあります。本記事ではコミュニケーション研修の目的や内容、対象者別のポイント、効果測定まで、網羅的に解説します。 株式会社LDcube

    HEP(Human Element Program:ヘップ)

    HEPは個人が自身の力を最大限に発揮するための環境とツールを提供するプログラムです。

    組織内で生じる問題の約80%は人間の感情が原因とも言われています。HEPはその根源となるセルフエスティームについて理解を深め、高めていくことを狙いとしています。

    HEPはどのような状況であっても、柔軟な心持ちで行動することができる個人の能力を育成します。

    多くの組織の方々にHEPを受講していただくことで、組織の活性化や生産性の向上に寄与します。 ⇒HEPについての詳細はこちらをご覧ください。

    ▼セルフエスティームについては下記で詳しく解説しています。
    ⇒セルフエスティーム(自尊感情)とは?

      セルフエスティーム(自尊感情)とは?公式や測定尺度・高める方法 セルフエスティームとは、自分で自分自身を価値あるものとして尊重する感覚です。心理学の概念であり、「自尊感情」の日本語訳が多く用いられています。本記事では、その意味や類語との違いを解説し、高さを測る尺度や公式を紹介します。 株式会社LDcube

    ​​​​​​​ITS(Innovative Thinking System:アイ・ティ・エス)

    「革新(イノベーション)=『創造性』+『実践』」がコンセプトで創造性を開発するプログラムです。

    コンセプトをベースに、革新的思考を啓発するとともに、革新的思考から生まれたアイデア、考え方、アプローチの仕方を実践に結びつけていきます。

    そして、そのために必要な実践思考能力と、プレゼンテーションスキルをそれぞれ向上します。 ⇒ITSについての詳細はこちらをご覧ください。

    ▼創造性については下記で詳しく解説しています。
    ⇒​​​​​​​創造性とは何か?ビジネスパーソンに必要なクリエイティビティの本質

      創造性とは何か?ビジネスパーソンに必要なクリエイティビティの本質 欧米企業の多くで、「クリエイティビティ(創造性)」が、採用や人事評価の重要指標として位置づけられています。本記事では、ビジネススキルとしての創造性の本質、長けている人の特徴、創造性を高めるための方法などについて必要な情報を包括的に解説します。 株式会社LDcube


    SBRP(Strength Based Resilience Program)(エス・ビー・アール・ピー)

    個人が逆境に立たされたとき、その逆境を乗り越える力(レジリエンス)を育むプログラムです。

    環境変化の激しい現代において、レジリエンスは、あらゆるビジネスパーソンに必要な能力となります。

    レジリエンスとは、「再起力」や「復活力」とも呼ばれ、厳しい環境に立ち向かい、力強く成長するスキルです。

    このスキルは困難を乗り越える力と目標に希望を持つ力の2つの面から成り立つと言えます。 ⇒SBRPについての詳細はこちらをご覧ください。

    ▼レジリエンス研修については下記で詳しく解説しています。
    ⇒ レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素​​​​​​​​​​​​

      レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素 ストレスや逆境に直面しやすい現代のビジネスシーンでは、困難な状況でも立ち向かって前に進む力、つまり、高いレジリエンスを持った人材が必要です。そんな人材育成のためにはレジリエンス研修が有用です。研修の概要や得られる効果、代表的な要素について解説します。 株式会社LDcube

    社内研修企画と実施資料

    【関連情報(おまけ)】

    現在研修を受ける若手世代はZ世代と呼ばれる世代であり、学び方が変わってきています。

    今後の研修の効果性向上、成功のポイントとして動画などの活用が必要不可欠になってくると考えられます。その点も視野に入れて社内研修のあり方を考えていく必要があります。

    実際に、総合文具メーカーのコクヨ株式会社が2020年に行った「中高生の学びに関する実態調査レポート」でのアンケートによると、
    「勉強に関する情報をどこから得ますか?」という問いに対し、
    「YouTubeなどの動画サイト」と回答した学生が一番多い結果となっています(回答人数:824名)。

    コクヨの学び方に関するアンケート結果画像

    ※コクヨ株式会社「中高生の学びに関する実態調査レポート」を参考に作成

    ▼若手世代へのOJTなどで動画活用が効果的な理由については下記で詳しく解説してます。
    ⇒若手のOJTには動画教材の活用が効果あり!事例も含めて理由を解説!

      若手のOJTには動画教材の活用が効果あり!事例も含めて理由を解説! 現代の若手社員やこれから入社してくる世代は「動画を見て学ぶ」という癖が付いています。この記事では、若手社員の成長スピードを上げるためのOJT動画化手法について詳しく解説しています。この記事の内容を実践いただき、若手社員の成長スピードアップにお役立てください。 株式会社LDcube


    社内研修の作り方のまとめ

    効果的な社内研修プログラムの作り方とは?社内研修を通じた人材育成方法のポイントについて説明してきました。

    • 社内研修プログラムの作り方
    • 社内研修体系のイメージ
    • 社内研修を作る前に現状把握を行い、課題をつかむ
    • 社内研修の実施スタイルを決める
    • 社内研修の事前事後を含めデザインする
    • 研修受講者の上司を巻き込む
    • 社内研修の効果測定を実施する
    • 社内研修を新時代にバージョンアップする
    • 研修でプロが活用しているプログラムを使う

    社内研修の作り方としては、基本形をベースに他の要素も組み合わせることです。

    • 【基本形】講義+グループワーク
    • 書籍の活用
    • eラーニングや動画などの教材の活用
    • さまざまな学習コンテンツに触れる(自己理解を深める)
    • 研修会社等が提供している教材を活用する

    研修を作る際には、まず現状把握を行い、人材育成上の課題をつかむことから始めましょう。そして、研修の実施スタイルや研修そのものではなく、その前後のデザインの重要性や上司の巻き込み、効果測定、新時代に合わせてのアップデートしていくことも大切です。

    プロが活用しているプログラムは下記4種でした。

    • LIFOプログラム(Life Orientations:ライフォ)
    • HEP(Human Element Program:ヘップ)
    • ITS(Innovative Thinking System:アイ・ティ・エス)
    • SBRP(Strength Based Resilience Program)(エス・ビー・アール・ピー)

    これらを活用することで、プロさながらの研修を社内で展開することができます。

    コロナ禍を経て研修のあり方や実施方法は大きく変わってきています。

    研修の目的やゴールに合わせて集合・オンラインなどうまく組み合わせて最大限の効果狙える学習設計が望まれます。

    株式会社LDcubeでは、社内研修の実施に向けて、現状把握のツールや、プロ講師が活用している研修プログラム・教材、社内講師養成講座、効果測定のためのプラットフォームを提供し、社内研修実施の生産性向上、パフォーマンス向上の支援をしています。お気軽にご相談ください。

    ▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

    社内研修企画と実施資料


    ▼社内講師が効果的な研修運営を行った事例について紹介しています。合わせてご覧ください。

      自律自走できる人材が育つエンゲージメントの高い職場づくり【SBRP活用事例】 自分たちの組織を自分たちでエンゲージメントの高い組織にするために、まず現場のメンバーがお互いを育て、自主的に関わることが重要だと考え、その手段として社内でSBRP(レジリエンスプログラム)を活用いただいている事例です。 株式会社LDcube

    ▼研修プログラム関連資料

    LIFO資料

    SBRP資料

    HEP資料

    ITS資料

    ▼関連記事はこちらから。

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    代表取締役 新井澄人
    代表取締役 新井澄人
    株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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