
1on1ミーティングで話すネタはこれで解決!おすすめ最新テーマ一覧を具体例でポイント解説
1on1ミーティングは、部下とのコミュニケーションを深め、成長を促すための重要な機会ですが、「どんなテーマで話せば良いのか」と悩む方も多いかもしれません。
実際に、リクルートマネジメントソリューションズによる「1on1ミーティング導入の実態調査」において、1on1ミーティングにより上司部下の関係性が良くなったなどの効果がある一方、上司の面談スキル不足など課題も明らかになったという結果も出ています。
また、MENTAGRAPHが実施した調査では、1on1について、「毎回似たような内容の繰り返しになっている」と回答した人は51.9%。また、42.8%が「表面的な会話にとどまり、本質的な議論に発展しない」とし、マンネリ化や形骸化してしまっている実態が明らかになっています。
本記事では、そのような悩みを抱えるマネジャーやリーダーに向けて、1on1ミーティングのおすすめネタやテーマを具体的に紹介します。最新のニーズに応じたテーマ選びのポイントや、部下の成長段階に応じたアプローチ方法も解説します。
まず結論として、以下に対象者別でネタ一覧をご紹介します!
対象者 | ネタ |
若手社員向け(新人〜3年目) | 業務理解・基本スキルの習得状況 |
目標設定・KPIの落とし込み | |
成果・成功体験の振り返り | |
人間関係・チームコミュニケーション | |
学習・スキルアップの計画 | |
中堅社員向け(4〜7年目) | 業務改善・プロセス見直し |
担当領域の戦略性・優先順位設計 | |
マネジメント準備・リーダーシップの相談 | |
キャリア形成・専門スキル強化 | |
他部署・他チームとの連携課題 | |
管理職・リーダー向け | メンバー育成の質向上 |
組織課題の特定と改善アクション | |
戦略実行の進捗確認 | |
自身のマネジメント課題の棚卸し | |
心身コンディション・負荷管理 | |
ハイパフォーマー向け | ストレッチ課題と挑戦機会の設計 |
キャリアビジョンを実現するロードマップづくり | |
強みの最大活用(任せる領域の最適化) | |
燃え尽き防止(過負荷・期待の歪み確認) | |
影響力・リーダーシップ強化 | |
モチベーション低下社員向け | モチベーション低下の原因特定 |
価値観・やりがいの棚卸し | |
期待役割の再定義 | |
負荷軽減・業務調整の相談 | |
小さな成功体験の再構築 | |
リモートワーカー向け | 業務進捗の見える化・目標の再確認 |
孤独感・コミュニケーション課題のヒアリング | |
自律的な働き方・時間管理の相談 | |
働く環境・集中しにくい要因の共有 | |
チーム連携強化の方法 |
上記を参考に、対象者別に1on1ミーティングの適切なネタを選んでください。
本記事では、若手社員から管理職、さらにはリモートワーカーまで、それぞれの特性に合ったネタの選び方を詳しく説明します。ミーティングをより有意義に、そして効果的に進める方法を提案します。
さあ、1on1ミーティングを充実させ、部下とともにより良い仕事環境を築いていきましょう。
▼効果的な1on1ミーティングに関する資料はこちらから
▼1on1や部下についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
▼コミュニケーションについてはテーマに合わせて下記で解説しています。
目次[非表示]
- 1.1on1ミーティングのおすすめネタ一覧
- 2.若手社員向け(新人〜入社3年目)
- 2.1.業務理解・基本スキルの習得状況
- 2.2.目標設定・KPIの落とし込み
- 2.3.成果・成功体験の振り返り
- 2.4.人間関係・チームコミュニケーション
- 2.5.学習・スキルアップの計画
- 3.中堅社員向け(入社4年目〜7年目程度)
- 3.1.業務改善・プロセス見直し
- 3.2.担当領域の戦略性・優先順位設計
- 3.3.マネジメント準備・リーダーシップの相談
- 3.4.キャリア形成・専門スキル強化
- 3.5.他部署・他チームとの連携課題
- 4.管理職・リーダー向け(課長・マネジャー層)
- 4.1.メンバー育成の質向上
- 4.2.組織課題の特定と改善アクション
- 4.3.戦略実行の進捗確認
- 4.4.自身のマネジメント課題の棚卸し
- 4.5.心身コンディション・負荷管理
- 5.ハイパフォーマー向け(期待・任され度が高い層)
- 5.1.ストレッチ課題と挑戦機会の設計
- 5.2.キャリアビジョンを実現するロードマップづくり
- 5.3.強みの最大活用(任せる領域の最適化)
- 5.4.燃え尽き防止(過負荷・期待の歪み確認)
- 5.5.影響力・リーダーシップ強化
- 6.モチベーションが低下している部下向け
- 6.1.モチベーション低下の原因特定
- 6.2.価値観・やりがいの棚卸し
- 6.3.期待役割の再定義
- 6.4.負荷軽減・業務調整の相談
- 6.5.小さな成功体験の再構築
- 7.リモートワーカー向け(在宅中心)
- 7.1.業務進捗の見える化・目標の再確認
- 7.2.孤独感・コミュニケーションの課題ヒアリング
- 7.3.自律的な働き方・時間管理の相談
- 7.4.働く環境・集中しにくい要因の共有
- 7.5.チーム連携強化の方法
- 8.1on1ミーティングのネタやテーマにどうしても困ったら
- 9.1on1ミーティングのネタは部下に合わせて選ぼう
- 10.部下に合わせたネタ選びには行動特性診断「LIFO®」がおすすめ
- 10.1.自己診断ツールLIFO®とは
- 10.2.LIFO®を活用したコミュニケーション研修
- 11.部下との1on1ミーティングにLIFO®を活用した支援事例
- 12.まとめ|1on1のネタは相手に合わせて選ぼう
1on1ミーティングのおすすめネタ一覧

1on1ミーティングのネタ一覧は、以下の通りです。
対象者 | ネタ |
若手社員向け(新人〜3年目) | 業務理解・基本スキルの習得状況 |
目標設定・KPIの落とし込み | |
成果・成功体験の振り返り | |
人間関係・チームコミュニケーション | |
学習・スキルアップの計画 | |
中堅社員向け(4〜7年目) | 業務改善・プロセス見直し |
担当領域の戦略性・優先順位設計 | |
マネジメント準備・リーダーシップの相談 | |
キャリア形成・専門スキル強化 | |
他部署・他チームとの連携課題 | |
管理職・リーダー向け | メンバー育成の質向上 |
組織課題の特定と改善アクション | |
戦略実行の進捗確認 | |
自身のマネジメント課題の棚卸し | |
心身コンディション・負荷管理 | |
ハイパフォーマー向け | ストレッチ課題と挑戦機会の設計 |
キャリアビジョンを実現するロードマップづくり | |
強みの最大活用(任せる領域の最適化) | |
燃え尽き防止(過負荷・期待の歪み確認) | |
影響力・リーダーシップ強化 | |
モチベーション低下社員向け | モチベーション低下の原因特定 |
価値観・やりがいの棚卸し | |
期待役割の再定義 | |
負荷軽減・業務調整の相談 | |
小さな成功体験の再構築 | |
リモートワーカー向け | 業務進捗の見える化・目標の再確認 |
孤独感・コミュニケーション課題のヒアリング | |
自律的な働き方・時間管理の相談 | |
働く環境・集中しにくい要因の共有 | |
チーム連携強化の方法 |
1on1ミーティングは、単なる業務報告や指示の場ではなく、部下の成長を促進し、信頼関係を構築する重要な機会です。しかし、「具体的にどのような話題を選べば良いのか」と迷われる方も多いはずです。
1on1ミーティングを実施する前に、まずは、部下のキャリアステージや業務状況、個々のニーズに応じた適切なネタ・テーマを設定することが重要です。例えば、若手社員には基本スキルの習得状況や目標設定に関するネタが有効である一方で、管理職にはマネジメント課題や組織戦略の進捗確認が求められます。
上記の一覧表は、部下のポジションや状態に応じた最適なネタをピックアップするためのガイドラインとなりますので、ぜひ活用してみてください。
若手社員向け(新人〜入社3年目)

若手社員の成長は、企業の未来を支える基盤となる重要な要素です。1on1ミーティングを効果的に活用し、彼ら・彼女らのポテンシャルを最大限に引き出しましょう。以下に、若手社員との1on1で取り上げるべきネタ・テーマについて具体的に紹介します。
業務理解・基本スキルの習得状況
若手社員、特に新入社員にとっては、まずは業務そのものを理解し、基本的なスキルを身に付けることが最優先です。1on1ミーティングでは、彼ら・彼女らの現在の理解状況を確認し、必要なサポートを提供しましょう。具体的には、業務内容に対する質問や不明点をクリアにし、日々の業務の中で新たに身に付けたスキルについてフィードバックを行うことが重要です。
質問例:
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目標設定・KPIの落とし込み
若手社員にとって、自身の成長を実感するためには、明確な目標設定が必要です。1on1ミーティングの場で、部下が設定している目標やKPIについて話し合い、その現実的な達成方法を一緒に考えます。具体的な行動計画に落とし込むことで、日々の業務に対するモチベーションも高まります。
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成果・成功体験の振り返り
若手社員の自信を育てるためには、小さな成功体験を積み重ねることが大切です。1on1ミーティングでは、これまでに達成した成果について一緒に振り返り、成果がどのようにして生まれたのかを深掘りします。成功体験を言語化し、再現可能なプロセスに変えることで、次のチャレンジへの自信につながります。
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人間関係・チームコミュニケーション
新しい職場環境での人間関係構築は、若手社員にとってストレスの一因となることがあります。1on1ミーティングでは、チーム内でのコミュニケーション状況や人間関係についてヒアリングし、悩みを解消するためのアドバイスを提供します。職場での良好な関係構築が、業務効率や働きやすさの向上に直結します。
質問例:
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学習・スキルアップの計画
若手社員のキャリアの初期段階では、学習意欲が高く、スキルアップに対する意識も旺盛です。このエネルギーを最大限に活用するため、1on1ミーティングの場で彼らの学びの計画を確認し、具体的な学習方法やリソースを提供します。定期的に学習の進捗を確認することで、成長を継続的に支えることができます。
質問例:
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中堅社員向け(入社4年目〜7年目程度)

中堅社員は、組織において経験と新しい視点を兼ね備えた貴重な存在です。この階層の社員には、業務の効率化や戦略的な役割の強化が重要なテーマとなります。1on1ミーティングでは、以下の視点を持って進めると効果的です。
業務改善・プロセス見直し
中堅社員は、日常業務の改善点を見つけ出し、効率的な業務プロセスを構築する力が求められます。1on1ミーティングに業務改善・プロセス見直しを取り入れることにより、中堅社員は業務全体の流れを把握し、質の向上を図ることができるようになります。
質問例:
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担当領域の戦略性・優先順位設計
中堅社員は、職場の中核メンバーとして日々多くの重要な業務に当たっています。この段階では、自らが関与するプロジェクトやタスクの優先順位を明確にし、戦略的な視点で業務を進めることが重要です。
質問例:
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マネジメント準備・リーダーシップの相談
中堅社員は、マネジメント基礎力やリーダーシップを身に付けることで、次のキャリアステップに備える階層でもあります。マネジメントスキルの強化や、リーダーとしての在り方について気付きを与えることが重要です。
質問例:
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キャリア形成・専門スキル強化
自身のキャリアを明確にし、必要なスキルを強化することは中堅社員にとって重要なステップです。キャリアを自ら描き、専門スキルを強化することで、将来の方向性を明確にし、自信を持って進むことができます。
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他部署・他チームとの連携課題
中堅社員は、自チームのみならず、部門を越えた連携・協力が求められます。組織全体が効果的に機能するためには、他部署や他チームとの連携が欠かせません。1on1ミーティングでは、コミュニケーションや協力体制を見直すきっかけをつくります。
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管理職・リーダー向け(課長・マネジャー層)

管理職やリーダー層の1on1ミーティングは、組織全体の方向性を理解し、チームメンバーの成長を支援するために欠かせない場となります。この層の社員は、自らが目指す管理職としての在り方を探求し、組織の課題解決に向けた具体的なアクションを考えることが求められます。
メンバー育成の質向上
管理職は、チームメンバーの成長を促進する重要な役割を担っています。1on1ミーティングでは、個々のメンバーにどのように貢献しているか、その効果をどのように測定しているかを話し合いましょう。
質問例:
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組織課題の特定と改善アクション
管理職は部署のパフォーマンス向上のため、組織全体の課題を認識し、解決策を模索する必要があります。具体的なアクションプランを構築することが重要です。課題発見能力を啓発することにもつながります。
質問例:
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戦略実行の進捗確認
管理職は、戦略を確実に実行し成果につなげることが求められます。部署やチームの戦略が計画通りに進んでいるか確認し、必要に応じて軌道修正を行うためのディスカッションが必要です。
質問例:
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自身のマネジメント課題の棚卸し
マネジメントには自己改善が欠かせません。1on1ミーティングでは、自身のマネジメントスタイルについて振り返り、どの部分を改善する必要があるかを見つけることが求められます。
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心身コンディション・負荷管理
管理職は高いストレスにさらされがちです。体調管理やメンタルヘルスについても話し合い、リーダーシップを維持するための方法を探ります。
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ハイパフォーマー向け(期待・任され度が高い層)

ハイパフォーマーは、組織の中で特に高い成果を求められる存在であり、彼ら・彼女らのキャリアや業務に対するサポートは、組織全体の成長に直結します。この層に対する1on1ミーティングでは、以下のテーマを通じてポテンシャルを最大限に引き出すことが重要です。
ストレッチ課題と挑戦機会の設計
ハイパフォーマーには、成長を促すための新しい挑戦が必要です。1on1ミーティングでは妥当なストレッチ課題を設定し、成長の機会を提供します。
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キャリアビジョンを実現するロードマップづくり
長期的なキャリアゴールを明確にし、それを実現するための戦略的なロードマップを作成します。これにより、目標に向けた道筋が明確になります。
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強みの最大活用(任せる領域の最適化)
ハイパフォーマーの強みをどのように生かし、適切な業務に配置するかを考えます。これにより、組織全体のパフォーマンスが向上します。
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燃え尽き防止(過負荷・期待の歪み確認)
期待の高い業務に取り組むことが多いハイパフォーマーにとって、燃え尽き症候群を防ぐことは重要です。1on1ミーティングでは負荷管理や現状の確認を行います。
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影響力・リーダーシップ強化
ハイパフォーマーには、他者に影響を与える能力やリーダーシップを重要視する機会が増えてきます。それを育むためのサポートを行います。
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モチベーションが低下している部下向け

モチベーションの低下は、働く意欲や生産性に影響を及ぼす重要な課題です。1on1ミーティングでは、その原因を特定し、部下が再び活力を取り戻せるようサポートすることが求められます。以下のネタ・テーマを基に、部下の状況に即したアプローチを行いましょう。
モチベーション低下の原因特定
まずはモチベーションが低下している部下自身も気付いていない可能性のある、モチベーションが下がる原因を明確にすることがスタートです。状況を詳細に聞き取ることで、根本的な問題を見つけ出します。
質問例:
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価値観・やりがいの棚卸し
部下が感じているやりがいや価値観を再評価し、本来の目標とのギャップを埋めることでモチベーションを取り戻します。
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期待役割の再定義
部下の現時点での役割に対する期待が明確でない場合、その見直しを行い、彼ら・彼女らに合ったタスクを再設定します。
質問例:
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負荷軽減・業務調整の相談
モチベーションが低下している部下には、負担がかかりすぎている可能性があります。過剰な負担がかかっている場合は、業務の調整を行い、適切な負荷に整えるサポートをします。
質問例:
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小さな成功体験の再構築
モチベーションが低下している部下は、自信を失いつつあるかもしれません。大きな目標を設けるだけでなく、小さな成功を重ねることで自信を回復させることを試みましょう。
質問例:
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リモートワーカー向け(在宅中心)

リモートワーク環境では、物理的な距離が生じる分、マネジメントやコミュニケーションに独自の課題があります。在宅勤務が中心となるリモートワーカーに対する1on1ミーティングでは、以下のネタ・テーマに焦点を当て、効果的なサポートを提供することが重要です。
業務進捗の見える化・目標の再確認
リモートワークでは業務の進捗が見えにくくなることがあります。1on1ミーティングでは、目標と進捗を明確化し、共有することで業務の透明性を高めます。
質問例:
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孤独感・コミュニケーションの課題ヒアリング
リモートワークでは、孤独感やコミュニケーション不足が問題となることがあります。定期的な1on1ミーティングで、気になる点をヒアリングし、改善策を考えましょう。
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自律的な働き方・時間管理の相談
在宅勤務では、自己管理が鍵となります。効果的な時間管理と自律的な働き方をサポートするためのアイデアを共有します。
質問例:
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働く環境・集中しにくい要因の共有
自宅環境では、集中が途切れがちです。1on1ミーティングで環境の課題を共有し、改善策を協議することで集中力を高める方法を模索します。
質問例:
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チーム連携強化の方法
リモートワークでは、チームの連携やコミュニケーションが希薄になりがちです。チームとの一体感を維持する方法を話し合い、連携を強化する施策を検討します。
質問例:
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1on1ミーティングのネタやテーマにどうしても困ったら

1on1ミーティングを定期的に行っていると、時には話すべきネタやテーマに困ってしまうこともあるかもしれません。しかし、効果的な1on1ミーティングを実現するためには、こうした状況を乗り越えるための工夫が必要です。以下のアイデアを参考に、新たな視点から魅力的なテーマを見つけましょう。
■部下からのフィードバックを取り入れる
直接的に部下から話したいテーマを募ることも一つの方法です。事前にアンケートや質問フォームを使い、話題を募集してみましょう。
質問例:
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■組織のビジョンや目標を振り返る
組織全体のビジョンや目標に対して、個人がどのように貢献しているかを確認することは、新たな気付きを得る機会になります。
質問例:
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■関係性やコミュニケーションについて話し合う
1on1ミーティングはコミュニケーションを深める機会でもあります。互いのコミュニケーションスタイルを理解し合い、改善点を見つけることで、より良い関係性を築きましょう。
質問例:
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これらの方法を活用して、マンネリ化した1on1ミーティングに新しい風を吹き込み、より有意義な時間へと変えることができます。
1on1ミーティングのネタは部下に合わせて選ぼう

1on1ミーティングを効果的に進めるためには、部下一人一人の価値観や特性に応じたネタやテーマを選ぶことが鍵です。それぞれの部下が異なる背景や経験を持ち、異なる動機付け要因や課題を抱えているため、一律のアプローチではなく個別の対応が重要です。
部下が何に価値を置いているのか、どのような特性や強みを持っているのかを理解し、それに応じた会話の内容や話し方を工夫することで、より深い信頼関係を築くことができます。そして、部下の成長や成果に直結するような、意味のある1on1ミーティングを実現することができます。
例えば、挑戦を好むタイプの部下には新しい可能性を模索するようなネタ・テーマを選び、一方で安定を重視するタイプの部下には業務の効率化や日々の小さな成功に焦点を当てるなど、柔軟にアプローチを変えていきましょう。
こうした個別対応を通じて、部下のモチベーションを引き出し、組織全体の活力を高めることが期待できます。
部下に合わせたネタ選びには行動特性診断「LIFO®」がおすすめ
部下との効果的な1on1ミーティングを進めるためには、部下の価値観や行動特性を理解し、相手に合わせたネタ・テーマを選び、適切な質問の仕方をすることが必要です。そこで役立つのが「LIFO®(ライフォ)」を活用したコミュニケーション研修です。研修を通じて、自身の行動特性の把握や、他社理解を深めることが可能になり、1on1ミーティングのための実践的なスキルを身に付けることができます。
自己診断ツールLIFO®とは
LIFO®(Life Orientations)は、個人の行動スタイルを診断する自己診断ツールです。このツールは、自分の強みや行動パターンを理解するために役立ちます。
LIFO®は4つの基本スタイルに基づいており、これらのスタイルはそれぞれ異なる行動特性や価値観を持っています。
自分がどのスタイルに属しているかを知ることで、より良いコミュニケーション方法やストレス時の行動傾向を把握することができます。
LIFO®を活用したコミュニケーション研修
LIFO®を活用したコミュニケーション研修では、まず参加者が自己診断を行い、自分の行動スタイルを理解します。この診断結果を基に、どのように他者と効果的にコミュニケーションを取るかを学びます。
研修では以下のような内容が含まれます。
自己理解の深化: 診断結果を基に、自分のコミュニケーションスタイルの特徴を深掘りします。どのような場面でどのように行動するのかを具体的に把握します。
他者理解の促進:他のスタイルを持つ人との違いを理解することで、より効果的な関わり方を学びます。これにより、誤解や摩擦を減らすことが可能になります。
実践的スキルの習得: ワークショップやロールプレイを通じて、実際のコミュニケーション場面でどのようにLIFO®の知見を活用するかを練習します。
フィードバックと改善: 実践後にフィードバックを受け、自分のコミュニケーションスタイルの改善点を明確にします。
LIFO®を取り入れた研修に参加することで、個人のコミュニケーションスタイルを理解し、それをベースに他者との関係を改善するスキルを獲得できます。
これにより、職場や日常生活でのコミュニケーションはもちろん、1on1ミーティングがよりスムーズで効果的になることが期待できます。
部下との1on1ミーティングにLIFO®を活用した支援事例
株式会社山梨放送/放送業
■ 導入前の課題
新型コロナウイルス感染症の流行以前は、社内イベントを通じて活発にコミュニケーションが行われていましたが、コロナ禍により社内の人間関係が希薄化し、特に若手社員の早期離職が顕著になりました。
また、放送業界の人手不足と業務の多忙さから、社員教育には力を入れられずにいました。そこで、70周年プロジェクトの一環として「シゴトバ改革」を推進することが決まり、社員が自発的に提案し実行に移すボトムアップ型のアプローチを採用しました。
■ 出会いと導入の決め手
各局や地元企業の事例調査によって、1on1ミーティングが効果的であると分かりましたが、社員の個性を理解するまでには至りませんでした。
キャリアコンサルタントの提案で、相互理解を深めるためにLIFO診断を導入しました。LIFOはその場で診断結果を得られるため、柔軟な勤務時間を抱える社員にも受講しやすく、コミュニケーション改善のツールとして活用が決定されました。
■ 展開ステップと取り組み
1on1ミーティングを実施前に、全社員を対象にLIFOの活用法などを盛り込んだセミナーを実施しました。管理職と一般社員に分けたセミナーで、ミーティングの目的やLIFOの活用法を学びました。
セミナーを契機に、多くの社員が参加し、テーマへの高い関心が示されました。セミナー内容を随時アーカイブとして提供し、参加できなかった社員にも情報を共有しました。
■ 導入後の感想と成果
LIFOの活用で、上司と部下の相互理解が進み、コミュニケーションのきっかけとなりました。1on1ミーティングでは、定期的にLIFOのスコアが話題となるなど、一歩踏み込んだ対話が実現しています。
中には、得られた結果を基に改善に取り組む社員も出始めています。このツールは、管理職のガイドとなり得る可能性があり、引き続きLIFOを活用していく方針です。
■ 取り組みにおける課題と今後の展望
「シゴトバ改革」はボトムアップ式で進行しているため、部署ごとに進捗に差があります。また、1on1ミーティングの目的が理解されず、不満のぶつけ合いになるケースもあるため、意識改革が必要です。
社内通信などでLIFOの考え方を広め、1on1以外にも日常のコミュニケーションやチームビルディングに活用することを目指しています。特に新体制時や社員異動時に効果的であり、職場の活気を向上させることを期待しています。
▼事例の詳細については下記をご覧ください。
⇒株式会社山梨放送様 LIFO導入事例
まとめ|1on1のネタは相手に合わせて選ぼう
ここまで、「1on1ミーティングで話すネタはこれで解決!おすすめ最新テーマ例一覧を具体例でポイント解説」について紹介してきました。
1on1ミーティングのネタ一覧は以下の通りです。
対象者 | ネタ |
若手社員向け(新人〜3年目) | 業務理解・基本スキルの習得状況 |
目標設定・KPIの落とし込み | |
成果・成功体験の振り返り | |
人間関係・チームコミュニケーション | |
学習・スキルアップの計画 | |
中堅社員向け(4〜7年目) | 業務改善・プロセス見直し |
担当領域の戦略性・優先順位設計 | |
マネジメント準備・リーダーシップの相談 | |
キャリア形成・専門スキル強化 | |
他部署・他チームとの連携課題 | |
管理職・リーダー向け | メンバー育成の質向上 |
組織課題の特定と改善アクション | |
戦略実行の進捗確認 | |
自身のマネジメント課題の棚卸し | |
心身コンディション・負荷管理 | |
ハイパフォーマー向け | ストレッチ課題と挑戦機会の設計 |
キャリアビジョンを実現するロードマップづくり | |
強みの最大活用(任せる領域の最適化) | |
燃え尽き防止(過負荷・期待の歪み確認) | |
影響力・リーダーシップ強化 | |
モチベーション低下社員向け | モチベーション低下の原因特定 |
価値観・やりがいの棚卸し | |
期待役割の再定義 | |
負荷軽減・業務調整の相談 | |
小さな成功体験の再構築 | |
リモートワーカー向け | 業務進捗の見える化・目標の再確認 |
孤独感・コミュニケーション課題のヒアリング | |
自律的な働き方・時間管理の相談 | |
働く環境・集中しにくい要因の共有 | |
チーム連携強化の方法 |
1on1ミーティングは、部下の成長を促進し、信頼関係を強化するための重要な機会です。本記事では、1on1ミーティングを効果的に進めるためのネタについてを詳しく解説しましたが、成功の鍵は「部下に合わせた柔軟なアプローチ」にあります。各部下の価値観や特性、成長段階に応じてネタやテーマを選ぶことで、より深い対話を実現し、意味ある時間を創出することが可能です。
1on1ミーティングを計画するに当たっては、事前準備を怠らず、部下に最も適したネタ・
テーマを選び、彼ら・彼女らのニーズや課題に応じて内容を展開することが求められます。新人や若手社員には業務理解や基本スキルの習得状況をカバーし、中堅社員には業務改善やキャリア形成をサポートします。リーダー層には組織課題の改善やリーダーシップの強化を図り、モチベーションが低下している部下には、その原因の特定と解決策を共に考えましょう。
本記事で紹介したネタを取り入れ、部下に合わせた関わりを意識することで、1on1ミーティングは業務を超えて組織全体の成長を加速させる力を持ちます。これからも部下との1on1ミーティングを通じて、彼ら・彼女らの成長を支援し、企業の発展に寄与することを願っています。
株式会社LDcubeでは、効果的な1on1ミーティングの実施を支援すべく、LIFO®プログラムを活用した研修会、eラーニング、LIFO®プログラムの社内インストラクター養成など幅広くご支援をしています。無料体験会なども行っています。ぜひお気軽にご相談ください。
▼1on1ミーティングに必要なコミュニケーション能力を鍛えるための資料はこちらから
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