審議室長
井上 進治 様
「シゴトバ改革」 主幹部署のチーム長として、職場環境の整備やコミュニケーションの活性化などの取り組みを推進。主に「シゴトバ改革」における会社との調整や管理職および社員に対するプロモーションなどを取り仕切っています。
メディアプロデュース局次長 兼 クロスメディア戦略部長 兼 ライブラリー室長
山田 歩 様
YBS山梨放送の「開局70周年プロジェクトチーム」のプロジェクトリーダー。当該プロジェクトは視聴者に向けた開局記念の特別番組やイベントだけでなく、社員のエンゲージメントを高めることも目的としているため、「開局70周年プロジェクト」と「シゴトバ改革」の両チームを束ねながら取り組みを指揮しています。
審議室副部長
三澤 真理 様
「シゴトバ改革」の実務を担当。「1on1ミーティング」「メンター制度」といった取り組みを社員目線で運営するために、特に若手社員のヒアリングを重視しながら運営しています。社内インフォメーションなどの作成や、取り組みのフォローアップも行っています。
「上司と部下のコミュニケーションがうまくいっていない」「チームとしてさらに成長してほしい」
このような意見をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
また、社員のスキルアップについてのお悩みもよくお伺いします。
山梨放送様では、LIFOを活用した1on1ミーティングで自分を見つめなおし、
自身の成長とコミュニケーション活性化を促進するお取り組みをされています。
本記事では、審議室長 井上 進治様、メディアプロデュース局次長兼クロスメディア戦略部長兼ライブラリー室長 山田 歩様、
審議室副部長 三澤 真理様の3名にインタビューした内容をレポートします。
コロナ禍以前は、歓送迎会や忘年会、新年会などのイベントが頻繁に行われており、社内のコミュニケーションが取れていました。社員教育については、部門ごとに役割も作業時間帯も大きく異なりそれぞれが多忙であるという放送業界特有の状況から、なかなか会社として力を入れることができていませんでした。
新型コロナ感染症の流行後、知らず知らずのうちに社内のコミュニケーションが減少傾向にあり、会社全体で人間関係が希薄になっていきました。部署によっては上司と部下の年齢が大きく離れており、お互いの考えていることが全く分からないというような状況がありました。その結果、若手社員の早期離職が目立つようになりました。また、社会全体の課題としてよく挙げられる人手不足は放送業界も同様であり、業務改善や社員一人一人のスキルアップが急務であると考えていました。
長引く不況や新型コロナ感染症の流行など予測不能な社会情勢の中、時代の流れの速さに対応できる人材育成が求められていますが、当社社員としての意識改革が追い付いてなかったということを審議室として課題に感じていました。
一方で、当社は同時期に70周年を迎え、70周年プロジェクトチームが立ち上がり全社員に企画募集を行っていました。集まったアイデアの多くは、山梨県民に対する外向きの企画、番組、イベントなどでしたが、「働く上で大切なコミュニケーションの土台をしっかり整えられるような企画をしてほしい」という意見もいくつか寄せられました。
そこで、プロジェクトチームメンバーは、70周年プロジェクト内で「シゴトバ改革」に取り組むことにしました。
しかし、グループの中にシェアードサービス会社があり、そこで総務・人事の役割を担っているため、プロジェクトメンバーが知見を持ち合わせているわけではありませんでした。実行に移すことはなかなか難しいと思っていたところ、審議室でも同様の計画、構想があるという話を聞きました。
ここから、審議室と70周年プロジェクトチームは目標観の一致を確認し、「シゴトバ改革」を共に推進することが決定しました。
一般企業では、コミュニケーション活性化に向けた取り組みは人事部主導や経営層からのトップダウンが主であることが多いと思いますが、私たちはあえてボトムアップで「こういうことがやりたいんだ」と会社側に提案していくような形で進めていきました。
系列局や地元企業の取り組みを調べたところ、コミュニケーションの第一歩としては1on1ミーティングが適切であるということがわかりました。そこから「シゴトバ改革」の設計を始めましたが、当初は個人の特性に注目するところまでは考えていませんでした。
しかし、この取り組みをサポートしていただいているキャリアコンサルタントとの打ち合わせを重ねていく中で、社員一人一人と向き合うことの重要性を改めて感じるようになりました。
1on1ミーティングで管理職と部下がコミュニケーションを深めていくためには、まずは自分の弱みや強み、さらに上司と部下がお互いの特性を知ることが大切だと思ったからです。
そして、その促進ツールとしてLIFOをキャリアコンサルタントの方から教えていただきました。LIFOの個人診断は対面形式だけではなく、オンライン上でも実施することができます。また設問に対して自分に当てはまる数字を選択していくことで、その場で診断結果(LIFOレポート)を出力することができるため、部門ごとに作業時間が異なる自社社員にとって、受検のハードルが低くなりました。
また、他社のツールと比べても、LIFOのように個人の内省にまでアプローチできるものは珍しいため、1on1ミーティングを効率よく促進していくためのツールとして活用することを決めました。
進め方やマニュアルは、系列局の進め方を参考にしながら、持っていた知識や書籍の内容を組み合わせてより自社にフィットするよう組み立てていきました。
導入決定後、主要メンバー3名(インタビュー者)+常務取締役で受検したLIFOの結果を見たことで、より積極的に推進していこうという気持ちが大きくなりました。
LIFOレポートには自分が得意だと思っていること、不得意だと思っていること、ふたをしていることなどが、人生でここまで言い当てられたことはないというほどに明確に記載されていました。この内容は、もちろん自分の気付きにもなりますが、人に知ってもらうことで客観的に見た自分を相手に効率よく伝える手段になり得ると確信しました。1on1ミーティングや普段のコミュニケーションにおいても、LIFOレポートからお互いの特性を知ることで、スムーズな会話が可能になると感じました。
「シゴトバ改革」は、LIFOの結果を通じて社員全員が自己理解を深めることによって、効果的な「1on1ミーティング」の実施、および日頃の社内コミュニケーションの活性化、自身のスキルアップなどにつなげていくことを目標としています。
1on1ミーティングの取り組みの目的を伝えるため、管理職向けに1時間×2回、一般社員向けに1時間×1回のセミナーを開催し、その中でキャリアコンサルタントの方から LIFOの活用方法のレクチャーを受けました。管理職向けセミナーの1回目は1on1ミーティングを行う意図・目的をメインに、2回目は上司がLIFOで明らかになった自分の行動スタイル(特性)を理解した上で部下の行動スタイル(特性)に合わせた支援を行うことについてご案内いただきました。
管理職の受講者は真剣にメモを取りながら熱心に聞いている様子がうかがえ、セミナー後に話を聞いてみると「シゴトバ改革」に前向きな感想を持ち、重要性を感じてくれていたように思います。
社員向けセミナーでは、部下が自分の行動スタイル(特性)を確認し、業務や周りの人たちとのコミュニケーションにどのように生かしていくと良い結果が得られるのかということをご案内いただきました。これまでほとんど社内教育を行っていなかったため、当日参加してもらえるか不安を抱えていましたが、会場内の椅子が足りないほどの社員が集まりました。それだけ社員がこのテーマに関心があったということだと思います。
当日業務の都合で参加できなかった社員や支社の方も受講できるようにするため、当日のセミナー内容はアーカイブとしていつでも見られるようにしています。
LIFOの活用で最も有益だったことは、上司と部下が相互に理解するための第一歩を踏み出せたことです。
1on1ミーティングの面談は効果が出てくるまでに多くの面談回数を要しますが、LIFOを活用したことによって自己理解と相互理解が促進されたと感じています。
1on1ミーティングを推進し始めてまだ半年もたちませんが、現在までに3回目の1on1ミーティングを実施している部署もあります。社内では「LIFOのスコアはどうだった?」というコミュニケーションが多く見受けられ、コミュニケーションの第一歩という点においては素晴らしいきっかけになったと実感しています。
一般的な1on1ミーティングだけで自己理解を深めることは難しいですが、LIFOレポートには社員一人一人が内省し、それを「どのように仕事や人間関係の構築に役立てていくか」というアドバイスが詰め込まれています。
中には、LIFO受検前から苦手だと思っていたことがLIFOの結果に表れ、その結果を受けて改善に取り組んでみようと行動に移し、「すぐに結果は出ないだろうが続けてみようと思う」という社員からのうれしい報告もありました。
1on1ミーティングで部下をどのように導いていけば良いのか不安に感じている管理職の指南書にもなるような優秀なツールでもあると思いますので、引き続きLIFOを活用した取り組みを検討していきたいです。
管理職
一般社員
「シゴトバ改革」はトップダウンではなくボトムアップで行っていることもあり、部署ごとの1on1ミーティングの進捗(しんちょく)に濃淡が見られます。LIFOは他の自己診断ツールに比べて活用しやすいとはいえ、うまく活用できている部署とそうでない部署が出てきています。現在は気になるほどの差ではありませんが、今後取り組みを続けていくことでこれらの差は開いていくと感じています。
また、1on1ミーティングはこれまで自社で行ってきた面談と異なり、自分自身と向き合い成長を促進するために行っています。これまでの面談に慣れている社員は、面談を不満のはけ口にしているケースが見受けられます。これでは繰り返し1on1ミーティングを行っている意味がありません。
これらの課題を解決するため、改めてLIFOの活用の意義や、1on1ミーティングの目的について広く伝える必要性を感じています。
そのための一つの施策として、「話すジャーン通信」という社内通信を発行しています。
キャリアコンサルタントの方からご案内いただいたLIFOの活用方法を1回の「セミナー」というイベントで終わらせないよう、この社内通信を通して改めて発信していくことでLIFOの考え方を浸透させていこうと検討しています。
社内の成功事例を交えながらLIFOの考え方を発信していくことで、あまり1on1ミーティングを行うことができていない部署にもアプローチしていきたいと思います。
これからのLIFO活用の展望について、1on1ミーティングの促進ツールだけでなく、チームビルディングや日頃の職場のコミュニケーションに活用をしていきたいと思っています。そうすることによって、より多くの人との相互理解が深まり、職場の雰囲気が良くなるだけでなく、社員の前向きな気持ちを醸成できるのではないかと推察しています。特に人事異動後の新体制のタイミングや、新入社員やキャリア社員を受け入れたタイミングでの活用が有効であると考えています。ボトムアップで始めた施策だからこそ、難しいこともありますがたくさんの気付きもあります。
引き続き検討・実施を重ねていくことで、いずれ「山梨放送でこのようなことをして成功しているらしい」と評判になり、自然とグループ会社を巻き込んでいけたらと思います。
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