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自己肯定感を高める7つの方法とは?低い部下をケアするポイントと合わせて解説!

「ミスばかりで、自己肯定感が低くてつらい」
「周りの人と比べて、自分は劣っているのではないか」

こうした悩みを抱えている人は少なくありません。

一方、企業で働くマネジャーの立場からは、
「部下の自己肯定感の低さが、仕事のパフォーマンスに影響しているようだ」
と感じることもあるでしょう。

自己肯定感の低さは、メンタルヘルスや仕事の生産性に大きな影響を与えます。

本記事では、自己肯定感の基礎知識から、高める方法、部下の自己肯定感に配慮したマネジメントまで、幅広く解説します。

自分自身の自己肯定感を高めたい方はもちろん、部下の自己肯定感が気になっているリーダーの方にも、おすすめの内容となっています。

この記事を通じて理解を深め、自己肯定感が高い組織づくりに着手していただければ幸いです。

▼自己肯定感を高める講座を受講した参加者の生の声などは下記の事例で紹介しています。
⇒大学生が自己肯定感を高める講座を受講~ねらいと成果、受講前後の変化とは~

  武庫川女子大学 大学生が「自己肯定感を高める講座」を受講 ねらいと成果、受講前後の変化とは 価値観が多様化する現代社会において若手社員の自己肯定感を高めるためにはどのような施策が有効なのでしょうか。好事例が、兵庫県の武庫川女子大学にあります。同大学の経営学部が、社会人向け「自己肯定感を高める講座」を学生向けにリメークし実施しました。その結果、実際に学生の自己肯定感が高まったことがわかりました。 株式会社LDcube

セルフエスティームを高めるポイントなどについては下記で解説しています。
⇒セルフエスティーム(自尊感情)とは?公式や測定尺度・高める方法

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▼ダイバーシティ&インクルージョンについては下記で詳しく解説しています。
⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例

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▼ 自己肯定感を高める研修プログラム(HEP)の資料はこちらからダウンロードできます。

HEP資料

▼自己肯定感を高めるには、組織・職場の心理的安全性を確保しておく必要があります。

心理的安全性資料

目次[非表示]

  1. 1.自己肯定感とは何か?
    1. 1.1.自己肯定感の定義と概要
    2. 1.2.自己肯定感と自己効力感の違い
    3. 1.3.自己肯定感が低い人の特徴と行動パターン
    4. 1.4.自己肯定感が低いと起こること
  2. 2.自己肯定感を高める7つの基本ステップ
    1. 2.1.セルフトークを変える
    2. 2.2.完璧主義を手放す
    3. 2.3.他人と比較しない
    4. 2.4.感謝の気持ちを持つ
    5. 2.5.自分の心と体をケアする
    6. 2.6.好きなことをする・嫌いなことをやめる
    7. 2.7.小さな成功体験を積み重ねる
  3. 3. 部下の自己肯定感を育むマネジャーの3つの心構え
    1. 3.1.業務へのフィードバックと部下の尊厳を明確に区別する
    2. 3.2.自立を促すが、必要なサポートは提供する
    3. 3.3.安全で開かれたコミュニケーション環境を作る
  4. 4.部下との1on1ミーティングで自己肯定感を高める具体的な質問例
    1. 4.1.「どんなことをがんばったか」を聞き努力を認める
    2. 4.2.「どんな強みを発揮できたか」を問いかけ自信につなげる
    3. 4.3.「もっとチャレンジしたいことは何か」を尋ね成長意欲を引き出す
  5. 5.自己肯定感を高めるチームビルディングの進め方
    1. 5.1.メンバー同士で互いの良いところを言葉にする習慣を育む
    2. 5.2.失敗を恐れず挑戦する文化を醸成し心理的安全性を高める
    3. 5.3.チームの目標と個人の役割を明確にし達成感を味わう機会を増やす
  6. 6.まとめ

自己肯定感とは何か?

自己肯定感を高める②

まずは、自己肯定感の基礎知識から確認しておきましょう。以下を解説します。

  1. 自己肯定感の定義と概要
  2. 自己肯定感と自己効力感の違い
  3. 自己肯定感が低い人の特徴と行動パターン
  4. 自己肯定感が低いと起こること


自己肯定感の定義と概要

自己肯定感とは、「自分自身の存在価値を認め、自分を肯定的に捉えられる感覚」を指します。

自己肯定感の定義は、文献や研究者によっても異なる見解が見られますが、ここでは東京都による定義を引用します。

自己肯定感

「自分に対する評価を行う際に、自分のよさを肯定的に認める感情」

解説:自分を「かけがえのない存在、価値ある存在」として認める感情が育まれる際に働くプラス面の感情を自己肯定感と捉えています。「自分が生きていることには意味がある」など、自分の命を大切にし、自身を肯定的に捉える感覚なのです。
出典:東京都「東京都教職員研修センター紀要 第10号」

人は誰しも、自分自身に対して価値があると感じたいと願っています。自分に価値があると感じられることが、自己肯定感の基盤です。

自己肯定感が高いと、自信を持って行動でき、ストレスにも強くなれます。一方、自己肯定感の低さは、自己否定的な思考につながりやすく、さまざまな問題の原因になり得ます。

自己肯定感は、生まれつき完全に備わっているわけではなく、成長の過程で徐々に形成されていくものです。

とくに、幼少期の環境や周囲からの評価が、自己肯定感の形成に大きな影響を及ぼすと考えられています。

たとえば、肯定的な言葉がけや評価を多く受けて育った人は、自己肯定感が高くなる傾向にあります。

自己肯定感と自己効力感の違い

理解を深めるために、類似した概念との違いを見てみましょう。

自己肯定感は、「自信がある状態」とは、少し違います。“自信” により近い概念は「自己効力感」です。

【自己肯定感と自己効力感の違い】

比較項目

自己肯定感

自己効力感

意味

自分自身を受け入れ、価値ある存在として肯定的に捉えられる感覚

特定の課題や状況において、望ましい結果を得るために必要な行動ができるという信念

対象

自己の存在価値や特性に対する肯定的な評価

特定の領域やスキルに対する自信

「私は自分の長所も短所も含めて、かけがえのない存在である」

「自分にはこの問題を解決する能力がある」
「自分はこの目標を達成できる」

関連性

自己肯定感が高い人は、自己効力感も高くなる傾向がある

特定の課題で成功経験を積み重ねることで自己効力感が高まると、全体的な自己肯定感の向上にもつながる

自己効力感は、特定の課題や目標に対する自信(私は○○ができる)の程度を表します。たとえば「私にはこの仕事ができる」「難しい問題にも対処できる」といった感覚です。

一方、自己肯定感は、ある特定の能力についての自信ではなく、自分自身の存在そのものに対する肯定的な感覚や感情を指します。

自己肯定感と自己効力感は、互いに影響し合う関係にあります。自己肯定感が高いほど、新しいことにチャレンジする意欲が湧き、自己効力感も高まりやすくなります。

逆に、自己効力感の高さが自信となり、自己肯定感の向上にもつながります。

ただし、両者は同一の概念ではないため、「自己効力感は低いが、自己肯定感は高い(あるいはその逆)」というケースもあり得ます。
 
たとえば、「何もできない自分であっても、ありのままで価値がある」と信じられる人は、自己肯定感が高いといえます。

自己肯定感が低い人の特徴と行動パターン

続いて、自己肯定感の低い人の特徴や行動を見てみましょう。以下のようなパターンがみられます。

  • 自分を否定的に捉える
    自分の短所ばかりに目がいき、長所を見出せない。自分を価値のない存在だと感じている。
  • 他人との比較で自信をなくす
    他人と比べて、自分は劣っていると感じやすい。他人の批判に敏感で傷つきやすい。
  • 完璧主義に陥りやすい
    失敗を極端に恐れ、高すぎる目標を掲げて自分を追い込む。少しのミスも許せない。
  • 自己主張が苦手
    自分の意見を言えず、NOと言えない。他人に合わせすぎる傾向がある。
  • 孤独感を感じやすい
    周囲から孤立していると感じ、一人ぼっちだと思い込む。自分は理解されていないと思いがちである。


自己肯定感が低いと起こること

自己肯定感が低いと、以下のようなネガティブな影響が生じやすくなります。

  • 人間関係の悪化
    自己主張ができず、他者とのコミュニケーションがうまくいかない。孤立感や疎外感を感じやすくなる。
  • 仕事のパフォーマンス低下
    自信を失い、新しいことにチャレンジできなくなる。ミスを恐れるあまり、仕事が滞ってしまう。
  • ストレスの蓄積
    自分を追い込み、高すぎる目標を課して心身の疲弊を招く。ストレス耐性が低下する。
  • 自己実現の阻害
    自分の可能性を信じられず、やりたいことに挑戦できない。結果として、自己実現が難しくなる。
  • メンタルヘルスの不調
    自己否定的な思考から抜け出せず、結果的にメンタルヘルスの問題を抱えるリスクが高くなる。

このように、自己肯定感の低さは、人生のさまざまな側面に悪影響を及ぼします。

自己肯定感が低い自覚のある方は、不安になってしまうかもしれません。しかしながら、自己肯定感は、大人になってからも高めることが可能です。

自分の価値を再認識し、肯定的に捉えられるように意識を変えることで、人生はずっと生きやすくなります。具体的なステップは、以下に続きます。

▼自己肯定感を高める講座を受講した参加者の生の声などは下記の事例で紹介しています。
⇒大学生が自己肯定感を高める講座を受講~ねらいと成果、受講前後の変化とは~

  武庫川女子大学 大学生が「自己肯定感を高める講座」を受講 ねらいと成果、受講前後の変化とは 価値観が多様化する現代社会において若手社員の自己肯定感を高めるためにはどのような施策が有効なのでしょうか。好事例が、兵庫県の武庫川女子大学にあります。同大学の経営学部が、社会人向け「自己肯定感を高める講座」を学生向けにリメークし実施しました。その結果、実際に学生の自己肯定感が高まったことがわかりました。 株式会社LDcube


自己肯定感を高める7つの基本ステップ

自己肯定感を高める③

ここからは、自己肯定感を高めるための7つの具体的な方法を解説します。

自己肯定感は、日々の心がけ次第で、確実に育っていきます。

継続的に実践してみてください。

  1. セルフトークを変える
  2. 完璧主義を手放す
  3. 他人と比較しない
  4. 感謝の気持ちを持つ
  5. 自分の心と体をケアする
  6. 好きなことをする・嫌いなことをやめる
  7. 小さな成功体験を積み重ねる


セルフトークを変える

1つめの方法は「セルフトークを変える」です。

セルフトーク(自己対話)とは、心の中に浮かんでくるひとり言やつぶやきのことです。自分自身に対して、自分の心の中で行っている会話を、セルフトークといいます。

一説によれば、人は1日に2〜3万回のセルフトークをしているといわれます。

自己肯定感が低い人のセルフトークは、無意識のうちにネガティブになりがちです。1日に2〜3万回も自分を否定し続けたら、自己肯定感が下がるのも無理はないでしょう。

一方、自己肯定感の高い人は、常にポジティブなセルフトークを繰り返しています。まずは、そんな状態を、意識的に作り出すことを目指しましょう。

【ポジティブなセルフトークの例】

  • 「今のままの自分でいい。自分は自分。誰かと比べる必要なんてない」
  • 「弱い自分も、傷つく自分も、そっと受け止めてあげよう。自分を抱きしめる勇気を持とう」
  • 「自分の感情を我慢しないでいいよ。自分の気持ちに正直でいることは、恥ずかしいことじゃない」
  • 「失敗したかもしれない。けれど、私はベストを尽くして、十分にがんばったから、これでいい」
  • 「自分を認めることから始めよう。自分を許すことから始めよう」

    より効果を高めるためには、毎日鏡の前で、自分に向かって肯定的な言葉を声に出して語りかけるのがおすすめです。

    慣れないうちは抵抗があるかもしれません。しかし、繰り返し練習することで、ポジティブなセルフトークが、自然と身に付いていきます。

    参考:福祉医療機構「第18回: 自分とのコミュニケーション - 言葉の使い方と感情 」

    完璧主義を手放す

    2つめの方法は「完璧主義を手放す」です。

    自己肯定感が低い人の多くは、完璧主義の考え方に強くとらわれています。

    完璧主義とは、自分自身に非現実的な高いハードルを設定し、それを完璧に達成できないために自己評価を下げてしまう思考パターンです。

    前項で解説した “ポジティブなセルフトーク” を練習していく過程で、完璧主義があると、練習が妨害されてしまいます。

    完璧主義は自分を許容する余地が少ないために、ポジティブなセルフトークをする自分に、否定的なつっこみを入れたくなるからです。

    そこで、ポジティブなセルフトークの練習と並行して、完璧主義を手放す練習をしましょう。

    【完璧主義を手放すためのコツ】

    • ミスを許容する
      ミスは誰にでもあるものだと理解し、「完璧でなくても自分の価値は変わらない」と何度も繰り返し自分に言い聞かせます。
    • プロセスを重視する
      結果だけでなく、目標に向かって努力したことやそこから学んだことにも目を向け、自分を評価しましょう。成長のプロセスそのものを称賛することで、自己肯定感が高まります。
    • 柔軟に対応する
      「〇〇すべき」や「〇〇しなれば」にとらわれず、状況に応じて柔軟に対応する姿勢を大切にします。状況の変化に合わせて計画を修正する勇気を持つことが重要です。
    • 新しい口癖を使う
      「完璧にやらないと」「失敗は許されない」といった、自分を追い込む言葉を使うのをやめましょう。代わりに、「ベストを尽くせばそれでいい」「チャレンジすることに意味がある」など、自分を励まし、挑戦を後押しする言葉を使うようにします。

      きには、あえて失敗したり、ミスをしたり、他人に頼ったりする経験も大切です。

      「完璧ではないけれど、受け入れてもらえた」

      という体験は、完璧主義からの脱却に有益だからです。

      自分の不完全さを受け入れてもらえる経験を積むことで、自分の不完全さを許容できるようになっていきます。

      他人と比較しない

      3つめの方法は「他人と比較しない」です。

      他人と比較することは、自己肯定感を大きく損なう要因です。

      SNSの普及により、他人の成功体験や幸せそうな姿が目に入りやすくなった現代社会では、比較してしまう機会が増えています。

      他人との比較は、無用な劣等感を生む危険性があることを知っておきましょう。

      自己肯定感を高めるためには、他人に向けがちな目を、自分自身の成長や進歩に向けることが大切です。

      【他人と比較しないためのポイント】

      • 他人と比較される環境から離れる
        自己肯定感を高めるには、比較が激しい環境から一時的に距離を置くことが有効です。ライバルとの厳しい競争を強いられる職場や、自分の価値を他人と比べてしまう友人関係、初対面の人から評価される場などからは離れ、自分と向き合える環境を作りましょう。
      • SNSの情報を鵜呑みにしない
        SNSで見る他人の情報は、現実の一部分であることを理解しましょう。美化された情報や誇張された表現に惑わされず、冷静に判断することが大切です。
      • 比較する人とは距離を置く
        あなたとほかの人を比較して、ネガティブな言葉を投げかけてくる人物が身近にいれば、適度な距離を置くことが賢明です。あなたの自己肯定感が傷つけられないように、守りましょう。
      • 自分の価値基準を持つ
        他人の価値観に左右されるのではなく、自分の価値観に基づいて行動することが重要です。自分のペースで、自分らしく歩んでいきましょう。自分の人生は自分で決める権利があることを忘れないでください。

      どうしても他人と比較してしまう場合は、人との接触を減らし、自分自身向き合う 一人の時間” を作るもよいでしょう。

      一人旅、瞑想、読書、趣味の時間など、自分だけの時間を大切にしてください。これらは内面からの成長を促し、自己肯定感を養う手助けとなります。

      感謝の気持ちを持つ

      4つめの方法は「感謝の気持ちを持つ」です。

      感謝の気持ちを持つことは、自己肯定感を高めるうえで重要な要素です。感謝の気持ちを持つことで、ポジティブな感情が喚起され、自己肯定感が高まることが、研究で示されています。

      たとえば、ポジティブ心理学の研究者であるロバート・エモンズとマイケル・マックロスキーは、感謝が幸福感の向上につながることを明らかにしています。

      また、感謝の気持ちは、ストレスや不安を和らげる効果もあります。感謝の気持ちを持つことで、ネガティブな感情が緩和され、心の健康が促進されるのです。

      【感謝の気持ちを持つヒント】

      • 日々の小さな幸せに感謝する
        当たり前のことにも感謝の気持ちを持つことが大切です。小さな幸せを見つける習慣を作りましょう。
      • 自分自身に感謝する
        自分の存在や努力に感謝することを忘れないようにします。自分の長所や成長を認識し、自分に感謝の気持ちを向けることで、少しずつ自分を肯定的に受け入れられるようになります。
      • 感謝の気持ちを言葉や行動で表す
        感謝の気持ちを言葉にして伝えたり、具体的な行動(手紙を書く、プレゼントを贈る)で示したりしましょう。感謝の気持ちを表現すれば、相手との絆を深めることにもつながります。
      • 感謝日記をつける
        毎日、感謝したことを日記に書き留めるのも効果的です。日々の習慣として、感謝の気持ちを意識的に育むことができます。

      最近、何かに感謝したのは、いつだったでしょうか。

      日々の生活の中で、感謝の気持ちを育む習慣を身に付けることが、自己肯定感を高める鍵となるでしょう。

      参考:Robert A. Emmons, Michael E. McCullough「Counting Blessings Versus Burdens: An Experimental Investigation of Gratitude and Subjective Well-Being in Daily Life」

      自分の心と体をケアする

      5つめの方法は「自分の心と体をケアする」です。

      自分の心と体を大切にすることは、自己肯定感を高めるために不可欠といえます。

      自身のケアを疎かにしては、自己肯定感を維持することは難しいからです。

      心理学者のアブラハム・マズローは、「欲求段階説」の中で、生理的欲求や安全の欲求といった基本的な欲求が満たされることが、自己実現の前提条件であると示唆しています。

      自分の心と体を大切にすることは、自己肯定感を高める土台となるのです。

      【自分の心と体を大切にするためのポイント】

      • 十分な睡眠をとる
        良質な睡眠は、心身の健康に欠かせません。十分な睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを心がけましょう。
      • バランスの取れた食事を心がける
        栄養バランスの取れた食事は、心身の健康の基盤です。健康的な食生活を送るように努めましょう。
      • 適度な運動を習慣づける
        運動は、健康増進はもちろんのこと、ストレス解消や気分転換にも効果的です。自分に合った運動を見つけ、継続しましょう。
      • 自分と向き合う時間を持つ
        自分自身と向き合い、内面と対話する時間を持つことが心のケアになります。瞑想やマインドフルネス(*1)を実践するのもおすすめです。

        心身の健康を大切に考え、自身で自分に必要なケアをする姿勢が、自己肯定感の向上を助けてくれます。

        *1:マインドフルネスとは、今この瞬間に意識を向け、評価をせず、とらわれのない状態で観察することを意味します。ありのままを見る練習は、人生に対して肯定的で冷静になるために役立ちます。

        eラーニングで詳しく学びたい方は以下をご覧ください。

        後悔と不安から解放されるマインドフルネス活用コース(マイクロラーニング)

        参考:General Psychology「Maslow’s Hierarchy of Needs」

        好きなことをする・嫌いなことをやめる

        6つめの方法は「好きなことをする・嫌いなことをやめる」です。

        自分の好きなことに没頭し、嫌いなことを減らすことも、自己肯定感の向上につながります。

        自分の価値観に沿った行動を取ることで、自己肯定感が高まるからです。

        心理学者のミハイ・チクセントミハイは、「フロー理論」の中で、自分の好きなことに没頭することで、高い幸福感や充実感が得られると述べています。

        一方、嫌いなことを無理に続ければ、ストレスが増大し、自己肯定感を低下させる要因となります。

        嫌いなことに充てる時間を減らし、自分の価値観に合ったことに時間を使うように努めましょう。

        【好きなことをする・嫌いなことをやめるためのヒント】

        • 自分の情熱を見つけ追求する
          情熱を注げることに没頭する(いわゆるフロー状態に入る)と、高い集中力を発揮して満足感が得られます。この満たされた感覚は、自己肯定感につながっていきます。
        • 嫌いなことは柔軟に調整する
          嫌いなことを完全にやめることは難しいかもしれませんが、できる範囲で調整することが大切です。たとえば、嫌いなタスクは可能な限り効率化するか、ほかの人と協力して乗り越えましょう。
        • 自分の価値観に基づいて選択する
          自分の価値観に基づいて、何に取り組むかを選択しましょう。少しずつでも、自分らしい選択肢を選ぶたびに、自己肯定感が高まっていきます。
        • 新しいことにチャレンジする
          新たなチャレンジは、自分の好きなことを増やすチャンスです。小さな一歩から始めて、自分の興味を広げることで、未知の才能や喜びを発見できます。

          「好きなことを思い切り楽しみ、嫌いなことはできる限り手放す」

          そんな生き方を目指すことが、自己肯定感を高める秘訣です。

          参考:Claremont Graduate University「Mihaly Csikszentmihalyi  The Father of Flow」

          小さな成功体験を積み重ねる

          7つめの方法は「小さな成功体験を積み重ねる」です。

          成功体験は、前出の自己効力感(私は〇〇ができる、という感覚)の向上に直結します。

          心理学者のアルバート・バンデューラは、「自己効力感理論」の中で、自分にはできるという信念(自己効力感)が、自尊感情に大きな影響を与えると述べています。自己肯定感の向上にも、大きく関係しています。

          また、小さな成功体験は、「スモールステップ法」としても知られています。

          大きな目標を小さなステップに分割して少しずつ達成すれば、着実に成功体験を重ねられます。

          【小さな成功体験を積み重ねるためのコツ】

          • 現実的な目標を設定する
            達成可能な現実的な目標を設定することが大切です。最初は小さな目標から始め、徐々にステップアップしていきましょう。目標達成のイメージを具体的に描くことで、モチベーションを高められます。
          • 達成したことを認める
            目標を達成したら、自分のがんばりを認め、褒めることを忘れないでください。小さな成功を祝福し、自分を称賛しましょう。達成感を意識的に味わうことがポイントです。
          • 進歩を記録する
            目標に向けての進歩を記録することで、自分の成長を可視化できます。日記やメモ、チェックリストなどを活用して、進捗状況を確認しましょう。記録があれば、自分の努力や成果を客観的に把握できます。
          • 振り返りを行う
            定期的に振り返りを行い、自分の変化や成長を確認することが大切です。成功体験だけでなく、失敗から学んだこともポジティブに振り返りましょう。自分の成長プロセスを肯定的に受け止める練習が、自己肯定感につながります。

          小さな一歩を踏み出すところから始め、少しずつ成長していくプロセスを味わいましょう。やがて自然と、自分を肯定的なまなざしで見つめている自分に気付けるはずです。

          参考:Gabriel Lopez-Garrido「Self-Efficacy: Bandura’s Theory Of Motivation In Psychology」

           部下の自己肯定感を育むマネジャーの3つの心構え

          自己肯定感を高める④

          ここからは、部下の自己肯定感を育むために、マネジャーが持つべき3つの心構えを解説します。

          部下の自己肯定感を高めるためには、上司であるマネジャーの振る舞いが、大きな影響を与えます。

          次の3つのポイントを見ていきましょう。

          1. 業務へのフィードバックと部下の尊厳を明確に区別する
          2. 自立を促すが、必要なサポートは提供する
          3. 安全で開かれたコミュニケーション環境を作る


          業務へのフィードバックと部下の尊厳を明確に区別する

          1つめのポイントは「業務へのフィードバックと部下の尊厳を明確に区別する」です。

          上司として、部下の行動や成果に対するフィードバックは、行う必要性があります。

          一方で、部下の人格・経歴・容姿・プライベートなど、業務上の行動で変えられない面について、言及することは避けましょう。部下の尊厳に関わる部分だからです。

          たとえ、褒めているつもりでも、上司という権力を持った状態での言及は、部下がどう受け取るかわかりません。

          「悪気はない」「仲が良いから大丈夫」という言い訳をしないでください。その悪気のなさが、部下の自己肯定感を下げている可能性に、自覚的になりましょう。

          業務フィードバックと個人的属性の明確な区別は、健全なマネジメントの根幹です。

          自立を促すが、必要なサポートは提供する

          2つめのポイントは「自立を促すが、必要なサポートは提供する」です。

          部下が自ら考え行動できるよう、意思決定の機会を増やし、チャレンジを奨励することは、部下の自己肯定感を高めるために欠かせません。部下を信頼し、任せることで、部下は自分の能力を発揮し、成長できるのです。

          ただし、部下の自立を促すあまり、サポートが不足すれば逆効果です。放任するのではなく、部下が困難に直面したときには、必要なサポートを惜しまないことが大切です。

          【自立を促しつつサポートを提供するポイント】

          • 意思決定の機会を創出する
            部下が自ら考え、決断できるよう、意思決定の機会を積極的に設けましょう。部下の主体性を引き出し、自律的な行動を促すことが大切です。
          • 挑戦を奨励する
            部下が新しいことにチャレンジできるよう、失敗を恐れない環境を作ります。チャレンジから学ぶ姿勢を評価しましょう。
          • 要なアドバイスを提供する
            部下が困難に直面したときには、適切なアドバイスを提供します。部下の状況を理解し、そのニーズに合ったサポートを心がけましょう。
          • リソースを提供する
            部下がタスクを遂行するために必要なリソース(情報・ツール・人材など)を提供します。部下の成功をサポートする環境を整えましょう。
          • フィードバックを行う
            部下の取り組みに対して、定期的にフィードバックを行いましょう。良い点は具体的に述べて称賛し、改善点については一緒に建設的な解決策を探ります。

          このような「部下の能力を信じて任せること」と、「適切なサポートを提供すること」のバランス感覚は、マネジャー見せどころといえるでしょう。

          安全で開かれたコミュニケーション環境を作る

          3つめのポイントは「安全で開かれたコミュニケーション環境を作る」です。

          自分の意見や感情を、自由に表現できる雰囲気があってこそ、部下は自分自身を受け入れ、肯定的に捉えられるようになります。

          心理的安全性(*2)の高いチームでは、部下の自己肯定感も高くなる傾向があるのです。

          *2:心理的安全性とは、チームメンバーが自分の意見や考えを安心して共有できる環境があり、ミスを恐れずに挑戦できる状態を指します。詳しくは以下の記事にてご確認ください。
          ⇒​​​​​​​"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

          マネジャーは、部下との定期的なコミュニケーションの場を設け、部下の話に耳を傾け、共感することを心がける必要があります。

          部下の意見を尊重し、率直で活発な議論を奨励することで、部下は自分の存在価値を実感できるようになるでしょう。

          【安全で開かれたコミュニケーション環境を作るアクション】

          • 定期的に1on1ミーティングを行う
            「毎週1回・1時間」のように部下と定例で1対1のミーティングを行い、部下の意見や悩みに耳を傾けましょう。部下との信頼関係を築く機会とします。
          • オープンなディスカッションを奨励する
            チームミーティングでは、全員が自由に意見を述べられる雰囲気を作ります。多様な意見を尊重し、建設的な議論を促しましょう。
          • 共感的に最後まで話を聞く
            部下の話を聞くときは、頭ごなしに批判や評価をせず、まずは共感的に耳を傾けます。部下の感情を受け止め、理解しようとする姿勢が大切です。
          • フィードバックを求める
            マネジャー自身のマネジメントについて、部下からのフィードバックを求めます。部下の意見に耳を傾け、改善に努めましょう。

            1on1の詳細は、以下に続きます。

            心理的安全性資料


            部下との1on1ミーティングで自己肯定感を高める具体的な質問例

            自己肯定感を高める⑤

            部下との定期的な1on1ミーティングは、部下の自己肯定感を高める良い機会です。

            ミーティングの場では、部下のがんばりを認め、強みを引き出せるような質問を投げかけましょう。3つの具体的な質問例をご紹介します。

            1. 「どんなことをがんばったか」を聞き努力を認める
            2. 「どんな強みを発揮できたか」を問いかけ自信につなげる
            3. 「もっとチャレンジしたいことは何か」を尋ね成長意欲を引き出す


            「どんなことをがんばったか」を聞き努力を認める

            1つめは「『どんなことをがんばったか』を聞き努力を認める」です。

            • 「この1週間、どんなことをがんばったと感じていますか?」
            • 「プロジェクトの中で、自分なりに工夫した点はありますか?」
            • 「最近の仕事で、とくに力を入れて取り組んだことは何ですか?」

            このような質問で、部下のがんばりや努力のポイントを引き出しましょう。部下の仕事を認め、ねぎらいの言葉をかけることが大切です。

            「確かに大変だったと思いますが、粘り強かったですね」

            「その工夫は、すばらしいアイデアですね」

            など、部下の努力を具体的に称えることを意識します。

            自分のがんばりを認めてもらえることで、部下の自己肯定感は高まります。日頃の部下の努力を見逃さず、しっかりと評価していきましょう。

            「どんな強みを発揮できたか」を問いかけ自信につなげる

            2つめは「『どんな強みを発揮できたか』を問いかけ自信につなげる」です。

            • 「この仕事で、○○さんならではの強みを発揮できたと感じる場面は、どこですか?」
            • 「自分の得意分野を生かせた経験を教えてください」
            • 「最近の仕事で、自分の長所が生かせたと感じることは何ですか?」

            このような部下の強みや得意分野についての問いかけは、部下自身が自分の長所を再認識するきっかけとなります。

            部下にできるだけ具体的に話してもらい、長所を言語化するサポートをしましょう

            自分の強みを認識できれば、部下は「自分にはこんな良いところがあるんだ」と感じられます。これは、自己肯定感の向上に直結するポジティブな経験です。

            「もっとチャレンジしたいことは何か」を尋ね成長意欲を引き出す

            3つめは「『もっとチャレンジしたいことは何か』を尋ね成長意欲を引き出す」です。

            • 「今後、もっとチャレンジしてみたいことはありますか?」
            • 「どんなスキルを伸ばしていきたいと考えていますか?」
            • 「今の仕事で、さらに深めたい分野や興味のあるテーマは何ですか?」

            このように、部下の成長意欲を引き出すことも、自己肯定感を高めるうえで重要なポイントです。

            部下のチャレンジしたい分野や身に付けたいスキルについて尋ねることで、部下の向上心を刺激します。

            「その分野に興味があるんですね。ぜひ挑戦してみてほしいです」

            「その領域は、これからますます重要になってくると思います。ぜひ追求してみてください」

            など、部下の成長意欲を後押しする言葉を添えて、サポートしていきましょう。

            自己肯定感を高めるチームビルディングの進め方

            自己肯定感を高める⑥

            最後に、自己肯定感を高めるチームビルディングの進め方について解説します。ここでは以下3つのポイントを見ていきましょう。

            1. メンバー同士で互いの良いところを言葉にする習慣を育む
            2. 失敗を恐れず挑戦する文化を醸成し心理的安全性を高める
            3. チームの目標と個人の役割を明確にし達成感を味わう機会を増やす


            メンバー同士で互いの良いところを言葉にする習慣を育む

            1つめのポイントは「メンバー同士で互いの良いところを言葉にする習慣を育む」です。

            互いの長所や成果を言葉にして伝えることは、チーム全体の自己肯定感向上に大きな効果をもたらします。

            メンバーそれぞれが自己の価値を認識し、チームに貢献することの意義を感じられるからです。

            日頃から、具体的な言葉で互いの良さを称え合う習慣を根付かせましょう。

            【具体的な言葉がけの例】

            • 感謝の言葉
              「いつもチームをまとめてくれてありがとう。あなたのリーダーシップに皆が助けられている」と、感謝の言葉をかけます。相手の存在価値をしっかり認めていることが伝わります。
            • 個々の貢献への称賛
              「あなたのデザインはいつも全体のレベルを引き上げてくれる。すごい才能だね」と、個人の強みを具体的に称賛します。相手の自信や前向きな気持ちの源泉となります。
            • 成長の承認
              「どんどんパワーアップしているね。○○さんがどれだけ真剣に取り組んでいるか、伝わります」と、成長のプロセスを具体的に言葉にして伝えます。相手は自己成長の実感が得られるでしょう。
            • 励ましの言葉
              「今月は大変だと思うけど、○○さんならきっとうまくよ。困ったことがあったら、いつでも相談してね」と、メンバーの能力を信じ、サポートする意思を伝えます。挑戦する勇気につながります。

              のように、積極的にポジティブなフィードバックを交換することで、メンバーは自分自身と他人の成長を認識しやすくなります。

              また、仕組みとして導入したい場合には、以下のようなアイデアがあります。

              • 社内SNSやイントラネットの活用
                社内SNSやイントラネット上に、互いを称賛し合うためのコーナーを設けます。メンバー同士が日頃から感謝の言葉を交換できる場を提供します。
              • ピアボーナス制度の導入
                メンバー同士で、互いのがんばりを称えるピアボーナス(*3)の仕組みを取り入れます。互いの貢献を認め合う文化の醸成につながります。
              • りがとうカードの活用
                「ありがとうカード」を用意し、日頃の感謝の気持ちを手書きで伝え合う習慣を作ります。カードを受け取ったメンバーは、自分のがんばりが認められた喜びを感じられます。
              • 週間MVPの選出
                毎週、その週に最も活躍したメンバーを「週間MVP」として選出し、表彰します。選出理由を具体的に伝えることで、メンバーの自己肯定感を高めます。

              *3:ピアボーナスの「ピア(peer)」は同僚・仲間という意味で、メンバー同士でボーナス(報酬)を贈り合う制度のことです。互いの貢献を認め合い、称賛し合う文化を醸成するための仕組みとして知られています。

              失敗を恐れず挑戦する文化を醸成し心理的安全性を高める

              2つめのポイントは「失敗を恐れず挑戦する文化を醸成し心理的安全性を高める」です。

              自己肯定感が低い人には、これまで心理的安全性の低い環境に身を置いてきたケースが、多く見られます。

              育った環境や前職での経験が、自己肯定感に影響を与えているのです。

              だからこそ、チームビルディングでは、心理的安全性に焦点を当てる意義があります。

              一人一人が失敗を恐れずに果敢に挑戦できる、心理的安全性の高いチームなら、メンバーの自己肯定感は着実に育まれます。

              この心理的安全性を正しく理解し、チームに取り入れるためには、その概念の提唱者であるエイミー・C・エドモンドソンの知見を直接学ぶことが、最も推奨されます。

              「チームの心理的安全性」をテーマにしたエドモンドソンの講義は、メンバーそれぞれが安心してリスクを取り、革新を推進できる職場環境の構築に役立ちます。

              詳しくは以下のページよりご確認ください。
              心理的安全性がつくる恐れのない職場コース①(マイクロラーニング)
              心理的安全性がつくる恐れのない職場コース②(マイクロラーニング)

              心理的安全性資料


              チームの目標と個人の役割を明確にし達成感を味わう機会を増や

              3つめのポイントは「チームの目標と個人の役割を明確にし達成感を味わう機会を増やす」です。

              チームの目標と各メンバーの役割を明確にすることも、自己肯定感を高めるうえで欠かせません。

              自分の存在がチーム内で確かな意義を持っていることを、実感できるからです。

              自己肯定感の醸成と好相性な目標管理の手法としては、たとえば「OKR(Objectives and Key Results)」が挙げられます。

              チーム全体で目指すべきゴールを共有し、そのゴール達成のために一人一人が果たすべき役割を明らかにするのが、OKRの大きな特徴です。

              OKR

              具体的には、チーム全体で達成すべき挑戦的な目標(Objective)と、その目標の達成度を測る具体的な成果指標(Key Result)を設定します。

              メンバーはチームのOKRに紐づいた自身のOKRをマネジャーとともに設定し、定期的に進捗を確認しながら取り組みを進めていきます。OKRは、メンバーにとって、自分の存在意義を実感しやすい目標管理手法といえます。

              OKRについて詳細は、Google社による解説がわかりやすいので、以下をご確認ください。

              Google re:Work - ガイド: OKRを設定する

              OKRを活用する際には、以下の点に留意しましょう。

              • メンバー全員で目標設定のディスカッションを行い、納得感を持って取り組めるようにする。
              • 個人の目標とチームの目標の関連性を明確にし、全体像を把握できるようにする。
              • 定期的に進捗報告の場を設け、互いの取り組みを称賛し合う機会を作る。
              • 目標達成時には、チーム全体で成果を祝い、一体感を高める。

              個人のがんばりを称え、チームの一体感を強化することが、自己肯定感の向上につながります。

              まとめ

              本記事では、「自己肯定感を高める方法」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

              自己肯定感とは、自分自身を価値ある存在として認め、肯定的に受け入れる感覚です。

              自己肯定感を高める7つの基本ステップとして、以下を解説しました。

              1. セルフトークを変える
              2. 完璧主義を手放す
              3. 他人と比較しない
              4. 感謝の気持ちを持つ
              5. 自分の心と体をケアする
              6. 好きなことをする・嫌いなことをやめる
              7. 小さな成功体験を積み重ねる

              部下の自己肯定感を育むマネジャーの3つの心構えは次のとおりです。

              1. 業務へのフィードバックと部下の尊厳を明確に区別する
              2. 自立を促すが必要なサポートは提供する
              3. 安全で開かれたコミュニケーション環境を作る

              部下との1on1ミーティングで自己肯定感を高める具体的な質問例として、以下をご紹介しました。

              1. 「どんなことをがんばったか」を聞き努力を認める
              2. 「どんな強みを発揮できたか」を問いかけ自信につなげる
              3. 「もっとチャレンジしたいことは何か」を尋ね成長意欲を引き出す

              自己肯定感を高めるチームビルディングの進め方として、以下を解説しました。

              1. メンバー同士で互いの良いところを言葉にする習慣を育む
              2. 失敗を恐れず挑戦する文化を醸成し心理的安全性を高める
              3. チームの目標と個人の役割を明確にし達成感を味わう機会を増やす

              自己肯定感は、少しずつでも着実に、高められるものです。

              あなた自身や周囲の大切な人たちが、「自分は認められる存在である」と心から信じ、自分らしく仕事やプライベートに生きる喜びを実感できるよう、願っています。

              株式会社LDcubeでは、セルフエスティームを高めるための研修プログラムや、研修プログラムのトレーナー養成のご支援をしています。組織や個人のセルフエスティームを高めたい場合にはお気軽にご相談ください。

              また、研修プログラムだけでなく、eラーニングプログラムの提供も行っています。研修プログラムと合わせて受講いただくことで効果を高めることができますが、まずはeラーニングから手軽に学習を始めたいというニーズにも対応可能です。

              無料のデモIDなどの発行も行っています。お気軽にご相談ください。

              ▼ 自己肯定感を高める研修プログラム(HEP)の資料はこちらからダウンロードできます。
              HEP資料

              ▼自己肯定感を高めるには、組織・職場の心理的安全性を確保しておく必要があります。
              心理的安全性資料


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