コミュニケーション研修とは何をする?目的や具体的な内容・進め方
「社内のコミュニケーションがうまくいかず、業務効率が下がっている」
「組織全体のコミュニケーション力を底上げするために、研修を実施したい」
近年、このように組織におけるコミュニケーションの重要性が再認識され、コミュニケーション研修への注目が高まっています。
円滑なコミュニケーションは、業務効率を高め、職場に活力をもたらす重要な要素です。一方、コミュニケーション不全は、組織力低下を招く恐れがあり、看過できない課題といえるでしょう。
本記事では、コミュニケーション研修を検討中の方に向けて、コミュニケーション研修の目的や内容、対象者別のポイントから効果測定まで、網羅的に解説します。
組織力強化のために、コミュニケーション研修を戦略的に活用していきましょう。
▼ 職場コミュニケーションについては下記で詳しく解説しています。
⇒職場コミュニケーションが引き起こす問題とは?原因と活性化施策21個を徹底解説!
▼ コミュニケーションを円滑にするLIFOプログラムについての資料はこちらから。
目次[非表示]
- 1.コミュニケーション研修とは何か
- 1.1.コミュニケーションの定義と重要性
- 1.2.コミュニケーション不足が引き起こす問題
- 1.3.コミュニケーション研修の必要性が高まる背景
- 2.コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキル
- 2.1.対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル
- 2.2.自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル
- 2.3.非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル
- 2.4.人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル
- 3.対象者別コミュニケーション研修の内容
- 3.1.新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得
- 3.2.若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化
- 3.3.中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ
- 3.4.管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得
- 3.5.経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化
- 4.コミュニケーションの前提~自己理解~
- 5.コミュニケーション研修の受講者の声
- 6.コミュニケーション研修の実施形態
- 6.1.集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用
- 6.2.オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供
- 6.3.ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計
- 6.4.社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進
- 7.コミュニケーション研修の効果測定と評価
- 8.コミュニケーション研修ならLDcubeにお任せ!
- 9.まとめ
コミュニケーション研修とは何か
コミュニケーション研修は、組織のパフォーマンス向上に欠かせない取り組みとして、多くの企業で導入が進んでいます。
まずは、コミュニケーション研修とは何か、なぜ重要なのか、基本事項から確認していきましょう。
コミュニケーションの定義と重要性
そもそもコミュニケーションとは、情報や感情のやり取りを通じて、相手との相互理解を深めるプロセスを指します。
人間関係を築き、目標を達成するうえで、コミュニケーションの重要性は計り知れません。
組織における円滑なコミュニケーションは、以下の効用をもたらします。
【コミュニケーションの効用】
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このように、コミュニケーションは組織力の源泉といえる要素です。だからこそ、その能力開発が注目を集めています。
コミュニケーション不足が引き起こす問題
一方、コミュニケーション能力が低い組織では、以下のような課題を抱えやすくなります。
【コミュニケーション不足の弊害】
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以上の問題が重なれば、業績悪化は免れません。コミュニケーション不足は、組織の存続をも脅かしかねない重大リスクといえます。
コミュニケーション不足による問題を認識し、早期に対策を講じることが大切です。
コミュニケーション研修の必要性が高まる背景
一方、社会の変化や多様化が急速に進む現代では、コミュニケーション研修の重要性がますます高まっています。
その背景には、以下の要因が挙げられます。
【コミュニケーション研修の必要性が高まる要因】
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このような背景を踏まえ、組織の持続的な成長と発展のためには、戦略的なコミュニケーション研修への投資が不可欠といえます。
コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキル
続いて、「コミュニケーション研修って、具体的に何を習得するの?」という疑問にお答えしていきましょう。
どのようなカリキュラムを組むかによっても変わってきますが、ここでは、ビジネスシーンで必要不可欠な4つのコミュニケーションスキル習得について解説します。
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対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル
1つ目のコミュニケーションスキルは「対話力」です。
対話力は、相手の言葉をしっかり受けとめ、その内容と自分の考えを照らし合わせながら、適切な受け答えをしていく力のことです。
双方向のコミュニケーションを通じて、相互理解を深めていくスキルといえるでしょう。
【対話力習得の具体例】
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対話力を高めることは、相手の立場に立って考え、耳を傾ける姿勢を養うことでもあります。
これは、コミュニケーション能力の根幹を担う本質です。
自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル
2つ目のコミュニケーションスキルは「自己表現力」です。
自己表現力は、自分の考えや意図を明確に伝え、相手の理解と共感を得る力です。
的確な自己表現は、建設的な議論を促し、円滑な合意形成につながります。
【自己表現力習得の具体例】
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自己表現力を向上させると、自分の意見を効果的に主張し、相手の賛同を得られるようになります。
説得力のある自己表現は、リーダーシップの発揮にも欠かせないコミュニケーション能力です。
非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル
3つ目のコミュニケーションスキルは「非言語スキル」です。
非言語スキルは、表情やジェスチャー、声のトーンなど、言葉以外の手段で意図を伝える力です。
コミュニケーション研修では、非言語メッセージの重要性を認識し、戦略的に活用する方法を学びます。
【非言語スキル習得の具体例】
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非言語スキルを向上させれば、言葉だけでは伝えきれない思いを表現し、相手との一体感を生み出せるようになります。
また、職場の雰囲気が悪い場合、メンバーの非言語スキルの未熟さが、原因として潜んでいることがあります。
非言語スキルを磨くことは、誰もが心地よく過ごせる職場づくりにつながります。
人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル
4つ目のコミュニケーションスキルは「人間関係構築力」です。
人間関係構築力は、コミュニケーションを通じて良好な人間関係を築き、協力的な関係を生み出す力です。
相手と関係構築するために必要な考え方や、Win-Winの関係を築くコミュニケーション手法を学びます。
【人間関係構築力習得の具体例】
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人間関係構築力が高まると、組織内のコミュニケーションの質が向上し、メンバー同士の結びつきが強くなります。
信頼で結ばれたチームは高いパフォーマンスを発揮するため、組織の持続的な成長の土台となるでしょう。
▼チームビルディング研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒チームビルディング研修とは?目的や学ぶ内容・種類・実施方法
▼コミュニケーション力UPにつながる、自己理解ワークショップ(研修)については下記で解説しています。⇒行動特性を踏まえた自分・自己理解を深めるワークショップ(研修)とは!
対象者別コミュニケーション研修の内容
コミュニケーション研修の設計にあたっては、対象者の特性やニーズを踏まえることが重要です。
ここでは、新入社員、若手社員、中堅社員、管理職、経営層の各層に対して、どのような内容の研修を実施するのか、その進め方も交えて解説します。
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新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得
第1の対象者は「新入社員」です。
新入社員を対象とした研修では、社会人としての基本的なマナーとコミュニケーションの習得に重点を置きます。
学生から社会人への移行を支援し、組織への適応力を高めることが狙いです。新入社員研修で押さえるべき内容は、以下が挙げられます。
【新入社員向けコミュニケーション研修の内容】
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研修の進め方としては、講義だけでなく、ロールプレイングや振り返りのディスカッションを多く取り入れると効果的です。
実践的な学びの機会を設ければ、スキルの早期定着が期待できます。
▼新入社員向けの研修は、以下の記事も参考にしてみてください。
⇒新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上!
▼報連相研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒報連相研修の必要性とは!?「今」の重要性やポイントについて解説!
若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化
第2の対象者は「若手社員」です。
若手社員には、後輩指導や顧客対応など、より実践的な場面で求められるスキルの強化が必要です。コミュニケーション力の向上が、業務のパフォーマンスに直結する段階だといえます。
若手社員向けの研修では、以下の内容が柱になります。
【若手社員向けコミュニケーション研修の内容】
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若手社員の研修では、OJT(職場内訓練)との連動が効果的です。日常の業務を通じて、研修で得た気づきを実践につなげる仕掛けが求められます。
▼OJTについて詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
⇒OJTとは?意味や目的、メリット、Z世代への適応まで全解説!
▼プレゼンテーション研修については下記で詳しく解説しています。
⇒プレゼンテーションスキル研修徹底解説!デジタル時代のビジネス・人材育成で重要!
中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ
第3の対象者は「中堅社員」です。
中堅社員は、業務の中核を担う存在であると同時に、部下の育成も求められます。
部署間の連携を円滑に進めながら、リーダーシップを発揮するためのスキルアップが必要とされる段階です。
中堅社員にとくに必要なコミュニケーションスキルは、以下が考えられます。
【中堅社員向けコミュニケーション研修の内容】
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中堅社員の研修では、自走する力を高めることに主眼が置かれます。
上司との振り返り面談なども活用しながら、徐々に自立したリーダーへと成長を遂げていくことが期待されます。
▼コーチング研修については下記で詳しく解説しています。
⇒コーチング研修に必要な内容とは?研修後に実践するためのポイントなど解説!
管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得
第4の対象者は「管理職」です。
管理職は、部門の責任者として高いマネジメント能力が問われる立場です。「人を育て、組織を動かす」というミッションを全うするには、高度なコミュニケーション力が不可欠となります。
管理職にとくに必要とされるスキルとして、以下が挙げられます。
【管理職向けコミュニケーション研修の内容】
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管理職の研修では、セルフリーダーシップ(自己統制力)を高める内省の機会を数多く設けることが有益です。
360度評価(上司・同僚・部下からの多面的な評価)などを通じて、自身のコミュニケーションを客観的に振り返り、強みと課題を把握する作業は欠かせません。
経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化
第5の対象者は「経営層」です。
経営層には、社内の組織文化の醸成と、社外のステークホルダーとの関係構築という、両面でのコミュニケーション力が問われます。
一言一句が会社の命運を左右する重責を担う経営層に、必要不可欠なスキルは以下が挙げられます。
【経営層向けコミュニケーション研修の内容】
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経営層の研修では、自社の経営課題と直結したテーマ設定が鍵となります。
外部講師を招くなど、社外の知見を積極的に取り入れ、視野の拡大を図るのも有効です。
コミュニケーションの前提~自己理解~
コミュニケーションの前提として、自己理解は非常に重要な要素です。自己理解とは、自分の性格や価値観、強みや弱点などを深く理解することを指します。
この自己理解の幅で他者を理解することができ、円滑なコミュニケーションにつながっていきます。
そのため、自己理解がなければ他者と効果的にコミュニケーションを取ることが難しくなるでしょう。
自己理解を深めるための方法は5つあります。
- 自分で自分のことを考える
- 他者からの指摘・フィードバック
- 診断ツールの活用
- イメジリィ(言い換えると、想像をめぐらすことから情報を得ること)
- 体の動き
コミュニケーション研修では上記の要素を取り入れながら進めて行くことで研修効果を高めることが可能です。
ここでは自己診断ツールLIFOについて紹介します。
LIFO®プログラムは、『LIFO®サーベイ』という自己診断を中核とした、人の強みに焦点を当て、強みを生かすための方法論(プログラム)です。また、強みを使いすぎてしまうと弱みになってしまうという考え方が特徴です。
1967年にアメリカ人のスチュアート・アトキンズ博士とアラン・キャッチャー博士により、行動科学、精神分析、カウンセリング理論をベースに開発されました。LIFO®(ライフォ)という名称は、Life Orientations からとっています。
LIFO®は、 自己理解と他者理解を深め、 個人の行動変化やタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションや良好な人間関係づくりをポジティブに促進します。
その適用範囲は広く、マネジャー育成や営業社員研修、コーチング、キャリア研修など、企業内人材育成のシーンから、就活中の学生が自分の強みを確認するような場面まで、あらゆる領域で活用されています。
LIFOについては下記から資料をダウンロードして確認ください。
▼ LIFO診断については下記で詳しく解説しています。
⇒行動特性診断で自己理解・分析を促す! 性格分析ツールとの違いも解説!
▼自己理解のみならず他者理解も重要です。下記で詳しく解説しています。
⇒他者理解とは?その意味と必要な7つのこと─職場でできる施策も紹介
コミュニケーション研修の受講者の声
株式会社LDcube(以下、LDcube)ではこれまで多くのコミュニケーション研修を実施してきました。また、弊社講師が研修を実施するだけではなく、LIFOプログラムを活用した社内トレーナーによるコミュニケーション研修も数多く実施されています。その中から、受講者の声を紹介します。
- 個々の特徴に合わせた行動やふるまいで、業務の遂行や人間関係を円滑にすることができること学び、コミュニケーションをとる中で意識していこうと思いました。
- 自己を理解し、他者とのコミュニケーションを円滑に行う為に他者の心情を考えた行動、言動をとる事が大切だと分かりました。
- 自分の認識結果とメンバーからの認識結果とで違いがあることが分かり、人によって見え方が異なることが分かった。同僚や上司の行動スタイルを意識しながら働きかけることで、効率的に仕事を進められたり、摩擦を低減できたりするという点が新たな発見だった。
- 自身で思っていた特性と周りから思われている特性に少し乖離がありました。スタイルに優劣や正解はなく、自身や周りの方の特性を理解することで、コミュニケーションを円滑にすることができることを学びました。
- 自分の特徴を認知することで、自分の行動変革し、また相手の特徴に合わせて関係構築することを学びました。
- 会社員生活も長いのですが、このLIFO研修は初体験です。自身の傾向はある程度分かっているのですが、こうした体系立てされた分類でその特徴や行動パターン等の整理は勉強になりました。なかなか意識しないと活用も疎かになりますが、対人関係で役立てたいと考えています。
- 自分の強み、持ち味、自分らしさ(行動スタイル)を再発見することができました。この研修で得られた”自己理解”をベースにし、強みを活かして生産性向上に努めていきたいと思います。又、未使用の強みも意識して伸ばしていきたいと思います。
- 相手に合わせたコミュニケーションツールをとるには、相手の好きなスタイルを認識する必要があることを学びました。次回のプレゼンテーションに商談相手の身なり態度をもとにメインスタイルを推測してみます。また、A/Dスタイルの目標である人のことを良く知ること、うまく付き合っていくことは、営業の現場でも活用できると感じたので、顧客との商談時に取り入れるように考えます。
- 苦手な窓(スタイル)や状況を客観的に意識し有効なコニュニケーションをとれるように実践したい。
- メンバーとの会話を今以上に実施して、見た目だけではなく言動やこだわりが分かるように他人に興味を持ちコミュニケーションをとります。
- メンバーに合わせたコミュニケーションをとる為に、今回の研修で学んだことを参考にメンバーのメインスタイルを認識したいと思います。
コミュニケーション研修の実施形態
続いて、研修形態の話に移りましょう。
コミュニケーション研修の実施形態として、次の選択肢があります。
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目的や対象者、予算などに応じて適切に選択できるよう、以下でそれぞれの特徴を解説します。
集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用
1つ目の形態は「集合研修」です。
集合研修は、会議室などに一堂に会して行う対面式の研修です。
参加者同士の直接的なコミュニケーションを通じて、一体感の醸成と相互啓発が期待できるのが大きな特徴です。
【集合研修の効用】
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一方で、集合研修にはスケジュール調整の難しさや、一度に多くの従業員を集めるコストなどの課題もあります。費用対効果を見極めながら、必要に応じて実施することが求められます。
オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供
2つ目の形態は「オンライン研修」です。
オンライン研修は、インターネットを介して行うリモート形式の研修です。場所と時間の制約を超えて、より多くの従業員に学びの機会を提供できるのが最大の利点です。
オンラインで講義を配信するセミナー型や、自学自習形式のeラーニング型があります。
たとえば、CrossKnowledge eラーニング では、以下のカリキュラム(標準学習時間 7時間)があります。
オンライン研修の効用は、以下が挙げられます。
【オンライン研修の効用】
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一方で、オンライン研修では、対面でのコミュニケーションが制限されるため、一体感の醸成には工夫が必要になります。
受講者の集中力を保つための施策も欠かせません。オンラインならではの学習設計が求められるでしょう。
▼オンライン研修に関する詳細は、以下の記事をあわせてご覧ください。
⇒オンライン研修のメリットとは?成功の秘訣や背景にある人材育成の流れまで解説!
ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計
3つ目の形態は「ハイブリッド研修」です。
ハイブリッド研修は、集合研修とオンライン研修を組み合わせた研修形態です。対面とオンラインのメリットを状況に応じて使い分け、学習効果の最大化を狙います。
ハイブリッド研修の導入によって、以下のような効用が見込めます。
【ハイブリッド研修の効用】
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ハイブリッド研修の設計では、オンラインと対面の利点を引き出すことに注意を払うとよいでしょう。
単なる折衷案ではなく、それぞれの長所を生かした学習設計を追求すれば、相乗効果が期待できます。
社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進
4つ目の形態は「社外研修」です。
社外研修は、自社の枠を超えて、他社の従業員とともに学ぶ研修の形です。業界の垣根を越えた異業種交流を通じて、視野の拡大と新たな気づきが期待できます。
社外研修を選択するメリットは、以下のような点が挙げられます。
【社外研修の効用】
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一方で、社外研修では、自社の事情に即した内容になりにくいというデメリットもあります。
社外での学びを自社の文脈に落とし込む工夫が求められます。
コミュニケーション研修の効果測定と評価
最後に、アンケート調査や行動変容の観察、業績データの分析など、多角的な効果測定の方法について解説します。
研修の成果を定量的・定性的に把握し、改善のPDCAサイクルを回していくことが重要です。
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アンケート調査:受講者の満足度と理解度の把握
1つ目の測定法は「アンケート調査」です。
研修の効果測定において、基本的な手法がアンケート調査です。受講者の満足度や理解度を直接尋ね、研修の成果を定量的に把握します。
アンケート調査では、以下の設問を設けると効果的です。
【アンケート調査の設問例】
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アンケートは研修の直後だけでなく、一定期間経過後に実施するのも有効です。
時間の経過とともに、評価がどう変化したかを追跡すれば、研修の効果を多面的に捉えられるでしょう。
行動変容の観察:研修前後の受講者の言動変化をチェックする
2つ目の測定法は「行動変容の観察」です。
研修の真の成果は、受講者の行動変容として表れます。研修前後の受講者の言動を丁寧に観察すると、スキルの習得状況や実践度合いを評価できます。
行動変容のチェックポイントは、以下の視点が考えられます。
【行動変容の観察ポイント】
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行動変容の観察は、受講者本人だけでなく、上司や指導にあたる先輩社員など周囲にもヒアリングを行うと効果的です。
多様な視点から行動の変化を捉え、評価の客観性を高めましょう。
業績データの分析:生産性や顧客満足度への影響を数値で把握
3つ目の測定法は「業績データの分析」です。
コミュニケーション研修の成果は、最終的に、業績データに表れるものです。
生産性や顧客満足度など、具体的な数値の変化を追跡すれば、研修の効果を可視化できます。
業績データの分析では、以下のような指標に着目すると有益です。
【業績データの分析指標例】
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注意点として、業績データの分析では、研修以外の要因による変動は排除する必要があります。
どこまでの厳密性を求めるかは企業によって異なりますが、短期的な数値の変化だけでなく、中長期的な推移を見据えて、効果を測定することが大切です。
コミュニケーション研修ならLDcubeにお任せ!
LDcubeはLIFO診断を効果的に活用し、さまざまな方向けのコミュニケーション研修を提供しています。LIFO(Life Orientations)診断は、個人の行動スタイルや価値観を理解するためのツールで、受講者が自身の強みや発揮しやすい行動パターンを知る手助けをします。
LIFO診断を通じて自己理解を深めることで、受講者は自分自身のコミュニケーションスタイルを認識し、改善点に気付き、より効果的なコミュニケーションの取り方を学習することができます。
また、自己理解を通じて他者理解を促進し、チーム内で円滑なコミュニケーションを行うことができます。異なるスタイルを持つ同僚との接し方を学ぶことで、誤解や摩擦を減らし、協力的な職場環境を築くことが可能になります。
さらに、LDcubeの研修プログラムは、社内のトレーナーによって実施できるという柔軟性があることも特徴です。社内トレーナーを育成すると、企業は外部の研修機関に頼らず自社内で継続的に研修を行うことができ、コストを抑えながらも社員のスキル向上をサポートすることができます。
トレーナー自身がLIFO診断の手法を学び、継続的に研修を実施することで組織全体のコミュニケーションの質を持続的に向上させていくことが可能です。
まとめ
本記事では「コミュニケーション研修」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキルは、以下のとおりです。
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対象者別コミュニケーション研修の内容と進め方として、以下を解説しました。
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コミュニケーション研修の実施形態として、以下をご紹介しました。
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コミュニケーション研修の効果測定と評価は、以下の指標で行いましょう。
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コミュニケーションの力は、短期間で身に付くものではありませんが、地道な学びと実践の積み重ねが組織を強くする礎となります。
コミュニケーション研修をカルチャーとして根付かせ、コミュニケーションを通じた組織力の向上を実現していきましょう。
株式会社LDcubeでは、コミュニケーション研修で使える豊富なノウハウや自己診断ツールLIFO、コミュニケーションについてのeラーニングプログラムなどをご提供しております。
コミュニケーション研修を社内講師で展開する研修内製化プログラムも展開しております。プログラムの無料体験会なども行っております。お気軽にご相談ください。
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▼ 参考記事はこちらから。