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コミュニケーション研修とは何をする?目的や具体的な内容・進め方

「社内のコミュニケーションがうまくいかず、業務効率が下がっている」
「組織全体のコミュニケーション力を底上げするために、研修を実施したい」

近年、このように組織におけるコミュニケーションの重要性が再認識され、コミュニケーション研修への注目が高まっています。

円滑なコミュニケーションは、業務効率を高め、職場に活力をもたらす重要な要素です。一方、コミュニケーション不全は、組織力低下を招く恐れがあり、看過できない課題といえるでしょう。

本記事では、コミュニケーション研修を検討中の方に向けて、コミュニケーション研修の目的や内容、対象者別ポイントから効果測定まで、網羅的に解説します。

組織力強化のために、コミュニケーション研修を戦略的に活用していきましょう。

▼ 職場コミュニケーションについては下記で詳しく解説しています。
⇒職場コミュニケーションが引き起こす問題とは?原因と活性化施策21個を徹底解説!

  職場コミュニケーションが悪化する原因と活性化させる21の施策 近年、テレワークの普及などにより、職場のコミュニケーションの希薄化が進行しています。コミュニケーション不全を放置すると、生産性の低下や優秀な人材の流出など、企業に大きな損失をもたらしかねません。本記事では、職場コミュニケーションの問題点と、それを改善するための21の施策を詳しく解説します。 株式会社LDcube

▼ コミュニケーションを円滑にするLIFOプログラムについての資料はこちらから。

LIFO資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.コミュニケーション研修とは何か
    1. 1.1.コミュニケーションの定義と重要性
    2. 1.2.コミュニケーション不足が引き起こす問題
    3. 1.3.コミュニケーション研修の必要性が高まる背景
  2. 2.コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキル
    1. 2.1.対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル
    2. 2.2.自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル
    3. 2.3.非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル
    4. 2.4.人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル
  3. 3.対象者別コミュニケーション研修の内容
    1. 3.1.新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得
    2. 3.2.若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化
    3. 3.3.中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ
    4. 3.4.管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得
    5. 3.5.経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化
  4. 4.コミュニケーションの前提~自己理解~
  5. 5.コミュニケーション研修の受講者の声
  6. 6.コミュニケーション研修の実施形態
    1. 6.1.集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用
    2. 6.2.オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供
    3. 6.3.ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計
    4. 6.4.社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進
  7. 7.コミュニケーション研修の効果測定と評価
    1. 7.1.アンケート調査:受講者の満足度と理解度の把握
    2. 7.2.行動変容の観察:研修前後の受講者の言動変化をチェックする
    3. 7.3.業績データの分析:生産性や顧客満足度への影響を数値で把握
  8. 8.コミュニケーション研修ならLDcubeにお任せ!
  9. 9.まとめ

コミュニケーション研修とは何か

コミュニケーション研修①

コミュニケーション研修は、組織のパフォーマンス向上に欠かせない取り組みとして、多くの企業で導入が進んでいます。

まずは、コミュニケーション研修とは何か、なぜ重要なのか、基本事項から確認していきましょう。

コミュニケーションの定義と重要性

そもそもコミュニケーションとは、情報や感情のやり取りを通じて、相手との相互理解を深めるプロセスを指します。

人間関係を築き、目標を達成するうえで、コミュニケーションの重要性は計り知れません。

組織における円滑なコミュニケーションは、以下の効用をもたらします。

【コミュニケーションの効用】

  • 情報共有の促進
    コミュニケーションが活発なら、必要な情報が適切なタイミングで共有されます。業務の効率化や意思決定のスピードアップにつながります。

  • 信頼関係の醸成
    健全なコミュニケーションを通じて、メンバー間の理解が深まり、信頼関係が育まれます。チームワークの向上が期待できます。

  • 問題解決の加速
    コミュニケーションによって課題や懸念を早期に共有できれば、迅速な問題解決が可能になります。リスクの芽を早い段階でつぶせます。

  • モチベーションの向上
    明るく前向きなコミュニケーションは、職場の一体感を高め、従業員のモチベーション向上につながります。

  • イノベーションの促進
    多様な意見を交わすと、新しいアイデアが生まれやすくなります。イノベーションの土壌が育まれるのです。

このように、コミュニケーションは組織力の源泉といえる要素です。だからこそ、その能力開発が注目を集めています。

コミュニケーション不足が引き起こす問題

一方、コミュニケーション能力が低い組織では、以下のような課題を抱えやすくなります。

【コミュニケーション不足の弊害】

  • 業務効率の低下
    情報共有が不十分だと、業務の重複やミスが発生し、生産性が低下します。コミュニケーション不足により、業務が滞るケースは少なくありません。

  • 人間関係の悪化
    コミュニケーション不足は誤解を生み、職場の人間関係が悪化する原因となります。人間関係が悪化すると、コミュニケーションを避ける悪循環に陥るため、問題がさらに深刻化していきます。

  • モチベーションの低下
    疎外感を覚える従業員が出てくると、モチベーションが下がり、組織の活力が失われます。コミュニケーションの質が、従業員のエンゲージメントを左右します。

  • 顧客満足度の低下
    社内のコミュニケーション不足によって、顧客情報の共有が不十分となり、顧客対応の質が低下するリスクがあります。結果、顧客満足度が下がってしまうのです。

以上の問題が重なれば、業績悪化は免れません。コミュニケーション不足は、組織の存続をも脅かしかねない重大リスクといえます。

コミュニケーション不足による問題を認識し、早期に対策を講じることが大切です。

コミュニケーション研修の必要性が高まる背景

一方、社会の変化や多様化が急速に進む現代では、コミュニケーション研修の重要性がますます高まっています。

その背景には、以下の要因が挙げられます。

【コミュニケーション研修の必要性が高まる要因】

  • 世代間ギャップ
    ミレニアル世代やZ世代の台頭で、世代間のコミュニケーションギャップが顕在化しています。年齢や経験の壁を超えて、一体感のあるチームを作るためのコミュニケーション研修が求められています。

  • 人手不足の深刻化
    採用難や人手不足が叫ばれる昨今、優秀な人材の獲得と定着が組織の生命線となっています。職場の人間関係の良し悪しは、離職率や新たな人材の採用力に大きな影響を及ぼします。

  • 価値観の多様化
    グローバル化の進展によって、異なる文化的背景を持つ従業員が増えています。文化の違いを理解し、互いの強みを生かし合うためのスキル習得が、喫緊の課題となっています。

  • 働き方の変化
    テレワークの浸透により、対面でのコミュニケーション機会が減少しました。リモートワークに適した新しいコミュニケーションスキルの習得が必要です。

  • 顧客接点の多様化
    SNSの普及などを背景に、顧客とのコミュニケーションチャネルが多様化しました。多様な状況に合わせて対応するコミュニケーション力強化が急務となっています。

このような背景を踏まえ、組織の持続的な成長と発展のためには、戦略的なコミュニケーション研修への投資が不可欠といえます。

コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキル

コミュニケーション研修②

続いて、「コミュニケーション研修って、具体的に何を習得するの?」という疑問にお答えしていきましょう。

どのようなカリキュラムを組むかによっても変わってきますが、ここでは、ビジネスシーンで必要不可欠な4つのコミュニケーションスキル習得について解説します。

  1. 対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル
  2. 自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル
  3. 非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル
  4. 人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル


対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル

1つ目のコミュニケーションスキルは「対話力」です。

対話力は、相手の言葉をしっかり受けとめ、その内容と自分の考えを照らし合わせながら、適切な受け答えをしていく力のことです。

双方向のコミュニケーションを通じて、相互理解を深めていくスキルといえるでしょう。

【対話力習得の具体例】

  • 傾聴力
    相手の話に耳を傾け、内容だけでなく感情も含めて理解する力を養います。オウム返しや要約のスキルを通じて、積極的な聞き手になる訓練を行います。

  • 質問力
    相手の考えや本音を引き出すための質問の技術を学びます。オープンクエスチョン・クローズドクエスチョンなど、さまざまな種類の質問を使い分け、対話を深めるトレーニングを積みます。

  • 共感力:相手の立場に立って物事を捉え、感情を理解する姿勢を培います。そのうえで、適切な言葉や態度で、相手に共感を示す練習を重ねます。

  • フィードバック力
    相手の行動を客観的に観察し、適切にフィードバックする方法を学びます。良い点を称賛し、改善点を建設的に伝えるトレーニングを行います。

対話力を高めることは、相手の立場に立って考え、耳を傾ける姿勢を養うことでもあります。

これは、コミュニケーション能力の根幹を担う本質です。

自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル

2つ目のコミュニケーションスキルは「自己表現力」です。

自己表現力は、自分の考えや意図を明確に伝え、相手の理解と共感を得る力です。

的確な自己表現は、建設的な議論を促し、円滑な合意形成につながります。

【自己表現力習得の具体例】

  • 論理的思考力
    情報を整理し、結論を導き出す論理的な思考法を学びます。ロジックツリーなどのフレームワークを活用し、筋道立てて考える訓練を積みます。

  • 言語化力
    自分の考えを言葉で的確に表現する力を養います。抽象的な概念を具体的に説明する練習を通じて、表現力を磨きます。

  • プレゼンテーション力
    聞き手を引きつける話し方や、説得力のある構成を学びます。実践的なプレゼンテーション演習を通じて、説得力を高めるトレーニングを行います。

  • ストーリーテリング
    自分の経験や思いを物語として伝える技術を身に付けます。ストーリーの構成要素や、感情に訴求する表現方法を学び、印象に残るコミュニケーションを目指します。

自己表現力を向上させると、自分の意見を効果的に主張し、相手の賛同を得られるようになります。

説得力のある自己表現は、リーダーシップの発揮にも欠かせないコミュニケーション能力です。

非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル

3つ目のコミュニケーションスキルは「非言語スキル」です。

非言語スキルは、表情やジェスチャー、声のトーンなど、言葉以外の手段で意図を伝える力です。

コミュニケーション研修では、非言語メッセージの重要性を認識し、戦略的に活用する方法を学びます。

【非言語スキル習得の具体例】

  • 表情管理
    自身の表情を適切にマネジメントし、メッセージに説得力を持たせる方法を身に付けます。笑顔や真剣な表情など、場面に合わせた表情を意図的に使い分ける訓練をします。

  • ボディランゲージ
    身振りや姿勢で意図を効果的に伝える技術を学びます。適切なジェスチャーを取り入れ、言葉を補強する表現力を養います。

  • パラ言語(語句の意味そのもの以外の音声情報)
    話すスピード、声の高低、間の取り方、イントネーションなどの表現を高めるスキルを習得します。話す言葉自体だけでなく、“言い方” にも意識を向けて工夫する訓練を行います。

  • 場の空気を読む力
    その場の雰囲気を察知し、状況に応じて適切に振る舞う方法を学びます。相手の反応を見ながら、コミュニケーションスタイルを柔軟に変える練習を積みます。

非言語スキルを向上させれば、言葉だけでは伝えきれない思いを表現し、相手との一体感を生み出せるようになります。

また、職場の雰囲気が悪い場合、メンバーの非言語スキルの未熟さが、原因として潜んでいることがあります。

非言語スキルを磨くことは、誰もが心地よく過ごせる職場づくりにつながります。

人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル

4つ目のコミュニケーションスキルは「人間関係構築力」です。

人間関係構築力は、コミュニケーションを通じて良好な人間関係を築き、協力的な関係を生み出す力です。

相手と関係構築するために必要な考え方や、Win-Winの関係を築くコミュニケーション手法を学びます。

【人間関係構築力習得の具体例】

  • ラポール形成
    初対面の相手と打ち解け、親しみやすい関係を築く方法を学びます。アイスブレイク(緊張を解きほぐす手法)や適切な雑談など、関係構築のためのコミュニケーション技術を身に付けます。

  • 異文化コミュニケーション
    多様な価値観や文化背景を持つ相手と円滑にコミュニケーションする方法を習得します。相手の立場に立って考え、柔軟に対応する力を養います。

  • チームビルディング
    メンバーの個性や強みを生かし、強いチームを作る技術を学びます。心理的安全性の高い環境づくりや、建設的な議論の進め方をトレーニングします。

  • コンフリクト対応
    意見の対立や衝突が起きた際に、建設的に解決するスキルを身に付けます。傾聴とアサーション(自分の意見や感情を明確に伝えること)のバランスを取りながら、Win-Winの関係を目指す方法を学びます。

人間関係構築力が高まると、組織内のコミュニケーションの質が向上し、メンバー同士の結びつきが強くなります。

信頼で結ばれたチームは高いパフォーマンスを発揮するため、組織の持続的な成長の土台となるでしょう。

▼チームビルディング研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒チームビルディング研修とは?目的や学ぶ内容・種類・実施方法

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対象者別コミュニケーション研修の内容

コミュニケーション研修③

コミュニケーション研修の設計にあたっては、対象者の特性やニーズを踏まえることが重要です。

ここでは、新入社員、若手社員、中堅社員、管理職、経営層の各層に対して、どのような内容の研修を実施するのか、その進め方も交えて解説します。

  1. 新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得
  2. 若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化
  3. 中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ
  4. 管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得
  5. 経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化


新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得

第1の対象者は「新入社員」です。

新入社員を対象とした研修では、社会人としての基本的なマナーとコミュニケーションの習得に重点を置きます。

学生から社会人への移行を支援し、組織への適応力を高めることが狙いです。新入社員研修で押さえるべき内容は、以下が挙げられます。

【新入社員向けコミュニケーション研修の内容】

  • ビジネスマナー
    あいさつ・敬語・メール・電話応対など、ビジネスの基本マナーを身に付けます。社会人としての心構えを養い、好感度の高い振る舞いを習得し、円滑な人間関係の構築につなげます。

  • 自己表現力
    自分の考えを論理的に整理し、わかりやすく伝える方法を学びます。プレゼンテーションの基本スキルを身に付け、説得力のある話し方を習得すれば、自信を持って意見を発信できるようになります。

  • 傾聴スキル
    相手の話に耳を傾け、意図をくみ取る姿勢を身に付けます。質問やメモを取るなどの積極的なリスニング技術の習得を通じて、業務上の指導を謙虚に受け止め、吸収する土台を作ります。

  • 報連相の徹底
    仕事の進捗状況を適切なタイミングで上司に報告・連絡・相談する習慣を身に付けます。コミュニケーションを密にしてミスを未然に防ぎ、周囲と連携しながら業務を遂行する意識を養います。

研修の進め方としては、講義だけでなく、ロールプレイングや振り返りのディスカッションを多く取り入れると効果的です。

実践的な学びの機会を設ければ、スキルの早期定着が期待できます。

▼新入社員向けの研修は、以下の記事も参考にしてみてください。
⇒新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上!

  新入社員研修でおすすめグループワーク・ゲームを紹介!満足度と理解度向上! グループワークは通常の講義形式の研修とは異なり、社員が楽しみながら学習したり会話したりすることができるため、自然なコミュニケーションが図れます。新入社員研修にゲームを取り入れ、コミュニケーションを活性化させることで研修に対するモチベーションや人間関係の構築を促すことが可能です。今回は新入社員研修にグループワークを活用するメリットやおすすめのワークについて解説します。 株式会社LDcube

▼報連相研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒報連相研修の必要性とは!?「今」の重要性やポイントについて解説!

  報連相研修の必要性とは!?「今」の重要性やポイントについて解説! ビジネスや組織運営における必須スキル「報連相」に焦点を当て、やり方、重要性、最新の研修内容について紹介します。本ブログでは、報連相トレーニングで自分の行動特性について知ることが組織の課題解決にどのように寄与するか、なぜ今になって必要性が高まっているのかについても解説します。 株式会社LDcube


若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化

第2の対象者は「若手社員」です。

若手社員には、後輩指導や顧客対応など、より実践的な場面で求められるスキルの強化が必要です。コミュニケーション力の向上が、業務のパフォーマンスに直結する段階だといえます。

若手社員向けの研修では、以下の内容が柱になります。

【若手社員向けコミュニケーション研修の内容】

  • 指導スキル
    後輩社員やパート・アルバイト従業員などに対する効果的な指導法を学びます。ハラスメントを生まない配慮あるコミュニケーションや明確な指示の出し方、適切なフィードバックの方法を身に付けます。

  • 顧客応対スキル
    顧客との円滑なコミュニケーションを実践的に学びます。アクティブリスニング(傾聴と共感)を通じてニーズを把握し、的確な提案を行うプロセスを習得して、顧客満足度の向上につなげます。

  • プレゼンテーション力
    説得力のあるプレゼンテーションの方法を身に付けます。ストーリーを意識した構成や、メリハリのある話し方の技術を磨き、自分の考えを効果的に伝える力を高めます。

  • 異文化コミュニケーション
    グローバルな環境で求められるコミュニケーションのあり方を学びます。文化の多様性を理解し、柔軟に対応する力を養い、国内外の幅広いステークホルダー(利害関係者)との円滑な関係構築を目指します。

若手社員の研修では、OJT(職場内訓練)との連動が効果的です。日常の業務を通じて、研修で得た気づきを実践につなげる仕掛けが求められます。

▼OJTについて詳しくは、以下の記事をあわせてご覧ください。
⇒OJTとは?意味や目的、メリット、Z世代への適応まで全解説!

  OJTとは?意味や目的、メリット、Z世代への適応まで全解説! OJTは、企業内で具体的な仕事を通じて、社員を育成する社員教育法の1つです。本記事では、その意味や目的、効果、そしてOJTの活用方法について詳しく解説します。そして、これからの時代に合わせたOJTのあり方や新時代に合わせてバージョンアップすることで享受できるメリットについても紹介します。 株式会社LDcube

▼プレゼンテーション研修については下記で詳しく解説しています。
⇒プレゼンテーションスキル研修徹底解説!デジタル時代のビジネス・人材育成で重要!

  プレゼンテーションスキル研修徹底解説!デジタル時代のビジネス・人材育成で重要! ビジネスでのプレゼンテーションに焦点を当て、資料作成方法よりも最大のプレゼンツールである「プレゼンター自身」を如何に磨くかを解説します。現代の環境変化の中で求められる、聞き手に行動を起こさせるプレゼンテーションの実践力を向上する研修について紹介します。 株式会社LDcube


中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ

第3の対象者は「中堅社員」です。

中堅社員は、業務の中核を担う存在であると同時に、部下の育成も求められます。

部署間の連携を円滑に進めながら、リーダーシップを発揮するためのスキルアップが必要とされる段階です。

中堅社員にとくに必要なコミュニケーションスキルは、以下が考えられます。

【中堅社員向けコミュニケーション研修の内容】

  • 調整力
    他部署との利害関係を調整し、協働を促進するコミュニケーション力を身に付けます。関係者の意向をすり合わせて合意形成を図る交渉術を習得すれば、組織の枠を超えた連携をスムーズに進められます。

  • リーダーシップコミュニケーション
    部下の心に響くビジョンを示し、行動を促すコミュニケーション技術を学びます。各メンバーのモチベーションに合わせた言葉がけのコツをつかんで、チームのパフォーマンスを最大化する力を高めます。

  • コーチング
    部下の主体性を引き出し、成長を支援するコーチングスキルを習得します。傾聴と承認、効果的な質問の使い方を体得し、部下の能力を最大限に発揮させるマネジメント力を身に付けます。

  • ファシリテーション力
    議論を建設的に進め、チームの力を引き出す技術を習得します。メンバーの多様な意見を尊重しながら、合意形成を促すファシリテーション技術を学び、高いチームワークを発揮できるリーダーを目指します。

中堅社員の研修では、自走する力を高めることに主眼が置かれます。

上司との振り返り面談なども活用しながら、徐々に自立したリーダーへと成長を遂げていくことが期待されます。

▼コーチング研修については下記で詳しく解説しています。
⇒​​​​​​​コーチング研修に必要な内容とは?研修後に実践するためのポイントなど解説!

  コーチング研修に必要な内容とは?研修後に実践するためのポイントなど解説! 企業の成長には人材が欠かせません。その人材を育成し、成長させるためには、教育が必要です。特に「コーチング研修」は、部下のやる気を引き出し、個々の能力を最大限に発揮してもらうために欠かせない研修1つといわれています。コーチング研修の効果的な進め方とその内容、得られる可能性を解説します。 株式会社LDcube


管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得

第4の対象者は「管理職」です。

管理職は、部門の責任者として高いマネジメント能力が問われる立場です。「人を育て、組織を動かす」というミッションを全うするには、高度なコミュニケーション力が不可欠となります。

管理職にとくに必要とされるスキルとして、以下が挙げられます。


【管理職向けコミュニケーション研修の内容】

  • ビジョン伝達力
    組織のビジョンや戦略を明快かつ魅力的に伝える技術を身に付けます。部下を巻き込み、同じ方向に導くストーリーテリング(物語の力を使った伝え方)のスキルを磨いて、強いリーダーシップを発揮する土台を築きます。

  • 1on1ミーティング力
    部下の成長と信頼関係構築の要である1on1(個別面談)の進め方を学びます。単なる進捗確認に留まらず、部下の内発的動機づけを引き出す対話のプロセスをマスターして、イキイキと成果を生み出すチームを作ります。

  • メンタリングスキル
    豊富な経験を生かし、部下の相談相手となるメンタリング(助言・指導)技術を習得します。若手の悩みに共感しながら、的確なアドバイスを与える方法を身に付け、次世代リーダーの育成につなげます。

  • タレントマネジメント力
    部下の強みを見抜き、適材適所の配置を実現する力を磨きます。個々人の能力を最大限に引き出すジョブアサインメント(職務の割り当て)の技術を会得し、組織力の飛躍的な向上を目指します。

  • イノベーション促進力
    新たな発想を生み出すダイバーシティコミュニケーション(多様性を尊重した対話)のスキルを体得します。多様な意見に謙虚に耳を傾け、アイデアを掛け合わせるリスニングとファシリテーションのスキルを習得し、イノベーションの芽を育てます。

管理職の研修では、セルフリーダーシップ(自己統制力)を高める内省の機会を数多く設けることが有益です。

360度評価(上司・同僚・部下からの多面的な評価)などを通じて、自身のコミュニケーションを客観的に振り返り、強みと課題を把握する作業は欠かせません。

経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化

第5の対象者は「経営層」です。

経営層には、社内の組織文化の醸成と、社外のステークホルダーとの関係構築という、両面でのコミュニケーション力が問われます。

一言一句が会社の命運を左右する重責を担う経営層に、必要不可欠なスキルは以下が挙げられます。

【経営層向けコミュニケーション研修の内容】

  • 経営ビジョン発信力
    経営理念やビジョンを印象的かつわかりやすく伝える技術を磨きます。人々の心を動かすメッセージを発信し、組織の求心力を高めるスピーチのスキルを習得して、強いリーダーシップを発揮します。

  • 組織文化変革力
    新たな組織文化を根付かせるコミュニケーションのあり方を学びます。トップ自らが双方向の対話を実践する重要性を再認識し、手本となる行動を示して、組織に変革の波を起こすきっかけを作ります。

  • ステークホルダーエンゲージメント力
    株主・投資家をはじめとする社外ステークホルダーとの建設的な対話力を高めます。ガバナンス(企業統治)の要であるインベスターリレーションズ(IR:投資家向け広報活動)の要点を押さえ、ステークホルダーからの信頼を勝ち取る技術を身に付けます。

  • メディア対応力
    記者会見やインタビューなど、メディアと向き合う際のコミュニケーション力を養います。プレッシャーがかかる場面でも、会社の考えを冷静かつ誠実に伝える技術を習得し、企業ブランドイメージの向上につなげます。

  • クライシスコミュニケーション力
    企業の危機管理の要となるクライシスコミュニケーション(危機対応のための情報発信)のスキルを学びます。不測の事態に直面した際、ステークホルダーに適切な情報を迅速に提供するためのノウハウを習得し、信頼の下支えとします。

経営層の研修では、自社の経営課題と直結したテーマ設定が鍵となります。

外部講師を招くなど、社外の知見を積極的に取り入れ、視野の拡大を図るのも有効です。

コミュニケーションの前提~自己理解~

コミュニケーションの前提として、自己理解は非常に重要な要素です。自己理解とは、自分の性格や価値観、強みや弱点などを深く理解することを指します。

この自己理解の幅で他者を理解することができ、円滑なコミュニケーションにつながっていきます。

そのため、自己理解がなければ他者と効果的にコミュニケーションを取ることが難しくなるでしょう。

自己理解を深めるための方法は5つあります。


  • 自分で自分のことを考える
  • 他者からの指摘・フィードバック
  • 診断ツールの活用
  • イメジリィ(言い換えると、想像をめぐらすことから情報を得ること)
  • 体の動き

出典:自己理解を深める方法とは!5つの情報源について詳しく解説

コミュニケーション研修では上記の要素を取り入れながら進めて行くことで研修効果を高めることが可能です。

ここでは自己診断ツールLIFOについて紹介します。

LIFO®プログラムは、『LIFO®サーベイ』という自己診断を中核とした、人の強みに焦点を当て、強みを生かすための方法論(プログラム)です。また、強みを使いすぎてしまうと弱みになってしまうという考え方が特徴です。

1967年にアメリカ人のスチュアート・アトキンズ博士とアラン・キャッチャー博士により、行動科学、精神分析、カウンセリング理論をベースに開発されました。LIFO®(ライフォ)という名称は、Life Orientations からとっています。

LIFO®は、 自己理解と他者理解を深め、 個人の行動変化やタテ・ヨコ・ナナメのコミュニケーションや良好な人間関係づくりをポジティブに促進します。

その適用範囲は広く、マネジャー育成や営業社員研修、コーチング、キャリア研修など、企業内人材育成のシーンから、就活中の学生が自分の強みを確認するような場面まで、あらゆる領域で活用されています。

出典:自己理解を深める方法とは!5つの情報源について詳しく解説

LIFOについては下記から資料をダウンロードして確認ください。

LIFO資料


▼ LIFO診断については下記で詳しく解説しています。
⇒行動特性診断で自己理解・分析を促す! 性格分析ツールとの違いも解説!

  行動特性診断で自己理解・分析を促す! 性格分析ツールとの違いも解説! 自己理解や自己分析を促すためには時にツールを活用することが効果的です。今回は行動特性診断について、性格診断との違いを交えて紹介します。あなたはどんな行動スタイルが好みでしょうか? 株式会社LDcube

▼自己理解のみならず他者理解も重要です。下記で詳しく解説しています。
⇒他者理解とは?その意味と必要な7つのこと─職場でできる施策も紹介

  他者理解とは?その意味と必要な7つのこと─職場でできる施策も紹介 価値観が多様化していく社会にあって、他者理解の重要性が高まっています。企業においても、他者理解がチームワークや生産性の向上につながると注目されています。この記事では、他者理解の意味や必要な要素について解説するとともに、職場における他者理解力を高める具体的な施策を紹介します。他者理解の知識を身に付け、人間関係の構築や働きやすい職場づくりにお役立てください。 株式会社LDcube

コミュニケーション研修の受講者の声

株式会社LDcube(以下、LDcube)ではこれまで多くのコミュニケーション研修を実施してきました。また、弊社講師が研修を実施するだけではなく、LIFOプログラムを活用した社内トレーナーによるコミュニケーション研修も数多く実施されています。その中から、受講者の声を紹介します。

  • 個々の特徴に合わせた行動やふるまいで、業務の遂行や人間関係を円滑にすることができること学び、コミュニケーションをとる中で意識していこうと思いました。

  • 自己を理解し、他者とのコミュニケーションを円滑に行う為に他者の心情を考えた行動、言動をとる事が大切だと分かりました。

  • 自分の認識結果とメンバーからの認識結果とで違いがあることが分かり、人によって見え方が異なることが分かった。同僚や上司の行動スタイルを意識しながら働きかけることで、効率的に仕事を進められたり、摩擦を低減できたりするという点が新たな発見だった。

  • 自身で思っていた特性と周りから思われている特性に少し乖離がありました。スタイルに優劣や正解はなく、自身や周りの方の特性を理解することで、コミュニケーションを円滑にすることができることを学びました。

  • 自分の特徴を認知することで、自分の行動変革し、また相手の特徴に合わせて関係構築することを学びました。

  • 会社員生活も長いのですが、このLIFO研修は初体験です。自身の傾向はある程度分かっているのですが、こうした体系立てされた分類でその特徴や行動パターン等の整理は勉強になりました。なかなか意識しないと活用も疎かになりますが、対人関係で役立てたいと考えています。

  • 自分の強み、持ち味、自分らしさ(行動スタイル)を再発見することができました。この研修で得られた”自己理解”をベースにし、強みを活かして生産性向上に努めていきたいと思います。又、未使用の強みも意識して伸ばしていきたいと思います。

  • 相手に合わせたコミュニケーションツールをとるには、相手の好きなスタイルを認識する必要があることを学びました。次回のプレゼンテーションに商談相手の身なり態度をもとにメインスタイルを推測してみます。また、A/Dスタイルの目標である人のことを良く知ること、うまく付き合っていくことは、営業の現場でも活用できると感じたので、顧客との商談時に取り入れるように考えます。

  • 苦手な窓(スタイル)や状況を客観的に意識し有効なコニュニケーションをとれるように実践したい。

  • メンバーとの会話を今以上に実施して、見た目だけではなく言動やこだわりが分かるように他人に興味を持ちコミュニケーションをとります。

  • メンバーに合わせたコミュニケーションをとる為に、今回の研修で学んだことを参考にメンバーのメインスタイルを認識したいと思います。


コミュニケーション研修の実施形態

コミュニケーション研修④

続いて、研修形態の話に移りましょう。

コミュニケーション研修の実施形態として、次の選択肢があります。

  1. 集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用
  2. オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供
  3. ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計
  4. 社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進

目的や対象者、予算などに応じて適切に選択できるよう、以下でそれぞれの特徴を解説します。

集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用

1つ目の形態は「集合研修」です。

集合研修は、会議室などに一堂に会して行う対面式の研修です。

参加者同士の直接的なコミュニケーションを通じて、一体感の醸成と相互啓発が期待できるのが大きな特徴です。


【集合研修の効用】

  • 対面のインパクト
    直接対面のコミュニケーションによって、メッセージが強く伝わり、表情や身振りから読み取れる情報量も多くなります。

  • 一体感の創出
    同じ空間を共有すると参加者の一体感が芽生え、組織としてのベクトル合わせがしやすくなります。

  • 相互交流の活性化
    参加者同士の活発な意見交換を通じて気づきが加速し、普段は接点の少ない従業員間の相互理解も深まります。

  • 実践的な学び
    ロールプレイングなどの体験的な学習を通じて、スキルの実践的な習得が期待でき、その場でフィードバックを得られるのも利点です。

  • 社外講師の知見
    社外講師を招く場合には、社内だけでは得られない新鮮な視点を取り入れ、外部の知恵を社内に還流させる効果が期待できます。

一方で、集合研修にはスケジュール調整の難しさや、一度に多くの従業員を集めるコストなどの課題もあります。費用対効果を見極めながら、必要に応じて実施することが求められます。

オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供

2つ目の形態は「オンライン研修」です。

オンライン研修は、インターネットを介して行うリモート形式の研修です。場所と時間の制約を超えて、より多くの従業員に学びの機会を提供できるのが最大の利点です。

オンラインで講義を配信するセミナー型や、自学自習形式のeラーニング型があります。

たとえば、CrossKnowledge eラーニング では、以下のカリキュラム(標準学習時間 7時間)があります。

コミュニケーション研修⑤

出典:コミュニケーションスタイルに磨きをかける

オンライン研修の効用は、以下が挙げられます。

【オンライン研修の効用】

  • 場所や時間の制限がない
    場所を選ばず、自席で受講できます。スケジュール調整が容易になり、移動時間の削減にもつながります。

  • コストの削減
    会場の手配や移動にかかる交通費が不要になるため、コスト面でのメリットが大きいのも特徴です。

  • 反復学習の実現
    オンデマンド教材を用いれば繰り返し学習できます。個人のペースに合わせて、着実にスキルを習得できます。

  • データの蓄積と活用
    LMS(学習管理システム)などを活用すれば、受講者の理解度もデータとして可視化されるため、研修の改善に役立てられます。

参考:LMS(学習管理システム)とは?最新トレンドや導入の目的について解説!

一方で、オンライン研修では、対面でのコミュニケーションが制限されるため、一体感の醸成には工夫が必要になります。

受講者の集中力を保つための施策も欠かせません。オンラインならではの学習設計が求められるでしょう。

▼オンライン研修に関する詳細は、以下の記事をあわせてご覧ください。
⇒オンライン研修のメリットとは?成功の秘訣や背景にある人材育成の流れまで解説!

  オンライン研修のメリットとは?成功の秘訣や背景にある人材育成の流れまで解説! オンライン研修には多くのメリットがある反面、注意しないと効果を下げてしまうデメリットもあります。オンライン研修を効果的に実施する上でのコツやポイント、ツールについて解説します。なぜそのような方法が効果的なのか企業内人材育成の状況などの背景も含めて紹介します。 株式会社LDcube


ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計

3つ目の形態は「ハイブリッド研修」です。

ハイブリッド研修は、集合研修とオンライン研修を組み合わせた研修形態です。対面とオンラインのメリットを状況に応じて使い分け、学習効果の最大化を狙います。

ハイブリッド研修の導入によって、以下のような効用が見込めます。

【ハイブリッド研修の効用】

  • 柔軟な研修設計
    内容に合わせて、集合とオンラインを使い分けられます。導入部分は対面で一体感を醸成し、個別学習はオンラインで効率化を図るなど、メリハリのある研修が可能になります。

  • 学習機会の拡大
    遠隔地の従業員も、オンラインを通じて研修に参加できます。場所の制約を超えて、学びの機会を全社に広げられます。

  • 反転学習の実現
    事前学習をオンラインで行い、集合研修では演習中心のカリキュラムを組むといった工夫で、学びの質の向上が期待できます。

ハイブリッド研修の設計では、オンラインと対面の利点を引き出すことに注意を払うとよいでしょう。

単なる折衷案ではなく、それぞれの長所を生かした学習設計を追求すれば、相乗効果が期待できます。

社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進

4つ目の形態は「社外研修」です。

社外研修は、自社の枠を超えて、他社の従業員とともに学ぶ研修の形です。業界の垣根を越えた異業種交流を通じて、視野の拡大と新たな気づきが期待できます。

社外研修を選択するメリットは、以下のような点が挙げられます。

【社外研修の効用】

  • 多様な価値観との出会い
    異なる業界・職種の従業員との交流を通じて、価値観の多様性を実感できます。

  • 新たな学びの機会
    他社の取り組み事例から学び、自社の課題解決のヒントを得られます。「気づきのシナジー」が生まれやすい環境だといえます。

  • 人脈の形成
    研修を通じて培った社外の人脈は、貴重な財産になります。「学び合うパートナー」として、切磋琢磨できる関係が築けるでしょう。

  • モチベーションの向上
    普段とは異なる環境で学ぶ経験は、新鮮な刺激となります。自己研鑽への意欲が高まり、日々の業務へのモチベーションアップにもつながります。

  • 自社の客観視
    社外の目線から自社を見つめ直し、「当たり前」を打破できます。組織変革に向けた原動力を得られるでしょう。

一方で、社外研修では、自社の事情に即した内容になりにくいというデメリットもあります。

社外での学びを自社の文脈に落とし込む工夫が求められます。

コミュニケーション研修の効果測定と評価

コミュニケーション研修⑥

最後に、アンケート調査や行動変容の観察、業績データの分析など、多角的な効果測定の方法について解説します。

研修の成果を定量的・定性的に把握し、改善のPDCAサイクルを回していくことが重要です。

  1. アンケート調査:受講者の満足度と理解度の把握
  2. 行動変容の観察:研修前後の受講者の言動変化をチェックする
  3. 業績データの分析:生産性や顧客満足度への影響を数値で把握


アンケート調査:受講者の満足度と理解度の把握

1つ目の測定法は「アンケート調査」です。

研修の効果測定において、基本的な手法がアンケート調査です。受講者の満足度や理解度を直接尋ね、研修の成果を定量的に把握します。

アンケート調査では、以下の設問を設けると効果的です。

【アンケート調査の設問例】

  • 研修の満足度:研修の満足度はいかがでしたか?(5段階評価)
    研修全体の満足度を5段階評価で問います。高評価の割合が全体の評価の目安になります。

  • 理解度の自己評価:研修内容の理解度について自己評価をお願いします。(5段階評価)
    研修で学んだ内容の理解度を、受講者自身に評価してもらいます。習得状況を把握する手がかりとなります。

  • 良かった点と改善点:研修の良かった点と改善点を教えてください。(自由記述)
    自由記述形式で、研修の良かった点と改善点を挙げてもらいます。具体的な意見は、次回の研修設計に役立ちます。

  • 行動変容の意思:研修で学んだことを今後の行動にどのように生かしますか?(自由記述)
    研修で得た学びを、今後の行動にどう生かすかを問います。実践につなげる意思の有無が、研修の効果を左右します。

  • 研修内容の活用場面:習得したスキルの活用場面について具体的に教えてください。(自由記述)学んだスキルをどのような場面で活用したいかを尋ねます。職場での実践を後押しする効果が期待できます。

アンケートは研修の直後だけでなく、一定期間経過後に実施するのも有効です。

時間の経過とともに、評価がどう変化したかを追跡すれば、研修の効果を多面的に捉えられるでしょう。

行動変容の観察:研修前後の受講者の言動変化をチェックする

2つ目の測定法は「行動変容の観察」です。

研修の真の成果は、受講者行動変容として表れます。研修前後の受講者の言動を丁寧に観察すると、スキルの習得状況や実践度合いを評価できます。

行動変容のチェックポイントは、以下の視点が考えられます。

【行動変容の観察ポイント】

  • 発言量の変化
    会議やミーティングでの発言量に変化が見られるか。積極的に発言するようになったかを確認します。

  • 傾聴姿勢の変化
    相手の話に耳を傾ける姿勢に変化があるか。うなずきや相づちが増えたか、アイコンタクトを維持しているかなどを観察します。

  • 質問力の向上
    相手の考えや本音を引き出す質問が増えたかどうか。質問の質や回数の変化を観察します。

  • 非言語コミュニケーションの活用
    表情や身振り、声のトーンに変化が見られるか。適切に非言語コミュニケーションを使いこなせているかを見極めます。

  • 関係構築の進展
    周囲との信頼関係が深まっているか。コミュニケーションを通じて、良好な人間関係を築けているかを確認します。

行動変容の観察は、受講者本人だけでなく、上司や指導にあたる先輩社員など周囲にもヒアリングを行うと効果的です。

多様な視点から行動の変化を捉え、評価の客観性を高めましょう。

業績データの分析:生産性や顧客満足度への影響を数値で把握

3つ目の測定法は「業績データの分析」です。

コミュニケーション研修の成果は、最終的に、業績データに表れるものです。

生産性や顧客満足度など、具体的な数値の変化を追跡すれば、研修の効果を可視化できます。

業績データの分析では、以下のような指標に着目すると有益です。

【業績データの分析指標例】

  • 生産性の変化
    コミュニケーション活性化による業務効率の改善を、生産性の数値で把握します。成果物の量や質の変化を追跡します。

  • 顧客満足度の推移
    従業員のコミュニケーション力向上が、顧客満足度にどう影響したかを調査します。アンケートやインタビューを通じて、顧客の声を集めます。

  • クレーム件数の変化
    コミュニケーション不足に起因するクレームが減少したかを確認します。円滑なコミュニケーションによる問題の未然防止効果を測定します。

  • プロジェクトの進捗
    社内外の関係者とのコミュニケーションが、プロジェクトの進捗にどう影響したかを分析します。円滑な進行が実現できたかを評価します。

  • 離職率の推移
    コミュニケーション改善による職場の人間関係の変化が、離職率にどう表れたかを追跡します。定着率の向上は、研修の成果の表れといえます。

注意点として、業績データの分析では、研修以外の要因による変動は排除する必要があります。

どこまでの厳密性を求めるかは企業によって異なりますが、短期的な数値の変化だけでなく、中長期的な推移を見据えて、効果を測定することが大切です。

コミュニケーション研修ならLDcubeにお任せ!

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LDcubeはLIFO診断を効果的に活用し、さまざまな方向けのコミュニケーション研修を提供しています。LIFO(Life Orientations)診断は、個人の行動スタイルや価値観を理解するためのツールで、受講者が自身の強みや発揮しやすい行動パターンを知る手助けをします。

LIFO診断を通じて自己理解を深めることで、受講者は自分自身のコミュニケーションスタイルを認識し、改善点に気付き、より効果的なコミュニケーションの取り方を学習することができます。

また、自己理解を通じて他者理解を促進し、チーム内で円滑なコミュニケーションを行うことができます。異なるスタイルを持つ同僚との接し方を学ぶことで、誤解や摩擦を減らし、協力的な職場環境を築くことが可能になります。

さらに、LDcubeの研修プログラムは、社内のトレーナーによって実施できるという柔軟性があることも特徴です。社内トレーナーを育成すると、企業は外部の研修機関に頼らず自社内で継続的に研修を行うことができ、コストを抑えながらも社員のスキル向上をサポートすることができます。

トレーナー自身がLIFO診断の手法を学び、継続的に研修を実施することで組織全体のコミュニケーションの質を持続的に向上させていくことが可能です。

まとめ

本記事では「コミュニケーション研修」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

コミュニケーション研修で身に付ける4つの基本スキルは、以下のとおりです。

  1. 対話力:適切な受け答えで相互理解を深めるスキル
  2. 自己表現力:自分の考えを効果的に伝えるスキル
  3. 非言語スキル:言葉以外の手段を適切に扱うスキル
  4. 人間関係構築力:信頼関係を築き協力的な関係を生み出すスキル

対象者別コミュニケーション研修の内容と進め方として、以下を解説しました。

  1. 新入社員:社会人としての基本的マナーとコミュニケーションの習得
  2. 若手社員:後輩指導や顧客対応に必要なスキルの強化
  3. 中堅社員:部署間連携とリーダーシップ発揮に向けたスキルアップ
  4. 管理職:部下育成と組織マネジメントに求められる高次のスキル習得
  5. 経営層:組織文化醸成とステークホルダー対応力の強化

コミュニケーション研修の実施形態として、以下をご紹介しました。

  1. 集合研修:一体感の醸成と相互啓発の場としての効用
  2. オンライン研修:場所と時間の制約を超えた学びの機会の提供
  3. ハイブリッド研修:集合とオンラインの長所を掛け合わせた研修設計
  4. 社外研修:異業種交流による視野拡大と気づきの促進

コミュニケーション研修の効果測定と評価は、以下の指標で行いましょう。

  1. アンケート調査:受講者の満足度と理解度の把握
  2. 行動変容の観察:研修前後の受講者の言動変化をチェックする
  3. 業績データの分析:生産性や顧客満足度への影響を数値で把握

コミュニケーションの力は、短期間で身に付くものではありませんが、地道な学びと実践の積み重ねが組織を強くする礎となります。

コミュニケーション研修をカルチャーとして根付かせ、コミュニケーションを通じた組織力の向上を実現していきましょう。

株式会社LDcubeでは、コミュニケーション研修で使える豊富なノウハウや自己診断ツールLIFO、コミュニケーションについてのeラーニングプログラムなどをご提供しております。

コミュニケーション研修を社内講師で展開する研修内製化プログラムも展開しております。プログラムの無料体験会なども行っております。お気軽にご相談ください。

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社内研修 企画と実施資料

LIFO資料

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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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