チームビルディング研修とは?目的や学ぶ内容・種類・実施方法
「チームの生産性を高めようと努力しているが、なかなかうまくいかない」
「メンバーのポテンシャルを最大限に引き出せず、悩んでいる」
こうした課題意識をお持ちの方は、多いのではないでしょうか。
近年、企業の生産性向上や業績アップの鍵を握るのは、個人の力ではなく「チームの力」だといわれています。
しかし、メンバーの多様性が増すなか、チームをまとめ、成果を出し続けるのは容易ではありません。
そこで注目されているのが、チームビルディング研修です。
この記事では、チームビルディング研修の意義・目的から内容や実施方法に至るまで、詳しく解説します。
チームビルディング研修の導入により、組織の一体感を醸成し、生産性の向上とパフォーマンスの最大化を実現していきましょう。
▼ 職場を活性化するポイントは下記で解説しています。
⇒職場の活性化につなげる方法とは?アイデアやポイントを紹介!
▼職場のコミュニケーションについては下記で詳しく解説しています。
⇒職場コミュニケーションが引き起こす問題とは?原因と活性化させる21の施策を徹底解説!
▼ 職場内の報連相をよくするための研修については下記で解説しています。
⇒報連相研修の必要性とは!?「今」の重要性やポイントについて解説!
目次[非表示]
- 1.チームビルディング研修とは?
- 1.1.チームビルディングの意味
- 1.2.チームビルディングの目的
- 1.3.チームビルディング研修とは?
- 1.4.なぜ今チームビルディング研修が注目されているのか
- 2.チームビルディング研修で学ぶ内容
- 2.1.チームワークの基本原則
- 2.2.リーダーシップとフォロワーシップ
- 2.3.コンフリクトマネジメント
- 2.4.目標設定とパフォーマンス管理
- 2.5.チーム文化の醸成
- 3.チームビルディング研修の種類
- 4.チームビルディング研修の実施方法
- 4.1.自社の課題と目的に合った研修の選定
- 4.2.参加者の特性を考慮した研修内容の設計
- 4.3.研修の効果を最大化するための事前準備と当日の運営
- 4.4.研修後のフォローアップと効果測定
- 5.チームビルディング研修に関するQ&A
- 6.チームビルディング研修で使えるプログラム
- 7.まとめ
チームビルディング研修とは?
まずは、チームビルディングとは何か、基本事項から確認していきましょう。
チームビルディングの意味
チームビルディング(team building)とは、直訳すれば「組織づくり/チームづくり」です。
チームの成長と発展を目的とした、計画的かつ継続的な取り組みを、チームビルディングといいます。
チームビルディングは、メンバー個人の力を引き出し、相互の関係性を深めながら、チーム全体のパフォーマンス向上を図る一連のプロセスです。
チームビルディングを通じて、メンバーの個性や多様性を尊重しつつ、一体感のある強いチームを作ることを目指します。
チームビルディングの目的
チームビルディングの目的は、以下の5点に集約できます。
【チームビルディングの5つの目的】
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▼チームワーク向上にも役立つコミュニケーション研修については下記で詳しく解説しています。
⇒コミュニケーション研修とは何をする?目的や具体的な内容・進め方
チームビルディング研修とは?
「チームビルディング研修」は、上記のチームビルディングを効果的に推進する学習プログラムです。
講義やワークショップ、グループワークなどを通じて、チームビルディングに必要なスキルやマインドセットを身に付けていきます。
チームリーダー向けには、チームビルディングスキルの習得に重点を置いた研修があります。
一方、チームメンバー全員が参加し、研修のプロセスそのものでチーム力強化を図るプログラムもあります。
研修の目的や対象者に合わせて、さまざまな形式のチームビルディング研修が存在します。
なぜ今チームビルディング研修が注目されているのか
近年、チームビルディング研修が注目を集めている背景には、以下の動向があります。
【チームビルディング研修が注目される背景】
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このような組織を取り巻く環境の変化を背景に、チーム力を高めるソリューションとして、チームビルディング研修への期待が高まっているのです。
具体的にチームビルディング研修で何を学ぶのかについては、以下で解説します。
▼チームワーク向上に向け、ダイバーシティインクルージョンについて理解を深めておくことも重要です。⇒ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例
チームビルディング研修で学ぶ内容
チームビルディング研修では、チームワークに必要なスキルを体系的に学びます。メンバーが研修で身に付ける主な内容は、以下のとおりです。
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以下で詳しく見ていきましょう。
チームワークの基本原則
1つ目は「チームワークの基本原則」です。
チームワークを発揮するための土台となる考え方や、チームの発達段階に応じたアプローチ方法を学びます。メンバー間の信頼関係構築、円滑なコミュニケーション、建設的な議論の重要性を理解します。
【チームワークの基本原則の学習内容の例】
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リーダーシップとフォロワーシップ
2つ目は「リーダーシップとフォロワーシップ」です。
チームをまとめるリーダーの役割と、メンバーとしての主体的な関わり方を学びます。
まずリーダーの立場では、ビジョンの共有、メンバーの強みを引き出すコーチング、適切な権限委譲などのスキルを身に付けます。
【リーダーシップの学習内容の例】
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一方、リーダーを支え、チームの成果創出に貢献するのがフォロワーシップです。フォロワーシップの要となるスキルも、チームビルディング研修で習得します。
【フォロワーシップの学習内容の例】
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▼リーダーシップ開発については下記で詳しく解説しています。
⇒リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント
コンフリクトマネジメント
3つ目は「コンフリクトマネジメント」です。
コンフリクトとは、チーム内で生じる意見の対立や衝突・不和を指します。
コンフリクトを建設的に変換していくために、相手の立場に立って考える姿勢、感情をコントロールする技術、Win-Winの解決策を導く交渉力を鍛えます。
【コンフリクトマネジメントの学習内容の例】
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目標設定とパフォーマンス管理
4つ目は「目標設定とパフォーマンス管理」です。
チームの目標を明確に設定し、進捗を管理する方法を学びます。メンバー全員で目標を共有して役割分担を明確にし、定期的なフィードバックを通じて改善を図ります。
【目標設定とパフォーマンス管理の学習内容の例】
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チーム文化の醸成
5つ目は「チーム文化の醸成」です。
チームの価値観や行動規範を明文化し、浸透させる方法を学びます。一人一人が、チームの一員としての誇りと責任を持って行動できる環境を作ります。
【チーム文化醸成の学習内容の例】
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チームビルディング研修の種類
チームビルディング研修には、さまざまな形式があります。
効果が高い代表例を3つ挙げると、以下のとおりです。
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多角的にチームビルディングのスキルを身に付けるためには、複数の形態を組み合わせながらカリキュラムを組むことを意識してみてください。
以下でそれぞれの詳細をご紹介します。
eラーニング形式:座学で理論的に学ぶ
1つ目は「eラーニング形式」です。
チームビルディングのためにインプットすべき知識やノウハウは、非常に多岐にわたります。
そのため、基礎力を養う基盤として、高品質な教育コンテンツをeラーニング形式で利用することが、効果および効率性の観点から推奨されます。
例を挙げると、以下は世界中で1,200万人のユーザーを有するクロスナレッジ社(本社:フランス)が開発したeラーニングプログラム「CrossKnowledge」の一部です。
出典:CrossKnowledge eラーニング|標準コース
このようなeラーニングプログラムを活用する利点は、たとえノウハウを持たない中小企業であっても、世界的な大企業と同等の高レベルな教育を、自社の従業員に提供できることです。
「CrossKnowledge」について詳しく知りたい方は、以下のページよりご確認ください。
アクティビティ形式:体験を通じて気づきを得る
2つ目は「アクティビティ形式」です。
アクティビティ形式とは、参加者が主体的に活動に取り組み、その体験から学びや気づきを得るスタイルの研修を指します。
アクティビティ形式の研修では、参加者同士が協力して課題に取り組むワークショップやゲームを通じて、体験的に学びます。
「頭で理解する」だけでなく、「体感する、実践を通じて体得する」ことに重点を置いた研修スタイルです。
社内で、実際のチームメンバー同士でアクティビティ研修を実施した場合、以下の効果が期待できます。
【アクティビティ形式の研修の効果】
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「1日研修で、チームの結束力を高めたい」
「新しいチームで、メンバー同士の相互理解を深めたい」
といったケースに、アクティビティ形式の研修がおすすめです。
合宿形式:非日常空間で学びを深める
3つ目は「合宿形式」です。
合宿形式の研修は、数日間にわたって、職場を離れた環境で実施されるものです。
社内のチームメンバーだけで実施する「社内合宿型」と、さまざまな企業から人が集まる「オープン参加型」の2つのタイプがあります。
社内メンバーで実施する研修の特徴は、以下のとおりです。
【社内合宿型の研修の特徴】
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社内合宿型の研修は、「自社のチームの結束力を飛躍的に高めたい」「メンバー同士、本音でわかり合いたい」といった目的に適しています。職場環境から離れて心が解放され、深い相互理解と学びが生まれやすくなります。
一方、オープン参加型の研修には、また違った特徴があります。
【オープン参加型の研修の特徴】
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オープン参加型の研修は、「社外の人脈を広げたい」「自社の殻を破りたい」「新しい発想を取り入れたい」といったケースに有効です。
それぞれの特徴を理解したうえで、自社の課題や目的に合った研修タイプを選ぶことが大切です。
チームビルディング研修の実施方法
続いて、チームビルディング研修を成功させる実施方法について、見ていきましょう。
ここでは、以下4つのステップに分けて解説します。
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自社の課題と目的に合った研修の選定
1つ目のステップは「自社の課題と目的に合った研修の選定」です。
自社の抱える課題や目的に合った研修を選ぶためには、以下のプロセスが有効です。
【研修選定に向けた現状分析と目標設定のプロセス】
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参加者の特性を考慮した研修内容の設計
2つ目のステップは「参加者の特性を考慮した研修内容の設計」です。
参加者の特性に合わせた研修内容のカスタマイズは、欠かせないポイントです。
【参加者の特性に合わせた研修設計の視点】
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研修の効果を最大化するための事前準備と当日の運営
3つ目のステップは「研修の効果を最大化するための事前準備と当日の運営」です。
事前準備と当日の運営が、研修の効果を左右する重要点となります。
【研修効果を高める事前準備と当日運営のコツ】
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研修後のフォローアップと効果測定
4つ目のステップは「研修後のフォローアップと効果測定」です。
研修の効果を定着させ、さらなる成長につなげるために大切なプロセスとなります。
【研修後のフォローアップ】
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このように、研修後のフォローアップを丁寧に行い、研修の効果を高め、定着を図りましょう。
なお、「初めてチームビルディング研修を検討している」という状況なら、経験豊富な専門家に相談するのがおすすめです。
弊社LDcubeではプロの研修トレーナーが活用する理論・モデル・ツールをご提供しており、卓逸した高レベルなチームビルディング研修を社内トレーナーでも実施可能です。
お問い合わせはこちらのページより承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
サービス資料を確認されたい方は、以下のページよりダウンロードできます。
資料ダウンロード(サービス紹介資料を見る)
チームビルディング研修に関するQ&A
最後に、チームビルディング研修に関するよくある質問にお答えします。
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チームビルディング研修は何人くらいの規模で行うのが適切?
研修の規模は、内容や目的に応じて適切な人数を設定することが重要です。
目安としては、以下のとおりです。
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ただし、研修の規模は、画一的に決められるものではありません。研修の狙いや参加者の特性を踏まえて、適切な判断を下すことが求められます。
さまざまなパターンで実施し、試行錯誤しながら完成度を高めていくのもよいでしょう。
オンラインでもチームビルディング研修の効果はある?
オンライン研修は、対面や合宿形式と比べれば、一長一短があります。しかし、工夫次第で対面と遜色ない効果を得られる可能性があります。
オンライン研修は物理的な制約を超えて、多様なバックグラウンドを持つメンバーをつなげられるメリットを持ちます。
とくに、グローバル展開や多拠点展開している企業は、オンラインでの研修方式のノウハウを積み重ねる価値があるでしょう。
たとえば、チャットでは、全員が同時に発言でき、アイデアを即座に共有できます。オンラインのホワイトボードを使えば、アイデアを可視化しながら議論を深められます。
▼オンライン研修について詳しくは、以下の記事も参考にしてみてください。
⇒オンライン研修のメリットとは?成功の秘訣や背景にある人材育成の流れまで解説!
チームビルディング研修の費用相場は?
チームビルディング研修の費用は、研修の形式や規模、期間によって大きく異なります。
【研修形態別の費用相場の目安】
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注意点として、チームビルディング研修は、コストの安さよりもその品質に留意する必要があります。
自社の課題や目的に合った研修内容であるかどうかを、よく吟味しましょう。必要な投資は行い、質の高い研修を実施することが、長期的なリターンにつながります。
チームビルディング研修を実施する際の心構えは?
チームビルディング研修を実施する際の心構えとして重要なのは、「研修は、チームの成長の起点であり、ゴールではない」ということです。
研修で得た学びを、日々の業務の中で実践し続けることが大切です。一人一人が、チームの一員としての自覚を持ち、主体的に行動することが求められます。
組織のリーダーは、研修で学んだ内容を実践に移す環境づくりに尽力しなければなりません。研修後のフォローアップを丁寧に行い、継続的な学習と実践の機会を設けましょう。
チームビルディング研修をきっかけとして、メンバー同士の相互理解を深め、強固な信頼関係で結ばれたチームを目指しましょう。
チームビルディング研修で使えるプログラム
チームビルディング研修を行う際には、効果的なプログラムやツールを活用することが多いです。ここではよく使われるプログラムについて紹介します。
LIFOプログラム
LIFO(Life Orientations)プログラムは、チームメンバーの行動スタイルや価値観を理解し、個々の強みを最大限に引き出すためのツールです。LIFOは、メンバーがどのような状況で最も効果的に行動するかを分析し、それぞれのスタイルに合わせたコミュニケーションや業務配分を行うことを目指します。このプログラムを通じて、以下の成果が期待できます。
- チーム内の相互理解の向上
- 各メンバーの強みを活かした業務の分担
- ストレスや対立状況での柔軟な対応方法の習得
⇒詳しくはこちらをご覧ください。
行動の柔軟性プログラム
行動の柔軟性プログラムは、対人関係における人間行動を理解し、行動の柔軟性を高めるためのプログラムです。チームビルディングにおいて、このプログラムは特に重要です。なぜなら、チームメンバーが柔軟に対応できるようになることで、問題解決能力や創造的な発想が高まるからです。具体的には、以下のトピックをカバーします。
- リーダーやマネジャーとしての効果性を向上する
- チームの生産性の妨げになっている障害を特定する
- エグゼクティブコーチングのツールとして活用する
⇒詳しくはこちらをご覧ください。
ITS(Innovative Thinking System)プログラム
ITSプログラムは、チームメンバーの創造性を引き出し、革新的な考え方を育てるためのワークショップ形式のプログラムです。このプログラムを通じて、メンバーは新たなアイデアを生み出し、業務に活かすための具体的なスキルを習得できます。また、その過程を通じてチームビルディングにもつなげます。
- 意見を活発に出し合うチームの雰囲気づくり
- 問題解決につながるアイデアを数多く出す
- チームの創造性を育む
⇒詳しくはこちらをご覧ください。
マイクロラーニング「心理的安全性コース」
心理的安全性コースは、エイミー・C・エドモンドソン博士が提唱した「心理的安全性(Psychological Safety)」の概念を基にしたマイクロラーニングプログラムです。このコースは、エドモンドソン博士自らが登壇しており、短時間で重点的な学びを得られるため、忙しいチームメンバーにも適しています。心理的安全性が高いと、メンバーが自由に意見を出し合い、失敗を恐れずに行動できる環境が整います。具体的には、以下の内容を含みます。
- 心理的安全性の基本概念
- 実践的なアプローチとテクニック
- 安全で開かれたコミュニケーション環境の作り方
⇒詳しくはこちらをご覧ください。
上記のプログラムは、プロのチームビルディングを行うコンサルタントが使用するプログラムです。
コンサルタントによるプログラム提供も可能ですし、上記プログラムのトレーナーライセンスを取得し、社内で展開することもできます。社内の状況やニーズに合わせて柔軟に活用いただけます。
▼トレーナー資格については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒人材育成のトレーナー認定資格とは?養成講座や研修を紹介!
まとめ
本記事では「チームビルディング研修」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
チームビルディング研修で学ぶ内容として、以下があります。
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チームビルディング研修の種類として、以下をご紹介しました。
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チームビルディング研修の実施方法を4つのステップで解説しました。
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組織の成功は、チームの力に大きく依存しています。強い絆で結ばれた、高いパフォーマンスを発揮するチームを育てることが、必要不可欠です。
株式会社LDcubeではチームビルディング研修で活用できる下記プログラムを提供しています。
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チームビルディング研修は新人研修から管理職研修、職場単位での研修など幅広く実施されています。ぜひ、自社の状況に合ったチームビルディング研修を企画し、実践してみてください。チームの力を最大限に引き出し、組織の発展につなげていきましょう。
無料でのプログラム体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
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