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研修を効率化するには?コスト削減とパフォーマンス向上の両立

「研修を効率化して、コスト削減とパフォーマンス向上を両立したい」
と考えている企業担当者の方は、多いでしょう。

急速なデジタル化の進展や市場環境の変化により、業績向上に直結する人材育成の重要性が高まっています。

一方で、研修コストの削減と生産性の向上を同時に実現することが求められており、従来の集合研修のあり方が問い直されています。

本記事では、社内研修の効率化が求められる背景を確認したうえで、研修を効率化する6つのステップを紹介します。さらに、効率化を進めるうえで障壁になりやすいポイントについても、まとめました。

限られた予算と時間のなかで、最大限の研修効果を生み出すために、お役立てください。

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この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.社内研修の効率化が求められる3つの背景
    1. 1.1.人材育成の重要性のアップ
    2. 1.2.研修コスト削減と生産性向上の同時実現
    3. 1.3.リモートワーク時代の新しい研修スタイル
  2. 2.研修を効率化する6つのステップ
    1. 2.1.ステップ1:研修の目的と目標を明確にする
    2. 2.2.ステップ2:研修の棚卸しをする
    3. 2.3.ステップ3:LMS(学習管理システム)を見直す
    4. 2.4.ステップ4:可能な限りeラーニングへ移行する
    5. 2.5.ステップ5:専門人材の育成で研修を内製化する
    6. 2.6.ステップ6:料金プランを最適化する
  3. 3.研修の効率化を阻む5つの障壁とその対策
    1. 3.1.研修効果の測定が難しい
    2. 3.2.慣習的な研修の廃止に反対の声がある
    3. 3.3.社内トレーナーのなり手がいない
    4. 3.4.効率化の取り組みが一過性で終わってしまう
    5. 3.5.従業員のモチベーションが上がらない
  4. 4.まとめ

社内研修の効率化が求められる3つの背景

研修効率化②

社内研修の効率化に注力する企業が増えています。まずは、その意義を理解するために、効率化に取り組むべき背景を確認しておきましょう。

研修効率化③

  1. 人材育成の重要性のアップ
  2. 研修コスト削減と生産性向上の同時実現
  3. リモートワーク時代の新しい研修スタイル


人材育成の重要性のアップ

1つ目の背景は「人材育成の重要性のアップ」です。

少子高齢化・採用難といわれる現代では、戦略的な人材育成なくして業績向上は望めません。

加えて、急激な環境変化に適応できる人材を育て、企業の生き残りと成長につなげることが急務となっています。

そのため、より効果的かつ効率的な研修の実施に対する需要が高まっています。

多くの企業が、座学中心の知識伝授ではなく、即戦力となるスキルを効率よく習得できる研修を模索し始めています。

研修コスト削減と生産性向上の同時実現

2つ目の背景は「研修コスト削減と生産性向上の同時実現」です。

人材育成の重要性が増す一方、研修予算は限られています。研修コストを削減しつつ、生産性を高めることは、重要な命題です。

そこで注目されているのが、eラーニングなどを活用したデジタルの学習施策です(詳しくは後述します)。

集合研修にまつわる手間・労力や各種コストの削減を図りながら、人材育成の高度化を推進しようという動きが活発化しています。

リモートワーク時代の新しい研修スタイル

3つ目の背景は「リモートワーク時代の新しい研修スタイル」です。

コロナ禍や働き方改革によるリモートワークの普及で、従来の集合研修あり方が大きく変わろうとしています。

オフィスに出社しなくても仕事ができる時代に、集合研修に固執する意味は薄れつつあります。オンラインを活用すれば、質の高い研修を場所や時間に縛られずに提供することが可能だからです。

時代に即した柔軟な研修体系への移行が急がれるなか、研修の分野にもDX(デジタルトランスフォーメーション)の波が押し寄せています。

研修を効率化する6つのステップ

研修効率化④

では、具体的にどのように研修の効率化を進めていけばよいのでしょうか。

限られたリソースで最大の効果を引き出すには、体系的なアプローチが欠かせません。ここでは、研修効率化の実践を6つのステップに分けて、解説します。

  • ステップ1:研修の目的と目標を明確にする
  • ステップ2:研修の棚卸しをする
  • ステップ3:LMS(学習管理システム)を見直す
  • ステップ4:可能な限りeラーニングへ移行する
  • ステップ5:専門人材の育成で研修を内製化する
  • ステップ6:料金プランを最適化する


ステップ1:研修の目的と目標を明確にする

1つ目のステップは「研修の目的と目標を明確にする」です。

漠然と研修を実施しているだけでは、効果的な研修設計はできません。無駄な要素が多く発生し、その無駄に気づくことも難しいからです。

まずは、研修で何を達成したいのか、従業員にどのような力を身に付けてほしいのか(=目的)を具体的に言語化することが大切です。

研修効率化⑤

そのうえで、達成目標に即した適切な研修内容や方法を検討していきます。

【研修目的・目標設定時の確認ポイント】

  • 組織の戦略や事業課題に照らし、研修の位置づけを明確化する。
  • 受講対象者の現状スキルと伸ばすべき能力を具体的にリストアップする。
  • 目標到達度の評価指標(研修前後での行動変化など)を設定する。
  • 事前事後の測定方法(テスト、アンケートなど)を決定する。
  • 目標達成の期限を明示し、確実に研修を実施できるようにする。

各研修の目的・目標が明らかになれば、優先順位も自ずと見えてきます。限られたリソースを効果的に投下するために、目的・目標の明確化は欠かせないプロセスだといえるでしょう。

ステップ2:研修の棚卸しをする

2つ目のステップは「研修の棚卸しをする」です。

研修の効率化に着手する際、既存の研修プログラムを徹底的に見直し、再編成することが重要になります。

そのために、“研修の棚卸し” は避けては通れないプロセスです。

具体的には、現在実施している研修を一覧化し、各研修の必要性や効果を精査していく作業を行います。

社内外の環境変化を踏まえ、不要になった研修は思い切って廃止しましょう。逆に、新たに必要となった学習テーマがあれば、積極的に盛り込んでいきましょう。

【研修棚卸しのチェック項目】

  • 各研修の受講率と満足度、習得度の推移を分析する。
  • 研修内容と現場のニーズのズレを洗い出す。
  • 類似の研修プログラムを統廃合し、重複を排除する。
  • コストや工数の割に効果の薄い研修を特定する。
  • 新たな学習ニーズを拾い上げ、研修化を検討する。

人事部門などが主催する全社的な研修だけでなく、各部門が独自に実施している研修も、棚卸しの対象に含めることが大切です。

部門間で重複する内容や、全社研修との整合性なども確認し、全体最適の観点から再編成を進めましょう。

ステップ3:LMS(学習管理システム)を見直す

3つ目のステップは「LMS(学習管理システム)を見直す」です。

“研修の運用に、どのようなプラットフォームを利用するか?” は、受講者の学習効率と管理者業務効率両面において、非常に重要なポイントとなります。

LMS(Learning Management System:学習管理システム)が未導入の場合は導入すること、すでに導入している場合には、現状が最適なのか見直すことが大切です。

LMSは、eラーニングやオンライン研修を効率的かつ効果的に管理するためのプラットフォームです。

LMSの説明画像

▼以下に、LMSの見直しに役立つ記事をリストアップしましたので、参考にしてみてください。
⇒LMSのサービスは4種類!おすすめLMS9選もサービス別に紹介

  LMSのサービスは4種類!おすすめLMS9選もサービス別に紹介 LMS(Learning Management System)とは社員への学習コンテンツを提供したり、学習の進捗状況などを管理できたりするシステムです。社員の能力を高め、生産性を上げるために利用が拡大しています。サービスは主に4種類です。LMSのサービスについて詳しく解説します。 株式会社LDcube

なお、最推奨のLMSをひとつ挙げるなら、フランスに本社を置くCrossKnowlegde社のLMS・eラーニング「CrossKnowledge」です。 

「CrossKnowledge」は世界中に1,200万人以上のユーザーを有し、国際的に評価されているLMSです。詳しくは、以下の資料にてご確認ください。

LMS資料


ステップ4:可能な限りeラーニングへ移行する

4つ目のステップは「可能な限りeラーニングへ移行する」です。

研修の棚卸しを経て不要な研修は廃止した後、残った研修のうち、オンライン化できるものはオンライン化することが、効率化の大原則です。

研修効率化⑥

LMSの環境が整ったら、オンライン化できる科目から、順次eラーニングへ移行していきます。

ラーニングの教材コンテンツの準備方法は、次の2つの選択肢があります。

  1. 外部機関が制作した既成コンテンツを利用する

  2. 自社でeラーニング教材を制作する

汎用性のあるビジネススキルやマナー、コンプライアンスなどは、既成コンテンツの上手な利用によって、労力や手間を効率化できます。

参考までに、以下はLMS・eラーニング「CrossKnowledge」にて提供可能なプログラムの一例です(一部抜粋)。

LMS標準コース

スキルパス画像

マイクロラーニングコース

一方、会社の理念・方針に関わる研修や、自社の商品・サービス知識など、自社特有の題材は、自社で制作するとよいでしょう。

▼自社制作については、以下の記事もあわせてご覧ください。
⇒研修用動画コンテンツの作り方!効果的に作成するポイントやコツなどを解説!

  研修用動画コンテンツの作り方!効果的に作成するポイントやコツなどを解説! 研修用の動画コンテンツをどのように作成したらよいか?という悩みをよく耳にします。本記事ではコストをかけずに、既にある研修の機会などを活用し、教育しながら動画コンテンツの作成を進めていくポイントを解説し、得られるメリットも紹介します。 株式会社LDcube


ステップ5:専門人材の育成で研修を内製化する

5つ目のステップは「専門人材の育成で研修を内製化する」です。

オンライン化せずに集合研修として残す科目は、外部講師を招かずに社内運営できると、効率化になります。

そのためには、講師となる人材を社内に育成する必要がありますが、メリット・デメリットがあります。

研修効率化⑦

出典:社内トレーナー養成支援

そこで、研修の質を落とさずに内製化するためには、「社内トレーナー養成プログラム」を活用して、専門トレーナーを養成する方法がおすすめです。

社内トレーナー養成プログラムとは、プロの研修トレーナーが活用する理論・モデル・ツールなどを専門的に学んで習得し、ライセンス認定を受けて、プロと同等の研修を社内に展開できるようにするサービスです。

とくに、新入社員〜中堅社員向けの研修には、社内トレーナーの活用が効果的です。

研修効率化⑧


研修体系のうち、どの部分を内製化するかについては、以下の表を参考にしてみてください。

研修効率化⑨


社内トレーナー養成に関する詳細は、以下のページにてご紹介しています。

  社内トレーナー養成支援|LDcube(エルディーキューブ) LDcubeの社内トレーナー養成支援のご紹介ページです。研修効果は高めたいがコスト(費用・時間)はかけられない、集合研修のノウハウはあるが、オンライン研修のノウハウはない、そのような課題をお持ちの研修プランナー必見。プロのコンサルタントが活用するプログラムを提供することで、企業の研修内製化・社内トレーナー養成を支援します。 株式会社LDcube


ステップ6:料金プランを最適化する

6つ目のステップは「料金プランを最適化する」です。

研修効率化を進める際には、経済合理性の観点からもしっかりと見直しを行いましょう。

たとえば、外部のeラーニングコンテンツを利用する際には、全従業員が受け放題となるプランへ変更したり、研修委託先との価格交渉を行ったりして、コストパフォーマンスを高めていきます。

【研修コスト最適化のヒント】

  • 長期契約や一括契約などにより、単価を引き下げる。
  • eラーニング教材をサブスクリプション方式で利用する。
  • 研修委託先との関係を深めて、特別プランの提案を受ける。
  • 研修予算の使用状況を可視化し、部門間の融通を利かせる。

また、研修予算の適切な配分も重要です。限られた予算を効果的に活用するには、費用対効果の高い研修に重点的に投資する姿勢が求められます。

コストの安さのみを追求するのではなく、従業員一人一人の成長が組織全体の成長につながるという視点を持って、効率化を進めましょう。

▼研修を運営する事務局の業務負担を軽減し、効率化を図った事例については下記で紹介しています。

  全グループ会社の研修フローをDXに。 事務局負担を一気に軽減!【CK活用事例】|導入事例| LDcube(エルディーキューブ) 研修運営の事務局負担が大きく、毎年の研修をなんとかこなすだけになっていました。 「見直したい事もいっぱいあるのに、時間が割けない」「本来ならばもっとプランニングの時間を設けたい」しかしながら、そもそもの事務作業負担の軽減をしないことには始まらない現状でした。 そのような中、コロナの影響もあって、研修の在り方を見直せざるを得なくなり、「事務局負担の軽減+オンライン活用」で質の高い研修ができないか検討していました。 小売業での研修DX化事例をご紹介します。 株式会社LDcube


研修の効率化を阻む5つの障壁とその対策

研修効率化⑩

最後に、研修の効率化を進めるうえで障壁となりやすいポイントと、その対策をお伝えします。

  1. 研修効果の測定が難しい

  2. 慣習的な研修の廃止に反対の声がある

  3. 社内トレーナーのなり手がいない

  4. 効率化の取り組みが一過性で終わってしまう
  5. 従業員のモチベーションが上がらない


研修効果の測定が難しい

1つ目の障壁は「研修効果の測定が難しい」です。

研修の効率化を進めるうえで、研修に投じた時間や費用に見合った効果が得られているのか、客観的に評価することが重要です。しかし、その測定方法が確立されていないケースが多いのが現状です。

研修効果を定量的に測定するためには、明確な指標を設定し、継続的にモニタリングする必要があります。

【研修効果の測定方法】

  • アンケート調査
    研修の満足度や理解度を数値化するために、受講者に対してアンケート調査を実施します。質問項目を工夫し、研修の効果を多角的に把握します。

  • 理解度テスト
    研修で学んだ知識やスキルの定着度を確認するために、研修後にテストを実施します。点数の変化を追跡し、研修の効果を客観的に評価します。

  • 行動変容の観察
    研修で学んだ内容が実際の行動に反映されているかを観察します。上司やメンバーからのフィードバックを収集し、研修前後での行動の変化を定性的に評価します。

  • 業績データの分析
    研修が業績にもたらす影響を分析します。研修受講者の業績データを研修前後で比較し、研修の効果を定量的に測定します。

  • ROI(投資収益率)の算出
    研修に投じたコストに対するリターンを算出します。研修によって得られた効果を金銭的価値に換算し、投資対効果を明らかにします。

これらの測定方法を組み合わせ、研修効果をより多面的に評価し、研修の効率化につなげていきましょう。

慣習的な研修の廃止に反対の声がある

2つ目の障壁は「慣習的な研修の廃止に反対の声がある」です。

長年定着してきた研修を見直す過程では、現場からの抵抗に直面することがあります。

「これまでの研修で問題なかったのだから、変更する必要はない」
「新しい研修方法では、十分な効果が得られるのか不安だ」

などの意見が出るかもしれません。

こうした反対意見に対しては、研修の効率化がもたらすメリットを丁寧に説明し、理解を得ることが重要です。

【慣習的な研修の廃止に反対の声への対策】

  • 効率化の目的を明確に伝える:研修の効率化が組織にもたらす具体的なメリットを示し、その必要性を明らかにします。

  • 現場の意見に耳を傾ける:現場の声に真摯に耳を傾け、研修の効率化に対する懸念や不安を把握します。

  • 柔軟に対応する:現場の意見を踏まえて、研修の効率化の方法を柔軟に調整します。

  • 段階的に実施する:研修の効率化を一度に進めるのではなく、段階的に実施し、現場の抵抗を和らげます。

反対意見を押し切るのではなく、丁寧な対話を重ねて納得感を醸成しながら進めることが、最終的に良い結果につながります。

社内トレーナーのなり手がいない

3つ目の障壁は「社内トレーナーのなり手がいない」です。
 
研修の内製化を進めるためには、前述の社内トレーナーの育成が重要な鍵となります。
 
しかし、トレーナー業務が自身の本業の支障になることを懸念し、引き受けをためらう従業員は少なくありません。
 
加えて、トレーナーに必要なスキルを持つ人材が社内に不足していることも、トレーナー不足の要因となっています。

【社内トレーナーのなり手不足への対策】

  • 社内トレーナーを花形ポジションにする
    社内トレーナーは誰でもがなれるものではなく、現在のハイパフォーマーから選出され、社内トレーナーの経験がその後のキャリアアップにつながるということを社内で公式に位置づけることが効果的です。

  • トレーナーの役割を明確にする
    トレーナーの役割や責任、期待される成果を明確に定義し、社内に周知します。

  • トレーナーへの動機付けを高める
    トレーナーを務めると得られるメリットを明示し、トレーナーへの応募を促します。

  • トレーナー育成プログラムを整備する
    トレーナーに必要なスキルを習得するための研修プログラムを用意し、計画的に人材を育成します。

これらの対策を通じて、社内のトレーナー不足を解消し、研修の内製化を推進していきましょう。

▼社内トレーナーについては下記で詳しく解説しています。
⇒​​​​​​​社内トレーナー導入における成功のコツとは?ポイントを解説

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効率化の取り組みが一過性で終わってしまう

4つ目の障壁は「効率化の取り組みが一過性で終わってしまう」です。

研修の効率化を進めるには、継続的な取り組みが欠かせません。

しかし、効率化の取り組みを始めたものの、時間の経過とともに形骸化してしまい、当初の目的を達成できないことは多いものです。

効率化を進めるための体制やルールが整備されていないと、取り組みが一過性で終わってしまうリスクが高くなります。

【効率化の取り組みを継続するための対策】

  • 目的を明確にする
    研修の効率化を進める目的や目標を明確に定義し、関係者で共有します。

  • 進捗状況を可視化する
    研修の効率化の進捗状況を可視化し、定期的に確認・共有し、取り組みの継続性を高めます。

  • 評価と改善を繰り返す
    研修の効率化の取り組みを定期的に評価し、必要に応じて改善を行います。

効率化の取り組みは単発ではなく、継続してはじめて、その効果を最大限に発揮します。継続のための仕掛けを、スタート時から組み込んでおきましょう。

従業員のモチベーションが上がらない

5つ目の障壁は「従業員のモチベーションが上がらない」です。

効率化の一環として、eラーニングの導入などオンライン化が進むと、集合研修と比べて管理者の目が届きにくくなります。

これまで以上に自律的な学習態度が重要です。従業員の学習意欲が高まらないと、効率化が逆効果になりかねません。

また、「研修は業務の妨げになる」「研修で学んだことを業務に生かせない」といった理由から、研修に対する従業員のモチベーションが低下してしまうケースもあります。

【従業員のモチベーション向上のための対策】

  • 研修の目的を明確に伝える
    研修の目的や意義を従業員に丁寧に説明し、研修の重要性を理解してもらいます。

  • 研修内容を業務に直結させる
    研修内容と業務との関連性を明確にし、研修で学んだ知識やスキルを業務に生かせるようにします。

  • 自律的な学習を支援する:
    従業員が自律的に学習できるように、学習リソースの提供や学習時間の確保などの支援を行います。

  • 研修の効果を実感できるようにする
    研修の効果を可視化し、従業員が自身の成長を実感できるようにします。

  • 人事評価との連動を図る
    研修への参加や研修成果を人事評価に反映させ、従業員のモチベーションを高めます。

従業員のモチベーションを上げることは、最大の効率化策といっても過言ではありません。さまざまな角度から取り組みを続けましょう。

まとめ

本記事では「研修の効率化」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

社内研修の業務効率化が求められる3つの背景として、以下を解説しました。

  1. 人材育成の重要性のアップ

  2. 研修コスト削減と生産性向上の同時実現
  3. リモートワーク時代の新しい研修スタイル

研修業務効率化の進め方を以下の実践ステップで解説しました。

  • ステップ1:研修の目的と目標を明確にする
  • ステップ2:研修の棚卸しをする
  • ステップ3:LMS(学習管理システム)を見直す
  • ステップ4:可能な限りeラーニングへ移行する
  • ステップ5:専門人材の育成で研修を内製化する
  • ステップ6:料金プランを最適化する

研修の効率化を阻む5つの障壁とその対策として、以下のポイントを解説しました。

  1. 研修効果の測定が難しい

  2. 慣習的な研修の廃止に反対の声がある
  3. 社内トレーナーのなり手がいない
  4. 効率化の取り組みが一過性で終わってしまう
  5. 従業員のモチベーションが上がらない

研修の効率化と質の向上が両立できれば、従業員一人一人の成長を促し、ひいては組織全体の生産性向上につながります。健全な効率化への取り組みを通じて、人材育成と組織力強化の好循環を生み出していきましょう。

株式会社LDcubeはこれまでの組織活性化や人材育成で培ったノウハウを生かしながら、新たな時代の人材育成方法の模索を支援しています。

研修運営の業務効率を高めることの支援実績も多いです。

研修と一口に言っても、人事部門が運営している全社にまたがる研修もあれば、現場の実務力向上を目指した研修もあります。実はそれらの状況により活用すべくツールなどが変わってきます。

LDcubeでは、全社の研修運営の効率化支援も、現場の実務力向上のための研修の効率化の支援も実績があります。ひとことで研修の効率化では割り切れない部分もあります。

一度ご事情をお伺いさせていただければ、貴社の状況にフィットした研修運営の効率化のご提案をさせていただくことができます。

各種ツールの無料のデモ体験会や具体的な使い方のご案内、導入事例の紹介なども行っています。お気軽にご相談ください。

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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