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セルフエスティーム(自尊感情)とは?

「セルフエスティームって何だろう?」
「セルフエスティームは、組織の生産性を高める鍵かもしれない」

近年、ストレス社会が注目されるなか、「セルフエスティーム」への関心が高まっています。

セルフエスティームとは、自分自身を価値あるものとして尊重する感覚です。心理学の概念であり、「自尊感情」の日本語訳が多く用いられています。

仕事の満足度やパフォーマンス、人間関係の質、心身の健康など、人生あらゆる側面にセルフエスティーム高さ(または低さ)が影響を及ぼすことが明らかになっています。

しかし、セルフエスティームを正しく理解している人は、多くありません。

本記事では、セルフエスティームの意味や類語との違いを解説し、その高さを測る尺度や公式を紹介します。

セルフエスティームを高める方法や、組織としての取り組みポイントについても触れ、知識だけでなく実践的にご活用いただけるよう構成しました。

自分自身はもちろん、大切な人やチームメンバーのセルフエスティームを尊重し、支えるためにお役立てください。

▼ 自己肯定感を高める方法については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。

  自己肯定感を高める7つの方法と自己肯定感の低い部下をケアする方法 「周りの人と比べて、自分は劣っているのではないか」こうした悩みを抱えている人は少なくありません。一方、企業で働くマネジャーの立場からは、「部下の自己肯定感の低さが、仕事のパフォーマンスに影響しているようだ」と感じることもあるでしょう。本記事では、自己肯定感の基礎知識から、高める方法、部下の自己肯定感に配慮したマネジメントまで、幅広く解説します。 株式会社LDcube

▼セルフエスティームを高めるための研修プログラムについては下記ページで紹介しています。

  HEP|LDcube(エルディーキューブ) LDcubeのHEPのご紹介ページです。自身のセルフエスティームを向上させ、より高い生産性で物事に取り組み、また他者とうまく協働するために対人関係上の柔軟性を身に付けます。深い自己理解と人間理解を通じて、行動変容のきっかけをつかむことができる研修を社内で展開できます。 株式会社LDcube

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この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.セルフエスティームとは何か?
    1. 1.1.セルフエスティームの定義・意味
    2. 1.2.セルフエフィカシー・自己肯定感・その他類語との違い
  2. 2.セルフエスティームの公式や測定尺度
    1. 2.1.ジェームズの公式
    2. 2.2.ローゼンバーグの自尊感情尺度(RSES)
  3. 3.セルフエスティームが与える影響
    1. 3.1.仕事におけるセルフエスティームの影響
    2. 3.2.メンタルヘルスにおけるセルフエスティームの影響
    3. 3.3.身体的健康におけるセルフエスティームの影響
  4. 4.セルフエスティームを高める方法
    1. 4.1.「見栄や虚栄心」をなくす
    2. 4.2.「要求水準」を適切にする
    3. 4.3.「成功」を増やす
  5. 5.セルフエスティームを高める組織づくり
    1. 5.1.全員が自他の「尊厳」に対する意識を高める
    2. 5.2.SMARTの原則による目標設定を再認識する
    3. 5.3.承認と称賛の文化を育む
  6. 6.まとめ

セルフエスティームとは何か?

セルフエスティーム①

さっそく、セルフエスティームとは何か、以下で詳しく見ていきましょう。

セルフエスティームの定義・意味

冒頭でも触れたとおり、セルフエスティーム(Self-Esteem)とは、日本語では「自尊感情」と訳されることの多い、心理学の概念です。

エスティーム(esteem)は、“○○を尊ぶ、重んじる、尊重する” という意味の英単語です。“セルフ + エスティーム” で、「自己を尊ぶ」という意味になります。

ここでは、厚生労働省のサイトに掲載されている定義を引用しましょう。

【用語解説:セルフエスティーム】

自尊感情ともいい、自分自身を価値あるものとして尊重する感覚をいいます。基本的な価値を実感することにより、自分自身を信頼し、さまざまな事柄に前向きに取り組む意欲や満足感につながります。このような自己の尊重は、自分自身だけでなく、周囲の人々のありのままを受け入れる上でも重要となり、環境への適応や精神的健康と密接に関連しています。

出典:厚生労働省 こころの耳「セルフエスティーム:用語解説」


セルフエフィカシー・自己肯定感・その他類語との違い

セルフエスティームは、自己に対する総合的な評価や感情を表す概念です。

一方、関連する概念として、「セルフエフィカシー」や「自己肯定感」があります。

  • セルフエフィカシー
    特定の課題を達成できるという自分自身の能力に対する信念の程度(「私は○○ができる」という感覚)を指します。高いセルフエフィカシーを持つ人は、困難に直面しても諦めず、挑戦的な目標に向かって努力する傾向があります。
  • 自己肯定感
    自己の長所・短所にかかわらず自分自身を好ましく肯定的に思う感覚を指します。自己肯定感は、近年、日本国内にて広く浸透した言葉で、セルフエスティームの一側面(下位概念)と位置付けられるケースもあります。

それぞれ文献や研究者によって多様な議論があり、断定的に論じることはできませんが、あえてわかりやすく違いを表にすると、以下のとおりです。


セルフエスティーム

セルフエフィカシー

自己肯定感

原語

Self-Esteem

Self-Efficacy

自己肯定感

日本語訳

自尊感情

自己効力感

意味

自分自身に対する全体的な評価や感情

特定の課題や状況に対処できるという確信

自分自身を前向きに好ましく受け入れる感覚

焦点

自己の価値や能力全般

具体的な行動や課題

自己受容

形成要因

過去の経験、他者からの評価、社会的比較

過去の成功体験、代理体験(他者の成功を目撃すること)、言語的説得(他者からの励ましや支持)

無条件の愛、受容的な養育、自己実現

影響

メンタルヘルス、人生満足度、対人関係

動機づけ、パフォーマンス、挑戦的な目標設定

心理的幸福感、レジリエンス、対人関係

※諸説あるため、唯一の正解ではない点にご留意ください。

また、ほかにも心理学関連の類語として、以下があります。

  • セルフコンパッション(Self-Compassion)
    自己に対する温かい理解と優しさを表す概念です。この概念は、挫折や失敗を経験した際に自己批判に陥るのではなく、自分に対する思いやり(慈悲の心)を持って自己を受け入れることを表します。

  • セルフコンフィデンス(Self-Confidence)
    自身の能力・判断・力量などに対して持つ信頼と確信を指します。この感覚は、過去の成功体験や能力への認識に基づいており、新たな課題や状況に対する積極的な姿勢や行動に影響を与えると考えられています。

  • セルフアウェアネス(Self-Awareness)
    自己の内面的な状態・傾向・行動パターン・信念・感情・願望などに対する深い理解を指します。この自己認識が高いほど、自己と環境との調和を図りやすくなります。自己成長や社会的適応の基盤となります。

  • セルフコントロール(Self-Control)
    セルフコントロールは、衝動や欲求に対する抑制と調整能力を通じて、目標達成に必要な行動を継続する能力を指します。セルフコントロールは、自己実現・健康維持・社会的成功に不可欠です。


セルフエスティームの公式や測定尺度

セルフエスティーム②

続いて、セルフエスティームの公式や測定尺度について、見ていきましょう。ここでは次の2つをご紹介します。

  1. ジェームズの公式
  2. ローゼンバーグの自尊感情尺度(RSES)


ジェームズの公式

アメリカの哲学者であり心理学者のウィリアム・ジェームズは、以下の公式を提唱しています。

セルフエスティーム = 成功(success) ÷ 要求水準(pretension)

つまり、セルフエスティームは、成功の大きさに比例し、要求水準に反比例する、という考え方です。

「成功が大きいほど、セルフエスティームが上がる」ということは、感覚的にイメージしやすいかと思います。

一方、「自分が求める水準(願望・自負・見栄なども含む)が大きいほど、セルフエスティームが下がる」という点も、着目したいポイントです。

たとえば、同じ100の成功があったとしましょう。

  • 要求水準 200
    ⇒ セルフエスティームは 100 ÷ 200 = 《0.5》
  • 要求水準 10
    ⇒ セルフエスティームは 100 ÷ 10 = 《10》

このように、成功を大きくするだけでなく、要求水準を小さくすることでも、セルフエスティームは高められます。この考え方は、禅などの東洋哲学で見られることを指摘する専門家もいます。

参考:Mizuho Hosogi et al.「Importance and usefulness of evaluating self-esteem in children」

ローゼンバーグの自尊感情尺度(RSES)

セルフエスティームを測る尺度としては、アメリカの社会学者であるモリス・ローゼンバーグが提唱した「自尊感情尺度(Rosenberg self esteem scale:RSES)」がよく知られています。

RSESは、セルフエスティームを測定する10項目からなる、自己記入式の尺度です。以下は Mimura & Griffiths(2007) による日本語版RSESです。

(1)私は、自分自身にだいたい満足している。
(2)時々、自分はまったくダメだと思うことがある。
(3)私にはけっこう長所があると感じている。
(4)私は、他の大半の人と同じくらいに物事がこなせる。
(5)私には誇れるものが大してないと感じる。
(6)時々、自分は役に立たないと強く感じることがある。
(7)自分は少なくとも他の人と同じくらい価値のある人間だと感じている。
(8)自分のことをもう少し尊敬できたらいいと思う。
(9)よく、私は落ちこぼれだと思ってしまう。
(10)私は、自分のことを前向きに考えている。

出典:内田知宏・上埜高志「Rosenberg自尊感情尺度の信頼性および妥当性の検討 : Mimura & Griffiths 訳の日本語版を用いて」

回答者は「強くそう思わない」「そう思わない」「そう思う」「強くそう思う」の4段階で評価を行います。

採点方法は、以下の点数で合計点数を算出します(評価が逆転している5項目は点数の付け方も逆転します)。

(1)(3)(4)(7)(10)

(2)(5)(6)(8)(9)

1点:強くそう思わない
2点:そう思わない
3点:そう思う
4点:強くそう思う

4点:強くそう思わない
3点:そう思わない
2点:そう思う
1点:強くそう思う

一般的な解釈の目安は、以下のとおりです。

0〜20点:低い
30点以上:高い
健常者の平均:25点前後

RSESは、セルフエスティームを手軽に測れる尺度として、幅広く活用されています。

詳細な分析には専門家の助言が必要ですが、自分の現状を客観視したいとき、自己採点してみることで、自己理解が深まるでしょう。

参考:Rosenberg, M.「Society and the adolescent self-image」
参考:認定特定非営利活動法人カタリバ 「自己肯定感を診断できるチェック方法」

セルフエスティームが与える影響

セルフエスティーム③

セルフエスティームの高低は、人生のさまざまな領域に影響を及ぼすことが、多くの研究によって示唆されています。

ここでは、Ulrich OrthとRichard W. Robinsによる2022年の論文「Is High Self-Esteem Beneficial? Revisiting a Classic Question」の知見をもとに、セルフエスティームがどのような影響を与えるのか、以下3つの観点を抜粋してご紹介します。

  1. 仕事におけるセルフエスティームの影響
  2. メンタルヘルスにおけるセルフエスティームの影響
  3. 身体的健康におけるセルフエスティームの影響


仕事におけるセルフエスティームの影響

セルフエスティームの高さは、仕事における満足度や成功、資源の獲得と関連することが、メタ分析によって示されています(Krauss & Orth, 2021)。

高いセルフエスティームを持つ人は、より責任のある自律的な仕事を求め、実際にそのような仕事に就く傾向が見られます。

また、高いセルフエスティームは人間関係の質を向上させるため、職場での社会的ウェルビーイング(良好な状態)を高めます。結果として、同僚や上司からのサポートを引き出し、仕事の成功につながると考えられています。

逆にセルフエスティームが低い場合には、以下のような影響が考えられます。

【セルフエスティームの低さが仕事に与える影響】

  • 自己防衛的な行動
    セルフエスティームが低い人は、失敗を恐れて自己防衛的な行動をとる傾向があります。課題への取り組みを避けたり、新しいチャレンジを回避したりすることにつながります。
  • 職場からの離脱
    セルフエスティームが低い人は、否定的な評価を避けるために、職場から離脱する可能性が高くなります。欠勤率の増加、生産性の低下、離職率の上昇などとして表出します。
  • 収入と雇用状況への影響
    セルフエスティームは、成人期の収入と雇用状況を予測することが明らかになっています。von Soest et al.(2016)の研究では、性別・家庭の社会経済的地位・学校の成績の影響を除外しても、この関連性が維持されました。

以上のように、セルフエスティームの高低は、仕事のパフォーマンスや職場での適応に大きく影響を与える重要因子であるといえます。

メンタルヘルスにおけるセルフエスティームの影響

セルフエスティームが低い状態は、うつ病や不安症などのメンタルヘルス問題の発症要因としても、議論されてきました。

Sowislo & Orth(2013)による縦断研究のメタ分析では、セルフエスティームの高さと、抑うつと不安の症状の軽減の関連が示されています。

【セルフエスティームの低さがメンタルヘルスに与える影響】

  • 感情面への影響
    自己評価が下がり、ネガティブな感情を抱きやすくなります。その結果、抑うつや不安などの感情面の問題を経験するリスクが高まります。
  • 認知面への影響
    自分に対するネガティブな認知が強くなり、自己否定的な思考パターンに陥りやすくなります。これが、抑うつや不安の発生・継続に関与すると考えられています。

セルフエスティームを高めることが、メンタルヘルス問題の予防や改善に役立つ可能性が示唆されています。

身体的健康におけるセルフエスティームの影響

健康に関する自己・社会的絆モデルでは、セルフエスティームが社会的関係を介して身体的健康に影響を与えると考えられています(Stinson et al., 2008)。

その理由は、セルフエスティームが高い人は、社会に受け入れられて良好な関係を作りやすく、質の高い社会的サポートを受けられる可能性が高まるためです。

【社会的サポートの例】

  • 感情的サポート(励ましや共感)
  • 実践的サポート(具体的な手助け)
  • 情報サポート(有益な情報の共有)

このような質の高いソーシャルサポートは、心血管系・内分泌系・免疫系に影響を与え、長期的に健康状態を左右すると考えられます。

以上、セルフエスティームが人生のさまざまな面に与える影響について概観しました。

同論文では、縦断研究の数はまだ十分ではなく、因果関係を確実に結論づけるためには、さらなる研究の蓄積が必要であるとも指摘されています。

出典:Ulrich Orth, Richard W. Robins「Is High Self-Esteem Beneficial? Revisiting a Classic Question」

セルフエスティームを高める方法

セルフエスティーム④

では、セルフエスティームを高めるためには、どうすればよいのでしょうか。

前出のジェームズの公式を再掲します。

【公式】

セルフエスティーム = 成功(success) ÷ 要求水準(pretension)

この公式に基づくと、3つのポイントが見えてきます。

  1. 「見栄や虚栄心」をなくす
  2. 「要求水準」を適切にする
  3. 「成功」を増やす

以下で、それぞれ解説します。

「見栄や虚栄心」をなくす

1つめは「『見栄や虚栄心』をなくす」です。

なぜなら、見栄や虚栄心があると、要求水準が不必要に高くなってしまうからです。

  • 見栄
    他者からの評価を過剰に意識し、実際以上に優れているように見せようとする態度を指します。見栄を張ることで、自分の能力以上のことを求めたり、無理をしたりしてしまいます。
  • 虚栄心
    自分の優位性を誇示したいという欲求や、他者からの称賛を過剰に求める心理状態を指します。虚栄心が強いと、他者との比較にとらわれ、自分の価値を見失いがちです。

見栄や虚栄心で一時的な優越感を得られても、長期的には、セルフエスティームを低下させる要因になります。

【見栄や虚栄心をなくす具体的な方法】

  • 自分の価値観に基づいて行動する
    他者の評価ではなく、自分が大切にしている価値観に沿って行動すれば、見栄や虚栄心から解放されます。自分の価値観を明確にし、それに基づいた意思決定を心がけましょう。
  • 他者との比較をやめる
    他人と自分を比べることは、見栄や虚栄心を助長します。一人一人に異なる背景や状況があることを理解し、他者との比較をやめれば、自分自身の価値に目を向けられるようになります。
  • 自分の長所と短所を受け入れる
    完璧であろうとするのではなく、自分の長所と短所をありのままに受け入れることが大切です。自分の弱みを認め、長所を伸ばすことに注力すれば、見栄や虚栄心から自由になれます。


「要求水準」を適切にする

2つめは「『要求水準』を適切にする」です。

要求水準とは、自分自身に対する期待や目標のレベルを指します。

要求水準が高すぎると、その水準を超えるのが困難になり、セルフエスティームが下がってしまいます。

では、要求水準を下げるほど好ましいのか、といえば、そうとも言い切れません。要求水準が低すぎると、成長の機会を逃してしまう可能性があるためです。

そこで、自分に合った 適切な” 要求水準を設定することで、達成感を得ながら着実に成長できます。

【要求水準を適切に設定するための方法】

  • 自分の能力を客観的に把握する
    自分の強みと弱みを冷静に分析し、現時点での能力を客観的に把握することが重要です。過去の経験や実績、他者からのフィードバック(意見や感想)を参考にしながら、自分の能力を見極めましょう。
  • 段階的な目標設定をする
    大きな目標を一気に達成しようとするのではなく、小さな目標を設定し、段階的に到達していくことが効果的です。達成可能な目標から始め、徐々にレベルアップしていけば、セルフエスティームを着実に高められます。
  • 柔軟に目標を調整する
    状況の変化に応じて、目標を柔軟に調整することが大切です。環境や条件が変わったときには、目標を見直し、現実に即した要求水準に変更する勇気を持ちましょう。


「成功」を増やす

3つめは「『成功』を増やす」です。

前述のとおり、ジェームズの公式において、セルフエスティームは「成功」に比例します。

ここでいう「成功」とは、大きな達成だけを指しません。“日々の小さな進歩” や、“少しうまくできたこと” を含んでとらえることが重要です。

大きな成功を実際に増やすのではなく、「成功したと自己認識できる範囲を広げることで、成功増やす」という視点が欠かせません。

自分なりの成功体験を積み重ねることで、セルフエスティームを高めていきましょう。

【成功を増やすための工夫】

  • 小さな進歩を認める
    大きな成果だけでなく、日々の小さな進歩やできるようになったことにも目を向けましょう。些細に思える成長をしっかり認め、成功を認識することで、セルフエスティームが高まります。
  • 自分の強みを生かす
    自分の得意分野や長所を見極め、それを生かせる機会を積極的に見つけましょう。自分の強みが発揮できる場面で成功体験が増えれば、セルフエスティームが向上します。
  • 新しいことにチャレンジする
    慣れ親しんだ領域にとどまらず、未知の分野に足を踏み入れる経験も大切です。居心地のよい範囲を脱して得られる成功体験は、セルフエスティームを飛躍的に向上させる契機となります。


セルフエスティームを高める組織づくり

セルフエスティーム⑤

セルフエスティームは、個人の内面の問題と思われがちですが、周囲からのサポートによっても高められます。

ここでは、組織としてメンバーのセルフエスティームを高めるための3つのポイントを解説します。

  1. 全員が自他の「尊厳」に対する意識を高める
  2. SMARTの原則による目標設定を再認識する
  3. 承認と称賛の文化を育む


全員が自他の「尊厳」に対する意識を高める

1つめのポイントは「全員が自他の『尊厳』に対する意識を高める」です。

組織のメンバー全員が、自分自身と他者の尊厳を尊重することは、セルフエスティームを高める土台となります。

一人一人が自分の価値を認め、互いの存在を認め合うことで、組織全体にポジティブな雰囲気が生まれるのです。

【尊厳に対する意識を高める具体的な方法】

  • 自己理解・他者理解に関する研修を実施する
    自分自身や他者の特性・価値観・ニーズなどを深く理解するための研修プログラムを導入します。研修を定期的に実施することで、組織全体で尊厳を大切にする意識を高めていきます。(*1)
  • 尊重的な言葉遣いを徹底する
    日常的なコミュニケーションの中で、相手を尊重した言葉遣いを心がけるよう、全員に周知徹底します。たとえば部下を呼び捨てにせず「〇〇さん」と敬称を使うことや、否定的な表現を避けることなどが挙げられます。リーダーが模範となって実践し、組織全体に浸透させていくことが大切です。
  • 多様性を認め合う風土を醸成する
    個人の違いを認め、多様性を尊重する組織風土を作ることが大切です。異なる意見や価値観を受け入れ、互いに学び合える環境を整えましょう。多様性を尊重することは、一人一人の尊厳を認めることにつながります。

*1:具体的に適合性の高い研修としては、HEP(ヒューマン・エレメント・プログラム)があります。

HEPは、アメリカの心理学者ウィル・シュッツ博士が開発したプログラムで、深い人間理解とセルフエスティームの向上に焦点があります。

HEPに関する詳細は、以下のページでご確認ください。

  HEP|LDcube(エルディーキューブ) LDcubeのHEPのご紹介ページです。自身のセルフエスティームを向上させ、より高い生産性で物事に取り組み、また他者とうまく協働するために対人関係上の柔軟性を身に付けます。深い自己理解と人間理解を通じて、行動変容のきっかけをつかむことができる研修を社内で展開できます。 株式会社LDcube

あるいは、eラーニングでの導入を検討される場合には、以下の講座が効果的です。
より良い人間関係を築く自己理解・他者理解コース①(マイクロラーニング)
より良い人間関係を築く自己理解・他者理解コース②(マイクロラーニング)

SMARTの原則による目標設定を再認識する

2つめのポイントは「SMARTの原則による目標設定を再認識する」です。

SMARTはよく知られた原則ですが、改めて、おさらいしたいポイントです。

前出のジェームズの公式からもわかるとおり、要求水準が高いほど、セルフエスティームは反比例して低くなってしまいます。

適切な目標を設定し、成功体験を積み重ねていくことが、組織のセルフエスティーム向上に欠かせません。

【SMARTの原則とセルフエスティームの関係】

  • Specific(具体的)
    具体的な目標設定によって、メンバーは自分の役割や期待されている成果を明確に理解できます。結果、確信を持って行動し、セルフエスティームを高めることができます。
  • Measurable(測定可能)
    目標の達成度が数値化されていれば、メンバーは自分の進歩を客観的に確認できます。着実な成長の実感が、セルフエスティームの向上につながります。
  • Achievable(達成可能)
    現実的に達成可能な目標水準にすることで、メンバーは意欲を維持できます。無理な目標では挫折感を味わい、セルフエスティームが低下してしまいます。
  • Relevant(関連性がある)
    組織の目的や価値観に沿った目標であれば、メンバーは自分の仕事に意義を感じられます。自分の役割の重要性を認識することで、自分の存在価値を実感でき、セルフエスティームが向上します。
  • Time-bound(期限がある)
    明確な期限を設定することで、メンバーは目標達成に向けて計画的に行動できます。期限内に目標を達成することで、成功体験を積み重ね、セルフエスティームが高まります。


承認と称賛の文化を育む

3つめのポイントは「承認と称賛の文化を育む」です。

組織内で承認と称賛の文化を育むことは、メンバーのセルフエスティームを高める上で非常に効果的です。

一人一人の努力や成果を認め、積極的に称賛することで、メンバーは自分の価値を実感し、自信を持てるようになります。

【承認と称賛の文化を育むための工夫】

  • 小さな成果も認める
    大きな成果だけでなく、日々の小さな進歩や努力も認めることが大切です。小さな成果にも目を向け、メンバーの苦労や尽力を積極的に認めましょう。
  • 具体的な称賛を行う
    抽象的な称賛ではなく、具体的な行動や成果に対して称賛することが重要です。どのような点が良かったのか、具体的にフィードバックすることで、メンバーは自分の強みを理解できます。
  • 公の場で称賛する
    会議やイベントなど、公の場でメンバーの功績を称えることで、承認の効果が高まります。公の場での称賛は、セルフエスティームを大きく向上させる力があります。

承認と称賛の文化が根付いた組織では、メンバーは自分の価値を実感しやすくなり、セルフエスティームが高まります。

リーダーがお手本となって、積極的に称賛を行うことが、承認の文化を育む鍵となるでしょう。

まとめ

本記事では「セルフエスティーム」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

セルフエスティームとは、「自尊感情」とも呼ばれる自分自身を価値あるものとして尊重する感覚です。

セルフエスティームにおける代表的な公式・尺度として、以下を解説しました。

  1. ジェームズの公式:セルフエスティーム = 成功 ÷ 要求水準
  2. ローゼンバーグの自尊感情尺度(RSES):10項目の質問で測定

セルフエスティームの高さ・低さが与える影響として、以下をご紹介しました。

  1. 仕事における影響:仕事の満足度や成功、資源の獲得と関連
  2. メンタルヘルスにおける影響:うつ病や不安症などメンタルヘルスのリスクと関連
  3. 身体的健康における影響:健康問題の減少や健康状態の改善と関連

セルフエスティームを高める方法として、以下があります。

  1. 「見栄や虚栄心」をなくす:自分の価値観に基づいて行動する
  2. 「要求水準」を適切にする:自分の能力に合った現実的な目標を設定する
  3. 「成功」を増やす:小さな進歩を認め自分の強みを生かす

セルフエスティームを高める組織づくりのポイントは、次のとおりです。

  1. 全員が自他の「尊厳」に対する意識を高める
  2. SMARTの原則による目標設定を再認識する
  3. 承認と称賛の文化を育む

セルフエスティームは、個人の幸福と成功、そして組織の活力として、欠かせない要素です。

一人一人が自分らしく輝ける社会を目指して、セルフエスティームについての理解を深め、実践していきましょう。

株式会社LDcubeでは、セルフエスティームを高めるための研修プログラムや、研修プログラムのトレーナー養成のご支援をしています。組織や個人のセルフエスティームを高めたい場合にはお気軽にご相談ください。

また、研修プログラムだけでなく、eラーニングプログラムの提供も行っています。研修プログラムと合わせて受講いただくことで効果を高めることができますが、まずはeラーニングから手軽に学習を始めたいというニーズにも対応可能です。

無料のデモIDなどの発行も行っています。お気軽にご相談ください。

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