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企業の人材育成における課題とは?「前年踏襲」から抜け出す解決策やポイントを解説!

企業において人材育成に効果を感じられていないと悩みを抱えるケースが多いです。

本記事では、「前年踏襲」「時間不足」「育成担当者のスキル不足」など主要な課題について、現状把握から始め人財育成の必要性や、eラーニング活用、OJT効率化などの解決策や実践方法、ポイントを解説します。

企業の成長を支える重要な基盤となるのが人材育成です。

多くの組織が直面するのは、日々の業務に追われて育成の時間が確保できない、育成スキルを持つ人材が不足している、あるいは組織全体で育成の重要性が共有されていないといった課題です。

これらの障壁は、計画的な人材育成を阻み、結果として企業の競争力低下や人材流出にもつながりかねません

しかし、こうした課題は決して乗り越えられないものではありません。むしろ、現代のビジネス環境に適応した戦略的なアプローチによって、限られたリソースの中でも効果的な人材育成を実現することが可能です。

時間の制約を克服するeラーニングの活用、育成担当者のスキルアップ、全社的な育成文化の醸成、そして効果測定による継続的改善、これら4つの戦略的アプローチは、多くの企業で成果を上げています。

本記事では、人材育成現場で直面する具体的な課題と、それらを解決するための実践的な方法を詳しく解説します。

経営環境が厳しさを増す中でこそ、人材への投資は未来への布石となります。貴社の人材育成を次のステージへと導く具体的なヒントを、ぜひ見つけてください。

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目次[非表示]

  1. 1.人材育成の課題は「前年踏襲」にあり
    1. 1.1.65%の組織で人材育成に効果を感じられていない
    2. 1.2.要因は「前年踏襲」での施策展開
    3. 1.3.世の中は変化している
  2. 2.よくある人材育成の課題とは?
    1. 2.1.目的を見失った形骸化した人材育成プログラム
    2. 2.2.体系的な計画なしに進められる場当たり的な育成
    3. 2.3.効果測定が行われないことによるPDCAの分断
    4. 2.4.組織全体での、人材育成の重要性理解の欠如
    5. 2.5.育成担当者自身のスキル・知識不足
    6. 2.6.業務過多による人材育成の時間確保が困難
  3. 3.人材育成の課題解決①:現状把握を行う
  4. 4.人材育成の課題解決②:全社で育成文化を醸成する
  5. 5.人材育成の課題解決③:施策の見直しを図る
  6. 6.人材育成の課題解決④:育成担当者の能力を高める
  7. 7.人材育成の課題解決⑤:時間不足を克服する
  8. 8.人材育成の課題解決のカギはデータ活用
    1. 8.1.人材育成施策のデジタル化を図る
    2. 8.2.デジタル化によって得られる学習行動データ
    3. 8.3.人材育成の効果性と再現性の向上
    4. 8.4.上記を通じた従業員のエンゲージメント向上
  9. 9.人材育成の課題解決の手法
  10. 10.人材育成の課題を解決してきた事例紹介
    1. 10.1.社内トレーナーで機動力高く研修を実施し効果を上げている事例
    2. 10.2.パーソナライズ学習でeラーニング受講率100%を達成した事例 
    3. 10.3.AIを活用して3倍の成果を上げた事例
  11. 11.まとめ:戦略的な人材育成で組織力と競争力を高めよう

人材育成の課題は「前年踏襲」にあり

人材育成の課題 前年踏襲

多くの企業が人材育成の重要性を認識しながらも、効果的な施策を展開できていないという現状があります。その最大の原因は「前年踏襲」の考え方にあるのです。

65%の組織で人材育成に効果を感じられていない

弊社が行った調査によると、約65%の組織が人材育成プログラムの効果を十分に感じられていないという結果が出ています。

この「効果を感じられない」という状況の背景には、効果測定の不足という問題も潜んでいます。

多くの企業では研修直後の満足度アンケートは実施していても、3カ月後、6カ月後の行動変容や業績への影響を追跡調査していないケースがほとんどです。

また、効果を感じられない背景には「現場と研修の乖離」という問題もあります。

人事部門が主導して全社一律の研修プログラムを設計することが多く、現場の実情やニーズとのミスマッチが生じています。

ある営業部門では「理論中心のリーダーシップ研修よりも、実践的な商談スキルの強化が必要」という声が上がっていたにもかかわらず、毎年同じ内容の研修が繰り返されるという状況が続いていました。

多くの企業では、研修やOJTといった施策を実施しているものの、実際の業績向上や従業員の成長につながっているかどうかの検証が不十分で、効果を実感できないまま続けているケースが少なくありません。

また、効果が見えにくいために経営層の本気度も高まらず、人材育成の優先度が高まらないままとなっています。

要因は「前年踏襲」での施策展開

この状況を生み出している最大の要因は、「前年踏襲」の考え方です。

「去年やったから今年もやる」という理由だけで研修やOJTを実施し、その目的や効果を十分に検討していないケースが多いのです。

前年踏襲主義が生じる組織的な要因として、「リスク回避傾向」と「変革コストの高さ」が挙げられます。新しい育成手法を導入することには常にリスクが伴います。

「従来のやり方を変えて失敗したらどうしよう」という不安から、実績のある従来の方法を選択してしまいがちです。

また、育成プログラムの抜本的な見直しには、調査・分析・設計・実施といった工程に膨大な労力が必要です。人事部門のリソースが限られている中で、「時間をかけて新しいものを作るより、既存のものをそのまま行う方が効率的」という判断になりがちです。

10年以上前に設計された新人研修プログラムを、業界環境が大きく変化した現在も同じ内容で実施している企業も少なくありません。

デジタル技術の急速な発展により業務内容が大きく変わっているにもかかわらず、研修は集合研修で、内容も紙ベースの業務プロセスを前提としたままであり、コロナ禍にオンラインに置き換えようとしてあまりうまくいかず、集合研修に戻しているケースなどをよく目にします。

現実的にはリモートワークが取り入れられ、コミュニケーションや業務プロセスもクラウド活用が増えてきている中で、それを踏まえた内容になっていないケースは意外とあります。

人材育成施策が形骸化している典型的なパターンとして、以下のような状況が見られます。

  • 目的の形骸化:
    研修を実施すること自体が目的になってしまっている

  • 効果測定の欠如:
    施策の効果を測定せず、PDCAサイクルが回っていない

  • 現場ニーズの無視:
    実際の業務に役立つかより、研修実施自体が目的となっている

世の中は変化している

DXの進展、働き方改革、パンデミック後の環境変化など、ビジネス環境は急速に変化しています。従業員に求められるスキルセットも大きく変わりつつある中、人材育成の方法も革新が求められているのです。

特に注目すべき変化として、「スキルの賞味期限の短期化」があります。

デジタル技術の急速な発展により、専門知識やスキルの有効期間が大幅に短くなっています。これは、「一度学べば長く使える」という従来の人材育成の前提が崩れつつあることを意味します。

また、学習スタイルの多様化も進んでいます。デジタルネイティブ世代の台頭により、「教室で講師の話を聞く」という伝統的な学習スタイルだけでなく、動画学習、ゲーミフィケーション、ソーシャルラーニングなど多様な学習方法へのニーズが高まっています。

例えば、リモートワークの普及により対面での研修が難しくなる中、eラーニングやオンライン研修の重要性が高まっています。また、AI技術の発展により、個々の学習進捗や特性に合わせたパーソナライズされた学習体験を提供できるようになりました。

さらに、変化の激しい環境下では「何を学ぶか」だけでなく「いかに学ぶか」というメタスキルの重要性も増しています。従来の知識伝達型の研修だけでは、急速に変化する環境に対応できる人材を育成することは困難です。

人材育成は「前年踏襲」から脱却し、現在の環境や課題に合わせて常に進化させる必要があるのです。

よくある人材育成の課題とは?

人材育成 課題

企業が人材育成に取り組む際に直面する課題は多岐にわたります。これらの課題を特定し、理解することが、効果的な人材育成戦略を構築する第一歩となります。

目的を見失った形骸化した人材育成プログラム

多くの企業では、研修や人材育成プログラムを「なぜ行うのか」という目的を明確にしないまま進めていることがあります

例えば、毎年スケジュールに入っている研修を特に見直すことなく「例年通り」に実施することがあります。

このような場合、そのプログラムが現在の学習ニーズやビジネスの変化に対応しているかどうか検討されることは少なく、内容がフィットしていないことがあります。

また、新人研修で長年続けられてきたプログラムが、その効果を検証することなく惰性で続けられることもあります。結果として、参加者にとっての学びやモチベーション向上にはつながらず、企業にとっても効果的な人材育成にはなりません。

体系的な計画なしに進められる場当たり的な育成

明確な目的が欠如したまま、人材育成が不定期や単発で行われたり、継続的な取り組みが中断されたりすることは、大きな課題です。

計画性に欠けると、例えば、上司の気分次第でOJT(On-the-Job Training:実地訓練)の内容が頻繁に変わったり、現場が忙しいという理由で突然研修がキャンセルされたりすることが起こります。

このような場面では、参加者は明確な成長の方向性を見いだせず、スキル向上の機会を逃してしまうことが多々あります。結果として、個人の成長や成果に繋がりにくく、企業にとっても育成の費用対効果が見えにくくなります。

効果測定が行われないことによるPDCAの分断

企業がコストや時間をかけて実施する人材育成が真に有効かどうかを判断するためには、測定が極めて重要です。

しかし、実際には研修後の簡単なアンケートで効果測定を終えてしまうケースが多くあります。数カ月後の行動変容や、業績への実際の影響を追跡調査しないと、学びが実務にどのように生かされているのか把握できません。

研修は受講者の「行動変容」を経由して組織の業績に間接的に貢献します。この「行動変容」が起きているかどうかをしっかりと検証することが重要です。

検証なしでは、適切なフィードバックが得られず、育成プログラムの改善や最適化が困難です

PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルが分断され、次回以降のプログラムの計画や実行に生かされないことにつながります。

組織全体での、人材育成の重要性理解の欠如

企業の経営層や人材育成の専門部署が熱心にプログラムを推進しても、それが現場で浸透しないケースがあります。

現場の管理職や従業員がその重要性を認識していないと、日常業務のプレッシャーから「研修に参加する余裕がない」と考えがちです。

また、参加が義務なのかどうかを疑問視されるといった声も上がることがあります。このような職場では、研修の効果を十分に発揮できず、企業全体としての成長に結びつきにくくなります。

育成担当者自身のスキル・知識不足

業務で高い成果を上げる能力と、人を育てる能力は別のものであるにもかかわらず、管理職や先輩社員の育成スキルを向上させる取り組みが不足している企業が多いです。

育成担当者自身が人材育成についての最新の知識やスキルを身に付けていないと、効果的な指導ができず、育成対象者のモチベーションや学習効果を減少させる可能性があります。

結果として、育成そのものが形骸化するリスクがあります。

業務過多による人材育成の時間確保が困難

特に中小企業では、人員に余裕がなく一人が複数の役割を兼務していることが一般的です。そのため、人材育成の時間を十分に確保することが難しい状況がしばしば発生します。

業務が優先され、人材育成は後回しにされることが多く、結果として、社員のスキル向上やキャリア形成が滞り、企業としての競争力も低下する可能性があります。

持続的な成長を目指すには、業務と育成のバランスを取ることが重要です。

人材育成の課題解決①:現状把握を行う

現状把握

人材育成の課題を効果的に解決するためには、まず自社の現状を正確に把握することが不可欠です。現状把握なくして的確な対策は打てません。

アンケート調査による人材育成施策の実態調査

人材育成施策の現状やその効果、課題を明確にするためには、社内アンケートが有効な手段となります。

アンケートを通じて得られる定量的なデータにより、具体的な施策の満足度、学習ニーズ、直面している障害、好まれる学習スタイルなどを把握できます。

このデータを元に、部署別、年代別、役職別といった切り口で分析すると、特定の部署や役割、年齢層における特有の課題や傾向をつかむことができます。

例えば、若手社員が特にどのようなスキルに対するニーズを持っているか、管理職にはどんな障害があるのかを理解することができます。これによって、よりターゲットを絞った施策の立案が可能になります。

ヒアリングによる現状課題の深掘り

アンケートで得られた定量データだけでは見えない、本質的な課題を明らかにするためにはヒアリングが重要です。

経営層、現場管理職、若手社員といった多様な立場の人たちから直接情報を収集することで、組織全体の視点から現状を把握することができます。

例えば、管理職にとって、どのようなスキルが実際に不足しているのか、若手社員がなぜ育成プログラムに参加しづらいと感じているのか、など具体的な問題を明らかにします。このように具体性のある情報は、解決策の検討に非常に有用です。

カークパトリックモデルを使った4段階評価法の実施

カークパトリックモデルの4段階評価法は、人材育成施策の本当の効果をさまざまな角度から評価するための方法です。

このモデルでは、まずレベル1研修参加者の反応(研修への満足度など)を評価し、次にレベル2で学習内容の理解度を評価します。

さらにレベル3では、研修を受けた社員の行動の変化を観察し、最後にレベル4で組織全体の成果や業績への影響を評価します。

多くの企業は反応評価(レベル1)にとどまりがちですが、実際の行動変容(レベル3)まで評価することで、育成施策が業務にどのように生かされているかをより正確に把握することができます。

人材育成手法のバランス調査

企業で実施されている、さまざまな人材育成手法のバランスを確認し、評価することは重要です。

「70:20:10の法則」に基づく評価は、人材育成における効果的なバランスを見つける助けになります。

この法則では、人の成長の70%は実践を通じた経験から、20%は他者との交流やフィードバックによる学び(OJTやメンタリング)から、10%は研修や講義などの形式的な学びから得られると考えます。

自社の育成プログラムがこのバランスにどれだけ近いかを評価することで、どの分野を強化すべきかが見えてきます。

例えば、実践的な経験の機会が不足しているのであれば、業務に関連したプロジェクトを増やすといった改善策を検討することができます。

人材育成の課題解決②:全社で育成文化を醸成する

人材育成の文化のイメージ

人材育成の効果を最大化するためには、企業全体で「人を育てる文化」を醸成することが不可欠です。組織文化の変革は一朝一夕には進みませんが、戦略的なアプローチで実現可能です。

経営層を巻き込んで人材育成の優先度を高める

人材育成を組織の最優先事項にするためには、経営層の積極的な関与が不可欠です。

経営層に対しては、定量的なデータを使って人材育成がどのような状態になっているか、具体例を示すことで理解を促します

例えば、過去に実施した次世代リーダー研修から実際に何名の部長職が誕生しているかなどを紹介します。

また、育成を怠った場合のリスクについても明確に伝えることが重要です。さらに、経営者自らが研修に登壇し、自身の学びや成長経験を社員に共有することも大切です。

これにより、「この会社では成長が重要視されている」という強いメッセージが社員に伝わり、組織全体の学習意欲を高めることができます。

管理者の、人材育成への責任感の醸成を図る

現場の管理職は、直接部下を指導・育成する立場にあるため、人材育成において非常に重要な役割を果たします。

管理職が人材育成の責任を自覚するためには、管理職の評価基準に「部下の育成」が組み込まれていることが効果的です。

また、管理職向けの研修を実施して、成功体験を積ませることも有効です。

例えば、部下が成長して業務効率を上げた成果を共有し、管理職自身が育成の成功を実感できる場を提供すると良いでしょう。

これにより、管理職が「人を育てることは自分の重要な仕事である」と認識し、日常的に部下の成長を促進する環境を作ることが可能になります。

具体的な成功事例の共有で社員の意欲を引き出す

社員のモチベーションを高めるには、実際の成功事例を共有することが非常に効果的です。

例えば、社内報や定例会議などで、「この育成プログラムを受けて、このように成長しました」という事例を紹介します。

また、育成プログラムを修了した社員が体験談を共有するセッションを設けることも有益です。

これにより、「この会社で学び続けることで、具体的にこういう成長が見込める」と社員がはっきりとイメージできるようになります。このような具体的な成功事例が、社員の学習意欲を引き出し、組織内での成長文化の醸成を促進します。

人事評価制度と連動させて育成活動にインセンティブを付ける

人材育成の重要性を組織全体に根付かせるために、人事評価制度と連動させて育成活動にインセンティブを設ける方法が効果的です。

評価項目に育成への努力を追加する、昇進や昇給の要件として育成プログラムの参加を条件とする、または育成成果を認めて表彰する制度を活用します。

ただし、内発的動機付け(自己の成長を求める欲求)と外発的動機付け(報酬に基づく動機)のバランスを保つことが重要です。

評価制度はあくまで「学びを促進するきっかけ」として機能させ、最終的には社員が自発的に学ぶ環境を整えることを目指しましょう。

人材育成の課題解決③:施策の見直しを図る

人材育成施策の見直しを図る

前例踏襲型の人材育成から脱却し、現代のビジネス環境や従業員のニーズに合った施策へと見直すことで、育成の効果を大きく高めることができます。

現状把握を踏まえた人材育成施策全体像の見直し

人材育成の現状を把握し、特定された課題を解決するためには、施策全体を見直す必要があります。

まず、現行の育成施策を全て把握し、その効果や課題を整理します。その上で、どの施策が優先されるべきかを明確に特定します。

これにより、組織全体の育成施策を最適化することにつながります。また、全体像を再構築する際には、会社の経営戦略と整合性を保つことが不可欠です。

「この会社が今後進むべき方向性」と「そのために必要な人材像」を具体的に明確化し、それを実現するために必要な育成施策を体系的に設計します。こうすることで、組織が目指す方向性に沿った効果的な人材育成が可能となります。

人材育成手法の見直し(オンラインの積極活用)

ポストコロナ時代においては、テレワークやリモートワークが広がり、育成手法にもそれに応じた変化が求められています。

オンラインを活用した育成手法を導入することで、柔軟で効率的な人材育成が実現できます。

具体的には、eラーニングで場所や時間に縛られず学習ができる環境を整えることや、オンライン研修を活用してリアルタイムでの講義やディスカッションを行うことが効果的です。

また、短時間で集中的に学べるマイクロラーニングや、他者からのフィードバックを得ながら学ぶソーシャルラーニングを取り入れることで、オンラインならではのメリットを最大化することができます。

学習データを活用したPDCAサイクルの構築

人材育成施策を継続的に改善していくためには、学習データを活用したPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルの構築が不可欠です。

具体的には、研修の参加率、習得した内容の理解度、実際の業務への応用度、行動の変化といったデータを定期的に収集し分析します。

現在は学習に特化したプラットフォームを活用し研修やさまざまな学習施策を展開することにより、学習行動データの取得がしやすくなっています。

また、効果測定のためのアンケートも手軽に実施できます。そのようなツールを活用し、データを取得することで、どの施策が効果的で、どこに改善の余地があるのかを客観的に判断できます。

データに基づく改善サイクルを回すことで、常に最適な育成施策を展開することができ、社員のスキル向上や組織全体の成長を促進します。

人材育成の課題解決④:育成担当者の能力を高める

育成担当者の能力を高める

人材育成の効果を高めるためには、育成を担当する側のスキル向上が不可欠です。業務のプロが必ずしも育成のプロではないという認識を持ちましょう。

OJTトレーナー研修で現場指導力を向上させる

OJTは、職場での実務を通じて社員を育成する重要な手法ですが、その効果はトレーナーの指導力によって大きく左右されます。

効果的なOJTを実施するには、トレーナーがしっかりとした指導スキルを持つことが不可欠です。

具体的には、指導計画をどのように立てるか、適切なフィードバックをどのように提供するか、そしてトレーニー(育成対象者)のモチベーションをどうやって維持・向上させるかといったスキルを高めることが重要です。

また、進捗を管理して次の成長ステップに繋げる能力も求められます。こうしたスキルを習得するためのOJTトレーナー研修を実施することで、現場での指導効果を飛躍的に向上させることが可能になります。

社内トレーナー養成で機動力を強化する

人材育成を効果的かつ効率的に行うためには、外部講師に頼るだけでなく、社内の人材を研修講師として活用することが重要です。

このことにより、即応性がある柔軟な育成体制を築くことができます。

社内トレーナー候補者が外部の社内トレーナー養成講座に参加することで、研修設計やファシリテーション、プレゼンテーションスキル、評価方法に関する知識やスキルを身に付けることができます。

社内トレーナーは企業文化や業務内容を深く理解しているため、より関連性が高く実践的な研修を提供でき、コストも抑えられます

このような取り組みは、組織全体の人材育成力を向上させ、持続的な成長を支える基盤を作ります。

eラーニングを活用して担当者の負担を分散する

人材育成の効果を高めるために、eラーニングの活用は非常に有効な方法です。

育成担当者の負担を軽減するために、基本的な知識や標準的なスキルの習得に関しては、eラーニングを活用することができます。

これにより、担当者は対面指導において、実践的なスキルの指導などに集中することが可能になります。

また、eラーニングは時間や場所にとらわれずに学べるため、社員は自分のペースで学習でき、人材育成の効率性が向上します。

さらに、eラーニングを利用することで、組織全体で一貫した教育内容を提供することができ、社員の基礎力を均一に高めることができます。

人材育成の課題解決⑤:時間不足を克服する

時間不足を克服する

人材育成における最大の課題は「時間の確保」です。多くの組織が「従業員の業務が多忙で、人材育成に充てる時間を確保できない」と感じています。

業務スケジュールに人材育成を組み込む

人材育成が常に「時間があるときにやること」と見なされると、日常業務が優先されてしまい、育成の機会は後回しにされがちです。

これを解決するためには、人材育成を計画的にスケジュールに組み込むことが重要です。

具体的には、業務スケジュールに、研修日程を組み込んだり、eラーニングで学ぶ時間を組み込んだりする方法があります。

この時間は他の業務が入らないように確保され、人々が積極的に研修に参加したり、eラーニングを受講したりできる環境を整えます。

また、「ラーニングキャンペーン」という手法を使って、育成に特化した取り組みを一度にまとめて展開したり、全社一斉に学ぶ日を設けたりすることも効果的です。

これにより、社員全員が同時に人材育成活動に参加でき、一体感と学習への集中度が高まります。

eラーニングで実現する隙間時間を活用した効率的学習

eラーニングの最大のメリットは、いつでもどこでも学習できる柔軟性です。

これにより、業務のちょっとした合間や通勤時間といった「隙間時間」を活用して効率的に学習を進めることができます。

そのためには、モバイルデバイスからアクセス可能な学習プラットフォームの導入がカギです。

さらに、コンテンツ自体はテーマをできる限り細分化しておくことで、区切りのよい学習ができ、学習の利便性を高め、学習の途切れを防ぎます。

リマインダー機能や通知機能を活用して、学習を促すリマインドを定期的に行うことも効果的です。

5分で完結するマイクロラーニングの導入

現代の多くの人々が忙しく、長時間の集中学習が難しい中で、マイクロラーニングを導入することは非常に効果的です。

マイクロラーニングとは、短時間で完了する学習モジュールを提供する手法で、一つの学習単位が5分程度で完結することを目指します。

このアプローチでは、学習ポイントを明確にし、特定のスキルや知識に焦点を当てたコンテンツを作成します。フォーマットを統一し、学習者が一貫した学習体験を得やすくします。

さらに、短期間での反復学習を通じて知識の定着を図り、実践的なリンクを提供して、学んだ内容を即座に業務に生かすことができるようにします。

これにより、学習効果が高まり、時間不足を感じる中でも効率的に学習を進めることができます。

OJTのデジタル化を推進して現場の負担を軽減

従来のOJTは、育成担当者が直接指導しつつ、すぐ隣でサポートするスタイルが主流でした。

しかし、デジタル技術を活用することで、この過程を効率化し、現場の負担を大きく軽減することができます。

例えば、動画マニュアルを使用すれば、具体的な作業手順を視覚的に理解でき、一度に多くの社員に同じ内容を提供することができます。

また、作業手順やチェックポイントをチェックリスト化することで、学習者が自分自身で進捗管理できるようになります。

さらに、遠隔地からのサポートを可能にすることで、専門知識を持つ指導者がその場にいなくても、適切な指導とフォローアップが可能になります。

デジタル化を進め、動画などでの実際の業務に近い状況をリアルに学ぶことで、育成の質を高めると同時に、負担を軽減する革新的な方法が見いだされています。

人材育成の課題解決のカギはデータ活用

人材育成の課題解決のカギはデータ活用

人材育成の多くの課題を効果的に解決するためのカギは、データの活用にあります。感覚や経験則だけに頼った人材育成から、データに基づく科学的アプローチへの転換が求められています。

人材育成施策のデジタル化を図る

人材育成を効果的に進めるための第一歩として、デジタル化が重要です。

デジタル化することで、学習プロセスや成果についてのデータを簡単に収集し、活用することができます

具体的には、学習管理システム(LMS)などのプラットフォームを導入することで、学習進捗や成績などの詳細なデータを一元的に管理できます。

また、デジタル教材を整備し、オンラインで評価やコミュニケーションができるツールを活用することで、学習をより柔軟に進められる環境を整えましょう。

これにより、学習の効率が上がるだけでなく、データに基づいた意思決定が可能になります。

デジタル化によって得られる学習行動データ

人材育成のデジタル化を進めることで、さまざまな学習行動データを収集することができます。

例えば、どの教材をどのくらいの時間をかけて学習したかという学習進捗データや、テストの成績データ、フィードバックの内容などが挙げられます。

これらのデータを分析することで、各個人がどのように学んでいるのかが分かり、個別のニーズに合わせた最適な学習環境を提供することが可能になります。

これにより、より効率的に学習を進めることができ、個々の学習効果が向上します。

人材育成の効果性と再現性の向上

データを基にした科学的アプローチを取り入れることで、人材育成の効果性と再現性を大幅に向上させることができます

具体的には、データを用いて成功した施策(ベストプラクティス)を特定し、それを他のプログラムにも適用することで、一貫した効果を得ることができます。

例えば、資格試験や社内の昇格試験の合格者と不合格者の学習データを比較することで、合格に必要な学習時間や学習テーマを可視化することができます。

このデータがあれば、合格するためにはどのようなテーマをどれくらい学習する必要があるのかをつかむことができ、試験に臨む人の1つの道しるべとなります。

継続的な実践と分析を行うことで、育成施策の質を絶えず向上させるサイクルを確立しましょう。

上記を通じた従業員のエンゲージメント向上

データを活用した人材育成アプローチは、従業員のエンゲージメント向上にも大きく貢献します。学習者は、自分の成長を実感できることで、学習へのモチベーションが高まります

また、データに基づいたフィードバックにより、公平性が向上し、従業員は自分の学習進捗が公正に評価されていると感じることができます。

さらに、自分のペースで学習を進められるため、自律性が促進されます。これらの要素を通じて、学習を「押し付けられるもの」ではなく「自分の成長を自分でコントロールする」ものとして捉えられるようになり、より能動的に参加するようになります。

人材育成の課題解決の手法

人財育成の課題解決の手法 イメージ

人材育成の課題を効果的に解決するためには、さまざまな育成手法を組み合わせ、相互補完的に活用することが重要です。

それぞれの手法の特徴と効果的な活用法を理解し、自社の状況に合わせて最適な組み合わせを選択しましょう。

  • OJT(On The Job Training):
    OJTは実際の業務を通じて職務に必要な能力を習得させる育成手法で、人材育成の中核を担います。指導計画の策定、適切な指導者選定、定期的なフィードバック、振り返りの徹底などのポイントを押さえ、効果的なOJTを実施しましょう。

  • Off-JT①集合研修:
    集合研修は、職場を離れた環境で複数の従業員に対して同時に行う研修形式です。明確な目的設定、適切な人数設定、インタラクティブな設計、事前・事後学習の連動などを工夫して、効果的な集合研修を実現しましょう。

  • Off-JT②オンライン研修:
    オンライン研修は、オンライン会議システムなどを活用してリアルタイムで実施する研修形式です。適切なツール選定、参加者エンゲージメントの工夫、セッション時間の最適化、技術的なサポート体制の整備などに注意して、効果的なオンライン研修を提供しましょう。

  • eラーニング:
    eラーニングは、オンラインで提供される自己学習型の教育システムです。適切なコンテンツの配信、理解度クイズ、マルチデバイス対応、進捗管理機能の活用、インタラクティブ要素の導入などの工夫を取り入れ、効果的なeラーニング環境を構築しましょう。

  • 自己啓発:
    自己啓発は従業員が自発的に業務に必要な知識や教養を身に付ける活動です。資金的支援、時間的支援、成果発表の場の提供、キャリア面談との連動などを通じて、効果的な自己啓発支援を行いましょう。

  • 異業種交流講座:
    異業種交流講座は、他社や他業界の人材と交流しながら学ぶ育成手法です。目的の明確化、適切な参加者選定、学びの社内共有などのポイントを押さえ、視野拡大や外部ネットワーク構築に活用しましょう。

  • AIの活用:
    AI技術の発展により、人材育成においても革新的なアプローチが可能になっています。AIによるリアルタイムフィードバック、チャットボットとの実践型ロープレトレーニングなどの手法を取り入れ、個々の学習者に最適化されたパーソナライズ学習を提供しましょう。


人材育成の課題を解決してきた事例紹介

導入事例

ここではさまざまな人材育成上の課題を解決してきた事例を紹介します。

社内トレーナーで機動力高く研修を実施し効果を上げている事例

リコージャパン株式会社 人事・コーポレート本部 人財開発センター 人財開発部 部長 武田 佳祐 様  リコーグループは、日本、米国、欧州、アジア・パシフィックに拠点を置き、全世界約200の国と地域で事業を展開しているグローバルカンパニーです。2036年に創業100周年を迎えるリコーグループは、「”はたらく”に歓びを」という価値観を基に持続可能な未来をつくる活動をしています。 「人のこころとからだに携わり、現場に寄り添った教育施策を実現したい」という個人の想いを持ち、活動しています。

背景・課題:

リコージャパン株式会社では、2010年の販売会社統合以降、各支社の固有の課題に対応できず、教育施策が本部主導で一方的になるなどの課題がありました。

また、コロナ禍以降、会食などの機会が減ったことにより、コミュニケーションの希薄化を招いていました。

これらの課題を解決するために、社員自らが強みや弱みを理解し合い、横のつながりを強化する取り組みが求められていました。

LIFOプログラム(社内トレーナーライセンス)の導入:

その中で、LIFO(Life Orientations)を導入しました。LIFOの活用を通じて、社員一人一人の個性を診断し、自己理解と他者理解を促進しました。

これにより、非公式なコミュニケーションが減少する中でも、社員同士の相互理解を深めるための新たな手段を提供することができるようになりました。

また、LIFOプログラムライセンスを取得することで、社内トレーナーが自主的に研修を行えるようになり、組織風土改革を進めました。

LDcubeとの協力により、多様なワークショップを展開し、各支社・部門が抱える具体的な課題に対応できるようになりました。

社内展開:

プログラムの展開においては、事前のLIFO診断、ワークショップの実施、職場での実践、効果検証のサイクルを組み込みました。

参加者は、研修後の職場実践を通じて得られたスキルを評価し合い、PDCAサイクルを回すことで、持続的なスキルアップを図っています。

ラーニングプラットフォーム「UMU」を活用し、受講者同士が学び合う環境も整備しました。

社内トレーナーによる研修実施後の反応:

導入後、プログラム受講者の満足度は高く、多くの支社で「対人関係」や「マネジメント能力」などにおいて数値的な改善が見られました。

LIFOを活用したレクチャーは「人」の問題の解決に寄与し、特にアウトプット重視の体験学習が効果的でした。

UMUの活用と一連の学習サイクルの設計により、事務局の負担軽減と学習効果の向上が実現しました。

今後に向けて:

今後は、各支社や部門の課題に寄り添い、人材育成を継続的にサポートすることで、社員個々の自己成長と組織全体の活性化をさらに推進する予定です。

また、LIFO以外のライセンスプログラムも組み合わせ、人材育成のプログラムラインナップを増やしていきます。

これにより、組織内のさまざまな課題を解決し、全体の一体感をさらに高められることを期待しています。

▼本事例はインタビュー記事の一部です。インタビュー記事全文はこちらからご覧ください。
リコージャパン株式会社 各支社・部門の現状と課題に合わせたプログラム展開で組織風土改革を推進

  リコージャパン株式会社 各支社・部門の現状と課題に合わせたプログラム展開で組織風土改革を推進 「本部主導の教育施策だけでなく、現場に寄り添った教育施策を展開したい」 「研修後の学びの定着を支援し、職場での実践と成果向上まで促進したい」 このような悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。 リコージャパン様では、LIFO・HEP・ITS・SBRP・行動の柔軟性開発プログラムを活用した体験学習型ワークショップにより、現場の課題解決と社員一人一人の能力開発を目的とした組織風土改革の取り組みをされています。 本記事では、人事・コーポレート本部 人財開発センター 人財開発部長の武田 佳祐 様にインタビューした内容をレポートします。 株式会社LDcube


パーソナライズ学習でeラーニング受講率100%を達成した事例 

パーソナライズ学習でeラーニング受講率100%を達成した事例.

支援事例:専門商社(400名) 

【これまでの課題】 

  • eラーニングを「必修」にしなければ学習しない 
  • 流し見で「完了」することが目的になってしまっている 
  • 業務が忙しくて受講することを忘れてしまう  ・・・など 

⇒【CK-Connectによるパーソナライズ学習を導入】 
 
【受講率100%を実現】 

  • 「必修」「受講期限」の設定がない中で、受講率100%を実現 
  • ​​​​​​​診断結果を基に自動でリコメンドされるコースを自主的に受講 
  • 1人平均5.7コースの受講(多い人は16コースの受講) 

今回のポイント 

  • パーソナライズ学習:
    パーソナル診断結果を基にした個々人に合わせた学習コンテンツを自動配信

  • いつでも学べる環境:
    学習者が必要なときに必要な学習にアクセスできる環境 

  • 学習データの蓄積:
    学習者の学習状況をトラッキングするために学習行動のデータを取得​​​​​


お客さまの声 

  • 社内ではeラーニングを導入しても、結局やってくれないのではないかという声が出ていました。なぜなら、eラーニングを「必修」にしないと学習者が積極的に取り組まないといったことがあったからです。同じことを繰り返していても効果は上がらないと思っていましたが、パーソナライズ学習を取り入れたところ、受講率が100%になったので正直驚きました。 

  • また、これまではコンテンツ数にも限りがあり、自社のオリジナルコンテンツの搭載ができなかったのですが、自社オリジナルコンテンツの搭載もできるようになったことで、学習してもらう幅が広がりました。 

  • また、診断結果のレポートには、自身の強みや課題の啓発だけではなく、職場メンバーとの関係性の中で起こりうることや周囲が必要なことについてもアドバイスがあり、そのレポートを基に、他メンバーと対話することで、職場の中でのコミュニケーションが取りやすくなり、仕事がスムーズに進むようになりました。


AIを活用して3倍の成果を上げた事例

社員数: 8,000名以上

事業:生命保険販売、資産運用

営業研修内容見直しの成果

~入社3カ月後の売上実績が従来の研修受講者と比較して3倍に~

アウトプット中心の学習で実践力を身に付けた上、研修中に学んだことを、動画でいつでもどこでも復習・確認ができる環境を作ることで、学習内容を実践につなげることができるようになりました。

その結果、 Teamsをつないでの従来の研修スタイルで学習した受講生集団と比較 しましたが、営業研修内容をバージョンアップした研修を受けた集団は、従来の研修を受講した集団と比較し、入社3カ月後の売上実績が3倍という飛躍的な成果を出しました。

~トレーナースキルに依存せず、均一なレベルの初期教育が可能に~

ライブでの講義ではなく、動画を活用した研修運営をすることで、高品質な研修情報を余すことなく再現することが可能となりました。

~トレーナーリソースの効果的活用~

従来は、毎月入社するキャリア採用社員の導入研修を毎月実施するため、トレーナーの方々はかなりのリソースを割かなければなりませんでした。

しかし、マイクロラーニングの導入により初期教育を効率化することで、そのリソースを営業管理職教育に充てることができるようになりました。それにより、現場の指導力強化につなげることができ、学習の好循環を生んでいます。

取り組みの詳細

~職種別オンボーディングプログラムを展開~

キャリア入社後1カ月間の導入研修をマイクロラーニングを活用した研修にバージョンアップしました。

事前学習、研修当日、事後学習全ての場面においてマイクロラーニングで知識のインプットを行い、研修当日は確認テストの解説や、受講生同士のディスカッション、質疑応答に比重を置くことなどで、カスタマイズ性の高い学習の提供を実現しています。

マイクロラーニングはそれまで社内で活用されていた動画をベースに、新たなコンテンツも社内トレーナーの方が中心となって作成しました。

研修中は特に「学んだことが現場でも生かせそうだ、使えそうだ」と思ってもらうための支援や関わりを重視することで受講生のエンゲージメント向上にもつなげています。

これまでのインプットは社内トレーナーの方がレクチャーしてインプットしていましたが、リニューアルしてからはレクチャーは全て動画に代替しました。

~アウトプットを意識した学習デザイン~

インプットして終わりにならないように、動画を活用し、受講者が研修で学んだことを生かしながら1人でも何度もAIを相手にセールストークを練習し、動画で提出するという環境を提供されています。

動画を見た研修トレーナーから、直属の上司・先輩から、他部署の上司・先輩から、そして同期からフィードバックを受けることができ、学習の深化につなげています。

また、動画を閲覧した上で学んだことや仕事に生かせそうなことを共有することで、自分の考えを整理しながら、他の受講生の意見に触れながら新たな学びを得るという、学習の相乗効果を生んでいます。

導入前の課題

~研修がイベント化してしまっている~

集合研修で社員にいくら良い内容を提供しても 、現場に戻った後は目の前の仕事をこなすことに集中してしまい、学んだことがその場限りとなってしまうことが多く見受けられました

集まった場だけではなく、事前と事後の学習活動を充実化させ、学習を続けながら学んだことを仕事に生かすことができる環境を作るため、 マイクロラーニング・コホート型学習を導入しました。

~個人の経験がポケットノウハウになってしまっている~

現場で得られた成功事例や失敗事例が個人のものにしかなっておらず、ポケットノウハウ化してしまっていることに課題を感じていました。

個人の学びを暗黙知から形式知に変えていくことで、受講生同士の学びを促進しながら、組織全体のナレッジとして好循環を生み出していきたいという思いがありました。

まとめ:戦略的な人材育成で組織力と競争力を高めよう

企業の人材育成における課題とは?「前年踏襲」から抜け出す解決策やポイントを解説!について紹介してきました。

「前年踏襲」「時間不足」「育成担当者のスキル不足」「効果測定の難しさ」など、さまざまな課題が人材育成の障壁となっていますが、これらはいずれも戦略的なアプローチで乗り越えることができます。

重要なのは、人材育成を単なる「やるべきこと」としてではなく、企業の成長と競争力強化のための戦略的投資として位置づけることです。

現状把握から始まり、全社的な育成文化の醸成、施策の見直し、育成担当者の能力向上、時間不足の克服、そしてデータ活用まで、複合的なアプローチが必要となります。

そして、OJTやeラーニングなどさまざまな育成手法を効果的に組み合わせることで、従業員一人一人の成長を促進し、組織全体の生産性と創造性を高めることができるのです。

前例踏襲から脱却し、変化する環境に合わせて進化する人材育成こそが、これからの企業の持続的成長を支える基盤となるでしょう。

株式会社LDcubeは、時代の変化に合わせて人材育成の施策展開を支援しています。

研修やセミナーの実施から、社内トレーナーの養成、デジタルツールの提供などを行っています。

これからの時代に必要な学習行動のデータ取得と活用など、多くの組織からいただいた課題の解決を中心にサービスを提供しております。

予算は抑えながら効果を高めたいという目標をお持ちの人事の方々に貢献できると考えています。

無料での研修プログラムの体験会やデジタルツールのデモ体験会、導入事例の紹介なども行っています。お気軽にご相談ください。

▼これからの人材育成施策を模索する際のお役立ち資料も用意しています。お役立ち資料はこちらからご覧ください。

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企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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