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【調査レポート速報!】(2年目)ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査の結果を公開!

コロナ禍において人財育成施策の展開に大きな変化がありました。

社会のデジタル化が進む中、人財育成領域においてもデジタルツールの活用やオンライン化などが急速に進みました。

新型コロナウイルス感染症の位置づけは「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」とされていましたが、2023年5月8日より「5類感染症」となりました。

これによりコロナ禍に控えていた集合研修などの施策も実施しやすくなりました。

そのような環境変化の中、人事担当者さま、経営者さまへ「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」について2年目の調査をいたしました。本記事ではその結果をご紹介します。

▼本レポートは下記よりダウンロードできます。

  【2024年版】ポスト・コロナの人財育成施策の実態レポートダウンロード コロナ禍において人財育成施策の展開に大きな変化がありました。社会のデジタル化が進む中、人財育成領域においてもデジタルツールの活用やオンライン化などが急速に進みました。新型コロナウイルス感染症の位置づけは「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」とされていましたが、2023年5月8日より「5類感染症」となりました。これによりコロナ禍に控えていた集合研修などの施策も実施しやすくなりました。そのような環境変化の中、人事担当者さま、経営者さまへ「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」について2年目の調査をいたしました。 株式会社LDcube


【本記事のデータ利用条件】

  1. データはご自由にご使用可能です。情報の出典元として「株式会社LDcube」の名前を明記してください。
  2. 出典元として、以下のURLへのリンクを設置してください。
    https://ldcube.jp/blog/post_corona236
  3. 当社がふさわしくないと判断した場合には、転載許可を取り消し、掲載の中止を求めることができます。

    目次[非表示]

    1. 1.アンケート調査概要
    2. 2.質問一覧
    3. 3.サマリー
    4. 4.回答者組織の規模について
    5. 5.人材育成への投資の増減について
    6. 6.人材育成で重視している対象者・層
    7. 7.人材育成施策を展開するためのリソース
    8. 8.人材育成施策の実施スタイル
    9. 9.eラーニングの活用状況について
    10. 10.社員の学習行動についてのデータを取得・可視化状況
    11. 11.LMS(学習管理システム)活用状況
    12. 12.人材育成におけるDXの進展度合い
    13. 13.「人材育成のDX」の定義
    14. 14.現在の人材育成施策の効果
    15. 15.現在重視している人材育成上のテーマ
    16. 16.まとめ
    17. 17.おわりに

    アンケート調査概要

    アンケート名称   「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」に関するアンケート(2年目)

    • 調査主体  株式会社LDcube(調査委託:ProFuture株式会社)
    • 調査期間  2024/6/28~7/11
    • 調査方法  WEBアンケート
    • 調査対象  人事・人材育成ご責任者・担当者さま
    • 有効回答  213件

    質問一覧

    1. 貴社の従業員数を教えてください。
    2. 「人的資本経営」が叫ばれる中、貴社では人材育成への投資をどの程度増やしていますか?(直接的な金銭の支払いを伴うものだけでなく、社内体制の強化なども含む)
    3. 貴社で人材育成を展開するにあたり、重視している対象はどのような方々ですか? 当てはまるものをすべてお選びください。
    4. 上記の対象者を重視している理由を教えてください。
    5. 貴社ではどのようなリソースを活用して人材育成施策を展開していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
    6. 貴社ではどのようなスタイルで人材育成施策を実施していますか?
    7. 質問6でお選びいただいたスタイルを選択している理由を教えてください。
    8. 貴社における、eラーニングの活用状況について教えてください。
    9. 人的資本経営が注目されるなか 、貴社では「社員がどれくらい学習しているか」といった社員の学習行動についてのデータを取得し、可視化できていますか?
    10. 貴社では、学習管理システム(Learning Management System)などのプラットフォームを活用していますか?
    11. DXの重要性が高まるなか 、貴社の人材育成においてDXは進んでいると感じますか?
    12.  “人材育成のDX”とは、どのようなことを実現することだとお考えですか? ご自身のお考えをお聞かせください 。
    13. 貴社の現在の人材育成施策について、効果が出ていると感じますか? 最も当てはまるものをお選びください。
    14. 現在、重視している人材育成上のテーマを教えてください。

    ※本資料では「経年変化」という言葉を用いますが、「同一アンケート回答者の時を経た変化」という意味合いではなく、「昨年同時期に行ったアンケート結果からの変化」という意味合いで使用しています。あらかじめご了承ください。

    サマリー

    • 人的資本経営が叫ばれる中、38%の組織が人財への投資を増やしている
    • 人財育成の対象として最も重点を置いている層は「初級管理者」の社員
    • 人財育成施策のリソースとしては、社内トレーナーがトップ、次いで外部講師の活用
    • 人財育成施策の展開スタイルとして最も多いのは34%で「集合研修」。経年変化を見ると、オンライン研修などが減少傾向にある中、集合研修は増加傾向にあり、集合研修とeラーニングの組み合わせについては昨年度から倍増(5%⇒10%)している
    • eラーニングの活用状況について、「全社員で活用している組織が38%です。一部の階層や研修で活用している組織が31%です。合計69%の組織がeラーニングを活用しています
    • 社員の学習行動のデータ取得状況については、69%の組織でデータ取得ができていないと回答しているが、経変変化を見ると、データ取得できている組織が23%⇒31%へと増加傾向にある
    • LMSの利用状況については、29%の組織ではLMSを活用していると回答しています。反面約7割の組織で活用されていない。組織規模別にみると、大手は人材育成のデータ取得の為にLMSの活用が進んでいるが中堅中小は進んでいないことが分かりました
    • 78%の組織で人材育成のDXが進んでいないことがわかりました
    • 人財育成のDXの定義については、そろった見解はありませんでした
    • 65%の組織が人材育成施策の効果を感じられていないことが調査結果から明らかになりました
    • 現在重視している人財育成のテーマについては、そろった見解はありませんでした

    以下でデータをもとに解説していきます。

    回答者組織の規模について

    質問1:貴社の従業員数を教えてください。

    2024年アンケート回答者の組織規模の結果

    回答者の組織規模については、多少のばらつきはあるものの、幅広い組織規模の方々に満遍なく回答いただきました。

    人材育成への投資の増減について

    質問2:人的資本経営が叫ばれる中、貴社ではこれまでと比べて人材育成への投資をどの程度まで増やしていますか?(直接的な金銭の支払いを伴うものだけでなく、社内体制の強化なども含む)

    2024年人的資本への投資状況の結果

    • 58%の組織では「これまでと変わらない」と回答しています。
    • 4%の組織では「減らしている」と回答しています。
    • 程度の差はありますが、38%の組織では人材育成への投資を増やしていると回答しています。

    【経年変化】

    人的資本への投資状況 経年変化

    •  2023年度と2024年度とを比較してみても大きな傾向は変わらないことが分かります。

    【コメント】

    • 58%の組織では「これまでと変わらない」と回答していますが、反面38%の組織では人材育成への投資を増やしていると回答しています。これまで人的資本への投資は研修費など費用に計上されるため、短期的にはコストとみなされてきました。中長期的には人的資本経営が叫ばれる中で、投資をした社員の知的・技術的資本が高まり、生産性の向上に寄与したり、新サービスを生み出したりするなど自社の価値創造への貢献が期待されています。

    • 2023年度と2024年度の比較でも大きな傾向は変わりませんが、110%~120%程度投資を増やすと回答する組織が増加傾向にあります。業績的な観点から投資の可否の問題もありますが、人的資本への投資のポイントを早期につかみ、自社の競争優位性につなげていくことが重要です。現状を維持している組織は先行している組織の動きなどをウオッチしながら、自社の投資の方向性や計画を見定め、先行している組織に後れを取らないことがポイントです。

    ▼人的資本経営については下記で解説しています。併せてご覧ください。
    ⇒人的資本経営で重要な指標とは?KPI設定の具体的な流れを紹介

      人的資本経営で重要な指標とは?KPI設定の具体的な流れを紹介! 人的資本経営は人材の価値やスキルを引き出す目的があり、企業価値の向上につながると考えられています。企業独自に指標を設定し、情報開示しなければなりません。人的資本経営の概要や情報開示の理由、対象分野、重要な指標について解説します。 株式会社LDcube


    人材育成で重視している対象者・層

    質問3:貴社における人材育成の対象として、重視しているのはどのような方々ですか? 当てはまるものをすべてお選びください。

    2024年 重要視している対象層

    • 多くの組織では新入社員から初級管理職層までを重視しています。
    • 中でも初級管理者を重要視している割合が1番多いです。
    • 一方で、役員やキャリア採用者、女性社員を重要視している割合は低めとなっています。

    【コメント】

    • 多くの組織では新入社員から初級管理職層までを重視しており、中でも初級管理者層を重要視している割合が1番多いという結果でした。Z世代の社会進出などにより、職場で働く人たちの価値観は多様化してきています。それをマネジメントする初級管理者もさまざま工夫をしていくことが求められていることなどが推察されます。

    ▼能力開発を効果的に進めるには年齢という要素も重要です。能力開発が進む年齢については下記にまとめています。

    能力開発に適した年齢資料

    人材育成施策を展開するためのリソース

    質問5:貴社ではどのようなリソースを活用して人材育成施策を展開していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。

    2024年 人材育成リソース

    • 人材育成施策を展開するリソースについては、社内トレーナーがトップで次いで、外部研修となりました。
    • 外部のeラーニングの活用が続いています。
    • 複数回答のため、多くの組織でこれらのリソースの併用が多いと推察されます。

     【経年変化】

    人材育成リソース 経年変化

     【コメント】

    • 本質問は複数回答ですので、多くの組織でこれらのリソースの併用が多いと推察されます。これまでさまざまな組織にお伺いし、人材育成施策のお打ち合わせやその実施に立ち会う中での肌感覚としては、本質問の選択肢を目的に応じて使い分けているのではないかと考えられます。

    • 社内での実務的な事柄に関しては社内トレーナーが研修を実施し、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなど汎用的なスキルに関しては外部講師を活用するという棲み分けが効果的です。既任管理者以上については、社内トレーナーでは実施しにくいので、外部の講座に派遣し学習してもらうとともに幹部クラス同士のネットワークを構築する機会を提供するのがよいでしょう。

    • コロナ禍を経てeラーニングの活用など教育のデジタル化の必要性も感じており、自社でもコンテンツを作成し始めている。ただ、自社でのコンテンツ作成が追いつかず、外部機関が提供しているeラーニングについて活用しているのではないかと考えられます。社内作成のeラーニングよりも外部のeラーニング活用の比率が高いのは、自社独自のコンテンツの作成も進めたいと思っているものの、そこまで手が回っていないということを表しているのではないかと考えられます。

    • 人的資本経営が叫ばれる中で、今後重要になってくると考えられるのが、社内トレーナーの活躍とeラーニングの活用です。なぜなら、真に効果のある学習者主体の学びを行っていくにはeラーニングの活用とそれを効果的に運用する社内トレーナーの存在がカギとなるからです。さまざまな手段を組み合わせることで効果的な学習がデザインできます。社内トレーナーがさまざまなノウハウを蓄積し、効果的な学習の実現につなげていきたいところです。

    ▼社内トレーナーについては下記で詳しく解説しています。
    ⇒研修は社内講師で実施?実施のポイントやメリットとデメリットを解説

      研修は社内講師で実施?実施のポイントやメリットとデメリットを解説 企業内では人材育成のためにさまざまな研修会が行われています。内部で実施することもあれば、外部に依頼することもあります。社内講師と外部講師のメリット・デメリットや、外部が活用している教材を活用して自社で研修を展開していくポイントなどを紹介します。 株式会社LDcube


    人材育成施策の実施スタイル

    質問6:貴社ではどのようなスタイルで人材育成施策を実施していますか?

    2024年 研修実施スタイルアンケート

    • 集合研修スタイルが34%で1番回答が多いです
    • 次いで、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用が20%です
    • オンライン研修スタイルは5%にとどまっています
    • eラーニングスタイルは13%とオンライン研修よりも活用されています

    【経年変化】

    2024年 研修実施スタイルアンケート

    • 2023年度と2024年度とを比較してみても大きな傾向は変わらないものの、集合研修の比率が高まっています。集合研修には集合研修の良さがあります。反面オンライン研修が好ましい内容を集合研修で行うとコストアップにつながります。その点に注意して研修実施スタイルを選定しましょう。

    【コメント】

    • オンライン研修が普及した世の中ですが、集合研修スタイルが34%で1番多い回答となりました。2023年度と2024年度との比較では集合研修が増加傾向にあります。感染症も落ち着き、従来集合で実施していた研修について、コロナ禍で実施できていなかった分などを集合研修で実施するように戻していることなどが推察されます。

    • 次に多かったのが、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用です。20%の組織がこのように回答しています。3つの研修スタイルを組み合わせて展開していくことが、真に効果の高い学びを実現するために必要です。2023年度と2024年度との比較ではこの比率が下がっていることが気になります。学びの効果性を高めていくためのスタンダードとも言える学びの組み合わせが減少傾向にあります。

    • 集合研修が増えていることから合わせて推察すると、感染症も落ち着き集まれるようになったので、多くの研修を集合研修に戻しているという動きがあるのではないかと考えられます。集合研修には集合研修の良さが、オンライン研修にはオンライン研修の良さが、eラーニングにはeラーニングの良さがあります。良いとこどりをして組み合わせるのが理想のカタチですが、安易に集合研修に戻してしまっていることが懸念されます。オンライン研修やeラーニングでの学びの方が好ましい内容を集合研修で行うと効果性が下がり、コストがアップします。その点に注意して施策に反映させましょう。

    eラーニングの活用状況について

    質問8:貴社における、eラーニングの活用状況について教えてください。

    2024年eラーニング活用状況

    • 全社員で活用している組織が38%です。
    • 一部の階層や研修で活用している組織が31%です。合計69%の組織がeラーニングを活用しています。
    • 活用していない組織は28%ありました。

    【組織規模別】

    eラーニング活用状況 組織規模別

    • 組織規模別にみると、全社員で活用しているのは、1001名以上の組織で60%を超えますが、300名以下の組織では25%程度にとどまります。
    • 一部の階層や研修で活用しているのは、組織規模による差はほとんど見られません。
    • eラーニングを活用していないのは、300名以下の組織で40%を超えます。

    【コメント】

    • アンケート調査の結果からはeラーニング活用においては組織規模の大きい大手企業優位となっている状況が垣間見られます。eラーニングは時間や場所を選ばず、いつでも、どこでも、何度でも学習できるというメリットがあります。このメリットを享受しない手はありません。

    • eラーニングの活用は組織規模の大きい大手企業のものと思われがちですが、決してそのようなことはありません。かつてはeラーニングを活用するためには、LMS(学習管理システム)を自社で開発する必要があったり、運用していくにはシステム詳しい専門家が社内にいたりしないと使いこなせないなどの状況もありましたが、現在では人数に応じて手軽に利用できるものもあります。。

    ▼eラーニングの導入については下記で詳しく解説しています。
    ⇒eラーニング導入を成功させる3つのフェーズと5つのプロセスを解説

      eラーニング導入を成功させる3つのフェーズと5つのプロセスを解説 企業内にeラーニングを導入する際の全体像や各ステップを把握し、研修計画にどう組み込むのかを検討することは重要です。本記事では、eラーニング導入を成功へ導くロードマップや具体的なステップについて解説し、課題・リスクとその解決策も紹介します。 株式会社LDcube

    ▼eラーニングをうまく導入している企業事例については下記にまとめました。
    ⇒eラーニング導入事例6選|導入に成功する企業の特徴を解説

      eラーニング導入事例6選|導入に成功する企業の特徴を解説 eラーニングの導入で重要なのは、複数事例の共通点から「自社での活用は向いていそう・向いていない」といった方向性を導き出すことです。本記事では導入事例はもちろん、事例の共通点からわかるeラーニング導入に適した組織の特徴について詳しく解説します。 株式会社LDcube


    社員の学習行動についてのデータを取得・可視化状況

    質問9:人的資本経営が重要になってきている中、貴社では「社員がどれくらい学習しているか」といった、社員の学習行動についてのデータを取得・可視化できていますか?

    2024年学習行動のデータ取得状況

    • 学習行動のデータ取得ができていると回答した組織は31%でした。
    • 69%の組織では社員の学習行動のデータ取得・可視化ができていないと回答しています。

    【経年変化】

    学習行動のデータ取得状況 経年変化

    • 2023年度と2024年度を比較してみると学習行動のデータ取得ができている組織が23%⇒31%に増加傾向にあります。学習行動のデータ取得は少し進み始めていることが分かりました。

    【コメント】

    • 人的資本経営が叫ばれる中、人的資本についての開示も迫られています。投資をした社員の知的・技術的資本が高まり、生産性の向上に寄与したり、新サービスを生み出したりするなど自社の価値創造への貢献を期待するのであれば、社員がいつ、どれくらい学習しているのかという学習行動のデータ取得は必要不可欠です。人材育成業務のDXを進めていくことも多くの組織で課題になっています。単にオンラインツールを活用する、DXをうたったツールを導入するということではなく、DXに必要な要素を押さえ、それを整備していくことが必要です。

    LMS(学習管理システム)活用状況

    質問10:貴社では、学習管理システム(Learning Management System)などのプラットフォームを活用していますか?

    2024年 LMS活用状況アンケート

    • 29%の組織ではLMSを活用していると回答しています
    • 活用していないが検討中の組織が18%でした
    • 活用している(検討中含む)と活用していない組織が大きく2分する結果となりました

    【組織規模別】

    • 1001名以上の組織では61%が活用しており、301名~1000名の組織では26%、300名以下の組織では13%の活用状況ということが分かりました。
    • 大手は人材育成のデータ取得の為にLMSの活用が進んでいるが中堅中小は進んでいないことが分かりました。

    【コメント】

    • 1001名以上の組織では61%が活用しており、301名~1000名の組織では26%、300名以下の組織では13%の活用状況ということが分かりました。人数の多い組織ほど活用が進んでおり、人数の少ない組織は活用できていない状況ですが、LMS(学習管理システム)のようなシステムは、かつては自社開発が必要だったり、システム導入には社内に専門家がいないと使いこなせなかったりなどの状況もありました。

    • 現在、このようなシステムの多くがクラウドサービスです。クラウドサービスであれば、自社開発することなく、専門家がいなくても、社員数に応じた課金体系で導入しやすい時代になりました。システム利用は、「大手企業だからこそできること」ではなく「中小企業でも大手と同じサービスを手ごろに使える」と捉え、大手に勝るとも劣らない人材育成を展開していきましょう。

    ▼LMSについては下記で詳しく解説しています。
    ⇒LMSのすべて!機能から導入メリットまでポイントを網羅的に解説

      LMSのすべて!機能から導入メリットまでポイントを網羅的に解説 社員の自律的な学習を目指す際、有効なのがLMS(Learning Management System:学習管理システム)です。研修実施や学習の進捗状況、eラーニングの受講状況を可視化し、パーソナライズ学習を実現します。LMSの機能から導入メリット、サービスの選定ポイントなど解説します。 株式会社LDcube

    ⇒eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説

      eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説 eラーニングとプラットフォームであるLMS(学習管理システム)との違いが分からない方も少なくありません。本記事では、自社に最適な人材育成の構築に向けeラーニングとLMSの基礎知識から、両者の関係性、選定のポイントまでを体系的に解説します。 株式会社LDcube


    人材育成におけるDXの進展度合い

    質問11:DXが叫ばれる中、貴社の人材育成におけるDXは進んでいると感じますか?

    2024年 人材育成のDX進展度合い

    • 回答が分かれる結果となりました。
    • 人材育成のDXが進んでいると答えた組織は6%にとどまり、やや進んでいるが16%、どちらとも言えない37%、あまり進んでいない24%、全然進んでいない17%となりました。
    • 78%の組織で人材育成のDXが進んでいないことがわかりました。

    【経年変化】

    人材育成のDX進展度合い 経年変化

    • 2023年度と2024年度とを比較してみると、進んでいる、やや進んでいると回答した組織はほとんど変わりませんが、進んでいないと回答した組織が減り、どちらとも言えないと回答した組織が増加傾向にあります。

    【コメント】

    • 各社さまざま工夫しながら人材育成を取り組み、「進んでいるとは言えないが、何もやっていないわけではない」という状況が推察されます。

    • 人材育成のDXにはデータの取得とテクノロジーの活用が欠かせません。その点において、学習行動のデータを取得できている組織が31%と増加傾向にあること、LMSを活用している組織が29%、検討中の組織が18%あることを考えると、データ取得ができる体制は増加傾向にあり、今後少しずつDXが進んでいくのではないかと考えられます。

    「人材育成のDX」の定義

    質問12:「人材育成のDX」とは、どのようなことを実現することだとお考えですか? ご自身のお考えを教えてください。

    【自由回答(一部抜粋)】

    • ぺーパレス化、クラウド化、情報セキュリティー強化、IT人材の育成・獲得
    • 時間・場所・役職・年齢・業務内容・個々の特性(障がいや、育休中・介護中、病気)など関係なく、学びを提供し、また学び合える
    • 手書きをPCやスマホの入力に置き換えるレベルのデジタル化を指すのではなく、既存業務の再構築(トランスフォーメーション)の絵が描けることが第一でその一手段としてデジタルを使用できる人材の育成
    • DXに関するリテラシーを高めること
    • 今までのアナログ仕事を根本的に変える必要がある。そのため、全員がデジタルについて理解があること。具体的には、AIの活用、データ分析による業務運営などを、上長も現場も行えるようになることだと思っている。
    • 人材育成における各プロセスをデジタルの力で変革していく(一部のプロセスをeラーニングにする等)
    • 各自のスキルマップを管理し、能力別の教育プログラムを作成のうえ実施。その結果をモニタリングできるようにすること。
    • 社員の学習意欲と学習結果を見える化するとともに、それらをインプットとし、さらなる学習へとつながる状態にすること。
    • 研修や社員の学びの場を、人員を割かずに好きな場所で好きな時好きな形式で対象者へ提供できること

    【コメント】

    • 寄せられた意見からは、教育のオンライン化・デジタル化、デジタルツールやタレントマネジメントシステムを活用したシステム化と捉えられている印象を受けます。またDXについてのリテラシーを高めることと捉えている意見も見受けられます。

    • DXそのものの定義は下記です。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(経済産業省 DX推進ガイドライン DXの定義 より)

    • それに照らし合わせ、人材育成のDXを考えた場合、次のように言えると考えます。「学習行動のデータとデジタル技術を活用し、学び方そのものを変革し、期待される成果につなげること」

    • その点から見ると、まずは学習行動をデータ化し、そのデータを活用するという意識をもつことから始める必要がありそうです。

     
    ▼これからの時代の人材育成において大切なことについては下記で詳しく解説しています。
    ⇒人材育成で大切なこと!新時代の課題と成功のポイントなどを解説!

      人材育成で大切なこと!新時代の課題と成功のポイントなどを解説! 本記事では人材育成において、大前提として大切なことと、「新時代」に求められる人材育成の課題、ポイントや考え方について解説します。新時代には学習行動のデータの取得と活用が重要となります。合わせて担当者に必要なスキルなどについても徹底解説します! 株式会社LDcube


    現在の人材育成施策の効果

    質問13:現在の人材育成施策の効果について教えてください。

    2024年 人材育成施策の効果

    • どちらとも言えないが48%と1番多い回答でした
    • 次いで、やや効果が出ていると感じるが26%です
    • 効果が出ていると回答している組織とあまり効果が出ていないと感じている組織がともに9%でした
    • 全く効果が出ていないとの回答が8%でした
    • 65%の組織が人材育成施策の効果を感じられていないことが調査結果から明らかになりました

    【経年変化】

    人材育成の効果 経変変化

    • 2023年度と2024年度とを比較してみると、傾向は大きく変わらないものの、効果が出ていると感じるが増加傾向にあり、あまり効果が出ていないと感じる組織が減少傾向にあります。

    【コメント】

    • 65%の組織が人材育成施策の効果を感じられていないことが調査結果から明らかになりました。効果を感じられていないのは、環境変化と取り組んでいる施策がフィットしていない可能性があります。効果を感じられていない施策は見直しが必須と言えるでしょう。

    • どちらとも言えないが48%と1番多い回答でしたが、効果が出ていると感じると回答した組織が9%となり、2023年度の5%⇒9%と増加傾向にあります。あまり効果が出ていないと感じているとの回答が9%となり、2023年度の15%⇒9%と減少傾向にあります。

    • 35%の組織ではある程度効果を感じられているものの、残りの65%の組織においては効果を感じられていないと感じている実態が浮き彫りとなりました。効果が出ているかどうかを検証するためには研修施策などのデータが必要です。そのデータの取得ができていないために、効果検証しきれていない実態が垣間見られます。効果を検証するためにはデータを取得し、データ検証してくことが必要不可欠です。

    ▼人材育成の効果検証については下記で詳しく解説しています。
    ⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説

      人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説 人材育成の効果測定は、研修の費用対効果、社員の成長度合いを可視化するために重要です。効果測定にはさまざまなフレームワークや手法があり、社員の知識やスキルの取得を評価する方法や、研修後のパフォーマンス指標を比較する方法があります。重要な観点や具体的な評価項目などを解説します。 株式会社LDcube


    現在重視している人材育成上のテーマ

    質問14:貴社が現在重視している、人材育成上のテーマを教えてください。

    【自由回答(一部抜粋)】

    • コミュニケーション方法のあり方(チャット、テキスト、対面、電話など)、心理的安全性の確保、モンスター社員の判断方法及び対応など
    • 入職時点で絶対的な学習量(学生時代も含む)が足りていない層がボリュームゾーンなので、学習という習慣がそもそもない事を前提となっている。その辺りの文化から変えないといけないと思う。
    • DX、共通ビジネススキル向上
    • 研修はやって終わりではなく、やった後のフォロー体制が必要と感じている。
    • 次期リーダーの育成に力を入れております。
    • 管理職育成
    • リスキリングの自主的な取組の促進。職員自ら、必要性を感じて、自律的に取り組めるような環境の整備。
    • デジタル人材の育成、中間管理職層のチームマネジメント力の強化
    • デジタル化への理解も大切だが、ビジネスへの理解がものすごく大事。もはや商売のセンスだと思う。さらにこれからの時代は、ビジネス活動による環境への影響も意識せざるを得ない。これらをすべて兼ね備えた人を作り上げていく必要性を感じている。
    • とにかく辞めないでほしい
    • 新入社員研修の充実、外国籍スタッフ向けの研修

    【コメント】

    • 寄せられた意見からは、「コミュニケ―ション」「心理的安全性」「ビジネススキル」など汎用性の高いテーマを重視している組織から、次世代リーダー層、管理者層という層を重視している組織も見受けられます。DXについてのリテラシーやDX人材の育成も引き続き関心の高いテーマであると考えられます。

    • また自律的に学習できる環境の整備や研修後のフォロー体制の構築などを重視している組織もあります。どちらも効果的な学習には不可欠な要素です。

    • また、新入社員研修や離職防止、定着率向上も重要テーマであり、働く社員の多様化と定着してもらうことの重要性が高まってきているのではないかと推察されます。関連して外国籍社員の育成も重要課題に挙がってきています。

    まとめ

    コロナ禍という環境変化を経て、日常を取り戻そうとしている現在では、65%の組織が人材育成施策の効果を感じていないことが調査結果から明らかになりました。効果を感じていないのは、環境変化に取り組む施策がフィットしていない可能性があります。

    デジタル化が進む社会の中で、人材育成の方法に新たな可能性が広がっています。デジタルツールやオンライン環境を活用することで、今まで以上に効果を上げている組織も出てきています。しかし、今回の調査からは、まだ活用が進んでいると言えるほどの結果ではありませんでした。

    また、集合研修が増加傾向にあることがわかりました。集合研修で実施すべき内容について、コロナ禍で実施できなかった部分を取り戻そうとするのは望ましいことですが、集合研修が可能になったという理由だけで、効果的な方法を模索せずに集合研修に戻すのであれば、その効果を十分に引き出すことが難しくなります。

    人材育成の目的を明確にし、方法論についてはさまざまに模索しながら、現在の取り組みを見直し、環境変化に合わせて人材育成施策をフィットさせていく必要があると言えるでしょう。

    おわりに

    新型コロナウイルスが生み出した変化の中で、企業の人材育成は大きな転換期に立たされています。

    学習効果の高め方や研修の品質維持といった課題は、オンライン化の波に乗ってもなお、企業にとっては切実な問題のままです。今こそ、デジタル化が実現する新たな可能性に目を向けてみてはいかがでしょうか。

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    人材育成を成功させるカギは、学習者主体で効果的な学習を行うことです。従来は集合研修が中心であり、学習者主体ではなく、研修を提供する側の都合で組み立てられていました。

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    LDcube編集部
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    株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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