【調査レポート速報!】(2年目)ポスト・コロナの人財育成施策の実態調査の結果を公開!
コロナ禍において人財育成施策の展開に大きな変化がありました。
社会のデジタル化が進む中、人財育成領域においてもデジタルツールの活用やオンライン化などが急速に進みました。
新型コロナウイルス感染症の位置づけは「新型インフルエンザ等感染症(いわゆる2類相当)」とされていましたが、2023年5月8日より「5類感染症」となりました。
これによりコロナ禍に控えていた集合研修などの施策も実施しやすくなりました。
そのような環境変化の中、人事担当者さま、経営者さまへ「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」について2年目の調査をいたしました。本記事ではその結果をご紹介します。
▼本レポートは下記よりダウンロードできます。
【本記事のデータ利用条件】
|
目次[非表示]
- 1.アンケート調査概要
- 2.質問一覧
- 3.サマリー
- 4.回答者組織の規模について
- 5.人材育成への投資の増減について
- 6.人材育成で重視している対象者・層
- 7.人材育成施策を展開するためのリソース
- 8.人材育成施策の実施スタイル
- 9.eラーニングの活用状況について
- 10.社員の学習行動についてのデータを取得・可視化状況
- 11.LMS(学習管理システム)活用状況
- 12.人材育成におけるDXの進展度合い
- 13.「人材育成のDX」の定義
- 14.現在の人材育成施策の効果
- 15.現在重視している人材育成上のテーマ
- 16.まとめ
- 17.おわりに
アンケート調査概要
アンケート名称 「ポスト・コロナの人財育成施策の実態」に関するアンケート(2年目)
- 調査主体 株式会社LDcube(調査委託:ProFuture株式会社)
- 調査期間 2024/6/28~7/11
- 調査方法 WEBアンケート
- 調査対象 人事・人材育成ご責任者・担当者さま
- 有効回答 213件
質問一覧
- 貴社の従業員数を教えてください。
- 「人的資本経営」が叫ばれる中、貴社では人材育成への投資をどの程度増やしていますか?(直接的な金銭の支払いを伴うものだけでなく、社内体制の強化なども含む)
- 貴社で人材育成を展開するにあたり、重視している対象はどのような方々ですか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 上記の対象者を重視している理由を教えてください。
- 貴社ではどのようなリソースを活用して人材育成施策を展開していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 貴社ではどのようなスタイルで人材育成施策を実施していますか?
- 質問6でお選びいただいたスタイルを選択している理由を教えてください。
- 貴社における、eラーニングの活用状況について教えてください。
- 人的資本経営が注目されるなか 、貴社では「社員がどれくらい学習しているか」といった社員の学習行動についてのデータを取得し、可視化できていますか?
- 貴社では、学習管理システム(Learning Management System)などのプラットフォームを活用していますか?
- DXの重要性が高まるなか 、貴社の人材育成においてDXは進んでいると感じますか?
- “人材育成のDX”とは、どのようなことを実現することだとお考えですか? ご自身のお考えをお聞かせください 。
- 貴社の現在の人材育成施策について、効果が出ていると感じますか? 最も当てはまるものをお選びください。
- 現在、重視している人材育成上のテーマを教えてください。
※本資料では「経年変化」という言葉を用いますが、「同一アンケート回答者の時を経た変化」という意味合いではなく、「昨年同時期に行ったアンケート結果からの変化」という意味合いで使用しています。あらかじめご了承ください。
サマリー
|
以下でデータをもとに解説していきます。
回答者組織の規模について
質問1:貴社の従業員数を教えてください。
回答者の組織規模については、多少のばらつきはあるものの、幅広い組織規模の方々に満遍なく回答いただきました。
人材育成への投資の増減について
質問2:人的資本経営が叫ばれる中、貴社ではこれまでと比べて人材育成への投資をどの程度まで増やしていますか?(直接的な金銭の支払いを伴うものだけでなく、社内体制の強化なども含む)
- 58%の組織では「これまでと変わらない」と回答しています。
- 4%の組織では「減らしている」と回答しています。
- 程度の差はありますが、38%の組織では人材育成への投資を増やしていると回答しています。
【経年変化】
- 2023年度と2024年度とを比較してみても大きな傾向は変わらないことが分かります。
【コメント】
- 58%の組織では「これまでと変わらない」と回答していますが、反面38%の組織では人材育成への投資を増やしていると回答しています。これまで人的資本への投資は研修費など費用に計上されるため、短期的にはコストとみなされてきました。中長期的には人的資本経営が叫ばれる中で、投資をした社員の知的・技術的資本が高まり、生産性の向上に寄与したり、新サービスを生み出したりするなど自社の価値創造への貢献が期待されています。
- 2023年度と2024年度の比較でも大きな傾向は変わりませんが、110%~120%程度投資を増やすと回答する組織が増加傾向にあります。業績的な観点から投資の可否の問題もありますが、人的資本への投資のポイントを早期につかみ、自社の競争優位性につなげていくことが重要です。現状を維持している組織は先行している組織の動きなどをウオッチしながら、自社の投資の方向性や計画を見定め、先行している組織に後れを取らないことがポイントです。
▼人的資本経営については下記で解説しています。併せてご覧ください。
⇒人的資本経営で重要な指標とは?KPI設定の具体的な流れを紹介
人材育成で重視している対象者・層
質問3:貴社における人材育成の対象として、重視しているのはどのような方々ですか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 多くの組織では新入社員から初級管理職層までを重視しています。
- 中でも初級管理者を重要視している割合が1番多いです。
- 一方で、役員やキャリア採用者、女性社員を重要視している割合は低めとなっています。
【コメント】
- 多くの組織では新入社員から初級管理職層までを重視しており、中でも初級管理者層を重要視している割合が1番多いという結果でした。Z世代の社会進出などにより、職場で働く人たちの価値観は多様化してきています。それをマネジメントする初級管理者もさまざま工夫をしていくことが求められていることなどが推察されます。
▼能力開発を効果的に進めるには年齢という要素も重要です。能力開発が進む年齢については下記にまとめています。
人材育成施策を展開するためのリソース
質問5:貴社ではどのようなリソースを活用して人材育成施策を展開していますか? 当てはまるものをすべてお選びください。
- 人材育成施策を展開するリソースについては、社内トレーナーがトップで次いで、外部研修となりました。
- 外部のeラーニングの活用が続いています。
- 複数回答のため、多くの組織でこれらのリソースの併用が多いと推察されます。
【経年変化】
【コメント】
- 本質問は複数回答ですので、多くの組織でこれらのリソースの併用が多いと推察されます。これまでさまざまな組織にお伺いし、人材育成施策のお打ち合わせやその実施に立ち会う中での肌感覚としては、本質問の選択肢を目的に応じて使い分けているのではないかと考えられます。
-
社内での実務的な事柄に関しては社内トレーナーが研修を実施し、リーダーシップ、コミュニケーションスキルなど汎用的なスキルに関しては外部講師を活用するという棲み分けが効果的です。既任管理者以上については、社内トレーナーでは実施しにくいので、外部の講座に派遣し学習してもらうとともに幹部クラス同士のネットワークを構築する機会を提供するのがよいでしょう。
-
コロナ禍を経てeラーニングの活用など教育のデジタル化の必要性も感じており、自社でもコンテンツを作成し始めている。ただ、自社でのコンテンツ作成が追いつかず、外部機関が提供しているeラーニングについて活用しているのではないかと考えられます。社内作成のeラーニングよりも外部のeラーニング活用の比率が高いのは、自社独自のコンテンツの作成も進めたいと思っているものの、そこまで手が回っていないということを表しているのではないかと考えられます。
- 人的資本経営が叫ばれる中で、今後重要になってくると考えられるのが、社内トレーナーの活躍とeラーニングの活用です。なぜなら、真に効果のある学習者主体の学びを行っていくにはeラーニングの活用とそれを効果的に運用する社内トレーナーの存在がカギとなるからです。さまざまな手段を組み合わせることで効果的な学習がデザインできます。社内トレーナーがさまざまなノウハウを蓄積し、効果的な学習の実現につなげていきたいところです。
▼社内トレーナーについては下記で詳しく解説しています。
⇒研修は社内講師で実施?実施のポイントやメリットとデメリットを解説
人材育成施策の実施スタイル
質問6:貴社ではどのようなスタイルで人材育成施策を実施していますか?
- 集合研修スタイルが34%で1番回答が多いです
- 次いで、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用が20%です
- オンライン研修スタイルは5%にとどまっています
- eラーニングスタイルは13%とオンライン研修よりも活用されています
【経年変化】
- 2023年度と2024年度とを比較してみても大きな傾向は変わらないものの、集合研修の比率が高まっています。集合研修には集合研修の良さがあります。反面オンライン研修が好ましい内容を集合研修で行うとコストアップにつながります。その点に注意して研修実施スタイルを選定しましょう。
【コメント】
- オンライン研修が普及した世の中ですが、集合研修スタイルが34%で1番多い回答となりました。2023年度と2024年度との比較では集合研修が増加傾向にあります。感染症も落ち着き、従来集合で実施していた研修について、コロナ禍で実施できていなかった分などを集合研修で実施するように戻していることなどが推察されます。
- 次に多かったのが、集合研修、オンライン研修、eラーニングの併用です。20%の組織がこのように回答しています。3つの研修スタイルを組み合わせて展開していくことが、真に効果の高い学びを実現するために必要です。2023年度と2024年度との比較ではこの比率が下がっていることが気になります。学びの効果性を高めていくためのスタンダードとも言える学びの組み合わせが減少傾向にあります。
- 集合研修が増えていることから合わせて推察すると、感染症も落ち着き集まれるようになったので、多くの研修を集合研修に戻しているという動きがあるのではないかと考えられます。集合研修には集合研修の良さが、オンライン研修にはオンライン研修の良さが、eラーニングにはeラーニングの良さがあります。良いとこどりをして組み合わせるのが理想のカタチですが、安易に集合研修に戻してしまっていることが懸念されます。オンライン研修やeラーニングでの学びの方が好ましい内容を集合研修で行うと効果性が下がり、コストがアップします。その点に注意して施策に反映させましょう。
eラーニングの活用状況について
質問8:貴社における、eラーニングの活用状況について教えてください。
- 全社員で活用している組織が38%です。
- 一部の階層や研修で活用している組織が31%です。合計69%の組織がeラーニングを活用しています。
- 活用していない組織は28%ありました。
【組織規模別】
- 組織規模別にみると、全社員で活用しているのは、1001名以上の組織で60%を超えますが、300名以下の組織では25%程度にとどまります。
- 一部の階層や研修で活用しているのは、組織規模による差はほとんど見られません。
- eラーニングを活用していないのは、300名以下の組織で40%を超えます。
【コメント】
- アンケート調査の結果からはeラーニング活用においては組織規模の大きい大手企業優位となっている状況が垣間見られます。eラーニングは時間や場所を選ばず、いつでも、どこでも、何度でも学習できるというメリットがあります。このメリットを享受しない手はありません。
- eラーニングの活用は組織規模の大きい大手企業のものと思われがちですが、決してそのようなことはありません。かつてはeラーニングを活用するためには、LMS(学習管理システム)を自社で開発する必要があったり、運用していくにはシステム詳しい専門家が社内にいたりしないと使いこなせないなどの状況もありましたが、現在では人数に応じて手軽に利用できるものもあります。。
▼eラーニングの導入については下記で詳しく解説しています。
⇒eラーニング導入を成功させる3つのフェーズと5つのプロセスを解説
▼eラーニングをうまく導入している企業事例については下記にまとめました。
⇒eラーニング導入事例6選|導入に成功する企業の特徴を解説
社員の学習行動についてのデータを取得・可視化状況
質問9:人的資本経営が重要になってきている中、貴社では「社員がどれくらい学習しているか」といった、社員の学習行動についてのデータを取得・可視化できていますか?
- 学習行動のデータ取得ができていると回答した組織は31%でした。
- 69%の組織では社員の学習行動のデータ取得・可視化ができていないと回答しています。
【経年変化】
- 2023年度と2024年度を比較してみると学習行動のデータ取得ができている組織が23%⇒31%に増加傾向にあります。学習行動のデータ取得は少し進み始めていることが分かりました。
【コメント】
- 人的資本経営が叫ばれる中、人的資本についての開示も迫られています。投資をした社員の知的・技術的資本が高まり、生産性の向上に寄与したり、新サービスを生み出したりするなど自社の価値創造への貢献を期待するのであれば、社員がいつ、どれくらい学習しているのかという学習行動のデータ取得は必要不可欠です。人材育成業務のDXを進めていくことも多くの組織で課題になっています。単にオンラインツールを活用する、DXをうたったツールを導入するということではなく、DXに必要な要素を押さえ、それを整備していくことが必要です。
LMS(学習管理システム)活用状況
質問10:貴社では、学習管理システム(Learning Management System)などのプラットフォームを活用していますか?
- 29%の組織ではLMSを活用していると回答しています
- 活用していないが検討中の組織が18%でした
- 活用している(検討中含む)と活用していない組織が大きく2分する結果となりました
【組織規模別】
- 1001名以上の組織では61%が活用しており、301名~1000名の組織では26%、300名以下の組織では13%の活用状況ということが分かりました。
- 大手は人材育成のデータ取得の為にLMSの活用が進んでいるが中堅中小は進んでいないことが分かりました。
【コメント】
- 1001名以上の組織では61%が活用しており、301名~1000名の組織では26%、300名以下の組織では13%の活用状況ということが分かりました。人数の多い組織ほど活用が進んでおり、人数の少ない組織は活用できていない状況ですが、LMS(学習管理システム)のようなシステムは、かつては自社開発が必要だったり、システム導入には社内に専門家がいないと使いこなせなかったりなどの状況もありました。
- 現在、このようなシステムの多くがクラウドサービスです。クラウドサービスであれば、自社開発することなく、専門家がいなくても、社員数に応じた課金体系で導入しやすい時代になりました。システム利用は、「大手企業だからこそできること」ではなく「中小企業でも大手と同じサービスを手ごろに使える」と捉え、大手に勝るとも劣らない人材育成を展開していきましょう。
▼LMSについては下記で詳しく解説しています。
⇒LMSのすべて!機能から導入メリットまでポイントを網羅的に解説
⇒eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説
人材育成におけるDXの進展度合い
質問11:DXが叫ばれる中、貴社の人材育成におけるDXは進んでいると感じますか?
- 回答が分かれる結果となりました。
- 人材育成のDXが進んでいると答えた組織は6%にとどまり、やや進んでいるが16%、どちらとも言えない37%、あまり進んでいない24%、全然進んでいない17%となりました。
- 78%の組織で人材育成のDXが進んでいないことがわかりました。
【経年変化】
- 2023年度と2024年度とを比較してみると、進んでいる、やや進んでいると回答した組織はほとんど変わりませんが、進んでいないと回答した組織が減り、どちらとも言えないと回答した組織が増加傾向にあります。
【コメント】
- 各社さまざま工夫しながら人材育成を取り組み、「進んでいるとは言えないが、何もやっていないわけではない」という状況が推察されます。
- 人材育成のDXにはデータの取得とテクノロジーの活用が欠かせません。その点において、学習行動のデータを取得できている組織が31%と増加傾向にあること、LMSを活用している組織が29%、検討中の組織が18%あることを考えると、データ取得ができる体制は増加傾向にあり、今後少しずつDXが進んでいくのではないかと考えられます。
「人材育成のDX」の定義
質問12:「人材育成のDX」とは、どのようなことを実現することだとお考えですか? ご自身のお考えを教えてください。
【自由回答(一部抜粋)】
|
【コメント】
- 寄せられた意見からは、教育のオンライン化・デジタル化、デジタルツールやタレントマネジメントシステムを活用したシステム化と捉えられている印象を受けます。またDXについてのリテラシーを高めることと捉えている意見も見受けられます。
- DXそのものの定義は下記です。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」(経済産業省 DX推進ガイドライン DXの定義 より)
- それに照らし合わせ、人材育成のDXを考えた場合、次のように言えると考えます。「学習行動のデータとデジタル技術を活用し、学び方そのものを変革し、期待される成果につなげること」
- その点から見ると、まずは学習行動をデータ化し、そのデータを活用するという意識をもつことから始める必要がありそうです。
▼これからの時代の人材育成において大切なことについては下記で詳しく解説しています。
⇒人材育成で大切なこと!新時代の課題と成功のポイントなどを解説!
現在の人材育成施策の効果
質問13:現在の人材育成施策の効果について教えてください。
- どちらとも言えないが48%と1番多い回答でした
- 次いで、やや効果が出ていると感じるが26%です
- 効果が出ていると回答している組織とあまり効果が出ていないと感じている組織がともに9%でした
- 全く効果が出ていないとの回答が8%でした
- 65%の組織が人材育成施策の効果を感じられていないことが調査結果から明らかになりました
【経年変化】
- 2023年度と2024年度とを比較してみると、傾向は大きく変わらないものの、効果が出ていると感じるが増加傾向にあり、あまり効果が出ていないと感じる組織が減少傾向にあります。
【コメント】
- 65%の組織が人材育成施策の効果を感じられていないことが調査結果から明らかになりました。効果を感じられていないのは、環境変化と取り組んでいる施策がフィットしていない可能性があります。効果を感じられていない施策は見直しが必須と言えるでしょう。
- どちらとも言えないが48%と1番多い回答でしたが、効果が出ていると感じると回答した組織が9%となり、2023年度の5%⇒9%と増加傾向にあります。あまり効果が出ていないと感じているとの回答が9%となり、2023年度の15%⇒9%と減少傾向にあります。
- 35%の組織ではある程度効果を感じられているものの、残りの65%の組織においては効果を感じられていないと感じている実態が浮き彫りとなりました。効果が出ているかどうかを検証するためには研修施策などのデータが必要です。そのデータの取得ができていないために、効果検証しきれていない実態が垣間見られます。効果を検証するためにはデータを取得し、データ検証してくことが必要不可欠です。
▼人材育成の効果検証については下記で詳しく解説しています。
⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説
現在重視している人材育成上のテーマ
質問14:貴社が現在重視している、人材育成上のテーマを教えてください。
【自由回答(一部抜粋)】
|
【コメント】
- 寄せられた意見からは、「コミュニケ―ション」「心理的安全性」「ビジネススキル」など汎用性の高いテーマを重視している組織から、次世代リーダー層、管理者層という層を重視している組織も見受けられます。DXについてのリテラシーやDX人材の育成も引き続き関心の高いテーマであると考えられます。
- また自律的に学習できる環境の整備や研修後のフォロー体制の構築などを重視している組織もあります。どちらも効果的な学習には不可欠な要素です。
- また、新入社員研修や離職防止、定着率向上も重要テーマであり、働く社員の多様化と定着してもらうことの重要性が高まってきているのではないかと推察されます。関連して外国籍社員の育成も重要課題に挙がってきています。
まとめ
コロナ禍という環境変化を経て、日常を取り戻そうとしている現在では、65%の組織が人材育成施策の効果を感じていないことが調査結果から明らかになりました。効果を感じていないのは、環境変化に取り組む施策がフィットしていない可能性があります。
デジタル化が進む社会の中で、人材育成の方法に新たな可能性が広がっています。デジタルツールやオンライン環境を活用することで、今まで以上に効果を上げている組織も出てきています。しかし、今回の調査からは、まだ活用が進んでいると言えるほどの結果ではありませんでした。
また、集合研修が増加傾向にあることがわかりました。集合研修で実施すべき内容について、コロナ禍で実施できなかった部分を取り戻そうとするのは望ましいことですが、集合研修が可能になったという理由だけで、効果的な方法を模索せずに集合研修に戻すのであれば、その効果を十分に引き出すことが難しくなります。
人材育成の目的を明確にし、方法論についてはさまざまに模索しながら、現在の取り組みを見直し、環境変化に合わせて人材育成施策をフィットさせていく必要があると言えるでしょう。
おわりに
新型コロナウイルスが生み出した変化の中で、企業の人材育成は大きな転換期に立たされています。
学習効果の高め方や研修の品質維持といった課題は、オンライン化の波に乗ってもなお、企業にとっては切実な問題のままです。今こそ、デジタル化が実現する新たな可能性に目を向けてみてはいかがでしょうか。
株式会社LDcubeはさまざまな人材育成の支援サービスを展開しています。
「人材育成を真剣に考えるなら、私たちをパートナーの選択肢に入れてください」
人材育成を成功させるカギは、学習者主体で効果的な学習を行うことです。従来は集合研修が中心であり、学習者主体ではなく、研修を提供する側の都合で組み立てられていました。
人材育成のやり方は時代とともに変化しています。時代・社会・学び方の変化を踏まえ、真に効果のある学びを実現するために、私たちは研修提供会社から飛び出しました。
私たちは研修にとどまらず、学びを発展させ、学びを効果的にデザインし、学びに奥行きをもたせ、お客さまの真に効果のある学びの実現に向けて伴走します。
▼関連資料はこちらからダウンロードできます。
▼関連記事はこちらから。