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コミュニケーションエラーを防ぐ発信・受信側の11の対策と原因

「上司の指示が部下に思惑通り伝わらない....業務のミスにつながっているし、コミュニケーションエラーをなんとかしたい」

「組織運営でコミュニケーションエラーが課題になっている。円滑な意思疎通を図るための対策はないの?」

組織やチーム運営で課題になりやすい「コミュニケーションエラー」。

組織の関係悪化や生産性の低下、ミスの多発などを招くため、具体的な対策方法を模索している担当者は多いのではないでしょうか。

コミュニケーションエラーとは、情報不足や誤認などで発信側の伝えたいことが受け取る側に上手に伝わらない状態のことです。

情報不足や誤認、受け取り側の確認不足など様々な原因で発生します。

コミュニケーションエラーとは:情報不足や誤認などで発信側の伝えたいことが受け取る側に上手に伝わらない状態のこと

しかし、コミュニケーションエラーは情報を発信する側と受け取る側が、ちょっとした対策を取り入れれば意外と簡単に防げるようになります。

情報を発信する側がコミュニケーションエラーを起こさないための対策

5W1Hを書き出して整理したうえで伝える

こそあど言葉や人によって基準が変わる曖昧な言葉を使用しない

PREP法を意識して情報を整理し結論や指示から伝える

感情的にならず事実に着目して情報を伝える

相手の知識量や経験、背景を踏まえたうえで相手の視点に合わせて情報を伝える

話の最後に理解できているか、質問はないかなど双方の認識にずれがないか確認する

対面で話すときは身振り手振りや声のトーン、話す速度などにも注意する

情報を受け取る側がコミュニケーションエラーを起こさないための対策

共有された情報をその場で復唱して双方の認識にずれがないかチェックする

指示や共有された情報で分からないことがあったらその場で質問をする

情報発信者の性格や考え方などから情報を歪んで解釈しないよう意識する

決定事項や実行事項はチャットやメールなどで共有して全員が同じ認識を持つ

だからこそ、自社のコミュニケーションエラーにはどのような原因があり、具体的にどのような対策ができるのか理解することが大切です。

そこで本記事では、コミュニケーションエラーの概要や起きる原因、具体的な対策をまとめてご紹介します。

最後まで読めばコミュニケーションエラーがなぜ起きているのか分かり、現状に応じた対策ができるようになります。

コミュニケーションエラーを放置すると、大きなミスや人間関係の悪化など悪循環に陥ります。
円滑な組織運営をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

▼コミュニケーションについては下記で詳しく解説しています。 

▼コミュニケーションのベースは自己理解です。 

自己理解バナー

目次[非表示]

  1. 1.コミュニケーションエラーとは
  2. 2.【事例つき】コミュニケーションエラーを放置すると起きること
    1. 2.1.業務効率が低下する
    2. 2.2.ミスが多発する
    3. 2.3.発言やコミュニケーションを避けるようになる
    4. 2.4.モチベーションが低下する
  3. 3.コミュニケーションエラーが起きる原因
    1. 3.1.【発信側】情報が不足している
    2. 3.2.【発信側】情報を誤っている
    3. 3.3.【発信側】相手への配慮がない
    4. 3.4.【受け取る側】思い込みや誤った解釈をしている
    5. 3.5.【受け取る側】質問や確認ができない
  4. 4.【情報を発信する場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策7つ
    1. 4.1.5W1Hをしっかりと伝える
    2. 4.2.曖昧な言葉を使わない
    3. 4.3.結論や指示から話す
    4. 4.4.事実と感情を分けて伝える
    5. 4.5.相手によって伝え方を変える
    6. 4.6.伝わったかどうか相手に確認する
    7. 4.7.ノンバーバルコミュニケーションを意識する
  5. 5.【情報を受け取る場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策4つ
    1. 5.1.復唱する習慣をつける
    2. 5.2.分からないこと・曖昧なことは臆せず質問する
    3. 5.3.認知の歪みを意識して決めつけをしない
    4. 5.4.決定事項や実行事項はメモに残して共有する
  6. 6.社内のコミュニケーションエラーを改善する4つのステップ
    1. 6.1.ステップ1:コミュニケーションエラーが起きているシーンを明確にする
    2. 6.2.ステップ2:コミュニケーションエラーの改善策を決める
    3. 6.3.ステップ3:改善策を実践する
    4. 6.4.ステップ4:定期的にコミュニケーションの見直しをする
  7. 7.コミュニケーションエラーを減らすには組織としてコミュニケーション力向上に取り組む
  8. 8.まとめ

コミュニケーションエラーとは

コミュニケーション エラーのイメージ

冒頭でも触れたように、コミュニケーションエラーとは、情報不足や誤認などで発信側の伝えたいことが受け取る側に上手に伝わらない状態のことです。

例えば、上司が「明日までに資料を作成しておいてね」と指示したとしましょう。部下は「どの資料だろうか...」と悩みつつも「分かりました」と回答をします。

翌日、出来上がった資料は上司が思い描いた資料と異なり、意思疎通ができておらずコミュニケーションエラーが発生したと気付くのです。

コミュニケーションエラーとは:情報不足や誤認などで発信側の伝えたいことが受け取る側に上手に伝わらない状態のこと

このように、コミュニケーションエラーは情報発信側と受け取り側の双方に原因があり、必要な情報が正確に伝わらないために発生します。

コミュニケーションエラーの原因

※詳しくは「3.コミュニケーションエラーが起きる原因」で解説しています

コミュニケーションエラーを放置すると、業務ミスやトラブルが生産性、モチベーションの低下などを招き、社員が働きにくい状況に陥ってしまいます。

だからこそ、コミュニケーションエラーは誰にでもあることだと見逃さずに、組織としてコミュニケーションエラーが起きないよう改善していくことが重要なのです。

実際に「株式会社ソノリテ」が実施した「企業のヒトに関する課題」に関しての調査」では、コミュニケーションエラーに課題を感じている企業が多いことが分かっています。

コミュニケーション エラーについてのグラフ画像

※モニター提供元:ゼネラルリサーチ
参考:PRTIMES「【多くの企業が抱える「ヒト」に関する課題が判明】6割以上の経営者が『コミュニケーションエラー』と回答!」

企業で課題となりやすいコミュニケーションエラーを放置しないためにも、原因や改善策をしっかりと把握しておきましょう。

【事例つき】コミュニケーションエラーを放置すると起きること

コミュニケーション エラーのイメージ②

コミュニケーションエラーの概要が把握できたところで、コミュニケーションエラーを放置するとどうなるのか具体例を踏まえてご紹介します。

コミュニケーションエラーが企業に与える影響が理解でき「改善したほうがいい」と納得できるので、参考にしてみてください。

コミュニケーションエラーを放置すると起こること:①業務効率が低下する②ミスが多発する③発言やコミュニケーションを避けるようになる④モチベーションが低下する

業務効率が低下する

コミュニケーションエラーが発生すると、業務効率が低下します。正しい情報が把握できず、再度連絡をする、やり直しをするなど本来発生しない業務が必要になるためです。

例えば「明日までに資料を作成しておいてね」と言われたときに、発信側と受け取る側でイメージする「資料」が異なったとしましょう。

指示⇒判断⇒生産性の低下

当然提出する資料は発信側が想定するものではないので、作り直しをする負担が増えます。
場合によっては資料の提出日に間に合わず、遅延することも考えられるでしょう。

このように、コミュニケーションエラーが重なると業務効率が低下して、業務負担が増えたりストレスを感じる原因になったりするのです。

ミスが多発する

コミュニケーションエラーが発生すると、ミスが起こりやすくなります。業務の実施、遂行に必要な情報が正しく伝達できないためです。

例えば「会議の情報を共有しておいてね」と指示を受けた場合、受け取る側はいつの会議の情報なのか想像しながら情報共有をします。

発信側が意図した会議と異なる情報を社内外に共有してしまった場合、大きなミスに発展するでしょう。

指示⇒判断⇒ミスの発生

また「この間購入したものをまた発注しておいて」と言われて、情報発信側と受け取り側が別の商品を思い浮かべていた場合は、誤発注につながります。

このように、コミュニケーションエラー増加に比例して業務でのミスも多発するようになり、結果的に社内外でのトラブルや品質低下などを招くのです。

発言やコミュニケーションを避けるようになる

コミュニケーションエラーが続くと、伝えたいことや思ったことがあってもできるだけ発言を避けるようになります。

発信側は自分の意見を伝えたつもりでも思ったように伝わらない体験を繰り返すことで「言っても伝わらない」と、消極的になってしまうからです。

例えば発信側が「この業務はこうしたほうがいいよ」と分かりやすく伝えたつもりでも、受け取る側は手順や具体的な方法が理解できなかったとしましょう。

受け取る側は「分かりました」と返事はしたものの言われたことを実行できないので、発信側は「伝わっていなかったんだ」と感じます。

伝わらないからコミュニケーションを避ける

この体験を繰り返すことで「コミュニケーションが上手に取れない」「発言しても意味がない」とネガティブになってしまうのです。

その結果、社内の雰囲気が悪くなり、気軽にコミュニケーションが取れず関係性が悪化することが考えられます。

モチベーションが低下する

コミュニケーションエラーが多発すると、業務に携わっている社員のモチベーションが低下します。
社員同士の連携が取りにくくなり、業務負担の増加やストレスにつながるからです。

コミュニケーションエラーがよく起こると認識していると「どうせ話しても分かってもらえない」など割り切り、連携や相談を避けるようになります。

組織やチームのモチベーションが低下する

その結果、業務連携がしにくくなり、個人で黙々と業務をすることになるでしょう。

「コミュニケーションが取れる相手がよかった」「また異なる意図で捉えられた」と信頼関係が悪化して、業務や組織へのモチベーションが低下するのです。

モチベーションが低下すると離職や生産性の低下を招くこともあり、組織に悪影響を与えるでしょう。

コミュニケーションエラーが起きる原因

コミュニケーション エラーのイメージ③

コミュニケーションエラーの概要が理解できたところで、コミュニケーションエラーが起きる原因をご紹介します。

コミュニケーションエラーの原因:①発信側の原因(情報が不足している、情報を誤って伝えている、相手への配慮がない)②受け取る側の原因(思い込みや誤った解釈をしている、質問や確認ができない)

コミュニケーションエラーは、情報を発信する側と受け取る側の双方に原因があるケースが多いです。
なぜ自社ではコミュニケーションエラーが起きているのか理解するためにも、参考にしてみてください。

【発信側】情報が不足している

1つ目は、発信側の情報が不足しているためです。
情報が不足していると受け取り側の今までの経験や知識に委ねる部分が多く、誤った解釈につながります。

人は下記の流れに沿って、情報を処理しています。

【人が情報を処理する流れ】

  1. 視覚や聴覚から情報を得る
  2. 得た情報を今までの経験や知識と照らし合わせて判断する
  3. 判断した内容を基に行動を決める

発信側の情報が不足していると、情報を受け取る側は過去の経験や知識などから行動を判断しなければなりません。

【発信側の情報が不足している例】

  • 5W1Hが不足している(時間や場所、対象者などの情報が足りないなど)
  • こそあど言葉を使っている(これ、それ、あれ、どれなど曖昧な指示をするなど)
  • 曖昧な言葉を使用する(いつも、例の、この前のなど)

【発信側の情報が揃っている例】 

  • 5W1Hが揃っていていつ何をどのように実行するのか理解できる
  • 結論や指示から示して情報を受け取る側がまず何をすればいいのか分かる
  • 商品の発注などを依頼する場合は、正確な品名、個数、必要な日時を伝えている

例えば「これを用意して」と言われた場合、受け取り側は過去の経験や知識から「これ」が何か判断しなければならないのです。

その結果、受け取り側の判断が発信側の想定と異なり、コミュニケーションミスが起こります。

【発信側】情報を誤っている

2つ目は、発信側の情報が誤っているためです。
誤った情報を伝えられても受け取り側は正誤の判断ができないため、コミュニケーションミスに陥ります。

誤った情報伝達は、下記のようなケースで発生しやすいです。

【誤った情報伝達をしてしまうシーン】

  • 忙しくて正確な情報を確認しないで伝える
  • 他人から聞いた情報を自分で確認しないで伝える
  • 情報を再確認してから伝える習慣がない

例えば、忙しいときにうろ覚えのまま「〇〇を発注して」と部下に指示をしてしまい、誤った情報を基に業務をしてしまうケースが該当します。

情報を受け取る側が事前に正確な情報を把握していない限り正誤判断ができないため、コミュニケーションミスにつながってしまうのです。

【発信側】相手への配慮がない

3つ目は、発信側が情報を伝える相手への配慮を怠っているためです。

「この人なら分かってくれるはずだ」「この言い方をしてもいいだろう」と雑な情報伝達が、受け取り側の誤認につながります。

下記のようなケースでは、相手への配慮が欠けていると言えるでしょう。

【相手への配慮が欠けているケース】

  • 「いつもの」「例の」「この前の」など相手が理解している前提での言葉を使う
  • 声が小さい、怒っているなど情報が伝わりにくい感情で伝える
  • 「よくないですか」「いい感じではないでしょう」など伝わりにくい言葉を使う

例えば「相手は自分の言っていることは理解してくれる」との思い込みがある状態で「いつものお願いします」と指示をしても、受け取る側は何が「いつもの」なのか分からないケースがあります。

その結果、発信側の意図が正確に伝わらずコミュニケーションミスが起こるのです。

【受け取る側】思い込みや誤った解釈をしている

4つ目は、情報を受け取る側は思い込みや間違った解釈をしてしまうことです。

発信側が正しく情報を伝えていても受け取る側が経験や知識、発信者との関係性を踏まえて情報を歪んで解釈すると、意図した情報伝達ができません。

受け取り側が情報を歪ませてしまう背景には、下記のような原因があると考えられています。

【情報が歪む主な原因】 

  • 発信者との関係性:発信者と関係が悪いので何を言ってもネガティブに受け取ってしまう
  • 自己防衛:自分が悪くないと思い込み解釈が歪んでしまう
  • 思考の癖:自分の興味や快、不快に沿って情報を判断してしまう
  • 今までの経験:今までの経験を踏まえて同じだと決めつけてしまう
  • 知識量:発信者と受け取り側の知識量に差があり正しく情報を理解できない

例えば、発信者との関係性が悪いと「この案、良いかと思います」と言われも、受け取り側は「不満がありそうだな...あまり良いと思っていないな」と解釈してしまうでしょう。

このような歪みが起きると正しく情報を伝えたとしても、受け取り側によって異なる判断、行動をするきっかけになるのです。

【受け取る側】質問や確認ができない

5つ目は、情報を受け取る側は質問や確認をできていないためです。

発信者から曖昧な質問や指示をされたときに「どのような意味ですか?」などと確認できればいいのですが、下記のような背景があり質問ができないケースがあります。

【情報を受け取る側が質問や確認ができない原因】

  • 質問や確認をする習慣がない
  • 関係性が悪く質問や確認がしにくい
  • 質問や確認をして失敗した経験がある

例えば「いつもの資料を用意してください」と言われたときに「いつものとは〇〇のことですか?」と質問できず、想像しながら進めることでコミュニケーションエラーが起きてしまうのです。

【情報を発信する場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策7つ

コミュニケーション エラーのイメージ④

コミュニケーションエラーが起きる原因が分かったところで、ここからは情報を発信する側と受け取る側に分けてコミュニケーションエラーを起こさないための具体的な対策を解説していきます。

情報を発信する側がコミュニケーションエラーを防ぐには、とくに「5W1Hをしっかりと伝える」と「曖昧な言葉を使わない」の2つを意識することが大切です。

情報を発信する側がコミュニケーションエラーを起こさないための対策

5W1Hを書き出して整理したうえで伝える
こそあど言葉や人によって基準が変わる曖昧な言葉を使用しない
PREP法を意識して情報を整理し結論や指示から伝える
感情的にならず事実に着目して情報を伝える
相手の知識量や経験、背景を踏まえたうえで相手の視点に合わせて情報を伝える
話の最後に理解できているか、質問はないかなど双方の認識にずれがないか確認する
対面で話すときは身振り手振りや声のトーン、話す速度などにも注意する

5W1Hをしっかりと伝える

まずは、相手に正確な情報を伝えるために5W1Hを意識しましょう。「3.コミュニケーションエラーが起きる原因」でも伝えたように、情報不足はコミュニケーションエラーにつながるためです。

5W1Hは、情報を整理して過不足なく伝えるためのフレームワークです。下記の6つの要素で構成されています。

5W1H

When
(いつ)

時間や期限、期間
例:5月10までに・4月1日~4月15日

Where
(どこで)

打ち合わせ場所や訪問先、開催場所
例:〇階の会議室B・〇〇会社

Who
(誰が)

ターゲットとなる人物や組織
例:〇〇さん宛に提出・〇〇会社の担当△△さんに提出

What
(何を)

具体的な行動
例:〇〇の資料を作成する・〇〇を10冊発注する

Why
(なぜ)

行動を求める背景や理由
例:前回の資料がとてもよかった・操作方法に慣れてきた

How
(どのように)

行動の具体的な実施方法や手順
例:〇〇さんと協力して作成する・〇〇システムを使って発注する

5W1Hを意識して情報を整理すると、下記のように情報の過不足がなく、誤認を回避しやすくなるでしょう。

5W1Hを活用した伝え方

情報が不足している例

明日会議があるので資料を用意してください。

5W1Hを意識した例

明日、〇〇のための会議を13時より行います。以前作成していただいた資料がよかったので、同じ項目で明日の10時までに作成してください。

作成方法は前回同様PowerPointで、完成次第〇〇に送付してもらえると嬉しいです。迷う部分がある場合は、〇〇さんに相談してください。

5W1Hを意識して情報を整理するには、まずはそれぞれの要素を書き出してみることがおすすめです。

上記の例では、資料を作成することは分かるものの「いつまでに」「どのように」「なぜ」などの要素が抜けています。

実際に書いてみるとどの情報が抜けているのか可視化でき、情報を伝える前に修正できます。まずは5W1Hを書き出して整理したうえで、伝えることを意識しましょう。

曖昧な言葉を使わない

コミュニケーションエラーを避けるには、曖昧な言葉を使わないことが重要です。

曖昧な言葉が多いと受け取る側によって解釈が変わるため、伝えたのに理解してもらえないコミュニケーションエラーが起こりやすくなるためです。

とくに注意したいのは、下記のような曖昧な言葉です。

曖昧な言葉の例

こそあど言葉

「これ」「それ」「あれ」などの指示語は人により解釈が変わる

例:あれの続きを完成させてください

前後左右・方角

場所や位置を示すときの前後左右、方角は今いる位置により変わる

例:右側にある資料を使用してください

いつも・通常・一般的

いつもや通常、一般的などの基準は人により解釈が変わる

例:一般的な方法で取り組んでください

準備・処理・チェック

業務で使用することの多い準備や処理などの言葉は具体性がなく解釈が変わる

例:データを処理しておいてください

例えば、「通常の方法」や「一般的な範囲で」などの基準で指示をしても、人により解釈が変わります。

「先日〇〇研修で実施した画像処理の手順に沿って」など、具体的な基準、方法を指示しないと、コミュニケーションエラーにつながります。

また、電話など相手が見えないコミュニケーションでは、位置や方角の伝え方に注意が必要です。
情報の発信側と受け取り側では、同じ位置から場所、ものを見ていない可能性があります。

「〇〇さんの机の右側」「〇〇の棚を正面から見て左側」など、起点を設けて伝えるようにしましょう。

結論や指示から話す

多くの情報を相手に伝えたい場合は、結論や指示から話すようにしましょう。

情報を整理せずにただ話したいことを伝えても、受け取り側は「結局何をすればいいのか」「何が言いたかったのか」分からないためです。

下記のように、まずは結論や指示を伝えてから理由を話せば、どのような行動が必要なのか明確になります。

結論や指示を意識した伝え方

結論や指示から伝えられていない例

ここのところ毎日忙しくて、なかなか資料作成まで手が回らない状態なんですよね。でも、会議は明日に迫っているし、明日にはないと困るものなので、一緒に作成してもらえませんか?

結論や指示から伝えている例

明日の会議の資料を一緒に作成してもらえませんか?作成時間にゆとりがなく、一緒にできればありがたいと思いました。

結論から話すことが苦手な場合は、PREP法を意識してみるといいでしょう。PREP法は結論から述べて、わかりやすい説明をするためのフレームワークです。

下記のように、まずは結論や指示を述べたうえで、情報を整理して伝えられます。

PREP法

Point
(結論・要点)

結論や指示

例:〇〇チームの人に注意事項を共有してください

Reason
(理由)

結論や指示をする理由

例:先日〇〇のようなトラブルが発生したためです

Example
(具体例)

結論や指示を実行する方法(5W1Hを意識する)

例:今回起きたトラブルをまとめて明日の10時までにメールで共有しましょう。
注意事項には~と~を入れてください。過去の例を後から送付します。

Point
(結論・要点)

再度結論や指示

例:まとめると、明日10時までに〇〇チームの人に注意事項の共有をお願いします

PREP法に沿って情報を整理するときも、5W1Hのときと同様にまずは書き出してみてください。

一度書き出して結論や指示から伝えるよう情報をまとめておくと、話したけれど相手に伝わらない状態を脱却できるでしょう。

事実と感情を分けて伝える

コミュニケーションエラーを避けるには、事実と感情を分けることを意識しましょう。
感情に任せて話すと何を伝えたいのか曖昧になり、受け取り側が理解しにくくなるからです。

例えば、部下がミスをして業務のやり直しが発生したとしましょう。

このときに「何でミスをするの?〇〇さんも呆れていたし、やり直しをして」と怒って伝えても、感情が先行して必要な情報が伝わりにくいです。

それだけでなく「上司が怒っている」という状態が認知の歪みを生み、やり直しをすることよりも「ミスをしてしまった」という情報に注視してしまう可能性もあるでしょう。

事実と感情を分ける例

事実

  • ミスがあった
  • やり直しを依頼する

感情

  • 度重なるミスに怒っている
  • 〇〇さんも呆れている

そのため、起きている事実として欲しいことと、抱いている感情を分けて、事実を伝えるように意識しましょう。

先ほどの例では、起きている事実は「ミスがありやり直しが必要だ」という部分なので、「ミスがあったから、〇〇の部分をやり直ししてください」と事実のみを伝えます。

追加で「ミスが重なっているから気をつけてね」などと感情を付け加えるのはいいですが、感情を優先させないように注意しましょう。

相手によって伝え方を変える

コミュニケーションエラーを避けるには、相手に合わせて伝え方を変える工夫も重要です。自分と相手の知識量や背景が、同じだとは限らないためです。

例えば、同僚には「月報の提出をお願いします」と指示をしても、今までに何度も提出しているので書き方や提出方法を間違えずに処理できます。

しかし、新入社員に「月報の提出をお願いいたします」と指示をしても、書き方や提出方法が分からずコミュニケーションエラーになるでしょう。

相手によって伝え方を変えるの説明画像

このように、相手の知識量や背景を理解したうえで、情報を取捨選択して伝えることが重要です。相手への伝え方を調整するときは、下記のような点を意識するといいでしょう。

【相手によって伝え方を変えるときのポイント】

  • 相手のスキルや知識を確認する(業務に慣れていない場合はしっかりと説明するなど)
  • 相手の立場を確認する(社内外で共有する情報を変えるなど)
  • 相手の理解力や価値観を意識する(理解力を習得中だからできるだけ分かりやすく話すなど)

自分と相手のスキルが同等で一定の理解力がある場合は、自分が理解できる粒度で話しても伝わる可能性が高いです。

一方で、自分よりもスキルや理解力が低い場合は、専門用語を避けてできるだけ詳しく説明するなどの配慮が必要でしょう。

伝わったかどうか相手に確認する

相手に伝えたいことを伝えた後には、伝わっているかどうかを相手に確認する癖をつけましょう。誤認や情報不足があったときに、すぐに気付いて修正できるからです。

「不明な点がある場合は情報の受け取り側が質問するだろう」と考えている人もいるかと思いますが、関係性や立場によってはなかなか質問ができないことも考えられます。

情報を受け取る側への配慮として、情報を発信する側も間違いなく伝えられているのか確認するようにしましょう。

具体的には、対面とテキスト問わず、下記のように確認する言葉を使用してみてください。

伝わったかどうか確認する方法の例

対面の場合

会話の最後に「質問はありますか?」「分からない点はありますか?」などと確認する​​​​​​

メールやチャットの場合

メールやチャットの最後に「不明な点がありましたら、ご連絡ください」「分からないことは気軽に質問してください」などと1文を添える​​​​​​

例えば、対面で指示をするときに指示内容を話して終わりではなく、最後に「分からない点はありますか?」と確認をします。

不明な点があった場合は受け取り側が質問しやすくなり、コミュニケーションエラーが起きる前に対処ができるようになるでしょう。

ノンバーバルコミュニケーションを意識する

対面でコミュニケーションを取る場合は、指示などの内容だけでなくノンバーバルコミュニケーションも意識しましょう。

ノンバーバルコミュニケーションとは、身振り手振りや話す速度、頷きなど言葉以外のコミュニケーションのことです。

コミュニケーション時に言語・聴覚・視覚から受け取る情報がそれぞれ異なった場合の影響度を調べた「メラビアンの法則」では、話している内容だけでなく、態度や声の大きさ、トーンなどが影響することが分かっています。

メラビアンの法則:態度(表情・身振り)55%、声(声色・トーン)38%、言葉7%

つまり、正しい情報を話していても話し方や態度によっては、情報が歪曲して適切に伝わらない可能性があるのです。

例えば「店内のレイアウトを〇〇のようにしてください」と指示するときに、暗い表情、早口で伝えられると「何か悪いことをしたのかな」「機嫌が悪そうだな」と、ノンバーバルコミュニケーションの情報が気になってしまいます。

その結果、肝心な指示が伝わりにくくなるのです。こうならないためにも、相手が情報を受け取りやすいようなノンバーバルコミュニケーションを意識しましょう。

【意識したいノンバーバルコミュニケーションの例】

  • 明るい表情
  • 聞き取りやすい声のトーン、速度
  • 身振り手振り
  • 相手の話への頷き

先ほどのように指示をするときには、明るい表情で聞き取りやすい声で話すなど、情報を受け取る側が違和感を覚えないノンバーバルコミュニケーションをしてみてください。

【情報を受け取る場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策4つ

コミュニケーション エラーのイメージ⑤

続いて、情報を受け取る側がコミュニケーションエラーを起こさないための対策をご紹介します。
とくに重要なのは、認識のずれがないか確認する「復唱する習慣をつける」ことです。

情報を受け取る側がコミュニケーションエラーを起こさないための対策

共有された情報をその場で復唱して双方の認識にずれがないかチェックする
指示や共有された情報で分からないことがあったらその場で質問をする
情報発信者の性格や考え方などから情報を歪んで解釈しないよう意識する
決定事項や実行事項はチャットやメールなどで共有して全員が同じ認識を持つ

情報の発信者が正しく伝えていても受け取り方によってはコミュニケーションエラーにつながるので、事前にチェックしておきましょう。

復唱する習慣をつける

情報を受け取る側がコミュニケーションエラーを起こさないためには、共有された情報を復唱する習慣をつけることが大切です。

その場で情報のすり合わせをすれば、誤認や情報不足があってもすぐに修正できるからです。例えば、上司から下記のような指示を受けた場合は、その場で内容を繰り返しましょう。

【口頭で復唱する習慣の例】

上司:「4月20日までに〇〇の書類に必要事項を記入してください」
部下:「分かりました。4月20日までに〇〇の書類に必要事項を記入します」
上司:「よろしくお願いいたします」

日付や書類名、具体的な行動を復唱することで、認識の違いがないことが確認できます。メールやチャットなどテキストでの指示の場合は、テキストで上記の例のように同じ内容を繰り返します。

このように、情報を受け取って終わりではなく、復唱して確認すると誤認を防げるようになるでしょう。

分からないこと・曖昧なことは臆せず質問する

コミュニケーションエラーを防ぐには、分からないことや曖昧なことを質問するようにしましょう。曖昧な部分を憶測で進めると、最終的にコミュニケーションエラーになることが多いからです。

例えば「この前の資料を再度共有してもらってもいいですか?」と言われたときに「この前の資料とは何だろう?」と思ったとしましょう。

ここでは憶測で判断するのではなく「この前の資料とはどれでしょうか?」と質問してください。思い当たる節がある場合は「この前の資料は〇〇と△△のどちらですか?」と選択肢を示すのもいいでしょう。

指示⇒判断⇒質問

【分からないこと・曖昧なことがあったときの質問例】

  • 〇〇とは何を指していますか?
  • 期限はいつまででしょうか?
  • この部品とは〇〇と△△のどちらですか?
  • 念のため住所を伺ってもいいでしょうか?

このときに重要なのは、誰もが質問しやすい雰囲気を作っておくことです。

「質問すると上司に怒られそう」「一度で理解してと言われそう」など、何気なく質問ができない風土があると、質問のハードルが高くなります。

4-6.伝わったかどうか相手に確認する」などを含めて、情報を受け取る側が気軽に質問しやすい状態を作ることも意識してみてください。

認知の歪みを意識して決めつけをしない

情報を受け取るときには、認識の歪みを意識して決めつけをしないことを意識しましょう。

3-4.【受け取る側】思い込みや誤った解釈をしている」でも触れたように、いくら正しい情報を伝えても受け取る側に認知の歪みがあると正しく理解できないためです。

一例として認知の歪みには下記のようなものがあるので、情報を受け取るときに歪んだ捉え方をしていないか確認しましょう。

認知の歪みの種類

レッテル貼り

人の価値や行動を決めつけてしまう

例:上司はこういう人だから嫌な意味で話していると決めつける

深読み

相手の話を深読みして関連性のない結論を導き出してしまう

例:私にこの指示をするのは嫌がらせだと関連性のない結論に結びつける

一般化のしすぎ

自分に起きたことがずっと繰り返させると思ってしまう

例:この前上司に怒られたからこのメールも怒られるんだろうと決めつける

ネガティブに捉える

ネガティブな意図のない内容でもネガティブに捉えてしまう

例:失敗することを見越して早めの期限設定をしていると思い込む

例えば、上司にレッテルを貼りどのような人なのか決めつけていると「明日までに旅費精算を出して〇〇さんに渡してください」との指示であっても、素直に指示を受け取れなくなります。

このような認知の歪みに気づき、自分の認知と上司や周囲からの指示を切り離して考えるようにしましょう。

決定事項や実行事項はメモに残して共有する

コミュニケーションを取り決まったことは口頭での約束で終わらず、メモに残して関係者で共有するようにしましょう。関係者で共有認識を持ち、コミュニケーションエラーを防ぐためです。

例えば、チームで話し合い会議の内容、日時を決めたとしましょう。各々が把握しておくだけにとどめると誤認があったときに、トラブルになります。

決定した会議内容と日時を共有チャットなどに投稿して、全員が確認すれば誤認が起こりにくくなるでしょう。

【チャットで共有する内容例】

  • 会議の日時:4月26日13時から
  • 場所:〇〇会議室
  • ファシリテーター:〇〇さん
  • 会議の内容:XXについて
  • 会議までにすること:〇〇の用意

また、変更事項があったときも同じようにメモを残すと「〇〇さんには伝わっていなかった」「以前と内容が違っている」などのコミュニケーションエラーを防げます。

社内のコミュニケーションエラーを改善する4つのステップ

社内でのコミュニケーションエラーを改善するステップ:①コミュニケーションエラーが起きているシーンを明確にする②コミュニケーションエラーの改善策を決める③改善策を実践する④定期的にコミュニケーションの見直しをする

コミュニケーションエラーの具体的な改善策が理解できたところで、社内のコミュニケーションエラーをどのように改善していくのか、具体的なステップをご紹介します。

コミュニケーションエラーの改善はまずはチームや上司と部下など、限定的な範囲から取り組むことがおすすめです。どのように改善を進めていくのか、参考にしてみてください。

ステップ1:コミュニケーションエラーが起きているシーンを明確にする

まずは、社内でコミュニケーションエラーが起きているシーンを明確にしましょう。社内コミュニケーションには下記のように様々なシーンがあり、シーンにより改善策が異なります。

社内コミュニケーションと一括りにしてしまうと的確な改善ができないため、どのシーンのコミュニケーションに課題があるのか把握することが重要です。

【社内で発生するコミュニケーションの例】

  • 上司と部下のコミュニケーション
  • チームのコミュニケーション
  • 社内外とのチャット、電話でのコミュニケーション
  • 本社と現場のコミュニケーション

コミュニケーションエラーが起きているシーンを特定するには、社内アンケートや上司などへのインタビューが効果的です。

社内アンケートで「チームのコミュニケーションが上手くいっていない」との声が多ければ、まずはチームのコミュニケーションエラー改善から取り組むといいでしょう。

ステップ2:コミュニケーションエラーの改善策を決める

続いて、コミュニケーションエラーの具体的な改善策を決めていきます。

4.【情報を発信する場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策7つ」と「5.【情報を受け取る場合】コミュニケーションエラーを起こさない対策4つ」を意識すると、コミュニケーションエラーは改善できますが、この内容を組織やチームで実践できるようにルール、マニュアル化しましょう。

チームでのコミュニケーションエラーが課題になっている場合は、下記のようなルールを設けてコミュニケーション基準を統一します。

【チームでのコミュニケーションエラーを防ぐルール例】

  • 決定事項を共有するフォーマットを作成して都度情報を共有する
  • チームメンバーがいつでも質問しやすい雰囲気を作る
  • 指示は5W1Hで行う など

ルールが決まったらチーム内で共有をして、運営できる状態を整えましょう。

ステップ3:改善策を実践する

コミュニケーションエラーを改善する方法が決まったら、早速実践をしていきます。このときに大切なのは、繰り返し取り組み少しずつ改善していくことです。

コミュニケーションは癖や習慣になっている部分もあるので「5W1Hを意識する」「結論から話す」と言われも、すぐに上手にできないケースが多々あります。

その場合も叱咤するのではなくもう一度試してみるなど、トライアンドエラーを重ねられるようにしましょう。

コミュニケーションエラーが減ったなど効果が出た場合には全体共有をして、取り組みの成果を可視化することも意識してみてください。

▼一人一人のコミュニケーション能力を高める方法は下記の記事でも解説しています。
コミュニケーション能力を高める効果的な練習法とは?|職場実践ガイド

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ステップ4:定期的にコミュニケーションの見直しをする

コミュニケーションエラーは一度改善すれば終わりではなく、関わる社員や業務により異なる課題が出てくるケースが多いです。

例えば、一定のチーム内ではコミュニケーションエラーを改善できたものの、チームを変えるとコミュニケーションエラーが起こるなどのケースが考えられます。

そのため、定期的にコミュニケーションエラーがないか確認をして、ルールやマニュアルの改善を重ねることも意識してみましょう。

また、一部のチーム、組織でコミュニケーションエラーが改善した場合は、コミュニケーションエラーを改善する範囲を広げることも検討できます。

チームの改善から組織、社外対応など、コミュニケーションエラーを改善する範囲を広げていくのもいいでしょう。

このように、コミュニケーションエラーは一度改善して終わるのではなく、適宜改善を重ねることが重要です。

コミュニケーションエラーを減らすには組織としてコミュニケーション力向上に取り組む

コミュニケーション エラー⑥

ここまで、コミュニケーションエラーの原因や改善策などを具体的に解説してきました。

コミュニケーションエラーは個人間の問題ではなく、組織やチームの問題として企業が率先して改善する姿勢が求められます。

6.社内のコミュニケーションエラーを改善する4つのステップ」を参考にしながら、チームや組織全体のコミュニケーション方法を改善するようにしましょう。

コミュニケーションエラーを改善するときに併せて取り組みたいのが、社員のコミュニケーション力の向上です。

そもそも社員のコミュニケーション力が低いと理解力や伝達力に欠けて、どうしてもコミュニケーション閲覧が起きやすい状態になってしまいます。

社員のコミュニケーション力向上に取り組むときにおすすめなのが、私たちLDcubeが提供する自己診断ツールLIFO(Life Orientations)を活用した職場単位でのワークショップがおすすめです。

なぜなら、LIFOプログラムは心理学や行動科学をベースにして組み立てられた行動特性診断をベースに、職場単位でワークショップを行うためのワークブックなどのツールも体系的にそろえられているからです。

また、体系立てられたツールの使い方を社内トレーナーの方々にライセンス提供もされており、社内トレーナーの方々が職場単位でワークショップを展開していくことも可能です。下記に概要を紹介します。

自己診断ツールLIFOとは

LIFO(Life Orientations)は、個人の行動スタイルを診断する自己診断ツールです。このツールは、自分の強みや行動パターンを理解するために役立ちます。

LIFOは4つの基本スタイルに基づいており、これらのスタイルはそれぞれ異なる行動特性や価値観を持っています。

自分がどのスタイルに属しているかを知ることで、より良いコミュニケーション方法やストレス時の行動傾向を把握することができます。

LIFOを活用したコミュニケーション研修

LIFOを活用したコミュニケーション研修では、まず参加者が自己診断を行い、自分の行動スタイルを理解します。

この診断結果をもとに、どのようにして他者と効果的にコミュニケーションをとるかを学びます。
研修では以下のような内容が含まれます。

  • 自己理解の深化
    診断結果をもとに、自分のコミュニケーションスタイルの特徴を深掘りします。どのような場面でどのように行動するのかを具体的に把握します。

  • 他者理解の促進
    他のスタイルを持つ人との違いを理解することで、より効果的な関わり方を学びます。これにより、誤解や摩擦を減らすことが可能になります。

  • 実践的スキルの習得
    ワークショップやロールプレイを通じて、実際のコミュニケーション場面でどのようにLIFOの知見を活用するかを練習します。

  • フィードバックと改善
    実践後にフィードバックを受け、自分のコミュニケーションスタイルの改善点を明確にします。

LIFOを取り入れた研修に参加することで、個人のコミュニケーションスタイルを理解し、それをベースに他者との関係を改善するスキルを獲得できます。
これにより、職場や日常生活でのコミュニケーションがよりスムーズで効果的になることが期待できます。

LIFO®プログラムは社内トレーナーで展開可能

LIFO®プログラムは、これまでの活用実績と実用性から、企業内でのトレーニングにおいて自信を持っておすすめできるプログラムです。

社内展開にあたっては、特定の準備と手続きを経ることで、コストを抑えながら、外部講師に委託したかのように、社内トレーナーによる効果的なプログラムを展開することが可能です。以下に、その流れを詳しく説明します。

  • ライセンスの取得
    社内トレーナーによりLIFO®プログラムを実施するには、トレーナーがLIFO®プログラムの公式ライセンスを取得することが必要です。ライセンスを取得するために、LIFO®プラグラムライセンス取得講座を受講します。LIFO®プログラムの考え方や実施方法を正しく理解し、それを他者に伝えるためのスキルを学びます。講座の最後にある試験に合格すると、ライセンスを取得することができます。 

  • 教材の購入
    ライセンス取得と並行して、プログラムを社内で展開するためには、必要な教材やツールを購入する必要があります。教材は、LIFO®プログラムのさまざまなテーマに応用できる構成になっており、研修実施の目的に合わせて教材を選択し、購入できます。教材には、診断ツール、フィードバック用の資料、ワークブックなどが含まれており、これらを用いることで、社内トレーナーは一貫して高品質なトレーニングを提供することができます。

  • 社内トレーナーによる展開
    ライセンスと教材が揃ったら、社内トレーナーはプログラムを社内で展開する準備が整います。組織の文化やニーズに精通しているため、社内トレーナーは、LIFO®プログラムを適切にアレンジして展開することができます。これにより、参加者はより実践的な、日常業務につながる研修を受けることが可能です。

まとめ

この記事では、コミュニケーションエラーの概要や原因、具体的な対策方法をまとめて解説しました。

最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇コミュニケーションエラーとは、情報不足や誤認などで発信側の伝えたいことが受け取る側に上手に伝わらない状態のこと

〇コミュニケーションエラーを放置すると起こることは下記のとおり

  • 業務効率が低下する
  • ミスが多発する
  • 発言やコミュニケーションを避けるようになる
  • モチベーションが低下する

〇コミュニケーションエラーが起きる原因は下記のとおり
【情報を発信する側】

  • 情報が不足している
  • 発言やコミュニケーションを避けるようになる
  • 相手への配慮がない

【情報を受け取る側】

  • 思い込みや誤った解釈をしている
  • 質問や確認ができない

〇情報を発信する側ができるコミュニケーションエラーを防ぐ対策は下記の7つ

  • 5W1Hをしっかりと伝える
  • 曖昧な言葉を使わない
  • 結論や指示から話す
  • 事実と感情を分けて伝える
  • 相手によって伝え方を変える
  • 伝わったかどうか相手に確認する
  • ノンバーバルコミュニケーションを意識する

〇情報を受け取る側ができるコミュニケーションエラーを防ぐ対策は下記の4つ

  • 復唱する習慣をつける
  • 分からないこと・曖昧なことは臆せず質問する
  • 認知の歪みを意識して決めつけをしない
  • 決定事項や実行事項はメモに残して共有する

〇企業がコミュニケーションエラーを改善するステップは下記のとおり

  • ステップ1:コミュニケーションエラーが起きているシーンを明確にする
  • ステップ2:コミュニケーションエラーの改善策を決める
  • ステップ3:改善策を実践する
  • ステップ4:定期的にコミュニケーションの見直しをする

コミュニケーションエラーは対策を理解して、一人ひとりが心がけるだけでも減らすことが可能です。

円滑な組織運営をするためにも、コミュニケーションエラーの改善に取り組んでみましょう。

株式会社LDcubeでは、LIFO®プログラムを活用した研修会、eラーニング、LIFO®プログラムの社内インストラクター養成など幅広くご支援をしています。無料体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。 

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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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