
職場コミュニケーション研修のカギは「職場単位」|効果的に進めるポイントを解説!
職場のコミュニケーションの質は、組織のパフォーマンスに大きな影響を与えます。
しかし、多くの企業で実施されている職場コミュニケーション研修は、
「研修を実施しても効果が続かない」
「現場での実践に結びつかない」
といった課題があり、悩んでいる人事の方も多いと思います。特に昨今のオンラインコミュニケーションの増加により、従来の研修手法では十分な効果が得られないケースも増えてきました。
では、実際に成果を上げている企業は、どのように職場コミュニケーション研修を設計・実施しているのでしょうか。効果的な研修を実現するためには、目的の明確化から、実践的なプログラムの構築、そして研修後のフォローアップまで、体系的なアプローチが必要です。
本記事では、職場コミュニケーション研修を成功に導くための具体的な実践方法を、7つのポイントと5つのステップでご紹介します。新入社員から管理職まで、それぞれの立場に応じた効果的なアプローチや、研修の費用対効果を高めるための工夫についても解説していきます。
これらの知見を活用することで、効果的に職場の人間関係を築くことができ、組織全体のコミュニケーション力向上につながるでしょう。
▼職場コミュニケーションについてはテーマに合わせて下記で解説しています。
- やっぱり出社が必要?職場コミュニケーションが引き起こす問題と対処法とは?
-
職場コミュニケーション活性化事例19選!シーン別の特徴や成功の秘訣も紹介
- 職場コミュニケーションのカギは雑談にあり|組織的に効果を出すコツを解説!
▼職場単位での取り組みが有効な理由は下記で詳しく解説しています。
⇒職場の活性化につなげる方法とは?アイデアやポイントを紹介!
▼関連資料は下記よりダウンロードできます。
目次[非表示]
- 1.職場コミュニケーション研修は職場単位での実施が最適
- 2.職場コミュニケーション研修とは
- 3.職場コミュニケーション研修の具体的な効果
- 4.職場コミュニケーション研修の失敗パターン
- 4.1.階層別・目的別で研修を実施している
- 4.2.現場の課題と研修内容が乖離している
- 4.3.フォローアップの仕組みが不十分である
- 5.職場コミュニケーション研修の成功ポイント
- 6.職場コミュニケーション研修の実施ステップ
- 7.職場コミュニケーション研修の効果を高める工夫
- 7.1.社内講師の育成で継続的な展開を行う
- 7.2.オンラインツールを効果的に活用する
- 8.職場コミュニケーション研修後のフォローアップ体制
- 9.職場コミュニケーションの改善を社内講師で展開した支援事例
- 10.職場でのコミュニケーション研修ならLIFO®がおすすめ!
- 11.まとめ:職場コミュニケーション研修のポイント
職場コミュニケーション研修は職場単位での実施が最適
近年、組織におけるコミュニケーションの重要性がますます高まっています。特に職場でのコミュニケーション改善は、チームの生産性や組織の成果に直結する重要な課題となっています。
しかし、多くの企業で実施されているコミュニケーション研修は、階層別研修などのテーマの一環として実施されることが多く、個人のスキルアップに主眼を置いたプログラムが中心であり、実際の職場での課題解決や改善につながりにくいという問題を抱えています。
そこで注目されているのが、「職場単位での研修実施」というアプローチです。職場単位で研修を実施することには、以下のような明確なメリットがあります。
|
職場単位での研修実施は、日常的なコミュニケーションの延長線上に位置づけられるため、研修で学んだことを実践に移しやすく、相互にフォローしやすいという特徴があります。
メンバー間の心理的安全性が確保された環境で研修を行うことで、より率直な意見交換や建設的な議論が可能となり、実効性の高い改善策を見いだすことができます。
この職場単位での研修アプローチは、特に以下のような状況の職場で効果を発揮します。
|
職場単位での研修実施を成功させるためには、事前の現状分析と課題の明確化が重要です。職場のコミュニケーション上の課題や改善ニーズを丁寧に把握し、それに基づいた研修プログラムを設計することで、より効果的な研修実施が可能となります。
▼職場単位でのコミュニケーション研修が有効な理由については下記で詳しく解説しています。
⇒職場の活性化につなげる方法とは?アイデアやポイントを紹介!
職場コミュニケーション研修とは
職場コミュニケーション研修は、組織の持続的な成長と発展を支える重要な人材育成施策です。
単なるコミュニケーションスキルの向上にとどまらず、職場環境の改善や組織全体の生産性向上に寄与する戦略的な取り組みとして位置付けられています。
組織力向上のカギとなるコミュニケーション力
組織力の向上において、コミュニケーション力は最も重要な要素の一つとなっています。効果的なコミュニケーションは、チームの協働を促進し、業務効率を高め、イノベーションを生み出す土台となります。
特に現代のビジネス環境では、部門間の連携や多様な価値観を持つメンバーとの協働が不可欠であり、高度なコミュニケーション能力が求められています。
職場におけるコミュニケーション力は、以下の3つの側面から組織力向上に貢献します。
|
研修効果が定着しない現状がある
多くの組織で直面している課題は、階層別研修などで得た知識やスキルが実務に十分に生かされていないという現状です。
これは単に個人の意識の問題ではなく、研修のやり方などを含めた組織的な取り組みに起因することが多くあります。研修内容が実際の業務課題と乖離していたり、フォローアップ体制が整備されていなかったりすることで、せっかくの学びが形骸化してしまうケースが見られます。
研修効果の定着を妨げる主な要因として、以下のような点が挙げられます。
|
オンライン化による新たな課題が存在する
コロナ禍以降、オンラインでのコミュニケーションが日常化し、これに伴う新たな課題が浮き彫りとなっています。
対面でのコミュニケーションとは異なる配慮や工夫が必要となり、従来の研修内容では十分に対応できない状況が生まれています。
オンラインコミュニケーションにおける主な課題は以下の通りです。
|
これらの課題に効果的に対応するためには、オンラインとオフラインのハイブリッドな環境に適応した新しい研修アプローチが必要です。特に、実践的なワークショップやロールプレイングを通じて、オンライン特有のコミュニケーションスキルを体得できるプログラム設計も大切になってきています。
職場コミュニケーション研修の具体的な効果
適切に設計・実施された職場単位でのコミュニケーション研修は、組織に多面的な効果をもたらします。
研修を通じて得られる成果は、短期的な業務効率の改善から長期的な組織文化の変革まで、幅広い領域に及びます。
以下では、特に重要な3つの効果について詳しく解説していきます。
チームワークと生産性が向上する
効果的なコミュニケーション研修は、チームの協働力を高め、業務の生産性向上に直接的な影響を与えます。
特に、情報共有の質が向上し、チーム内での意思疎通がスムーズになることで、業務の遂行スピードが大きく改善されます。
これらの改善は、単なる時間の節約にとどまらず、より創造的な業務に時間を振り向けることを可能にし、組織全体で付加価値を創出する能力を高めることにつながっています。
社員の定着率と満足度が高まる
良好なコミュニケーション環境は、社員同士の相互理解を深め、職場の心理的安全性を高め、社員の仕事に対する満足度を向上させます。
研修を通じて、メンバー間の相互理解が深まり、個々人が自己の役割や貢献を実感できるようになることで、組織に対する帰属意識が強化されます。
この効果は、従業員満足度調査の結果として現れ、若手社員の定着率も改善されます。これは、日々の些細な不安や疑問が適切にコミュニケーションを通じて解消されるようになることで、職場環境全体の質が向上するためと考えられます。
組織の問題解決力が強化される
効果的なコミュニケーションは、組織の問題解決能力を大きく向上させます。オープンな対話が促進されることで、潜在的な課題の早期発見が可能となり、より効果的な解決策を見いだすことができるようになります。
例えば、部門間の連携が強化されることで、複雑な課題に対しても総合的な解決アプローチが可能になります。また、日常的なコミュニケーションの質が向上することで、イノベーティブなアイデアが生まれやすい環境が整います。さらに、問題が小さいうちに発見・対応できるようになることで、組織全体の危機管理能力も向上します。
これらの効果が単独で現れるのではなく、相互に関連し合って、組織全体のパフォーマンス向上につながっていくことが多いです。
例えば、チームワークの向上は社員のモチベーションを高め、それがさらなる問題解決力の強化につながるという好循環を生み出します。
このような複合的な効果こそが、職場コミュニケーション研修の真の価値と言えるでしょう。
職場コミュニケーション研修の失敗パターン
職場コミュニケーション研修は、その重要性が広く認識されている一方で、実施方法を誤ると期待した効果が得られないケースが少なくありません。
ここでは、多くの組織が陥りやすい主な失敗パターンについて詳しく解説します。
階層別・目的別で研修を実施している
最も多い失敗パターンは、階層別研修や目的別研修で「職場コミュニケーション」をテーマにした研修を実施してしまうことです。階層別研修や目的別研修で学んだ事が職場で生かされるかどうかは研修受講者に依存します。
多くの場合、同様の研修を上司にも受講してほしいというような声が上がるだけで、職場のコミュニケーションの改善にはつながりにくいです。
コミュニケーションスキルを身に付ける研修ではなく、職場のコミュニケーションの改善を目的とした場合には、階層別や目的別という研修手法ではなく、職場単位で研修を実施することがそのまま効果につながります。
現場の課題と研修内容が乖離している
2つ目の失敗パターンは、実際の職場で直面している課題と研修内容との間にギャップが生じているケースです。
汎用的なコミュニケーション理論や一般的なスキルトレーニングは重要ですが、それだけでは現場の具体的な問題解決には結びつきにくいという現実があります。
実際の事例として、リモートワークが増加している部署に対して、従来型の対面コミュニケーションのみを前提とした研修を実施してしまい、現場での実践に生かせないというケースが報告されています。
研修内容は、必ず現場の実情や課題に即したものにカスタマイズする必要があります。
フォローアップの仕組みが不十分である
3つ目の失敗パターンは、研修後のフォローアップ体制が整備されていないことです。多くの組織では、研修の実施自体は綿密に計画されていても、その後の実践支援や効果測定の仕組みが不十分なケースが見られます。
具体的には、研修で学んだスキルや知識を実践する機会が設けられていない、実践時の課題に対するサポート体制が整っていない、習得状況の確認や振り返りの場が不足しているといった問題が挙げられます。これらは、研修効果の定着を妨げる大きな要因となっています。
効果的なフォローアップには、定期的な実践状況の確認、上司による継続的なサポート、成功事例の共有など、複数の要素を組み合わせた総合的なアプローチが必要です。
特に、研修直後の1~2カ月は集中的なフォローが重要で、この期間での習慣化がその後の定着に大きく影響します。
職場コミュニケーション研修の成功ポイント
職場コミュニケーション研修の効果を最大限に引き出すためには、適切な計画と実施体制の構築が不可欠です。
ここでは、研修を成功に導くための重要なポイントについて詳しく解説します。
①研修は職場単位で計画・実施する
職場コミュニケーション研修の成功のカギは、職場単位での計画と実施にあります。階層別研修などのプログラムではなく、各職場の特性や課題に応じてカスタマイズされた研修を実施することで、より実践的な学びが可能となります。
職場単位での実施により、日常的に接している上司や同僚との間で具体的な課題について議論でき、実態に即した改善策を見いだすことができます。
また、職場全体で同じ経験を共有することで、研修後の実践においても互いにサポートし合える環境が生まれます。
②明確な目標設定と期待値の共有を行う
研修の成功には、具体的な目標設定と、その目標に対する参加者全員の理解が欠かせません。目標は「チーム内の情報共有時間を削減する」「業務効率向上による時間外労働の削減」など、可能な限り具体的に設定することが重要です。
これらの目標は、研修開始前に参加者全員と共有し、なぜその目標が重要なのか、達成によってどのような変化が期待できるのかについて、十分な理解を得ることが必要です。
③参加者の現場課題を研修に組み込む
研修の効果を高めるためには、参加者が実際に直面している課題を研修プログラムに積極的に取り入れることが重要です。事前に参加者から現場での課題やニーズをヒアリングし、それらを教材やケーススタディーとして活用することで、より実践的な学びが可能となります。
現場の実例を用いることで、参加者の当事者意識が高まり、研修での学びを実践に移す意欲も向上します。
例)職場内の報連相のルールを再設定する など
④相互フィードバックの機会を十分に設ける
効果的な学びを促進するためには、参加者同士が互いの気づきや学びを共有し、フィードバックし合える機会を十分に設けることが重要です。
グループディスカッションの後には、必ず振り返りの時間を確保し、それぞれの視点からの気づきを共有する場を設けましょう。
このプロセスを通じて、個人の気づきがチーム全体の学びへと発展し、より深い理解と実践力の向上につながります。
⑤実践を促進するガイドラインを設定する
研修での学びを確実に実践につなげるためには、具体的なガイドラインの設定が有効です。
研修で学んだスキルや手法を、いつ、どのような場面で、どのように活用するのかを明確にし、実践のためのフレームワークを提供することが重要です。
例えば、「朝礼での発言の仕方」「会議での意見の出し方」「報告の手順」など、具体的な場面ごとに活用方法を示すことで、実践への移行がスムーズになります。
⑥効果測定の指標を設定して進捗を管理する
研修の効果を客観的に評価するためには、適切な効果測定の指標を設定し、定期的に進捗を確認することが重要です。
単なる研修の満足度アンケートだけでなく、行動変容の度合いや業務への影響度など、多面的な評価指標を設定することで、より正確な効果測定が可能となります。
これらの測定結果は、次回の研修改善や、フォローアップ施策の検討にも活用することができ、継続的な改善サイクルを回すための重要な基礎データとなります。
職場コミュニケーション研修の実施ステップ
効果的な職場コミュニケーション研修を実施するためには、体系的なアプローチが必要です。
ここでは、研修を成功に導くための具体的な実践ステップについて解説します。
STEP1.現状把握と課題の明確化を行う
研修の第一歩は、職場のコミュニケーションに関する現状を正確に把握し、解決すべき課題を明確にすることです。具体的には、アンケートやヒアリング、日常業務の観察などを通じて、コミュニケーション上の問題点や改善ニーズを収集します。
この段階で重要なのは、表面的な課題だけでなく、その背景にある本質的な問題まで掘り下げることです。
例えば、「報告が遅い」という課題の背景には、「報告の基準が不明確」「相談しづらい雰囲気がある」といった根本的な問題が潜んでいる可能性があります。これらの本質的な課題を特定することで、より効果的な研修プログラムの設計が可能となります。
STEP2.目標設定と実施計画を策定する
課題が明確になったら、次は具体的な目標設定と実施計画の策定を行います。目標は、組織全体のビジョンや方針と整合性を持たせつつ、具体的で測定可能な形で設定することが重要です。
実施計画には、研修の実施時期、対象者、実施方法、必要なリソース、期待される成果などを具体的に記載します。
特に、研修後のフォローアップ計画まで含めた総合的な計画を立てることで、研修効果の持続性を高めることができます。
STEP3.研修プログラムを設計する
目標と計画に基づき、具体的な研修プログラムを設計します。プログラムの設計では、講義、グループワーク、ケーススタディーなど、さまざまな学習手法を効果的に組み合わせることが重要です。
特に重要なのは、実際の職場で起こりうる状況を想定したシナリオを取り入れることです。これにより、参加者は学んだスキルを実践的な文脈で理解し、実務への応用がスムーズになります。
また、オンラインとオフラインのハイブリッド環境に対応したコンテンツ設計も必要です。
STEP4.効果的な実施とフィードバック収集
研修の実施段階では、参加者の主体的な学びを促進することが重要です。一方的な知識伝達ではなく、参加者同士の対話や実践的な演習を通じて、実感を伴う学びを提供します。
また、研修中は参加者からのフィードバックを積極的に収集します。理解度や満足度だけでなく、実践に向けた不安や課題についても把握し、必要に応じてプログラムの微調整を行います。
収集したフィードバックは、次回以降の研修改善にも活用します。
STEP5.振り返りと改善活動を行う
研修終了後は、効果測定と振り返りを通じて、研修の成果を評価します。
定量的な指標(例:情報共有の時間短縮など)と定性的な指標(例:参加者の行動変容、職場の雰囲気の変化など)の両面から評価を行います。
振り返りの結果は、次回の研修計画に反映させるとともに、日常的な改善活動にも活用します。
特に、成功事例や効果的な実践方法については、組織内で積極的に共有し、良い取り組みの水平展開を図ることが重要です。
職場コミュニケーション研修の効果を高める工夫
職場コミュニケーション研修は、その効果を最大化しながら、投資対効果を高めることが重要です。
ここでは、限られた予算と時間の中で、最大の効果を引き出すための具体的な工夫について解説します。
社内講師の育成で継続的な展開を行う
研修の継続性と費用対効果を両立させる上で、社内講師の育成は非常に効果的なアプローチです。
外部講師への依存度を下げることで、コストを抑制しながら、組織の実情に即した研修を展開することが可能となります。
社内講師の育成では、まず研修の核となる人材を選定し、体系的な育成プログラムを通じて社内トレーナーとしてのスキルを養成します。この際、単なる情報の伝達者ではなく、職場の改善を促進するファシリテーターとしての役割も担えるよう、スキル開発を行うことが重要です。
成功事例や課題解決のノウハウを蓄積し、組織全体で共有できる仕組みも併せて整備します。
オンラインツールを効果的に活用する
デジタル技術の進展により、オンラインツールを活用した効率的な研修実施が可能となっています。対面での研修と組み合わせることで、より柔軟で効果的な学習環境を構築することができます。
具体的には、基礎的な知識習得はオンデマンド型の学習コンテンツで対応し、実践的なワークショップは対面で実施するといったハイブリッドアプローチが有効です。また、オンラインツールを活用することで、研修後のフォローアップや進捗管理も効率的に行うことができます。
ただし、オンラインツールの導入に際しては、参加者の学習環境や技術的なサポート体制についても十分な配慮が必要です。
また、オンラインでの学習効果を高めるため、インタラクティブな要素を取り入れたり、小規模なグループワークを組み込んだりするなどの工夫も重要となります。
職場コミュニケーション研修後のフォローアップ体制
研修の効果を定着させ、持続的な改善を実現するためには、継続的なフォローアップ体制の構築が不可欠です。
ここでは、効果的なフォローアップを実現するための具体的な方法と、その実践のポイントについて解説します。
実践状況のモニタリングを行う
研修で学んだ内容が実際の職場でどのように活用されているかを把握することは、フォローアップの基本となります。モニタリングは、単なる実施状況の確認にとどまらず、実践における課題の早期発見と解決につなげることが重要です。
実践状況の確認には、定期的な行動観察やチェックリストの活用が効果的です。
例えば、月次での進捗確認会議を設定し、具体的な実践事例や直面している課題について共有する機会を設けます。
また、上司による日常的な観察とフィードバックを通じて、きめ細かな支援を提供することも重要です。
定期的な振り返りの場を設定する
研修効果の定着を図るためには、定期的な振り返りの機会を設けることが重要です。
振り返りの場では、成功体験や課題に直面した際の対処方法について、参加者同士が率直に意見交換できる環境を整えることが大切です。
具体的には、四半期ごとのフォローアップ研修や月次での小規模なワークショップなど、定期的な学びの場を設定します。
これらの機会を通じて、研修内容の復習だけでなく、実践を通じて得られた新たな気づきや課題についても共有し、継続的な改善につなげていきます。
成功事例を組織内で共有する
研修で学んだコミュニケーション手法を効果的に活用し、具体的な成果につながった事例を組織内で共有することは、他のメンバーの実践意欲を高める上で非常に効果的です。
特に、身近な同僚の成功体験は、具体的な実践方法のモデルとして活用できます。
成功事例の共有には、社内イントラネットやニュースレターの活用、定期的な報告会の開催など、複数のチャネルを組み合わせることが有効です。
その際、単に結果だけでなく、どのような工夫や努力によって成果が得られたのか、プロセスの詳細まで含めて共有することで、より実践的な学びを促進することができます。
特に重要なのは、これらのフォローアップ活動を一過性のものとせず、組織の通常業務の中に組み込んでいくことです。
例えば、定例会議の中にコミュニケーション改善の時間を設けるなど、継続的な取り組みとして定着させることが、長期的な効果を生み出すカギとなります。
職場コミュニケーションの改善を社内講師で展開した支援事例
社員数: 2,000名以上
事業:医薬品、機能食品の製造・販売
導入前の課題
コロナ禍による営業スタイルの変化と職場のコミュニケーション減少 ~打開のカギを握るのは営業所長~
製薬業界の取り巻く環境変化の一つとして、withコロナ時代においてテレワークが推進され、営業所内での「対面でのコミュニケーション」は圧倒的に減少していました。
特にコロナ前まではできていた横や斜め(同僚間や別部門)の関わりが少なくなり、業務上の全ての判断や相談がラインの上長に集中するようになりました。出社することで自然と社内情報が入ってきていた環境が、コロナ禍によりなくなってしまいました。
また、MR(医薬情報担当者)の情報提供活動においてもオンラインでの対応が求められるようになり、新しい方法を模索しないといけない状況になりました。
営業所内の目標達成や職場内のコミュニケーション向上のカギは営業所長が握っていることから、営業所長がリーダーシップを発揮し、問題解決をしていくための方法を探していました。
取り組みの詳細
営業所長による職場ワークショップを完全オンラインで実施 ~半年間で7割以上の営業所に展開~
MRを取り巻く環境変化に合わせて、マインドやスキル強化の一つとしてLIFOプログラムの導入を決めました。
3年でLIFOを社内の共通言語にすることを目指して、まずは2020年5月に営業部門の教育担当4名がLIFOプログラムライセンスを取得しました。
次に営業所長がリーダーシップを発揮し、自職場の問題解決を行うスキルを習得するために、営業所長対象にマネジメント実践スキル講座(MSS認定講座)を実施しました。
講座を通じて、職場の問題解決のための道具とスキルを身に付けた営業所長は各職場にてチームづくりワークショップを実施しました。
4名のプログラムライセンス取得者(ライセンシー)は営業所長への個別指導や相談会など、職場展開に向けてのサポートを積極的に行いました。
コロナ禍ということもあり、プログラムライセンス取得から、MSS認定、ワークショップ実施まで全てオンラインで実施し、半年間で7割以上の営業所に展開していきました。
2021年度以降、新任営業所長はMSS認定講座を受講し、LIFOという道具とスキルを身に付ける機会を作っています。
2023年度現在では全ての営業所でチームづくりワークショップの実施が完了し、2巡目以降は各職場の課題に合わせてタイムマネジメントや期待役割などのテーマで実施しています。
導入の成果
「コミュニケーションの改善が期待できる!」「他部署へもLIFOを推薦したい!」の声多数
ワークショップ実施後に行ったアンケートでは、7割以上の方が「LIFO診断を受けて、自己理解ができた」、「部署内のグループワークの実施により他者理解ができた」、「LIFOの実施によりコミュニケーションの改善が期待できる」と回答をいただいています。
また、営業所長の9割近くの方が「LIFOの導入を他部署へも推薦したい」と回答いただきました。
タイムマネジメントのワークショップを実施した営業所においては、チーム活動を効果的に進めるためのガイドラインを決めることで、チームの結束力が高まったといった声もありました。
営業部門での評判を聞き、人事部門でもLIFOプログラムライセンスを取得し、経営幹部を巻き込むと同時に、本社の各部門においてもワークショップを順次進めています。
導入から3年が経過し、LIFOが社内の共通言語になりつつあります。
職場でのコミュニケーション研修ならLIFO®がおすすめ!
職場でのコミュニケーション研修には自己診断ツールLIFO(Life Orientations)を活用した研修プログラムがおすすめです。
なぜなら、LIFOプログラムは心理学や行動科学をベースにして組み立てられた行動特性診断をベースに、職場単位でワークショップを行うためのワークブックなどのツールも体系的に揃えられているからです。
また、体系立てられたツールの使い方を社内トレーナーの方々にライセンス提供もされており、社内トレーナーの方々が職場単位でワークショップを展開していくことも可能です。下記に概要を紹介します。
自己診断ツールLIFOとは
LIFO(Life Orientations)は、個人の行動スタイルを診断する自己診断ツールです。このツールは、自分の強みや行動パターンを理解するために役立ちます。LIFOは4つの基本スタイルに基づいており、これらのスタイルはそれぞれ異なる行動特性や価値観を持っています。自分がどのスタイルに属しているかを知ることで、より良いコミュニケーション方法やストレス時の行動傾向を把握することができます。
LIFOを活用したコミュニケーション研修
LIFOを活用したコミュニケーション研修では、まず参加者が自己診断を行い、自分の行動スタイルを理解します。この診断結果をもとに、どのようにして他者と効果的にコミュニケーションをとるかを学びます。研修では以下のような内容が含まれます。
|
LIFOを取り入れた研修に参加することで、個人のコミュニケーションスタイルを理解し、それをベースに他者との関係を改善するスキルを獲得できます。
これにより、職場や日常生活でのコミュニケーションがよりスムーズで効果的になることが期待できます。
LIFO®プログラムは社内トレーナーで展開可能
LIFO®プログラムは、これまでの活用実績と実用性から、企業内でのトレーニングにおいて自信を持っておすすめできるプログラムです。
社内展開にあたっては、特定の準備と手続きを経ることで、コストを抑えながら、外部講師に委託したかのように、社内トレーナーによる効果的なプログラムを展開することが可能です。以下に、その流れを詳しく説明します。
|
まとめ:職場コミュニケーション研修のポイント
職場コミュニケーション研修のカギは職場単位|効果的に進めるポイントを解説!について紹介してきました。
- 職場コミュニケーション研修は職場単位での実施が最適
- 職場コミュニケーション研修とは
- 職場コミュニケーション研修の具体的な効果
- 職場コミュニケーション研修の失敗パターン
- 職場コミュニケーション研修の成功ポイント
- 職場コミュニケーション研修の実施ステップ
- 職場コミュニケーション研修の効果を高める工夫
- 職場コミュニケーション研修後のフォローアップ体制
- 職場コミュニケーションの改善を社内講師で展開した支援事例
- 職場でのコミュニケーション研修ならLIFO®がおすすめ!
職場コミュニケーション研修成功のカギは、職場単位での実施、明確な目標設定、そして実践的なプログラム設計にあります。
研修を効果的に機能させるためには、まず現状把握と課題の明確化を行い、具体的な目標を設定することが重要です。その上で、職場の実情に即したプログラムを設計し、参加者の主体的な学びを促進する環境を整えることが求められます。
研修実施後は、適切なフォローアップ体制を構築し、学びを実践に結びつける仕組みを確立することが不可欠です。定期的な振り返りと成功事例の共有を通じて、継続的な改善サイクルを回していくことが重要です。
効果的な研修の実現には、オンラインツールの活用や社内講師の育成など、効率的で持続可能な体制づくりも欠かせません。これにより、コストパフォーマンスを維持しながら、より充実した研修展開が可能となります。
組織の特性や課題に応じて適切にカスタマイズを行い、着実な実践につなげることで、職場全体のコミュニケーション力向上を実現することができるでしょう。
株式会社LDcubeでは、LIFO®プログラムを活用した研修会、eラーニング、LIFO®プログラムの社内インストラクター養成など幅広くご支援をしています。無料体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
▼関連資料やサービス資料はこちらからダウンロードできます。
▼関連記事はこちらから。