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【全29個】ビジネススキル一覧表!階層ごとに必要なスキルも解説

「社員のスキルアップは重要だけど、研修に時間をかけられない...」
「体系的な育成の仕組みを作りたいけど、どうすればいいかわからない...」
そんな悩みを抱えている企業は少なくないでしょう。

そこで今回は、カッツモデルに基づくビジネススキル一覧を紹介します。

テクニカルスキル

ヒューマンスキル

コンセプチュアルスキル

プログラミングスキル

コミュニケーション能力

論理的思考力(ロジカルシンキング)

デザインスキル

傾聴力(ヒアリング力)

批判的思考力(クリティカルシンキング)

語学力

プレゼンテーション能力

問題解決能力

OAスキル

交渉力・折衝力

企画力

データ分析スキル

リーダーシップ

戦略立案能力

情報収集力

共感力

情報分析力

資料作成力

協調性

仮説思考力

スケジュール管理能力

多様性理解力

多面的視野

リテラシー

コーチングスキル

俯瞰力

専門知識

ファシリテーション能力

-


実は、ビジネススキルには明確な体系があり、テクニカル、ヒューマン、コンセプチュアルの3つのスキルに分類されています。




3つのスキルは、社員の階層によって求められるレベルが異なります。

計画的に育成せず、社員育成に十分な時間が取れないまま放置していては、個人の成長も組織の成長も望めません。

そこでこの記事では、50年以上の組織変革・人材育成の知見を持つ私たちLDcubeが、ビジネススキルの体系的な理解と、効果的な育成方法を紹介します。

この記事を読めば、あなたの会社でどのようにスキルを育成していけば良いか、具体的な道筋が見えてくるはずです。

まずは、社員育成の基本を理解することから始めましょう。

▼ビジネススキルについてはテーマに合わせて下記で解説しています。

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▼関連資料はこちらからダウンロードできます。


目次[非表示]

  1. 1.カッツモデルに基づくビジネススキルの一覧
    1. 1.1.テクニカルスキル(業務遂行能力)一覧
    2. 1.2.ヒューマンスキル(対人関係力)一覧
    3. 1.3.コンセプチュアルスキル(コンセプチュアルスキル)一覧
  2. 2.【階層別】求められるビジネススキル一覧
    1. 2.1.新人社員(下位階層)に求められるスキル
    2. 2.2.中堅社員(中間層)に求められるスキル
    3. 2.3.管理職層(上位階層)に求められるスキル
  3. 3.ビジネススキルはテクニカル→ヒューマン→コンセプチュアルの順に身につけるもの
  4. 4.ビジネススキルは体系化して段階的に学ばせよう
  5. 5.ビジネススキルを効果的に身につけさせる方法
    1. 5.1.各社員に自分の身についているスキルを言語化させる
    2. 5.2.自己診断を受けさせる
    3. 5.3.ゴール設定を行う
    4. 5.4.社員と1on1を実施しゴールと今足りないスキルをすり合わせる
    5. 5.5.自己学習とFBを行い実践的に学ばせる
  6. 6.社員に工数を割けない場合はツールなどを併用して補おう
  7. 7.まとめ

カッツモデルに基づくビジネススキルの一覧


まずは、ビジネススキルを見ていきましょう。

今回ご紹介するビジネススキルは、アメリカの経営学者ロバート・カッツが提唱した理論である「カッツモデル」に基づいたものです。

カッツモデルは、ビジネスパーソンに必要な能力を3つに分類したものです。大きく分けて下記の3つのスキルに分類できます。


それぞれのスキルが、どのような職位で求められるのか、どのような場面で役立つのかをまとめると以下のとおりです。

スキル

該当する職位の例

求められる場面

テクニカルスキル

一般社員
専門職
エンジニア
デザイナーなど

担当業務を正確に、効率的に遂行する必要があるとき

ヒューマンスキル

管理職
リーダー
営業職
人事担当者など

チームでの業務、顧客とのコミュニケーション、社内外との協力が必要なとき

コンセプチュアルスキル

経営層
管理職
事業企画担当者
コンサルタントなど

組織全体の課題を把握し、将来を見据えた戦略を立案するとき

これらのスキルは、それぞれの職位や役割に応じて重要度が異なってきます。

社員のスキルを効果的に伸ばしていくためには、これらのスキルを体系的に学ぶことが大切です。次からは、それぞれのスキルについてより詳しく見ていきましょう。

テクニカルスキル(業務遂行能力)一覧

テクニカルスキルは、業務を遂行するために不可欠な専門知識や技術を指します。

これらのスキルは、日々の業務を円滑に進めるために欠かせません。

例えば、エンジニアであればプログラミングスキル、デザイナーであればデザインソフトの操作スキルなどが該当します。

ここでは、テクニカルスキルに分類される具体的なスキルを一覧で紹介します。

スキル
説明
実務での活用例

プログラミングスキル

Webサイトやアプリ開発に必要なプログラミング言語を扱う能力

Webサイトやアプリの開発
業務効率化ツール作成
データ分析など

デザインスキル

Webサイトや資料、広告などのデザインを行うための知識や技術

Webサイトのデザイン
広告デザイン
プレゼンテーション資料作成など

語学力

外国語でのコミュニケーション能力

海外顧客とのコミュニケーション
海外市場調査
海外の技術文書の翻訳など

OAスキル

パソコンやオフィスソフト(Word、Excel、PowerPointなど)を使いこなす能力

資料作成
データ分析
プレゼンテーション資料作成
事務作業の効率化など

データ分析スキル

データ収集、分析、可視化を行い、業務改善や意思決定に役立てる能力

顧客分析
市場分析
売上分析
業務改善
マーケティング戦略立案など

情報収集力

インターネットや書籍、人脈などから必要な情報を効率的に収集する能力

業務に必要な情報を収集
市場動向の把握
競合調査
トレンド分析など

資料作成力

報告書、企画書、プレゼンテーション資料などを作成する能力

会議資料の作成、企画書の作成、報告書の作成、プレゼンテーション資料の作成など

スケジュール管理能力

業務を効率的に進めるために、スケジュールを立て、進捗を管理する能力

プロジェクトの進捗管理、タスク管理、業務効率化、期日管理など

リテラシー

情報を正しく理解し、活用する能力
ITリテラシー、メディアリテラシーなど

デジタルツールを安全に活用する、フェイクニュースを見抜く、情報発信における責任を果たすなど

専門知識

特定の分野に関する専門的な知識。業界知識、法律知識、会計知識、技術知識など

各分野の専門的な業務、コンサルティング業務、企画業務、研究開発など

上記のスキルは、職種や業界によって求められるレベルは異なりますが、いずれも業務を遂行する上で役立つスキルです。

スキルを身につけるためには、書籍やオンライン講座、セミナーなどさまざまな学習リソースを活用できます。

また、OJT(On-the-Job Training)を通じて、実務経験を積むことも大切です。
さまざまな学習リソースやOJTを通して、社員のスキルアップをサポートしていきましょう。

ヒューマンスキル(対人関係力)一覧

ヒューマンスキルは、良好な人間関係を構築し、円滑なコミュニケーションを図る能力です。

例えば、コミュニケーション能力は、業務を円滑に進める上で不可欠です。

傾聴力や共感力は、良好な人間関係を築き、信頼関係を深めるために必要です。また、プレゼンテーション能力や交渉力は、自分の考えを伝え、相手を動かすために求められます。

ここでは、ヒューマンスキルに分類される具体的なスキルを一覧で紹介します。

スキル

説明

実務での活用例

コミュニケーション能力

相手の話を理解し、自分の考えを正確に伝える能力
言語だけでなく、非言語的なコミュニケーションも含む

会議や打ち合わせでの意見交換、顧客との商談
チームメンバーとの連携など

傾聴力(ヒアリング力)

相手の話に耳を傾け、共感しながら深く理解する能力
相手の真意を捉え、信頼関係を築くために必要

顧客のニーズ把握
チームメンバーの意見収集
部下からの相談対応など

プレゼンテーション能力

自分の考えや情報を相手に分かりやすく伝え、理解を促す能力
資料作成力や表現力も含む

企画提案
会議での発表
研修講師など

交渉力・折衝力

互いの意見や利害を調整し、合意形成を図る能力

契約交渉
価格交渉
社内での部署間調整など

リーダーシップ

チームをまとめ、目標達成に向けてメンバーを牽引する能力
メンバーのモチベーションを高め、育成する力も含む

プロジェクトの推進
チームマネジメント
部下の育成指導など

共感力

相手の感情や状況を理解し、寄り添う能力
良好な人間関係を築くために必要

チームメンバーの悩み相談
顧客への丁寧な対応など

協調性

チームメンバーと協力し、共通の目標達成に向けて取り組む姿勢

チームでのプロジェクト遂行、部署間の連携など

多様性理解力

さまざまな価値観や文化の違いを理解し、尊重する能力

多様なメンバーから成るチームでのプロジェクト推進
グローバルなビジネス展開など

コーチングスキル

相手の成長を促すために、気づきを与え、能力を引き出す能力
相手の主体性を尊重し、目標達成をサポートする

部下の育成指導
キャリア開発支援など

ファシリテーション能力

会議や打ち合わせを円滑に進め、参加者の意見を引き出す能力

会議や打ち合わせの進行
ワークショップの実施など

上記のスキルは、職種や業界に関わらず、円滑な業務遂行やチームでの成果を出すために欠かせません。

スキルを育成するためには、書籍やオンライン講座、セミナーなどの学習機会を提供し、日々の業務で実践できる機会を設けることが大切です。

積極的に学習機会を提供し、日々の業務で実践できる機会を設けることで、社員のヒューマンスキルを効果的に育成していきましょう。

コンセプチュアルスキル(コンセプチュアルスキル)一覧

コンセプチュアルスキルとは、物事を抽象的に捉え、複雑な問題を分析し、解決策を導き出す能力です。

例えば、論理的思考力は、複雑な問題を整理し、解決策を導くために必要です。また、企画力や戦略立案能力は、組織の成長を促進するために活用できるでしょう。

ここでは、コンセプチュアルスキルに分類される具体的なスキルを一覧で紹介します。

スキル
説明
実務での活用度

論理的思考力(ロジカルシンキング)

物事を筋道立てて考え、矛盾なく結論を導き出す能力

問題解決
意思決定
戦略立案など

批判的思考力(クリティカルシンキング)

物事を鵜呑みにせず、多角的な視点から分析し、本質を見抜く能力

企画の妥当性評価
リスク分析
問題点の発見など

問題解決能力

問題の本質を捉え、適切な解決策を導き出す能力

業務上のトラブル対応
プロジェクトの課題解決
組織改善など

企画力

新しいアイデアを生み出し、具体的な計画を立案する能力

新商品・サービスの企画
新規事業の立案
マーケティング戦略立案など

戦略立案能力

中長期的な視点から、組織の目標を達成するための計画を立案する能力

企業全体の経営戦略立案
事業部の戦略立案
部門目標の設定など

情報分析力

収集した情報を分析し、傾向や課題を把握する能力

市場分析、顧客分析、競合分析など

仮説思考力

少ない情報から仮説を立て、検証していく能力

新規事業のアイデア出し、問題解決の糸口発見など

多面的視野

物事を一つの視点だけでなく、さまざまな角度から捉える能力

問題の原因究明、多様な意見の尊重など

俯瞰力

全体像を捉え、物事の本質を見抜く力

組織全体の状況把握、プロジェクト全体の進捗管理など


表に示すスキルは、組織全体を俯瞰し、長期的な視点で戦略を立てるために必要となるスキルです。

日々の業務の中で意識的に実践し、経験を積み重ねることで、表にあるスキルは徐々に磨かれていくものです。

社員がスキルを向上させられるよう、研修やOJTなどの機会を通して、積極的に支援していきましょう。

【階層別】求められるビジネススキル一覧


ここからは、組織における階層別に求められるビジネススキルについて解説していきます。

組織における役割に応じて、必要となるスキルは異なります。

各階層(下位階層・中間層・上位階層)において、どのようなスキルを習得するべきなのか、詳細を見ていきましょう。

新人社員(下位階層)に求められるスキル

新人社員は、まず、担当業務を遂行するために必要なテクニカルスキルを身につけることが最優先となります。なぜなら、テクニカルスキルは業務を遂行する上での土台となる知識や技術だからです。

新人社員に求められるスキル一覧表は、以下のとおりです。

【表:新人社員に求められる主なテクニカル・ヒューマンスキル一覧】

スキル
概要
注意点

OAスキル

パソコンやオフィスソフトを使いこなし、資料作成やデータ分析などを効率よく行う能力

ショートカットキーなども覚え、効率的な作業を目指しましょう

情報収集力

インターネットや書籍、人脈などから必要な情報を効率的に収集する能力

情報のソースや根拠を確認し、正確な情報を見抜くようにしましょう

スケジュール管理能力

業務を計画的に進めるために、スケジュールを立て、進捗を管理する能力

タスクを細分化し、優先順位をつけてスケジュールを立てましょう

基礎的な専門知識

配属された部署で必要な基礎的な専門知識

専門用語や技術用語を積極的に学び、先輩社員や研修を積極的に活用しましょう

ビジネスマナー

敬語の使い方、名刺交換、メールの書き方など、社会人として基本的なマナー

会社のルールを確認し、身だしなみにも気を配り、清潔感のある印象を与えるようにしましょう

コミュニケーション能力

相手にわかりやすく情報を伝え、誤解のない意思疎通を図る力

言葉遣いや話すトーンを意識し、質問は遠慮せず、分からないことはすぐに確認するよう心がけましょう

傾聴力

相手の話に真摯に耳を傾け、相手の意図や感情を理解しようとする力

相手の話に真摯に耳を傾け、相手の意図や感情を理解しようとする力
相手の目を見て話を聞き、相槌を打ちながら、共感を示すように心がけましょう

報連相

報告・連絡・相談をきちんと行うことで、上司や先輩に、円滑に業務を進められているか理解してもらう力

「いつ・だれが・どこで・なにを・なぜ・どのように」を意識して伝え、進捗状況をこまめに共有しましょう

まずは、日々の業務を正確かつ効率的にこなせるように、基本的なテクニカルスキルを習得させましょう。

その上で、チームでの仕事に必要な、ヒューマンスキルも意識して伸ばしていくことが大切です。

新入社員には、まず自身の課題に合ったスキルを見つけさせ、具体的な学習計画を立てさせることが重要です。小さな積み重ねが、必ず大きな成長につながるはずです。

▼新人社員(下位階層)に求められるスキルを学ぶためのeラーニングパッケージについては下記で案内しています。
⇒新入社員パッケージ【eラーニングパッケージ】

  新入社員パッケージ【eラーニングパッケージ】 社会人においてビジネスマナー習得は不可欠です。 また、学生時代は相性の合う人のみとコミュニケーションを取っていましたが、仕事では誰とでも上手く取る必要が出てきます。 各職場に配属されたあと、自信を持って仕事に取り組めるように学習しましょう。 標準学習時間:12時間40分 株式会社LDcube


中堅社員(中間層)に求められるスキル

中堅社員になると、新人社員の頃とは異なり、業務内容が多岐にわたり、責任範囲も拡大してきます。

そのため、テクニカルスキルだけでなく、チームをまとめ、他部署と連携しながら業務を進めるヒューマンスキルも重要になってきます。

ここでは、中堅社員がキャリアアップのため、特に力を入れて伸ばしていくべきスキルについて解説していきます。

【表:中堅社員に求められる主なテクニカル・ヒューマンスキル一覧】

スキル
概要
注意点
専門分野の知識
特定分野における高度な知識、技術
新しい情報も常に学び続ける姿勢をもちましょう
データ分析力
業務に関連するデータを分析し、課題発見、改善提案などにつなげる能力
データに基づいて客観的な意見を言えるようにしましょう
プロジェクトマネジメント能力
業プロジェクトを円滑に進めるために必要な計画、進捗管理能力
計画だけではなく、状況の変化に柔軟に対応しましょう
コミュニケーション能力
社内外とのやり取りを円滑に進める力
相手にわかりやすく、誤解のないコミュニケーションを心がけましょう
傾聴力
相手の意見や考えを丁寧に聴き、理解を深める力
相手の意見を鵜呑みにするだけでなく、本質を理解するよう心がけましょう
プレゼンテーション能力
自身のアイデアや企画をわかりやすく伝える力
資料の見やすさだけではなく、聞き手を惹きつけ、分かりやすい説明を心がけましょう
リーダーシップ
チームをまとめ、メンバーを鼓舞して、目標達成へと導く力
メンバーを一方的に引っ張るのではなく、自主性を尊重しつつチームをまとめることを意識しましょう
問題解決能力
問題の本質を見抜き、解決に向けて適切にアプローチできる力
問題が複雑な場合は、一人で抱え込まずに、周囲の力を借りながら解決に向けて取り組みましょう

交渉力・折衝力

関係各所と建設的なコミュニケーションを取りながら合意形成を図る力

双方の立場を尊重し、着地点を見据えて交渉を行いましょう


中堅社員は、テクニカルスキルとヒューマンスキルを組み合わせて、より高度な業務をこなしていく必要があります。

例えば、データ分析力のテクニカルスキルを持っているだけでは、ビジネスに活かすことはできません。

データ分析の結果をわかりやすく資料にまとめ、相手に的確に伝え、行動を促す力(プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力)があって、初めてビジネスにインパクトを与えることができます。

このように、テクニカルスキルとヒューマンスキルを掛け合わせることで、より複雑な課題解決や、より大きな目標達成が可能になることを理解させましょう。

▼中堅社員(中間層)に求められるスキルを学ぶためのeラーニングパッケージについては下記で案内しています。
⇒中堅層パッケージ【eラーニングパッケージ】

  中堅層パッケージ【eラーニングパッケージ】 目の前の仕事だけでなく、上司と後輩つなぎ役として非常に重要な役割を任される中堅層は 「お客さま」「上司」「後輩」全てのパイプ役としてコミュニケーションや交渉、会議手法など さまざまな知識・スキルが求められます。さらなる高みへぜひ活用してください。 標準学習時間:8時間52分 株式会社LDcube



管理職層(上位階層)に求められるスキル

管理職層になると、組織全体の戦略を立案し、メンバーを率いて目標を達成する責任を担うようになります。

そのため、高度な専門知識であるテクニカルスキルや、メンバーと信頼関係を築くためのヒューマンスキルに加えて、組織全体を俯瞰し、本質を捉え、長期的な視点をもって、問題解決を行うコンセプチュアルスキルが求められます。

ここでは、管理職層が、特に力を入れて伸ばしていくべきスキルについて解説していきます。

【表:管理職層に求められる主なヒューマン・コンセプチュアルスキル一覧】

スキル
概要
注意点

コーチングスキル​​​​​​​

メンバーの成長を促すために、能力を引き出し、主体性を引き出す力

一方的な指導にならないように、メンバーの意見に耳を傾けながらサポートするように心がけましょう

ファシリテーション能力​​​​​​​

会議や打ち合わせで、参加者の意見を引き出し、議論を活性化させる力

特定のメンバーに偏らず、公平に発言の機会を与えましょう

組織形成力​​​​​​​

メンバーの個性を把握し、能力を最大限に発揮できるチームをつくる力

メンバーの強みを活かし、相互に協力しあえるチームを作れるように意識しましょう

論理的思考力​​​​​​​

複雑な問題を整理し、矛盾なく結論を導く力

感情に左右されず、客観的な事実に基づいて論理的に思考しましょう

問題解決能力​​​​​​​

問題の本質を捉え、根本的な解決策を立案・実行できる力

解決策の実行に当たり、メンバーの意見も取り入れながら、周囲を巻き込むように進めましょう

意思決定力​​​​​​​

限られた情報から、迅速かつ適切な判断を下せる力

判断に迷う場合は、複数の選択肢を検討し、最善策を選べるようにしましょう

戦略立案能力​​​​​​​

中長期的な視点を持ち、組織の目標を達成するための戦略を立てる力

戦略が組織全体の方針に合っているか、長期的な視点で判断しましょう

情報分析力​​​​​​​

収集した情報を適切に分析し、本質を見抜く力

表面的な情報に惑わされず、データや数字の背景を読み解きましょう

変化対応力​​​​​​​

環境の変化をいち早く察知し、柔軟に対応できる力

固定観念にとらわれず、常に新しい情報を取り入れながら、変化に対応できるように努めましょう

管理職層は、上記のヒューマンスキルやコンセプチュアルスキルをバランス良く持ち、場面に合わせて活用していく必要があります。

例えば、組織全体の戦略を立案する際(コンセプチュアルスキル)には、市場の動向や競合の動きなどの情報分析力(テクニカルスキル)に加えて、経営層やメンバーの意見をまとめて意思決定するためのファシリテーション能力(ヒューマンスキル)が必要です。

メンバーの育成やチーム目標の達成では、メンバーの能力を最大限に引き出すためのコーチングスキル(ヒューマンスキル)と、目標を達成するための計画立案力(コンセプチュアルスキル)の両方が必要となるでしょう。

このように、管理職は、これらのスキルを相互に連携させ、複合的に活用していくことで、より高い成果を上げることが期待できます。 

▼管理職層(上位階層)に求められるスキルを学ぶためのeラーニングパッケージについては下記で案内しています。
⇒新任管理職パッケージ【eラーニングパッケージ】

  新任管理職パッケージ【eラーニングパッケージ】 マネジメントは結果が全てです。 そのために具体的に何をすべきなのか。何を学習する必要があるのかを このパッケージ1つで学習することができます。 マネジメントのポイントを押さえて仕事に活用しましょう。 標準学習時間:14時間28分 株式会社LDcube


ビジネススキルはテクニカル→ヒューマン→コンセプチュアルの順に身につけるもの

ビジネススキルを効率的に習得していくためには、学ぶ順番も大切です。

一般的に、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの順に、段階的にスキルを身につけていくのが良いとされています。

なぜなら、土台となるテクニカルスキルを身につけた上で、ヒューマンスキルを磨き、さらに応用的なコンセプチュアルスキルを習得することで、より効果的に能力を開発できるからです。



社員のスキルアップを効率的に進めるためには、この段階的な学習を意識した育成計画を立てなければなりません。各階層で求められるスキルを図で表すと、以下の通りです。



下位階層(新人社員など)では、まず業務を遂行するための土台となるテクニカルスキルを優先的に習得させ、組織に貢献するための基礎を築く必要があります。

中間層(中堅社員など)になると、担当業務に加えてチームでの業務を任されることも増えるため、他者と協力して業務を進めるためのヒューマンスキルも必要になります。

上位階層(管理職など)は、組織全体の課題を把握し、将来を見据えた戦略を立案する立場となるため、コンセプチュアルスキルが求められます。

各階層の社員に対しては、それぞれの成長段階に応じて、適切なスキルを習得できるよう、育成計画を立てていきましょう。

ビジネススキルは体系化して段階的に学ばせよう

ビジネススキルを効果的に習得するためには、場当たり的な学習ではなく、体系的に、そして段階的に学習していくことが大切です。
 
ビジネススキルは、組織の階層ごとに求められる内容が異なるため、階層を意識しながら段階的に学習を進めなければならないからです。
 
それぞれの階層で、重点的に学ぶべきスキルは下記のとおりです。

階層​​​​​​​
主な役職
主な役割
スキル習得の優先順位
学習方法のポイント



管理職層



役員

組織全体の戦略・方向性の決定、組織の最高責任者

コンセプチュアルスキル > ヒューマンスキル・テクニカルスキル

eラーニングや経営シミュレーション、経営者向け勉強会、外部セミナー、幹部研修に参加、業界の動向に関する情報を収集する

部長

部門全体の管理・統括、責任者

コンセプチュアルスキル > ヒューマンスキル・テクニカルスキル

eラーニングや経営シミュレーション、リーダーシップ研修、管理職研修、他部門との交流機会を設ける

次長

部長の補佐、部門の組織運営、課題解決推進

コンセプチュアルスキル・ヒューマンスキル > テクニカルスキル

eラーニングや経営シミュレーション、戦略策定研修、問題解決研修、チームマネジメント研修を受ける

課長

チームの管理・統括、メンバーの育成

ヒューマンスキル・コンセプチュアルスキル > テクニカルスキル

eラーニング、目標設定研修、チームビルディング研修、部下育成研修を受ける。 1on1を通してチームメンバーと丁寧にコミュニケーションを行う

非管理職層
中堅

チームリーダーやプロジェクト担当などを任され、担当業務を責任をもって遂行

ヒューマンスキル・テクニカルスキル > コンセプチュアルスキル

eラーニング、社内研修、自己啓発、問題解決のワークショップに参加。 実践の場を積極的に設ける

新人

日々の業務を学び、組織の一員として成長する

テクニカルスキル > ヒューマンスキル > コンセプチュアルスキル

eラーニング、OJT、研修を通してビジネスマナーや基本スキルを学ぶ。積極的な質問・情報共有が大切

スキルは、それぞれの段階に応じて習得するべき内容が異なります。

企業側は、組織全体の成長のために、各段階に応じた学習の機会や環境を用意することが大切です。

体系的にスキルを身につけることで、より効果的に組織を強化し、ビジネスを成長させることが可能となります。

ビジネススキルを効果的に身につけさせる方法

ここでは、社員のビジネススキルを効果的に向上させるための具体的な方法をステップごとに紹介します。

具体的な手順は、以下のとおりです。

  1. 各社員に自分の身についているスキルを言語化させる
  2. 自己診断を受けさせる
  3. ゴール設定を行う
  4. 社員と1on1を実施しゴールと今足りないスキルをすり合わせる
  5. 自己学習とFBを行い実践的に学ばせる

この一連のプロセスを踏むことで、単なる知識習得に留まらず、実践的なスキルとして定着させることが可能となります。

ここでは、即実践できるようにそれぞれのポイントを詳しく解説していきます。

各社員に自分の身についているスキルを言語化させる

ビジネススキルを効果的に身につけさせるためには、各社員が、自身がすでに所持しているスキルの言語化から始めさせましょう。

社員のスキルを見直すにあたり、最初に行うべきは、各社員が自身のスキルを客観的に把握することです。そのため、以下の表を参考に、自身のスキルを言語化させ、自己評価を促しましょう。

スキル
定義
自己評価

プログラミングスキル

HP作成経験があり、基本的なプログラミング言語は理解している

テクニカルスキル

交渉力

バイト時代に、時給交渉を行い、あげてもらった

ヒューマンスキル

課題分析力

部署内の売上低迷の原因を見つけ、問題解決した

コンセプチュアルスキル

自己評価を促す際には、まず、過去の業務経験を振り返らせ、成功体験と課題を具体的に思い出させます。その際、周囲からの評価も参考にさせることで、より客観的な自己認識を促します。

さらに、同僚や上司、先輩など、周囲の人物から自身のスキルや強みについて意見を聞く機会を設け、具体的なエピソードを共有させると、より客観的な自己認識を促せるでしょう。

自己分析の結果と周囲からの評価を照合させ、現状のスキルを客観的に把握させることで、各社員が、今後、何をどのように学ぶべきかを主体的に考えられるように導いてあげましょう。

自己診断を受けさせる

各社員が自分のスキルを言語化した後は次に、自己診断を受けさせてみましょう。

自己診断は、社員自身が、自分では気づけなかった課題や強みを客観的に把握し、より効率的なスキルアップ計画を立てるために必要なステップです。

自己診断を実施する際には、社員自身の自己評価や、周囲からの意見を参考にすることも重要ですが、客観的な評価を得るために、自己診断ツールの活用も推奨しましょう。

具体的には、以下のようなツールから選んで自己診断を実施させると良いでしょう。

自己診断ツール
概要

ビジネススキル診断テスト

  • ビジネスパーソンに必要な基本的なスキルを総合的に測るテスト
  • 問題形式や診断結果も様々で、自身にあった診断を選択できる

360度評価

  • 上司や同僚、部下など、周囲の評価を得ることで、客観的な自己評価ができる評価方法
  • 複数からの評価を得ることで、自分の強みや弱みを多角的に把握でききる

ストレングスファインダー

  • 「強みの源泉」を発見できる才能診断し、あなたの才能に基づいて強みを診断できるツール
  • 自己分析では見つけられない才能や個性を把握できる

自己診断は、現在のスキルを客観的に把握し、今後の成長戦略を立てる上で欠かせません。

診断結果をしっかりと分析し、具体的な行動計画に落とし込むことで、スキルアップの効率を高めていきましょう。

タイプ別の診断ツールの選び方や、診断結果をどのように日々の業務に活かしていくかまで、より具体的に知りたい方、ぜひこちらの記事も参考にしてみてください。

参考記事:【無料】行動特性診断おすすめ4選|実際に診断した10個から厳選

ゴール設定を行う

各社員が自分のスキルを言語化し、自己診断で現状を把握できたら、次は「ゴール設定」です。

ゴールとは、最終的にどのようなビジネスパーソンになりたいか、どんなスキルを身につけたいかの目標のことです。

ゴール設定は、ただ漠然と「スキルアップしたい」と考えるのではなく、目標とする状態を具体的に定めることで、学習意欲を高め、行動を加速させる効果があります。

明確なゴールを設定すると、逆算して今何をすべきかを考えることができるため、目標達成までの道のりが具体的に見えてきます。

以下のポイントを意識することで、より効果的な目標設定ができるでしょう。

ゴール設定をする際に意識するポイント

  • 達成可能な目標にする
  • 数値化できる目標にする
  • 期限を決める

具体的な目標設定例を確認してみましょう。


上記のように目標を定めると、スキルアップのための計画を立てやすくなります。

それぞれの段階で必要なスキルや行動を整理し、逆算して計画を立てていくようにしましょう。より効率よく、よりスムーズに成長するために、まずはゴール設定をしっかりと行うようにしましょう。

社員と1on1を実施しゴールと今足りないスキルをすり合わせる

社員がそれぞれのスキルを言語化し、自己診断に基づいて目標設定ができたら、次のステップとして、上司と部下で1on1を実施し、ゴールと現状のスキルレベルのすり合わせを行いましょう。

目標に対する進捗状況や、キャリアプランなどを話し合う中で、成長を促し、組織全体の生産性を高める効果が期待できます。

1on1での具体的なポイントは、以下の3つです。

  • 目標設定をすり合わせする
  • スキルの課題・ギャップを明確化する
  • 具体的な行動計画に落とし込む

日々の業務にどうスキルアップのための行動を取り入れていくかを上司とともに検討すると良いでしょう。行動計画を立て、PDCAサイクルを回すことで、目標達成の可能性を上げることができます。

上記以外にも、1on1の時間をより有意義にするための施策を積極的に取り入れてみましょう。1on1を通して、社員一人ひとりの成長を促進し、組織全体の成長へとつなげられるはずです。

自己学習とFBを行い実践的に学ばせる

社員と1on1で目標と課題を共有できたら、次は、具体的なスキルアップに向けて、自己学習とフィードバック(FB)を繰り返す段階に入ります。

どんなに優れた研修を受けても、日々の業務の中で実践しなければスキルは身につきません。

自己学習で得た知識やスキルを、実務の中で積極的に試し、定期的なフィードバックを通して改善していくことで、実践的なスキルとして定着させることが可能です。

スキルアップのために、まずおさえておきたい、フィードバックを効果的に活用するためのポイントは、以下の3つです。

FB(フィードバック)活用するポイント

  • 第三者の意見を取り入れること
  • 具体的で行動可能なフィードバックを行うこと
  • フィードバックを前向きに受け入れる

学習した内容を他の人に教える機会を設けることは、知識の定着を深める上で効果的です。
社内での勉強会開催や、仲間と学び合う場を設けて、社員の学習モチベーションを維持する体制も整えていくといいでしょう。

計画を定期的に見直し、柔軟に修正を加えながら取り組む姿勢を促しましょう。

継続的な学びとフィードバックを繰り返させることで、社員は着実に成長していきます。スキルアップに終わりはありません。社員一人ひとりの成長をけん引し、組織全体の成長を目指しましょう。

社員に工数を割けない場合はツールなどを併用して補おう

社員のスキルアップは重要であるものの、研修に十分な時間を割くことができない。
また、研修担当者の負担が大きいと感じている企業も多いのではないでしょうか。

もし、このような課題を感じているようであれば、研修やOJTに加え、eラーニングなどの学習ツールを併用することがおすすめです。

学習ツールを導入すれば、時間や場所に縛られず、社員一人ひとりのペースで効率的にスキルアップを進めることが可能です。

自己学習を支援するツールとして、以下のようなものが挙げられます。

eラーニング

時間や場所を選ばずに学習できるオンライン教材
PC、スマホ、タブレットなど、さまざまなデバイスに対応

学習管理システム(LMS)

社員の学習状況を簡単に管理できるシステム
eラーニングの配信や進捗状況の確認がスムーズに
誰が、どのくらい学習しているか一目でわかる

ビジネススキル研修サービス

プロ講師が企業ごとに内容をカスタマイズし、知識やスキルを効率的に習得できるビジネススキル研修サービス
座学だけではなく、実践的な演習も含まれる

ここでおすすめしたいのが、LMS(学習管理システム)です。

eラーニングでは、どうしても受講者が一人で学習を進めるため、学習効果が十分でない場合や、孤独を感じてしまうというデメリットもあるからです。

LMSを導入すれば、eラーニング教材の配信だけではなく、受講者の学習進捗状況を可視化したり、受講者同士でコミュニケーションを取れる機能も利用でき、より効果的な学習が期待できます。

私たちLDcubeのLMSでは、ビジネススキルに関する多様な学習コースを、豊富にご用意しています。

  • 基礎研修から高度なマネジメント研修まで、幅広いニーズに対応できる
  • 課題や目的に合わせて、既存の研修プログラムにLMSを組み合わせ効果的な人材育成を実現できる
  • オリジナルの研修コースを開発できる

もちろん、理解度テストや反復学習機能などの仕組みも搭載しており、学習効果を高めることができます。

受講者の理解を深めるだけではなく、学びを継続できるような工夫がなされたLMS教材の導入をご検討ください。

▼LMSとeラーニングの違いについては下記で詳しく解説しています。
⇒eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説

  eラーニングとLMSの違いとは?最適な人材育成体制を構築するポイントを解説 eラーニングとプラットフォームであるLMS(学習管理システム)との違いが分からない方も少なくありません。本記事では、自社に最適な人材育成の構築に向けeラーニングとLMSの基礎知識から、両者の関係性、選定のポイントまでを体系的に解説します。 株式会社LDcube

▼LMSについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
⇒LDcube「【比較表付き】LMS(学習管理システム)11選を機能別に徹底紹介」

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まとめ

最後に、この記事のおさらいをしましょう。
 
ビジネススキルは、テクニカルスキル、ヒューマンスキル、コンセプチュアルスキルの3つに分類されます。これらのスキルは、社員の階層によって求められるレベルや重要度が異なるため、計画的な育成が必要です。
 
階層別の必要なスキルは、以下のとおりです。

新入社員

テクニカルスキルを中心に習得

中堅社員

テクニカルスキルとヒューマンスキルをバランスよく習得

管理職層

コンセプチュアルスキルを中心に、3つのスキルを総合的に活用


社員の育成に十分な時間を確保することは簡単ではありません。

そこでおすすめなのが、LMSの活用です。時間や場所を選ばず学習でき、進捗管理や理解度の確認も可能なため、効率的なスキル育成を実現できます。
 
自社に合ったLMSを導入し、計画的な人材育成を進めていきましょう。
 
LDcubeはCrossKnowledge社のパートナーであり、世界中で高い評価を得ている学習コンテンツを提供しています。また、CrossKnowledge社が提供するCK-Connectを活用することで、パーソナライズ学習を実現することも可能です。パーソナライズ学習は、未来の学習の在り方を変える可能性を秘めています。無料のデモ体験会なども行っていますので、お気軽にご相談ください。

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LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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