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レジリエンスとは?意味や重要視される背景、高める方法(研修)など解説!

現代の社会では、誰もがストレスや困難に直面する機会が増えています。

そんな中、「レジリエンス」という言葉が注目されていますが、具体的にレジリエンスとは何でしょうか? また、それをどうやって養い、活かすことができるのでしょうか?
 
多くの人はレジリエンスがただの「忍耐力」や「タフさ」と同じだと誤解しているかもしれません。

しかし、実際にはレジリエンスとは、困難やストレスに直面したときに、ただ耐えるだけではありません。

困難を乗り越え、回復し、成長する力を指します。そのため、単に不屈の精神を持つことだけではなく、変化や逆境を乗り越えて自分を高めることなのです。
 
コロナ禍においては、多くの人がワクチン接種をしました。これは、ワクチン接種をしておくことで、感染症にかかったとしても重症化を防ぎ、他者に感染させてしまうことを避けるためです。
 
ビジネスの世界でもレジリエンス研修という予防策を講じておくことで、困難な状況に陥っても素早く立ち直ることができる可能性が高くなります。

 
自分自身のレジリエンスを向上させるために大切な具体的なステップがあります。例えば、以下のようなものです。

  • ポジティブ思考の実践
  • 自身のエネルギーの効果的な活用
  • 自分自身や他者からのサポートを適切に受けること

 また、メンタルトレーニングやレジリエンスに関する研修プログラムに参加することも効果的です。これらのステップを踏むことで、ストレスや困難に対する前向きな対応が可能となり、結果として自身の能力を最大限に発揮できるようになります。

レジリエンスとは、単なる耐え忍ぶ力ではなく、逆境を糧に自分を成長させる力です。

これからの厳しい社会を生き抜くために、いま一度「レジリエンス」とは何かを深く考え、その向上に努めてみませんか?

この記事では、レジリエンスが重要視されるようになった背景や、レジリエンス向上につながる施策を詳しく紹介します。

▼ レジリエンスについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。

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目次[非表示]

  1. 1.レジリエンスとは?
  2. 2.レジリエンス研修は予防接種みたいなもの
  3. 3.レジリエンスと混合されがちな心理学用語
  4. 4.レジリエンスの心理学的側面
  5. 5.レジリエンス向上が重要視される背景
    1. 5.1.①環境の変化に強い組織を目指せる
    2. 5.2.②メンタルヘルス不調の予防と離職防止につながる
    3. 5.3.③組織全体のパフォーマンスが向上する
  6. 6.レジリエンスがビジネスに与える影響
  7. 7.ビジネスにおいてレジリエンスを高めるメリット
  8. 8.レジリエンスが高い人の特徴
  9. 9.レジリエンス向上施策(​​​​​​​組織・個人)
    1. 9.1.①レジリエンス研修の実施
    2. 9.2.②心理的安全性のある環境づくり
    3. 9.3.③企業ビジョンやミッションを浸透させる
  10. 10.日ごろから意識してレジリエンスを高めるポイント
  11. 11.レジリエンスを高める研修が近道
  12. 12.ポジティブ心理学ベースのレジリエンス研修支援事例
  13. 13.まとめ

レジリエンスとは?

レジリエンスとは①

レジリエンスとは、米国のペンシルベニア大学心理学部教授のマーティン・セリグマンポジティブが提唱した『ポジティブ心理学』をベースとした概念のことです。

レジリエンス(resilience)には、回復力・耐久力・弾力・再起力などの意味があり、元々は物理学用語ですが、心理学的には困難な状況を乗り越えるための精神的回復力という意味で使われています

ビジネスシーンにおいては、レジリエンスを高める施策に注力することで、ビジネス環境や社会のニーズ、組織の変化に柔軟に適応できる人材を効率よく育成できます。

レジリエンス研修は予防接種みたいなもの

レジリエンスとは②

レジリエンスを育むレジリエンス研修というのは、予防接種のようなもので、人の精神的および心理的な側面から、困難な状況や厳しい環境に対処する個人の能力、つまり回復力や復元力を育むことができるようになるための手段です。

インフルエンザなどの感染症の予防接種は、あらかじめ病気に対する免疫機能をつけたり、免疫機能を強化するためにワクチンを接種します。

それにより、病気になることを予防したり、人に感染させてしまうことを防ぐ役割があります。

ただし、予防接種をしたからといって全く病気にかからないわけではなく、もし感染したとしても重症化を防ぐ助けになります。

同じことがビジネスにおいても当てはまります。

レジリエンス研修の受講などを通じて、レジリエンスを高めるという対策を講じることで、自身の感情や考え方をコントロールする方法を学び、困難に立ち向かうための強さや回復力を持つことを習慣化することができます。

つまり、レジリエンスを高めることはビジネスにおける予防接種のようなものといえます。

ただし、レジリエンス研修を受講すれば、困難な状況に遭遇しなくなるわけではありません。

困難な状況はいつ訪れるか分かりません。

レジリエンス研修という「予防接種」をしておくことで、困難な状況に遭遇した際も、それによるマイナスの影響を軽減し、すぐに立ち直ることができるようになります。

レジリエンス研修を予防接種と捉えると、ビジネスパーソンとして早めの受講がおすすめと言えます。

新入社員や若手社員のうちに受講しておくことで、その後のキャリアや社会人人生に備えることができます。

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レジリエンスと混合されがちな心理学用語

レジリエンスは、ストレス耐性・ストレスコーピング・ハーディネス・メンタルヘルスなどと混合されがちな用語です。

ビジネスシーンで使用する際には、下記の違いを十分に理解しておく必要があります。

概念

意味

レジリエンス

困難な状況下での適応力、それを乗り越えるための精神的回復力

ストレス耐性

ストレスやプレッシャーに対する抵抗力や耐久力

ストレスコーピング

自身のストレスへの理解力と対応力

ハーディネス

ストレスフルな出来事に対する強固な防御力

メンタルヘルス

心の健康状態

レジリエンスの心理学的側面については次章で取り上げます。

レジリエンスの心理学的側面

レジリエンスは心理学において、個人が困難や逆境から回復する力を指す概念であり、これはマーティン・セリグマンが提唱したポジティブ心理学に基づいています。

ポジティブ心理学位置づけ

これまでの心理学は精神が病んでしまった人を治す病理学的な研究でしたが、ポジティブ心理学は、健康な人がよりよく生きるという点にアプローチしていることが特徴です。

レジリエンス啓発のポイント

レジリエンス啓発のポイントは、ポジティブ心理学をベースに、困難な状況に直面し落ち込むことがあったとしても、落ち込むことを止めるための思考の柔軟性の開発です。

そして、落ち込むことが底を打ったとしてもよりよい状態にもっていくために、自身の徳性を生かして行動のエネルギーを生み出す能力の開発です。

自分の徳性を掴むために、ポジティブ心理学をベースに開発された『VIA診断』が活用されることも多いです。

企業では、上記のようなポジティブ心理学を活用したレジリエンス研修を通して従業員のストレス耐性や適応力向上を目指しています。

また、類似した概念であるストレス耐性、ストレスコーピング、ハーディネス、メンタルヘルスなどと混同されることがあるため、その違いを理解することも重要です。

▼レジリエンスの心理学的側面については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンスの心理学的な意味とは?ビジネスや研修について解説

▼心理学的な観点を含んだ記事についてもご覧ください。

レジリエンス向上が重要視される背景

レジリエンスとは③

ここからは、従業員のレジリエンスを高める取り組みが重要視されている背景を紹介します。

(レジリエンス向上が重要視される背景)

  1. 環境の変化に強い組織を目指せる
  2. メンタルヘルス不調の予防と離職防止につながる
  3. 組織全体のパフォーマンスが向上する

①環境の変化に強い組織を目指せる

レジリエンス向上に積極的に取り組むことで、環境の変化にも柔軟に適応できる組織を目指せます。

例えば、コロナ禍で体験したような予測不能な環境の変化があったとしても、状況に応じて適切な判断をできる従業員たちの力によって、組織の競争力を高めていくことが可能です

レジリエントな組織となれば、あらゆる危機に備えて事前に計画を立てることができ、チーム全体で協力して組織を安定的に存続していけます。

▼ダイバーシティインクルージョンについても関心が高まってきています。
⇒​​​​​​​ダイバーシティ&インクルージョンとは?意味や違い・取り組み事例

②メンタルヘルス不調の予防と離職防止につながる

メンタルヘルス不調による休職や離職などの問題が深刻化している今、レジリエンスの向上は問題解決に寄与する取り組みとして注目されています。

メンタルヘルスとは、心の健康のことです。組織で働く従業員は、仕事や人間関係によるストレス・プレッシャーでメンタルヘルス不調に陥る可能性があります。

レジリエンスの高い従業員は、ストレスを自身の力で対処する能力に優れており、組織内のプレッシャーを乗り越えていける能力も備えています

メンタルヘルス不調の発生率を抑制する手段として、レジリエンス研修は非常に有用です。

メンタルヘルス不調を予防する手段を身に付けた従業員は、心の健康を維持しやすくなり、離職の防止にもつながります。

③組織全体のパフォーマンスが向上する

レジリエンスに優れた従業員は、困難な状況でもチームメンバーとの協働やコミュニケーションを促進して問題を解決しようします。その結果、組織全体のパフォーマンスが向上します。

レジリエントな組織では、逆境から学んで新たなアプローチやアイディアを生み出すための創造性が育まれるため、組織のイノベーションと競争力が強化されるのもメリットです。

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レジリエンスがビジネスに与える影響

レジリエンスとは④

レジリエンスはビジネスの成果に大きな影響を与えます。

ビジネスにおけるレジリエンスとは、企業や組織が困難に直面した際、その打撃から早期に立ち直り成長を続ける能力を指します。

一般的に、レジリエンスが高い組織は問題や困難を前向きに捉えて、チャンスとして考え、社員同士が協力し合って問題に対処し、それによる学びを活かして組織の成長につなげることができます。

グローバル企業、競争と変化の激しい業界、スタートアップ企業などは、自社の事業環境における予期しない困難や変化に対して迅速に対応するために、レジリエンスが特に求められます。

組織のレジリエンスを高めるためには、危機管理体制の整備、レジリエンスの高い人材の育成、または適切な組織風土の形成が求められます。

その結果、どのような組織でも困難な状況を乗り越え、持続的な成長を達成する力を育むことができます。

▼レジリエンスがビジネスに与える影響については下記で解説しています。
⇒レジリエンスがビジネスを成功させる!必要な背景や高めるポイントを解説!

ビジネスにおいてレジリエンスを高めるメリット

メリットのイメージ画像

レジリエンス(逆境に強い心)はビジネスにおいて役に立ちます。具体的に役に立つ点を紹介します。

不確実性への対策となる

レジリエンスの存在が、不確実性への対策となります。

ビジネス環境は常に変動し、突然の市場の変動、予期せぬ問題、新型コロナウイルスのような大規模な危機など、想定外の事態に対応する必要があります。

組織や人材にレジリエンスがあれば、これらの困難な状況に対処し、事態の解決や予防策を立てることができます。

レジリエントがある組織や人は早期に問題を特定し、それに対する戦略を立てる能力を持っています。


競争力の維持につながる

レジリエンスがある組織や人は、自社の競争力を維持することにつながります。

市場や業界の状況は常に変化し、新たな競争者の出現、技術革新、消費者のニーズの変化などに素早く対応しなければなりません。

レジリエンスのある組織や人は、これらの変化により柔軟に適応し、自社の価値を維持し、競争力を保つことが可能です。


適切なストレス管理ができる

レジリエンスを持つことにより、適切なストレス管理が可能となります。

ビジネスには、ときに大きなプレッシャー・ストレスが伴います。

たとえば、厳しい商談の際でもレジリエンスを持つ人は冷静さを保つことができます。

また、問題や困難な状況に直面した時でも、冷静さを保ち対応することが可能になります。


チームの士気と生産性向上につながる

レジリエンスはチームの士気と生産性向上につながります。

困難な状況においてもポジティブな姿勢を持続できると、それがチーム全体に伝播し、モチベーションを保つことができます。

レジリエンスはリーダーシップにおいても重要であり、チーム全体の生産性やパフォーマンス向上に貢献します。

(出典:レジリエンスがビジネスを成功させる!必要な背景や高めるポイントを解説!

レジリエンスが高い人の特徴

レジリエンスとは⑤

レジリエンスが高い人とは、ポジティブ思考を持ち、問題解決能力が高く、そしてコミュニケーション能力を持つ一方で、未来志向で感情・ストレスの管理ができる人のことを指します。

レジリエンスが高い人は、困難や挫折に遭遇しても自己効力感を持ち、それをポジティブな経験として捉えることができるため、しなやかに活動することができ、組織全体の業績を上げることが可能です。

営業パーソンならば、顧客のネガティブな反応や出来事に直面しても粘り強く価値を訴求することで売上を上げます。

現場のマネジャーが部下をサポートするだけでなく、新たな視点を提供し、それによりチームの業績向上に貢献します。

そして経営者や事業責任者は、困難をチャンスに変えて組織全体を成長させることができます。
 
したがって、レジリエンスが高い人は自身の個人的な成功だけでなく組織全体の長期的な成功にも寄与する重要な人的資本となります。

そのため、レジリエンスを育むことは個人だけでなく組織にとっても非常に有益です。

レジリエンスを育むことは、適応力や柔軟性を高め、様々な状況に対応し、より良い結果を生み出す力を強化する活動と言えます。

▼レジリエンスが高い人の特徴については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンスが高い人は業績を上げられる!?その理由とは? 特徴や方法を解説!

▼リーダーにはレジリエンスが求められます。下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンスがリーダーに必要な理由!部下とのかかわり方など具体的なポイントを解説!

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レジリエンス向上施策(​​​​​​​組織・個人)

レジリエンスとは⑥

ここからは、組織と従業員のレジリエンスを高められる効果的な施策について紹介します。

(レジリエンス向上施策)

  1. レジリエンス研修の実施
  2. 心理的安全性のある環境づくり
  3. 企業ビジョンやミッションを浸透させる

①レジリエンス研修の実施

レジリエンス研修では、ネガティブな思考をポジティブな思考に変換する能力や、過剰なストレス・プレッシャーを乗り越えるための能力の習得を目指します

例えば、グループワークやディスカッションなどで感情をコントロールする力や、良好なコミュニケーションを図ってチームワークを発揮する力などを養わせます。

環境変化の激しい現代社会においては、変化が常態となっており、いつ困難な状況に直面するか分かりません。

そのため、多くのビジネスパーソンがレジリエンス研修を受講し、レジリエンスを高めておくことが、リスクマネジメントの一環にもなります。

レジリエンスの変化を研修の前後で測定する取り組みも、研修をアップデートしていくために重要です。
▼レジリエンス研修については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素

②心理的安全性のある環境づくり

心理的安全性とは、従業員が組織内のメンバーに対して気兼ねなく意見を述べることができ、素直な自分でいられる状態のことです。

組織内での情報共有や意見の交換を活性化させて、失敗しても次のチャレンジがしやすい環境をつくることが心理的安全性の確保において重要です。

心理的安全性のある環境では、オープンなコミュニケーションが促進されるため、他のメンバーとストレスやプレッシャーを共有しやすくなります

その結果、メンバー同が士相互に助け合い仕事を進めるなど、協力関係が築きやすくなります。それにより、組織としてのレジリエンスが高まるきっかけとなります。

▼以下の記事で心理的安全性について詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
⇒"心理的安全性"がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

③企業ビジョンやミッションを浸透させる

企業ビジョンとは、中長期的に達成を目指している目標であり、ミッションは企業の存在意義を示すものです。

企業ビジョンやミッションが十分に浸透している状態では、困難な状況に直面した場合でも、組織全体で一貫性を持って課題解決に取り組んでいけるようになります

企業ビジョンとミッションを効率よく浸透させていくには、研修内容の見直しや企業文化・風土の熟成などが必要になります。

そのため、レジリエントな組織を目指す際は、経営層も含めて企業全体で推し進めていくことが望ましいです。

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日ごろから意識してレジリエンスを高めるポイント

日ごろから意識してレジリエンスを高めるには、下記の5つの構成要素ごとに、意識するポイントを押さえて過ごすことがポイントです。

  1. 自己効力感(セルフ・エフィカシー)は、困難な状況でも自分の力で乗り越えられるという確信を指します。心理学者アルバート・バンデューラが提唱したこの概念は、レジリエンスの中核をなすもので、自己効力感が高い人はストレスフルな状況でも粘り強く立ち向かい、回復力が高いとされています。自己効力感を育むためには、小さな成功体験の積み重ね、ロールモデルの観察、他者からの励ましが効果的です。  
  2. 楽観性(オプティミズム)は、物事をポジティブに捉え、困難に対しても前向きな解決策を見つける力です。楽観的な人は失敗しても次に成功するという信念を持ち、ストレスフルな出来事を一時的なものと捉える傾向があります。楽観性を高めるためには、ネガティブな自己対話に気付き、それをポジティブな言葉に置き換えること、感謝の習慣を身に付けることが有効です。  
  3. 問題解決スキルは、困難な状況に対する効果的な対処方法を見出す能力であり、冷静さと適応力が求められます。問題解決スキルが高い人は、既存の知識を活用して最適な解を見つける「収束的思考」と、固定観念にとらわれず新しい発想を広げる「拡散的思考」のバランスを取ることができます。これを高めるためには、幅広い知識の習得や自由な発想法の実践が重要です。  
  4. 感情コントロールは、自分の感情を適切に調整し、理性的に行動する能力です。感情コントロールを高めるためには、アンガーマネジメントやマインドフルネス瞑想、感情日記の習慣が効果的です。これにより、ストレスフルな状況でも冷静さを保つことができるようになります。 ​​​​​​​ 
  5. 社会的支援(ソーシャルサポート)は、家族や友人、同僚などからの支援を指し、困難な状況での大きな支えとなります。ソーシャルサポートを充実させるためには、支援の申し出を快く受け入れ、感謝の気持ちを言葉にし、必要なサポートを求める勇気を持つことが重要です。また、周囲の人々が理解とサポートを提供することも欠かせません。

これらの要素を理解し実践することで、企業や個人のレジリエンスを効果的に高めることができます。(出典:レジリエンスを高めるには?高い人・低い人の特徴と具体的な実践方法を紹介!)

レジリエンスを高める研修が近道

レジリエンスとは⑦

レジリエンスを高めるには、研修でレジリエンスについて学び、レジリエンスを高めるのに必要な要素2つをトレーニングすることが近道です。

(レジリエンスを高めるのに必要な要素)

  1. ポジティブ心理学をベースに、困難な状況に直面し落ち込むことがあったとしても、落ち込むことを止めるための思考の柔軟性の開発
  2. 落ち込むことが底を打ったとしてもよりよい状態にもっていくために、自身の徳性を生かして行動のエネルギーを生み出す能力の開発

LDcubeでは、組織と個人のレジリエンスを効果的に向上させ、レジリエンス研修の内製化まで手厚くサポートする『SBRP (ストレングス・ベースド・レジリエンス・プログラム)』を提供しています。

『SBRP』は、認知行動療法の分野におけるABC理論や、ポジティブ心理学をベースにしたVIA(キャラクターストレングス)診断を用いて、個人のレジリエンス能力を開発します。

上記2つの要素をしっかりと理解し、トレーニングできるようにプログラムデザインされています。

さらに、SBRPはライセンスプログラムを用意しており、ライセンスを取得した場合、レジリエンス・プログラムを社内外の階層別研修や目的別研修、部門管理者向け研修などに展開していただくことが可能です

個人に対しても組織に対しても高い効果に期待できる『SBRP』は、成果につながる行動を選択する力を養うプログラムとして、さまざまな企業様に選ばれています。

▼レジリエンス研修については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素

ポジティブ心理学ベースのレジリエンス研修支援事例

事例のイメージ画像

社員数:1,500名以上
事業:自動車の設計、開発

導入前の課題
変化・変革への対応力を高めるための土台として、エンジニアのレジリエンス強化


現在の自動車業界は変革期の真っただ中です。業務内容は変化し、ステークホルダーに求められる成果は高度化、そして対応スピードも高速化しています。

業界の変化に対応し、持続的に成長するためには、これまで以上に豊かな発想とチャレンジ精神を持つエンジニアを数多く育てる必要があります。

テクニカルスキルやビジネススキル、ヒューマンスキル、マネジメントスキルなどさまざまなスキルアップが必要ですが、スキルを身につけるだけでは不十分だと感じていました。

そこで、これらのスキルを身につける土台として、「失敗を恐れずに挑戦できる」「柔軟で合理的な思考を持つ」「変革の過程を楽しめる強さを持つ」の3つの能力(レジリエンス能力)をテーマにした教育を導入することにしました。

また、休職者・退職者が増加傾向にあったこともあり、個人としての能力啓発だけでなく、研修を通したチームの活性化もねらいの一つとしました。

開発力を高めるためには、チーム内の他者理解と相互サポートが必要不可欠だと考えたからです。
事務局でレジリエンスプログラムのトライアル研修を実施後、本導入を決定しました。

 
取り組みの詳細
社内講師を養成して展開
リラックスした雰囲気で同じ会社ならではの「共感」できる事例を織り交ぜた研修

レジリエンス能力はどの従業員にとっても必要な能力だと考えていました。そのため、管理職から新入社員まで全社員を対象に実施することにしました。

全社員を対象に研修を実施し、かつレジリエンスを組織内の共通言語として広めていくためには、外部コンサルタントに実施してもらうのではなく、社内講師による自社内研修が効果的だと考え、開発部門内で4名の社内講師を養成しました。

そして、集合研修後に風化しない「シカケ」作りのために、管理監督職層からプログラムを展開しました。

管理監督職が内容を理解していれば、現場でサポートできると考えたからです。研修冒頭では、受講者に自分事として捉えてもらうためにレジリエンス強化の必要性と目的を重点的に説明し、受動的な研修にならないよう個人ワーク・グループワークを多く取り入れました。

また、振り返りの時間を長めに確保し、研修の最後には「今後自分はどのような行動をとる」という宣言をする時間を設けました。思考・議論の活性化のために、対面研修、リラックスできる雰囲気作り、講師自身の事例提供を大切にしました。

対面研修にすることで同じ階層同士のやり取りを増やし、他部署とのつながりの強化を図りました。そして、今回の研修は自己の内面に関わる内容であったため、本音を引き出すために、テキストの内容だけでなく、より共感を得られるよう講師の実体験を伝えながら進行しました。

個人ワークが進まない受講者に対して「人と同じ考え方でなくても良い」ということを認識してもらうため、こまめに声掛けもしました。

また、学んだことを風化させないために、研修内で活用した自分に不足している要素を把握してもらうためのセルフチェック表を研修から3カ月後に記入してもらうことで、学んだ内容を思い出す機会を設けました。
 
導入後の成果
レジリエンスを社内共通言語に

受講生から「レジリエンス=抑うつや不安への耐性のみに効果を発揮する先天的なものという認識だったが、その他にも特徴があり後天的に習得・強化が可能な能力だということを知った」「思考の柔軟性を高めることができた」「ネガティブ=悪いこと、ポジティブ=良いことではなく、状況や置かれている立場・役割によって使い分けることが大切だということを学んだ」などの感想をいただき、社内講師がメッセージしたかったことが伝わっていることを実感しました。

その他、「研修が自己理解のきっかけになり、自分の考え方の癖・強み・弱みを理解できたことで仕事に限らず日々の生活の中で気を付けられるようになった」という声もあり、仕事以外の場面でも研修の効果を感じていただきました。

そして、講師4名でテーマごとに役割分担をしたことにより、各講師が一つのテーマに集中して講義を進めることができました。

研修を組み立てる際も、1人で考えるのではなく、4名で話し合いを重ねながら組み立てたことによって、より会社の目指す方向性と受講生の心理に寄り添う研修になったと考えています。
「レジリエンス」という言葉が現場で使われるようになり、社内共通言語として浸透させるための第一歩を踏み出しました。

日常的なフォローアップに力を入れてレジリエンス強化を加速し、成長し続ける組織を目指していきます。

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まとめ

この記事では、レジリエンスが重要視される背景と向上につながる施策について以下の内容で詳しく解説しました。

  • レジリエンスとは
  • レジリエンスの心理学的側面
  • 企業でレジリエンス向上が重要視される背景
  • レジリエンスがビジネスに与える影響
  • レジリエンスが高い人の特徴
  • 組織と従業員のレジリエンス向上につながる施策
  • 組織と従業員のレジリエンスを効果的に高める『SBRP』

困難を乗り越えるための精神的回復力を示すレジリエンスは、昨今におけるビジネス環境の激しい変化や、メンタルヘルス不調による離職者の増加に伴い、以前よりも重要視されるようになりました。

レジリエンスを高める代表的な施策には、レジリエンスに関するコンピテンシーを捉えたレジリエンス研修の実施や、心理的安全性のある環境づくりなどが挙げられます。

組織全体でレジリエンスを効果的に向上させたい場合、LDcubeが提供する『SBRP (ストレングス・ベースド・レジリエンス・プログラム)』にお任せください。

レジリエンスに優れた人材を効率よく育成できる『SBRP』は、多種多様な研修に採用できるプログラムであり、SBRPライセンスの取得と研修の内製化もサポートしています。

また、講師派遣によるレジリエンス研修(SBRP)の提供も行っています。

環境の変化に強いレジリエントな組織づくりを目指している企業様は、ぜひこの機会に『SBRP』の概要がわかる資料を無料でダウンロードしてみてはいかがでしょうか。

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LDcube編集部
LDcube編集部
株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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