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心理的安全性がビジネスに必要な理由?エドモンドソン博士の視点を解説

組織が持続的な成功を収めるためには、社員が安心して自分の意見を表明できる環境が不可欠です。

この「心理的安全性」という概念は、ハーバード・ビジネス・スクールの教授エイミー・C・エドモンドソンによって広められ、多くの企業がその重要性に気づき始めています。

しかし、実際に心理的安全性を高めるためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか?
 
まず、多くの企業が直面する心理的安全性の欠如がもたらす影響について考えてみましょう。

職場での意見表明やリスクを取ることに対して不安を感じる社員が増えると、イノベーションの機会が減少し、問題やミスが隠されがちになります。

このような環境では、チームのパフォーマンスが低下し、最終的には企業の競争力が損なわれます。
 
本記事では、エイミー・C・エドモンドソン博士の研究を基にした、心理的安全性を高めるための解決策を紹介します。

これにより、社員が安心して意見を言える環境を整え、組織のパフォーマンスを向上させることが可能です。

最後には私たちがエイミー・C・エドモンドソン博士から動画講義を通じて心理的安全性について学べるコースも紹介しています。

エイミー・C・エドモンドソン博士の研究に基づく心理的安全性の推進は、組織の成功に直結する重要な取り組みです。この機会に、心理的安全性を高める施策を実践し、組織全体で継続的な成長を目指しましょう。

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心理的安全性資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.エイミー・C・エドモンドソン博士とは
  2. 2.そもそも心理的安全性とは
  3. 3.心理的安全性が注目される背景
    1. 3.1.イノベーションの推進
    2. 3.2.ダイバーシティ&インクルージョン
    3. 3.3.階層構造の限界
    4. 3.4.リモートワークの普及
  4. 4.心理的安全性が重要視される理由
  5. 5.心理的安全性が低い職場で起こること
  6. 6.心理的安全性を高める方法
  7. 7.エドモンドソン博士のメッセージ
  8. 8.心理的安全性の問題点と課題
  9. 9.エドモンドソン博士のマイクロラーニング
  10. 10.まとめ

エイミー・C・エドモンドソン博士とは

エイミー・C・エドモンドソン博士(以下:エドモンドソン博士)は、ハーバード・ビジネススクールのノバルティス記念講座教授として、リーダーシップとマネジメントを教えています。2年に1度発表される、経営思想家の世界的なランキング、Thinkers50では、2011年、2013年、2015年、2017年に選出され、2017年にはTalent Awardも受賞しました。

リーダーシップ、チーミング、組織学習に関する教育や執筆に従事し、ハーバード・ビジネス・レビューやカリフォルニア・マネジメント・レビューなどの経営誌や一流の学術誌に論文を寄稿しています。

心理的安全性に関する先駆的な研究で最もよく知られており、過去15年間にわたって経営、医療、教育分野のさまざまな学術研究に貢献してきました。

『恐れのない組織――「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(英治出版)や『チームが機能するとはどういうことか――「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ』(英治出版)などの著書があります。

リーダーシップ、チーミング、組織学習などの分野での貢献により、エドモンドソン博士は世界的に認識されています。

エドモンドソン博士の提唱する心理的安全性の概念は、働く人たちが自分の意見や感想、アイデアを心配することなく共有できるチームや職場環境を指します。

これこそが、企業がよりイノベーティブでパフォーマンスが高い組織を生み出すためのカギとなるのです。

そもそも心理的安全性とは

エドモンドソン博士は講義動画の中で心理的安全性についての概念を下記のように定義しています。

「心理的安全性とは仕事に関するアイデアや懸念、疑問、失敗を誰もが安心して言える状態のこと」です。

知識経済の効果を発揮するためには必要不可欠なものです。

発言することにはさまざまな対人関係のリスクが伴い、発言することを控えてしまう人がたくさんいます。

しかしながら、会社や顧客、自分の利益のために対人関係のリスクは取るべきという考え方です。従業員や社員は思った以上に発言を控えています。

心理的に安全な職場を作ることによって、従業員の知識を得て、それを活用することが可能になります。」

心理的安全性資料

心理的安全性が注目される背景

近年、企業の働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの推進が進む中で、「心理的安全性」が注目されるようになりました。

時代の変化とともに以下のような背景や理由が関係していると考えられます。

(心理的安全性が注目される背景)

  • イノベーションの推進
  • ダイバーシティ&インクルージョン
  • 階層構造の限界
  • リモートワークの普及

イノベーションの推進

新たなアイデアや革新的なプロジェクトは、異なる視点や新しい視点から物事を考えることで生まれます。

心理的安全性が高い職場では、個々のメンバーが自由に意見を出し、メンバー同士自由に議論することができるため、創造性が発揮され、イノベーションが成功しやすいとされています。

ダイバーシティ&インクルージョン

異なるバックグラウンドを持つ人々が集まると、その分だけ価値観や意見、考え方も多様になります。

しかし、それらを適切に活用するためには、自分の意見が否定されることなく受け入れられる、またはそう思える環境が必要です。

心理的安全性が確保されていると、メンバーがこれらの多様性を認め、生かすことができます。

▼ダイバーシティ&インクルージョンについては下記で詳しく解説しています。
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階層構造の限界

組織や企業には階層があります。上位階層の方の発言権が強いことが通常です。

それは人事制度上、上司や管理職が部下を評価するプロセスがあるためです。

その関係性が、時に人を沈黙させます。

上司の言葉に対して意見を言いにくい、発言しにくいという心境から発言を控え、これまでいくつもの事故や不祥事が生まれています。

権力者の過度な自信は人を黙らせてしまうリスクがあります。だからこそ注意が必要なのです。

リモートワークの普及

新型コロナウイルス感染症の影響でリモートワークが急速に拡大したことも、心理的安全性を重視する動きに火をつけました。

物理的な距離が離れるとコミュニケーションが困難になりがちですが、心理的安全性が確保されている環境では、リモート環境でもチーム内で円滑にコミュニケーションを取りやすくなります。

心理的安全性が重要視される理由

心理的安全性の重要性は現代のチームマネジメントに直接的に関連しています。

これは、ハイパフォーマンスなチームにおけるコミュニケーション、協調性、革新性と密接に関係しています。

心理的安全性のあるチームでは、メンバーはリスクを取ることを恐れず、自分の意見や提案を自由に率直に言える雰囲気があり、さまざまなことを試すことが可能です。

新しいアイデアを提案する自由や、新たなアプローチを試す余地が生まれるとき、チームは新たな可能性を得ることができます。

これにより、チームは持っている能力を最大限に引き出し、メンバーがお互いに助け協力し、難しい課題に挑戦したり、パフォーマンスを飛躍的に向上させたりすることが可能になります。

エドモンドソン博士は動画講義の中で下記のように述べています。

「2017年のある調査・報告では、職場で自分の意見が重要と答えた人は10人中3人でした。

これが10人中6人になると状況が変わります。

離職者が27%減少し、従業員の安全性が40%向上し、生産性が12%改善するのです」と。

心理的安全性を確保し、自分の意見が重要と思える人が増えれば、職場のパフォーマンスを最大限発揮し、引き出していくことが可能なのです。

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心理的安全性が低い職場で起こること

逆に、心理的安全性が低い職場では、人々が自分の意見や感想を述べることにためらい、コミュニケーションがうまく行われません。

結果的に、仕事の結果や効率が求められても、さまざまな誤解や間違いが発生し、組織全体のパフォーマンスに影響を及ぼす恐れがあります。

また、心理的な安全性が確保されていない環境では、攻撃的な意見や非難、ネガティブな反応や反対意見などから身を守るために、斬新なアイデアや視点が声に出されなくなるかもしれません。

これは、組織にとって新たな進歩や発展の機会を逃すことにつながる恐れがあります。

さらに、心理的に不安定な環境は、個々のストレスレベルを引き上げることもあります。

これは、自分の感情を自由に表現できない、または、自分の行動や言い分が厳しく批判される、拒絶される恐れがあるためです。

このような状況は、人々の健康に悪影響を及ぼし、結果的には離職率の上昇や生産性の低下につながります。

また、自己表現を恐れる環境では、個々の創造性を存分に発揮することができず、組織全体の動きやモチベーションを低下させる可能性があります。

新しいアイデアや取り組みを生み出すためにはリスクを取ることが必要です。

しかし、そのリスクを恐れて誰も挑戦しなくなれば、組織の成長を妨げる恐れがあります。

心理的安全性の高い、快適で安全な職場環境は組織と個人の両者がメリットを得る上でポイントとなるのです。

エドモンドソン博士は動画講義の中で下記のように説明しています。

「失敗は自分で作り出している。心理的安全性がなければほぼ必然的に間違いが発生します。

間違いが発生する要因は一つではなく、高い成果基準と低い心理的安全性の組み合わせが必然的に間違いを生むのです」と。

つまり、心理的安全性が低く、高い成果基準を求める組織では間違いや不祥事が起こりやすいと言えます。これは非常に大切なポイントです。

不祥事が起こりやすい状況を回避するためにも高い心理的安全性が必要なのです。

エドモンドソン博士は下記のように注意を促しています。

「一流大学出身者や優秀な人材がいる一流企業ほど、失敗を恐れる風土があるので、注意が必要です」と。

皆さまの組織は大丈夫でしょうか?組織のリーダーやマネジャーの重要な役割は、組織内の心理的安全性を高めることです。

成果基準が高く心理的安全性が低いという特性が間違いを生むリスクが高いということが分かっています。

大きな間違いが生まれる前に一度フラットな目で自社を点検してみることは意味があるでしょう。

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心理的安全性を高める方法

心理的安全性を実現し、高めていくためには、積極的なコミュニケーション、お互いに信頼できる関係性を構築していくことが必要となります。

つまり、異なる意見や視点への開放性、失敗への寛大さ、問題点への誠実な対応などが求められます。

もちろん、単に「心理的に安全だと感じてほしい」と言うだけでは十分ではありません。

組織や職場のリーダーやマネジャーが試行錯誤や失敗を許容し、それをサポートする環境を具体的に作り出すことで、チームの心理的安全性を確立・強化することができます。

エドモンドソン博士は動画講義の中でも事例を挙げています。

セクハラをなくすために必要なこと

  1. セクハラを早期に察知すること そのためには心理的安全性を確保し、声を上げる、声を拾いやすい状況を作り出す
  2. リーダーが積極的に情報を把握する
  3. リーダーの迅速な対応
  4. 相手が高業績者でもしっかり毅然と対処する

    セクハラをなくすということを例に挙げ、必要な観点を教えてくれています。
     
    人材育成の側面から、心理的安全性を高めることを目的にした研修会の実施などは有効な手段です。

    社員に心理的安全性についての理解を深めてもらい、マネジャーやリーダーが組織内や職場内でそのような文化や雰囲気を意図的に作っていくために同僚と議論したり、施策を検討したりすることはとても良いことです。

    心理的安全性についてきちんと理解しているリーダーやマネジャーを育成し、リーダーやマネジャー一人一人が自分自身で責任を持って職場の心理的安全性を高めようとしている姿勢が心理的安全性を高めていく上では重要です。

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    エドモンドソン博士のメッセージ

    エドモンドソン博士は、心理的安全性が高まると、チームがミスを恐れず、有用なフィードバックを交換し、学習や成長を促進すると指摘しています。

    特に、ミスや失敗から学ぶことを重視する組織では、心理的安全性が高いほど、人々はより活発に振る舞い、より高いパフォーマンスを発揮します。

    また、その組織全体が心理的安全性を強調し、尊重する場合、全ての従業員が高いエンゲージメントを示し、それ自体が高いパフォーマンスを促す要素となります。

    心理的安全性の問題点と課題

    会議などで思ったことなどを発言することによって、誰かを不快にさせるのではないかという誤解や思い込みがあります。

    ある調査によると、これまで会議で真実を発言することによって解雇されたことがない組織でも、前例はないにもかかわらず実際には会議での発言により解雇されることもあるのではないかという気持ちになり、発言しないケースも多いと報告されています。

    このような状況により社員の中にある数多くの意見やアイデアが出てこないという状況があります。

    その多くはそのような誤解や思い込みから生まれます。発言すれば人間関係にひびが入る、解雇されるのではないかと感じるのですが、それは誤解や思い込みです。

    その思い込みには根拠がありません。多くの場合誤解であり間違っています。

    思い切って発言することによって会社やそこに関わる多くの方の利益につながることもあるのです。それを理解しておくことが重要です。
     
    エドモンドソン博士の心理的安全性の理論は、現代のチームマネジメントに新たな視点をもたらしています。

    ハイパフォーマンスチームを生み出すためには、コミュニケーションの自由さと革新性を高める心理的安全性の確保が不可欠です。

    しかし、心理的安全性を優先しつつも、チームの成果を出すためのバランスを見つけることが引き続き重要な課題となります。これには、リーダーシップの戦略性と繊細さが求められるでしょう。

    エドモンドソン博士のマイクロラーニング

    エドモンドソン博士のマイクロラーニングについて、本人の動画と共に案内します。

    エドモンドソン博士の講義のエッセンス

    • 心理的安全性について共通認識を持つこと
    • その上で、仕事について自由に発言する場を設けること

    組織やチームにとって重要な内容であるにもかかわらず、自分の考えを言わず、質問を控え、黙っていたことが何度ありますか?従業員が安心して発言できるようにするには、心理的に安全な環境を整える必要があります。

    本コースでは、対人関係の不安がいかに組織をむしばむか、そして、その乗り越え方をさまざまな事例を通じて学習します。

    エドモンドソン博士が直接語る動画を通じて、概要、事例、教訓を学ぶことができるのでおすすめです。

    本コースの活用で組織内の心理的安全性向上が期待できます。

    また、本コンテンツを社内の多くの方が学び、共通認識を醸成していくことが重要です。

    注意点は誰か人事部門の人が知っていればよいという話ではないということです。組織内全員が共通認識を持ち、その上でワークショップなどを行う機会を設け、社員間で対話をすることが効果的です。

    そのような活動を通じて、業務を進める中でちょっとしたことでも、気になることがあれば、気軽に相談できる、気軽に声を上げられる組織を作っていくことが重要です。

      心理的安全性がつくる恐れのない職場コース① eラーニングコンテンツのご紹介です。組織やチームにとって重要な内容であるにもかかわらず、自分の考えを言わず、質問を控え、黙っていたことが何度ありますか? 従業員が安心して発言できるようにするには、心理的に安全な環境を整える必要があります。 本コースでは、対人関係の不安がいかに組織をむしばむか、そして、その乗り越え方を様々な事例を通じて学習します。 講師:エイミー・エドモンドソン 株式会社LDcube
      心理的安全性がつくる恐れのない職場コース② eラーニングコンテンツのご紹介です。組織やチームにとって重要な内容であるにもかかわらず、自分の考えを言わず、質問を控え、黙っていたことが何度ありますか? 従業員が安心して発言できるようにするには、心理的に安全な環境を整える必要があります。 本コースでは、対人関係の不安がいかに組織をむしばむか、そして、その乗り越え方を様々な事例を通じて学習します。 講師:エイミー・エドモンドソン 株式会社LDcube

    まとめ

    "心理的安全性"がビジネスに 必要な理由とは? エドモンドソン博士が示す心理的安全性を高める方法などについて解説してきました。

    • エイミー・C・エドモンドソン博士とは
    • そもそも心理的安全性とは
    • 心理的安全性が注目される背景
    • 心理的安全性が重要視される理由
    • 心理的安全性が低い職場で起こること
    • 心理的安全性を高める方法
    • エドモンドソン博士のメッセージ
    • 心理的安全性の問題点と課題
    • エドモンドソン博士のマイクロラーニング

    株式会社LDcubeでは、サービスの特徴の1つとして、エドモンドソン博士はじめ、MBAの著名教授陣のマイクロラーニングコンテンツを用意しています。

    エドモンドソン博士の他、マーシャル・ゴールドスミスやアダム・グラント、トム・ピーターズなど著名人のコンテンツを用意しています。

    日本国内においてはなかなか直接触れることのできない動画講義を通じて知見を広げることができます。

    このような高品質な学習コンテンツを活用し、コホート型学習(※1)を展開してみてはいかがでしょうか。
     
    (※1)コホート型学習(Cohort Based Courses):グループ単位で一緒にオンラインコースを受け、ほかの参加者と一緒のペースで学びを行っていく、インタラクティブな学習スタイル

    ▼本記事をまとめた資料はこちらからダウンロードできます。

    心理的安全性資料

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    マイクロラーニング資料

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