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リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント

「リーダーシップ開発に取り組まなければと思っているが、何から手をつければいいのかわからない」
このように悩んでいる方が、増えています。

近年、VUCA時代と呼ばれる不確実性の高い環境において、リーダーシップ開発の重要性がますます高まっています。優れたリーダーを育成することは、企業の存続に直結する重要課題です。

しかし、効果的なリーダーシップ開発プログラムを設計・実施するには、専門的な知識とノウハウが必要であり、 多くの企業が戸惑いを感じているのが現状です。

本記事では、リーダーシップ開発の基礎知識から、企業における実践ステップ、効果的な進め方のコツまで、 実務に役立つ情報を網羅的に解説します。

ご一読いただくと、従業員のリーダーシップを最大限に引き出し、組織力を飛躍的に高める手がかりが見つかるはずです。

▼ 自己啓発でマネジメントについて学ぶポイントについては下記で解説しています。

  自己啓発でマネジメントを学び、生かすポイントとは?キャリアアップに生かすコツも紹介 本記事では、自己啓発でマネジメントスキルを向上させるヒントとその実践方法を解説します。能力向上のための知識習得から、マネジメントスキルを生かしたキャリアアップまで、リーダーとしての力を伸ばすための具体的なステップや活用できるeラーニングコース紹介します。 株式会社LDcube

▼ リーダーシップ開発に適した年齢が調査により分かりました。下記にまとめています。

能力開発に適した年齢資料

▼ リーダーシップ開発に関連して、次世代リーダーの選抜と育成について資料にまとめました。

次世代リーダーの選抜と育成資料

目次[非表示]

  1. 1.リーダーシップ開発の基礎知識
    1. 1.1.リーダーシップ開発とは何か
    2. 1.2.リーダーシップとマネジメントの違い
  2. 2.リーダーシップ開発に投資する意義
    1. 2.1.VUCA時代への対応
    2. 2.2.人材不足
    3. 2.3.Z世代以降の意識変化
  3. 3.リーダーシップ開発を実践する流れ 6ステップ
    1. 3.1.目的と目標の明確化
    2. 3.2.現状分析とニーズの特定
    3. 3.3.プログラムの設計
    4. 3.4.予算とリソースの確保
    5. 3.5.参加者の選定
    6. 3.6.プログラムの実施
  4. 4.リーダーシップ開発を効果的に進めるコツ
    1. 4.1.学びを可視化する仕組みを取り入れる
    2. 4.2.プログラムの質を重視する
    3. 4.3.実践を通じてリーダーシップを育む
  5. 5.まとめ

リーダーシップ開発の基礎知識

「そもそも、リーダーシップ開発って、どんなもの?」
というシンプルな疑問から解決していきましょう。

最初に、リーダーシップ開発の基本的な概念について説明します。

  1. リーダーシップ開発とは何か
  2. リーダーシップとマネジメントの違い


リーダーシップ開発とは何か

リーダーシップ開発とは、従業員のリーダーシップスキルを向上させるための取り組みを指します。

目的は、組織内の特定の個人が、より有能なリーダーになり、チームや組織の目標達成に貢献できるようにすることです。

リーダーシップ開発には多様な要素が含まれており、それぞれが重要な役割を果たしています。


【リーダーシップ開発の要素の例】
 
研修プログラム
リーダーシップに関する知識やスキルを体系的に学ぶ機会を提供します。講義、ワークショップ、ケーススタディなどを通じて、リーダーシップの理論と実践を学びます。

コーチング
個別のニーズに合わせた支援を提供します。コーチは、対象者の目標設定、課題解決、パフォーマンス向上をサポートします。対話を通じて気付きを促し、行動変容を促進します。

メンタリング
経験豊富な先輩社員などをメンターとして任命し、メンティー(対象者)の相談相手となります。メンターは傾聴と、必要に応じた助言を通じてサポートします。
 
実践的な経験
リーダーシップスキルを実際の業務で発揮する機会を提供します。プロジェクトリーダーなど、リーダーシップを発揮できる役割を任せることで、実践を通じて成長できます。
 
アセスメント
対象者のリーダーシップ能力を評価し、強みと開発すべき点を明らかにします。アセスメントの結果をもとに、個別の開発計画を立案し、効果的な学習を促進します。

これらの要素を組み合わせることで、対象者の能力開発を多角的にサポートする取り組みが、リーダーシップ開発です。

単なる知識の習得にとどまらず、実践的なスキルの向上と行動変容を促すことが鍵となります。

リーダーシップとマネジメントの違い

「リーダーシップとマネジメントは、何が違うのか?」
というご質問を受けることがあります。

リーダーシップとマネジメントは、重複する部分も多いのですが、あえて違いをわかりやすく区別すれば、以下の通りです。


リーダーシップ
組織の方向性を示し、ほかの従業員を導いて目標達成に向けて動機付ける能力です。具体的には、ビジョン設定、動機付け、チームビルディングなどが含まれます。
 
マネジメント
限られた経営資源を効果的に配分し、組織運営を最適化する能力です。具体的には、業務の効率化、問題解決、リスク管理などが含まれます。

リーダーシップとマネジメントの違い

ただし、広義でのマネジメントは、組織目標の達成のために、計画・組織化・指揮・統制を行う活動全般を指します。「リーダーシップはマネジメントに含有される」という見方もできるでしょう。

優れたリーダーは、マネジメントスキルを発揮して組織運営を進める一方で、強力なリーダーシップでメンバーをけん引します。

将来の経営幹部や後継者を育成する際には、マネジメントとリーダーシップの両方スキルを、バランスよく磨くことが重要です。

従来、多くの企業ではマネジメントスキルの向上に重点が置かれてきました。しかし、近年のビジネス環境の変化に伴い、リーダーシップ開発への関心が高まっています。

詳しくは以下に続きます。

リーダーシップ開発に投資する意義

リードするイメージ画像

近年、リーダーシップ開発への関心が高まっています。リーダーシップ開発に投資する意義は、どこにあるのでしょうか。

ここでは、とくに注目される3つの背景について、説明します。

  1. VUCA時代への対応
  2. 人材不足
  3. Z世代以降の意識変化


VUCA時代への対応

1つめのポイントは「VUCA時代への対応」です。

現代社会は、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)といった特徴を持つ、VUCA時代の渦中にあります。

VUCAの時代説明資料

このような時代において、組織を成功に導くためには、変化に柔軟に対応できるリーダーシップが不可欠です。

従来のようなトップダウン型のリーダーシップだけでは、複雑化する課題へ対応が困難になっているといえるでしょう。


【現代のリーダーに求められる資質】

洞察力
変化の兆候を素早く察知し、限られた情報の中で状況把握するスキルが必要です。十分なデータがそろっていなくても仮説を立て、推察しながら真実に近づく力が求められます。
 
柔軟性
変化の激しい環境下では、状況に応じて柔軟に対応することが不可欠です。先入観にとらわれず、新しい価値観や発想を取り入れる柔軟性が求められます。
 
決断力
不確実な状況下で、迅速に意思決定を行う能力は非常に重要です。VUCA時代の意思決定は難しいケースが多く、最適解を導く高度な思考力と、必要なタイミングで果断に決める心の強さが必要です。
 
協調性
多様なバックグラウンドを持つメンバーをまとめ、協力体制へ導く必要があります。リーダーには、異なる意見を尊重し、対話を通じて合意形成を図る能力が求められます。
 
グローバル感覚
ビジネスのグローバル化が進む中、リーダーには異文化理解力とグローバルな視野が求められます。自国の常識にとらわれず、グローバルな価値観を身に付ける必要があります。

VUCA時代を生き抜くためには、これらの資質を備えたリーダーの存在が欠かせません。


リーダーシップ開発への投資を通じて、時代に合ったリーダーシップを発揮できる人材を育成することが求められています。

人材不足

2つめのポイントは「人材不足」です。

少子高齢化の進展や労働市場の流動化により、人材の確保と定着は難しい課題です。

下グラフは、従業員の過不足状況を示す指標である「従業員数過不足DI」の推移です。

コロナ禍でいったん過剰に振れたものの、以降は右肩下がりが続いています。つまり、深刻な人手不足の状況にあるということです。

中小企業白書 従業員不足グラフ


出典:中小企業庁「中小企業白書 2023年版」

人材不足が深刻化する中、組織の持続的成長を実現するためには、優秀な人材を惹きつけ、育成し、定着させる仕組みづくりが不可欠です。

リーダーシップ開発は、そのような人材マネジメントの柱としても、注目されています。


【リーダーシップ開発が人材不足の解決に貢献する理由】

内部育成の強化
リーダーシップ開発を通じて内部育成に注力することで、将来を担うリーダー人材を組織内から輩出できます。外部採用と比べ組織文化への適合性が高く、コスト面でも効率的です。経営幹部候補となる逸材を早期に見いだすことも、離職防止に有益です。

エンゲージメントの向上
リーダーシップ開発によって、優秀な人材へ自己成長の機会を提供し、キャリアアップの道筋を示すことは、モチベーションに寄与しエンゲージメント向上に貢献します。

組織文化の醸成
リーダーシップ開発は、組織の求める価値観や行動様式を浸透させるうえで、重要な役割を果たします。リーダーシップ開発プログラムを通じて望ましい組織文化が醸成されれば、それが採用力の向上へつながります。

人材不足が深刻化する中、リーダーシップ開発への投資は、優秀な人材の確保と定着を実現する重要施策といえます。

Z世代以降の意識変化

3つめのポイントは「Z世代以降の意識変化」です。

世代間のギャップを理解し、それぞれのニーズに合ったアプローチを取ることが、組織としての急務となっています。

とりわけ、Z世代(1990年代後半から2010年代前半までに生まれた世代)以降の若手社員は、仕事に対する価値観や期待が、従来の世代と異なることが指摘されています。


【Z世代以降の特徴とリーダーシップ開発への影響】

ワークライフバランスの重視
Z世代以降の若手社員は、仕事と私生活のバランスを重視する傾向があります。リーダーシップ開発プログラムにおいては、柔軟な働き方やメンタルヘルスケアなどの要素を取り入れることで、若手社員のニーズに応えることが重要です。

目的意識の重視
Z世代以降の若手社員は、仕事の意義や社会的インパクトを重視する傾向があります。リーダーシップ開発プログラムでは、組織のミッションや目的を明確に伝え、若手社員の目的意識を高めることが求められます。

学習機会の重視
Z世代以降の若手社員は、自己成長に対する意欲が高く、学習機会を求める傾向があります。リーダーシップ開発プログラムにおいては、多様な学習機会を提供し、若手社員の成長意欲に応えることが必要です。

多様性の尊重
Z世代以降の若手社員は、ダイバーシティ(多様性)を尊重する傾向があります。リーダーシップ開発プログラムにおいては、インクルーシブ(包括的)な組織文化の醸成に努め、多様な背景を持つ若手社員が活躍できる環境を整備することが求められます。

多様化する人材を生かし、組織の持続的成長を実現するために、Z世代以降の意識変化に対応したリーダーシップ開発が不可欠なのです。

リーダーシップ開発を実践する流れ 6ステップ

リーダーシップについてレクチャしているイメージ画像

続いて、実践の話をしていきましょう。リーダーシップ開発を実践するには、以下のようなステップを踏むことが重要です。

  1. 目的と目標の明確化
  2. 現状分析とニーズの特定
  3. プログラムの設計
  4. 予算とリソースの確保
  5. 参加者の選定
  6. プログラムの実施

以下でそれぞれ解説します。

目的と目標の明確化

1つめのステップは「目的と目標の明確化」です。

リーダーシップ開発に注力する意義や達成目標を明らかにし、組織の戦略や価値観との整合性を確保することは、効果的なリーダーシップ開発プログラムを設計する上で欠かせません。


【目的と目標の明確化のポイント】

リーダーシップ開発の目的を組織のビジョンと結びつける
リーダーシップ開発の目的を、組織のビジョンや長期的な目標と関連付けることが重要です。これにより、リーダーシップ開発が組織の未来にどう貢献するかが明確になります。

目標をSMARTに設定する
目標設定には、SMART(Specific、Measurable、Achievable、Relevant、Time-bound)の原則が有効です。具体的で測定可能な目標を設定し、達成可能でありながら、組織にとって意味のある目標を掲げます。期限を明確にすることで、目標達成に向けた行動が加速します。

ステークホルダーとの合意形成を図る
リーダーシップ開発の目的と目標は、経営層、人事部門、現場のマネジャーなど、関係する社内のステークホルダーとの合意形成が不可欠です。関係者の理解と支援を得ることで、リーダーシップ開発の実効性が高まります。

目的と目標を明確にし、関係者を巻き込んでいくことで、リーダーシップ開発プログラムの設計や実施を進める土台が整います。

目標設定に関しては、以下の記事もご覧ください。

  人材育成の目標とは?目標設定の仕方やこれからの時代の重要ポイントを解説! 組織内での人材育成の目標には2つの視点があります。一つは、社員に成長してもらうため目標を設定し、それを基に育成を進める個人面の視点です。もう一つは、組織における人材育成そのものの目標という組織面の視点です。本記事ではこれら2つの視点から解説します。 株式会社LDcube


現状分析とニーズの特定

2つめのステップは「現状分析とニーズの特定」です。

目的と目標を明確にしたら、次は現状分析とニーズの特定に取り組みます。組織のリーダーシップ開発の現状を把握し、課題や強化すべき点を浮き彫りにすることを目指します。

リーダーシップ開発プログラムの対象者となる人材のニーズや希望を理解することも、成功の鍵を握ります。


【現状分析とニーズ特定の方法】

組織のリーダーシップ開発の現状を把握する
現状分析の第一歩は、組織におけるリーダーシップ開発の取り組み状況を把握することです。過去のリーダーシップ開発に準ずる取り組みを振り返り、体系的に整理します。

リーダーシップに関する課題を特定する
現在、どのような問題を抱えているのか特定します。経営層や現場マネジャーへのインタビュー、従業員アンケートなどを通じて、リーダーシップに関する課題を可視化しましょう。

想定対象者のニーズや希望を把握する
リーダーシップ開発プログラムの想定対象者のニーズや希望を把握することも重要です。想定対象者へのインタビューやアンケート調査を通じて、リーダーシップ開発に対する期待や課題を明らかにします。

ギャップを分析する
現状分析とニーズ特定の結果を踏まえて、ギャップを分析します。組織が求めるリーダー像と現状のギャップ、対象者のニーズと現状のプログラムのギャップなどを明らかにします。

現状分析とニーズの特定は、リーダーシップ開発プログラムの設計に欠かせないプロセスです。

現状分析とニーズ特定に基づいて、次のステップであるプログラムの設計に進むという段階を踏んだ手順が、非常に重要です。

プログラムの設計

3つめのステップは「プログラムの設計」です。

現状分析とニーズ特定に基づいて、リーダーシップ開発プログラムの設計に取り組みます。

目的や目標に合致した内容を盛り込み、研修・コーチング・メンタリング・実践的な経験など、さまざまな要素を組み合わせることが大切です。


【プログラムの設計のポイント】

目的や目標から逆算する
リーダーシップ開発プログラムの内容は、目的や目標から逆算して設計します。目的や目標の達成に必要不可欠な知識、スキル、行動を特定し、それらを習得するためのカリキュラムを綿密に設計します。

多様な学習要素を組み合わせる
研修、コーチング、メンタリング、実践的な経験など、多岐にわたる学習要素を組み合わせることが有効です。多角的なアプローチにより、学びの効果の最大化を目指します。

対象者の特性やニーズに合わせてカスタマイズする
リーダーシップ開発プログラムは、対象者の特性やニーズに合わせてカスタマイズすることが重要です。対象者の職位、経験、学習スタイル、強み、弱みなどを考慮し、個別のニーズに対応したプログラムを設計します。

具体例を挙げると、まずeラーニングプログラムを活用し、リーダーシップの理論や基本的なスキルを習得させます。

そのうえで、実践的なワークショップやグループディスカッションを通じて、習得した知識を実践に移す機会を設ける、といった組み合わせが考えられます。

【eラーニングプログラムの例】

ビジョンとリーダーシップ説明画像

【学習目標】
・戦略、目標、使命、情熱に照らし合わせたビジョンの本質を理解できます。
・ビジョンの実現を妨げる要因とその対処法に関して学習できます。
・あなたとあなたのチームビジョンとの関わりを確認できます。
・ビジョンに対する弱い信念を特定し、メンバーのモチベーションを高める方法を学習できます。
・リーダーシップの本質を理解し、期待されるリーダーの資質に関して学習できます。

【内容】
・ビジョンとは何か?
・ツールを使ってビジョンを設定する
・具体的で機能を果たすビジョンを作成する
・ビジョンを実行に移す準備
・部下の価値観とモチベーションの構築
・チームにビジョンを浸透させる
・リーダーシップとは何か?

出典:ビジョンとリーダーシップ|eラーニング

上記は、LMS(Learning Management System:学習管理システム)の「CrossKnowledge」にて提供されるeラーニングの一部です。

詳しくは以下のページにてご確認ください。

  LMS・eラーニング「CrossKnowledge」 LDcubeのCrossKnowledgeのご紹介ページです。組織変革・人材育成を50年以上支援するビジネスコンサルタントが持つ集合研修の豊富な知見と、最先端の学習ツールをかけ合わせ、個人と組織に最適な「学び」をデザインし、企業様の競争力強化に貢献します。 株式会社LDcube

なお、プログラムの設計を社内で行う余力がない場合には、外部の人材育成会社に委託することをおすすめします。

リーダーシップ開発社内設計フローチャート

リーダーシップ開発は、質の低い内容を実施しても、無意味になってしまうからです。

よろしければ弊社LDcubeにて、ご相談を承ります。以下のページをご覧ください。
LDcubeが選ばれる理由(お問い合わせ)

予算とリソースの確保

4つめのステップは「予算とリソースの確保」です。

プログラムの内容や規模に応じて、必要な予算を確保し、社内外の講師やコーチなどの人的リソースを手配することを検討します。

プログラム実施に必要な設備や教材の準備も必要です。


【予算とリソースの確保のポイント】

予算の確保と配分
プログラムの内容や規模に応じて、必要な予算を見積もり、経営層の承認を得ます。研修費用・講師やコーチへの報酬・教材費などの項目を考慮する必要があります。

社内リソースの活用
社内に経験豊富なマネジャーやリーダーがいる場合、プログラムの講師やメンターとして起用することを検討します。

外部リソースの選定
外部の講師や専門家など、外部リソースを選定する際は、経験・専門性・評判などを考慮し、組織のニーズに合った人材を見つけることが重要です。

設備や教材の準備
研修会場、オンライン会議ツール、学習管理システムなど、プログラムの形式に応じた設備を手配します。参加者の学びを支援するための教材、ワークブック、オンラインリソースなども準備します。

なお、前出の外部の人材育成会社に委託する場合には、講師の手配や教材の準備などもまとめて依頼できます。

人材育成会社からの提案書と見積書を十分に確認しながら、詳細を詰めていきましょう。

参加者の選定

5つめのステップは「参加者の選定」です。

リーダーシップ開発プログラムの効果を最大化するためには、適切な参加者の選定が鍵となります。プログラムの目的や目標に合致した選定基準を明確にし、対象者を見極めることが求められます。

また、参加者の上司との調整を行い、理解と支援を得ることも欠かせません。


【参加者選定のポイント】

選定基準の明確化
明確な選定基準を設定することが重要です。職位、経験年数、業績、リーダーシップ・ポテンシャル(リーダーとしての資質や可能性)、モチベーションなどの要素を考慮し、プログラムの目的や目標に合致した基準を定めます。

公平性と透明性の確保
選定プロセスを明文化し、関係者に周知することで、選定の公平性を担保します。選定結果とその理由を参加者や上司にフィードバックすることで、透明性を高めます。

上司との調整
参加者の選定においては、上司との調整が欠かせません。部下の業務スケジュールや育成ニーズを把握している上司と連携し、理解と支援を得ることが肝要です。

参加者の多様性の考慮
リーダーシップ開発プログラムには、多彩な背景を持つ参加者を巻き込むことを心掛けます。性別、年齢、職種、文化的背景などの多様性を考慮することで、さまざまな視点や経験が学びに生かされます。

参加者のモチベーションの確認
リーダーシップ開発プログラムへの参加者に、高いモチベーションを持ってもらうことも重要です。自発的な参加意欲を確認し、プログラムの目的や期待値を伝えることで、リーダーシップ開発の取り組みが有意義になるでしょう。



参加者の選定は、リーダーシップ開発プログラムの成果に多大な影響を及ぼす重要なプロセスです。参加者の選定には十分な時間を投じ、綿密に取り組むことが求められます。

次世代リーダー選抜については、以下の記事もご覧ください。

  育てるべきは誰?次世代リーダー選抜の新たな視点 今後のビジネス発展のカギを握るのは「次世代リーダー」ですが、その育成や選抜は容易なことではありません。 本記事では、次世代リーダーに求められる要素や選抜の手法、育成の方法について具体的に解説します。 これからの時代をけん引するリーダーはどのようなスキルやマインドを持つべきなのか、次世代リーダー選抜・育成の最新トレンドを知りたい人材育成担当者の方は必見です。 株式会社LDcube


プログラムの実施

6つめのステップは「プログラムの実施」です。

入念な準備を経て、いよいよリーダーシップ開発プログラムの実施段階に入ります。計画に沿ってプログラムを進行し、参加者の主体的な学びを促進することが重要です。


【プログラムの実施のポイント】

計画に沿った進行管理
リーダーシップ開発プログラムの実施では、計画に沿った進行管理が欠かせません。プログラムの日程、内容、担当者などを明確にし、スケジュール通りに進めていきましょう。
進行状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて軌道修正を行うことで、プログラムの質を維持します。

参加者の主体的な学びの促進
リーダーシップ開発プログラムでは、参加者の主体的な学びを引き出すことが重要です。一方的な知識の伝達ではなく、参加者自身が考え、議論し、実践する機会を提供しましょう。グループワーク、ディスカッション、ケーススタディ、ロールプレイングなど、能動的な学習方法を取り入れることで、参加者の関与と理解を深めます。

実践の機会の提供
リーダーシップスキルは、実践を通じて磨かれます。プログラムの中で、参加者がリーダーシップを発揮できる機会を積極的に設けましょう。プロジェクトリーダー、ファシリテーター、メンターなど、さまざまな役割を通じて、リーダーシップを実践する場を提供します。

フィードバックの提供:リーダーシップ開発プログラムでは、参加者に継続的なフィードバックを提供することが重要です。講師やコーチからのフィードバックに加え、上司や同僚からのフィードバックも活用しましょう。また、自己評価の機会を設け、参加者自身が成長を振り返れるようにします。

参加者の成長を最大限に引き出すことを目指して、実行に取り組んでいきましょう。

リーダーシップ開発プログラムの実施後は、最初に設定した目的・目標の達成状況を評価し、プログラムの改善をして、PDCAサイクルを回していきます。

リーダーシップ開発は一過性のイベントではなく、継続的な取り組みとして定着させていくことが重要です。

リーダーシップ開発を効果的に進めるコツ

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最後に、リーダーシップ開発を効果的に進めるコツをお伝えします。

  1. 学びを可視化する仕組みを取り入れる
  2. プログラムの質を重視する
  3. 実践を通じてリーダーシップを育む


学びを可視化する仕組みを取り入れる

1つめのコツは「学びを可視化する仕組みを取り入れる」です。

「リーダーシップ」は可視化されにくいスキルだからこそ、リーダーシップ開発では、参加者の学びを可視化する仕組みを取り入れることが重要です。

学びの可視化とは、参加者が習得した知識やスキル、態度の変化を明確に把握し、測定することを指します。

学びを可視化すると、参加者自身が成長の実感を得られるのはもちろん、プログラムの改善にも役立ちます。

具体的な可視化の手法としては、ルーブリック(学習の到達度を評価する指標)の活用、ポートフォリオの作成、アセスメントの実施などが挙げられます。

こういった要素を包括的にシステムで実現できる仕組みとして、LMS(Learning Management System:学習管理システム)があります。

LMSには、学習者向け機能と管理者向け機能の双方が備わっており、リーダーシップ開発の基盤として、非常に推奨度の高いものです。


【LMSの学習者向け機能】
・eラーニング(教材・学習コース)の受講
・動画やスライドなどの教材コンテンツの閲覧
・テストの受験と結果の確認
・レポート(課題)の提出
・学習(研修)の進捗率の確認
・学習の評価と講師によるフィードバックの確認 など

【LMSの管理者向け機能】
・eラーニングの配信
・教材のアップロード
・学習コンテンツの作成・編集
・学習(研修)コースの設計・編集
・受講者情報の登録・管理
・アンケートの作成・結果の抽出
・講座(研修)受講状況の確認
・学習進捗状況の確認
・レポーティング など


参考:LMSのすべて!機能から導入メリットまで網羅的に解説

LMSに関しては、わかりやすくまとめた記事を以下にご紹介します。あわせてご覧ください。

  LMSのすべて!機能から導入メリットまで網羅的に解説 社員の知識とスキルの標準化や自律的な学習の定着を目指す際、有効な打ち手となるのがLMS(Learning Management System:学習管理システム)です。研修実施や学習の進捗状況、eラーニングの受講状況を可視化し、パーソナライズ学習を実現します。LMSの機能から導入メリット、サービスの選定ポイントなど解説します。 株式会社LDcube
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プログラムの質を重視する

2つめのコツは「プログラムの質を重視する」です。

質の高いプログラムの提供は、リーダーシップ開発への投資対効果を最大化するために不可欠です。

優れたプログラムは、参加者の心に火をつけ、組織を前進させる原動力になります。

一方、参加者を間違った方向へ導いたり、優秀な参加者に「時間のムダ」と感じさせたりする、低品質なプログラムは、効果がないだけでなく有害です。


【プログラムの質を高めるポイント】

監修者や講師の見極め
プログラムの質を大きく左右するのは、監修者や講師の力量です。リーダーシップ開発の分野で豊富な知見と経験を持ち、参加者を惹きつける人材の関与が不可欠です。

最新のコンテンツと学習方法の導入
リーダーシップ開発の分野では、常に新しい理論や手法が生まれています。最新の知見を積極的にプログラムに取り入れることで、質の高い学びを提供できます。オンライン学習など、時代に合った効率的な学習方法の採用も重要です。

自社に合わせたカスタマイズ
画一的なプログラムでは、自社のニーズや参加者の特性に合わない場合があります。自社の戦略、文化、人材の特徴などを踏まえ、最適なプログラムの設計が求められます。

具体的な手段としてご紹介したいのが、プロが活用する研修プログラムで効果的な社内研修を実施できる「社内トレーナー育成」というサービスです。

社内トレーナー養成事業説明バナー

「研修の効果は高めたいがコスト(費用・時間)はかけられない」
「集合研修のノウハウはあるが、オンライン研修のノウハウはない」

そのような人材育成・開発の手段・方法におけるジレンマの解消を支援するサービスで、詳しくは以下のページよりご確認いただけます。
プロが活用する研修プログラムで 効果的な社内研修を実施「社内トレーナー養成支援」

質にこだわることで、リーダーシップ開発の真の価値を引き出し、組織の未来を担うリーダーを育成していきましょう。

実践を通じてリーダーシップを育む

3つめのコツは「実践を通じてリーダーシップを育む」です。

リーダーシップスキルは、座学だけでは身に付きません。実践的な経験を通じて、リーダーシップを育むことが不可欠です。


【実践を通じたリーダーシップ開発の例】

アクションラーニングの活用
アクションラーニングとは、実際の業務課題に取り組みながら学習を進める手法です。参加者がチームを組み、リアルな課題解決に挑戦します。課題への取り組みを通じて、リーダーシップスキルを実践的に学べます。

ストレッチアサインメントの実施
ストレッチアサインメントとは、対象者の能力を伸ばすために、少し背伸びをしないと達成できないようなチャレンジングな業務を与えることです。通常の業務よりも高度な役割を担うことで、リーダーシップ能力を飛躍的に高める機会を得られます。

社会貢献活動への参加
社会貢献活動への参加も、リーダーシップスキルを実践的に学べる場です。ボランティアとして非営利団体の課題解決に取り組んだり、社会的なプロジェクトをリードしたりすることで、多彩なステークホルダーとの協働を経験できます。

座学と体験をバランスよく組み合わせ、机上の空論ではない、実務で役立つリーダーシップ開発を目指していただければと思います。

まとめ

本記事では「リーダーシップ開発」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

今、リーダーシップ開発に投資する意義として、以下が挙げられます。

  1. VUCA時代への対応
  2. 人材不足
  3. Z世代以降の意識変化

リーダーシップ開発を実践する流れを6つのステップでご紹介しました。

  1. 目的と目標の明確化
  2. 現状分析とニーズの特定
  3. プログラムの設計
  4. 予算とリソースの確保
  5. 参加者の選定
  6. プログラムの実施

効果的にリーダーシップ開発を進めるコツは、次のとおりです。

  1. 学びを可視化する仕組みを取り入れる
  2. プログラムの質を重視する
  3. 実践を通じてリーダーシップを育む

リーダーシップ開発は、組織の持続的成長と競争力強化に不可欠な取り組みです。本記事を参考に、具体的なネクストアクションへと、踏み出していただければ幸いです。

株式会社LDcubeではリーダーシップ開発に向けたプログラムデザインや学習に活用できる高品質なコンテンツ、LMS、経営シミュレーションプログラムなどをご提供しています。また、プロが活用する研修プログラムで効果的な社内研修を実施できる社内トレーナー育成のご支援もしています。無料のデモIDの発行やプログラム体験会などを行っています。お気軽にご相談ください。

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  育てるべきは誰?次世代リーダー選抜の新たな視点 今後のビジネス発展のカギを握るのは「次世代リーダー」ですが、その育成や選抜は容易なことではありません。 本記事では、次世代リーダーに求められる要素や選抜の手法、育成の方法について具体的に解説します。 これからの時代をけん引するリーダーはどのようなスキルやマインドを持つべきなのか、次世代リーダー選抜・育成の最新トレンドを知りたい人材育成担当者の方は必見です。 株式会社LDcube
  次世代リーダー育成の【最重要ポイント】とは!? その鍵はタスクアサイン! 次世代リーダー育成は事業の将来を担う重要な課題となっています。効果的なリーダー育成に必要な要素とはどのようなものでしょうか?本記事では、その鍵と具体的なポイントから注意すべき課題、そして組織の成長と連動したリーダー育成の重要性や具体的な能力開発方法ついて詳しく解説します。 株式会社LDcube
  “新”実践型選抜研修とは!?人材育成の現代ソリューションについて解説! 企業の成長をけん引する優秀な人材育成が急務となっています。そのためには、選抜研修という手法が有効です。この記事では、選抜研修の目的、実施のメリット・デメリット、具体的な運用方法等を詳しく解説し、実施のための参考になる情報を提供します。 株式会社LDcube
  OJTでの経営幹部育成とは? ~次世代は現役世代にしか育てられない!?~ 幹部育成は、企業が持続可能性を保つために不可欠な要素です。次期幹部には、問題解決力やリーダーシップ、意思決定やリスク管理能力が期待されます。企業が幹部を育てる際に、効果的な方法として、経験を通じた学び(OJT)と経営シミュレーションの組み合わせがよく活用されます。 株式会社LDcube
  研修は社内講師で実施?実施のポイントやメリットとデメリットを解説 企業内では人材育成のためにさまざまな研修会が行われています。内部で実施することもあれば、外部に依頼することもあります。社内講師と外部講師のメリット・デメリットや、外部が活用している教材を活用して自社で研修を展開していくポイントなどを紹介します。 株式会社LDcube
  自己啓発でマネジメントを学び、生かすポイントとは?キャリアアップに生かすコツも紹介 本記事では、自己啓発でマネジメントスキルを向上させるヒントとその実践方法を解説します。能力向上のための知識習得から、マネジメントスキルを生かしたキャリアアップまで、リーダーとしての力を伸ばすための具体的なステップや活用できるeラーニングコース紹介します。 株式会社LDcube
  レジリエンスが高い人は業績を上げられる!?理由や方法(研修)を解説 レジリエンスとは、逆境に打ち勝つ力、回復力です。レジリエンスが高い人は業績を上げることができます。現代社会で注目されているポイント、レジリエントな人の特徴や行動特性、企業内での育成方法、ビジネスへの影響について詳しく解説いたします。 株式会社LDcube


LDcube編集部
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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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