
研修講師に必要なのは「話し方」より「準備」|はじめての研修を失敗せずにやり切るための実践ガイド
「人前で話すのが不安」「緊張して頭が真っ白になる」
「何から準備すればいいか分からない」
初めて研修講師を任された多くの人が、同じ不安を抱えます。
結論から言えば、研修は話し上手である必要はありません。
必要なのは、正しい準備を、やるべき水準までやり切ること。それだけです。とはいえ、準備が大切なことは分かっているが、具体的なやり方が分からなくて困っている。 というのが本音かと思います。
私自身も講師として100回以上人前で話していますが、最初は何から手を付けたらいいか分からず、漠然とした不安からあれこれ手を尽くしていました。
本記事では、研修講師未経験者でも「これだけやれば失敗しない」という最低限クリアすべきラインを明確にし、自信を持って研修当日を迎えるための実践ガイドをお伝えします。
▼研修講師についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
▼研修設計や内製化については下記の資料をお役立てください。
目次[非表示]
- 1.初めての研修講師でも失敗しない話し方は「自信を持って話す」こと
- 2.自信を持って話せるようになるための研修の準備
- 2.1.研修の目的を理解する
- 2.2.講師の立ち位置を理解する
- 2.3.研修前に「最低限やるべきチェックリスト」を用意する
- 2.4.当日の急遽のトラブルを防ぐ準備を行う
- 2.5.「やらなくていいこと」を明確化
- 2.6.研修前のマインドセット5つ
- 2.7.よくある失敗を意識して防止策を練る
- 2.8.アウトプットのトレーニングを行う
- 3.研修での話し方を改善する際の注意点
- 3.1.話し方の本を読みすぎない
- 3.2.動画を見すぎない
- 3.3.型を増やしすぎない
- 3.4.話し方を「改善しよう」と思ったら最初にやるべきこと
- 4.研修の話し方を磨くならLDcubeのライセンス講座がおすすめ
- 5.社内講師が効果的な話し方で研修を実施している支援事例
- 6.まとめ:研修の話し方で重要なこと
初めての研修講師でも失敗しない話し方は「自信を持って話す」こと
研修の話し方で最も重要なのは、テクニックではありません。「この人の講義は安心して聴いていられる」と受講生に思わせることです。
受講生にそう思ってもらうために最も重要なことは「自信を持って話す」ということです。ここでは、自信を持って話すためのポイントを3つ紹介します。
基本的に普段の5割増しの大きな声で話す
自信を持って話すための最初のポイントは、「大きな声で話す」ということです。大きな声で話すだけで、受講生は「この講師は自信がありそうだ」と感じることができます。また、自分自身も大きな声で話すにつれて、自然と自信を持って話すことができるようになってきます。
加えて、研修会場では講師が思っている以上に声は通りません。目安は普段の1.5倍の声量を心掛けましょう。
大きな声で話すときのチェックポイント:
頭の中で自分の声がしっかり響くか
後方の受講者に届くか
上記2点を基準に声の大きさを調整すると、適切な声量になります。
声が小さいだけで「自信がなさそう」と受講生に思われてしまいます。まずは、普段の5割増しを意識し、大きな声では話すことが重要です。
内容に合わせて、ボリュームを調整し抑揚をつけて話す
話す内容に合わせて、声のボリュームを調整し、抑揚をつけることも重要なポイントです。全て同じトーンで話すと、内容がどれだけ良くても眠くなります。
重要なポイントは少し声を強める、補足説明などはトーンを落とすといった形で抑揚をつけて話すことを意識してください。
抑揚とは声の強弱です。抑揚をつけるのに感情表現は不要です。メッセージに合わせて声のトーンを変えるだけで十分です。
ゆっくり話す
ゆっくり話すということも、重要なポイントです。緊張すると、人は例外なく早口になります。意識すべきは自分が遅いと思うスピードで話すことです。
ゆっくり話すことで、受講生は安心して講義を聴くことができ、自分自身も緊張が落ち着いてくることで、自信を持った話し方ができるようになります。
ゆっくり話すためのチェックポイント:
一文話したら一呼吸おく
スライドが変わったら一拍おく
上記2点を意識するだけで、話の聞き取りやすさは劇的に改善し、自信を持って話すことができるようになります。
以上のように、初めての研修講師でも失敗しないためには、「大きな声で話す、抑揚をつける、ゆっくり話す」というポイントを意識し、自信を持って話すことが重要です。
自信を持って話せるようになるための研修の準備
自信を持って話すためにはなにより準備が大切です。人前で話す際の緊張や不安は、ほぼ100%準備不足から生まれます。しっかりと準備を行うことで余裕が生まれ、自信を持って話せるようになります。
研修の目的を理解する
研修のゴールは講義の内容を理解することではありません。講義を受けた結果、研修受講者の行動が変わることです。
研修対象者に求められる成果とは何か?
その成果を生み出す行動をとるためには何を学ぶ必要があるか?
この2点を明確に言語化できない研修は、設計ミスです。講師として登壇するためにまずはこの2点を明確にしていきましょう。
× 悪い例 |
これでは、何をもって成功なのか判断できません。 |
〇 良い例 |
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具体アクション |
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講師の立ち位置を理解する
研修講師は、「講師は受講生とともに学ぶパートナーである」という立ち位置を理解しておくことが重要です。
「講師だから完璧にやる必要がある」「講師だから全て知っている必要がある」といった思い込みは排除し、受講生と一緒に学ぶパートナーとして成長に貢献するという心構えで研修に臨みましょう。
× 悪い例 |
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〇 良い例 |
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具体アクション |
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研修前に「最低限やるべきチェックリスト」を用意する
以下の項目は研修準備において最低限必要なことです。これだけは最低限抑えられるようにチェックを行いましょう。
研修全体の流れを正しく把握している
各パートの所要時間を把握している
スライドを通しで1度は声に出して読んでいる
ワークの目的と進め方を説明できる
全てにおいて「読んだ」「見た」では足りません。
受講生に伝わるように説明できるかが準備の基準です。
× 悪い例 |
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〇 良い例 |
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具体アクション |
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当日の急遽のトラブルを防ぐ準備を行う
どれだけ備えていても当日不測の事態は起こります。起こってもいないことに備えることはできませんが、こういったことが起こり得ると想定しておくことで万が一の際に落ち着いて対応ができます。
PCが起動しない
資料が映らない
時間が押す
事前にできる対策は非常にシンプルです。
資料はPCだけでなく紙でも用意しておく
時間が押した場合に削るパートを事前に決めておく
といったように事前に不測の事態を想定しておけば、当日慌てずに対応することができます。
× 悪い例 |
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〇 良い例 |
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具体アクション |
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「やらなくていいこと」を明確化
初めての時こそ不安になって全部やろうとします。がちがちに準備をしすぎてしまうとそれだけ時間がかかってしまいます。準備することを明確にすることで、必要なことを限られた時間の中で準備することができます。
完璧な説明
気の利いた雑談
場を盛り上げる演出
今あげたようなことは全て不要です。研修運営に関係ないことは、思い切ってやらないという意思決定も重要です。
× 悪い例 |
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〇 良い例 |
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具体アクション |
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研修前のマインドセット5つ
研修前には以下のようなマインドセットをして臨んでみてください。
研修はプレゼンではない。伝えることより、理解してもらうことが優先。
うまい話し方より構造化された進行が大切。流れが明確なら、多少噛んでも問題ない。
研修参加者が本当に求めていることは「仕事ができるようになりたい」ということ。
初回で完璧を目指さない。60点で合格だと割り切って行う。
この経験は今後のキャリアに必ず役に立つ。
研修を行う前にこの5つを自分に言い聞かせることで自信を持って研修に臨みましょう。
× 悪い例 |
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〇 良い例 |
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具体アクション |
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よくある失敗を意識して防止策を練る
■ よくある失敗例①:全て自分で説明しようとする
講師として全て自分が説明をして受講生に理解してもらう必要はありません。
テキストやワーク、質問を使うことで受講生に体験的に理解してもらうことも必要ですので、全て自分がやる必要はないと割り切りましょう。
■ よくある失敗例②:研修の目的が曖昧なまま進める
研修の目的が曖昧なままだと受講生は不安になります。今は何の時間なのか?講師は何を伝えたいのか?それが不明確なままだと学習効果は一気に下がってしまいます。
研修の冒頭と最後には学習の目的を必ず言語化して伝え、今は何を学ぶ時間なのかを受講生に周知した上で進行をしてください。
■ よくある失敗③:うまく話そうとしすぎる
研修の目的は受講生に正しい知識を伝え、その結果行動が変わることを後押しすることです。
講師が受講生の心を動かすような素晴らしい講義を行う必要はありません。
「講義の内容が正しく伝わる」これこそが研修講師の役割として求められる一番のポイントなので、うまく話そうとせず、正しく伝えることに重点をおいてください。
アウトプットのトレーニングを行う
研修準備で最も重要なのは、インプットで終わらせず、必ずアウトプットまで行うことです。話し方の不安は、知識不足ではなく口に出した回数の少なさから生まれます。
以下のようなトレーニングは、短時間で効果が出やすいものなので試してみてください。
■トレーニング①:3分説明トレーニング
説明 | スライドやテキストの内容を、制限時間内で言語化する練習です。 |
やり方 |
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得られる効果 |
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■トレーニング②:時間短縮トレーニング
説明 | 研修では、想定どおりに時間が進まないことがほとんどです。このトレーニングは、時間が押したときでも慌てず対応できる力を養います。 |
やり方 |
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得られる効果 |
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■トレーニング③:想定質問トレーニング
説明 | 研修中に受講者が最も感じやすい疑問に、即答できる状態を作る練習です。質問への不安がなくなると、講師としての心理的負担が大きく下がります。 |
やり方 | 以下の2つの質問に、30秒以内で答える練習を行う。
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得られる効果 |
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研修での話し方を改善する際の注意点
初めての研修講師として準備しようとする人ほど、話し方にばかり気が回ってしまいがちです。
短期間で準備をするためには以下の点をやりすぎないことが重要です。
話し方の本を読みすぎない
話し方の本は、基本的に汎用的なプレゼンテーション向けに書かれています。しかし研修はプレゼンテーションではありません。話し方の本を読みすぎることで起きる弊害は明確です。
テクニック過多になり、何を意識すべきか分からなくなる
自分の話し方に違和感を持ち、自然さを失う
「できていない点」ばかりが気になり自信が下がる
結論として、本を読むなら1冊までで十分です。
それも声量や間の取り方など、基本要素が書かれているものだけで十分です。
動画を見すぎない
YouTubeや研修動画は、学習素材としては優秀です。ただし初めて研修を担当する人にとっては逆効果にもなります。動画ばかりを見すぎると、次の状態に陥ります。
プロ講師と自分を比較してしまう
表現や間を無理にまねしようとする
自分には無理だという思考に引っ張られる
冷静に考えてください。
動画に出ている講師は何十回、何百回と同じ研修を回している人たちです。参考にするなら、見るポイントは研修の構造のみです。話し方そのものを盗もうとせず、研修の構造だけ盗むことが正解です。
型を増やしすぎない
「つかみ」「問いかけ」「まとめ方」など、話し方の型は世の中に溢れています。しかし、講師としての経験が浅いうちから型を増やすと多くの場合はします。
理由は単純です。研修中に「次どの型だっけ?」と頭がいっぱいになり、型を使うこと自体が目的化してしまいます。それによって進行がぎこちなくなってしまうので、研修で必要な型は、3つで十分です。
これから何をやるかを伝える
なぜそれが必要かを説明する
何を持ち帰ってほしいかをまとめる
この3点が毎パートでそろっていれば研修は成立しますので、型を増やすよりも、同じ型を安定して発揮ができるようにトレーニングを行ってください。
話し方を「改善しよう」と思ったら最初にやるべきこと
話し方に課題を感じたとき、真っ先に直すべきは話し方ではありません。
構成は分かりやすいか
目的は明確か
受講者にアウトプットさせる時間は取れているか
ここが整理された後で、初めて話し方が必要となってきます。
話し方はスキルではなく、効果的な構成設計さえできれば、結果的についてくるものです 。この順番を間違えないことが、研修講師として最短で成長するコツです。
研修の話し方を磨くならLDcubeのライセンス講座がおすすめ
研修の話し方を磨き、研修講師として活躍するには、効果的で信頼できるプログラムやツールを活用しながら、研修講師を養成するLDcubeの「ライセンス講座」がおすすめです。
LDcubeのライセンスプログラムの特徴 |
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初めての研修講師が研修を確実に成功させるためには、自身だけで全てを用意する必要はありません。LDcubeのライセンスプログラムを活用することで、体系的なカリキュラムと高品質な教材、インタラクティブな学習方法、フレキシブルな研修形式、実績に裏打ちされた信頼性、そして手厚いコーチングサポートを得ることができます。
研修講師が初めての人でも自信を持って研修を進めることができ、受講者にとっても充実した学びの時間を提供できることでしょう。
▼ライセンス講座についての詳細は下記をご覧ください。
⇒社内トレーナー養成支援|LDcube
社内講師が効果的な話し方で研修を実施している支援事例
リコージャパン株式会社
社員数:18,000名以上
■ 背景・課題:
リコージャパン株式会社では、2010年の販売会社統合以降、各支社の固有の課題に対応できず、教育施策が本部主導で一方的になるなどの課題がありました。
また、縦割り組織文化がコミュニケーションの希薄化を招いていました。これらの課題を解決するために、社員自らが強みや弱みを理解し合い、横のつながりを強化する取り組みが求められていました。
■ LIFOプログラム(社内トレーナーライセンス)の導入:
その中で、LIFOを導入しました。LIFOの活用を通じて、社員一人一人の個性を診断し、自己理解と他者理解を促進しました。これにより、飲み会などでの非公式なコミュニケーションが減少する中でも、社員同士の人間関係を深めるための新たな手段を提供することができるようになりました。
また、LIFOライセンスを取得することで、社内トレーナーが自主的に研修を行えるようになり、組織風土改革を進めました。LDcubeとの協力により、多様なワークショップを展開し、各支社が抱える具体的な課題に対応できるようになりました。
■ 社内展開:
プログラムの展開においては、事前のLIFO診断、ワークショップの実施、職場での実践、効果検証のサイクルを組み込みました。
参加者は、研修後の職場実践を通じて得られたスキルを評価し合い、PDCAサイクルを回すことで、持続的なスキルアップを図っています。ラーニングプラットフォーム「UMU」を活用し、受講者同士が学び合う環境を整備しました。
■ 社内トレーナーによる研修実施後の反応:
導入後、プログラム受講者の満足度は高く、多くの支社で「対人関係」や「マネジメント能力」などにおいて数値的な改善が見られました。
LIFOを活用したレクチャーは「人」の問題の解決に寄与し、特にアウトプット重視の体験学習が効果的だったとされています。UMUの活用と一連の学習サイクルの設計により、事務局の負担軽減と学習効果の向上が実現しました。
■ 今後に向けて:
今後は、各支社や部門の課題に寄り添い、人材育成を継続的にサポートすることで、社員個々の自己成長と組織全体の活性化をさらに推進する予定です。
また、導入されたプログラムは、社員の特性に基づく行動変容を促すとともに、他部門にも勧められる内容として評価されています。
これにより、組織内のさまざまな課題を解決し、全体の一体感を更に高められることが期待されています。
▼本事例はインタビュー記事の一部です。インタビュー記事全文はこちらからご覧ください。
⇒リコージャパン株式会社様 ライセンスプログラム導入事例
まとめ:研修の話し方で重要なこと
研修講師に必要なのは「話し方」より「準備」|初めての研修を失敗せずにやり切るための実践ガイドについて紹介してきました。
初めての研修講師でも失敗しない話し方の本質は「自信」
自信を持って話すための研修準備
研修の話し方を改善する際の注意点
研修の話し方を磨くならLDcubeのライセンス講座がおすすめ
社内講師が効果的な話し方で研修を実施している支援事例
初めての研修講師が効果的な話し方を身に付けるのに必要なのは、才能でも話術でもありません。まずは、自信を持って話せるようになることです。その上で、以下のポイントを押さえて準備と構成を進めることが重要です。
目的を理解する
やるべき準備をやり切る
やらなくていいことをやらない
この3点を押さえれば、研修は必ず成立します。
不安なのは、真剣だからです。そしてその真剣さは、準備に変えた瞬間に自信になります。どんなに素晴らしい講師にも初めての瞬間はありました。必要な準備さえできていれば、必ず自信を持ってやりきることができるはずです。
株式会社LDcubeでは、プロの外部講師が活用している研修プログラムを社内トレーナーの方々にも提供しています。これらの研修プログラムを活用いただくことで、プロさながらの研修を社内でも展開することができます。
また、研修の充実化を図るためのeラーニングやLMS、経営シミュレーションアプリなどの提供も行っています。これらを使いこなすことで、社内講師でもかなり充実した研修を展開することが可能となります。
無料でのプログラム体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。
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