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【管理職向け】自己肯定感が低い人の特徴と影響とは?正しい対処法などを具体的に解説!

「チーム内に自己肯定感が低い人がいて、引っかかる言動が見られる…」

管理職として部下を成長させ、より良い組織にしたいと考え日々奮闘している人の中には、上記のような悩みを抱えており、自己肯定感が低い人について理解を深めようとしている方もいるのではないでしょうか。

自己肯定感が低い人かどうかを見分けるコツは、「物事を他人軸で捉えるか、自分軸で捉えるか」です。

他人の目を気にしたり、自分と他人を比較したりしているからこそ、ネガティブな言動が目立つのです。

しかし、実はあなたが認識していないだけで、自己肯定感が低い人は意外と多くいることをご存じでしょうか。

こども家庭庁の委託を受けた株式会社インテージリサーチ(所在地:東京都東久留米市、代表取締役社長:村上清幸)は、2023年11月から12月に日本、アメリカ、ドイツ、フランス、スウェーデンの各国満13歳から満29歳までの男女合計5,283人を対象に、自己認識に関するWebアンケート調査を行いました。

その結果、「自分自身に満足しているか」という質問に否定的な答えを示した人の割合は、日本人が最も多かったのです。

	自分自身への満足度 表

出典:こども家庭庁「我が国と諸外国のこどもと若者の意識に関する調査(令和5年度)」

あなたが「自己肯定感が低い人」と認識している人以外にも、自分自身に満足できない状態で仕事をしている人は、意外と多く存在します。

本記事では、自己肯定感が低い人の特徴や自己肯定感が低くなる原因について解説したうえで、組織で行うべき2つの効果的な対処法を紹介します。

本記事を読めば、自己肯定感が低い人に対してあなた自身が何をすべきかがわかり、社員の成長を促しながら働きやすい組織づくりを目指せるでしょう。

目に見えている以上に多く存在する自己肯定感の低い人への理解を深め、より良い組織をつくるために、ぜひ最後までお読みください。

▼自己肯定感についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。

▼自己肯定感を高める講座を受講した参加者の生の声などは下記の事例で紹介しています。
大学生が自己肯定感を高める講座を受講~ねらいと成果、受講前後の変化とは~

  武庫川女子大学 大学生が「自己肯定感を高める講座」を受講 ねらいと成果、受講前後の変化とは 価値観が多様化する現代社会において若手社員の自己肯定感を高めるためにはどのような施策が有効なのでしょうか。好事例が、兵庫県の武庫川女子大学にあります。同大学の経営学部が、社会人向け「自己肯定感を高める講座」を学生向けにリメークし実施しました。その結果、実際に学生の自己肯定感が高まったことがわかりました。 株式会社LDcube

▼ 自己肯定感を高める研修プログラム(HEP)の資料はこちらからダウンロードできます。

HEPバナー

目次[非表示]

  1. 1.自己肯定感が低い人は「他人軸で物事を捉えている」
  2. 2.自己肯定感が低い人が生まれる原因は「肯定されなかった体験や過去の失敗が根深く残っている」から
    1. 2.1.幼少期に肯定されずに育った
    2. 2.2.過去の失敗が足枷になっている
  3. 3.自己肯定感が低い人がいることで組織に起こる悪影響
    1. 3.1.生産性が低下する
    2. 3.2.適切な意思決定ができなくなる
    3. 3.3.人間関係が悪化する
    4. 3.4.納期が守られなくなる
  4. 4.自己肯定感が低い人には「正しい接し方」と「環境整備」を揃えて対処しよう
  5. 5.自己肯定感が低い人への正しい接し方
    1. 5.1.部下の言動を否定せずに「存在そのものや培ってきた努力」を認めよう
    2. 5.2.否定的な言葉や能力を褒める言動は絶対にNG
  6. 6.自己肯定感が低い人のために整えるべき環境
    1. 6.1.本人が継続的な意識改革に取り組める制度を整える
    2. 6.2.周囲の理解を促し安全な環境を構築する
  7. 7.​​​​​​​自己肯定感が低い人がいる組織で結果を出すには社員教育が必要
  8. 8.ヒューマン・エレメント・プログラム(HEP)導入事例
  9. 9.まとめ

自己肯定感が低い人は「他人軸で物事を捉えている」

	自己肯定感 低い人 他人軸 図

冒頭でもお伝えしたとおり、自己肯定感が低い人は、「他人軸で物事を捉える」傾向があります。

あなたの周囲にいる自己肯定感が低い人は、他人の目を気にしたり、自分と他人を比較したりしているからこそ、ネガティブな言動が目立つのではないでしょうか。

  • 自分軸:
    他人の考えを優先せず、「自分はどうしたいのか」を基準にして行動すること

  • 他人軸:
    自分よりも他人の考えを優先し、「相手はどうしたいのか」を基準にして行動すること

他人軸で生きると、自分がどうしたいかではなく、他人に嫌われず認められることを優先してしまいます。

その結果、精神的に疲れて仕事に悪影響が出てしまい、さらに自己肯定感が低くなるという悪循環に陥ることも少なくありません。

自己肯定感が低い人と普通の人は、考え方に以下のような違いがあります。

【自己肯定感が低い人と普通の人の考え方の違い】

シチュエーション

自己肯定感が低い人

普通の人

失敗する

他人からの評価が下がるかも
→過剰に失敗を恐れる

できなかったらどうしよう/やったことがないから不安

意見を主張する

意見を言うことで周りの人に嫌われる/できない人だと思われる
→優柔不断すぎる言動が目立つ

自分の考えに自信が持てない

他人と自分を比較する

自分が周りより劣っているのをできるだけ隠したい
→他人よりも自分が優れている点を必死に探す

自分の立ち位置を確認したい

反応や評価を受ける

自分が劣っているせいで周りの人に嫌われる
→他人の反応や評価を過剰に気にする

自分がどう思われているか気になる

助けを求める

完璧にこなさなければ認めてもらえない/できない人だと思われる
→苦しい状況でもSOSを出せない

できていないと怒られそう

自己肯定感が低い人には、例えば以下のような言動が見られます。

「◯◯さん(同僚)ってどうなんですか?」
「◯◯さんから見て私ってどうですか?まずいですよね」
「私なんかが言うのも申し訳ないんですけど、〜〜」
「すみません。私の能力が足りず、こちらが進んでいないのですが、〜〜」

上記のように自分と他人を過剰に比較したり、評価を気にしすぎたりする言葉や自分の能力を否定する言葉が多く見られる人は、自己肯定感が低い人と判断できます。

自己肯定感が低い人が生まれる原因は「肯定されなかった体験や過去の失敗が根深く残っている」から

	自己肯定感 低い 原因

自己肯定感が低い人の特徴を確認し、当てはまる言動をよくする社員が周囲にいると感じたあなたは、なぜ彼らの自己肯定感が低いのかが気になっているかもしれません。

自己肯定感が低い人が生まれる原因は、肯定されなかった体験や過去の失敗が根深く残っているからだと考えられます。

  • 幼少期に肯定されずに育った
  • 過去の失敗が足枷になっている

自己肯定感が低い人に対する理解を深めるために、自己肯定感を低くしてしまう原因について詳しく確認しましょう。

幼少期に肯定されずに育った

自己肯定感が低い人は、幼少期に自身の言動を肯定されずに育ったケースが多くあります。

親や教師などの身近な大人から褒められず、責められて育った場合、自己肯定感が低い大人になってしまいます。

例えば、子どもが親にテストの点数を報告した以下のケースでは、親がどちらの反応をすることで子どもの自己肯定感を高められるでしょうか。

自己肯定感 子供と親 関係図

結果を認めて褒めている左のケースで子どもの自己肯定感が高まり、満点が取れなかったと責める右のケースで子どもの自己肯定感が下がるのは明らかです。

長年にわたって親や教師から責められ否定され続けると、自分を認められずに自己肯定感を高く持てなくなってしまいます。

過去の失敗が足枷になっている

幼少期の教育に問題がなくても、過去の大きな失敗やトラウマになるような体験が足枷になっているせいで、自己肯定感が低い人もいます。

過去の失敗で辛い思いをした結果、「自分にはできない」と失敗を恐れるようになる人は少なくありません。

スキルやマインドが備わっていないせいで失敗したとしても、続け様に失敗することで「自分は人間的にダメだ」と思うようになります。

自分にはできないという否定的な思考は強力なので、不安感がなかなか消えず、フラッシュバックすることもめずらしくありません。

これまでの人生で成功体験が少なかった人や、自分にコンプレックスを抱えている人は、自分の価値を認められずに自己肯定感が低くなってしまう傾向があります。

自己肯定感が低い人がいることで組織に起こる悪影響

過去の失敗 幼少期の教育

自己肯定感が低い原因は、幼少期の教育や過去の失敗であることがわかりました。

過去の辛い体験が原因である以上、自己肯定感が低い人が自分の価値を認められるようになるのは簡単ではありません。

しかし、組織の成長を日々考える立場であるあなたは、自己肯定感が低い人を適切に成長させる必要があります

なぜなら、自己肯定感が低い人がいることで、組織にさまざまな悪影響が起こるからです。

自己肯定感が低い人がもたらす悪影響を、具体的に確認しましょう。

  • 生産性が低下する
  • 適切な意思決定ができなくなる
  • 人間関係が悪化する
  • 納期が守られなくなる

生産性が低下する

自己肯定感が低い人が組織にいると、生産性が低下する恐れがあります。

自己肯定感が低い人は、「自分にはできない」と落ち込みやすく、モチベーションが低下しやすいです。

また、自分の能力や行った仕事に価値を見出せないからこそ、仕事にエネルギーを向けられず、生産性が低下しやすい傾向があります。

さらに、周囲の人にも影響をおよぼすケースがあることも覚えておかなければなりません。

ネガティブな空気には引っ張られやすいため、モチベーションが低く否定的な言動が目立つ社員がいると、組織全体の生産性が低下する可能性があります。

実際に、自己肯定感(自尊心)と生産性の間に正の相関関係があると示す論文があり、自己肯定感の低さが生産性の低下につながることは国内外で共通しています

参考:Frontiers in Psychology「The relation between Self-Esteem and Productivity: An analysis in higher education institutions」

適切な意思決定ができなくなる

自己肯定感が低い人がいる組織では、適切な意思決定ができなくなるリスクがあります。

自己肯定感が低い人は、自分の意見を否定されることを恐れるので、自ら発信するのを避けがちです。

自己肯定感が低い人が集まることで、組織のコミュニケーションが減り、適切な判断ができなくなる恐れがあります。

また、自己肯定感が低い人は失敗を恐れるあまり、新しい挑戦を避けがちです。

その結果、会社として本来行うべきことができなくなり、利益につながらないケースが考えられます。

人間関係が悪化する

自己肯定感が低い人が組織にいることで、人間関係が悪化する恐れがあります。

自己肯定感が低い人は、他人からどう見られているかを過剰に気にするあまり、他人に依存しがちです。

他人の評価を気にしすぎて自分が疲れたり、依存された相手が疲れたりして、人間関係が悪化するケースが考えられます。

人間関係の悪化はチームや組織全体の士気にかかわるので、長期的に見ると会社にとって大きな損失です。

納期が守られなくなる

自己肯定感が低い人が組織にいると、納期が守られなくなるリスクがあります。

自己肯定感が低い人は他人からの評価を気にするので、仕事を断れない傾向があります。

仕事を引き受けすぎて大変な状況になっても、できない奴だと評価されるのを恐れ、ヘルプを出せません。

その結果、進捗が滞ったり、納期に間に合わなくなったりするケースがあります。

進捗を乱してしまったと自分を責めた結果、抱え込むようになってさらに仕事が遅れるという悪循環に陥ることもめずらしくありません。

自己肯定感が低い人には「正しい接し方」と「環境整備」を揃えて対処しよう

正しい接し方 環境整備

自己肯定感が低い人がいることで、組織に悪影響が出るリスクがあるとお分かりいただけたと思います。

あらゆるリスクを避けるためにも、部下を指導して組織の成長を目指すあなたは、自己肯定感が低い人に対して適切な対処を行わなければなりません。

自己肯定感が低い人には、「正しい接し方」と「環境整備」が必須です。

正しい接し方と環境整備のどちらかが欠けると、自己肯定感は低いままになってしまいます。

正しい接し方がない場合

本人の意識が変わらない

環境整備がない場合

本人の意識改革や周囲の理解促進が進まない

具体的にどのようなことを行う必要があるのか、これから詳しく解説します。

自己肯定感が低い人への正しい接し方

	正しい接し方 コミュニケーション

自己肯定感が低い人に対する正しい接し方を理解して実践することで、組織のマネジメントがうまくいくようになります。

幼少期に褒められなかった、または過去の失敗で辛い思いをしたことで自己肯定感が低くなっている人の意識を変えるのは、簡単ではありません。

しかし、上司であるあなたが率先して正しい接し方を実践すれば、部下の意識も少しずつ変わっていきます。

正しい接し方の基本と具体例、避けるべき接し方を理解して、自己肯定感が低い人とのコミュニケーションに役立ててください。

部下の言動を否定せずに「存在そのものや培ってきた努力」を認めよう

まずは上司であるあなたが部下の言動を否定せず、存在そのものや培ってきた努力を認めてあげる必要があります。

自己肯定感が低い人は、自分の価値や能力を認められません。部下と向き合って丁寧なコミュニケーションを取りながら、肯定的なフィードバックをするようにしてください。

  • あなたがいつも念入りに準備をする姿勢を持って仕事に臨んでくれるのが、大変素晴らしいです。
  • 先日「自分はダメだ」という発言が見られましたが、会議で以前よりも積極的に提案してくれるようになりましたね。

管理職のように社員へフィードバックをする立場にいると、どうしても相手の欠点を指摘して成長を促そうとしてしまいがちです。

しかし、弱みではなく強みに目を向けて積極的に伝えるようにすれば、相手の自己肯定感を高められます。

自己肯定感は数日で高まるものではないため、根気強く相手を認め続けてください。

【ポイント!】

自己肯定感が低い相手は、1対1で褒めましょう。

過度にプレッシャーを感じずに、肯定を受け止めてもらいます。

否定的な言葉や能力を褒める言動は絶対にNG

自己肯定感が低い人への正しい接し方と同時に、避けるべき接し方も知っておくことが大切です。

以下のようなコミュニケーションは、自己肯定感を下げてしまうため避けてください。

  • 「どうしてこんなこともできないんだ」と否定的な言葉で叱責する
  • 「同期の●●はできている」と他人と比較する
  • 高すぎる目標を押しつける(例:「期待しているよ」)
  • 能力を褒める(例:「仕事が正確で助かるよ」)

どれも些細なことのように思えますが、自己肯定感が低い人は、想像以上に穿った捉え方をする傾向があります。

相手を否定したり他人と比較したりせず、能力ではなく存在そのものを認めて少しずつ成功体験を積ませるのが、意識を変えるコツです。

自己肯定感が低い人のために整えるべき環境

自己肯定感 低い人 環境整備

自己肯定感が低い人には、人間として尊重しながら良いところを褒めるコミュニケーションが大切だとお分かりいただけたかと思います。

上司の接し方が変わることで部下の意識が変わるという事実を、日頃から意識してみてください。

もう1つ、自己肯定感が低い人に必要なのが、環境整備です。

自己肯定感が低い人も無理なく働いて成果を出せるようにするためには、本人や周囲のために環境を整備する必要があります。

  • 本人が継続的な意識改革に取り組める制度を整える
  • 周囲の理解を促し安全な環境を構築する

以下で詳しく見ていきましょう。

本人が継続的な意識改革に取り組める制度を整える

自己肯定感が低い人が継続的な意識改革に取り組めるように、管理職や人事部メンバーが働きかけて制度を整える必要があります。

自己肯定感が低い原因は幼少期の教育や過去の失敗にあると考えられるため、一朝一夕で意識は変わりません。

そのため、本人が意識改革を続けられるように、1on1ミーティングや研修などの制度を整えることが重要です。

そのなかで、自分と向き合って強みを見つける、肯定的な言葉を使う、小さな成功体験を積み重ねるなどの行動を繰り返せば、自己肯定感が低い人も少しずつ自分に自信が持てるようになります。

【例】口癖が変われば、意識が変わる

  • どうせできない→できちゃうかもな
  • 今日も疲れた→頑張りすぎちゃった
  • できないことばかりだ→伸び代しかない

 ▼自己肯定感やセルフエスティーム(自尊感情)の解説、また高めるための講座を受講したことによる変化については、下記で詳しく解説しています。

周囲の理解を促し安全な環境を構築する

自己肯定感が低い人も働きやすい組織にするためには、周囲の理解を促すことも大切です。

チームメンバーの理解がある環境を構築できれば、自己肯定感が低い人も安心して働けるようになります。

働きやすい組織を構築するうえで意識すべきなのが、心理的安全性です。

心理的安全性が確保されている組織では、社員が自分の意見や気持ちを安心して発信できます。

発言によって相手から拒絶されたり叱責されたりする恐れがないとわかれば、自己肯定感が低い人も自分の意見を伝えられるようになります。

心理的安全性が確保されると、コミュニケーションの促進や生産性の向上が期待できるので、組織に良い影響を及ぼす可能性が高いです。

▼組織が重視すべき心理的安全性については、下記で詳しく解説しています。 

​​​​​​​自己肯定感が低い人がいる組織で結果を出すには社員教育が必要

	自己肯定感 低い人 社員教育

自己肯定感が低い人と組織を成長させたいなら、接し方や環境整備が大切だとお分かりいただけたと思います。

つまり、自己肯定感が低い本人に対してだけでなく、周囲で働く社員に対しても教育を行わなければ、結果を出せる組織は作れません

管理職や人事部の方々は、自己肯定感が低い人が意識改革に取り組み、周囲の社員が理解を深めて適切な接し方ができるよう、継続的な教育の場を提供する必要があります。

自己肯定感について専門的な知識のある外部のトレーナーを招くことで、自己肯定感が低い本人や周囲の社員の意識は高まります。

はいえ、コストや日程調整などの問題があり、継続的に外部トレーナーを活用するのは難しいケースもあるでしょう。

そのような場合は、株式会社LDcubeが提供する社内トレーナー養成講座を活用してみてはいかがでしょうか。

社内トレーナー養成講座で、専門知識を持つプロが誕生!

→社内研修を継続的に実施することで、社員の自己肯定感がアップ!

LDcubeの社内トレーナー養成講座は、プロの研修講師が活用しているプログラムを、自社の社員が教えられるようになるプログラムです。

ライセンスを取得することで、プロと同等のクオリティで社内研修を実施できるようになります。

例えば、自己理解と他己理解を深めるためのヒューマン・エレメント プログラム(HEP)は、自己肯定感が低い社員がいる組織におすすめです。

ヒューマン・エレメント プログラム(HEP)とは

自分の感情をコントロールすることで、対人関係や組織改善につなげるためのポイントを実践的に学べるプログラム

	HEP 説明

引用元:株式会社LDcube「ヒューマン・エレメント プログラム(HEP)

本人の意識改革や周囲の理解を促し、自己肯定感が低い人も無理なく働ける組織をつくりたい。

そのように考えている方は、自己肯定感を高める研修を継続的に行うために社内トレーナーの養成を検討してみてください。

ヒューマン・エレメント・プログラム(HEP)導入事例

HEP

導入前の課題

自律した個人として活動していくための姿勢と能力の向上が求められている

業界が成熟化し競争関係が激化していく中で、経営改革、組織改革が不可欠となっており、社員一人一人も組織内外の環境変化を受け止め、会社や周りに依存するのではなく、自己責任の意識を持って、自律した個人として活動していくための姿勢と能力の向上が求められていました。

制度としても職務能力・役割・成果を人事制度の軸として活動していくため、自律型人材の育成とキャリア構築を重要視することとなりました。そのために、従来「10年目」社員に実施していたキャリア自律研修を「7年目」社員の実施に変更しました。

また、キャリア自律研修の前段階で自分を見つめ直す機会が必要という課題感もありました。自社の3年目社員は壁にぶつかる時期といわれており、重要な仕事を任されることも増え、見える景色も変わってきます。

しかし日々の多忙な業務の中で、自己理解や振り返りなどの時間を取ることなく過ごしてきた社員が多かったことから、節目の3年目に「自律の促進と組織の中での自分の在り方を見直す」機会として、「セルフエスティーム向上」をテーマに導入いただきました。

取り組みの詳細

キャリアを考える節目にセルフエスティームの理解となりたい姿の検討と行動指針を考える

組織の中での自分の在り方を見直し、今後の自分のなりたい姿を考えるためには、スキル習得も必要ですが「自己理解」が非常に重要です。

ありのままの自分に気づき、自己概念の変革と拡大を図っていきます。

また自分のこだわりが対人行動や対人感情にどのように影響しているかを知り、今後、人とどのように関わっていくかを考えるきっかけにもしています。

セミナー前半は、対人行動・対人感情・自己概念とじっくり自分と向き合って内省を深めます。後半は自分自身への恐れや不安から逃れるためにやってしまう防衛行動を知り、セルフエスティームの高いときと低いときの違いについて実習を通じて体験し、セルフエスティームの重要性を理解して、自分がなりたい姿の検討と具体的な行動指針を考えていきます。

『自己開示』と『相互支援』をキーワードに、話しやすく参画しやすい雰囲気を演出しています。
トレーナーが教えるプログラムではなく自分で考えるプログラムの特徴も踏まえて、「研修」ではなく、「セミナー」と呼んで全社展開をしています。

新卒入社3年目総合職の必須講座として位置付けているので、最初は受け身的に参加している人も、教えられる講座でないとわかって参画面での変化が表れてきます。

コロナ以前は2泊3日の合宿形式でしたが、コロナ禍でオンライン形式に変更してからは2日間のカリキュラムで社内トレーナーが実施し、年間300名程度が受講をしています。

トレーナーの人事異動もあるため、プログラムの円滑な実施とトレーナーのスキルアップのために定期的に社内トレーナー養成(HEPライセンス取得)も行っています。

導入後の成果

3年目という節目に自分を見つめ直す研修は役立つという声が多く、
セルフエスティームが共通言語になっている

受講者からは、「3年目というと責任感や指導力を求められると同時に、知識や能力を伸ばしていくことも考える時期で、立ち止まって自分自身と向き合う機会を得て、改めて目標を立てそれに向かってどうすべきかを深く考えることができた」という振り返りをよく聞きます。そして、後輩にも受講を推進したり、セミナーの継続を希望したりする声も事務局に届きます。

導入から15年以上継続し、これまで5,000名以上がこのプログラムを受講しました。
その結果"セルフエスティーム"が社内の共通言語になってきています。

また、チームリーダーになるメンバーも増え、学びを仕事に生かして活躍しています。副次的効果として、導入前に比べると若年層の離職率の低下が確認できています。
対面でもオンラインでも同様の成果が出せるプログラムなので、環境変化に合わせて取り組みを継続されています。

まとめ

この記事では、自己肯定感が低い人の特徴や原因、組織に起こり得る悪影響を紹介してきました。

自己肯定感が低い人は、普通の人と比較したときに以下のような考え方の違いが見られます。

【自己肯定感が低い人と普通の人の考え方の違い】

シチュエーション

自己肯定感が低い人

普通の人

失敗する
他人からの評価が下がるかも →過剰に失敗を恐れる
できなかったらどうしよう/やったことがないから不安
意見を主張する
意見を言うことで周りの人に嫌われる/できない人だと思われる →優柔不断すぎる言動が目立つ
自分の考えに自信が持てない
他人と自分を比較する
自分が周りより劣っているのをできるだけ隠したい →他人よりも自分が優れている点を必死に探す
自分の立ち位置を確認したい
反応や評価を受ける
自分が劣っているせいで周りの人に嫌われる →他人の反応や評価を過剰に気にする
自分がどう思われているか気になる
助けを求める
完璧にこなさなければ認めてもらえない/できない人だと思われる →苦しい状況でもSOSを出せない
できていないと怒られそう

自己肯定感が低い人がいる組織では、以下のような悪影響が起こる可能性があるので、管理職は早急に対処しなければなりません。

  • 生産性が低下する
  • 適切な意思決定ができなくなる
  • 人間関係が悪化する
  • 納期が守られなくなる

自己肯定感が低い人に必要なのは、「正しい接し方」と「環境整備」です。

自己肯定感が低い人と適切なコミュニケーションを取りながら、本人の意識改革や周囲の理解促進のために制度を整えましょう。

自己肯定感が低い人がいるなかでも組織を成長させるために、この記事がお役に立てることを願っています。

株式会社LDcubeでは、プロクオリティの研修ができる社内トレーナーを養成するための支援を行っています。

ヒューマン・エレメント プログラム(HEP)のように、自己肯定感を高めるための社内研修を継続的に実施できれば、より働きやすく成長できる組織をつくれるでしょう。

ご興味がある方は、お気軽にご相談ください。

▼ 自己肯定感を高める研修プログラム(HEP)の資料はこちらからダウンロードできます。

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株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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