
キャリアが分からない社員が増える理由とは?人事が取るべき3つの打ち手を紹介!
社員との面談や研修の場で、キャリアについてどのように考えているかを聞くと、よく返ってくるのが「キャリアが分からない」という声です。
今の仕事を続けていて良いのか、自分にはどのような可能性があるのか、このまま年次を重ねて良いのか。はっきりした不満はなくても、漠然とした不安を抱えたまま働いている社員は少なくありません。人事やマネジャーとしても、どのように支援すればよいのか悩むことも多いのではないでしょうか。
一方で、キャリアが分からないという状態そのものを、問題として扱う必要はありません。むしろそれは、将来や働き方に真剣に向き合おうとしているサインです。
問題は、その状態を放置してしまうことにあります。背景には、選択肢の増加やキャリア自律の誤解、日々の業務と将来像が結びついていないことなど、個人では解決しにくい要因が存在します。
では、企業や人事担当者としては何ができるのでしょうか。本記事では、キャリアが分からない社員が増える理由を整理した上で、放置した場合のリスク、そして人事が取るべき具体的な打ち手を解説します。
ポイントは、正解を与えることではなく、強みを軸にキャリアを考えるための土台を整えることです。社員と組織の双方にとって前向きなキャリア支援のヒントを探っていきます。
▼キャリアについては、以下も参考になります。
▼キャリアに関連して、以下も併せてご覧ください。
目次[非表示]
- 1.「キャリアが分からない」は悪いことではない。放置せず自身の強みを磨こう
- 2.なぜ「キャリアが分からない社員」が増えるのか
- 2.1.人材の流動性が高まり、選択肢が増えている
- 2.2.キャリア自律の考え方を理解していない
- 2.3.日々の業務と将来のキャリアが結びついていない
- 2.4.キャリアについて立ち止まって考える機会がない
- 2.5.マネジャーがキャリアの話を避けている
- 3.「キャリアが分からない」を放置したときのリスク(個人)
- 4.「キャリアが分からない」を放置したときのリスク(組織・人事)
- 4.1.生産性の低下
- 4.2.人材育成施策の効果低減
- 4.3.「静かな退職」などのエンゲージメント低下
- 4.4.急な転職による人材流出
- 5.なぜ社員は「キャリアが分からない」のか
- 5.1.目の前のことで精いっぱいで先が見通せない
- 5.2.具体的にどのような選択肢があるのか分からない
- 5.3.自身がどのような働き方をしたいのか分からない
- 5.4.自身の強みを生かせる仕事が分からない
- 5.5.自身の強みが分からない
- 6.人事が取るべき3つの打ち手
- 7.「キャリアが分からない」社員におすすめのツール
- 8.まとめ
「キャリアが分からない」は悪いことではない。放置せず自身の強みを磨こう
キャリアが分からないと感じる状態そのものは問題ではありません。重要なのは、その状態を放置せず、強みに目を向けて行動につなげることです。
多くの社員が「キャリアが分からない」と不安を抱きますが、それは将来に真剣に向き合おうとしている証拠でもあります。環境変化が激しい現代では、若いうちから明確なキャリア像を描ける人は少数派です。むしろ分からないという感覚は自然で健全な出発点と言えます。
問題は、そのまま考えることをやめてしまうことです。キャリアは最初に正解を決めるものではなく、経験を積みながら形づくられていきます。
その際に軸となるのが自身の強みです。得意なこと、成果が出やすい行動特性、周囲から期待されている役割を理解し、意識的に磨いていくことで、仕事の手ごたえと成長実感が生まれます。
キャリアが見えない今こそ、自分の強みを言語化し、発揮する機会を増やすことが、将来の選択肢を広げる最も現実的な一歩になります。
なぜ「キャリアが分からない社員」が増えるのか
キャリアが分からない社員が増えている背景には、個人の意識や能力の問題だけでは説明できない社会的・組織的な変化等の要因があります。ここでは、その代表的な要因を整理します。
人材の流動性が高まり、選択肢が増えている
近年、人材の流動性が高まり、社員を取り巻くキャリアの選択肢は大きく広がっています。転職市場の活性化に加え、副業や社内公募、専門職化など、多様な道が見えるようになりました。
一見すると自由度が高まり、前向きな変化のように感じられますが、選択肢が増えすぎることで別の問題が生じています。それは、何を基準に選べば良いのかが分からなくなることです。
比較できる情報が多いほど、人は決断を先送りしがちになります。結果として、今の選択が正しいのか分からず、どの道にも踏み出せない状態に陥ります。
キャリアが分からないと感じるのは、選択肢がないからではありません。むしろ、選択肢が多すぎることが原因の一つです。
キャリア自律の考え方を理解していない
多くの企業でキャリア自律が人事戦略のキーワードの1つとして使われていますが、その考え方が社員に正しく伝わっていないケースは少なくありません。
キャリア自律とは、会社に依存せず全てを一人で決めることではなく、会社の支援を活用しながら主体的にキャリアを築く考え方です。しかし、通常人事から詳しくされるはずですが、その説明が不足すると、自己責任で考えなければならないものだと誤解されます。
社員は答えのない問いを突き付けられた感覚になり、どのように考えれば良いのか分からなくなります。その結果、キャリアについて考えること自体を避けるようになります。
キャリア自律の誤解は、考えることを促すどころか、思考停止を生み出す要因になっている可能性があります。
日々の業務と将来のキャリアが結びついていない
日常業務と将来のキャリアが結びついていないことも、キャリアが分からなくなる大きな要因です。社員は日々忙しく業務に取り組んでいますが、その経験がどのような力になっているのか、将来にどう生きるのかを理解できていません。
評価や配置の意図が共有されないと、業務は単なる作業になり、意味づけができなくなります。結果として、成長している実感が持てず、このまま続けてよいのかという不安が生まれます。
経験の価値を言語化できない状態では、キャリアの方向性を描くことは困難です。業務とキャリアの断絶が、分からない感覚を強めています。
キャリアについて立ち止まって考える機会がない
多くの職場では、キャリアについて立ち止まって考える機会が意図的に設けられていません。日々の業務や短期的な成果が優先され、中長期的な視点は後回しになります。
その結果、社員は「キャリアは自然に分かるもの」だと誤解し、振り返ることをしないまま時間が過ぎていきます。しかし、経験を振り返らなければ、自分が何を積み重ねてきたのかは見えてきません。
気付いたときには年次だけが上がり、キャリアが分からないという不安だけが残ります。考える場を用意しないこと自体が、キャリア不安を生み出しています。
マネジャーがキャリアの話を避けている
キャリアが分からない社員が増える背景には、マネジャーの関わり方も大きく影響しています。業務や評価の話はしても、将来やキャリアの話題になると踏み込めないマネジャーは多くいます。
答えを出せない不安や、異動や退職につながる懸念が理由です。しかし、対話がなければ社員は一人で悩むしかありません。その結果、誤った思い込みや不安が強化され、キャリアが分からない状態が固定化されます。
マネジャーがキャリアの話を避けることも、組織的な要因の一つです。
「キャリアが分からない」を放置したときのリスク(個人)
キャリアが分からない状態を放置すると、短期的には大きな問題がないように見えても、個人の成長や自己理解に深刻な影響を及ぼします。ここでは、社員個人の視点で生じる代表的なリスクを整理します。
キャリア目標がないため成長スピードが停滞する
キャリアの方向性や目標が定まっていない状態では、成長のスピードが鈍くなる可能性が高いです。なぜなら、何を伸ばすべきかの優先順位がつけられず、経験を選び取る意識が弱まるからです。
目の前の業務はこなしていても、挑戦的な役割や新しい業務に手を挙げる動機が生まれにくくなります。その結果、同じような仕事を繰り返し、経験の幅や深さが広がりません。
本人としては忙しく働いているつもりでも、振り返ったときに成長実感が乏しく、停滞している感覚を持ちやすくなります。
この状態が続くと、自信の低下や将来への不安が強まり、さらに行動が慎重になるという悪循環に陥ります。キャリア目標がないことは、本人の可能性を狭める要因になります。
自己啓発のモチベーションが高まらない
キャリアが分からない状態では、自己啓発への意欲も湧きにくくなります。学習や資格取得は、将来につながる期待があるからこそ継続できます。
しかし、キャリアの方向性が曖昧だと、なぜ今学ぶ必要があるのかを自分で納得できません。結果として、勉強が後回しになり、業務以外での成長機会が減っていきます。周囲が学び続けている姿を見るほど、自分との差を感じ、さらに自信を失うケースもあります。
学ばないことでできることが増えず、選択肢が狭まり、ますますキャリアが分からなくなるという循環が生まれます。自己啓発へのモチベーション低下は、本人の努力不足ではなく、キャリアの見通しが持てていないことが根本的な原因です。
急な人事異動による戸惑い
キャリアの軸が定まっていない社員は、人事異動や役割変更に強い戸惑いを感じやすくなります。
自分なりにキャリアの軸があれば、新しい配属をどのように生かすか前向きに考えられますが、その軸がないと、意図が分からず不安が先立ちます。
これまで積み上げてきた経験が無駄になったのではないか、自分は評価されていないのではないかと考えてしまいます。その結果、新しい環境への適応に時間がかかり、本来発揮できる力を出せなくなります。
異動そのものが問題なのではなく、キャリアの整理ができていない状態で変化を迎えることが、本人の負担を大きくしています。
自身の「強み」が分からないまま時間だけが過ぎていく
キャリアが分からない状態を放置した場合の最大のリスクは、自身の強みを理解しないまま年月が過ぎてしまうことです。
日々の業務に追われる中で、何が得意で、どのような場面で価値を発揮してきたのかを整理する機会がありません。その結果、年次を重ねても自分を説明できず、自信のない状態が続きます。
強みが分からなければ、仕事選びや挑戦にも消極的になります。本来であれば武器になる経験を持っているにもかかわらず、それを自覚できないまま時間だけが過ぎていくことは、個人にとって非常にもったいないことです。
「キャリアが分からない」を放置したときのリスク(組織・人事)
社員のキャリア不安は個人の成長にとどまらず、組織全体の成果や人材戦略の成果にも影響を与えます。ここでは、人事として見過ごすことのできない組織・人事面でのリスクを整理します。
生産性の低下
キャリアが分からない社員が増えると、組織全体の生産性は徐々に低下していきます。将来に対する見通しが持てない状態では、仕事に対する目的意識が弱まり、与えられた業務を無難にこなすことがゴールになりがちです。
本来であれば工夫や改善につながる行動が、リスクを避ける姿勢に変わってしまいます。また、キャリア不安は集中力やエネルギーにも影響し、踏ん張りどころで粘れなくなるケースも増えます。その結果、成果に個人差が生じ、チームとしての生産性が安定しません。
マネジャーは進捗管理やケアに時間を取られ、本来注力すべき戦略的な業務に集中できなくなります。キャリアが分からない状態を放置することは、静かに組織の生産性を下げ続ける要因になります。
人材育成施策の効果低減
社員のキャリアが整理されていないままでは、人事が人材育成施策を行っても効果が限定的になります。研修や学習機会を提供しても、社員自身がなぜ学ぶのか、どのように学んだことを生かすのかを理解できていないと、知識は一時的なものになります。
キャリアとのつながりが見えない学びは、現場での行動変容につながりにくく、結果として成果が見えません。そのため人事側は研修内容や形式の見直しを繰り返すことになりますが、根本的な対策にはなりません。
キャリア理解という土台がない状態では、どれだけ質の高い育成施策を実施しても効果は頭打ちになります。人材育成の投資対効果を考える上でも、キャリア設計支援は欠かせない前提条件です。
▼研修の効果測定については、以下で詳しく解説しています。
⇒研修の効果測定を行い、成果につなげる方法とは?ツール活用法も解説!
「静かな退職」などのエンゲージメント低下
キャリアが分からない状態を抱えた社員は、エンゲージメントが低下しやすくなります。将来に期待が持てないと、会社に対する帰属意識や貢献意欲が薄れ、心理的に距離を取るようになります。いわゆる静かな退職という状態です。
勤務態度に大きな問題は見えなくても、主体的な行動や周囲を巻き込む動きが減少します。このような社員が増えていくと、職場の雰囲気や組織の文化にも影響を及ぼします。新しい取り組みへの反応が鈍くなり、組織全体の活力が失われていきます。
エンゲージメント低下は数値化しにくく、気付いたときには深刻化していることが多い点が、人事にとって大きなリスクです。
▼静かな退職については、以下で詳しく解説しています。
⇒「静かな退職」とは?企業が対策して解決するための自己肯定感についても解説!
急な転職による人材流出
キャリアが分からない社員を放置した結果として最も分かりやすいのが、突然の転職による人材流出です。日常的に不満や不安を口にしていなくても、内面では迷いを抱え続けているケースは少なくありません。
社内でキャリアについて話す機会がなければ、その迷いを解消する場もなくなります。そこに外部からのオファーや魅力的な情報が入った瞬間、一気に意思決定が進みます。
特に能力が高く、成果を上げてきた人材ほど市場価値が高く、流出リスクも高まります。人事にとっては退職の兆しが見えにくく、引き止めが間に合わない形での損失になります。
なぜ社員は「キャリアが分からない」のか
キャリアが分からないと感じる社員が増えていますが、その原因は意識の低さや当事者意識の欠如ではありません。多くの場合、構造的・心理的な要因があります。ここでは社員本人の視点から、その要因を整理します。
目の前のことで精いっぱいで先が見通せない
キャリアが分からない社員の多くは、日々の業務に追われ、将来を考える余裕を持てていません。締め切り対応や突発的な調整、上司や他部署からの依頼に対応するだけで一日が終わり、立ち止まって振り返る時間が確保できない状態です。
このような環境では、中長期視点で物事を考えること自体が難しくなります。さらに、忙しさが慢性化すると、今の働き方がこの先も続く前提で物事を捉えてしまい、数年後の姿を想像する力が弱まります。
その結果、キャリアは余裕のある一部の人が考えるものだと感じ、自分ごととして向き合えなくなります。見通しが立たないのではなく、考える余裕がないことが、「キャリアが分からない」という感覚を生んでいるのです。
具体的にどのような選択肢があるのか分からない
キャリアが分からない背景には、具体的な選択肢を知らないという問題があります。社員は自分の部署や周辺業務については理解していても、社内にどのような職種や役割があり、どのようなキャリアの道筋が存在するのかを体系的に知る機会がほとんどありません。
また、誰がどんな経験を積んで今のポジションにいるのかといった情報も共有されにくいのが実情です。そのため、将来を考えようとしても材料がなく、思考が進みません。実際には複数の可能性が存在していても、見えなければ存在しないのと同じです。
選択肢が分からない状態では、自分には道がないと感じ、キャリアが分からないという認識が強まってしまいます。
自身がどのような働き方をしたいのか分からない
キャリアを考える上で重要な働き方の軸を意識しないまま過ごしている社員は少なくありません。昇進や役職、年収といった外的な条件だけで判断しようとすると、どの選択にも決め手がなく、迷いが生まれます。
本来は、どのような環境で力を発揮したいのか、何を大切にして働きたいのかといった内面的な価値観が軸になります。しかし日常業務では、そうした問いに向き合う機会がほとんどありません。
結果として、働き方のイメージが曖昧なまま意思決定を求められ、納得感を持てない選択を重ねてしまいます。軸が言語化されていないことが、キャリア全体を曖昧にしています。
自身の強みを生かせる仕事が分からない
自分の強みを生かせる仕事が分からないことも、キャリアが分からない大きな要因です。これまで成果を上げた経験があっても、その背景にある強みや感情を振り返る機会が少なく、成功要因を構造的に理解できていません。
そのため、次にどのような仕事を選べば同じように力を発揮できるのかが見えません。結果として、異動や配置を受け身で捉え、主体的な選択ができなくなります。
強みと仕事が結びつかない状態では、納得感も得られず、キャリアが分からないという感覚が増幅されます。本質的には、強みの再現性が整理されていないことが問題です。
自身の強みが分からない
そもそも自分の強みが分からないという社員は非常に多く存在します。日常業務では、課題や改善点に注目される場面が多く、できていることは当たり前として扱われがちです。その結果、自分には特別な強みがないと思い込んでしまいます。
しかし強みは、本人にとって自然すぎて意識に上りにくいものです。他者からのフィードバックや、経験を整理する機会がなければ気付くことは困難です。
強みが分からなければ、キャリアを考えるための材料そのものが不足します。自信を持てず、選択肢を狭めてしまうことが、キャリア不安の根底にあります。
人事が取るべき3つの打ち手
キャリアが分からない社員を増やさないためには、本人任せにせず、人事が意図的に関与する仕組みが必要です。ここでは、現場で実行しやすく、効果の出やすい3つの打ち手を紹介します。
キャリアの考え方を教育機会として提供する
まず人事が取り組むべきは、キャリアの考え方そのものを学ぶ機会を提供することです。多くの社員は、そもそもキャリアをどう考えれば良いのかを知りません。結果として、漠然とした不安だけを抱え、思考が止まってしまいます。
キャリア研修やeラーニングなどを通じて、キャリアは最初から答えを出すものではなく、経験を通じて形づくられるものだと理解させることが重要です。
また、会社がキャリア自律をどのように捉えているのか、どこまで支援するのかを明確に伝えることで、社員は安心して考え始められます。
強みの理解と生かし方を学ぶ機会を提供する
次に重要なのが、社員が自分の強みを理解し、仕事と結びつける支援です。キャリアが分からない原因の多くは、自分の強みを言語化できていないことにあります。
人事はVIA(Values in Action)診断や振り返りワーク、他者フィードバックを組み合わせ、強みを可視化する場を設けるべきです。重要なのは、強みを知るだけで終わらせず、現在の業務や今後の役割でどのように生かせるのかまで落とし込むことです。
強みが業務とつながることで、社員は今の仕事の意味を理解しやすくなります。結果として、目の前の業務がキャリア形成の一部だと認識でき、不安の軽減と主体性の向上につながります。
マネジャーにキャリア対話の「道具」を渡す
三つ目の打ち手は、マネジャーによるキャリア対話を支援することです。多くのマネジャーは、キャリアの話題の重要性を理解しつつも、どう話せば良いか分からずに避けてしまっています。
人事が対話の型や質問例、キャリア面談シートなどの道具を提供することで、心理的ハードルが大きく下がります。ポイントは、キャリア面談は「答えを出す場」ではなく、「一緒に考える場」だと位置付けることです。
定期的な1on1の中でキャリアの話題が自然に出るようになると、社員の迷いは早期に把握できます。結果として、大きな不安や突然の離職を防ぐことにもつながります。
「キャリアが分からない」社員におすすめのツール
キャリア不安への打ち手を継続的に機能させるためには、研修や対話を支えるツールの活用が欠かせません。ここでは、社員を支援する代表的なツールを紹介します。これらのツールを活用することで、キャリアが分からない社員だけではなく、マネジャーへのサポートも可能です。
キャリア開発eラーニング
キャリアが分からない社員が多い組織では、まずキャリアの考え方を共通言語として整えることが重要です。その手段として有効なのが、キャリア開発をテーマにしたeラーニングです。
eラーニングは、時間や場所を選ばずに学べるため、忙しい社員でも自分のペースで取り組めます。キャリアとは何か、どのように考え、どのように行動につなげるのかといった基本的な枠組みを学ぶことで、漠然とした不安が整理されます。
一過性の研修と異なり、繰り返し振り返れる点も大きな利点です。キャリアを考える入り口として、eラーニングは全社員に提供しやすい基盤ツールと言えます。
▼キャリア開発に効果的なeラーニングの詳細はこちら
VIA(Values in Action)ワークショップ
キャリアが分からない社員への支援として、強みをポジティブに理解するアプローチが非常に有効です。その中でもVIAワークショップは、社員が自身の価値観や行動特性を言語化し、キャリアに結びつける機会を提供します。
VIAは人が持つ24の徳性をベースに、自分らしさの源泉を整理する枠組みです。各自が使えば使うほどエネルギッシュになれるという点が特徴です。
ワークショップでは、診断結果を確認するだけでなく、具体的な業務経験と結びつけて振り返るため、強みが実感を伴って理解できます。
自分は何を大切にして働いているのか、どのような場面で力を発揮しているのかが明確になることで、キャリアを考える際の軸が生まれます。
また、VIAは共通言語として扱いやすく、マネジャーとの1on1やキャリア対話にも活用できます。強みを前向きに捉える体験は、キャリアへの不安を軽減し、今の仕事と将来をつなぐ第一歩になります。
▼VIAの活用についての詳細はこちら
まとめ
本記事では、キャリアが分からないと感じる社員が増えている背景と、その状態を放置することで生じる個人・組織双方のリスクを整理してきました。
改めて強調したいのは、キャリアが分からないこと自体は決して悪いことではなく、むしろ将来に向き合おうとしている前向きなサインだという点です。問題は、その状態を個人任せにし、考えるきっかけや支援を与えないまま時間が過ぎてしまうことにあります。
選択肢の増加やキャリア自律の誤解、日々の業務と将来の断絶、キャリア対話の不足など、社員一人では解決しにくい要因が重なった結果、多くの人が迷いや不安を抱えています。
そのまま放置すれば、成長の停滞や自己啓発意欲の低下、エンゲージメント低下や人材流出といった形で、個人の課題がやがて組織課題へと発展していきます。
だからこそ人事には、社員に正解を示すのではなく、自ら考え、納得して選べる土台を整える役割が求められます。キャリアの考え方を学ぶ機会を提供し、強みを起点に仕事とキャリアを結びつけ、マネジャーとの対話を支援することが重要です。
その積み重ねが、社員の不安を前向きな行動へと変えていきます。キャリア支援は、一人一人の成長と組織の持続的な成果を両立させるための重要な取り組みです。
株式会社LDcubeでは、社員一人一人がキャリアを考えるために活用できるeラーニングの提供や、自身の強み・特性を理解して業務やキャリアに生かすためのVIAワークショップの提供が可能です。VIAはマネジャーが部下とのキャリア面談にも活用できます。
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