catch-img

若手社員アンケートを成功させ、組織を強くする!目的別活用術から成果につなげる秘訣まで紹介!

近年、企業における若手社員の重要性は増すばかりです。少子高齢化による労働人口の減少、働き方の多様化、そしてグローバル競争の激化といった背景から、若手社員一人一人の成長が企業の競争力を左右すると言っても過言ではありません。

しかし、「若手社員が何を考えているのか分からない」「モチベーションが上がらない」「早期離職が多い」といった悩みを抱える企業は少なくありません。

そこで注目されるのが若手社員アンケートです。アンケートは、若手社員の声に耳を傾け、彼らが抱える課題や本音を理解するための強力なツールです。単に不満を聞き出すだけでなく、彼らの強みや成長の兆しを発見し、組織全体の活性化につなげる可能性を秘めています。

とはいえ、ただアンケートを実施すれば良いというわけではありません。目的が不明確なまま実施されたアンケートは、時間と労力の無駄に終わるだけでなく、若手社員からの不信感を生む可能性すらあります。

本記事では、60年以上の組織開発と人材育成の知見を生かし、若手社員アンケートを成功に導くためのあらゆる要素を徹底解説します。アンケートの目的設定から設計、実施、分析、そして具体的な改善策への落とし込み方まで、網羅的かつ実践的な情報を提供します。

若手社員アンケートを単なる「調査」で終わらせず、人材育成と組織力強化のための戦略的なツールとして最大限に活用しましょう。

▼若手社員の育成については下記でも解説しています。

▼階層別eラーニングパッケージコースをご用意しています。

▼若手社員研修のサービス概要については以下の資料をダウンロードしてください。

若手・OJT研修資料バナー

目次[非表示]

  1. 1.若手社員アンケートは目的に応じて使い分けよう!
    1. 1.1.若手社員アンケートの主な目的とは?
    2. 1.2.アンケート対象は若手社員のみ?全社員?
    3. 1.3.アンケート実施後の活用方法とは?
  2. 2.若手社員アンケートの設計方法
    1. 2.1.効果的なアンケート設計のポイント
    2. 2.2.若手社員アンケートの目的別テーマ例
    3. 2.3.プライバシーと匿名性を確保しよう
  3. 3.若手社員アンケート実施のステップ
    1. 3.1.アンケート実施のプロセス:計画から実施まで
    2. 3.2.若手社員の回答意欲を高める方法
    3. 3.3.デジタルツールを効果的に活用する
  4. 4.若手社員アンケート結果の分析と解釈
    1. 4.1.データの集計と分析の手法
    2. 4.2.若手社員の本音を読み解くコツ
    3. 4.3.結果から読み取れる職場の問題点と強み
  5. 5.若手社員アンケートから職場改善につなげる
    1. 5.1.若手社員のフィードバックを基にした改善策
    2. 5.2.若手社員の定着と育成には職場ワークショップが効果的!
  6. 6.若手社員アンケートから職場コミュニケーションを活性化するなら「LIFO」がおすすめ!
  7. 7.若手社員アンケートからレジリエンスの高い組織づくりを目指す
    1. 7.1.レジリエンス研修を取り入れる
    2. 7.2.心理的安全性の高いチームを作る
  8. 8.LIFO・レジリエンス研修を若手社員に効果的に実施している事例
    1. 8.1.LIFOを活用して社内トレーナーがコミュケーション研修を展開している事例
    2. 8.2.レジリエンス研修の支援事例
  9. 9.まとめ:若手社員アンケートは健全な職場環境づくりの第一歩!

若手社員アンケートは目的に応じて使い分けよう!

若手社員 イメージ

若手社員アンケートを実施する際、最も重要なのは「なぜアンケートを実施するのか」という目的を明確にすることです。

目的が曖昧なままでは、効果的な設問設計ができず、結果も漠然としたものになってしまい、最終的な改善行動にもつながりません。

ここでは、若手社員アンケートの主な目的から、実施対象、その後の活用法まで、目的に応じた活用方法のポイントを紹介します。
 

若手社員アンケートの主な目的とは?

若手社員アンケートの目的は多岐にわたりますが、代表的なものには次のようなものが挙げられます。

  • 若手社員の定着率向上
    離職を考えている社員の兆候を早期につかみ、定着を促す具体的な施策を検討する
     
  • モチベーションの現状把握
    若手社員が仕事に対してどのようなモチベーションを持っているのか、何にやりがいを感じ、何に不満を感じているのかを把握する
     
  • 育成ニーズの把握
    どのようなスキルアップやキャリア形成支援を求めているのか、具体的な研修やOJTのニーズを探る
     
  • 職場環境の改善
    ハラスメントの有無、人間関係、物理的な環境など、若手社員にとって働きやすい職場であるかを確認し、改善点を見つける
     
  • エンゲージメントの測定
    会社への貢献意欲や、仕事への熱意、組織への愛着度合いを測る
     
  • オンボーディングの効果測定
    新入社員研修や配属後のサポート体制が適切であったかを確認し、改善につなげる
     
  • 企業文化への適応度確認
    企業の理念や文化が若手社員に浸透しているか、共感を得られているかを確認する
     
  • ハラスメントの早期発見と対策
    パワーハラスメント、セクシュアルハラス
    メントなどの発生状況を把握し、未然防止や早期解決につなげる

これらの目的を明確にすることで、アンケートの設問内容、実施方法、そして結果の活用方法までが一貫性を持つようになります。

▼従業員エンゲージメント調査については、以下で詳しく解説しています。
従業員エンゲージメント調査とは?実施する重要な目的と期待できる効果

 

アンケート対象は若手社員のみ?全社員?

若手社員アンケートは、若手社員にのみ実施すればよいのでしょうか?アンケートの目的に応じて、若手社員のみの実施が良いか、全社員の実施が良いか、その答えは変わってきます。それぞれのメリット・デメリットを解説します。
 

若手社員のみを対象とする場合:

アンケートの対象を若手社員のみとすることは、特定の課題を深く掘り下げたい場合に有効です。

メリット

  • 若手社員特有の課題やニーズに特化した深い洞察が得られやすい
  • 具体的な育成施策や定着支援策を検討しやすい

デメリット

  • 全体像を把握しにくい
  • 若手社員と他の層との比較ができないため、全体の中での若手社員の位置づけが不明確になる場合がある

推奨目的

  • 新入社員のオンボーディング効果測定、特定の若手育成プログラムの効果検証、若手社員の離職防止対策など、対象を絞り込んだ目的の場合

 

全社員を対象とする場合:

組織全体の状況を俯瞰的に把握したい場合に適しています。

メリット

  • 若手社員の意見を全社員の意見と比較することで、若手社員特有の課題と、組織全体で抱える共通の課題を明確にできる
  • 若手社員を取り巻く環境(先輩・上司)の認識を把握できる

デメリット

  • 設問が汎用的になりがちで、若手社員の具体的な声が拾いにくくなる可能性がある
  • 分析が複雑になる場合がある

推奨目的

  • 組織風土改革、全社的なエンゲージメント向上、世代を超えたコミュニケーション改善など、組織全体に関わる目的の場合

まずは「なぜこのアンケートを実施するのか」という目的に立ち返り、最も適した対象範囲を選択することが重要です。
 

アンケート実施後の活用方法とは?

アンケートの実施後、結果をどのように活用すれば良いのでしょうか?

アンケートは実施して終わりではありません。むしろ、結果をどのように活用するかが、アンケートの真価を問われる部分です。活用方法まで視野に入れてアンケートを設計することが、成功の鍵となります。

  • 課題の可視化と共有
    アンケート結果をグラフや図を用いて視覚的に分かりやすくまとめ、経営層や関係部署と共有します。これにより、客観的なデータに基づいた課題認識を共有できます。
     
  • 具体的な改善策の立案
    課題が明確になったら、それに対する具体的な改善策を検討します。例えば、「若手社員とOJT担当者のコミュニケーション不足」という課題が見つかった場合、「OJT担当者向けのコミュニケーション研修の実施」や「定期的な1on1ミーティングの義務化」といった具体的な施策が考えられます。
     
  • 施策の効果測定
    改善策を実施した後、一定期間をおいて再度アンケートを実施することで、施策の効果を測定します。PDCAサイクルを回し、継続的な改善につなげます。
     
  • 組織風土の醸成
    アンケートを通じて若手社員の声を聞き、それに基づいて行動することで、「社員の声を聞く組織」という企業文化を醸成できます。これにより、社員のエンゲージメント向上にもつながります。
     
  • 人事戦略への反映
    アンケート結果は、採用戦略、人材配置、評価制度など、将来的な人事戦略の立案にも重要な情報源となります。


 

若手社員アンケートの設計方法

ポイント イメージ

目的が明確になったら、次はアンケートの具体的な設計に入ります。効果的なアンケートは、綿密な設計によって初めて実現されます。
 

効果的なアンケート設計のポイント

効果的なアンケートの設計には、いくつかの重要なポイントがあります。アンケートを適切に設計することで、可能な限り実態を把握できるようにすることが重要です。

  • 設問数を最適化する
    設問数が多すぎると、回答者の負担が大きくなり、回答率の低下や適当な回答につながる可能性があります。逆に少なすぎると、必要な情報が得られないことも。目的を達成するために必要な最小限の設問数に絞りましょう。一般的には、5分から10分程度で回答できる分量が目安とされます。
     

  • 設問の表現を明確にする
    曖昧な表現や専門用語は避け、誰にでも理解できる平易な言葉で設問を作成します。多義的に解釈される可能性がある表現も避けるべきです。
     
  • 回答形式を適切に選択する
    ・選択式(単一回答、複数回答):集計が容易で、定量的なデータを得やすい。
    ・段階評価式(リッカート尺度など):「非常にそう思う」から「全くそう思わない」まで5段階などで評価してもらう形式。満足度や重要度を測るのに適しています。
    ・自由記述式回答者の具体的な意見や感情を深く掘り下げたい場合に有効。ただし、集計や分析に手間がかかります。
    ・目的や知りたい情報に応じて、これらの形式を組み合わせることが重要です。
     
  • 中立的な設問にする
    特定の回答に誘導するような質問や、感情的な表現は避けましょう。「あなたは今の職場の人間関係に不満がありますか?」ではなく、「今の職場の人間関係について、どのように感じますか?」のように、中立的な表現を心掛けましょう。
     

  • 匿名性を保証する仕組みを明示する
    回答者の本音を引き出すためには、匿名性の確保が非常に重要です。アンケート冒頭でその旨を明確に伝えることで、安心して回答してもらえる環境を整えます。
     

  • 論理的な流れを意識する
    設問の順番は、回答者がスムーズに回答できるよう、論理的な流れを意識して配置します。例えば、一般的な質問から具体的な質問へ、客観的な質問から主観的な質問へ、といった順序が考えられます。
     

  • パイロットテストの実施
    本格的な実施の前に、少数の若手社員に協力してもらい、アンケートの設問内容や回答時間などを確認する「パイロットテスト」を行うことをおすすめします。これにより、設問の不備や分かりにくい点を発見し、修正することができます。

若手社員アンケートの目的別テーマ例

目的が異なれば、当然ながらアンケートのテーマや設問も変わってきます。ここでは、主要な目的別のテーマ例と、それに沿った設問の方向性を示します。

目的1:若手社員の定着率向上・離職防止

テーマ例

企業文化への適応度、キャリアパスへの期待、人間関係、仕事内容への満足度、ワークライフバランス、成長実感

  

設問の方向性

「現在の仕事にやりがいを感じていますか?」
「あなたのキャリアパスは明確ですか?」
「上司や先輩からのフィードバックは十分だと感じますか?」
「現在の給与・評価制度に満足していますか?」
定着に直接影響を与える要素を探る質問が中心です。

 
目的2:若手社員のモチベーション向上・育成ニーズ把握

テーマ例

自己成長への意欲、スキルアップへの関心、目標設定と達成、上司からのサポート、教育研修への要望

 

設問の方向性

「今後、どのようなスキルを身に付けたいですか?」
「どのような研修があれば、あなたの成長につながると感じますか?」
「現在の業務で、あなたの能力が最大限に発揮されていると感じますか?」
「仕事へのモチベーションが上がるのはどのような時ですか?」
成長とモチベーションの源泉を探る質問が中心です。

 
目的3:職場環境の改善

テーマ例

コミュニケーション、ハラスメント、風通しの良さ、チームワーク、設備環境、働きがい

 

設問の方向性

「部署内のコミュニケーションは活発だと思いますか?」
「困った時に相談できる相手はいますか?」
「ハラスメントを感じたことはありますか?」
「オフィス環境で改善してほしい点はありますか?」
具体的な職場環境の実態を問う質問が中心です。

これらのテーマはあくまで一例であり、貴社の状況や課題に合わせて柔軟に設定してください。
 

プライバシーと匿名性を確保しよう

若手社員アンケートにおいて、プライバシーと匿名性の確保は、回答者の本音を引き出す上で最も重要な要素の1つです。

これが不十分だと、社員は「本音を言ったら評価に響くのではないか」「誰が回答したか特定されるのではないか」といった不安を抱き、当たり障りのない回答や、会社に都合の良い回答をしてしまう可能性があります。

匿名性を確保するための具体的な方法は以下の通りです。

  • アンケートツールの選定
    回答者が特定できない機能を持つアンケートツールを選びます。例えば、IPアドレスを記録しない設定にする、回答データと個人情報をひも付けない、といった機能を持つツールを選びましょう。
     
  • 個人を特定できる情報の収集を避ける
    氏名、社員番号、部署名といった、個人が特定できる情報は原則として収集しません。もし部署ごとの集計が必要な場合は、部署コードなどを用いて、個別の回答者が特定されないように配慮します。
     
  • 集計単位の調整
    回答数が少ない部署やグループについては、個別の集計結果を公開しない、あるいは他の部署と合算して集計するなど、個人が特定されないような工夫が必要です。例えば、回答者が3人以下のグループのデータは集計・公開しない、といったルールを設けることも有効です。
     
  • アンケート説明での明示
    アンケートの冒頭で、「本アンケートは匿名で行われ、個人の回答が特定されることはありません」「回答データは統計的に処理され、個人が特定できる形で公開されることはありません」といった旨を明確に記載し、回答者に安心感を与えます。
     
  • 担当者の意識
    アンケートの集計・分析を行う担当者は、個人情報保護に関する高い意識を持つ必要があります。意図せずとも個人の情報が特定されるような取り扱いをしないよう、徹底した教育が必要です。

匿名性が確保され、社員が安心して本音を語れる環境を整えることが、アンケート成功の第一歩です。
 

若手社員アンケート実施のステップ

ステップ イメージ

アンケートの設計が完了したら、いよいよ実施の段階です。スムーズかつ効果的にアンケートを実施するためのステップを見ていきましょう。
 

アンケート実施のプロセス:計画から実施まで

アンケート実施は、計画から実施、そして結果の共有まで、いくつかのステップを踏む必要があります。以下では、その詳細なステップを紹介します。

  1. 目的の再確認と目標設定(計画)
    アンケートの目的(第1章参照)を最終確認し、具体的な目標を設定します。
    例:「若手社員のエンゲージメントスコアを前年比5%向上させる」「新入社員の研修満足度を80%以上にする」など、数値目標を設けると、PDCAサイクルが回しやすくなります。
     
  2. アンケート内容の最終決定(計画)
    設計した設問内容、回答形式、設問数を最終確認します。
    パイロットテストの結果があれば、それに基づいて修正を加えます。
     
  3. 実施スケジュールの策定(計画)
    アンケートの告知期間、回答受付期間、集計・分析期間、結果共有期間など、具体的なスケジュールを立てます。
    回答期間は、若手社員が無理なく回答できる期間(例:1週間〜10日間程度)を設定しましょう。
     
  4. 告知と協力依頼(実施前)
    アンケート実施の目的、意義、回答
    期間、回答方法、そして匿名性が保証されていることを明確に伝え、若手社員に協力を依頼します。
    社内報、メール、社内SNSなど、複数のチャネルを使って周知徹底を図りましょう。経営層からのメッセージがあると、より真剣に受け止められます。
     
  5. アンケートの実施(実施)
    策定したスケジュールに沿ってアンケートを実施します。
    回答期間中は、回答を促すリマインドメールを送るなど、回答率を高めるための工夫も行いましょう。
     
  6. 進捗状況の確認(実施中)
    回答期間中は、定期的に回答状況を確認し、必要に応じて回答を促すアナウンスを行います。
    ただし、過度な催促は回答者の負担になるため注意が必要です。

このように、若手社員アンケートの仮説(目的)に沿って、あらかじめ綿密に実施の設計を

組んでおくことが重要です。そうすることで、アンケート結果の質を担保できるとともに、PDCAを回しやすくなります。
 

若手社員の回答意欲を高める方法

回答率を上げ、質の高い回答を得るためには、若手社員の回答意欲を高める工夫が不可欠です。以下では、その具体的な工夫を紹介します。

  • アンケートの目的と意義を明確に伝える
    「なぜこのアンケートに回答する必要があるのか」「回答することで自分たちにどのようなメリットがあるのか」を具体的に説明することで、回答のモチベーションを高めます。
     

  • 経営層からのメッセージ
    経営層からアンケート実施への理解と協力のメッセージがあると、社員は「会社が本気で自分たちの声を聞こうとしている」と感じ、回答意欲が高まります。
     

  • 匿名性の徹底と明示
    匿名性の保証は非常に重要です。「安心して本音を語ってください」というメッセージを明確に伝えましょう。
     

  • 回答時間の目安を伝える
    「約5分で回答できます」「あなたの貴重な10分をください」など、回答にかかる時間の目安を伝えることで、回答へのハードルを下げます。
     

  • 回答期間を適切に設定する
    短すぎず、長すぎず、若手社員の業務負担を考慮した期間を設定します。
     

  • 回答しやすさを追求する
    PC、スマートフォンなど、多様なデバイスからの回答に対応できるようにし、デザインもシンプルで分かりやすいものにしましょう。
     

  • 回答への感謝を伝える
    アンケート完了後には、回答への感謝のメッセージを表示するなど、回答者の協力に感謝の意を示しましょう。
     

  • 結果のフィードバックを約束する
    「回答結果は〇月〇日に社内で共有し、今後の改善に生かします」など、アンケート結果がどのように活用されるかを事前に伝えることで、回答への期待感を高めます。

アンケート回答率を上げるには、ある程度の強制力を働かせることも効果的ですが、やりすぎると、「回答することが目的」となってしまう恐れがあります。

回答「意欲」を上げるために、回答者に寄り添った設計を心掛けることをおすすめします。
 

デジタルツールを効果的に活用する

現代のアンケート実施においては、デジタルツールの活用が不可欠です。適切なツールを選ぶことで、アンケートの作成から集計、分析までを効率的に行えます。

主なアンケートツールには次のようなものがあります。

Google Forms

無料で手軽に利用でき、簡単なアンケートであれば十分な機能を備えています。回答の集計も自動で行われます。

icrosoft Forms

Microsoft 365 を利用している企業であれば、使い慣れた環境で利用できるでしょう。

SurveyMonkey

より高度なアンケート設計や分析機能が必要な場合に適しています。テンプレートも豊富で、プロフェッショナルなアンケートを作成できます。

Qualtrics

大規模な企業や、複雑なデータ分析が必要な場合に利用されることが多い、高機能なアンケートプラットフォームです。

SmartSurvey

日本語対応もしており、使いやすいインターフェースが特徴です。

UMU

学習プラットフォームのアンケート機能を活用します。一人一人の「学び」にフォーカスしたツールであるため、その後の育成施策にもつなげやすいでしょう。

これらのツールは、設問作成、回答収集、データのエクスポート、グラフ化などの機能を備えています。

特に、匿名回答を保証する設定や、回答進捗の確認機能などは、アンケート実施の効率を大きく向上させます。

ツールの選定にあたっては、以下の点を考慮しましょう。

  • 予算:無料ツールで十分か、有料ツールの高機能が必要か。
     
  • 機能:匿名性確保の機能、多言語対応、データ分析機能など、必要な機能が備わっているか。
     
  • 使いやすさ:アンケート作成者や回答者にとって、操作がしやすいか。
     
  • セキュリティー:回答データの保護体制は十分か。

デジタルツールを最大限に活用し、アンケート実施の負担を軽減しながら、質の高いデータを収集しましょう。
 

若手社員アンケート結果の分析と解釈

若手社員 イメージ

アンケートの実施が終われば、いよいよ結果の集計と分析です。単に数字を眺めるだけでなく、その背後にある若手社員の本音や、組織の潜在的な課題、そして強みを読み解くことが重要です。
 

データの集計と分析の手法

収集したデータは、そのままでは意味を持ちません。適切な方法で集計し、分析することで、初めて価値ある情報となります。

定量データの集計

  • 単純集計:
    各設問の回答数を集計し、割合(パーセンテージ)を算出します。
     
  • クロス集計:
    複数の設問を組み合わせて集計し、特定の属性(例:部署別、入社年次別)による回答傾向の違いを把握します。例えば、「営業部の若手社員は、他の部署の若手社員よりも残業時間に対して不満を感じている」といった傾向が見えてくることがあります。
     
  • 平均値・中央値・最頻値の算出:
    段階評価の設問などでは、これらの統計量を用いることで、大まかな傾向を把握できます。

 

定性データの分析(自由記述の分析)

自由記述欄に寄せられたコメントは、定量データだけでは見えてこない、若手社員の生の声が詰まっています。

  • テキストマイニング:
    自由記述のコメントの中から、頻出する単語やキーワードを抽出したり、単語同士の関連性を分析したりすることで、傾向をつかむことができます。例えば、「成長」「研修」「コミュニケーション」といったキーワードが頻繁に出てくる場合、それらが若手社員にとって重要なテーマであることが示唆されます。
     
  • コーディング:
    コメントの内容を読み込み、共通するテーマやカテゴリーに分類する作業です。これにより、膨大なコメントから主要な意見を効率的に整理できます。
     
  • 視覚的な表現:
    集計・分析したデータは、グラフ(棒グラフ、円グラフ、折れ線グラフなど)や表を用いて視覚的に分かりやすく表現することが重要です。これにより、一目で傾向を把握でき、関係者への共有も容易になります。特に、経年比較や部署間比較などを行う場合は、比較しやすいグラフ形式を選ぶことが大切です。

 

若手社員の本音を読み解くコツ

数字だけを見て判断せず、その背景にある若手社員の本音を読み解くことが、アンケート分析で特に重要なポイントです。

  • 「なぜ」を深掘りする
    「〇〇に満足していない」という結果が出た場合、そこで止まらずに「なぜ満足していないのか?」「具体的に何に不満を感じているのか?」を深掘りする視点が重要です。自由記述のコメントや、追加のヒアリングなどを通じて、その理由を探ります。
     
  • データ間の関連性を探る
    例えば、「上司とのコミュニケーション頻度が低い」と「仕事へのモチベーションが低い」という2つのデータが関連している場合、「上司とのコミュニケーション不足がモチベーション低下の一因となっているのではないか」という仮説を立てることができます。
     
  • ポジティブな意見にも注目する
    ネガティブな意見にばかり目を向けがちですが、「何に満足しているのか」「何が強みだと感じているのか」といったポジティブな意見も非常に重要です。これらは、組織の強みを再認識し、良い点をさらに伸ばすためのヒントとなります。
     
  • 変化の兆候を見つける
    過去のアンケート結果がある場合は
    、それと比較することで、若手社員の意識や職場の状況がどのように変化しているかを見つけることができます。「以前は不満が多かった項目が改善されている」「新たな課題が浮上している」といった変化の兆候は、今後の施策を検討する上で重要な情報です。
     
  • 現場の声と照らし合わせる
    アンケート結果はあくまでデータです。実際の現場で若手社員と接している上司や先輩の意見、日々の会話などと照らし合わせることで、データの解釈に深みが増します。

 

結果から読み取れる職場の問題点と強み

分析を通じて、職場が抱える問題点と、若手社員が感じている強みを明確に洗い出しましょう。

読み取れる 【問題点】 の例

  • コミュニケーション不足:
    上司との対話機会の不足、部署間の連携不足、フィードバックの不足など。
     
  • キャリアパスの不明確さ:
    将来のキャリアが見えない、評価制度が不透明、成長機会が少ないと感じている。
     
  • 仕事内容への不満:
    単純作業が多い、裁量権がない、自分の強みを生かせていないと感じる。
     
  • ワークライフバランスの課題:
    長時間労働、休日出勤が多い、有給休暇の取得しづらさなど。
     
  • ハラスメントの存在:
    パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントなど、不適切な言動の存在。
     
  • 企業文化への不適応:
    企業理念や行動指針への共感の欠如、組織風土への違和感。

 

読み取れる 【強み】 の例

  • チームワークの良さ:
    困った時に助け合える仲間がいる、協力的な雰囲気がある。
     
  • 上司・先輩のサポート体制:
    熱心に指導してくれる上司がいる、相談しやすい先輩がいる。
     
  • やりがいのある仕事:
    自身の成長を実感できる、社会貢献につながる仕事ができている。
     
  • 自由な社風:
    新しい挑戦を歓迎する、意見を言いやすい環境がある。
     
  • 福利厚生の充実:
    ワークライフバランスを重視する制度が整っている、健康への配慮がある。

これらの問題点と強みを具体的にリストアップし、それぞれの項目に対して、具体的な改善策やさらに伸ばしていくべき点を検討する準備を進めましょう。
 

若手社員アンケートから職場改善につなげる

ワークショップ イメージ

アンケート結果の分析が終わったら、いよいよ具体的な職場改善へと行動を移すフェーズです。ここで重要なのは、若手社員のフィードバックを真摯に受け止め、目に見える形で改善策を実行することです。
 

若手社員のフィードバックを基にした改善策

1. 優先順位の決定
すべての問題点を1度に解決することは不可能です。影響度(改善がもたらす効果の大きさ)と実現可能性(実行のしやすさ、コストなど)を考慮し、優先順位をつけましょう。
特に、若手社員が強く不満を感じている点や、組織全体の生産性に大きく影響する点から着手するのが効果的です。
 

2. 具体的な施策の立案
各問題点に対し、具体的な施策を考案します。

例:

●「上司とのコミュニケーション不足」の場合:

  • 週に1度の1on1ミーティングの義務化
  • OJT担当者向けのコーチング研修の実施
  • 気軽に話せるランチミーティングの開催
     

●「キャリアパスの不明確さ」の場合

  • 社内キャリアコンサルタントの設置
  • キャリアパス事例の共有会開催
  • 目標設定と評価プロセスの透明化
     

●「スキルアップ機会の不足」の場合

  • 社内勉強会の定期開催
  • 外部研修受講の補助制度拡充
  • 部署内でのスキルマップ作成と共有

3. 担当者と期限の明確化
立案した施策は、「誰が」「いつまでに」実行するのかを明確にします。これにより、責任の所在が明確になり、実行に移されやすくなります。
 

4. 施策の実行と進捗管理
計画に基づいて施策を実行し、定期的に進捗状況を確認します。
必要に応じて軌道修正を行い、柔軟に対応しましょう。

5. 結果のフィードバックと報告
改善策の実行後、若手社員に対して、アンケート結果を踏まえてどのような改善が行われたのかを見える化して報告します。
「皆さんの声が、このような改善につながりました」と伝えることで、アンケートへの回答が組織に良い影響を与えたことを実感してもらい、次回のアンケートへの協力意欲を高めることができます。
 

若手社員の定着と育成には職場ワークショップが効果的!

アンケートで浮き彫りになった課題解決や、若手社員の成長を促進するためには、職場ワークショップの実施が非常に効果的です。ワークショップは、単なる情報伝達にとどまらず、参加者同士の対話や協働を通じて、主体的な学びと気付きを促す場となります。

職場ワークショップが効果的である理由は、多岐にわたります。

まず、若手社員自身が課題解決や目標達成に向けて議論に参加することで、当事者意識が芽生え、自分事として捉えるようになります。

次に、普段話す機会が少ないメンバーとも交流が生まれ、部署内や部署横断的なコミュニケーションが促進される効果が期待できます。

さらに、異なる経験や背景を持つ社員が集まることで、多様な視点から課題を捉え、より多角的な解決策を見つけることが可能になります。

ワークショップを通じて、ファシリテーションやプレゼンテーション、ロジカルシンキングなど、さまざまなビジネススキルを習得・向上できる点も大きなメリットです。そして、共通の目標に向かって協力することで、チームの一体感やエンゲージメントが高まる効果も得られます。

具体的な職場ワークショップのテーマとしては、「私たちの部署のコミュニケーション課題を解決するには?」といったコミュニケーション改善を目的としたものや、「新入社員が早期に活躍するためのサポート体制を考える」といった新入社員のオンボーディング改善に関するもの、「自分の強みを生かしたキャリアをデザインする」といったキャリアプランニングを支援するもの、「ストレスと上手に向き合い、職場でいきいきと働くためには」といったメンタルヘルスに関するものなどが考えられます。

ワークショップは、参加型の形式であるため、若手社員の積極的な参加を引き出し、アンケートでは得られない深い洞察や、具体的な行動計画を生み出す可能性を秘めているのです。
 

若手社員アンケートから職場コミュニケーションを活性化するなら「LIFO」がおすすめ!

LIFO

職場コミュニケーションの活性化なら自己診断ツールLIFO(Life Orientations)を活用した職場単位でのワークショップがおすすめです。

なぜなら、LIFOプログラムは心理学や行動科学をベースにして組み立てられた行動特性診断をベースに、職場単位でワークショップを行うためのワークブックなどのツールも体系的にそろえられているからです。

また、体系立てられたツールの使い方を社内トレーナーの方々にライセンス提供もされており、社内トレーナーの方々が職場単位でワークショップを展開していくことも可能です。下記に概要を紹介します。
 

自己診断ツールLIFOとは

LIFO(Life Orientations)は、個人の行動スタイルを診断する自己診断ツールです。このツールは、自分の強みや行動パターンを理解するために役立ちます。

LIFOは4つの基本スタイルに基づいており、これらのスタイルはそれぞれ異なる行動特性や価値観を持っています。

自分がどのスタイルに属しているかを知ることで、より良いコミュニケーション方法やストレス時の行動傾向を把握することができます。
 

LIFOを活用したコミュニケーション研修

LIFOを活用したコミュニケーション研修では、まず参加者が自己診断を行い、自分の行動スタイルを理解します。この診断結果を基に、どのように他者と効果的にコミュニケーションを取るかを学びます。

研修では以下のような内容が含まれます。

自己理解の深化

診断結果を基に、自分のコミュニケーションスタイルの特徴を深掘りします。どのような場面でどのように行動するのかを具体的に把握します。

他者理解の促進

他のスタイルを持つ人との違いを理解することで、より効果的な関わり方を学びます。これにより、誤解や摩擦を減らすことが可能になります。

実践的スキルの習得

ワークショップやロールプレイを通じて、実際のコミュニケーション場面でどのようにLIFOの知見を活用するかを練習します。

フィードバックと改善

実践後にフィードバックを受け、自分のコミュニケーションスタイルの改善点を明確にします。

LIFOを取り入れた研修に参加することで、個人のコミュニケーションスタイルを理解し、それをベースに他者との関係を改善するスキルを獲得できます。

これにより、職場や日常生活でのコミュニケーションがよりスムーズで効果的になることが期待できます。
 

若手社員アンケートからレジリエンスの高い組織づくりを目指す

レジリエンス イメージ

若手社員アンケートからの改善策として、組織でレジリエンスを高めていくために、ぜひ実践したい3つのポイントがあります。

  1. レジリエンス研修を取り入れる

  2. 心理的安全性の高いチームを作る

それぞれ詳しく解説します。
 

レジリエンス研修を取り入れる

1つめのポイントは「レジリエンス研修を取り入れる」です。

企業におけるレジリエンス研修は、新入社員や若手・中堅層を対象とした階層別研修で実施されるほか、レジリエンス強化に特化した目的別研修として実施されるケースも増えています。

あるいは、「上司がレジリエンス研修に参加し、部下とのキャリア面談に生かす」といった取り組みも見られます。

レジリエンス研修は、主に以下の要素で成り立っています。

【レジリエンス研修5つの要素】

(1)メンタルヘルスの理解促進

(2)ストレスの理解促進

(3)レジリエンスの理解促進

(4)逆境に直面した時の感情コントロール

(5)コミュニケーションスキルの向上

以下は2日間で行う、レジリエンス研修カリキュラムの例です。

	レジリエンス研修カリキュラム出典:レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素

レジリエンス研修では、座学だけでなく、ワークやロールプレイを交えながら、実践的なスキルを身に付けていきます。

自己理解を深め、ストレス対処法やコミュニケーション術を体得することで、困難な状況でも折れない心の強さを養っていくのです。

▼詳しくは、以下の記事をご確認ください。

 

心理的安全性の高いチームを作る

2つめのポイントは「心理的安全性の高いチームを作る」です。

心理的安全性とは、チームのメンバーが安心して自分の意見を言ったり、ミスを恐れずにチャレンジしたりできる雰囲気のことを指します。心理的安全性があってこそ、組織のレジリエンスが高まっていくのです。

心理的安全性の高いチームを作るためには、リーダーの役割が極めて重要です。部下の意見に耳を傾け、失敗を責めるのではなく、そこからの学びを引き出すことが求められます。

【心理的安全性を高めるリーダーのスキル】

  • 傾聴力:
    メンバーの話に耳を傾け、その背景にある思いをくみ取る力です。アクティブリスニング(積極的傾聴)の技法を身に付け、部下の本音を引き出していきましょう。単に話を聞くだけでなく、相づちを打ったり、質問を投げかけたりしながら、相手の気持ちに寄り添うことが大切です。
     

  • 対話力:
    質問を投げかけ、メンバー同士の建設的な議論を促進する力です。一方的に指示を出すのではなく、メンバーの主体性を引き出すことが重要です。「○○さんなら、どうしますか?」「ほかにアイデアはありますか?」と問いかけ、多様な意見が出る場をつくりましょう。対話を通じて、メンバーの思考が深まり、新たな気付きを得られるはずです。
     

  • 承認力:
    メンバーの頑張りや成果を認め、ねぎらいの言葉をかける力です。小さな進歩でも褒めることで、メンバーのモチベーションを高められます。「○○さんの提案、素晴らしかったです」「今回の成功は、○○さんの頑張りのおかげです」と、具体的に承認の言葉を伝えましょう。メンバーの自己効力感が高まり、さらなる成長につながります。
     

  • 育成力:
    メンバーの個性や強みを見抜き、成長の機会を提供する力です。時には、ストレッチ(背伸び)目標を与え、挑戦を後押ししていきましょう。「○○さんなら、できます」「今の○○さんにぴったりの仕事だと思います」と、メンバーの可能性を信じるメッセージを送ることが大切です。成長の後押しが、メンバーの自己実現につながるのです。

こうしたスキルを備えたリーダーの基では、メンバーは安心して自分の能力を発揮できるようになります。

失敗を恐れずにチャレンジし試行錯誤を重ねながら成長していく、心理的安全性の高いチームづくりが、組織のレジリエンスを支える基盤となるのです。

▼詳しくは、以下の記事をご覧ください。

 

LIFO・レジリエンス研修を若手社員に効果的に実施している事例

LIFOを活用して社内トレーナーがコミュケーション研修を展開している事例

リコージャパン株式会社 人事・コーポレート本部 人財開発センター 人財開発部 部長 武田 佳祐 様  リコーグループは、日本、米国、欧州、アジア・パシフィックに拠点を置き、全世界約200の国と地域で事業を展開しているグローバルカンパニーです。2036年に創業100周年を迎えるリコーグループは、「”はたらく”に歓びを」という価値観を基に持続可能な未来をつくる活動をしています。 「人のこころとからだに携わり、現場に寄り添った教育施策を実現したい」という個人の想いを持ち、活動しています。

背景・課題:

リコージャパン株式会社では、2010年の販売会社統合以降、各支社の固有の課題に対応できず、教育施策が本部主導で一方的になるなどの課題がありました。

また、コロナ禍以降、会食などの機会が減ったことにより、コミュニケーションの希薄化を招いていました。これらの課題を解決するために、社員自らが強みや弱みを理解し合い、横のつながりを強化する取り組みが求められていました。
 

LIFOプログラム(社内トレーナーライセンス)の導入:

その中で、LIFO(Life Orientations)を導入しました。LIFOの活用を通じて、社員一人一人の個性を診断し、自己理解と他者理解を促進しました。

これにより、非公式なコミュニケーションが減少する中でも、社員同士の相互理解を深めるための新たな手段を提供することができるようになりました。

また、LIFOプログラムライセンスを取得することで、社内トレーナーが自主的に研修を行えるようになり、組織風土改革を進めました。

LDcubeとの協力により、多様なワークショップを展開し、各支社・部門が抱える具体的な課題に対応できるようになりました。
 

社内展開:

プログラムの展開においては、事前のLIFO診断、ワークショップの実施、職場での実践、効果検証のサイクルを組み込みました。

参加者は、研修後の職場実践を通じて得られたスキルを評価し合い、PDCAサイクルを回すことで、持続的なスキルアップを図っています。

ラーニングプラットフォーム「UMU」を活用し、受講者同士が学び合う環境も整備しました。
 

社内トレーナーによる研修実施後の反応:

導入後、プログラム受講者の満足度は高く、多くの支社で「対人関係」や「マネジメント能力」などにおいて数値的な改善が見られました。

LIFOを活用したレクチャーは「人」の問題の解決に寄与し、特にアウトプット重視の体験学習が効果的でした。

UMUの活用と一連の学習サイクルの設計により、事務局の負担軽減と学習効果の向上が実現しました。
 

今後に向けて:

今後は、各支社や部門の課題に寄り添い、人材育成を継続的にサポートすることで、社員個々の自己成長と組織全体の活性化をさらに推進する予定です。

また、LIFO以外のライセンスプログラムも組み合わせ、人材育成のプログラムラインナップを増やしていきます。

これにより、組織内のさまざまな課題を解決し、全体の一体感をさらに高められることを期待しています。

▼本事例はインタビュー記事の一部です。インタビュー記事全文はこちらからご覧ください
リコージャパン株式会社様 ライセンスプログラム導入事例

 

レジリエンス研修の支援事例

社員数:1,500名以上

事業:自動車の設計、開発

導入前の課題

変化・変革への対応力を高めるための土台として、エンジニアのレジリエンス強化

現在の自動車業界は変革期の真っただ中です。業務内容は変化し、ステークホルダーに求められる成果は高度化、そして対応スピードも高速化しています。

業界の変化に対応し、持続的に成長するためには、これまで以上に豊かな発想とチャレンジ精神を持つエンジニアを数多く育てる必要があります。

テクニカルスキルやビジネススキル、ヒューマンスキル、マネジメントスキルなどさまざまなスキルアップが必要ですが、スキルを身に付けるだけでは不十分だと感じていました。

そこで、これらのスキルを身に付ける土台として、「失敗を恐れずに挑戦できる」「柔軟で合理的な思考を持つ」「変革の過程を楽しめる強さを持つ」の3つの能力(レジリエンス能力)をテーマにした教育を導入することにしました。

また、休職者・退職者が増加傾向にあったこともあり、個人としての能力啓発だけでなく、研修を通したチームの活性化もねらいの1つとしました。

開発力を高めるためには、チーム内の他者理解と相互サポートが必要不可欠だと考えたからです。

事務局でレジリエンスプログラムのトライアル研修を実施後、本導入を決定しました。
 

取り組みの詳細

社内講師を養成して展開

リラックスした雰囲気で同じ会社ならではの「共感」できる事例を織り交ぜた研修

レジリエンス能力はどの従業員にとっても必要な能力だと考えていました。そのため、管理職から新入社員まで全社員を対象に実施することにしました。

全社員を対象に研修を実施し、かつレジリエンスを組織内の共通言語として広めていくためには、外部コンサルタントに実施してもらうのではなく、社内講師による自社内研修が効果的だと考え、開発部門内で4名の社内講師を養成しました。

そして、集合研修後に風化しない「シカケ」作りのために、管理監督職層からプログラムを展開しました。

管理監督職が内容を理解していれば、現場でサポートできると考えたからです。研修冒頭では、受講者に自分事として捉えてもらうためにレジリエンス強化の必要性と目的を重点的に説明し、受動的な研修にならないよう個人ワーク・グループワークを多く取り入れました。

また、振り返りの時間を長めに確保し、研修の最後には「今後自分はどのような行動をとる」という宣言をする時間を設けました。思考・議論の活性化のために、対面研修、リラックスできる雰囲気作り、講師自身の事例提供を大切にしました。

対面研修にすることで同じ階層同士のやり取りを増やし、他部署とのつながりの強化を図りました。そして、今回の研修は自己の内面に関わる内容であったため、本音を引き出すために、テキストの内容だけでなく、より共感を得られるよう講師の実体験を伝えながら進行しました。

個人ワークが進まない受講者に対して「人と同じ考え方でなくても良い」ということを認識してもらうため、こまめに声掛けもしました。

また、学んだことを風化させないために、研修内で活用した自分に不足している要素を把握してもらうためのセルフチェック表を研修から3カ月後に記入してもらうことで、学んだ内容を思い出す機会を設けました。
 

導入後の成果

レジリエンスを社内共通言語に

受講生から

「レジリエンス=抑うつや不安への耐性のみに効果を発揮する先天的なものという認識だったが、その他にも特徴があり後天的に習得・強化が可能な能力だということを知った」

「思考の柔軟性を高めることができた」

「ネガティブ=悪いこと、ポジティブ=良いことではなく、状況や置かれている立場・役割によって使い分けることが大切だということを学んだ」

などの感想をいただき、社内講師がメッセージしたかったことが伝わっていることを実感しました。

その他、「研修が自己理解のきっかけになり、自分の考え方の癖・強み・弱みを理解できたことで仕事に限らず日々の生活の中で気を付けられるようになった」という声もあり、仕事以外の場面でも研修の効果を感じていただきました。

そして、講師4名でテーマごとに役割分担をしたことにより、各講師が1つのテーマに集中して講義を進めることができました。

研修を組み立てる際も、1人で考えるのではなく、4名で話し合いを重ねながら組み立てたことによって、より会社の目指す方向性と受講生の心理に寄り添う研修になったと考えています。

「レジリエンス」という言葉が現場で使われるようになり、社内共通言語として浸透させるための第一歩を踏み出しました。

日常的なフォローアップに力を入れてレジリエンス強化を加速し、成長し続ける組織を目指していきます。
 

まとめ:若手社員アンケートは健全な職場環境づくりの第一歩!

若手社員アンケートを成功させ、組織を強くする!目的別活用術から成果につなげる秘訣まで紹介!について解説してきました。

若手社員アンケートは、単なる調査ツールではなく、組織の未来を形作るための強力な羅針盤です。

アンケートを通じて若手社員の声に耳を傾け、その本音を深く理解し、具体的な改善行動へとつなげていく。この一連のプロセスこそが、若手社員の成長を促し、彼らが長く活躍できる魅力的な職場環境を創り出すための道筋となります。

本記事で解説したアンケートの目的設定、設計、実施、分析、そして職場改善への落とし込み方を実践することで、貴社は若手社員の定着率向上、モチベーションアップ、ひいては企業全体の競争力強化を実現できるはずです。LIFO®やSBRP®といった専門ツールも活用し、貴社ならではの「若手社員が輝く職場」を築き上げてください。

本記事が、貴社の若手社員育成と組織力強化の一助となれば幸いです。貴社のアンケート実施や人材育成に関するご不明な点がありましたら、お気軽にご質問ください。

株式会社LDcubeでは、LIFO®プログラムやSBRP(レジリエンス)プログラムを活用した研修会、心理的安全性を学ぶeラーニングのご提供、LIFO®プログラムやSBRPプログラムの社内インストラクター養成など、幅広くご支援をしています。

無料体験会なども行っています。ぜひお気軽にご相談ください。 

 

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。 

	LIFO資料バナー

SBRP資料ダウンロード

若手・OJT研修資料バナー

 

▼関連記事はこちらから。 


企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

テーマで探す

Webinar
近日開催ウェビナー

Download
おすすめ資料

Article
おすすめ記事