
営業職を辞めたいと思った時の新たなキャリアとは?|社内講師へのキャリアチェンジがおすすめ!
「このままずっと営業を続けていけるのだろうか…」
そんな不安や迷いを抱えていませんか?営業職は、男性・女性、法人営業、個人営業を問わず、会社の業績を直接的に支える重要なポジションです。
一方で言い換えれば、常に数字のプレッシャーと向き合い続けなければならない厳しい職種でもあります。
実際、営業職は決して人気のある職種とは言えず、離職率は他職種と比べて高い傾向にあり、多くの方が「営業を辞めたい」と一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
ノルマのプレッシャーや、長時間労働、休日出勤、さらには人間関係の悩みなど、その理由はさまざまです。
しかし、「営業を辞めたい」と感じたとき、すぐに退職を決意するのは得策ではありません。なぜなら、営業経験は他の職種に転職する際にも大きな強みとなる可能性があるからです。
また、営業のスタイルを変えることで、今の悩みが解消される可能性もあります。
本記事では、営業職を辞めるべきかどうかの判断基準から、具体的な出口戦略まで、あなたの決断をサポートする情報をご紹介します。
「今すぐ辞めたい」という気持ちはわかりますが、まずは冷静に状況を整理していきましょう。
あなたの「辞めたい」という気持ちに、具体的な道筋を示していきます。
▼営業についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。
- 営業研修・セミナーは社内講師での実施が最適!?おすすめの理由を紹介!
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- 営業に向いていないと感じた人の新たなキャリアとは?社内講師がおすすめな理由を解説
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目次[非表示]
- 1.営業を辞めたいと思ったら研修講師が最適!
- 2.営業を辞めたいと思った時にまず考えること
- 2.1.焦って退職を決めない
- 2.2.今の気持ちを書き出して整理する
- 2.3.自分の本当の不満は何かを見極める
- 3.営業を辞める前に知っておくべき職種の価値
- 4.営業を辞めるべきかどうかの7つの判断基準
- 5.営業を辞めたいと思ったら確認すべき3つのポイント
- 6.営業を辞めたい人が選べる3つの選択肢
- 7.営業経験を生かせる職種4選
- 8.営業を辞めたいと思った際の相談方法
- 9.社内の営業研修講師を育成する3つのステップ
- 10.社内講師による営業研修で成果を上げた支援事例
- 11.まとめ:営業を辞めたいと思ったらまずは理由を整理しよう
営業を辞めたいと思ったら研修講師が最適!
営業職に限界を感じ、次のキャリアを模索している方にとって、営業研修の講師という選択肢は意外にも魅力的な道となります。営業の第一線から一歩引きながらも、これまでの経験を最大限に生かせる職種だからです。
さらに、安定した労働環境で働きながら、次世代の営業人材の育成という形で社会に貢献できる点も大きな魅力となっています。
自社での営業経験が無いとできない仕事
営業研修の講師は、単なる理論や机上の空論を教えるだけの仕事ではありません。
実際の営業現場での経験があってこそ、「説得力のある指導」が可能となる専門性の高い職種です。営業の現場で培った経験は、研修の質を大きく左右する重要な要素となります。
特に以下のような場面で、実務経験は大きな価値を発揮します。
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現場での経験を持つ講師だからこそ、教科書やマニュアルには書かれていない暗黙知を効果的に伝授することができるのです。
そのため、受講者からの具体的な相談に対しても、実体験に基づいた説得力のあるアドバイザーとなれるのです。
営業を続けている人は講師になりたがらない
実は、営業のハイパフォーマーほど研修講師への転身を選択しない傾向があります。
その理由として、現場での成功体験が強く、第一線での活躍を望む気持ちが強いことや、営業職での高収入やインセンティブに魅力を感じていることが挙げられます。
また、マネジメントポジションを目指すキャリアプランを持っているケースも多く見られます。
このような状況は、営業経験を持ちながら新しいキャリアを模索している方にとって、むしろチャンスとなります。
なぜなら、以下のようなメリットがあるからです。
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さらに、講師という立場には営業職とは異なる独自の魅力があります。
数字のプレッシャーから解放され、知識やスキルを体系的に整理しながら自身も成長できる環境で働けることは、大きなメリットと言えるでしょう。また、次世代の営業人材育成を通じて社会に貢献できる点も、やりがいのある要素となっています。
営業研修の講師は、営業経験を生かしながら、より安定した環境で専門性を発揮できる理想的なポジションと言えます。特に、営業職での経験を持ちながら、新たなキャリアステージを探している方にとって、検討に値する選択肢となるでしょう。
ただし、営業というライン職ではなく、スタッフ職という位置づけになるため同じ年収という訳にはいかないでしょう。インセンティブ分が減少してしまうことは念頭においておきましょう。
▼営業研修の講師については下記で詳しく解説しています。
⇒営業研修・セミナーは社内講師での実施が最適!?おすすめの理由を紹介!
営業を辞めたいと思った時にまず考えること
営業職で行き詰まりを感じた時、すぐに退職を決意するのではなく、まずは冷静に状況を分析することが重要です。感情的な判断は、その後のキャリアに大きな影響を与える可能性があるためです。
ここでは、営業を辞めたいと感じた時に、まず考えるべきポイントについて解説していきます。
焦って退職を決めない
「今すぐにでもこの状況から抜け出したい」という気持ちは理解できますが、焦りによる判断は避けるべきです。
特に、収入が途絶えることによる生活への影響や、次の仕事が決まっていない状態での転職の困難さを考慮する必要があります。
慎重な判断が特に重要となるのは、以下のような状況です。
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このような場合は、まず現在の状況を客観的に見つめ直し、本当に退職が最善の選択なのかを冷静に検討することが賢明です。
多くの場合、一時的な感情による焦りであることも多く、 状況の改善を待つことで、より良い判断が可能になります。
今の気持ちを書き出して整理する
漠然とした不満や不安を具体的な形にするため、現在の状況を書き出して整理することが効果的です。この作業により、これまで曖昧だった問題点が明確になり、より客観的な判断が可能になります。
書き出す際は、以下の点について具体的に考えてみましょう。
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この整理作業を通じて、現在の状況に対する理解が深まり、より建設的な解決策を見いだせる可能性が高まります。また、自分自身の価値観や優先順位についても、より明確な認識を持つことができます。
自分の本当の不満は何かを見極める
営業職への不満の中には、実は別の要因が隠れていることが少なくありません。表面的な不満の背後にある本質的な問題を見極めることが、適切な解決策を見いだすために重要です。
例えば、「営業が向いていない」と感じる場合でも、その原因はさまざまです。商品やサービスへの共感が持てないのか、コミュニケーションそのものに苦手意識があるのか、あるいは単に経験不足による自信のなさなのか、慎重に分析する必要があります。
特に以下の観点から、問題の本質を見極めることが重要です。
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この分析により、本当の課題が見えてきたら、その解決方法を具体的に検討することができます。場合によっては、必ずしも退職が最適な解決策とは限らず、現在の環境での改善策が見つかることもあります。
重要なのは、一時的な感情に流されることなく、自身のキャリアや生活全体を見据えた判断を行うことです。慎重な分析と熟考を重ねることで、より良い選択への道が開けるはずです。
営業を辞める前に知っておくべき職種の価値
営業職を辞めることを検討する前に、この職種が持つ本質的な価値について理解を深めることが重要です。時として見落としがちな営業職の重要性と意義について、改めて考えてみましょう。
会社の売上に直結する重要な存在である
営業職は企業活動において、最も重要な役割の一つです。企業の収益を直接的に生み出す最前線の役割を担うだけでなく、市場のニーズを直接把握し、製品やサービスの改善につながる貴重な情報を提供する存在でもあります。
実際の営業活動を通じて得られる価値として、以下のようなものがあります。
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この立場にあるからこそ、企業の意思決定に大きな影響を与えることができ、事業の成長に直接的に貢献することができるのです。
顧客の課題解決を通じたやりがいがある
営業職の本質は、単なる商品販売ではありません。顧客の抱える課題を深く理解し、最適なソリューションを提供することで、ビジネスパートナーとしての信頼関係を築いていく仕事です。
このプロセスを通じて、以下のような深い満足感を得ることができます。
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特に、顧客から「あなたに相談して良かった」という言葉をいただけた時の喜びは、他の職種では得難い特別なものです。
他職種よりも成長スピードが速い
営業職は、他の職種と比較して短期間で大きな成長を遂げられる特徴があります。日々の商談や折衝を通じて、ビジネスパーソンとして必要不可欠なスキルを実践的に身に付けることができます。
具体的な成長が実感できる領域として、以下が挙げられます。
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これらのスキルは、キャリアの次のステージにおいても必ず生きてくる普遍的な価値を持っています。
努力が評価に反映されやすい職種である
営業職の大きな特徴として、努力と成果の関係が明確である点が挙げられます。売上や成約件数という具体的な数字で成果が可視化されるため、自身の成長や貢献度を客観的に把握することができます。
この特徴は、以下のような形でキャリア形成にプラスとなります。
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さらに、営業職での成功体験は、強い自信とモチベーションの源となり、長期的なキャリア形成においても大きな価値を持ちます。
このように、営業職には他の職種には見られない独自の価値や魅力が数多く存在します。これらの価値を十分に理解した上で、今後のキャリアについて判断することが重要です。
一時的な困難に直面していたとしても、それを乗り越えることで得られる成長の機会を見逃さないようにしましょう。
営業を辞めるべきかどうかの7つの判断基準
営業職を続けるべきか、それとも転職を選択すべきか。この重要な決断を行うための客観的な判断基準について、詳しく解説していきます。
以下の7つの観点から、自身の状況を冷静に評価してみましょう。
①数字のプレッシャーで心身が限界に達している
営業職特有の数値目標によるストレスが、心身の健康に重大な影響を与えていないかを確認することは極めて重要です。
一時的な疲労ではなく、継続的な影響が見られる場合は特に注意が必要です。無理しないことが大切です。
注意すべき主な症状として、以下のようなものが挙げられます。
身体面での変化 |
これらの症状が長期間続いている場合、早めの対処が必要です。心身の健康は何より優先されるべき事項だからです。
②コミュニケーションに強い苦手意識がある
営業活動の基本となるコミュニケーションへの苦手意識が、業務効率や精神的な負担に大きく影響している場合があります。
ただし、これは必ずしも致命的な問題とは限りません。経験を積むことで改善できる可能性も十分にあります。
特に以下のような状況が慢性的に続く場合は、職種変更を検討する価値があります。
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③商品やサービスへの共感が持てない
自社の商品やサービスに対する信頼や共感は、営業活動の根幹となります。この部分で疑問や不信感を抱えている場合、長期的な成功は難しいかもしれません。
特に以下のような状況が続く場合は、職種や会社の変更を真剣に検討する必要があります。
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④残業や休日出勤が生活を圧迫している
ワークライフバランスの崩壊は、長期的なキャリア形成の観点からも大きな問題です。
残業や休日出勤が常態化している場合、それは個人の問題というよりも、組織や業務プロセスの構造的な問題である可能性が高いと言えます。
以下のような状況が継続している場合は、特に注意が必要です。
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⑤上司や同僚との人間関係に問題がある
職場の人間関係は、業務効率や精神衛生に大きな影響を与えます。特に営業職は、チームワークや情報共有が重要な職種であり、良好な人間関係は必要不可欠です。
深刻な問題として以下のような状況が考えられます。
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⑥将来のキャリアビジョンが描けない
現在の仕事を通じて、将来のキャリアが見えない状況は深刻な問題です。単に今の仕事がつらいというだけでなく、長期的な成長や発展の可能性が見えないことは、モチベーションの維持を困難にします。
具体的に以下のような不安を感じる場合は、キャリアの再考が必要かもしれません。
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⑦給与や評価に不満がある
努力や成果が適切に評価され、それが処遇に反映されることは、モチベーション維持の重要な要素です。特に営業職は、成果が数字として明確に表れる職種であるだけに、評価の公平性は極めて重要です。
以下のような状況が続く場合は、転職を検討する理由となり得ます。
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これらの判断基準は、単独ではなく総合的に評価することが重要です。一時的な感情に流されることなく、長期的な視点で自身のキャリアを考えることが、より良い決断につながります。
営業を辞めたいと思ったら確認すべき3つのポイント
営業職からの転職を考える前に、必ず確認しておくべき重要なポイントについて解説します。これらを慎重に検討することで、より良い判断を下すことができます。
今の状況が一時的なものである可能性を確認する
現在直面している問題が一時的なものなのか、それとも構造的な問題なのかを見極めることは非常に重要です。多くの場合、一時的な困難は時間の経過とともに解決される可能性があります。
特に以下のような要因については、一時的な可能性が高いものとして慎重に検討する必要があります。
時期的な要因による影響 |
これらの要因を冷静に分析することで、現在の状況が改善可能なものかどうかを判断することができます。
上記に当てはまる場合、目の前の仕事が忙しすぎて「辞めたい」と思っている可能性があります。
まずは、冷静に状況を捉え、目の前の仕事をしっかりと行いましょう。忙しさが落ち着けば気持ちも変わる可能性があります。
自分の市場価値を冷静に分析する
転職を検討する際は、自身の市場価値を客観的に評価することが極めて重要です。
現在の経験やスキルが、転職市場でどのように評価されるのかを理解することで、より現実的な転職プランを立てることができます。自分のことを過大評価してしまっていることも少なくありません。
市場価値を評価する際の主なポイントとして、以下の要素を考慮します。
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転職後の具体的なキャリアプランを描く
漠然と転職を考えるのではなく、具体的な将来像を描くことが重要です。転職後のキャリアについて、明確なビジョンを持つことで、より的確な判断と準備が可能になります。
キャリアプランを検討する際の重要な観点として、以下が挙げられます。
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このような具体的なプランを描くことで、単なる現状からの逃避ではなく、建設的な転職を実現することができます。また、面接時にも自身のビジョンを明確に伝えることができ、より良い転職先との出会いにつながります。
営業を辞めたい人が選べる3つの選択肢
営業職からの転身を考える際には、実現可能性の高い選択肢を慎重に検討することが重要です。
ここでは、現実的に選択可能な3つの道筋について、それぞれの特徴と実現のためのアプローチを詳しく解説していきます。
社内での職種転換にチャレンジする
現在の会社の環境や文化になじみがあり、業界知識も豊富な場合、社内での職種転換は非常に現実的な選択肢となります。この選択には、企業文化や業界知識を生かせることに加え、既存の人間関係やネットワークを維持できるという大きなメリットがあります。
社内転換を実現するためには、以下のようなステップを意識することが重要です。
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特に、「営業経験を生かせる部署」という視点で検討することで、より実現可能性の高い転換プランを立てることができます。例えば、社内講師やマーケティング部門であれば、現場で培った知見を直接生かすことができるでしょう。
営業経験を生かせる職種へ転職する
営業で培ったスキルや経験は、実は多くの職種で高く評価されます。特に、顧客との関係構築能力やコミュニケーション力は、さまざまな職種で求められる普遍的なスキルです。
営業経験を生かせる代表的な職種として、営業企画職やカスタマーサクセス、営業支援などが挙げられます。
これらの職種は、営業の経験がある人だからこそ、その視点を生かして効果的な業務遂行が可能となります。
転職を成功させるためには、自身の営業経験で得た具体的なスキルや成果を、新しい職種でどのように生かせるかを明確にすることが重要です。
また、必要に応じて追加のスキルを習得することで、より魅力的な候補者となることができます。
ただし、営業職で転職を考えた場合、営業職から営業職への転職は実現の可能性がありますが、営業職から他職種への転職のケースでは他職種の経験がない場合、うまくいかない可能性もあります。
業種によっては未経験でも歓迎してくれる可能性もありますが、まずは社内で他職種の経験が積めるようであればそちらの方が得策と言えるでしょう。
未経験から挑戦できる職種を選択する
全く新しい分野にチャレンジすることで、新たなキャリアを構築することも可能です。
ただし、未経験分野への転職を成功させるためには、綿密な準備と覚悟が必要です。
具体的には、基礎的なスキルの習得や資格の取得、業界研究などを事前に行うことが重要です。また、場合によっては一時的な収入減を覚悟する必要もあるかもしれません。
未経験分野への転職で特に重要なのは、なぜその分野を選択したのか、どのように自身の経験を生かせるのかを明確に説明できることです。
営業で培った粘り強さやコミュニケーション能力は、新しい分野でも必ず生きてくる強みとなります。
どの選択肢を選ぶにせよ、十分な準備と計画的なアプローチが成功への鍵となります。自身の状況や志向性を考慮しながら、最適な選択肢を検討していきましょう。
営業経験を生かせる職種4選
営業経験で培ったスキルや経験は、実は多くの職種で生かすことができます。
ここでは、営業経験者が特に活躍しやすい4つの職種について、具体的な特徴や求められる能力を解説していきます。キャリアチェンジを考える際の参考にしてください。
営業研修の社内講師職
営業経験者だからこそ務まる重要な職種の1つが、営業研修の社内講師です。
現場で培った経験と知識を後進の育成に生かすことができ、直接的な営業活動とは異なる形で組織に貢献できます。
営業の難しさや課題を理解しているからこそ、受講者の悩みに寄り添った効果的な指導が可能です。
以下のような強みを生かせる職種です。
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筆者自身も営業経験を生かし、時に社内講師として、営業研修や勉強会などを行い、社員の育成に努めています。
既存顧客向けのカスタマーサクセス職
営業経験者がその経験を生かせる職種としてカスタマーサクセス職があります。
カスタマーサクセスは、契約後の顧客サポートや価値提供を通じて、顧客の成功を支援する職種です。営業活動で培った顧客理解力やコミュニケーション能力が直接生かせる仕事と言えます。
新規開拓の圧力がなく、既存顧客との良好な関係構築に注力できる点が特徴です。筆者自身も営業経験を生かし、カスタマーサクセス職を担当していたことがあります。
営業経験がある分、顧客の何気ない一言から課題を深掘りし、アップセルやクロスセルにつなげやすいという強みを発揮できます。
マーケティング職
営業経験者がその経験を生かせる職種としてマーケティング職があります。
マーケティング職はさまざまな情報発信を通じて、顧客に自社を見つけてもらい営業のきっかけをつくる職種です。
営業経験者は、顧客の課題やその課題に対して自社が提供できる価値を実際の事例としてたくさん見てきています。
その経験を生かし、顧客が抱える課題に対して自社がどのような価値提供できるのかをWEBサイト上の記事として公開したり、ウェビナーで情報発信したり、お役立ち資料としてまとめたりすることが可能です。筆者自身も営業経験を生かし、本記事を書いています。
営業事務・営業アシスタント職
営業の現場を知る者だからこそ、効果的なサポートができるのが営業事務・営業アシスタントの事務職です。
営業部門の業務フローを理解していることで、先回りした対応や効率的なサポートが可能です。直接的な営業活動はないものの、営業経験で得た知識やスキルを十分に生かすことができます。
上記のような職種は営業職のようにインセンティブ給が多くないため、営業職と比べると一般的には年収が下がる傾向にあります。その点も考慮しておきましょう。
営業を辞めたいと思った際の相談方法
営業職を辞めたいと考えた時、どのように上司や会社に相談すべきでしょうか。建設的な話し合いを行い、より良い結果を導くための具体的な方法について解説します。
営業という仕事に限界を感じていることを伝える
上司や人事との相談では、感情的にならず、具体的な事実に基づいて状況を説明することが重要です。
ただし、単に不満を述べるのではなく、自身の成長や会社への貢献という観点から話を進めることが建設的な対話につながります。
特に以下の点については、明確に伝えることが重要です。
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これらの要素を整理して伝えることで、上司も適切なアドバイスや支援を検討しやすくなります。
自社の商品やサービスは好きであることを伝える
会社や商品自体への理解や愛着は持っているものの、営業職としての適性に疑問を感じているという状況を適切に伝えることが重要です。この姿勢は、建設的な対話を進める上で非常に重要な要素となります。
例えば、「商品やサービスの価値は十分に理解し、その素晴らしさも実感しているからこそ、より効果的に市場に届けられる方法があるのではないか」といった視点で話を展開することで、上司も前向きに検討しやすくなります。
また、これまでの営業活動を通じて得た気づきや、改善のアイデアなども併せて共有することで、より具体的な議論につなげることができます。
営業研修の社内講師やマーケティング職に異動できる余地はないかを相談する
営業経験を生かしながら、新たな形で会社に貢献できる可能性を探ることが重要です。
特に、営業研修の講師やマーケティング職といった選択肢は、営業の現場で培った知見を直接生かせる職種として、検討の価値があります。
相談の際は、以下のような具体的な提案を準備しておくと効果的です。
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このような具体的な提案を行うことで、単なる「辞めたい」という消極的な相談ではなく、会社の発展に寄与できる建設的な話し合いとなります。
相談の際は、一方的な要望として伝えるのではなく、会社と自身の双方にとってプラスとなる方向性を探る姿勢が重要です。
また、すぐに結論を求めるのではなく、時間をかけて検討する余地を残しておくことも大切です。上司や人事部門との対話を通じて、新たな可能性が見えてくることもあるでしょう。
もし、社内に社内公募制度や社内フリーエージェント(FA)制度などがあり、異動や職種転換を申請できる仕組みがある場合は、上記の流れに限らず利用するのがよいでしょう。
社内の営業研修講師を育成する3つのステップ
社内で効果的な営業研修講師を育成するためには、計画的なアプローチが必要です。
ここでは、その具体的なステップについて解説します。
STEP1.営業成績、適正、本人の意向から候補者を選抜
まず重要なのは、適切な候補者の選定です。以下のような観点から総合的に評価を行います。
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特に営業成績については、営業成績が良すぎる人は営業研修の講師をやりたがりません。プレーヤーとして営業活動をすることを望みます。逆に営業成績が悪すぎると営業研修の講師としての説得力がなくなります。
ある程度の営業成績を上げている人の中から、社内講師職への意欲や能力を見て人選することが重要です。
STEP2.社内トレーナー養成講座への派遣
人選された候補者には、体系的な指導力を身に付けるための教育が必要です。インストラクションスキルやファシリテーションスキルなど、講師として必要な基本的なスキルを習得させます。
この段階では、外部の専門機関による研修プログラムを活用するのが効果的です。
▼社内トレーナー養成講座については下記をご覧ください。
⇒社内トレーナー養成支援|LDcube(エルディーキューブ)
STEP3.研修実施を通して指導力の磨き上げ
実際の研修経験を通じて、指導力を徐々に向上させていきます。
この段階では以下のようなポイントに注意を払います。
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このように段階的なアプローチを取ることで、効果的な社内講師の育成が可能となります。
社内講師による営業研修で成果を上げた支援事例
社員数: 8,000名以上
事業:生命保険販売、資産運用
営業研修内容見直しの成果
~入社3カ月後の売上実績が従来の研修受講者と比較して3倍に~
アウトプット中心の学習で実践力を身に付けた上、研修中に学んだことを、動画でいつでもどこでも復習・確認ができる環境を作ることで、学習内容を実践につなげることができるようになりました。
その結果、 Teamsをつないでの従来の研修スタイルで学習した受講生集団と比較 しましたが、営業研修内容をバージョンアップした研修を受けた集団は、従来の研修を受講した集団と比較し、入社3カ月後の売上実績が3倍という飛躍的な成果を出しました。
~トレーナースキルに依存せず、均一なレベルの初期教育が可能に~
ライブでの講義ではなく、動画を活用した研修運営をすることで、高品質な研修情報を余すことなく再現することが可能となりました。
~トレーナーリソースの効果的活用~
従来は、毎月入社するキャリア採用社員の導入研修を毎月実施するため、トレーナーの方々はかなりのリソースを割かなければなりませんでした。
しかし、マイクロラーニングの導入により初期教育を効率化することで、そのリソースを営業管理職教育に充てることができるようになりました。
それにより、現場の指導力強化につなげることができ、学習の好循環を生んでいます。
取り組みの詳細
~職種別オンボーディングプログラムを展開~
キャリア入社後1カ月間の導入研修をマイクロラーニングを活用した研修にバージョンアップしました。
事前学習、研修当日、事後学習全ての場面においてマイクロラーニングで知識のインプットを行い、研修当日は確認テストの解説や、受講生同士のディスカッション、質疑応答に比重を置くことなどで、カスタマイズ性の高い学習の提供を実現しています。
マイクロラーニングはそれまで社内で活用されていた動画をベースに、新たなコンテンツも社内トレーナーの方が中心となって作成しました。
研修中は特に「学んだことが現場でも生かせそうだ、使えそうだ」と思ってもらうための支援や関わりを重視することで受講生のエンゲージメント向上にもつなげています。
これまでのインプットは社内トレーナーの方がレクチャーしてインプットしていましたが、リニューアルしてからはレクチャーは全て動画に代替しました。
~アウトプットを意識した学習デザイン~
インプットして終わりにならないように、動画を活用し、受講者が研修で学んだことを生かしながら1人でも何度もAIを相手にセールストークを練習し、動画で提出するという環境を提供されています。
動画を見た研修トレーナーから、直属の上司・先輩から、他部署の上司・先輩から、そして同期からフィードバックを受けることができ、学習の深化につなげています。
また、動画を閲覧した上で学んだことや仕事に生かせそうなことを共有することで、自分の考えを整理しながら、他の受講生の意見に触れながら新たな学びを得るという、学習の相乗効果を生んでいます。
導入前の課題
~研修がイベント化してしまっている~
集合研修で社員にいくら良い内容を提供しても 、現場に戻った後は目の前の仕事をこなすことに集中してしまい、学んだことがその場限りとなってしまうことが多く見受けられました。
集まった場だけではなく、事前と事後の学習活動を充実化させ、学習を続けながら学んだことを仕事に生かすことができる環境を作るため、 マイクロラーニング・コホート型学習を導入しました。
~個人の経験がポケットノウハウになってしまっている~
現場で得られた成功事例や失敗事例が個人のものにしかなっておらず、ポケットノウハウ化してしまっていることに課題を感じていました。
個人の学びを暗黙知から形式知に変えていくことで、受講生同士の学びを促進しながら、組織全体のナレッジとして好循環を生み出していきたいという思いがありました。
まとめ:営業を辞めたいと思ったらまずは理由を整理しよう
営業職を辞めたいと感じることは、多くの営業職従事者が経験する共通の悩みです。しかし、その決断は慎重に行う必要があります。まずは現在の不満や課題が一時的なものなのか、それとも本質的な問題なのかを見極めることが重要です。
また、営業職を辞める決断は、決してキャリアの後退ではありません。むしろ、新たなステージへの第一歩として捉えることができます。ただし、その一歩を踏み出す前に、自身の市場価値を客観的に分析し、具体的なキャリアプランを描くことが不可欠です。
特に重要なのは、感情的な判断を避け、冷静な分析に基づいて決断を行うことです。
上司や人事との建設的な対話を通じて、社内での職種転換という選択肢を探ることも、有効な方法の一つとなるでしょう。また、営業経験を生かせる職種への転職や、全く新しい分野へのチャレンジなど、さまざまな可能性が開かれていることを忘れないでください。
最後に、この決断は自身のキャリアを大きく左右する重要な選択となります。
十分な準備期間を確保し、信頼できる相談相手の意見も参考にしながら、最適な判断を下していきましょう。何より、この選択が自身の成長につながる新たな機会となることを信じて、前向きに検討を進めていくことが大切です。
株式会社LDcubeでは、営業スキル向上に向けた研修会やeラーニング、社内の学習環境づくりなどを総合的に支援しています。ここ数年間で、営業スキル向上のデジタル化への支援が増えています。営業スキル向上のDXを推進することで、これまで以上に業績向上につながった事例が多数出てきています。
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