
新任管理職に求められる”コーチング実践力”を身に付ける方法とは?効果的な育成方法を解説!
新任管理職になってから、急に仕事が回らなくなった、毎日がとにかく忙しい、部下にどう関わればいいのか分からない――そんな声を、現場で数多く耳にします。
業務は山積み、成果は求められ、人材育成も任された。けれど、どこから手を付ければいいのか分からず、結局は自分で抱え込み、答えを教え続けてしまう。
結果として、部下は育たず、忙しさは増す一方。この悪循環に心当たりのある新任管理職は多いのではないでしょうか。
実はその背景には、マネジメントの役割理解と部下との関わり方、特にコーチングの実践力に起因した課題があります。
本記事では、新任管理職に求められる役割を整理した上で、なぜ今コーチング実践力が不可欠なのか、研修だけではなぜ不十分なのかを構造的に解説します。
そして、忙しい現場でも実践できるコーチングの考え方と、実践力を確実に身に付けるためのポイントを具体的に紹介します。
管理職としての負担を減らし、チームの生産性を高めたい方や、新任管理職向けの育成施策を検討されている人材育成ご担当者こそ、ぜひ読み進めていただきたい内容です。
▼新任管理職のコーチング実践力については、以下の資料も併せてダウンロードしてください。
▼新任管理職やコーチングについては以下でテーマごとに詳しくまとめています。
目次[非表示]
- 1.新任管理職に求められる役割
- 1.1.マネジメントの2大機能
- 1.2.業務的機能の発揮が第一優先
- 1.3.チームの生産性向上のためには部下育成が不可欠
- 2.新任管理職にコーチング実践力が求められる理由
- 2.1.調査結果――部下育成力に課題を感じている
- 2.2.ティーチングだけでは人は育たない
- 2.3.人が育たないと”忙しい”から脱却できない
- 2.4.忙しい新任管理職は答えを教え、経験を押し付けがち
- 2.5.コーチングの失敗は部下からの信頼喪失につながる
- 3.新任管理職に求められる”コーチング実践力”とは
- 3.1.構成的・対話的なコーチング
- 3.2.行動のコーチング
- 3.3.能力のコーチング
- 3.4.動機のコーチング
- 4.新任管理職研修でコーチングを学んだだけではうまく実践できない
- 4.1.知識理解と実践力は別物
- 4.2.研修直後は理解したつもりになりやすい
- 5.対話スキルのトレーニングは難しい(現場で起きがちなこと)
- 5.1.【実践】学んだことが身に付いておらず、うまく実践できない
- 5.2.【効果】ぎこちない対話で部下に違和感を与えてしまう
- 5.3.【結果】メンバーからの信頼を失い、信頼関係が低下する
- 5.4.【成果】離職やエンゲージメントの低下につながる
- 6.新任管理職がコーチング実践力を身に付けるための練習のポイント
- 6.1.意図的であること
- 6.2.段階的であること
- 6.3.生産性を意識すること
- 6.4.ゴール逆算でフィードバックを受けられること
- 6.5.共に行う形をとること
- 7.新任管理職のコーチング実践力を向上させる学習プラットフォーム「UMU」
- 8.まとめ|新任管理職のコーチング実践力向上にはUMUの活用が効果的
新任管理職に求められる役割
新任管理職に求められるのは、これまでのプレーヤーから、変化に対応しながら人と仕事をマネジメントする存在へと役割認識を改めることです。そのためには、マネジメントの全体像を理解し、限られた時間の中で何を優先すべきかを把握する必要があります。
マネジメントの2大機能
新任管理職が理解し、果たすべきマネジメントの機能は、「戦略的機能」と「業務的機能」の2つです。
戦略的機能とは、環境変化を捉え、方針や優先順位を定め、変化を管理することを指します。一方、業務的機能とは、日々の仕事の管理と人の管理を通じて、決めた方針を確実に実行することです。
多くの企業では、この2つをマネジメントの全体像として整理しています。戦略的機能がなければ現場は過去の延長線で動き続け、業務的機能が弱ければ方針は絵に描いた餅になります。
管理職はこの両輪を回す存在であり、どちらか一方では役割を果たせません。新任管理職にとって重要なのは、まずこの全体構造を理解し、自分の行動がどちらの機能に関わっているのかを自覚することです。
業務的機能の発揮が第一優先
新任管理職において、現実的に最初に求められるのは業務的機能の発揮です。
目標を分解し、業務を割り振り、進捗を管理し、問題が起きれば判断して対応します。そして、限られた時間の中で成果を上げることで忙しい中でも、部下に関わり、育成することも重要です。この仕事と人の管理が機能しなければ、チームの成果は不安定になります。
特に昇格直後は、メンバーの力量や職場の状況を把握しきれておらず、自ら動く場面も多くなりがちです。ここで重要なのは、業務的機能を自分1人の頑張りで補おうとしないことです。
仕事の進め方を整え、人の状態を把握し、チームとして回る仕組みをつくることが業務的機能の本質です。これができなければ、管理職は忙しさから抜け出せず、もう1つの役割である戦略的機能の発揮に時間を割けなくなってしまいます。
チームの生産性向上のためには部下育成が不可欠
業務的機能を安定させ、戦略的機能を発揮していくためには、部下育成が不可欠です。仕事を管理するだけでは、生産性は管理職自身の能力以上にはなりません。
部下が状況を理解し、自ら判断し、行動できるようになって初めて、チームの処理能力と柔軟性は高まります。これは一時的な指導や研修だけで実現するものではなく、日常業務の中での関わり方によって決まります。
業務を通じて考えさせ、振り返らせ、次の行動につなげることが育成です。こうした関わりを積み重ねることで、部下は成長し、管理職は戦略的機能に時間を使えるようになります。
新任管理職にとって部下育成は、余裕ができてから行うものではなく、生産性向上のために最初から組み込むべき重要な役割なのです。
▼部下が育たないとお悩みの方は、以下の記事も併せてご覧ください。
⇒部下が育たない原因と10の対処法とは!「仕事」を与えない上司の部下は育たない?
新任管理職にコーチング実践力が求められる理由
新任管理職にコーチング実践力が求められる背景には、現場で実際に起きている育成の難しさと、管理職自身の忙しさという構造的課題があります。業務と人を動かす立場だからこそ、関わり方の質が成果を大きく左右します。
調査結果――部下育成力に課題を感じている
多くの組織において、管理職によるマネジメントや部下育成に課題を感じています。
弊社が2026年1月に実施した「上司・部下のマネジメントとコミュニケーションに関する実態調査」においても、86%の組織で「管理職のマネジメント力や部下育成力に課題を感じている」ことが明らかになっています。
▼質問「貴社では管理職の『マネジメント力』や『部下育成力』に課題を感じますか?」
また、具体的な課題内容については、「部下に合わせた指導・関わりができていない」が62%で最も多い回答でした。次いで、「上司と部下のコミュニケーションが十分に取れていない」が57%となりました。
さらに、「フィードバックの質や頻度が不十分である」「部下の成長段階に応じたティーチング/コーチングの使い分けができていない」という回答が続く結果となりました。
▼質問「管理職の『マネジメント力』や『部下育成力』について、具体的にどのような課題があると認識していますか? あてはまるものを全てお選びください。」
このような状況の中、管理職が部下育成の際に「特に意識すべき」と思うことを調査したところ、「コーチング(自律・成長支援)」が52%で最多という結果が明らかになったのです。
▼質問「貴社の管理職が部下育成の際に「特に意識すべき」と思う項目を選んでください。」
現代は、人的資本経営が叫ばれ、これまで以上に社員一人一人の能力開発やエンゲージメントの向上が重要な時代です。その中において、管理職が果たす役割、特にコーチングの重要性がますます高まっています。
ティーチングだけでは人は育たない
新任管理職がよく用いる育成手法が、ティーチング中心の関わりです。自分が成果を出してきたやり方や考え方を伝えることで、部下を早く戦力化しようとします。
短期的には効果があるため、現場では合理的に見えます。しかし、指示や答えを与え続ける関わりでは、部下は自分で考える経験を積むことができません。想定外の場面に弱くなり、応用力や判断力が育たないという課題が残ります。
人が育つとは、試行錯誤を通じて考え方や行動の幅を広げていくことです。そのためには、教えるだけではなく、考えさせ、選ばせる関わりが必要です。
この役割を担うのがコーチングであり、ティーチングだけでは育成は完結しないのです。
人が育たないと”忙しい”から脱却できない
管理職が忙しい状態から抜け出せない原因の1つが、部下が育っていないことにあります。
部下が自分で進められる業務の幅が狭かったり、自分で判断できないことが多かったりする職場では、確認や相談がすべて管理職に集まり、仕事が滞留します。
管理職は常に目の前の対応に追われ、長期的な改善や戦略的な思考に時間を割けません。この状態が続くと、育成どころではなくなり、さらに人が育たないという悪循環に陥ります。
弊社が実施した調査でも、「プレイング業務に追われ、マネジメントや部下育成に十分な時間が割けない」といった声が多くありました。
▼質問「管理職の『マネジメント・部下育成』に関して、貴社の現場で特に困っている点があれば具体的に教えてください。」
【自由回答(一部抜粋)】
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一方で、部下が考えて動けるようになれば、判断の分散が起こり、管理職の時間の使い方は大きく変わります。忙しさを理由に育成を後回しにするのではなく、忙しさから抜け出すために育成が必要だと捉え直すことが重要です。
忙しい新任管理職は答えを教え、経験を押し付けがち
余裕のない新任管理職ほど、答えを教える関わりに偏りがちです。考えさせるよりも、自分の経験を基に結論を示したほうが早く、その場を乗り切れるように感じてしまいます。
しかし、この関わり方は、管理職の視点や成功体験を基準としたものになりやすく、部下自身の状況や考えを置き去りにします。結果として、部下は自分で判断しなくなり、指示待ちの姿勢が強化されます。
これは管理職自身の仕事を減らすどころか、将来的にさらに負担を増やす行動です。コーチング実践力とは、忙しい中でも問いを立て、部下の思考を引き出すための技術であり、新任管理職にとって極めて重要なスキルです。
コーチングの失敗は部下からの信頼喪失につながる
一方で、コーチングを表面的に取り入れることには注意が必要です。例えば、質問すればよい、沈黙を待てばよいといった型だけをなぞると、部下は違和感を覚えます。
話を聞くふりをして評価している、誘導されていると感じさせてしまえば、信頼関係は一気に崩れます。コーチングは手法ではなく、自分本位ではなく相手本位で、部下の中から答えを導き出す関わり方です。
だからこそ、知識として知っているだけでは不十分で、意図を理解した上で使いこなす実践力が求められます。新任管理職にコーチング実践力が必要とされるのは、育成の成否だけでなく、部下との信頼構築にも直結するからです。
▼実施した調査結果の詳細については、以下をご覧ください。
⇒【調査レポート速報!】「上司・部下のマネジメントとコミュニケーションの実態」に関する調査結果を公開!
▼部下理解と対話力に着目した管理職育成については、以下のウェビナーも参考になります。
新任管理職に求められる”コーチング実践力”とは
新任管理職に必要なのは、コーチングを知っていることではなく、現場で効果的に活用できる実践力です。目的や部下の状態に応じて関わり方を変え、成果と成長の両立を図ることが求められます。本章では、その中核となるコーチング実践力を整理します。
構成的・対話的なコーチング
新任管理職に求められるコーチングは、思いつきや場当たり的な対話ではありません。成果につながるコーチングには、あらかじめ目的と流れを描いた構成的な視点が必要です。
例えば、何のための対話なのか、どのような行動変容を促したいのかを意識せずに質問を重ねても、部下は考えが整理されません。
一方で、構成的に設計された対話は、部下の思考を段階的に深め、行動につなげる力を持ちます。ただし、一方通行の尋問的なコーチングは効果的とはいえません。相手の反応を受け取りながら進める対話的な柔軟さが不可欠です。
構成と対話を両立させることで、管理職は忙しい中でも成果に直結する関わりができるようになります。
行動のコーチング
コーチング実践力の出発点となるのが、行動に焦点を当てたコーチングです。新任管理職の現場では、抽象的な話よりも、具体的に何をどう変えるのかが重要になります。
行動のコーチングでは、できていない点を責めるのではなく、どの行動をどう変えれば成果に近づくのかを部下自身に考えさせます。小さな行動改善を積み重ねることで、部下は成功体験を得やすくなり、自信と再現性が生まれます。
管理職が答えを教えるのではなく、行動の選択肢を整理し、次の一歩を明確にする役割を担うことがポイントです。これにより、日常業務の中で育成と成果を同時に進めることができます。
能力のコーチング
行動が安定してきた段階で重要になるのが、能力に焦点を当てたコーチングです。ここでいう能力とは、単なるスキルだけではなく、考え方や判断の質を含みます。同じ行動をとっていても、成果に差が出る背景には、情報の捉え方や優先順位の置き方の違いがあります。
能力のコーチングでは、なぜその行動を選んだのか、他にどんな選択肢があったのかを問いかけ、思考の幅を広げます。
管理職が目指すのは、自分がいなくても部下が適切に判断できる状態です。そのためには、行動の裏にある思考プロセスに焦点を当てる関わりが不可欠です。
動機のコーチング
最も難易度が高く、同時に影響が大きいのが動機のコーチングです。行動や能力があっても、本人の納得感や意味づけが弱ければ、成果は持続しません。
動機のコーチングでは、なぜその仕事をするのか、本人にとってどんな価値があるのかを言語化していきます。これは励ましや精神論ではなく、仕事と本人の価値観をつなぐ作業です。
新任管理職は忙しさから、この部分を後回しにしがちですが、動機が整うことで部下の自律性は大きく高まります。人が前向きに考え、挑戦し続けるための土台をつくる関わりこそ、コーチング実践力の重要なポイントと言えます。
新任管理職研修でコーチングを学んだだけではうまく実践できない
新任管理職研修でコーチングを学ぶ機会は増えています。しかし、研修を受けたからといって、現場で自然に使いこなせるようになるケースは多くありません。その背景には、知識理解と実践力の間に大きなギャップが存在しています。
知識理解と実践力は別物
コーチング研修を受講すると、多くの新任管理職は、問いの立て方や傾聴の重要性を理解します。その場ではなるほどと思い、自分もできそうだと感じます。
しかし、理解できたことと、実際の現場で使えることは同じではありません。現場では、時間的制約や業務プレッシャー、部下との関係性など、研修では再現しきれない要素が重なります。
その中でコーチングを実践しようとすると、頭では分かっていても言葉が出てこない、適切な問いを思いつけないといった状況が起こります。これは能力不足ではなく、単に実践量が圧倒的に足りていない状態です。
スポーツや語学と同じく、コーチングも使って初めて身に付くスキルであり、知識理解だけでは行動に落とし込めないのです。
研修直後は理解したつもりになりやすい
研修直後に起こりやすいのが、理解したつもりになる状態です。研修中のロールプレイやグループワークでは、ファシリテーターの支援があり、テーマも整理されています。
そのため、うまくできた感覚を持ちやすくなります。しかし、実際の職場では、部下の感情や利害関係、業務の緊急度が絡み合い、同じ条件は再現されません。そのギャップに直面したとき、管理職は結局いつもの指示型コミュニケーションに戻ってしまいます。
これは意志が弱いからではなく、身体化されたスキルになっていないからです。コーチングを実践力に変えるためには、研修直後の分かった状態から、試す、振り返る、修正するというプロセスを繰り返す仕組みが欠かせません。
研修だけで完結させてしまうこと自体が、うまく実践できない最大の要因なのです。
対話スキルのトレーニングは難しい(現場で起きがちなこと)
コーチングは対話を中心としたスキルであるがゆえに、知識習得よりも定着が難しい領域です。特に新任管理職の現場では、意図せず逆効果を生むケースが往々にして発生します。本章では、現場で実際に起きがちな流れを整理します。
【実践】学んだことが身に付いておらず、うまく実践できない
新任管理職が研修でコーチングを学んだ直後、最初に直面するのが、実践しようとしても思うように使えないという状態です。
質問しようとしても言葉が浮かばない、沈黙が怖くてつい答えを言ってしまうといったことが起こります。これは理解不足ではなく、単純に練習量が足りていないことが原因です。
対話スキルは、頭で覚えるだけでは使えるようになりません。実際の部下との関係性や、時間制約のある業務の中で使った経験が圧倒的に不足しているため、行動に落とし込めないのです。その結果、管理職は自分には向いていないと誤解し、実践自体を諦めてしまいます。
【効果】ぎこちない対話で部下に違和感を与えてしまう
慣れないまま実践を続けると、今度は対話の質に違和感が生じます。質問が不自然に多くなったり、意図の分からない問いを投げたりすることで、部下は戸惑いを覚えます。
急に話し方が変わった、この上司は何を求めているのだろうと感じてしまうのです。本来、コーチングは安心して話せる関係性の中で機能しますが、完成度の低い実践は逆に距離を生みます。
管理職としては学んだことを実行しているつもりでも、部下には試されている、評価されているという印象を与えてしまい、対話が表面的なものになっていきます。
【結果】メンバーからの信頼を失い、信頼関係が低下する
違和感のある対話が続くと、部下は徐々に本音を話さなくなります。どうせ聞かれても答えは決まっている、話しても意味がないと感じるようになり、信頼関係が弱まっていきます。
信頼が下がれば、対話の量だけでなく質も低下し、育成は停滞します。その結果、管理職はやはりコーチングは使えないと判断し、以前の指示型コミュニケーションに戻ってしまいます。
この時点で、コーチングに対するネガティブな印象が固定化され、再挑戦の機会が失われることも少なくありません。
【成果】離職やエンゲージメントの低下につながる
信頼関係が築けない状態が続けば、部下のモチベーションやエンゲージメントは確実に低下します。相談できない、理解されていないと感じる職場では、人は成長実感を持てません。
その結果、主体的な行動は減り、最終的には離職という選択につながることもあります。表面的にはコミュニケーション施策を行っているにもかかわらず、成果が出ない状態は、組織全体の生産性を大きく損ないます。
だからこそ、新任管理職におけるコーチングスキルは中途半端な導入ではなく、着実に実践力を身に付ける設計が必要なのです。
新任管理職がコーチング実践力を身に付けるための練習のポイント
コーチング実践力は、理解や気付きだけで自然に身に付くものではありません。必要なのは、適切に設計された「練習」を通じて、少しずつ使える形に落とし込んでいくプロセスです。
本章では、新任管理職が忙しい現場の中でも無理なく実践力を高めていくための、練習設計のポイントを整理します。
意図的であること
コーチングの練習において最も重要なのは、常に意図を持って行うことです。練習には必ず目的があり、何をゴールとし、そのために今どの部分を鍛えているのかを明確にする必要があります。
例えば、質問の量を増やすことが目的なのか、部下の発言を深掘りする力を鍛えたいのかでは、適切な練習内容は大きく異なります。意図が曖昧なまま回数だけを重ねても、実践力は高まりません。むしろ、何が身に付いているのか分からず、成長実感を失いやすくなります。
意図を明確にすることで、練習後の振り返りも具体的になり、次に改善すべきポイントが見えてきます。意図的な練習こそが、コーチングを偶然任せのスキルではなく、再現可能な実践力へと変えていきます。
段階的であること
コーチング練習には、適切な段階設計が欠かせません。いきなり実戦さながらの緊張感ある場で練習を行うと、失敗体験が強く残り、苦手意識や抵抗感を生みやすくなります。まず必要なのは、心理的に安心できる環境で基本的な型を身に付けることです。
例えば、評価されない場でのロールプレイや、失敗が許容される練習環境がこれに当たります。この段階で一定の手応えを得られた後に、先輩管理職とのロープレや、より現場に近い設定へと進むのが理想です。
段階を踏むことで成功体験を積み重ねやすくなり、挑戦への心理的ハードルも下がります。練習を段階的に設計することは、実践力を着実に高めるための重要な前提条件です。
生産性を意識すること
練習の設計において忘れてはならないのが、生産性の視点です。コーチング力を高めるための練習が、本人や周囲の負担となり、結果的にチームの生産性を下げてしまっては本末転倒です。
新任管理職はすでに業務量が多く、長時間の集合練習や頻繁な対面ロープレを継続することは現実的ではありません。そこで重要になるのが、テクノロジーを活用し、工数を下げながら効果を高めるアプローチです。
短時間で繰り返し練習できる仕組みを整えることで、忙しい中でも実践量を確保できます。練習は根性論ではなく、効率と効果を両立させる設計によって、初めて現場に定着します。
ゴール逆算でフィードバックを受けられること
正しい型を身に付けるためには、練習そのものだけでなく、質の高いフィードバックが不可欠です。その際に重要なのが、明確なゴール設定と、そのゴールから逆算されたフィードバックです。
単に良かった、悪かったという評価では、改善の方向性は見えてきません。目指すゴールに対して、何が足りていて、何がズレているのかを具体的に示すことで、アウトプットは修正されていきます。
間違った癖や不十分な関わりを早い段階で修正できるかどうかが、成長スピードを大きく左右します。ゴールに基づいたフィードバックを継続的に受けられる環境があってこそ、練習は単なる経験の積み重ねではなく、実践力向上のプロセスになります。
共に行う形をとること
練習を継続させるためには、仕組みだけでなく雰囲気づくりも重要です。個人任せの練習は、どうしても後回しにされがちになります。そこで効果的なのが、練習自体を社内のキャンペーンとして位置付け、共に取り組む形をとることです。
進捗を共有したり、挑戦をたたえ合ったりといったゲーミフィケーションの要素を取り入れることで、練習は義務ではなく前向きな活動になります。仲間と競い、学び合う環境があることで、失敗も学習の一部として受け止めやすくなります。
共に行う練習は、個人のスキル向上にとどまらず、コーチングを生かす文化そのものを組織に根付かせていく力を持っています。
新任管理職のコーチング実践力を向上させる学習プラットフォーム「UMU」

新任管理職がコーチングを実践できるようになるためには、学んで終わりではなく、業務の中で試し、振り返り、改善できる環境が必要です。UMUは、こうした学びと実践を日常業務につなぐための学習プラットフォームです。
■ UMUとは
UMUは、学習を行動に変えることを重視した人材育成向けの学習プラットフォームです。
単に動画を見たり資料を読んだりするだけでなく、成果につながる実践力を身に付け、学んだ内容を職場で試し、その結果を振り返ることまでを1つの流れとして設計できます。
新任管理職研修では、研修中は理解できたつもりでも、現場に戻ると使えなくなることがよくあります。UMUはこのギャップを埋めるために、学習と業務を切り離さず、日常の仕事の中で学び続けられる仕組みを提供します。
▼UMUについての詳細はこちら
■ 豊富で柔軟な学習コンテンツ
UMUでは、動画、テキスト、確認テスト、課題提出など、さまざまな形式の学習コンテンツを組み合わせることができます。既存のeラーニング教材も、SCORM形式で取り込めるため、これまでに用意した人材育成コンテンツをそのまま活用できます。
例えば、コーチングの基本知識は短い動画で学び、その後に現場で試す課題を設定するといった設計が可能です。学習が研修会場の中だけで完結せず、日常業務とつながることで、理解が実践へと変わっていきます。
▼LDcubeは、コーチングを学ぶeラーニングのご提供が可能です。
■ 実践力を身に付けるAI Chatbot
UMUの特長の1つが、AI Chatbotを活用したロープレ学習です。コーチングは、実際に対話してみなければ身に付きませんが、いきなり部下相手に試すことに不安を感じる管理職は少なくありません。
AI Chatbotを使えば、実在の部下を想定した対話練習を、何度でも安全に行うことができます。対話の内容に対してフィードバックを受けることで、自分の癖や改善点に気付くことができます。
短時間でも繰り返し練習できるため、忙しい新任管理職でも意図的に実践量を確保できます。これにより、コーチングが知識から実践力へと変わっていきます。
▼AI Chatbotについての詳細はこちら
まとめ|新任管理職のコーチング実践力向上にはUMUの活用が効果的
本記事では、新任管理職が直面しがちな忙しさや育成の悩みを起点に、その背景にあるマネジメントの構造とコーチング実践力の重要性を整理してきました。
新任管理職に求められるのは、業務を自分でこなすことではなく、戦略的機能と業務的機能を意識しながら、人と仕事をマネジメントする役割です。その土台として、業務を安定させるだけでなく、部下育成を最初から組み込む必要があることを確認しました。
一方で、現場では教える関わりに偏り、部下が育たず、忙しさから抜け出せない悪循環が起きがちです。この構造を変える鍵が、部下の思考と行動を引き出すコーチング実践力でした。
コーチングは知識として知るだけでは機能せず、構成的かつ対話的に使い分ける力が求められます。また、研修だけでは実践できない理由や、対話スキルが中途半端に終わることで起こるリスクも見てきました。
だからこそ、意図的・段階的に実践し、振り返りとフィードバックを重ねる学習設計が欠かせません。新任管理職の負担を減らし、チームの生産性を高めるためには、コーチングを一時的な施策ではなく、日常のマネジメント行動として定着させることが重要です。
そのための仕組みと環境づくりが、これからの新任管理職育成に求められています。
株式会社LDcubeでは、新任管理職向けパッケージeラーニングの提供でマネジメント基礎教育を支援することが可能です。また、部下理解をコーチングに生かす「LIFO」プログラムの提供の他、本記事でご案内した学習プラットフォーム「UMU」による、AI Chatbotを活用したコーチング実践力強化のご支援も可能です。
無料のデモ体験会も実施可能です。ぜひお気軽にご相談ください。
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