管理職研修の種類とは?3種類(上級・中間・新任)でテーマ・ポイントを解説!
「管理職研修にはどのような種類があるのか。」
社員研修を成果の出やすい内容にするためには、どのような種類の管理職研修にすべきか悩ましいですよね。
管理職研修は、階層別に上級管理職研修・中間管理職研修・新任管理職研修の3種類に分けられます。
研修を実施する場合は、まず対象の管理職がどの種類(階層)にあてはまるかを確認しましょう。
決まっていない場合は、上の階層から実施していく方が、社内に浸透しやすくなります。
管理職研修の種類に応じて、実施すべき研修のテーマも変わってきます。種類別のおすすめ研修テーマは下記の通りです。
研修テーマを決めるときは、必ず下記ステップで決めていくようにしてください。
【管理職研修のテーマの決め方4ステップ】
STEP1.理想の管理職像を設定する STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する STEP4.研修のテーマを選ぶ |
上記のステップをふまず、人気や流行りに合わせて選ぶと、研修内容を実務に応用できず、失敗に終わってしまうおそれがあります。
たとえば、なんとなく「コミュニケーション力」を研修テーマに選んだとしても、すでに円満な人間関係を構築できている場合は効果があまり感じられません。
研修の成果が反映されず、「意味のない研修だった」と当事者からも会社からも思われてしまうでしょう。
有意義な研修にするためには、会社の戦略や経営方針に従って、現状の管理職が不足している部分を正しく分析することが大切です。
【本記事で分かること】
|
本記事を読めば、管理職研修にはどのような種類があるかを知り、どのような研修(種類・テーマ)を実施するか決められるようになります。
ぜひ最後まで読んで施策検討にお役立てください。
▼ 管理職研修の内容については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒管理職研修におすすめの内容とは?|10選(カリキュラム・対象階層・効果)を紹介
▼ 管理職研修でeラーニング活用については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒管理職研修のeラーニング活用法─選び方から導入後のフォローまでの完全ガイド
▼ 女性の管理職育成については下記で解説しています。合わせてご覧ください。
⇒女性の管理職(リーダー)を育成する上で必要なことを一気に解説
目次[非表示]
- 1.管理職研修は3種類|上級・中間・新任向けに分けられる
- 2.【種類別】実施したい管理職研修のテーマ一覧
- 3.成果が出やすい管理職研修のテーマの決め方4ステップ
- 3.1.STEP1.理想の管理職像を設定する
- 3.2.STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする
- 3.3.STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する
- 3.4.STEP4.研修のテーマを選ぶ
- 4.【上級管理職】研修テーマの決め方
- 4.1.【例】上級管理職の研修テーマの決め方
- 4.2.身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
- 4.2.1.経営資源のマネジメント力:組織運営
- 4.2.2.問題解決と戦略立案のスキル:戦略的思考
- 4.2.3.企業変革力:チェンジマネジメント
- 4.2.4.業績や財政状態の記録・管理法の知識:アカウンティング
- 4.2.5.資金調達・運用の知識:ファイナンス
- 4.2.6.経営シミュレーション:上記の総合演習
- 5.【中間管理職】研修テーマの決め方
- 5.1.【例】中間管理職の研修テーマの決め方
- 5.2.身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
- 5.2.1.業務効率・生産性を高める力:業務管理
- 5.2.2.社員のスキル・能力を最大化する力:人材管理
- 6.【新任管理職】研修テーマの決め方
- 6.1.【例】新任管理職の研修テーマの決め方
- 6.2.身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
- 6.2.1.部下を育てるスキル:コーチング
- 6.2.2.目標達成に向けてチームをまとめる力:リーダーシップ
- 6.2.3.危機管理力:コンプライアンス
- 7.まとめ
管理職研修は3種類|上級・中間・新任向けに分けられる
管理職研修は、階層別に上級管理職研修・中間管理職研修・新任管理職研修の3種類に分けられます。
【管理職研修の種類】
対象者の主な役職 |
研修で身に付けるべき力 |
|
上級管理職研修 |
部長 |
経営の能力・スキル |
中間管理職研修 |
課長 |
部門マネジメントの能力・スキル |
新任管理職研修 |
課長補佐・係長 |
チームを率いる能力・スキル |
どのような管理職研修を実施するかを決めるためには、まず今回はどの階層の管理職を対象に実施するのかを明確にする必要があります。
そして、効果的な研修を実施するためには、階層ごとに求められる役割や身に付けるべき能力を理解しなければいけません。
役割や必要な能力を正しく理解できていないと、実施したい研修のテーマがずれてしまうおそれがあるからです。
ひとつずつ詳しく見ていきましょう。
上級管理職研修
上級管理職研修は、目安として役職が部長クラスで、管理職歴約10年以上の管理職に実施します。
上級管理職の役割と身に付けるべき能力を下表にまとめました。
【上級管理職】
主な役職 |
部長など |
キャリアの目安 |
管理職10年以上 |
役割 |
・部門の業績と目標達成の責任者 |
身に付けるべき能力 |
・組織運営 |
上級管理職は、部門の責任者として部門全体を運営・管理しながら、次期幹部候補として上層部と共に経営を推進していく立場です。
会社全体を俯瞰しながら、自部門の方針や目標を決定し、戦略を立案して部門に浸透させていきます。
時代の変化を読み取りながら、競合他社に負けないよう変革も推し進めていかなければいけません。
そのため、経営者としての視点や思考を身に付け、組織運営や戦略思考の能力を持つことが求められます。
経営には財務諸表を読み解くスキルも欠かせないので、会計の知識も必須です。
上級管理職研修では、これらの能力が身に付く内容のものを実施していきます。
中間管理職研修
中間管理職研修は、目安として役職が課長クラスで、管理職歴約5~10年の管理職に実施します。
中間管理職の役割と身に付けるべき能力を下表にまとめました。
【中間管理職】
主な役職 |
課長など |
キャリアの目安 |
管理職5~10年 |
役割 |
・経営陣と社員の橋渡し役 |
身に付けるべき能力 |
・マネジメント能力 |
中間管理職は、現場に責任を負う新任管理職と、経営の視点を持つ上級管理職の間に立ち、社員と経営陣との橋渡しをする立場です。
多くの会社では、プレイヤーとして業務を担当することはなく、目標達成のために業務と部下を管理します。
業務管理では、業務の指示出しや進捗管理などを行い、業務効率化や生産性向上にも取り組みます。人材管理では、部下が最大限能力を発揮できるための仕組みづくりをしなければいけません。
そのため、多角的なマネジメント能力や、問題解決・危機管理能力など、幅広いスキルを身に付ける必要があります。
中間管理職研修では、これらの能力が身に付く内容のものを実施していきます。
新任管理職研修
新任管理職研修は、目安として役職が課長補佐・係長クラスで、管理職歴約5年未満の管理職に実施します。
新任管理職の役割と身に付けるべき能力を下表にまとめました。
【新任管理職】
主な役職 |
課長補佐・係長など |
キャリアの目安 |
管理職5年目未満 |
役割 |
・チームの目標を達成 |
身に付けるべき能力 |
・リーダーシップ |
新任管理職は、チームのリーダーとして、目標達成に向けて社員をサポート&導いていく立場です。
一般的に、プレイヤーとしての業務も続けながら、新たにマネージャーとしての役割も担うことになります。部下を直接指導・育成する立場であるため、業務の調整やフォロー、キャリアサポートをしていかなければいけません。
そのため、リーダーシップや部下を指導・育成するスキル、コミュニケーション能力など、部下と信頼関係を築き、チームをまとめる力が求められます。
新任管理職研修では、これらの能力が身に付く内容のものを実施していきます。
POINT! どの種類(階層)から研修を実施すべき? 上級 → 中間 → 新任管理職 が基本 研修実施の緊急度が高い階層がない場合、《上級→中間→新任》と、上の階層から順に研修を実施していくことがおすすめです。 知識やスキルの習得、意識改革は、上の階層から順に社内に浸透させていくべきです 下の階層が先に研修を受けて実務で行動を起こしたとしても、上の階層の理解を得られず、実現が難しくなってしまうおそれがあるからです。 |
【種類別】実施したい管理職研修のテーマ一覧
上級・中間・新任管理職の役割や身に付けるべき能力が分かったところで、各管理職研修で実施すべきテーマについて見てみましょう。
【上級・中間・新任管理職別・実施したいテーマ一覧】
種類 |
テーマ |
学ぶ内容 |
上級管理職研修 |
組織運営 |
会社の経営資源(人・物・金・時間・情報)のマネジメント |
戦略的思考 |
会社の競争力を高めるために、ビジネスの課題を解決に導くための思考法 |
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チェンジマネジメント |
組織の変革をスムーズに実行し、成功に導くためのマネジメント手法 |
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アカウンティング |
経営成績や財政状態の記録・管理法 |
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ファイナンス |
資金調達・運用 |
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中間管理職研修 |
業務管理 |
業務を効率的に進めるための管理方法 |
人材管理 |
社員の能力を最大限活用するための管理方法 |
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新任管理職研修 |
コーチング |
自発的な行動を促す人材育成手法 |
リーダーシップ |
目標達成に向けてチームを率いる方法 |
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コンプライアンス |
社会的ルールを守る意識を高めることのリスクマネジメント |
すべてのテーマは、各管理職研修において実施すべき重要な内容ですが、一度にすべてを盛り込むと、内容が薄く理解が浅くなってしまいます。
会社とって優先順位の高いテーマから、実施していくようにしましょう。
各テーマの内容については後述します。まずはテーマの決め方について、次章で解説していきます。
▼各研修の内容については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒管理職研修におすすめの内容とは?|10選(プログラム・対象階層・効果)を紹介
成果が出やすい管理職研修のテーマの決め方4ステップ
研修テーマを決めるときは、研修の成果がきちんと出せるよう、下記ステップで決めていくようにしましょう。
【管理職研修のテーマの決め方4ステップ】
STEP1.理想の管理職像を設定する STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する STEP4.研修のテーマを選ぶ |
研修テーマは、上記のステップを踏むことが重要です。
STEP1~3の過程をとばしてテーマを選ぶと、研修の成果が出づらくなります。テーマを選んだ理由があいまいだと、プログラムの内容も受講者の選定も適切に行えません。
結果、研修内容が会社の成長や課題解決につながらず、受講者にも「意味のない研修だった」と思われてしまうおそれがあるでしょう。
研修の成功はテーマ決めにかかっているので、慎重に進めていくようにしてください。
STEP1.理想の管理職像を設定する
まずは、理想の管理職像を設定します。
理想の管理職像が明確でないと、管理職が身に付けるべき能力・スキルを絞れません。
理想の管理職像は、経営戦略や達成したい目標、解決したい課題に沿って決めていきます。「〇〇という目標を達成するためには、管理職はこうあってほしい」というように、人物像を具体的にイメージします。
STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする
次に、現在の管理職の実像を分析して、理想の管理職像に足りていない部分を洗い出し、課題を明確にしましょう。
本人や上長へのヒアリングや、これまでの業務実績、目標管理シート、人事評価などを通して、人物像を把握します。
実像が分かったら、STEP1で設定した理想の管理職像と比較して、どこにギャップがあるかを浮き彫りにします。
STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する
続いて、理想と現状を埋めるために、身に付けるべきスキルや能力を設定しましょう。
STEP2で課題が複数上がった場合は、緊急度の高いものから優先順位をつけていきます。
STEP4.研修のテーマを選ぶ
身に付けるべきスキルや能力から、研修のテーマを選びます。
テーマを決めたら、研修の目標、プログラム内容の順に研修を設計していきます。
研修の目標とは、「学習目標(研修で理解・習得すべきこと)」と「行動目標(実務に応用していくべきこと)」の2つです。
設定した目標を達成できるように、研修時間や実施方法・場所を考慮しながら、プログラム内容を決めていきましょう。
【上級管理職】研修テーマの決め方
前章で紹介した4ステップを実際に行って、上級管理職のテーマを決めていきましょう。
まずは例にならってSTEP1~3まで進めてください。STEP3で設定した「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別に、おすすめの研修テーマを次章で紹介していきます。
【例】上級管理職の研修テーマの決め方
例を参考に、STEP3「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する」ところまで行いましょう。
下記は、会社の課題が「働き方の多様性に対応したい」である場合の、上級管理職の研修テーマの決め方の例です。
【上級管理職の研修テーマの決め方:例】
◎経営方針・戦略・課題:働き方の多様性に対応したい 《STEP1.理想の管理職像を設定する》 《STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする》 《STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する》 《STEP4.研修のテーマを選ぶ》 |
身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
前節で設定した、「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別のおすすめ研修テーマを紹介していきます。
【上級管理職:身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ】
|
経営資源のマネジメント力:組織運営
経営資源(人・物・金・時間・情報)のマネジメント力を強化したいなら、組織運営をテーマにした研修がおすすめです。
組織運営とは、目標達成に向けて組織の活動をスムーズに行えるように、会社の経営資源(人・物・金・時間・情報)をマネジメントすることです。
研修では、フレームワークを通じて、各経営資源を有効活用方法を学んでいきます。
研修内容を実務に応用することで、経営資源を最大限に生かせて、より良い組織づくりが実現しやすくなるでしょう。
問題解決と戦略立案のスキル:戦略的思考
問題解決と戦略立案のスキルを強化したいなら、戦略的思考をテーマにした研修がおすすめです。
戦略的思考とは、会社の競争力を高めるために、ビジネスの課題を解決に導くための思考法のことです。
研修では、フレームワークを通じて、物事の本質を見抜く力を養っていきます。
研修内容を実務に応用することで、会社の課題や目標に対して、柔軟な戦略を生み出すことができるようになるでしょう。
企業変革力:チェンジマネジメント
企業を変革していく力を強化したい場合は、チェンジマネジメント(変革管理)をテーマにした研修がおすすめです。
チェンジマネジメントとは、組織の変革(合併や買収、方針や制度の変更、新しいツールの導入など)をスムーズに実行し、成功に導くためのマネジメント手法です。
研修では、変革プロジェクトの立案と推進、変革への障害の対処法を学びます。
研修内容を実務に応用することで、組織の変革を失敗せずにスムーズに進められるようになるでしょう。
業績や財政状態の記録・管理法の知識:アカウンティング
業績や財政状態の記録・管理法の知識を身に付ける必要がある場合は、アカウンティングの研修がおすすめです。
アカウンティングとは、会社の経営成績や財政状態を数字で記録または管理することです。
研修では、主に財務三表(損益計算書・賃借対照表・キャッシュフロー計算書)を学びます。
研修内容を実務に応用することで、部門や会社全体の経営状況を数値で可視化できるようになるでしょう。
資金調達・運用の知識:ファイナンス
資金調達・運用の知識を身に付けてほしい場合は、ファイナンス研修がおすすめです。
ファイナンスとは、事業に必要な資金を調達し、運用していくことです。
研修では、資金調達方法や財産評価、投資について学びます。
研修内容を実務に応用することで、適切な投資判断や資金管理をできるようになるでしょう。
経営シミュレーション:上記の総合演習
経営に必要な知識やスキルを総合的に身に付けたい場合には、経営シミュレーション研修がおすすめです。
経営シミュレーションとは、会社の代表取締役社長の立場で、引き継いだ企業の状況を読み解き、課題を整理し、解決策を立案し、解決策を実行に移し、会社の業績向上ができるかどうかを試します。
研修では、経営に関するさまざまな指標について意思決定し、その意思決定による経営結果を踏まえて総合的、実践的に学びます。
経営シミュレーションを取り入れることで、戦略思考やファイナンス、アカウンティングなど学んだ事が有機的に結びつき、生きた数字と生きた経営感覚を学ぶことができます。
▼ 経営シミュレーション研修については下記で詳しく解説しています。
⇒経営シミュレーションとは?人材育成の新手法・研修について解説
【中間管理職】研修テーマの決め方
前章で紹介した4ステップを実際に行って、中間管理職のテーマを決めていきましょう。
まずは例にならってSTEP1~3まで進めてください。STEP3で設定した「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別に、おすすめの研修テーマを次章で紹介していきます。
【例】中間管理職の研修テーマの決め方
例を参考に、STEP3「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する」ところまで行いましょう。
下記は、会社の課題が「働き方の多様性に対応したい」である場合の、中間管理職の研修テーマの決め方の例です。
【中間管理職の研修テーマの決め方:例】
◎経営方針・戦略・課題:働き方の多様性に対応したい 《STEP1.理想の管理職像を設定する》 《STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする》 《STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する》 《STEP4.研修のテーマを選ぶ》 |
身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
前節で設定した、「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別のおすすめ研修テーマを紹介していきます。
【中間管理職:身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ】
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業務効率・生産性を高める力:業務管理
業務効率・生産性を高めることを望む場合は、業務管理をテーマにした研修がおすすめです。
業務管理とは、業務が効率的に進むよう、適切にコントロールすることです。
研修では、効果的な業務分担方法や指示出し・進捗管理方法を学びます。
研修内容を実務に応用することで、業務を「見える化」「一元化」できるようなり、効率化と生産性向上が期待できるでしょう。
社員のスキル・能力を最大化する力:人材管理
社員のスキル・能力を最大化できるようになってほしい場合は、人材管理をテーマにした研修がおすすめです。
人材管理とは、会社の業績向上や目標達成のために、社員のスキルや能力を最大限活用することです。
研修では、採用・育成・配置・評価・報酬それぞれの分野において、最適な管理法を学びます。
研修内容を実務に応用することで、業績向上や目標達成に向けて、社員のスキルや能力を最大限活用できるようになるでしょう。
【新任管理職】研修テーマの決め方
前章で紹介した4ステップを実際に行って、新任管理職のテーマを決めていきましょう。
まずは例にならってSTEP1~3まで進めてください。STEP3で設定した「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別に、おすすめの研修テーマを次章で紹介していきます。
【例】新任管理職の研修テーマの決め方
例を参考に、STEP3「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する」ところまで行いましょう。
下記は、会社の課題が「働き方の多様性に対応したい」である場合の、新任管理職の研修テーマの決め方の例です。
【新任管理職の研修テーマの決め方:例】
◎経営方針・戦略・課題:働き方の多様性に対応したい 《STEP1.理想の管理職像を設定する》 《STEP2.管理職の実像を分析し、課題を明確にする》 《STEP3.理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力を設定する》 《STEP4.研修のテーマを選ぶ》 |
身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ
前節で設定した、「理想の管理職像になるために身に付けるべきスキル・能力」別のおすすめ研修テーマを紹介していきます。
【新任管理職:身に付けたいスキル・能力別のおすすめ研修テーマ】
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部下を育てるスキル:コーチング
部下を育てるスキルを身に付けてもらいたいなら、コーチング研修がおすすめです。
コーチングとは、相手の話をしっかりと聞き、質問を投げかけ、気づきを与えることで、自発的な行動を促す人材育成手法のことを指します。
研修では、行動科学・心理学をベースとして、効果的な人材育成方法を学びます。
研修内容を実務に応用することで、部下の能力を最大限引き出し、自ら目標達成や課題解決に取り組むよう導けるようになることが期待できます。
▼ コーチング研修の内容については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒コーチング研修に必要な内容とは?研修後に実践するためのポイントなど解説!
目標達成に向けてチームをまとめる力:リーダーシップ
目標達成に向けてチームをまとめる力を身に付けてもらいたいなら、リーダーシップ研修がおすすめです。
研修では、目的の浸透・達成方法やモチベーションを高める方法について学びます。
研修内容を実務に応用することで、ほかの社員に組織の方向性を示し、目標達成に向けてモチベーションを高め、チームを率いていけることが期待できます。
▼ リーダーシップ開発については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒リーダーシップ開発とは?実務で使える6ステップの実践ポイント
危機管理力:コンプライアンス
危機管理の知識を身に付けてもらいたいなら、コンプライアンス研修がおすすめです。
コンプライアンスとは、法令や社会規範、倫理や道徳といった社会的ルールを守ることです。
研修では、法律や一般常識から、ハラスメント対策・情報セキュリティ対策などを学びます。
研修内容を実務に応用することで、コンプライアンス違反が起こらない体制づくりができ、トラブルが起こったときもスムーズに対処できるようなります。
▼ コンプラインス研修については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒コンプライアンス研修で不祥事防止!ネタ切れを乗り越えるアイデアを紹介!
【管理職研修ならLMS「CrossKnowledge」】 管理職研修は、LMS(Learning Management System:学習管理システム)の活用が有効です。 LMSとは、eラーニングなどの運用や学習履歴の管理、学習効果の測定を一元的に行うためのシステムです。LMSを活用することで、学習の進捗状況や理解度、満足度などのデータを容易に収集・分析できます。 しかし、LMSは質の高いものでないと期待する学習効果は期待できません。 当社LDcubeが提供する「CrossKnowledge」は、フランスを本社とするグローバル企業CrossKnowledge社のLMSです。 「CrossKnowledge」は、下記強みを持つ優れたLMSで、世界で1,200万人以上のユーザーから選ばれ続けています。
実際に、次世代リーダー向け学習に「CrossKnowledge」をご活用された企業さまには、高い満足度を実感していただいています。 ◎CrossKnowledge活用事例 「CrossKnowledge」の詳細は、下記ページでご確認いただけます。 |
まとめ
最後に本文の要点をおさらいしましょう。
管理職研修は、階層別に上級管理職研修・中間管理職研修・新任管理職研修の3種類に分けられます。
対象者の主な役職 |
研修で身に付けるべき力 |
|
上級管理職研修 |
部長 |
経営の能力・スキル |
中間管理職研修 |
課長 |
部門マネジメントの能力・スキル |
新任管理職研修 |
課長補佐・係長 |
チームを率いる能力・スキル |
各種類で実施したい研修テーマは下記のとおりです。
種類 |
テーマ |
上級管理職研修 |
組織運営 |
戦略的思考 | |
チェンジマネジメント | |
アカウンティング | |
ファイナンス | |
中間管理職研修 |
業務管理 |
人材管理 | |
新任管理職研修 |
コーチング |
リーダーシップ | |
コンプライアンス |
研修テーマを決めるときは、研修の成果がきちんと出せるよう、下記ステップで決めていくようにしましょう。
【管理職研修のテーマの決め方4ステップ】
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以上、本記事をもとに、管理職研修において最適な種類・テーマを選ぶことができ、会社に大きな成果をもたらす研修になることを願っております。
株式会社LDcubeでは管理職研修のお手伝いをしております。
講師派遣による研修会の企画はもちろんのこと、eラーニングによるプログラム提供や、eラーニングとオンライン研修を組み合わせたコホート型学習による展開など、幅広くご支援しています。
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