新入社員研修でのOJTの位置づけとは?Z世代の新人教育のポイントを解説!
近年、多くの企業で新入社員の早期戦力化が求められており、効果的なOJTの実施が重要視されています。
特に、デジタルネーティブ世代の新入社員に対しては、従来の指導方法がうまく機能しないケースも増えており、現代に適した新しいOJTの手法が必要とされています。
本記事では、新入社員研修(春先の研修だけではなく年間通じての育成プログラム)におけるOJTの基本的な考え方から、現代の若手社員の特徴を踏まえた効果的な指導方法、そしてOJTトレーナーが押さえるべき具体的なテクニックまで、実践的なノウハウをご紹介します。さらに、よくある課題とその解決策についても詳しく解説していきます。
「新人の主体性を引き出せない」「指導時間が十分に確保できない」「コミュニケーションがうまくいかない」といった現場でよく聞かれる悩みに対しても、具体的な対応策を提示します。若手のOJTトレーナーの方から経験豊富な管理職の方まで、すぐに実践できる内容となっています。
この記事を読むことで、新入社員一人一人の成長をサポートしながら、職場全体の育成力を高めることができます。
これから新入社員のOJTに携わる方、人事の方、人材育成の担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
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▼OJTについてのお役立ち資料はこちらからダウンロードできます
目次[非表示]
- 1.新入社員研修におけるOJTとは?
- 1.1.新入社員研修におけるOJTの位置づけ
- 1.2.OJTの成功がもたらす3つのメリット
- 1.3.失敗しやすいOJTの特徴と原因
- 2.新入社員研修のOJTに生かす!現代の若手の特徴と対応策
- 3.新入社員研修のOJTを成功させるための5ステップ
- 3.1.STEP1:明確な目標設定をする
- 3.2.STEP2:具体的なOJT計画を立てる
- 3.3.STEP3:効果的な指導方法を実践する
- 3.4.STEP4:適切なフィードバックを行う
- 3.5.STEP5:継続的な成長をサポートする
- 4.新入社員研修でOJTトレーナーが押さえるべき実践テクニック
- 5.新入社員研修とOJTを職場全体で成功させるコツ
- 5.1.定期的な面談で進捗と課題を共有する
- 5.2.部署全体で育成目標と進め方を合意する
- 5.3.トレーナー同士で指導方法を共有し学び合う
- 6.新入社員研修におけるOJTでよくある課題と具体的な解決策
- 7.Z世代のOJT放置を防ぐ新たな対策!
- 7.1.OJTで教える内容をデジタルコンテンツ化する
- 7.2.いつでもどこでも学習できる環境を整える
- 7.3.スキルマップをオンライン化し、受講履歴を確認できるようにする
- 7.4.オンライン上でいつでも質疑応答できる環境を整える
- 7.5.定期的なオンラインミーティングで進捗を確認する
- 8.デジタル化でOJTという名の放置を解決した支援事例
- 9.まとめ
新入社員研修におけるOJTとは?
新入社員研修(春先の研修だけではなく年間通じての育成プログラム)において、OJT(On the Job Training)は単なる業務指導にとどまらない、組織の成長と発展を支える重要な育成プログラムです。
効果的なOJTの実施は、新入社員の早期戦力化だけでなく、指導する側の成長や職場全体の活性化にもつながります。
ここでは、OJTの本質的な意味と重要性について詳しく解説していきます。
新入社員研修におけるOJTの位置づけ
春先の研修だけではなく年間通じての育成プログラムにおけるOJTは、入社時の集合研修と並んで最も重要な育成プログラムの一つです。
一般的な集合研修が基礎的な知識やスキルの習得を目的とするのに対し、OJTは実際の業務を通じて実践的なスキルと経験を積む場となります。
年間を通じた育成プログラムの中で、OJTは以下のような重要な役割を果たします。
実践的な業務スキルの習得:
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また、OJTは単なる業務を教える場だけではなく、組織の価値観や文化を伝承する重要な機会でもあります。
日々の業務を通じて、企業が大切にしている考え方や仕事への姿勢を自然と学ぶことができます。
OJTの成功がもたらす3つのメリット
OJTの成功は、組織全体にさまざまなプラスの影響をもたらします。
特に重要な3つのメリットについて詳しく見ていきましょう。
OJTの成功がもたらす3つのメリット:
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失敗しやすいOJTの特徴と原因
OJTを効果的に実施するためには、よくある失敗パターンを理解し、事前に対策を講じることが重要です。主な失敗の特徴とその原因について解説します。
最も典型的な失敗は、「丸投げ」または「放置」のパターンです。
これは主に、指導する側の「時間的余裕」と、「指導方法に関する知識・経験」が不足していることが原因となっています。
新入社員に対して十分な説明や指導を行わないまま業務を任せてしまい、結果として基本的なスキルや考え方が身につかないまま時間だけが過ぎてしまいます。
また、もう一つの大きな失敗パターンは、「過度な介入」です。
新入社員の失敗を過度に恐れるあまり、細かいところまで指示を出し過ぎてしまい、主体性や思考力の育成を阻害してしまうケースです。
これは往々にして、指導する側の完璧主義や過度な責任感から生じることが多いです。
さらに、「目標設定の曖昧さ」も大きな失敗要因の1つとなっています。
育成の到達点が明確でないまま指導を進めてしまうため、効果的な指導計画が立てられず、結果として期待する成果が得られないという状況に陥ります。
新入社員研修のOJTに生かす!現代の若手の特徴と対応策
効果的なOJTを実施するには、現代の若手社員の特徴を正しく理解し、適切なアプローチを選択することが重要です。
ここでは、デジタルネーティブ世代特有の学習スタイルや価値観を踏まえた、実践的な指導方法について解説していきます。
デジタルネーティブ世代の学習スタイルの特徴
現代の若手社員は、生まれた時からデジタル環境に囲まれて育ってきた世代です。この環境が彼らの学習スタイルに大きな影響を与えています。
デジタルネーティブ世代の学習における特徴的な傾向として、まず「情報収集の即時性」が挙げられます。分からないことがあれば、すぐにスマートフォンやPCで検索して解決策を見つけ出そうとします。
この特性を生かすために、業務マニュアルやナレッジをデジタル化し、必要な時にすぐアクセスできる環境を整備することが効果的です。
また、彼らは視覚的な情報処理に長けています。文字による説明だけでなく、図表やフローチャート、動画などを活用した複合的な学習材料を提供することで、理解度が大きく向上します。
効果的な学習支援方法:
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コミュニケーションの取り方の変化と対応方法
現代の若手社員のコミュニケーションスタイルは、従来の世代とは大きく異なる特徴を持っています。
SNSでのコミュニケーションに慣れている彼らは、簡潔で明確な情報伝達を好み、また相手に即時の対応を求めない非同期のコミュニケーションにも抵抗が少ない傾向があります。
一方で、対面での直接的なコミュニケーションや、特に目上の人とのやり取りに不安を感じる傾向も見られます。このギャップを埋めるために、段階的なコミュニケーション訓練が必要です。
まず、業務指示やフィードバックを行う際は、できるだけ具体的で明確な言葉を使用します。「適当に」「いい感じに」といった曖昧な表現は避け、具体的な期待値や目標を示すことが重要です。
また、コミュニケーションの場を定期的に設定し、徐々に対話の機会を増やしていくアプローチが効果的です。最初は1対1の対話から始め、徐々にグループでの対話や会議での発言機会を増やしていきます。
主体性を引き出すための効果的なアプローチ
現代の若手社員の多くは、指示待ち傾向が強いと言われています。
しかし、これは必ずしも主体性の欠如を意味するわけではありません。適切な環境と働きかけによって、彼らの主体性を引き出すことは十分に可能です。
主体性を育むための重要なポイントは、「安全な失敗の機会」を提供することです。
失敗を過度に恐れる傾向がある現代の若手に対して、適度なチャレンジの機会と、失敗しても受容される環境を整えることが重要です。
主体性を引き出すための具体的アプローチ:
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特に効果的なのは、業務の意味や目的を丁寧に説明することです。
なぜその作業が必要なのか、どのような価値を生み出すのかを理解することで、主体的な取り組みを促すことができます。
また、業務の進め方について一定の裁量を与え、自己決定の機会を増やしていくことも、主体性の育成に効果的です。
新入社員研修のOJTを成功させるための5ステップ
効果的なOJTの実施には、体系的なアプローチが不可欠です。ここでは、新入社員の成長を確実に支援するための5つの具体的なステップについて、実践的な方法を詳しく解説していきます。
STEP1:明確な目標設定をする
OJTの成否を左右する最も重要な要素は、適切な目標設定です。目標設定では、最終的な到達点と途中経過の確認ポイントを明確に定める必要があります。
効果的な目標設定においては、SMART基準(Specific:具体的、Measurable:測定可能、Achievable:達成可能、Relevant:関連性がある、Time-bound:期限がある)を活用することが推奨されます。
例えば、「3カ月後までに基幹システムの日次処理を独力で実行できるようになる」といった具体的な目標を設定します。
また、目標は新入社員と共に設定することが重要です。目標の意図や重要性を理解することで、新入社員のモチベーション向上にもつながります。
STEP2:具体的なOJT計画を立てる
目標が定まったら、それを達成するための具体的なOJT計画を作成します。この計画は、新入社員の現状と目標とのギャップを埋めるためのロードマップとなります。
OJT計画には、以下の要素を必ず含めるようにします。
まず、習得すべきスキルや知識を細分化し、それぞれの習得順序を決定します。
次に、各スキルの習得に必要な期間を設定し、具体的な指導方法を決めます。
さらに、進捗確認のタイミングと方法も明確にしておきます。
STEP3:効果的な指導方法を実践する
実際の指導においては、「見せる」「やらせる」「振り返る」というサイクルを基本とします。
このプロセスを通じて、新入社員は実践的なスキルを段階的に習得していきます。
指導の際は、以下の点に特に注意を払います。
効果的な指導の実践ポイント:
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STEP4:適切なフィードバックを行う
フィードバックは、新入社員の成長を促進する重要な要素です。効果的なフィードバックには、適切なタイミングと方法が重要です。
フィードバックを行う際は、まず良かった点を具体的に伝え、その後で改善点を建設的に指摘します。
「できていない」という否定的な表現ではなく、「次はこうするとより良くなる」という前向きな表現を心掛けます。
また、フィードバックは一方的な評価ではなく、対話を通じて相互理解を深める機会として活用します。新入社員の考えや感じていることにも耳を傾け、共に解決策を考えていく姿勢が重要です。
STEP5:継続的な成長をサポートする
OJTは一時的な指導で終わるものではなく、継続的な成長支援のプロセスです。目標達成後も、次のステップに向けた支援を継続することが重要です。
継続的な成長支援においては、定期的な振り返りと目標の更新が鍵となります。達成した目標を確認し、新たな課題を特定して、次の目標を設定します。
この際、新入社員自身が自己の成長を実感できるよう、これまでの成長プロセスを可視化することも効果的です。
また、徐々に支援の度合いを減らし、新入社員の自律性を高めていくことも重要です。
ただし、完全に手を放すのではなく、必要に応じていつでもサポートできる体制は維持します。この段階的な自律支援により、真の戦力として成長していくことが可能となります。
OJTを成功させるには、OJTを担当するOJTトレーナーが高い意識と情熱を持って取り組んでいくことが何より重要です。情熱を持って上記ステップを実践していきましょう。
新入社員研修でOJTトレーナーが押さえるべき実践テクニック
OJTトレーナーには、新入社員の成長を支援する重要な役割が求められます。
ここでは、効果的な指導を実現するための具体的なテクニックについて、実践的な観点から解説していきます。
これらのテクニックは、日々の指導の質を高め、新入社員の成長を確実にサポートするために欠かせないものです。
新入社員と日々のコミュニケーションを重ねる
効果的なOJTの基盤となるのは、新入社員との信頼関係です。この信頼関係を築くための日々のコミュニケーションには、特に注意を払う必要があります。
まず、朝のあいさつや短い雑談から始まり、業務中の様子の観察、そして一日の終わりの振り返りまで、さまざまな機会を通じてコミュニケーションを図ります。
この際、重要なのは「聴く姿勢」です。新入社員の発言に対して、否定や評価を急がず、まずは理解しようとする態度を示すことで、新入社員は安心して自分の考えや疑問を話せるようになります。
効果的なコミュニケーションのポイント:
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目的とゴールを明確にして指示を出す
新入社員に業務を指示する際は、単なる作業手順の説明だけでは不十分です。その業務が持つ意味や目的、そして期待される成果を明確に伝えることが重要です。
具体的な指示の出し方としては、まず業務の全体像を示し、その中での当該作業の位置づけを説明します。
次に、具体的な手順と共に、その作業が組織にもたらす価値や、顧客にとっての意味を伝えます。
これにより、新入社員は作業の意義を理解し、より主体的に取り組むことができるようになります。
指示を出す際は、以下の要素を必ず含めるようにします。
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進捗状況を定期的に確認して早期にサポートする
新入社員の業務遂行状況を適切に把握し、必要なサポートを提供することは、OJTトレーナーの重要な責務です。
ただし、この「確認」が過度の監視や圧迫感を与えないよう、バランスを取ることが重要です。
効果的な進捗確認の方法として、「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」を適切に行うようにします。
ただし、形式的な報告に終始するのではなく、新入社員が自身の状況を振り返り、課題を自己認識できる機会として設計することが重要です。
また、問題が発生した際の早期発見・早期対応も重要です。新入社員がためらわずに相談できる雰囲気づくりと、定期的なチェックポイントの設定により、小さな問題が大きな失敗に発展することを防ぎます。
特に以下の点に注意を払います。
効果的な進捗管理のポイント:
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このような丁寧なフォローにより、新入社員は安心して業務に取り組むことができ、着実なスキル向上が期待できます。
新入社員研修とOJTを職場全体で成功させるコツ
OJTの成功には、OJTトレーナーと新入社員の二者間の取り組みだけでなく、職場全体での協力体制が不可欠です。ここでは、組織全体でOJTを成功に導くための具体的な方法について解説します。職場全体で新入社員の成長をサポートする体制を整えることで、より効果的な人材育成が実現できます。
定期的な面談で進捗と課題を共有する
効果的なOJTの実現には、新入社員の成長状況を組織全体で適切に把握し、必要なサポートを提供することが重要です。定期的な面談は、その中核となる取り組みです。
面談の実施においては、以下のような階層的なアプローチが効果的です。
まず、直属のOJTトレーナーと週次で振り返り面談を実施することを基本とします。ここでは、日々の業務における具体的な進捗や課題を確認します。
次に、部門管理者を交えた月次面談を設定し、より広い視点からの評価と方向性の確認を行います。
これらの面談では、単なる業務の進捗確認にとどまらず、以下の点について重点的に共有・議論することが重要です。
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部署全体で育成目標と進め方を合意する
新入社員の育成は、部署全体の重要なタスクとして位置づける必要があります。そのためには、育成目標と具体的な進め方について、部署メンバー全員の理解と合意を得ることが重要です。
まず、年度始めや新入社員配属時に部署会議を開催し、以下の点について明確な合意を形成します。
育成に関する部署全体での合意事項:
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この合意形成により、OJTトレーナーに過度な負担が集中することを防ぎ、部署全体で効果的な育成を実現することが可能になります。
トレーナー同士で指導方法を共有し学び合う
OJTトレーナーの指導力向上も、育成の成功には欠かせない要素です。
トレーナー同士が定期的に集まり、指導方法や課題について情報交換を行うことで、組織全体の育成力を高めることができます。
具体的には、以下のような取り組みを実施します。
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このような学び合いの仕組みを通じて、組織全体の育成力を継続的に向上させることができます。
新入社員研修におけるOJTでよくある課題と具体的な解決策
OJTを実施する中では、さまざまな課題に直面することがあります。
ここでは、特に頻繁に発生する3つの主要な課題について、その背景と具体的な解決策を詳しく解説します。
これらの対策を事前に理解し、準備することで、より効果的なOJTの実施が可能となります。
「指導時間が確保できない」を解決する効率的なOJT手法
多くの企業で直面する「時間の確保」という課題。OJTトレーナーは自身の業務を抱えながら指導を行う必要があり、十分な指導時間を確保することが難しいのが現状です。
この課題に対しては、効率的な指導方法の導入が有効です。
まず、指導の優先順位を明確にします。新入社員が習得すべきスキルを「必須」「重要」「あれば望ましい」などにカテゴリ分けし、限られた時間で効果的に指導できるよう計画を立てます。
時間を効率的に使うためには、15分程度の短時間で完結する「ミニ指導セッション」の実施が効果的です。
例えば、朝の業務開始前や昼休み後などの時間を活用し、一つのテーマに絞った集中的な指導を行います。
また、デジタルツールを活用した非同期での指導や、チェックリストを活用した自己学習の促進なども、時間の有効活用につながります。
「コミュニケーションが円滑でない」への具体的な対処法
新入社員とOJTトレーナーの間でコミュニケーションがうまく取れないケースは少なくありません。
特に、新入社員が質問や相談をためらったり、OJTトレーナーの意図が正確に伝わらなかったりする状況がよく見られます。
この課題を解決するためには、まずコミュニケーションの「場」と「機会」を意図的に設計する必要があります。形式的な報告会議だけでなく、気軽に話せる雰囲気づくりも重要です。
週に一度の1on1ミーティングを設定し、業務の進捗だけでなく、感じている不安や困難についても話し合える場を作ります。
また、日常的なコミュニケーションにおいては、オープンクエスチョンを活用し、新入社員の思考を引き出すような対話を心がけます。
「どう思う?」「どんな方法を考えた?」といった質問を投げかけることで、新入社員の主体的な思考を促すことができます。
「期待通りの成長が見られない」場合の育成アプローチ
新入社員の成長が期待通りに進まないケースも、よく直面する課題の一つです。
この状況に対しては、まず現状を適切に分析し、成長を妨げている要因を特定することが重要です。
多くの場合、目標設定の適切性、指導方法の適合性、必要なサポートの充足度、モチベーション管理の状況などが要因として考えられます。
これらの課題に対しては、以下のような段階的なアプローチが効果的です。
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Z世代のOJT放置を防ぐ新たな対策!
デジタルネーティブであるZ世代の新入社員に対しては、従来のOJTだけではなく、彼らの特性や学習スタイルに合わせた新しいアプローチが必要です。
ここでは、テクノロジーを活用した効果的なOJT手法と、Z世代の特性を考慮した放置防止策について解説していきます。
OJTで教える内容をデジタルコンテンツ化する
Z世代の学習スタイルに合わせ、従来の対面指導に加えてデジタルコンテンツを活用することが効果的です。
基本的な業務手順や知識をビデオやスライド、インタラクティブな教材として提供することで、彼らの自主的な学習を促進できます。
また、繰り返し閲覧可能な形式にすることで、理解度に応じた学習ペースの調整も可能となります。
デジタルコンテンツは、単なる業務マニュアルの電子化ではなく、視覚的に分かりやすい形式を心がけることが重要です。
いつでもどこでも学習できる環境を整える
Z世代は、時間や場所にとらわれない柔軟な学習環境を好む傾向があります。
社内のラーニングマネジメントシステム(LMS)やモバイルアプリを活用し、通勤時間や隙間時間を有効活用できる学習環境を提供することで、効率的なスキル習得が可能となります。
また、リモートワークの普及に対応し、オフィス以外の場所でも学習を継続できる環境を整えることで、「放置」を防ぐことができます。
スキルマップをオンライン化し、受講履歴を確認できるようにする
学習の進捗状況を可視化することは、Z世代の成長意欲を高める重要な要素です。
オンラインのスキルマップを導入し、以下のような項目を明確に示すことで、自身の成長を実感できる仕組みをつくります。
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オンライン上でいつでも質疑応答できる環境を整える
Z世代は疑問が生じた際に、即座に解決策を求める傾向があります。
チャットツールやQ&Aプラットフォームを活用し、気軽に質問できる環境を整備することが重要です。
これにより、忙しそうな先輩に「聞きづらい」という従来ある心理的障壁を下げ、より活発なコミュニケーションを促進することができます。
特に、以下のような仕組みを整えることで、効果的な支援が可能となります。
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定期的なオンラインミーティングで進捗を確認する
対面でのコミュニケーションが制限される環境下でも、オンラインミーティングを活用することで効果的な進捗管理が可能です。
週次や月次で定期的なオンラインミーティングを設定し、成長の確認と課題の共有を行います。
この際、単なる報告会ではなく、双方向のコミュニケーションを重視し、新入社員が主体的に参加できる場となるよう工夫することが重要です。
これらのデジタルを活用した施策は、Z世代の特性に合わせた効果的なOJTを実現するとともに、「放置」を防ぐ有効な手段となります。
ただし、これらはあくまでも従来の対面指導を補完するものであり、人的な関わりの重要性は変わらないことを忘れてはいけません。
▼OJTのデジタル化の背景にある「OJT最大のデメリット」については下記で詳しく解説しています。
⇒OJTにおける最大のデメリットとは?解決策と合わせて解説!
デジタル化でOJTという名の放置を解決した支援事例
建設業でOJTのデジタルを図り、OJTという名の放置を解決したご支援事例を紹介します。
社員数:100名以上
事業:土木建築工事、建設工事の設計と監理
課題・背景
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技術教育に十分な時間を割けない
ベテラン社員が現場作業に追われ、若手社員の技術教育を十分にできていないという課題がありました。
また、時間だけでなく、人員にも余裕がないため、本来教えるべき技術やノウハウが現場で伝達できていないという事態に陥っていました。
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OJT格差と離職率が上昇
現場のOJTは主にベテラン社員が担当していましたが、人によって言うことが違う、厳しい口調の上司が多いなど、 OJT格差がありました。
その結果、若手社員の離職率が高くなり、新入社員の採用に悪影響が出ました。
取り組みの詳細
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全社プロジェクトの立ち上げ
課題解決のため、人を介さず業務知識が学べるコンテンツの配信環境を構築するプロジェクトを立ち上げました。まずは各現場で「わが社の新人に必要な学習内容は何か」という観点で棚卸しを行いました。
このプロジェクトの初期は、中堅社員をコンテンツ作成作業の中心に据えました。
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全社員アンケートを実施
現場所長や各部署の社員を対象とした「現場に配属になった際に覚えてほしいこと」アンケートを実施しました。
そこで集まった声を基にし、業務フローと照らし合わせながら、必要なコンテンツリストをブラッシュアップしました。
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コンテンツ作成のサポート体制を強化
中堅社員の目線でコンテンツ作成を行った結果、自身が新入社員だった頃の感覚を忘れていることもあり、どのようなポイントを伝えれば新入社員にとって分かりやすいかという観点が抜けた内容になっていました。
また、コンテンツ一つ一つの情報量が多いことや、自身が普段当たり前のように行っている業務を、コンテンツに落とし込むことができないという課題が浮上しました。そこで具体的な作業に関するコンテンツ作成を若手社員が担当するように切り替えました。
さらに、各部に配置したアシスタントによる動画撮影・編集のバックアップなど、コンテンツ作成サポートの強化を行いました。
取り組み後の成果
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若手社員の知識習得レベルの底上げ
若手社員が中心となり、自身が新入社員だった頃の目線を思い出しながらコンテンツ作成を行い、2年間で600個が完成しました。これにより、初めて業務を覚える新入社員にとっても分かりやすく、必要な情報が十分にそろった学習環境を提供することができました。
また、マイクロラーニングの考え方に基づき、全ての動画コンテンツの長さを5分以内に収めました。これによって、隙間時間に効果的な学習をすることが可能になりました。
その結果、新入社員の知識習得レベルの底上げにつながりました。
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OJT格差の是正とコミュニケーションの活性化
コンテンツを活用した教育によって社員の学習の機会が標準化されたことで、OJT格差が縮小しました。
また、業務内容については新入社員と若手社員がベテラン社員に習い、現場で活用するスマートフォンやタブレットなどについては上司が新入社員と若手社員から学ぶという動きも出てくるようになりました。
この動きは、ベテラン社員と新入社員、若手社員のコミュニケーションの活性化にもつながっています。
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入社希望者の増加
OJTのデジタル化を導入したことが、県内の入社希望者数の増加につながりました。新卒の採用説明会やメディアの取材において、OJTのデジタル化を図った取り組みを紹介し、企業の教育体制の優位性をアピールしました。
その結果、県内の学生が選ぶ建設業知名度ランキングで1位を獲得し、多くの学生から選ばれる企業となりました。
まとめ
新入社員研修でのOJTの位置づけとは?Z世代の新人教育のポイントを解説!について紹介してきました。
- 新入社員研修におけるOJTとは?
- 新入社員研修のOJTに生かす!現代の若手の特徴と対応策
- 新入社員研修のOJTを成功させるための5ステップ
- 新入社員研修でOJTトレーナーが押さえるべき実践テクニック
- 新入社員研修とOJTを職場全体で成功させるコツ
- 新入社員研修のOJTでよくある課題と具体的な解決策
- Z世代のOJT放置を防ぐ新たな対策!
- デジタル化でOJTという名の放置を解決した支援事例
新入社員研修におけるOJTは、単なる業務スキルの伝達にとどまらず、組織の価値観や文化を継承し、次世代の人材を育成する重要な機会です。
本記事で解説してきた内容を踏まえ、効果的なOJTの実現に向けた重要なポイントをまとめます。
効果的なOJTの実現には、まず現代の若手社員の特徴を正しく理解することが重要です。
デジタルネーティブ世代特有の学習スタイルや価値観を踏まえた指導アプローチを採用することで、より効果的な育成が可能となります。
また、OJTの成功は個人の努力だけでは達成できません。組織全体での取り組みとして位置づけ、OJTトレーナー、新入社員、そして職場のメンバー全員が協力して進めていく必要があります。
特に、定期的なコミュニケーションと適切なフィードバックの仕組みを確立することが、継続的な成長を支える基盤となります。
さらに、直面する課題に対しては、その原因を適切に分析し、具体的な対策を講じることが重要です。
時間の確保やコミュニケーションの円滑化など、さまざまな課題に対して、計画的かつ柔軟なアプローチで対応することで、より効果的なOJTの実現が可能となります。
最後に、OJTは決して一方通行の指導ではありません。新入社員の成長を支援すると同時に、指導する側も学び、成長する機会として捉えることが大切です。この相互の学び合いを通じて、組織全体の成長と発展につながる好循環を生み出すことができるのです。
新入社員研修におけるOJTの成功は、組織の未来を左右する重要な取り組みです。本記事で紹介した方法論や具体的なテクニックを参考に、それぞれの組織に適した形でOJTを実践し、継続的な改善を重ねていくことで、より効果的な人材育成を実現することができるでしょう。
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