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OJT計画とは?テンプレート例や効果的なプランの立て方・注意点

「OJT計画の立て方がわからず、頭を悩ませている」という方は、多いのではないでしょうか。

近年、人材育成の重要性が叫ばれるなか、効果的なOJT(On-the-Job Training:職場内訓練)の実施が、企業の発展に不可欠となっています。

OJTを体系的に行うためには、綿密な計画を立てることが重要ですが、その作成方法に悩む企業は少なくありません。

OJT計画②

本記事では、OJT計画の基本から、効果的な作成方法、注意点までを詳しく解説します。

ご一読いただくと、自社に最適なOJT計画を立案し、社員の成長を加速させるノウハウが身に付きます。さっそく見ていきましょう。

▼OJTの全体像については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
⇒効果的なOJTとは?意味や目的、ポイント、Z世代の学習環境の作り方など解説

  効果的なOJTとは?意味と目的、新時代の学習環境の作り方を解説 OJTは、企業内で具体的な仕事を通じて、社員を育成する社員教育法の1つです。本記事では、その意味や目的、効果、そしてOJTの活用方法について詳しく解説します。そして、これからの時代に合わせたOJTのあり方や新時代に合わせてバージョンアップすることで享受できるメリットについても紹介します。 株式会社LDcube


▼OJTの企業事例については下記で解説しています。ヒントとして活用ください。
⇒OJT成功の企業事例10選|うまくいく会社の共通ポイントを解説

  OJT成功の企業事例10選|うまくいく会社の共通ポイントを解説 OJTを成功させている事例を参考にして、自社に役立てたいとお考えの研修担当者の方も多いのではないでしょうか。そこで成功している会社をまとめました。ここで紹介した会社は、いずれも現場での育成を「人材育成の要」として重要視しています。OJTを成功するためには何が必要なのか、企業の成功例を見て、参考になる部分を取り入れましょう。 株式会社LDcube

▼OJTのばらつき軽減策についてまとめました。施策検討にお役立てください。

OJTばらつき軽減策

▼OJTトレーナー研修についてまとめました。こちらも施策検討にお役立てください。

OJTトレーナー育成資料

この記事の監修者  株式会社LDcube 代表取締役 新井澄人  株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。

目次[非表示]

  1. 1.OJT計画の基礎知識  
    1. 1.1.OJT計画とは何か
    2. 1.2.OJT計画を立てるべき理由
    3. 1.3.OJT計画書のテンプレート例
  2. 2.OJT計画の効果的な作り方
    1. 2.1.ステップ1:中長期の成長目標を明確にする
    2. 2.2.ステップ2:短期の成長目標に落とし込む
    3. 2.3.ステップ3:教育内容と期間を具体的に設定する
    4. 2.4.ステップ4:育成方法とフィードバック方法を決める
    5. 2.5.ステップ5:評価基準と評価方法を明確にする
    6. 2.6.ステップ6:計画の見直しと修正を継続的に行う
  3. 3.OJT計画を作成する際に注意すべき3つのポイント  
    1. 3.1.所持スキルからストレス耐性まで対象者の特性に合わせる
    2. 3.2.対象者が混乱しないようにチームの連携を密にする
    3. 3.3.計画と照らし合わせて効果を検証する
  4. 4.OJTを計画的に進めるポイントはデジタル化
  5. 5.まとめ

OJT計画の基礎知識  

OJT計画③

OJT計画は、新入社員や業務未経験者の育成を、効率的かつ効果的に行うために不可欠なツールです。まずは、OJT計画の基本的な知識を確認しておきましょう。

OJT計画とは何か

OJT計画とは、新入社員などの育成目標を達成するための、具体的なOJTカリキュラムとスケジュールのことです。

OJT計画で扱う領域は、端的にいえば “OFF-JT(=集合研修、座学での学習)以外の実習トレーニングすべて” となります。

OJT計画④

  出典:厚生労働省「有期実習型訓練を活用してみませんか」を加工

OJTの対象となる社員に必要なスキルや知識を洗い出し、職場内でのトレーニングを通じて、「いつまでに・何を・どのように習得するのか」を明確にします。

このOJT計画は、育成担当者とOJT対象者の双方にとって、指針となるものです。

計画に沿った実践によって、効率的かつ着実な人材育成が可能となります。

OJT計画を立てるべき理由

OJT計画を立てることには、以下のようなメリットがあります。

【OJT計画を立てるべき理由】

  • 目標達成への道筋が明確になる:対象者の目指すべきゴールと、そこに至るまでのプロセスが明らかになります。目標達成に向けて、計画的に教育を進められます。

  • 指導漏れを防げる:指導内容を網羅的に洗い出し、計画に落とし込むプロセスによって、重要な項目の指導漏れを防げます。

  • 進捗状況の把握が容易になる:事前に立てた計画があれば、進捗の確認が容易になります。計画と実績のギャップによって対象者の成長度合いを把握でき、必要に応じて、計画の修正も可能です。

  • 育成担当者の教育スキル向上につながる:OJT計画の作成および実践プロセスを通して、育成担当者自身が教育の要点を整理できます。結果として、トレーニング力の向上が期待できます。

逆に、OJT計画を立てずに場当たり的教育を行うと、対象者のスキル習得遅れが生じたり、指導内容ムラが出たりするおそれあります。

社員の早期戦力化が望めないだけでなく、早期離職を招くケースもありますので、注意が必要です。

OJT計画書のテンプレート例

OJT計画書のテンプレートとしては、以下のような項目を盛り込むとよいでしょう。

【OJT計画書のテンプレート項目例】

  • 対象者情報
    対象者の氏名、所属部署、配属日などを記載します。

  • 育成期間
    OJT実施の開始日と終了日、「配属後◯か月間」など、期間を明記します。

  • 育成目標
    対象者が達成すべき目標を、業務遂行能力・スキルなどの観点から、具体的に設定します。

  • 育成項目
    対象者が習得すべき知識やスキルを洗い出し、リスト化します。優先順位もつけておくとよいでしょう。

  • スケジュール
    育成項目ごとに、いつまでに何を教育するのかを時系列で記載します。マイルストーン(重要な節目)も設定します。

  • 指導方法
    OJTの実施方法を記載します。実践指導・ロールプレイングなど、具体的な指導方法を列挙します。

  • 評価方法
    対象者の習得度をどのように測定し、フィードバックするのかを記載します。評価基準も設けます。

  • その他
    教材や参考資料など、OJTに必要なリソースを洗い出しておきましょう。

    以上の項目を網羅したテンプレートを用意しておくと、OJT計画の策定がスムーズになります。自社の状況に合わせて、項目の追加・修正を行ってください。
     
    以下はテンプレートの例です。

    【中長期の計画書の例】

    OJT計画⑤

    出典:厚生労働省「人材育成事例052:水ing株式会社」

    【短期の計画書の例】

    OJT計画書⑥

    出典:OJTの正しいやり方とは?【即戦力を育てる】7ステップを徹底解説!

    ほかにも検索すると、さまざまなテンプレートがヒットします。

    ⇒ Googleで[OJT計画書 テンプレート]と画像検索した結果ページ

    上記リンクからテンプレート画像を確認できます。参考にしてみてください。

    OJT計画の効果的な作り方

    OJT計画⑦

    続いて、効果的なOJT計画の作成プロセスを、具体的なステップに分けて解説します。

    ここでは、以下の6つのステップに分けて見ていきましょう。

    • ステップ1:中長期の成長目標を明確にする
    • ステップ2:短期の成長目標に落とし込む
    • ステップ3:教育内容と期間を具体的に設定する
    • ステップ4:育成方法とフィードバック方法を決める
    • ステップ5:評価基準と評価方法を明確にする
    • ステップ6:計画の見直しと修正を継続的に行う


    ステップ1:中長期の成長目標を明確にする

    1つ目のステップは「中長期の成長目標を明確にする」です。

    まずは、育成対象者の中長期的な成長目標を設定します。

    いつまでに、どのようなスキルや知識を身に付けてほしいのか、ゴールイメージを明確にしましょう。

    本人の適性や、配属先の部署の特性を考慮しながら、達成可能な目標を立てることが重要です。

    【中長期の成長目標設定の際の注意点】

    • 企業理念や経営方針と整合したものにする
      組織の大きな方向性と、対象者の成長の方向性を一致させます。

    • 具体的な言葉で目標を記述する
      抽象的な表現は避けましょう。「自社の主力商品について、機能や特徴を詳しく説明し、顧客のニーズに合わせた提案ができるようになる」など、具体性を持たせます。

    • 行動レベルで目標を設定する
      単に知識を習得するだけでなく、「その知識を使って何ができるようになるのか」を意識して目標設定します。

    • 数値目標を盛り込む
      可能な限り、数値を用いた目標設定を行います。「月間◯件以上の企画書を作成できる」など、評価しやすい目標にします。

    • 対象者本人とすり合わせる
      一方的に目標を押し付けるのではなく、対象者本人の意向も確認しながら、合意形成を図ります。

      長期目標がブレないよう、しっかりと言語化し、文書に落とし込んでおきましょう。

      設定した目標は、OJT実施中に常に意識できるよう、OJT日誌の裏表紙などに掲示する工夫も有効です。

      ステップ2:短期の成長目標に落とし込む

      2つ目のステップは「短期の成長目標に落とし込む」です。

      中長期の目標ができたら、次はそれを短期の目標に分解していきます。

      中長期の目標を達成するために、まずは何から取り組むべきかを明らかにするプロセスです。

      短期の目標は、3か月先、半年先など、比較的近い未来の姿を思い描きながら設定しましょう。

      【短期目標への落とし込み方】

      • 目標達成までの期間を区切る
        1カ月・3カ月・半年などの単位で、区切りをつけます。区切った期間ごとに、到達目標を設定します。

      • 中長期目標からのバックキャスティング(逆算)
        中長期目標の達成に向けて、いつまでに何ができればよいのかを逆算して考えます。

      • 経験則に基づいて設定する
        先輩社員の成長プロセスを参考にしつつ、無理のないペースで目標設定します。

      • 優先順位をつける
        育成項目の優先度を判断し、優先順位の高いものから目標設定していきます。

      • フェーズごとのテーマを設ける
        「基礎知識習得」「実践力強化」など、目標達成までの道のりをフェーズに分け、各フェーズのテーマを明確にします。

        短期目標は、中長期目標よりも具体性を高め、より行動レベルに近づけて設定します。

        小さなトレーニングの積み重ねを通じて、大きな目標を達成できるよう、着実に一歩ずつ進められる目標を心がけましょう。

        ステップ3:教育内容と期間を具体的に設定する

        3つ目のステップは「教育内容と期間を具体的に設定する」です。

        短期目標が定まったら、目標を達成するための教育内容と期間を具体化します。過去の知見なども参考にしつつ、対象者の成長度合いに応じた教育プログラムを設計しましょう。

        【教育内容設定のポイント】

        • 目標達成に必要な知識・スキルを洗い出す
          目標達成のために習得すべき知識やスキルを書き出します。洗い出した項目は、体系立ててまとめておきましょう。

        • 知識・スキルの習得レベルを設定する
          習得を目指す知識やスキルは、その習得レベル(どの程度、使いこなせるようになるのか)を明確にしておきます。

        • OFF-JTの実施時期を検討する
          OJTと連携して実施するOFF-JT(集合研修など)を実施するタイミングを設定します。実務に入る前の事前研修、実務と並行しての定期研修など、学習効果が最大となるよう計画的に実施します。

        • OJT期間中の業務内容を精査する
          OJTの一環として、対象者に任せる業務の内容と量を精査します。段階的に難易度を上げながら、適切な業務を割り当て、着実に成長を促します。

        • マイルストーンを設ける
          目標達成までの節目に、習得状況の確認ポイントを設定します。確認結果に応じて、教育内容の調整を図ります。

          教育内容と期間は、フィックスト(固定)とフレキシブル(柔軟)のバランスを取るのがポイントです。

          大枠のスケジュールは固定しつつ、対象者の成長スピードに合わせて、臨機応変に内容を調整できる余地を残しておきましょう。

          ステップ4:育成方法とフィードバック方法を決める

          4つ目のステップは「育成方法とフィードバック方法を決める」です。

          教育を効果的に進めるには、適切な指導方法の選択と、きめ細やかなフィードバックが欠かせません。対象者の特性を見極めつつ、育成方法を柔軟に使い分けていく必要があります。

          【育成方法の例】

          • 実践指導
            対象者が実際の業務を行う際に、育成担当者が横について指導・助言を行う方法です。対象者の習熟度に合わせて、徐々に任せる業務の範囲を広げていきます。

          • シャドウイング
            対象者が先輩社員の業務を観察し、そのやり方を学ぶ方法です。実際の業務の流れや、顧客対応の仕方など、生きた知識を吸収できます。

          • ロールプレイング
            実際の業務場面を想定して、対象者と育成担当者が役割を演じながら、対応方法を練習する方法です。さまざまなシナリオを用意し、実践的なスキルを磨きます。

          • OJT日誌
            対象者が日々の業務内容と学びをまとめ、育成担当者がフィードバックを行う方法です。対象者の成長や課題を継続的に把握できます。

          • 定期面談
            一定期間ごとに、対象者と育成担当者が面談を行う機会を設けます。対象者の悩みを聞き、アドバイスを行いながら、信頼関係を築いていきます。

            育成担当者は、対象者との信頼関係を築きながら、適切な指導とフィードバックを心がけましょう。対象者の主体性を引き出し、モチベーションを高める関わり方が求められます。

            なお、育成担当者(OJTトレーナー)の育成が不十分な企業においては、OJTトレーナー育成計画の策定も必要です。

            トレーナー育成については、以下の資料で詳説しています。あわせてご覧ください。

            OJTトレーナー資料

            ステップ5:評価基準と評価方法を明確にする

            5つ目のステップは「評価基準と評価方法を明確にする」です。

            育成の成果を測定するには、評価基準の設定と、適切な評価方法の選択が不可欠です。対象者の成長度合いを多面的に評価できるよう、評価の仕組みを工夫しましょう。

            【評価基準の設定方法】

            • 目標の達成度で評価
              設定した目標に対する達成度を、具体的な指標に基づいて評価します。

            • 業務遂行能力で評価
              実務でどの程度力を発揮できているかを評価します。業務の質、スピード、対応力など、多角的な評価を心がけましょう。

            • コンピテンシーの発揮度で評価
              自社で定義するコンピテンシー(行動特性)について、対象者がどの程度身に付けて発揮できているかを測ります。

            • 日常業務の観察評価
              日常の業務での対象者の様子を観察し、育成担当者が総合的に評価します。上司や先輩社員など、ほかの社員の意見も参考にします。

            • 自己評価の機会を設ける
              本人の自己評価の機会も設けましょう。成長の実感は、モチベーション向上に直結します。

              評価の実施タイミングは、マイルストーン到達時など節目に設定しましょう。

              評価結果は、上司と対象者の面談の場で丁寧にフィードバックし、対象者のさらなる成長をサポートするとよいでしょう。

              ステップ6:計画の見直しと修正を継続的に行う

              6つ目のステップは「計画の見直しと修正を継続的に行う」です。

              作成したOJT計画は、実行しながら随時、見直しを図りましょう。

              OJT計画のゴールは、計画の完遂ではなく、「育成対象者が必要な知識やスキルを習得すること」です。

              教育を進める過程で、対象者の成長度合いの過不足や、計画の誤算が見えてくることがあります。それらを無視せず、柔軟に計画を修正しながら育成を進めることが大切です。

              【計画見直しの視点】

              • 目標の妥当性を再検討
                設定した目標が、対象者の成長度合いに照らして妥当かどうかを定期的に確認します。必要であれば、目標の修正を検討します。

              • 教育内容の過不足を精査
                育成を進めていくと、教育内容の過不足が判明することがあります。柔軟にカリキュラムの内容を見直しましょう。

              • 育成方法の有効性をチェック
                選択した育成方法が、対象者の習得度向上に効果を発揮しているかを確認します。改善の余地があれば、方法を変更します。

              • 教育期間の妥当性を検討
                当初の予定通りに育成が進まない場合、状況に応じて教育期間の延長を検討するなど、臨機応変な判断をします。

                計画の見直しは、育成担当者だけでなく、関係者を交えて行うと効果的です。多様な視点から計画を振り返り、より効果的な育成プロセスを設計していきましょう。

                OJT計画を作成する際に注意すべき3つのポイント  

                OJT計画⑧

                最後に、OJT計画の作成および実行時に気をつけたいポイントをお伝えします。以下の点を意識しながら進めていきましょう。

                1. 所持スキルからストレス耐性まで対象者の特性に合わせる
                2. 対象者が混乱しないようにチームの連携を密にする
                3. 計画と照らし合わせて効果を検証する


                所持スキルからストレス耐性まで対象者の特性に合わせる

                1つ目のポイントは「所持スキルからストレス耐性まで対象者の特性に合わせる」です。

                OJT計画の策定の理想的なあり方は、対象者一人一人の特性や学習スタイルを見極め、その人に合わせた育成プランを設計することです。

                画一的なカリキュラムを全員に適用するのではなく、個人の強み・弱みを分析して対応する柔軟性が、成果につながります。

                【対象者の特性分析の着眼点】

                • 経験とスキルの把握
                  対象者のこれまでのキャリアや、すでに習得済みのスキルを確認します。得意分野や伸ばすべき領域を特定し、集中的に強化する項目を盛り込みます。

                • 学習傾向の見極め
                  座学中心のアプローチが効果的な人もいれば、実地での経験を通じて学ぶのが得意な人もいます。対象者の学習パターンを見抜き、最も学習効果の高い教育手法を採用します。

                • パーソナリティ特性の理解
                  真面目さ、協調性、積極性など、対象者の性格面の特徴も考慮に入れます。性格タイプに合わせて、適切な動機づけやフィードバックの方法を使い分けます。

                • モチベーター(やる気が高まる要因)の特定
                  何によってモチベーションが上がるかは、人それぞれ異なります。たとえば承認欲求が強い人には称賛を、達成感を重視する人には挑戦的な課題を与えるなど、モチベーションの源泉を見極めます。

                • メンタルヘルスへの配慮
                  ストレス耐性やコーピングスキル(ストレスに対応する技術)の個人差にも目を配ります。過度な負荷がかからないよう、心身の健康状態をモニタリングしながら育成プランを遂行します。

                  このような対象者理解の鍵は、日常の観察と定期的な面談を通じた情報収集にあります。

                  表面的な印象にとらわれることなく、対象者の個性に寄り添う姿勢こそが、OJTの成功を左右する大きな要因です。

                  対象者が混乱しないようにチームの連携を密にする

                  2つ目のポイントは「対象者が混乱しないようにチームの連携を密にする」です。

                  OJTを組織的に展開していくには、育成する側の連携プレーが不可欠です。

                  対象者の視点から見たときに、

                  「教育担当者と上司とで、言うことが違う」
                  「教わったとおりに業務を行ったら、他部署から叱責を受けた」

                  など、育成側の連携不足による弊害が起きる状況は、避けなければなりません。

                  対象者を混乱させず一貫性のある指導を行えるよう、OJTの目的達成を下支えするチームビルディングを図りましょう。

                  【連携強化のためのアクションプラン】

                  • 育成チーム編成
                    対象者の育成を担当するトレーナーとサポートメンバーを任命します。直属の上司だけでなく、専門性を持つ先輩社員や人事担当者など、多様な立場のメンバーを巻き込みます。

                  • 合意形成ミーティング
                    OJT開始前に指導チーム全員を召集し、育成の全体像を共有します。達成目標や育成方針について議論を重ね、メンバー間の足並みをそろえます。

                  • タスク・ロールの設定
                    育成チーム内でのタスク分担とロール(役割)設定を行います。誰が何を担当するのかを明確化し、抜けや漏れ、ダブりが生じないよう調整します。

                  • 情報共有プラットフォーム
                    チームメンバー間の情報共有基盤を整備します。チャットグループなどを活用し、対象者の状況や直面する問題をメンバー全員がタイムリーに把握できるようにします。

                  • サポート・フォロー体制
                    メンバー間の助け合いを促進する仕掛けを用意します。たとえば、困ったときに相談しやすい雰囲気の醸成や、ピンチヒッターを送り込む柔軟なシフト運用が挙げられます。

                    一人一人が持ち味を発揮しながら、同じベクトルに向かって協力し合える体制があれば、OJTを受ける新入社員や若手社員も、チームの一員として早くなじめるでしょう。

                    計画と照らし合わせて効果を検証する

                    3つ目のポイントは「計画と照らし合わせて効果を検証する」です。

                    OJTの効果を組織全体で最大化するには、個々のOJT計画の進捗管理だけでなく、OJTの全体的な成果を検証し、PDCAサイクルを回していくことが重要です。

                    組織目標に対して、どの程度の成果が出ているのかを多角的に評価し、次なるOJTの改善につなげていく必要があります。

                    OJTの組織的な効果検証を進めるためのポイントは以下のとおりです。

                    【OJTの組織的な効果検証のポイント】

                    • 組織目標の達成度評価
                      組織として設定した人材育成やOJTの目標に照らして、どの程度の成果が出たかを評価します。定量的な指標を用いて、達成度を可視化します。

                    • OJT修了者の追跡調査
                      OJTを修了した対象者のその後の活躍ぶりを追跡します。OJTで習得した知識・スキルが、実務でどのように発揮されているかを確認します。

                    • マネジメント層への効果のヒアリング
                      OJT対象者の上司や経営層に、OJTの効果を尋ねます。現場の生の声からリアルな評価を収集し、OJTの成果や改善点を探ります。

                    • 他社事例との比較検討
                      自社のOJTの取り組みを、他社の優良事例と比較します。先進的な取り組みを参考にしながら、自社のOJTの改善ポイントを見出します。

                      組織の人材力強化には、個人の成長だけでなく、組織全体でOJTに取り組む意識や風土づくりが欠かせません。効果検証を通じて、組織のOJTの強みと課題を認識し、より効果的なOJTの仕組みを作り上げていきましょう。

                      人材育成の効果測定については、以下の記事もあわせてご覧ください。
                      ⇒人材育成の効果測定とは?重要な観点や評価項目を網羅的に解説

                      OJTを計画的に進めるポイントはデジタル化

                      OJTのデジタル化イメージ

                      OJTを計画的に進めるためには、デジタル化が重要です。

                      OJTのデジタル化とは、OJTで教える内容について動画コンテンツやファイルデータ、理解度クイズなどをデジタル化し、プラットフォーム上で引用することにより、学習行動の履歴を管理しなgら、OJTのやり方そのものを変革し、効果を高めていくことを指します。

                      デジタル化は「ばらつき」を軽減し、生産性を向上させる有効な手段です。教える内容を統一したデジタルコンテンツとして整備することで、誰が教えるかに依存せず、質の高い教育を提供できます。これにより、トレーナーの業務負荷も軽減され、効率的な教育を実現できます。

                      さらに、デジタルコンテンツを活用して、いつでもどこでも学べる環境を整備することで、受講者は自己学習を通じてスキルを向上させることができます。

                      学習行動やトレーナーの指導行動のデータ解析を通じて、人材育成の再現性も向上させることが可能です。

                      これらの取り組みを通じて、OJTを計画的に進めるオンボーディングプログラムが実現され、新入社員や若手社員が早期に戦力として活躍し、企業全体の成長が促進されます。

                      ▼OJTのデジタル化については下記で詳しく解説しています。合わせてご覧ください。
                      ⇒OJTにおける最大のデメリットとは?解決策と合わせて解説!

                        OJTにおける最大のデメリットとは?解決策と合わせて解説! 社員に現場のスキルを直接伝えるためのOJTは、効果性が認識されていますが、最大の課題は「ばらつき」です。ばらつきを放置すると失敗しかねません。それを克服するための手法としてOJTのデジタル化がありますので、ポイントなど紹介します。それによりばらつきを軽減し、効果と効率を向上させます。 株式会社LDcube


                      まとめ

                      本記事では「OJT計画」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

                      OJT計画の効果的な作り方を6つのステップに分けて解説しました。

                      • ステップ1:中長期の成長目標を明確にする
                      • ステップ2:短期の成長目標に落とし込む
                      • ステップ3:教育内容と期間を具体的に設定する
                      • ステップ4:指導方法とフィードバック方法を決める
                      • ステップ5:評価基準と評価方法を明確にする
                      • ステップ6:計画の見直しと修正を継続的に行う

                      OJT計画を作成する際に注意すべき3つのポイントは以下のとおりです。

                      1. 所持スキルからストレス耐性まで対象者の特性に合わせる
                      2. 対象者が混乱しないようにチームの連携を密にする
                      3. 計画と照らし合わせて効果を検証する

                      OJT計画は社員育成に欠かせない、重要なツールです。本記事でご紹介した知見を実践の場で活用し、教育のブラッシュアップを図っていただければ幸いです。

                      株式会社LDcubeはこれまでの組織活性化や人材育成で培ったノウハウを生かしながら、新たな時代の人材育成方法の模索を支援しています。

                      また、OJTのデジタル化など課題解決に向けたプラットフォームの提供やコンテンツ作り、運用のサポートなど、OJTトレーナー研修の実施など、さまざまなサービスを展開しています。

                      無料のデモ体験会や具体的な使い方のご案内、導入事例の紹介なども行っています。お気軽にご相談ください。

                      ▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

                      OJTばらつき軽減策

                      OJTトレーナー資料

                      UMU資料

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                      LDcube編集部
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                      株式会社ビジネスコンサルタント時代から約60年、人材開発・組織開発に携わってきた知見をもとに、現代求められる新たな学びについて、ノウハウや知見をお届けします。

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