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新入社員のオンボーディングに必要な要件とは?構築と運用の工数についても解説!

新入社員のオンボーディングは、企業の成長と持続的な成功の鍵を握る重要なプロセスです。

しかし、多くの企業がオンボーディングの課題に直面しています。特に、オンボーディングが形式的で効果的に行われないと、新入社員が業務や職場になじむのに時間がかかり、結果として離職率が高まるリスクがあります。

では、どのようにして新入社員のオンボーディングを効果的に行い、早期に戦力化できる環境を整えたらよいのでしょうか?

新入社員のオンボーディングに関して多くの企業が抱えている一般的な課題について考えてみましょう。

  • 情報過多
    多くの情報が一度に提供されることにより、新入社員が混乱し、重要な情報が記憶に残らない場合があります。新入社員は覚えなければならないことが多く、消化不良になりがちです。

  • サポート不足
    新入社員が必要とするサポートやフィードバックが十分に提供されていない場合、不安やストレスが増し、モチベーションが低下することがあります。

  • 一貫性の欠如
    オンボーディングプログラムと実務内容が違うなど、一貫した内容になっていない場合、新入社員の学びに混乱を招くことがあります。

本記事では、効果的なオンボーディングプログラムを構築し、運用するための具体的な方法を紹介します。

以下のポイントを踏まえることで、新入社員が早期に業務に適応し、企業に貢献できる環境を整えることができます。

  • インタラクティブな学習環境の提供
    座学だけでなく、ワークショップやグループディスカッション、ロールプレイングなどのインタラクティブな学習方法を取り入れます。これにより、新入社員が主体的に学び、実践的なスキルを身に付けることにつながります。

  • デジタルツールの活用
    学習管理システム(LMS)やオンラインコースを活用して、新入社員が自分のペースで学習を進められる環境を整えます。また、必要なときに、必要な人が、必要な情報やリソースにいつでもアクセスできる環境を整え、主体的な学びと問題解決につなげます。

  • フィードバックの強化
    オンボーディング期間中、定期的にフィードバックセッションを設け、新入社員の学びの進捗を確認し、必要なサポートを提供します。フィードバックを通じて気付きを促し、強みや改善点を明確にし、成長を促進します。

オンボーディング構築や運用には一定の工数が必要ですが、その投資は新入社員が効率的に成長するために不可欠です。デジタルコンテンツをベースにオンラインの環境を整備することで、繰り返し学習できる環境をつくることができ、生産性が高まります。

オンボーディングプログラムを効果的に設計し、企業の持続的な成長を支えるための基盤を築きましょう。

▼オンボーディングプログラム構築や新人育成についてはテーマごとに下記で詳しく解説しています。

▼新人育成については下記にまとめました。企画編56㌻、実践編46㌻、カリキュラム編20㌻で編成しています。

新入社員育成のすべて3本セット資料

目次[非表示]

  1. 1.新入社員のオンボーディングとは?
  2. 2.新入社員のオンボーディングに必要な要件
    1. 2.1.自社内での一人前の定義がある
    2. 2.2.一人前に向けて学習できる教材がある
    3. 2.3.オンラインでの学習環境がある
  3. 3.新入社員のオンボーディング体制構築の方法
    1. 3.1.一人前の定義の確認
    2. 3.2.社内の学習コンテンツ集め
    3. 3.3.必要な学習コンテンツの作成
    4. 3.4.学習コンテンツのコース化
    5. 3.5.運用体制の構築(OJTとの連動など)
  4. 4.新入社員のオンボーディングにかかる工数
    1. 4.1.構築にかかる工数
    2. 4.2.運用にかかる工数
  5. 5.新入社員のオンボーディングには専任者がいることが理想
  6. 6.新入社員オンボーディングの事例
  7. 7.新入社員のオンボーディングならLDcubeにお任せ!
  8. 8.まとめ

新入社員のオンボーディングとは?

新入社員研修のイメージ

オンボーディング(Onboarding)とは、新入社員が組織にスムーズに適応し、効果的に業務を開始できるよう支援する一連のプロセスを意味します。

企業文化や経営理念の理解、業務フローの把握、チームや上司との信頼関係の構築などを含んでいます。

オンボーディングは単なる入社初日のオリエンテーションではなく、通常数週間から数カ月にわたる継続的なプロセスであることが特徴です。

オンボーディングで取り扱う内容例

  • 企業文化やビジョン
    会社の歴史、ビジョン、ミッション、バリューなど企業文化について事例を交えて説明します。
  • 手続き関連
    労働条件、福利厚生、安全衛生、コンプライアンスなどのポリシーを分かりやすく説明します。
  • 職務内容の明確化
    新入社員に対して、自分が担当する具体的な職務内容や期待される役割を丁寧に説明します。
  • 目標設定
    短期および長期の目標を設定し、業務の優先順位を明確にします。
  • 必要なスキルの研修
    新入社員が業務を遂行する上で必要なスキルを取得できるように、トレーニングを実施します。
  • 技術的なサポート
    ITシステムやソフトウエアの使い方など、業務に必須の技術的な知識を提供します。
  • メンタリングとコーチング
    経験豊富な先輩社員や上司によるメンタリングやコーチングを通じて、新入社員が早期に業務に慣れるようサポートします。
  • 社内ネットワーキング
    他の社員とのコミュニケーションを促進し、職場全体で協力関係を築く機会を提供します。


オンボーディングの重要性・メリット

  • 早期戦力化
    オンボーディングプロセスをしっかりと行うことで、新入社員は短期間で会社の業務に精通し、即戦力として活躍できるようになります。

  • 社員の定着率向上
    オンボーディングプログラムは、新入社員が何をしたらよいか迷子になったり、ほったらかしにされたりすることを避け、新入社員の早期離職率を下げる効果があります。社員が会社に対する理解と信頼を深めることで、長期的な定着が促進されます。

  • 職場の生産性向上
    効果的なオンボーディングによって、新入社員は自分の役割と責任を明確に理解し、自信を持って業務に取り組むことができるため、職場全体の生産性が向上します。


オンボーディングは、単に新入社員を迎え入れるためだけの短期的な手続きではなく、新入社員が長期的に安定して成長し、企業の一員として成果を上げるための重要なステップです。

しっかりとしたオンボーディングプロセスを実施することで、新入社員の早期戦力化、定着率の向上、そして職場の生産性の向上を図ることができます。

▼新入社員の即戦力化については下記で解説しています。併せてご覧ください。
⇒成果を出す新入社員の育て方とは?即戦力化の前提・ポイントを解説!

  成果を出す新入社員の育て方とは?即戦力化の前提・ポイントを解説! 企業の発展のためには、新入社員を即戦力として育成することが必須です。本コラムでは、新人育成のための前提や具体的な教育手法やポイント、事例まで含めた概要を紹介します。特にZ世代と呼ばれる20代前半以下の、現代の新人向けの研修のあり方などについて深い洞察を提供します。 株式会社LDcube


新入社員のオンボーディングに必要な要件

オンボーディングに必要な要件のイメージ

自社内での一人前の定義がある

新入社員のオンボーディングにおいて重要な第一歩は、自社内での「一人前」の定義を明確にすることです。

この定義は、各部署や職務内容により異なる場合がありますが、その職務で求められるスキル、知識、行動基準などを具体的に示すことで社員の目標を明確にします。

  • 目的の共有
    新入社員が最初に知るべきは、自分がどのような役割を担い、どのような基準で一人前と見なされるかです。具体的な目標を持って研修や日々の業務に取り組むことが重要です。 

  • スキルチェックリスト
    一人前になるための具体的なスキルや知識をチェックリスト化します。例えば、ある程度の技術スキル、業務知識、プロジェクトマネジメントの能力など、その職種に応じた内容を記載します。

  • 行動基準
    期待される行動や姿勢も明確に設定します。これには顧客対応の質、チームワークの取り方、仕事に取り組む姿勢などが含まれます。



一人前に向けて学習できる教材がある

自社内での「一人前」の定義が明確になったら、それに向けて必要な知識やスキルを学習するための教材を準備します。

これまでの新入社員研修で活用しているテキストや資料、OJTマニュアル、顧客案内用のサービス紹介動画など、社内を探してみると使える素材を見つけられることも多いです。社内で眠っている資料が意外と役立ちます。

このような既にある素材は学習用コンテンツとして活用することでコンテンツ作成の工数を削減することができます。

(社内を探しても学習用コンテンツがあまり見当たらない場合は、必要なコンテンツを作成していく必要があります。その点については3章:新入社員のオンボーディング体制構築の方法で解説します。)

学習用コンテンツをある程度見つけてきたら、それをどのような順番で学習していくのが効果的かを踏まえて整理します。

  • 初期導入教材
    新入社員が会社の基本的なルールや企業文化、業務の流れを理解するための基本的な教材を用意します。会社説明動画やOJTマニュアルなどを活用して整備していきます。

  • スキルアップ教材
    職務に必要な技術や知識を深めるための教材を充実させます。例えば、顧客説明用の動画や業務プロセスを理解するためのマニュアル、業界知識の書籍、専門的なスキルトレーニングビデオなどが挙げられます。

  • 実践的なトレーニングプログラム
    理論だけでなく、実際の業務シミュレーションやOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)など、実践的に学べる環境も整えることが重要です。


オンラインでの学習環境がある

新入社員がいつでもどこでも学習を続けられるように、オンラインでの学習環境を整えることも不可欠です。

社内で見つけてきた学習用コンテンツを、効果的な学習順に並べ、それをオンライン上で学習できるように整えます。

オンラインの活用により、対面での研修の制限を超えて、柔軟に学習機会を提供できます。

  • オンライン学習プラットフォーム
    新入社員がアクセスできる学習プラットフォームを導入します。プラットフォーム上で、動画教材、クイズ、ディスカッション、チャットサポートなどを提供します。

  • キーワード検索
    学習プラットフォームに教材を格納したら、キーワード検索機能を活用して教材やリソースを簡単に検索できる環境を整えます。これにより、新入社員は必要な情報に迅速にアクセスし、自己学習を進めやすくなります。

これらの要件を満たすことで、新入社員は効率的かつ効果的にオンボーディングプロセスを進めることができ、早期に一人前として活躍できるようになります。

(補足)Z世代の学び方

現代の新入社員はZ世代であり、社会の変化とともに日ごろの学び方も変わってきています。新入社員が学びやすい環境をつくることが重要です。下記に参考情報を紹介します。

総合文具メーカーのコクヨ株式会社が2020年に行った「中高生の学びに関する実態調査レポート」でのアンケートによると、「勉強に関する情報をどこから得ますか?」という問いに対し、「YouTubeなどの動画サイト」と回答した学生が一番多い結果となっています(回答人数:824名)。

勉強法についてのアンケート結果

※コクヨ株式会社「中高生の学びに関する実態調査レポート」を参考に作成

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新入社員のオンボーディング体制構築の方法

オンボーディング体制を構築する方法のイメージ

一人前の定義の確認

自社の「一人前」についての定義を確認します。ある程度明文化されたものがある場合にはそれを活用しますが、時代の変化の中で陳腐化していないかなど確認しましょう。

「一人前」についての定義が特にない場合には、下記の手順で確認・検討します。

これまで弊社では2時間×2回程度(下記①②で1回、③④で1回)で行ってきました。

一人前の定義の確認方法

①新入社員育成や新人が配属される職場のマネジャーでミーティングを行う

まず、新入社員の育成担当者や新人が配属される職場のマネジャーを集めてミーティングを行います。このミーティングの目的は、新入社員が「一人前」になるための基準を明確にすることです。

  • 参加者の招集
    人事部門、新入社員の教育担当、各職場のマネジャーなどを招集します。
  • ミーティングの目的とアジェンダの説明
    ミーティングの冒頭で、「一人前」の定義を策定する意図と、その重要性を参加者に説明します。
    また、ミーティングのアジェンダや進行スケジュールを確認します。 

②ミーティング時に各自の「一人前」の定義(知識・スキル・考え方)を持ち寄り、要素を洗い出す

参加者各自が考える「一人前」の定義を持ち寄り、その知識、スキル、考え方などの要素を洗い出します。

  • 準備作業
    参加者は事前に、自分の部署における「一人前」の定義として具体的な要素をリストアップしておきます。
  • アイデア出し
    ミーティングでは、各参加者が持ち寄った要素を全員でシェアします。この段階では、自由に意見を出し合い、多くの視点を取り入れることが重要です。
  • ホワイトボードや付箋の活用
    ホワイトボードや付箋を使って、各要素を視覚的に整理し、一つずつ具体的に確認します。

※多くの場合、意見がばらけますが、それは「一人前」といったときの定義が曖昧であることを示しているからです。ここではそのばらつきを気にせず洗い出しましょう。

③「一人前」の定義について過不足がないかディスカッションを行う

全ての要素が出そろったら、その内容についてディスカッションを行い、過不足を確認します。

  • グループディスカッション
    定義された要素を全員で確認し、各部署や職務内容に照らし合わせて、まとめられるものはひとまとめにしたり、不足している観点があれば追加したりして、過不足がないかを検討します。
  • 重要度の評価
    各要素の重要度を評価し、優先順位を決めます。必要に応じて、要素の追加や修正を行います。
  • 検証と調整
    実際の業務や事例に基づいて、各要素が現実的かつ実践的であるかを検証し、必要ならば調整を行います。

④参加者でコンセンサスを得る

ディスカッションを経てチーム全体で合意に達し、「一人前」の定義についてコンセンサスを得ます。 

  • 最終確認
    全ての要素とその詳細について再確認し、全員が理解し納得しているかを確認します。
  • 公式の文書化
    合意に達した「一人前」の定義を公式なドキュメントとして文書化します。このドキュメントには、具体的な知識、スキル、考え方、および評価基準が含まれます。
  • 承認と共有
    上層部から最終的な定義についての承認を得た後、各部署に共有し、新入社員の教育や評価に活用します。このようにして、「一人前」の定義を策定し、全員で合意することで、新入社員の育成プログラムが一貫性を持ち、効果的に実施されることを目指します。


社内の学習コンテンツ集め

新入社員のオンボーディング体制を構築する際、「一人前」の定義に基づき、必要な学習を行うため、まずは現存する社内の学習コンテンツを収集することが重要です。

このステップでは、既にある資料やマニュアル、トレーニングビデオ、ガイドブックなどを一カ所に集めて整理します。

  • 各部署からの収集
    各部署のマネジャーや担当者から「一人前」になるのに必要な資料などを提供してもらいます。特に、業務プロセスやシステムの操作方法など、仕事に直結する内容が重要です。

  • カテゴリ分け
    集めたコンテンツをテーマごとにカテゴリ分けします。例えば、会社の基本情報、技術スキル、ビジネスマナー、業務プロセスなどに分類します。


必要な学習コンテンツの作成

既存のコンテンツを集めた後、オンボーディングに必要な追加コンテンツを作成します。

「一人前」に必要な学習項目のうち、既存のコンテンツがないものをリストアップし、新入社員が一人前になるために必要な情報を網羅するよう意識します。

  • ギャップ分析
    「一人前」の定義と既存コンテンツを比較し、どの情報やどのスキルについての学習コンテンツが欠けているかギャップ分析を行います。

  • 教材作成
    ギャップを埋めるための教材を作成します。例えば、新しい法律や規制に対応するための資料、最新の技術やトレンドについての説明書、最新のシステムの操作方法に関するビデオなどを作成します。

  • 専門家の協力
    必要な場合は、社内外の専門家に協力を依頼し、内容の正確性と質を確保します。


学習コンテンツのコース化

作成した学習コンテンツを、体系的に学べるコースとして組み立てます。このステッ
プでは、学習の進行がスムーズになるように教材を順序付け、学習の段階を設定します。

また、単にコンテンツがあれば効果的な学習になるかというとそうではありません。通常、インプット用コンテンツばかりになりがちです。

インプットに対応したアウトプットコンテンツ(理解度クイズなど)を交えてコース化を進めます。

  • カリキュラムの設計
    まずは全体のカリキュラムを設計し、どの段階でどの内容を学ぶかを計画します。基礎知識から高度なスキルへと段階的に学ぶことができるように設計します。 

  • モジュール化
    各教材をモジュール化し、それぞれのモジュールが独立して学べるようにします。例えば、会社の基本情報、技術スキル、業務プロセスといった大カテゴリに分け、それぞれを細かくモジュールに分けます。

  • 学習評価
    各モジュール終了後には、クイズや実践演習を設けることで、学んだ内容を評価します。これにより学習の定着度を確認できます。


運用体制の構築(OJTとの連動など)

学習コンテンツを整備したら、次はそれを効果的に運用する体制を構築します。

OJTの仕組みと連動させることで、知的理解だけでなく、実践的なスキル習得を促進します。

  • OJTトレーナーの選定
    職場ごとにOJTトレーナーを選任し、新入社員に対する指導役を担ってもらいます。トレーナーには事前に必要なスキルや知識を教育し、研修プログラムを運営できるようにします。

  • 学習進捗の管理
    学習プラットフォーム(LMS)を活用して、新入社員の学習進捗をリアルタイムで管理します。個々の理解度や進捗をモニタリングし、適宜必要なフォローアップを行っていきます。 

  • フィードバックとブラッシュアップ
    OJTトレーナーは新入社員のパフォーマンスについてフィードバックを提供し、新入社員の成長の促進をサポートします。また、新入社員からも定期的にオンボーディングプログラムについてのフィードバックを収集し、学習コンテンツとOJTの内容を適宜改善していきます。

このように、学習コンテンツ集めから始まり、必要な教材の作成、コース化、運用、フォローまで、一貫したプロセスを経ることで、新入社員に対して効果的なオンボーディング体制を提供することができます。

▼研修用動画コンテンツの作り方については下記で解説しています。

研修用動画コンテンツの作り方

新入社員のオンボーディングにかかる工数

オンボーディングにかかる工数のイメージ

新入社員のオンボーディング体制を構築・運用するためには、それぞれの段階で異なる工数がかかります。ここでは、構築にかかる工数と運用にかかる工数について具体的に説明します。

構築にかかる工数

オンボーディング体制を一から構築するためには、以下の工程において具体的な工数がかかります。

  • ニーズ分析
    どのスキルや知識が新入社員にとって最も重要かを把握するための調査と分析が必要です。各部門のマネジャーや既存の社員にインタビューを行い、その情報を基に「一人前」を定義したり、プログラムの要件を確定したりします。

  • 計画立案
    ニーズ分析の結果に基づき、全体のオンボーディングプランを立案します。スケジュールや予算、キーとなるマイルストーンを含む詳細な計画を作成します。

  • 既存コンテンツの収集
    各部署から既存の学習資料を収集し、それを整理・分類します。

  • ギャップ分析と新規コンテンツ作成
    既存コンテンツでカバーできない部分を特定した上で、必要な新規学習コンテンツを作成します。ここには、教材作成やビデオ制作の時間も含まれます。

  • カリキュラム設計
    学習内容を体系立てて整理し、段階的に学べるカリキュラムを設計します。

  • コンテンツのコース化:各モジュールを具体的な学習コースにまとめ、学習の進行がスムーズになるように調整します。

  • LMSやオンラインプラットフォームの導入
    ラーニングマネジメントシステム(LMS)など必要なシステムを導入し、設定やカスタマイズを行います。

  • システムテスト
    実際に動作するかをテストし、必要に応じて調整を行います。


運用にかかる工数

運用フェーズにおいては、新入社員の状況を常にモニタリングし、プログラムの改善を継続的に行うための工数がかかります。

  • 学習進捗の管理
    LMSやOJTリーダーへのヒアリングなどを通じて、新入社員の学習進捗を継続的に管理します。

  • フィードバックと評価
    定期的に新入社員の学習進捗を評価し、フィードバックを行います。必要に応じて個別のサポートを提供します。

  • OJTトレーナーのサポート
    トレーナーが新入社員を指導する際のサポートや、必要な情報共有を行います。

  • 学習と実務の連携
    学習内容と現場での実務が連動するように調整・支援します。

  • 定期的なレビュー
    オンボーディングプログラムの効果を定期的に評価し、改善点を見つけます。新たなニーズや変化に対応するため、プログラムを更新します。

  • 新規コンテンツの追加
    必要に応じて、新しい学習コンテンツを追加・更新します。特に新しい技術や新たな法規制に対応するための資料はタイムリーに作成します。

以上のように、オンボーディング体制の構築と運用には多くの工数がかかります。

初年度は大変ですが、デジタルコンテンツをベースに整えていき、計画的かつ効率的に進めることで、2年目以降は構築・運用の工数やコストを大きく削減することができます。

▼研修などの業務の効率化については下記で解説しています。併せてご覧ください。
⇒研修を効率化するには?コスト削減とパフォーマンス向上の両立

  研修を効率化するには?コスト削減とパフォーマンス向上の両立 急速なデジタル化や市場環境の変化により、業績向上に直結する人材育成の重要性が高まる一方、研修コストの削減と生産性の向上を同時に実現することが求められ、従来の集合研修のあり方が問い直されています。本記事では、研修を効率化する6つのステップやポイントを紹介します。 株式会社LDcube

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新入社員のオンボーディングには専任者がいることが理想

オンボーディングの専任者のイメージ

新入社員のオンボーディング体制を効果的に構築・運用するためには、専任者がいることが理想です。

  • 構築フェーズの効率化
    オンボーディング体制を構築するには、新入社員が必要とするスキルや知識を把握し、それに基づいて詳細なプランを立てる必要があります。このプロセスには社内の専門知識と多くの時間が必要となり、専任者がいれば集中して取り組むことができます。

  • 運用フェーズの一元管理
    学習進捗の管理や評価、フィードバック、新入社員への個別対応など、多くのタスクを同時に進めなければなりません。これらのタスクを担当する専任者がいることで、新入社員の成長を適切にサポートできます。

  • 継続的な改善と最適化
    定期的なフィードバック収集とそれに基づくプログラムの改善が欠かせません。専任者がいれば、これらのタスクをタイムリーに行い、プログラムの質を常に向上させることができます。 

  • 総合的な一元管理
    専任者がいることで、全体の一元管理が可能となり、各フェーズでの調整がスムーズになります。これにより、新入社員への個別対応やフィードバックも行いやすくなり、新入社員の不安を早期に解消できます。この結果、満足度が向上し、早期から戦力として活躍できるようになります。

以上のように、新入社員のオンボーディングには専任者がいることが理想です。専任者は構築フェーズから運用フェーズまで一貫して担当することで、一貫性と効率を確保し、新入社員の早期戦力化と定着率の向上を実現することができます。

新入社員オンボーディングの事例

オンボーディングの事例

不動産営業の効果的なロープレ事例

  • デジタルOJTとリアルOJTの連動で業績向上へ【UMU導入事例】
  • 社員数:3000名以上 事業:住宅メーカー

導入前の課題

環境変化に対応した教育を提供したい

働き方改革など、時代や環境の変化に伴い、従来通りの詰め込み型教育では新入社員がなかなか育たないという課題を抱えていました。

この課題を解決するため、2018年に新入社員の教育方針を「全社の人材育成システムを確立し、共通認識の下、営業人材を長期的視点で組織的・計画的に育成する」というものに変更しました。

3年で一人前とする本計画の元、「研修は事前学習→集合研修→職場実践サイクルによる、OJTとの連動形式を取る」「計画的なロールプレーイングの実施で営業のスキル向上を図る」「個々の学習の進捗状況と習得度の把握」をしながら持続的学習を促進していくために、マイクロラーニングによるインプットとAIによるロープレ(ラーニングプラットフォーム:UMU(ユーム)の活用)の導入を決定しました。

取り組みの詳細

①マイクロラーニングによるインプットで本部・現場の負担減へ

現場のハイパフォーマー社員に依頼し、1人当たり2テーマの模範ロープレ動画を提供してもらい、その動画をプラットフォーム上に掲載しました。

動画学習+AIロープレ導入前は現場でのOJTの質にばらつきがあるという課題もありましたが、動画学習の導入を機に、学習の質を均一化することができ、今では入社1年目~3年目の必須コンテンツとなっています。

②研修後の確認テストで学びの定着を図る

研修の最後にまとめとして、受講生にはプラットフォーム上で確認テストに回答してもらうことで、研修の理解度を測るとともに、学習内容の定着化を図る取り組みをしました。

講師はリアルタイムで受講生たちの理解が浅いポイントが分かり、その場で解説や補足説明を行うことで、効率的な学習を実現できました。

③48のテーマに細分化したロープレの提供で営業スキル向上へ

一人前になるまでに必要な知識を48テーマに細分化し、それをロープレの課題として受講生に提示、順次プラットフォーム上に動画をアップロードしてもらうことで、営業スキルの向上を図っています。

1週間に1本ずつ、模範ロープレ動画を視聴した上で、自身のロープレ動画を提出してもらいます。上司から70点以上の評価を受けることができればテーマクリアという運用を実施することで、デジタルで体系的な学習をしながら、リアルでOJTを促進するという連動を図っています。
  

導入後の成果

①一人前として必要な知識を漏れなく学習

プラットフォーム導入前は、3年間営業活動をしていても、人によっては現場で遭遇しないテーマもありましたが、48テーマを計画的に展開していくことで、体系的に、漏れのない学習の提供が可能となりました。

②学習と上司からのフィードバック率と業績の相関が分かった

受講生が動画を提出すると、AIからのフィードバックを受けられるため、1人でも自分のロープレにおける啓発ポイントを確認しながら、何度もロープレの練習をすることが可能です。また、トークの中身についても上司からのフィードバックを受けることで、トークのブラッシュアップを図ることができます。

実際に受講生の学習や上司のフィードバック率のランキングデータを確認すると、上位者には好業績者の顔ぶれが並んでおり、学習と上司からのフィードバック率と業績が相関していることが分かりました。

これまで現場でのOJT実施状況は不透明でした。しかし、学習状況やフィードバック率がデータとして可視化することで、実施状況を把握しながら上司の関わりを促進し、全体の学習・育成を促進することができました。

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新入社員のオンボーディングならLDcubeにお任せ!

LDcubeにお任せのイメージ

新入社員のオンボーディングは企業の成長に直結する重要なプロセスです。LDcubeは多角的なアプローチで効果的なオンボーディングの体制づくりを支援しています。

新入社員育成に関連する人たちとのミーティングを通じて、社内での「一人前」の定義を再確認する支援や、学習プラットフォームの導入支援を行います。そこから新入社員がキーワード検索で必要な情報を即時に学べるオンライン学習環境を整えます。

デジタルコンテンツや自発的に学べるツールの提供により、新入社員はいつでもどこでも効率的に学習を進めることが可能となり、早期に必要なスキルや知識を身に付けることができます。

それだけでなく、LDcubeは外部講師が実施する研修プログラムを自社内で効果的に活用できるように、社内トレーナーの養成の支援も行っています。社内トレーナーが質の高い研修を自ら実施できるようになることで、持続的かつ一貫した教育環境を整えることができます。

また、LDcubeは必要に応じて特定の研修やセミナーを実施することも可能です。新入社員のビジネスマナーやコミュニケーションスキルなどの分野については、LDcubeのスタッフが研修を行い、即戦力となるスキルを習得できるよう支援します。

新入社員のオンボーディングプロセスにはさまざまな工数がかかります。専任者をおいたとしてもやらなければならないことが多岐にわたります。LDcubeは専任者と共に、オンボーディングを効率化し、新入社員の定着率とパフォーマンスを向上させることに向けて伴走します。

まとめ

新入社員のオンボーディングに必要な要件とは?構築と運用の工数についても解説!について紹介してきました。

  • 新入社員のオンボーディングとは?
  • 新入社員のオンボーディングに必要な要件
  • 新入社員のオンボーディング体制構築の方法
  • 新入社員のオンボーディングにかかる工数
  • 新入社員のオンボーディングには専任者がいることが理想
  • 新入社員オンボーディングの事例
  • 新入社員のオンボーディングならLDcubeにお任せ!

新入社員のオンボーディングには、自社内に「一人前」の定義があり、それを実現していくための学習コンテンツを社内外から探したり、新たに作成したりしてプログラムを構築していくことが必要です。

その上で、現場でのOJTとも連動させながら、成長を支援していくことが求められます。新入社員のオンボーディング体制構築やその運用にはそれなりの工数・労力がかかりますが、デジタルコンテンツをベースに整えていくことで2年目以降の工数を大きく削減することが可能です。

人事でオンボーディング施策を講じることで、新入社員のエンゲージメントを高め、早期離職の防止やパフォーマンスの発揮につながります。

株式会社LDcubeでは、新入社員のオンボーディング体制構築に必要な支援を幅広く行っております。社内の担当者さまと伴走し、効果的なオンボーディング体制づくりにつなげていきます。新入社員の育成で悩みがあればLDcubeにお気軽にご相談ください。

▼新入社員育成については下記にまとめました。こちらからダウンロードできます。

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  新入社員フォローアップ研修のあるべき姿とは?すべて解説! 今回は新入社員フォローアップ研修の目的や効果、内容、日数、タイミング、その他施策について解説しながら、導入研修時から意識して取り組んだ方が良いことなどを解説していきます。研修は社内講師でやるか外部講師に依頼すべきかについても紹介します。 株式会社LDcube
  新入社員研修にオンラインを活用して効果を高める秘訣!事例も紹介! 新入社員研修は単にオンライン化するだけでは期待するような効果・成果につながらない可能性があるため、成功させるポイントをおさえておくことが大切です。オンライン化の背景、概要、テーマ、成功させる秘訣や詳細のカリキュラム事例、便利な学習プラットフォームについて詳しく解説します。 株式会社LDcube
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  OJT放置のリスクと対処法!新人の退職を防ぎ効果的に育成するコツ! 新入社員教育のOJTがうまく機能しないと企業の業績に影響が出ることをご存じですか?本記事では、新入社員のOJTが放置されがちな理由と、そのリスク、そしてその改善策について詳しく解説します。最適な新入社員教育システムの構築に役立ちます! 株式会社LDcube
  OJT計画とは?テンプレート例や効果的なプランの立て方・注意点 組織も少なくありません。また、OJTプランの作成方法に悩む企業は少なくありません。本記事では、基本から、効果的なプラン作成方法、ポイント、注意点までを詳しく解説します。 株式会社LDcube
  OJT成功の企業事例10選|うまくいく会社の共通ポイントを解説 OJTを成功させている事例を参考にして、自社に役立てたいとお考えの研修担当者の方も多いのではないでしょうか。本記事では成功している会社をまとめました。いずれも現場での育成を「人材育成の要」として重要視しています。OJTの企業成功例を見て、参考になる部分を取り入れましょう。 株式会社LDcube
  レジリエンス研修とは?実施で得られる効果と代表的な5つの要素 ストレスや逆境に直面しやすい現代のビジネスシーンでは、困難な状況でも立ち向かって前に進む力、つまり、高いレジリエンスを持った人材が必要です。そんな人材育成のためにはレジリエンス研修が有用です。研修の概要や得られる効果、代表的な要素について解説します。 株式会社LDcube



代表取締役 新井澄人
代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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