
【初めての人材開発担当者向け】人材育成のプロがおすすめする勉強法と重要ポイントを解説!
人材開発の担当になったものの、「何から学べばいいのか分からない」「研修を運営しているけれど、本当にこれで良いのだろうか」と悩んでいませんか?
特に初めて人材開発の役割を担う方は、専門知識を身に付けたい気持ちがある一方で、相談できる相手が少なく、不安を抱えながら手探りで業務を進めているケースは少なくありません。
人材開発は単に研修を企画・運営する仕事ではなく、組織の成長や事業成果、そして社員一人一人の成長を支える重要な役割です。
しかし、研修を実施するだけでは成果は生まれません。現場や経営の課題を理解し、学びを行動変容や成果につなげるための知識や考え方が求められます。そのためには、人材開発を体系的に学ぶことが欠かせません。
一方で、人材開発には「これが正解」という万能な答えがあるわけではありません。勉強を進める中で、「他社はどうしているのか」「この施策は本当に効果があるのか」といった新たな疑問が生まれることも多いでしょう。
だからこそ、知識を身に付けるだけでなく、経験者や専門家に相談できる環境を持つことも大切です。
本記事では、人材開発の勉強がなぜ必要なのかをはじめ、初めて担当する方におすすめの勉強法や学ぶべきテーマ、つまずきやすいポイントを分かりやすく解説します。
さらに、1人で悩みを抱え込まないための相談相手についても紹介します。人材開発担当者としての第一歩を、自信を持って踏み出すためのヒントをぜひ見つけてください。
▼人材開発・育成については、テーマに合わせて詳しく解説しています。
▼各社の人材育成の実態については、以下の調査レポートもご参考ください。
目次[非表示]
- 1.なぜ人材開発に勉強は必要なのか?
- 1.1.組織の業績や成長に直結する
- 1.2.社員のキャリアや成長に直結する
- 1.3.やり方次第で学びの効果は大きく変わる
- 2.初めての人材開発担当者におすすめの勉強法
- 2.1.社内講師が実施する社内研修をオブザーブする
- 2.2.外部講師が実施する社内研修をオブザーブする
- 2.3.外部の公開研修を受講する
- 2.4.外部の無料セミナーを受講する
- 2.5.外部の人材開発担当者向けカンファレンスに参加する
- 2.6.関連書籍を読む
- 2.7.自身のキャリアや成長のポイントを振り返る
- 3.初めての人材開発担当者におすすめの勉強内容
- 3.1.人材開発の目的
- 3.2.人材開発の手段
- 3.3.人材開発のツール
- 3.4.人材開発のトレンド
- 3.5.人材開発のモデル・フレームワーク
- 3.6.現場実践・成果につなげる学習設計
- 3.7.人事評価制度と人材開発とのつながり
- 3.8.現状の社内教育の体系
- 3.9.社内講師としてのノウハウ
- 4.初めての人材開発担当者がつまずきやすいポイント
- 4.1.研修を実施すること自体が目的になってしまう
- 4.2.現場の課題や経営課題を十分に把握できていない
- 4.3.社員ごとの成長段階に合わせた施策設計ができていない
- 4.4.研修後の実践や定着まで支援できていない
- 4.5.効果測定の方法が分からない
- 4.6.上司や現場を巻き込めない
- 4.7.他社事例をそのまま導入してしまう
- 4.8.短期的な成果を求めすぎてしまう
- 4.9.自分1人で抱え込んでしまう
- 4.10.効果を感じられない人材育成施策を継続する
- 5.初めての人材開発担当者が頼るべき相談相手
- 5.1.上司や人事部門の先輩担当者
- 5.2.現場の管理職・マネージャー
- 5.3.他部署の人材開発担当者
- 5.4.人材開発担当者のコミュニティー参加者
- 5.5.外部研修会社の営業パーソン
- 5.6.eラーニングなどツール提供会社の営業パーソン
- 6.LDcubeは人材開発担当者の相談相手になります
- 7.まとめ
なぜ人材開発に勉強は必要なのか?
人材開発担当者は研修を運営するだけの仕事ではありません。組織の成長と社員の成長を両立させるために、適切な育成施策を企画・実行する役割を担います。そのためには、人材開発の基本的な考え方や手法を継続的に学び続けることが欠かせません。
組織の業績や成長に直結する
人材開発の勉強が必要な最大の理由は、育成施策が組織の業績や成長に直結するからです。
企業が成長するためには、新しい知識やスキルを持った人材を増やし、組織全体の生産性や競争力を高める必要があります。その実現を支えるのが人材開発です。
しかし、単に研修を実施するだけでは成果にはつながりません。経営課題や現場課題を理解し、それらを解決するための育成施策を設計する知識が求められます。
例えば営業部門で提案力不足が課題になっている場合、商品知識研修だけを実施しても十分な成果は期待できません。ヒアリング力や課題発見力、提案スキルを強化するための実践的な学習機会が必要になるでしょう。
このように組織課題と育成施策を結び付けるには、人材開発に関する体系的な知識が欠かせません。
人材開発担当者が学び続けることで、組織の課題解決につながる育成施策を企画できるようになります。その結果として企業の成長を後押しできるため、人材開発に関する勉強は重要なのです。
社員のキャリアや成長に直結する
人材開発は、組織だけではなく社員一人一人のキャリアや成長にも大きな影響を与えます。
近年は終身雇用型のキャリア形成から、自律的に学び続けるキャリア形成へと変化しています。そのため企業には、社員が必要な知識やスキルを身に付けられる環境を整えることが求められています。人材開発担当者は、その環境づくりの中心的な役割を担います。
例えば新任管理職に対してマネジメント研修を実施する場合でも、単に知識を学ぶだけでは十分ではありません。実際の職場で部下育成や目標管理を実践できるように支援する必要があります。また若手社員に対しては、キャリア形成を考える機会や成長を実感できる学習機会を提供することも重要です。
こうした施策を設計するためには、人の成長プロセスや学習理論、キャリア開発の考え方などを理解しておく必要があります。勉強を通じて人材育成の知識を深めることで、社員の成長をより効果的に支援できるようになるのです。
やり方次第で学びの効果は大きく変わる
人材開発では、同じテーマを扱う研修であっても設計や運営の方法によって効果が大きく変わります。
多くの人材開発担当者が陥りやすいのが、研修を実施しただけで自分たちの役割が完了したと考えてしまうことです。しかし実際には、知識を学ぶことと行動が変わることは別の問題です。研修内容を現場で実践し、習慣化して初めて成果につながります。
例えば集合研修で営業スキルを学んだとしても、研修後に現場で実践する機会がなければ学習内容はすぐに忘れられてしまいます。一方で、上司との振り返りや実践課題、オンライン学習などを組み合わせることで、学びの定着率は大きく向上します。
このように、人材開発には学習設計や行動変容を促すためのさまざまな考え方や手法があります。勉強を重ねることで、単発の研修実施から成果につながる人材育成へとレベルアップできるようになります。だからこそ、人材開発担当者には継続的な学びが欠かせないのです。
初めての人材開発担当者におすすめの勉強法
人材開発は専門性の高い領域ですが、最初から全てを理解する必要はありません。現場で実際に行われている育成施策を観察し、体験し、自分自身の学びと結び付けながら理解を深めることが効果的です。ここでは、初めて人材開発を担当する方におすすめの勉強法を紹介します。
社内講師が実施する社内研修をオブザーブする
初めて人材開発を担当する場合、まず取り組みたいのが社内研修のオブザーブです。
社内講師による研修には、自社ならではの育成ノウハウや現場課題への対応方法が詰まっています。研修資料を見るだけでは分からない工夫や、受講者との関わり方を直接学ぶことができます。
例えば管理職研修を見学する場合、講師がどのタイミングで受講者へ質問しているのか、どのような事例を紹介しているのか、議論をどのように促しているのかを観察します。また、受講者がどの内容に興味を示し、どこで理解に苦戦しているのかにも注目するとよいでしょう。
オブザーブを繰り返すことで、研修設計だけでなく学習者の反応を読み取る力も養われます。自社の育成方針や文化を理解するうえでも非常に有効な勉強法です。
外部講師が実施する社内研修をオブザーブする
外部講師の研修を見学することも、人材開発担当者にとって大きな学びになります。
外部講師は多くの企業で登壇しているため、幅広い事例や指導技術を持っています。そのため、自社だけでは得られない育成手法や最新のトレンドに触れることができます。
例えば同じリーダーシップ研修でも、講義中心で進める講師もいれば、演習や対話を中心に進める講師もいます。なぜその進行方法を選んでいるのかを考えながら観察すると、人材開発の理解が深まります。
また、研修前後の打ち合わせに参加できる場合は積極的に参加しましょう。講師がどのように課題を整理し、研修内容を設計しているのかを知ることで、施策設計の考え方を学ぶことができます。
外部の公開研修を受講する
自ら受講者として公開研修に参加することもおすすめです。
人材開発担当者は研修を提供する立場になることが多いため、受講者の視点を忘れがちです。しかし実際に受講してみることで、学びやすい研修設計や受講意欲を高める工夫を体感できます。
例えば研修開始時のアイスブレイクや演習の進め方、講師からのフィードバック方法などは、受講者として体験することで理解しやすくなります。また、受講後にどのような行動変化が起きたかを振り返ることで、効果的な学習設計についても学べます。
優れた受講体験には多くの学びがあります。学習者の立場で研修を体験することは、人材開発担当者としての視野を広げることにつながります。
外部の無料セミナーを受講する
効率よく情報収集をしたい場合は、無料セミナーの活用がおすすめです。
近年は人材育成や組織開発、人的資本経営、DX人材育成などをテーマとするオンラインセミナーが数多く開催されています。短時間で最新情報を学べるため、初心者でも気軽に情報収集できます。
例えば他社の人材育成事例や最新の学習ツール、AI活用の動向などを知ることができます。また、複数のセミナーに参加することで、現在注目されているテーマや企業が抱える共通課題も見えてきます。
全てを鵜呑みにする必要はありませんが、業界の動向を把握する入り口として非常に有効です。まずは興味のあるテーマから参加してみるとよいでしょう。
▼「HRpro」や「日本の人事部」などのHR関連の情報プラットフォームを活用するのもおすすめです。
▼LDcubeでは、人材育成に関するあらゆるテーマで無料セミナーを実施しています。
外部の人材開発担当者向けカンファレンスに参加する
より実践的な知見を得たい場合は、人材開発担当者向けカンファレンスへの参加がおすすめです。
カンファレンスでは専門家による講演だけでなく、企業の実践事例やパネルディスカッションなどを通じてリアルな取り組みを学ぶことができます。
例えば育成体系の見直し、管理職育成、自律型人材育成など、自社でも参考にできる具体的な事例が数多く紹介されます。また、登壇企業がどのような課題を抱え、どのようなプロセスで改善したのかを学べる点も大きな魅力です。
さらに参加者同士の交流を通じて、人材開発担当者ならではの悩みや工夫を共有できることにも価値があります。知識だけでなく人的ネットワークを広げる機会としても活用できます。
関連書籍を読む
体系的な知識を身に付けるには、関連書籍を読むことが欠かせません。
日々の業務の中で得られる知識はどうしても断片的になりがちです。一方で書籍では、人材開発の理論やフレームワーク、実践事例を体系的に学ぶことができます。
例えば人材開発、組織開発、キャリア開発、学習理論、リーダーシップ、コーチングなどの分野から学び始めるとよいでしょう。基礎理論を理解しておくことで、研修会社から提案を受けた際や施策を検討する際の判断力も高まります。
全てを1度で理解しようとする必要はありません。実際の業務と結び付けながら少しずつ学ぶことで、人材開発担当者としての土台を築くことができます。
▼人材育成に役立つおすすめ書籍については、以下で詳しくまとめています。
⇒LDcubeが教える人材育成に役立つおすすめ書籍
自身のキャリアや成長のポイントを振り返る
人材開発を学ぶうえで意外と重要なのが、自分自身の成長体験を振り返ることです。
人はどのような経験によって成長するのかを理解するためには、自分自身のキャリアを振り返ることが最も身近な教材になります。過去の成功体験や失敗体験を整理することで、成長のきっかけや学びのプロセスが見えてきます。
例えば成長を実感したタイミングを振り返ると、研修そのものではなく、上司からのフィードバックや新しい仕事への挑戦がきっかけだったというケースも少なくありません。この気付きは、効果的な人材育成施策を考える際の重要なヒントになります。
優れた人材開発担当者は、人の成長を自分事として理解しています。まずは自身の経験を振り返り、成長のメカニズムを考えることから始めてみましょう。
初めての人材開発担当者におすすめの勉強内容
人材開発担当者として成果を出すためには、研修や教育施策の運営方法だけを学べばよいわけではありません。人材開発の目的や手段、最新トレンド、学習設計などを幅広く理解することが重要です。ここでは、初めて人材開発を担当する方が優先的に学びたい内容を紹介します。
人材開発の目的
人材開発を学ぶうえで最初に理解すべきなのは、人材開発の目的です。
人材開発の目的は研修を実施することではありません。組織や社員に期待される成果につながる行動変容を促すことです。そのため、どのような行動を増やしたいのか、どのような成果につなげたいのかを明確にする必要があります。
例えば営業成績を向上させたい場合、目標は研修の受講ではありません。顧客への提案機会を増やす、ヒアリング力を高めるなど、成果につながる行動の変化が重要です。研修はあくまでそのための手段に過ぎません。
人材開発担当者が目的を理解していれば、施策の選択や効果測定の基準も明確になります。まずは人材開発とは行動変容を支援する取り組みであることを理解することが大切です。
人材開発の手段
人材開発にはさまざまな手段があり、それぞれに特徴があります。
学習テーマや対象者、育成目的によって最適な手段は異なります。そのため、人材開発担当者にはそれぞれの特性を理解することが求められます。
例えば集合研修は参加者同士の対話や演習に適しています。オンライン研修は場所を問わず実施できるため、全国拠点への展開に向いています。eラーニングは知識習得や復習に有効であり、ロールプレイングは実践スキルの強化に効果を発揮します。
優れた人材開発担当者は特定の手段に偏りません。目的に応じて最適な学習方法を組み合わせる視点を持つことが重要です。
▼それぞれの手段を最適に組み合わせて人材育成効果を向上させる方法はこちら
⇒ブレンデッドラーニングとは?研修で「行動変容」を生み出す実践手順を解説!
人材開発のツール
近年の人材開発では、デジタルツールの活用が欠かせません。
働き方の多様化が進む中で、時間や場所にとらわれず学習できる環境づくりが求められています。その実現を支えているのがさまざまな人材開発ツールです。
例えばeラーニングは知識学習の効率化に役立ちます。学習プラットフォームは受講管理や進捗管理を支援します。さらにAIロールプレイングツールを活用すれば、営業やマネジメントの対話練習を繰り返し実施することも可能です。
また、デジタルツールに限らず、外部の研修会社が活用しているようなノウハウや教材を、自社の社内講師が活用できるといっ、「研修内製化ツール」もあります。このようなツールを活用し、社内研修の質を向上させ、効率化させることも効果的です。
全てのツールを理解する必要はありませんが、どのような課題を解決できるのかを把握しておくことで、より効果的な育成施策を設計できるようになります。
▼人材育成で活用できるツールについては、以下で詳しく解説しています。
⇒人材育成の効果を高めるためにはツールを活用しよう!ポイントを解説!
▼研修内製化ツールについては、以下をご覧ください。
⇒社内トレーナー養成支援|LDcube(エルディーキューブ)
人材開発のトレンド
人材開発を取り巻く環境は大きく変化しています。
これまでのような一律の研修提供だけでは、企業や社員のニーズに十分応えられなくなっています。そのため最新トレンドを理解することも重要です。
例えば人的資本経営では、人材への投資を経営戦略と結び付けて考えることが求められています。また、自律型人材育成では社員自身が主体的に学ぶ環境づくりが重視されています。さらにパーソナライズ学習では、一人一人の状況やスキルに応じた学習機会の提供が進んでいます。
最新トレンドを理解することで、自社の人材育成を中長期的な視点で考えられるようになります。
人材開発のモデル・フレームワーク
体系的に人材開発を理解するためには、代表的なモデルやフレームワークを学ぶことが有効です。
フレームワークは複雑な人材育成を整理して考えるための道具になります。経験だけに頼らず施策を設計できるようになるため、初心者ほど学ぶ価値があります。
例えば70-20-10の法則では、人の成長の多くは実務経験や他者との関わりから生まれると考えます。またカッツモデルでは、階層ごとに求められるスキルの違いを理解できます。
フレームワークを学ぶことで、施策を論理的に説明しやすくなり、上司や経営層とのコミュニケーションにも役立ちます。
▼人材育成のフレームワークについては、以下で詳しく解説しています。
⇒人材育成のフレームワーク7選!実践の重要ポイントや事例を解説!
現場実践・成果につなげる学習設計
成果につながる人材開発を実現するには、学習設計の考え方を学ぶ必要があります。
多くの施策が期待した成果を生み出せない理由は、学習内容が現場の実践につながっていないからです。研修だけで終わらせず、業務との接続まで設計することが重要です。
例えば研修前に上司と目標設定を行う、研修後に実践課題へ取り組む、数カ月にわたってシリーズ形式で学習を継続するなどの方法があります。また、学習プラットフォームや学習管理システム(LMS)を活用したフォローも有効です。
人材開発担当者は学びの場をつくるだけではなく、成果が生まれる仕組みを設計する視点を身に付ける必要があります。
人事評価制度と人材開発とのつながり
人材開発を学ぶ際には、人事評価制度との関係も理解しておく必要があります。
社員の行動や成長は評価制度の影響を大きく受けます。どれだけ学習機会を提供しても、評価につながらなければ学習意欲が高まりにくい場合があります。
例えば管理職に部下育成を求めるのであれば、評価項目に育成行動を組み込むことが効果的です。また、求める人材像やコンピテンシーと育成施策が連動していることも重要です。
人材開発と人事評価を別々に考えるのではなく、一体的な仕組みとして理解することで、より効果的な施策設計が可能になります。
現状の社内教育の体系
自社の教育体系を理解することも重要な学習テーマです。
人材開発担当者は新しい施策ばかりに目を向けがちですが、まずは現在の仕組みを把握する必要があります。既存施策を理解せずに改善はできません。
例えば階層別研修や選抜研修、専門スキル教育、eラーニングなどがどのように配置されているのかを確認します。また、どの施策が成果を上げており、どこに課題があるのかも分析するとよいでしょう。
現状を理解することで、自社に本当に必要な改善ポイントが見えやすくなります。
社内講師としてのノウハウ
人材開発担当者には、自ら講師として登壇する機会もあります。
そのため研修運営やファシリテーション、受講者との関わり方についても学んでおくことが重要です。優れた教材があっても、講師の進め方によって学習効果は大きく変わります。
例えば質問を投げ掛けるタイミング、受講者同士の対話の促進方法、発言しやすい雰囲気づくりなどは講師スキルの重要な要素です。また、オンライン研修では対面とは異なる進行技術も求められます。
講師としてのノウハウを習得することで、より学習効果の高い研修を提供できるようになります。そして受講者の行動変容を支援する力も高められるでしょう。
▼初めて社内講師を務める方は、ぜひ以下の資料もダウンロードしてください。
初めての人材開発担当者がつまずきやすいポイント
人材開発の仕事は、研修を企画して実施すれば終わりではありません。組織課題を把握し、育成施策を設計し、行動変容や成果につなげるまで幅広い役割を担います。ここでは、多くの人材開発担当者が陥りやすいポイントと、その背景について解説します。
研修を実施すること自体が目的になってしまう
人材開発担当者が最も陥りやすい失敗は、研修の実施そのものが目的になってしまうことです。
人材開発部門では、研修の企画や運営に多くの時間を費やします。そのため、無事に研修を開催できると達成感を得やすくなります。しかし、社員が参加しただけでは人材育成の成果とはいえません。
例えば受講満足度が高かったとしても、職場で行動が変わらなければ業績や成果への影響は限定的です。本来確認すべきなのは、研修後にどのような実践が増えたのか、組織課題の解決につながったのかという点です。
常に組織成果や行動変容をゴールに置くことで、人材開発の本来の目的を見失わずに済むでしょう。
現場の課題や経営課題を十分に把握できていない
育成施策が期待した成果につながらない原因の1つに、課題の理解不足があります。
人材開発担当者が現場と十分に接点を持っていない場合、本当に解決すべき課題を把握できないことがあります。その結果、現場が求めていない研修を企画してしまうケースも少なくありません。
例えば営業成績の低下という課題があった場合、問題は営業スキルではなく商品力や営業プロセスにあるかもしれません。その状況で営業研修を実施しても大きな改善は期待できません。
育成施策を検討する前に、経営方針や事業課題、現場の実態をしっかり把握することが重要です。
社員ごとの成長段階に合わせた施策設計ができていない
効果的な人材開発には、社員一人一人の状況に合わせた学習設計が必要です。
しかし、経験の浅い人材開発担当者は、同じ階層の社員に対して一律の育成施策を実施してしまうことがあります。実際には、同じ若手社員でも経験してきた業務や得意分野、現在の課題、将来目指すキャリアによって必要な学びは異なります。
社員を階層や年次でひとくくりにするのではなく、それぞれの強みや課題、期待される役割に目を向けることが重要です。
一律の研修だけでなく、選択型学習や実践課題なども組み合わせながら、多様な成長を支援できる施策を設計することが人材開発成功のポイントになります。
研修後の実践や定着まで支援できていない
研修後のフォロー不足もよく見られる課題です。
人は1度学んだだけではなかなか行動を変えられません。学習内容を職場で実践し、繰り返し活用することで初めて定着します。
例えば研修直後は理解していても、数週間後には内容を忘れてしまうことがあります。そのため実践課題や振り返り面談、上司からのフィードバックなどを組み合わせることが重要です。
人材開発担当者は研修当日だけではなく、その後の実践支援まで含めて施策を設計する必要があります。
効果測定の方法が分からない
人材開発担当者にとって効果測定は大きな悩みの1つです。
研修の成果は売上のように直接数値化しにくいため、何を測定すればよいのか分からなくなることがあります。その結果、アンケート満足度のみで評価してしまうケースも見られます。
例えば知識テストによる理解度確認や、行動変化アンケート、上司評価、業績指標の変化など、複数の観点で効果を確認することが重要です。
効果測定の考え方を学び、施策設計段階から評価方法を決めておくことで、より成果につながる人材開発が実現できます。
▼研修の効果測定については、以下で詳しく解説しています。
⇒研修の効果測定を行い、成果につなげる方法とは?ツール活用法も解説!
上司や現場を巻き込めない
人材開発担当者だけで社員の成長を支援することには限界があります。
実際に社員が多くの時間を過ごすのは研修会場ではなく職場です。そのため上司や現場の協力なしに学習内容を定着させることは困難です。
例えば研修で学んだ内容について上司が振り返りを実施したり、実践機会を提供したりすると学習効果は高まります。一方で現場が無関心な場合、受講者も学びを活用しにくくなります。
育成施策を企画する際は、現場をどう巻き込むかまで考えることが重要です。
他社事例をそのまま導入してしまう
成功事例を参考にすることは大切ですが、そのまま導入することには注意が必要です。
企業ごとに文化や事業環境、人材構成は異なります。そのため他社で成功した施策が自社でも成功するとは限りません。
例えば大企業で機能している選抜研修制度が、中小企業では現場負荷の増加につながる場合もあります。また、他社では有効だった学習ツールが自社の社員には受け入れられないこともあります。
事例を参考にしながらも、自社の課題や環境に合わせて最適化することが大切です。
短期的な成果を求めすぎてしまう
人材開発は短期間で結果が出るものではありません。
研修を実施した直後に業績向上や大きな行動変化を期待すると、施策を正しく評価できなくなります。人の成長には一定の時間が必要です。
例えば管理職育成では、研修後に実践と振り返りを繰り返しながら少しずつマネジメント力が向上していきます。そのため数カ月から数年単位で成果を捉える視点が求められます。
短期成果と中長期成果を分けて考えることで、人材開発施策を適切に評価できるようになります。
自分1人で抱え込んでしまう
人材開発担当者は孤独になりやすい職種です。
特に初めて担当になった場合、相談相手が少なく、自分だけで課題を解決しようとしてしまうことがあります。しかし人材開発には正解が1つではなく、多様な視点が必要です。
例えば上司や現場管理職、他社の人材開発担当者、外部の人材育成支援会社などから意見を得ることで、新しい発想や改善案が見つかることがあります。
1人で悩み続けるのではなく、積極的に周囲の知見を活用することが成長への近道です。
効果を感じられない人材育成施策を継続する
成果の出ない施策を惰性的に続けてしまうことも大きな課題です。
長年実施している研修ほど見直しが難しくなりがちですが、組織や事業環境は常に変化しています。かつて効果があった施策が現在も有効とは限りません。
例えば毎年実施している集合研修でも、受講者のニーズや現場課題が変化している可能性があります。その場合、内容や形式の見直しが必要になります。
人材開発担当者には、施策を継続することではなく成果を生み出すことが求められます。定期的な検証と改善を繰り返しながら、より効果的な育成施策へ進化させていくことが重要です。
コラム:60%の組織が人材育成の効果を感じられていない!? 弊社が実施した調査によると、4年連続で60%以上の組織が人材育成の効果を感じられていないことが分かりました。 効果が感じられないのであれば、やり方を変えるなどしてPDCAを回していけばよいわけですが、実態は効果を感じられないまま続けている組織が多いということです。人財育成の効果について「問題不感症」になってしまっていることが懸念されます。 人財育成の効果を上げるためには、人財育成施策による期待する成果と、その成果につながるための期待する行動変容を促すことが重要です。その行動変容の度合いをモニタリングすることで、職場実践の促進と効果向上につなげることなどがポイントです。 ▼調査結果詳細はこちら |
初めての人材開発担当者が頼るべき相談相手
人材開発には明確な正解があるわけではありません。そのため、経験の浅い担当者ほど周囲の知見を活用することが重要です。ただし、相談相手ごとに得意な領域や視点は異なります。
それぞれのメリットとデメリットを理解しながら、複数の相談先を持つことが人材開発担当者として成長する近道です。
上司や人事部門の先輩担当者
最初に相談すべき相手は、上司や人事部門の先輩担当者です。
社内の育成方針や過去の施策について最も詳しく、自社特有の事情を踏まえたアドバイスを受けられるからです。また、これまでの成功事例や失敗事例を知っているため、同じ失敗を避けやすくなります。
例えば新しい研修を企画する際も、過去に類似施策が行われていた場合があります。その背景や成果を事前に確認できれば、より現実的な企画を立案できます。
一方で、自社の考え方や過去のやり方に視点が偏る場合もあります。社内の知見を学びながらも、外部の情報も取り入れることが重要です。
現場の管理職・マネージャー
人材開発担当者にとって、現場の管理職は非常に重要な相談相手です。
管理職は社員の現状や課題を最も近くで見ている存在です。そのため、育成施策を検討する際に現場目線の意見を得ることができます。
例えば営業研修を企画する場合でも、管理職に話を聞くことで、本当に必要なのは提案力向上なのか、それとも商談数の増加なのかが見えてくることがあります。
ただし、担当する部署や個人の経験によって意見が異なることもあります。1人の管理職の意見だけで判断せず、複数の現場の声を集めることが大切です。
他部署の人材開発担当者
社内の他部署に人材育成を担当している人がいる場合は、積極的に情報交換することをおすすめします。
同じ会社の中でも、部門によって育成施策や課題は異なります。そのため、自部署では思い付かなかったアイデアや工夫を学べることがあります。
例えば営業部門の育成施策で活用している手法が、管理部門や技術部門の教育にも応用できることがあります。また、関係構築によって社内の協力体制もつくりやすくなります。
一方で、部門によって求められる人材像や成果指標は異なります。他部署の事例を参考にしながらも、自部署に合う形へ調整することが必要です。
人材開発担当者のコミュニティー参加者
社外の人材開発担当者も有力な相談相手になります。
多くの企業の担当者と交流することで、自社だけでは得られない知見や事例を吸収できるからです。特に人材開発の悩みは共通する部分も多く、実践的な情報交換ができます。
例えば研修の効果測定方法や管理職育成の進め方、学習プラットフォームの活用方法などについて、実際の運用事例を聞くことができます。
ただし、企業規模や業種、組織文化が異なるため、そのまま導入できるとは限りません。あくまで参考情報として活用し、自社に適した形へ落とし込むことが重要です。
外部研修会社の営業パーソン
外部研修会社の営業パーソンも、人材開発担当者にとって心強い相談相手です。
多くの企業支援を経験しているため、人材育成の最新事例や市場動向を把握しています。また、課題整理や施策の方向性について相談できることも少なくありません。
例えば管理職育成や新入社員育成について相談すれば、他社事例や一般的な成功パターンを教えてもらえる場合があります。自社だけでは得られない視点を得られる点が大きなメリットです。
一方で、自社サービスの提案が前提となるため、提案内容に偏りが生じる可能性もあります。
また、内製での研修実施を前提とした場合には、同様の理由で良い相談相手にはなりません。
外部研修会社への発注を前提としない場合には、相談内容や相談の仕方は工夫する必要があります。
eラーニングなどツール提供会社の営業パーソン
学習ツールの提供会社も有益な情報源になります。
近年はeラーニングや学習プラットフォーム、AIを活用した学習ツールなどが急速に進化しており、人材開発担当者だけで最新情報を追い続けるのは簡単ではありません。その点、提供会社は最新機能や活用事例を熟知しています。
例えば学習データの分析方法や受講率向上の工夫、他社の運用事例などを教えてもらえることがあります。デジタル活用の知見を得るうえで非常に有効な相談相手です。
ただし、ツールの導入が課題解決の目的にならないよう注意が必要です。ツール提供会社は、そのツールの機能や活用法については熟知していますが、人材開発の本来の目的である「現場実践」や「成果につながる行動変容」を見据えた人材育成に関するノウハウを十分に持っているとは限りません。
重要なのはツールそのものではなく、人材育成の成果です。ツール導入ありきで考えるのではなく、自社の課題解決につながるかという視点で判断することが大切です。
LDcubeは人材開発担当者の相談相手になります
初めて人材開発を担当すると、研修会社に相談すべきか、ツール会社に相談すべきか迷うことがあります。しかし、本当に必要なのは研修やツールそのものではなく、組織成果につながる人材育成の実現です。LDcubeは、研修やツールを提供するだけではなく、人材育成全体をデザインするパートナーとして、人材開発担当者を支援しています。
多くの研修会社は研修の提供が中心です。そのため、外部講師への依頼を前提とせず、内製での研修や人材育成を検討している場合、親身になって相談に乗ってくれない場合が多くあります。
また、eラーニングや学習プラットフォームなどのツール提供会社は、ツール導入や活用支援が主な役割になります。そのため、ツール活用の相談はできても育成体系全体の相談は難しかったりすることがあります。
一方、LDcubeは成果につながる人材育成をデザインする会社です。集合研修やオンライン研修などの学習機会の提供はもちろん、eラーニングやAIロールプレイングなどのデジタルツールの提供、人材育成の内製化支援や社内講師育成まで幅広く対応しています。
例えば、若手社員育成を強化したい場合でも、単に研修を提案するのではありません。現場での実践を促す仕組みや上司の巻き込み方、デジタルツールを活用した継続学習の方法、さらには将来的な内製化まで含めて検討できます。人材開発担当者が抱える課題に対して、手段ありきではなく成果ありきで支援できることが特長です。
また、LDcubeは60年以上にわたり組織開発・人材開発を支援してきたビジネスコンサルタント集団を親会社に持ち、その知見やノウハウを引き継いでいます。そのため、eラーニングや学習プラットフォームなどのDXツールを提供するだけではなく、現場での行動変容につなげる人材育成設計や、効果測定を見据えた取り組みを設計することができます。
初めて人材開発を担当する方の中には、何から手を付ければよいか分からないという方も少なくありません。育成体系の見直し、研修企画、ツール選定、効果測定、社内講師育成など、テーマごとに相談先を探すのは大きな負担になります。
だからこそ、人材育成に関する悩みをトータルで相談できるパートナーを持つことが重要です。LDcubeは、成果につながる人材育成をともに考えるパートナーとして、人材開発担当者の挑戦を支援しています。初めて人材開発を担当する方も、より効果的な育成施策を目指している方も、まずは気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
人材開発担当者にとって、学び続けることは単なる知識習得ではありません。組織の成長と社員一人一人の成長を支え、成果につながる育成施策を実現するために欠かせない取り組みです。特に初めて人材開発を担当する場合は、研修運営だけでなく、組織課題の把握や学習設計、効果測定など幅広い視点が求められるため、体系的に学ぶことが重要になります。
本記事では、人材開発の勉強が必要な理由をはじめ、社内外の研修オブザーブや公開研修への参加、関連書籍の活用など、実践的な勉強法について紹介しました。また、人材開発の目的や手段、ツール、トレンド、フレームワークなど、優先的に学びたいテーマについても解説しました。
一方で、人材開発の仕事には「研修実施が目的化する」「現場課題を十分に把握できない」「効果測定の方法が分からない」など、多くの担当者がつまずきやすいポイントがあります。こうした課題を乗り越えるためには、知識を増やすだけでなく、現場との対話を重ねながら実践と改善を繰り返していくことが欠かせません。
そして何より大切なのは、1人で抱え込まないことです。上司や現場の管理職、社外コミュニティー、専門パートナーなど、さまざまな人の知見を活用することで、より良い人材育成施策を実現できるようになります。
LDcubeは、組織成果につながる人材育成施策の設計・実行を支援しています。eラーニングや学習プラットフォームといったDXツールはもちろん、AIを活用した最新の人材育成ソリューションも提供しています。
また、ツールの提供にとどまらず、長年にわたる人材開発支援で培った知見とノウハウを生かし、お客さまの課題や目的に合わせた最適な研修設計を行います。
LDcubeは、単に外部講師を派遣する研修会社でも、ツールを販売するだけのベンダーでもありません。お客さまの人材育成を内側から支え、継続的な成果創出につなげるパートナーとして、最適な育成の仕組みづくりをご支援します。
人材育成に関するお悩みや課題がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
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