部下とのコミュニケーションが見違える方法とは?上司が成果を引き出すポイントを解説

「部下の話を聞いているつもりなのに、なかなか心を開いてくれない...」  
「指示は出しているのに、期待通りの成果が出ない...」

部下とのコミュニケーションに、こんな悩みをお持ちではありませんか?

実は、上司のコミュニケーションの取り方1つで、部下の思考や行動は大きく変化します。適切なアプローチを身に付ければ、部下のやる気は着実に高まり、チーム全体の成果も向上していくのです。

本記事では、部下との信頼関係を築き、成果を最大化するためのコミュニケーション術をご紹介します。1on1ミーティングの効果的な進め方から、モチベーションの上げ方まで、明日から使える具体的なテクニックが満載です。

これから解説する方法を実践すれば、必ず部下との関係は良好になり、チームの生産性は向上します。ぜひ最後までお読みください。

▼部下についてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。

▼コミュニケーションについてはテーマに合わせて下記で解説しています。 

▼コミュニケーションのベースは「自己理解」です。下記にまとめています。

自己理解バナー

目次[非表示]

  1. 1.コミュニケーションをとる部下も人間であるという大前提
    1. 1.1.自分のコミュニケーション上の特徴を知る(自己理解)
    2. 1.2.部下のコミュニケーション上の特徴を知る(他者理解)
    3. 1.3.相手(部下)に合わせた効果的なコミュニケーションを行う
  2. 2.コミュニケーションで部下の成果を最大化できる理由
  3. 3.​​​​​​​コミュニケーションがうまくいかない部下への対応で陥りやすい失敗
  4. 4.​​​​​​コミュニケーションで部下と築く、理想的な関係の特徴
  5. 5.コミュニケーションで部下の成長を促す3ステップ
    1. 5.1.STEP1.相手の立場に立って考える
    2. 5.2.STEP2.話を最後まで聞く姿勢を見せる
    3. 5.3.STEP3.部下の意見や提案を積極的に取り入れる
  6. 6.コミュニケーションを改善して部下の力を引き出すテクニック
  7. 7.コミュニケーションを妨げる、部下への接し方と改善法
  8. 8.コミュニケーションで困る部下の、具体的なケースと解決策
    1. 8.1.成果が出ない部下:信頼関係を築く段階的アプローチ
    2. 8.2.モチベーションが低い部下:対話を通じた意欲向上術
    3. 8.3.ミスを繰り返す部下:原因分析と具体的な改善方法
  9. 9.コミュニケーションの改善で部下が変わる!具体的な効果
  10. 10.部下とのコミュニケーションの改善ならコミュニケーション研修がおすすめ!
  11. 11.部下とのコミュニケーションにLIFOを活用した支援事例
  12. 12.まとめ:コミュニケーションを変えれば部下は変わる

コミュニケーションをとる部下も人間であるという大前提

部下とコミュニケーションを取っているシーン

職場での部下とのコミュニケーションを考える際、まず認識しておくべき重要な前提があります。それは「部下も1人の人間である」という、当たり前でありながら時として見落としがちな視点です。

この認識は、効果的なコミュニケーションを実現する上で極めて重要な基盤となります。

自分のコミュニケーション上の特徴を知る(自己理解)

効果的な部下とのコミュニケーションを実現するためには、まず自分自身のコミュニケーションスタイルを理解することが不可欠です。管理職である私たちには、往々にして気付いていない独自のクセや特徴があります。

日常的な部下との対話の頻度や深さ、指示の出し方における具体性と抽象性のバランス、フィードバックの際の建設的な姿勢など、自己のコミュニケーションパターンを客観的に見つめ直すことが重要です。

特に、自分の言動が部下にどのような影響を与えているかを意識的に観察し、必要に応じて修正を加えていく姿勢が求められます。このような自己観察と改善の繰り返しが、より良いコミュニケーションの基盤となっていきます。

部下のコミュニケーション上の特徴を知る(他者理解)

部下一人一人には異なるコミュニケーションの特徴があります。

効果的なコミュニケーションを実現するためには、以下のような観点での理解が重要です。

  • 情報処理の傾向:詳細重視型か大局把握型か
  • フィードバックの受容スタイル:直接的な指摘を好むか段階的なアプローチを好むか
  • コミュニケーション頻度の好み:密な対話を好むか適度な距離感を好むか
  • 指示の受け取り方:具体的な指示を求めるか、裁量の余地を好むか

相手(部下)に合わせた効果的なコミュニケーションを行う

自己理解と他者理解を踏まえた上で、部下一人一人の特性に合わせたコミュニケーション方法を選択することが重要です。画一的なアプローチではなく、個々の部下の特徴に応じて柔軟にコミュニケーションスタイルを調整することで、より効果的な対話が可能となります。

重要なのは、部下の行動特性に応じて伝え方や指示の出し方を調整し、相手の理解度や経験レベルに合わせて説明の詳細さを変えることです。例えば、経験が浅い部下には具体的な手順とともに目的を説明し、熟練した部下には目的と期待される成果を中心に伝えるといった具合です。

このように、相手の特性に応じてコミュニケーション方法を柔軟に変化させることで、より効果的な対話が実現できます。部下一人一人を独立した人格を持つ個人として認識し、その特性を理解した上でコミュニケーションを図ることが、管理職として成功する重要な第一歩となります。

コミュニケーションで部下の成果を最大化できる理由

最大化していくイメージ

部下との適切なコミュニケーションは、チームの成果を最大化するための重要な鍵となります。なぜコミュニケーションがこれほどまで成果に影響を与えるのか、その本質的な理由について深く理解することで、より効果的な部下育成が可能となります。

部下の成長とモチベーションに直結する

適切なコミュニケーションは、部下の成長意欲とモチベーション維持に大きな影響を与えます。上司からの建設的なフィードバックや、成長機会の提供に関する対話は、部下の学習意欲を刺激し、自己成長への強い動機付けとなります。

特に重要なのは、日常的なコミュニケーションを通じて部下の潜在能力や興味関心を把握し、適切な成長機会を提供することです。これにより、部下は自身の成長を実感しながら、より高い目標に向かって挑戦する意欲を持続させることができます。

また、上司との信頼関係に基づいた対話は、失敗を恐れずにチャレンジする心理的安全性も生み出します。

職場の雰囲気づくりの基盤となる

コミュニケーションの質は、職場の雰囲気や組織文化の形成に直接的な影響を与えます。

良好なコミュニケーションが行われている職場では、以下のような好循環が生まれます。

  • オープンな意見交換が促進される 
  • 相互理解と信頼関係が深まる 
  • 問題解決が迅速化する 
  • チーム全体の協力体制が強化される 
  • 心理的安全性が高まる

円滑なコミュニケーションがチームの生産性を高める

効果的なコミュニケーションは、チーム全体の生産性向上にも直結します。明確な目標共有や期待値の伝達、進捗状況の確認など、業務遂行に必要な情報交換がスムーズに行われることで、チーム全体の効率が大きく向上します。

また、部下一人一人が自身の役割や責任を明確に理解し、主体的に行動することで、より高い成果を生み出すことが可能となります。さらに、問題が発生した際にも、オープンなコミュニケーションが確立されていれば、早期発見・早期解決が可能となり、深刻な事態を未然に防ぐことができます。

このように、円滑なコミュニケーションは、チームの生産性と問題解決能力を同時に高める効果があるのです。

▼心理的安全性については下記で詳しく解説しています。 
心理的安全性を高めるコミュニケーションのあり方とは?本質と具体策について解説!

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​​​​​​​コミュニケーションがうまくいかない部下への対応で陥りやすい失敗

コミュニケーションシーン

部下とのコミュニケーションにおいて、管理職が無意識のうちに陥ってしまう失敗パターンがあります。これらの失敗を認識し、改善することが、より良い部下との関係構築につながります。

ここでは、特に注意すべき代表的な失敗パターンとその影響について解説します。

一方的な指示や命令が習慣化している

多くの管理職が陥りやすい最も典型的な失敗が、一方的な指示や命令の習慣化です。業務の効率性を重視するあまり、「指示を出して終わり」という一方通行のコミュニケーションに終始してしまうケースが少なくありません。

このような一方的なコミュニケーションは、表面的には業務が円滑に進んでいるように見えても、実際には部下の主体性や創造性を著しく損なう結果となります。

さらに、部下が持つ有益な意見や提案を聞く機会を失うことで、業務改善の機会も逃してしまいます。

部下の話を十分に聞けていない

管理職の多くは、日々の業務に追われ、部下の話に十分な時間を割けていないと感じています。

しかし、以下のような傾聴の欠如は、深刻な問題を引き起こす可能性があります。

  • 部下の発言を途中で遮る、または結論を急がせる 
  • 話を聞きながら別の作業を続ける 
  • 相手の意見に対して即座に判断や評価を下す 
  • 表面的な言葉だけを捉えて、真意を理解しようとしない 
  • 非言語コミュニケーションのサインを見逃す

感情的なコミュニケーションになりがち

業務上のプレッシャーやストレスにより、感情的なコミュニケーションになってしまうことも重大な失敗の1つです。

特にミスや納期遅延などの問題が発生した際に、冷静さを失い感情的な叱責や非難に走ってしまうケースが見られます。

このような感情的なコミュニケーションは部下との信頼関係を損なうだけでなく、職場の雰囲気も悪化させます。

また、部下が萎縮してしまい、重要な報告や相談を躊躇するようになる可能性もあります。結果として、より深刻な問題を見逃すリスクが高まってしまうのです。

▼心理的安全性の低い上司については下記で詳しく解説しています。 
心理的安全性が低い上司との関係改善の方法16のヒント| 特徴や原因から解説!

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​​​​​​コミュニケーションで部下と築く、理想的な関係の特徴

コミュニケーションシーン

部下との間に構築すべき理想的な関係性には、いくつかの重要な特徴があります。

これらの特徴を理解し、意識的に実践することで、より生産的で信頼関係に基づいたチーム運営が可能となります。

双方向の対話が成立している

理想的な上司と部下の関係において最も重要な特徴は、双方向の対話が自然に成立していることです。単なる指示の伝達や報告の受け取りだけでなく、お互いの考えや意見を自由に交換できる関係性が確立されています。

このような双方向のコミュニケーションが実現されると、部下は自身の意見や提案を積極的に発信するようになり、業務改善や問題解決にも主体的に取り組むようになります。

また、日常的な対話を通じて、お互いの考え方や価値観についての理解も深まり、より強固な信頼関係の構築につながります。

目的と期待が明確に共有されている

理想的な関係性では、以下のような要素が明確に共有され、十分に理解されています。

  • 組織としての目標と個人の役割 
  • 期待される成果とその評価基準 
  • 成長に向けた期待と支援の方針 
  • チームとしての価値観や行動規範 
  • 短期・中期的なキャリアビジョン

感情の機微に配慮がある

理想的な関係性では、お互いの感情の機微にも十分な配慮がなされています。これは単に「優しく接する」ということではなく、相手の心理状態を理解し、適切に対応する能力を指します。

例えば、部下が困難な課題に直面している際には、適切なタイミングで励ましや支援を提供し、成功体験を積み重ねられるよう導きます。また、個人的な事情や体調面での変化にも気を配り、必要に応じて柔軟な対応を行います。

このような感情面での配慮が、部下の安心感とモチベーションを支える重要な要素となっているのです。

コミュニケーションで部下の成長を促す3ステップ

ステップのイメージ画像

部下の成長を効果的に促進するためには、系統立てたコミュニケーションアプローチが重要です。ここでは、部下の成長を支援するための具体的な3つのステップについて解説します。

これらのステップを意識的に実践することで、部下の持続的な成長を実現することができます。

STEP1.相手の立場に立って考える

部下の成長支援の第一歩は、相手の立場に立って物事を考えることから始まります。これは単なる思いやりだけでなく、部下の現在の状況、課題、そして可能性を正確に理解するための重要なプロセスです。

部下の経験レベル、得意・不得意分野、現在直面している課題、そして将来のキャリアビジョンなどを、相手の視点から深く理解することが重要です。

この理解に基づいて、適切な難易度の課題設定や、効果的なフィードバック方法を選択することができます。

STEP2.話を最後まで聞く姿勢を見せる

成長のためには、以下のような傾聴の要素を意識的に実践することが重要です。

  • 相手の発言を遮らず、最後まで聞く 
  • 非言語コミュニケーションにも注意を払う 
  • 共感的な理解を示す 
  • 適切なタイミングで確認の質問をする 
  • 即断即決を避け、熟考の姿勢を見せる

STEP3.部下の意見や提案を積極的に取り入れる

最後のステップとして、部下の意見や提案を積極的に取り入れ、実行に移す機会をつくることが重要です。

これは単に部下の提案を採用するということではなく、その提案をより良いものに発展させていくプロセスを共に歩むということです。たとえ完璧ではない提案であっても、その中の良い点を見いだし、それを基に対話を重ねながら改善していく姿勢を示します。

このプロセスを通じて、部下は自身の考えが尊重され、かつ建設的な対話を通じてより良いアイデアに発展させていく経験を積むことができます。これは、部下の問題解決能力と創造性を育む重要な機会となります。
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コミュニケーションを改善して部下の力を引き出すテクニック

雑談しているイメージ画像

部下の潜在能力を最大限に引き出すためには、効果的なコミュニケーションテクニックの実践が不可欠です。ここでは、即座に実践可能な具体的なテクニックについて解説します。

これらのテクニックを日常的に活用することで、部下との関係性を改善し、より高い成果を導き出すことができます。

1on1ミーティングを定期的に実施する

1on1ミーティングは、部下との信頼関係を構築し、継続的な成長を支援するための重要なコミュニケーションの機会です。効果的な1on1ミーティングでは、業務上の課題だけでなく、キャリアビジョンや個人的な悩みについても話し合える環境を整えることが重要です。

実施にあたっては、月次や隔週など定期的な時間を確保し、その時間は部下のために確実に確保するという姿勢を示します。

また、オープンな対話を促進するため、会議室などプライバシーが確保できる場所を選択することも大切です。

具体的な期待値を明確に伝える

部下の成長と成果を最大化するためには、以下のような要素について具体的な期待値を明確に伝えることが重要です。

  • 短期・中期の目標設定とその達成基準 
  • 求められる行動や姿勢の具体例 
  • 成長に向けたマイルストーン 
  • 評価のポイントと基準 
  • チーム内での役割と責任

小さな成功も見逃さず承認する

部下の成長過程における小さな進歩や成功を見逃さず、適切なタイミングで承認することは、モチベーション維持と自信構築に重要な役割を果たします。

日々の業務の中で、部下が示す前向きな姿勢や改善の兆しを積極的に認識し、具体的な言葉で承認を伝えていきます。

建設的なフィードバックを心がける

建設的なフィードバックは、部下の成長を促進する重要なツールです。

課題や改善点を指摘する際も、否定的な表現を避け、今後の成長に向けた建設的な提案を含めることで、部下の学習意欲と改善への意欲を高めることができます。

また、フィードバックの際は、具体的な事実に基づいて話し合い、改善に向けた具体的なアクションプランを共に考えることで、より効果的な成長支援が可能となります。

コミュニケーションを妨げる、部下への接し方と改善法

職場でのコミュニケーションシーン

効果的なコミュニケーションを阻害する要因の多くは、実は管理職側の接し方に起因しています。ここでは、特に注意すべき接し方とその具体的な改善方法について解説します。

これらの点を意識的に改善することで、部下とのコミュニケーションの質を大きく向上させることができます。

感情的な叱責をしない

感情的な叱責は、部下との信頼関係を著しく損なう最も深刻なコミュニケーション阻害要因の1つです。たとえミスや失敗があった場合でも、感情的な反応は避け、冷静な対話を心がける必要があります。

感情的になりそうな場合は、一度深呼吸をして気持ちを落ち着かせ、「なぜそのような結果になったのか」「どうすれば改善できるか」という建設的な視点で対話を進めることが重要です。

また、叱責が必要な場合でも、個室での1対1の対話を選択し、人格を否定するような言葉は決して使わないようにします。

一方的な指示を控える

管理職の多くが陥りやすい問題として、以下のような一方的な指示パターンがあります。

  • 部下の意見を聞かずに結論を押し付ける 
  • 背景説明なしに指示を出す 
  • 質問や確認の機会を与えない 
  • 部下の裁量の余地を認めない 
  • 実行可能性の確認を怠る

曖昧な表現を避ける

コミュニケーションにおいて、曖昧な表現は誤解や混乱の原因となります。上司が「ファジー(曖昧)」だと部下が「ビジー(忙しい)」になると言われています。明確な表現を心がけましょう。

特に業務指示や期待値の伝達において、明確さは極めて重要です。「できるだけ早く」「なるべく良いものを」といった抽象的な表現は避け、具体的な期限や品質基準を明示することが重要です。 

また、部下からの質問や確認に対しても、明確な回答を心がけます。「まあ、なんとかなるでしょう」「その辺は臨機応変に」といった曖昧な返答は避け、具体的なガイドラインや判断基準を示すようにします。

このような明確なコミュニケーションが、部下の業務効率と成果の質を高めることにつながります。

コミュニケーションで困る部下の、具体的なケースと解決策

コミュニケーションデフォルメ画像

管理職として直面する可能性の高い、部下とのコミュニケーションの課題について、具体的なケースとその解決策を解説します。

これらの事例と対応策を参考に、自身の部下マネジメントに生かすことができます。

成果が出ない部下:信頼関係を築く段階的アプローチ

成果が出ない部下への対応で最も重要なのは、まず現状を正確に把握することです。一方的な叱責や過度なプレッシャーは、状況をさらに悪化させる可能性があります。

まずは、以下のようなステップで信頼関係の構築から始めます。

  • 現状把握:
    業務の進め方、スキルレベル、モチベーションの状態を確認 
  • 原因特定:
    なぜ成果が出ないのか、本人の認識と実態の両面から分析 
  • 改善計画:
    具体的な目標設定と、達成に向けて実行可能な計画の立案 
  • 定期的なフォロー:
    進捗確認と必要なサポートの提供

モチベーションが低い部下:対話を通じた意欲向上術

モチベーションの低下には、必ず何らかの理由があります。その原因を特定し、適切な対応をとることが重要です。上司主導で一方的に励ましたり、叱咤激励したりするのではなく、部下との対話を通じて本質的な解決を目指します

まずは、現在の仕事に対する考えや感じている課題について、じっくりと話を聞きます。その上で、本人の興味・関心や将来のキャリアビジョンを踏まえた業務アサインメントの調整や、新たな挑戦の機会の提供を検討します。

ミスを繰り返す部下:原因分析と具体的な改善方法

ミスを繰り返す部下への対応では、表面的な指摘や叱責ではなく、根本的な原因の特定と改善が重要です。ミスの原因は、業務プロセスの理解不足、時間管理の問題、コミュニケーション不足など、さまざまな要因が考えられます。

まずは、発生しているミスのパターンを分析し、その背景にある要因を特定します。その上で、チェックリストの活用や業務フローの見直し、必要なトレーニングの提供など、具体的な改善策を実施します。

また、改善の進捗を定期的に確認し、必要に応じて支援方法を調整することも重要です。

▼仕事を依頼してもすぐに「できません」という部下への対処法については下記で詳しく解説しています。 
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コミュニケーションの改善で部下が変わる!具体的な効果

職場シーン

コミュニケーションの改善に取り組むことで、部下の行動や意識に大きな変化が生まれ、それが組織全体のパフォーマンス向上につながります。

ここでは、コミュニケーション改善によってもたらされる具体的な効果について解説します。

チーム全体の生産性が向上する

コミュニケーションの改善は、チーム全体の生産性向上に直接的な影響をもたらします。情報共有がスムーズになり、業務の重複や手戻りが減少することで、効率的な業務遂行が可能となります。

特に注目すべき点として、メンバー間の相互理解が深まることで、自発的な協力体制が生まれ、個々の強みを生かした業務分担が実現します。

また、問題発生時の早期発見・対応が可能となり、プロジェクト全体のリスク管理も向上します。

部下の主体性と創造性が引き出される

効果的なコミュニケーションを通じて、以下のような部下の意識と行動の変化が見られます。

  • 自発的な提案や改善活動の増加 
  • 問題解決に対する積極的なアプローチ 
  • チーム目標達成への当事者意識の向上 
  • 新しい挑戦への意欲的な姿勢 
  • 他メンバーとの協働意識の強化

職場の雰囲気が改善される

良好なコミュニケーションは、職場の雰囲気を大きく改善します。上司と部下、そして部下同士の信頼関係が深まり、より開放的で創造的な職場環境が形成されます。

これにより、メンバー全員が安心して意見を出し合える心理的安全性の高い環境が整い、イノベーションの創出にもつながります。 
 
また、職場の雰囲気が改善されることで、メンバーの定着率も向上し、長期的な視点での人材育成と組織力の強化が可能となります。結果として、組織全体の競争力向上にも貢献することができるのです。

部下とのコミュニケーションの改善ならコミュニケーション研修がおすすめ!

コミュニケーションイメージ画像

部下とのコミュニケーション改善のためには、コミュニケーション能力を高めることが必要です。そこで役立つのがコミュニケーション研修です。研修を通じて、自分の強みと改善点を具体的に把握し、実践的なスキルを身に付けることができます。

そこで1つの有力なツールとして「LIFO(ライフォ)」があります。

自己診断ツールLIFOとは

LIFO(Life Orientations)は、個人の行動スタイルを診断する自己診断ツールです。このツールは、自分の強みや行動パターンを理解するために役立ちます。

LIFOは4つの基本スタイルに基づいており、これらのスタイルはそれぞれ異なる行動特性や価値観を持っています。

自分がどのスタイルに属しているかを知ることで、より良いコミュニケーション方法やストレス時の行動傾向を把握することができます。

LIFOを活用したコミュニケーション研修

LIFOを活用したコミュニケーション研修では、まず参加者が自己診断を行い、自分の行動スタイルを理解します。この診断結果を基に、どのように他者と効果的にコミュニケーションをとるかを学びます。

研修では以下のような内容が含まれます。

  • 自己理解の深化:
    診断結果を基に、自分のコミュニケーションスタイルの特徴を深掘りします。どのような場面でどのように行動するのかを具体的に把握します。

  • 他者理解の促進:
    他のスタイルを持つ人との違いを理解することで、より効果的な関わり方を学びます。これにより、誤解や摩擦を減らすことが可能になります。

  • 実践的スキルの習得:
    ワークショップやロールプレイを通じて、実際のコミュニケーション場面でどのようにLIFOの知見を活用するかを練習します。

  • フィードバックと改善:
    実践後にフィードバックを受け、自分のコミュニケーションスタイルの改善点を明確にします。

LIFOを取り入れた研修に参加することで、個人のコミュニケーションスタイルを理解し、それをベースに他者との関係を改善するスキルを獲得できます。

これにより、職場や日常生活でのコミュニケーションがよりスムーズで効果的になることが期待できます。

部下とのコミュニケーションにLIFOを活用した支援事例

山梨放送様

株式会社山梨放送/放送業

導入前の課題

新型コロナウイルス感染症の流行以前は、社内イベントを通じて活発にコミュニケーションが行われていましたが、コロナ禍により社内の人間関係が希薄化し、特に若手社員の早期離職が顕著になりました。

また、放送業界の人手不足と業務の多忙さから、社員教育には力を入れられずにいました。そこで、70周年プロジェクトの一環として「シゴトバ改革」を推進することが決まり、社員が自発的に提案し実行に移すボトムアップ型のアプローチを採用しました。

出会いと導入の決め手

各局や地元企業の事例調査によって、1on1ミーティングが効果的であると分かりましたが、社員の個性を理解するまでには至りませんでした。

キャリアコンサルタントの提案で、相互理解を深めるためにLIFO診断を導入しました。LIFOはその場で診断結果を得られるため、柔軟な勤務時間を抱える社員にも受検しやすく、コミュニケーション改善のツールとして活用が決定されました。

展開ステップと取り組み

1on1ミーティングを実施前に、全社員を対象にLIFOの活用法などを盛り込んだセミナーを実施しました。管理職と一般社員に分けたセミナーで、ミーティングの目的やLIFOの活用法を学びました。

セミナーを契機に、多くの社員が参加し、テーマへの高い関心が示されました。セミナー内容を随時アーカイブとして提供し、参加できなかった社員にも情報を共有しました。

導入後の感想と成果

LIFOの活用で、上司と部下の相互理解が進み、コミュニケーションのきっかけとなりました。1on1ミーティングでは、定期的にLIFOのスコアが話題となるなど、一歩踏み込んだ対話が実現しています。

中には、得られた結果を基に改善に取り組む社員も出始めています。このツールは、管理職のガイドとなり得る可能性があり、引き続きLIFOを活用していく方針です。

取り組みにおける課題と今後の展望

「シゴトバ改革」はボトムアップ式で進行しているため、部署ごとに進捗に差があります。また、1on1ミーティングの目的が理解されず、不満のぶつけ合いになるケースもあるため、意識改革が必要です。

社内通信などでLIFOの考え方を広め、1on1以外にも日常のコミュニケーションやチームビルディングに活用することを目指しています。特に新体制時や社員異動時に効果的であり、職場の活気を向上させることを期待しています。

▼事例の詳細については下記をご覧ください。
⇒株式会社山梨放送様 LIFO導入事例

  株式会社山梨放送 1on1ミーティングで自分と向き合い、コミュニケーション活性化につなげる 「上司と部下のコミュニケーションがうまくいっていない」「チームとしてさらに成長してほしい」 このような意見をお持ちの方は多いのではないでしょうか。 また、社員のスキルアップについてのお悩みもよくお伺いします。 山梨放送様では、LIFOを活用した1on1ミーティングで自分を見つめなおし、 自身の成長とコミュニケーション活性化を促進するお取り組みをされています。 本記事では、審議室長 井上 進治様、メディアプロデュース局次長兼クロスメディア戦略部長兼ライブラリー室長 山田 歩様、 審議室副部長 三澤 真理様の3名にインタビューした内容をレポートします。 株式会社LDcube


まとめ:コミュニケーションを変えれば部下は変わる

部下とのコミュニケーションが見違える方法とは?上司が成果を引き出すポイントを解説!について紹介してきました。

  • コミュニケーションをとる部下も人間であるという大前提 
  • コミュニケーションで部下の成果を最大化できる理由 
  • コミュニケーションがうまくいかない部下への対応で陥りやすい失敗 
  • コミュニケーションで部下と築く、理想的な関係の特徴 
  • コミュニケーションで部下の成長を促す3ステップ 
  • コミュニケーションを改善して部下の力を引き出すテクニック 
  • コミュニケーションを妨げる、部下への接し方と改善法 
  • コミュニケーションで困る部下の、具体的なケースと解決策 
  • コミュニケーションの改善で部下が変わる!具体的な効果 
  • 部下とのコミュニケーションの改善ならコミュニケーション研修がおすすめ!

ここで重要なのは、コミュニケーションの改善は決して難しいものではなく、管理職である私たちの意識と行動を少し変えるだけで、大きな変化を生み出せるということです。

個々の部下の特性を理解し、適切なアプローチを選択することで、必ず良い変化は生まれます。一朝一夕には実現できないかもしれませんが、地道な取り組みを続けることで、確実に成果につながっていきます。

部下とのコミュニケーションにおいて最も大切なのは、相手を1人の人間として理解し、尊重する姿勢です。双方向の対話を心がけ、相手の意見に真摯に耳を傾けることで、信頼関係は着実に深まっていきます。日々の小さな進歩や成功にも目を向け、適切な承認を与えることで、部下はさらなる成長への意欲を高めていきます。

また、感情的な対応を避け、常に建設的な対話を心がけることも重要です。定期的な1on1ミーティングなどを通じて、部下との対話の機会を確実に確保することで、コミュニケーションの質は着実に向上していきます。

部下とのコミュニケーションは、マネジメントの要です。この記事で紹介した方法を、ぜひ明日からの実践に生かしていただければ幸いです。きっと、あなたの職場にも素晴らしい変化が訪れることでしょう。

株式会社LDcubeでは、LIFO®プログラムを活用した研修会、eラーニング、LIFO®プログラムの社内インストラクター養成など幅広くご支援をしています。無料体験会なども行っています。お気軽にご相談ください。

▼関連資料はこちらからダウンロードできます。

自己理解バナー

LIFOバナー2

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企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
企画・作成・編集:代表取締役 新井澄人
株式会社ビジネスコンサルタントで、講師派遣型の人材育成支援から始まり、社内トレーナーの養成による人材育成支援、デジタルツールを活用した人材育成のDX化の支援まで、中小企業から大企業まで20年にわたり幅広いコンサルティングに従事。 新入社員研修からOJTリーダー研修、若手社員研修、管理職研修、幹部研修、営業研修、デジタル学習環境づくりのコンサルテーションなどに自らもコンサルタントとして登壇しながらも、人材育成・組織活性化・営業強化において講師派遣型の枠を超えた支援を実現するため、ビジネスコンサルタントの子会社である株式会社LDcubeの設立と同時に代表取締役に就任。 資格: ・全日本能率連盟認定マスター・マネジメント・コンサルタント(J-MCMC2023002) ・LIFOプログラムライセンス(LIFO-MSSプログラム開発者)

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