
多言語対応のLMS(学習管理システム)の必要性と選ぶ時のポイント
グローバル化が進む現代のビジネス環境では、多国籍チームや海外拠点を持つ企業にとって、効果的な人材育成は非常に重要です。
その中でも多言語対応しているLMS(学習管理システム)は、異なる言語を話す社員に一貫した教育を提供するための鍵を握っています。しかし、多言語対応を視野に入れたLMSの導入や活用には、いくつかの課題も存在します。
まず、多くの企業が抱えるLMSの課題に注目してみましょう:
- コンテンツの多言語対応:LMSで提供している学習コンテンツは、日本語だけでなく多言語に対応させる必要があります。
- ユーザーインターフェースのカスタマイズ:異なる言語を話すユーザーが快適に利用できるインターフェースを整備することが求められます。
- 文化的要素の考慮:言語だけでなく、文化的な違いを考慮した学習コンテンツや学習体験を設計する必要があります。
本記事では、多言語に対応したLMSを効果的に活用するためのポイントを紹介します。
多国籍チームのスキルアップを支える多言語対応したLMSを整備し、全社員が一丸となって企業の成長を実現するための基盤を築きましょう。これにより、組織全体がグローバル競争力を強化し、持続的な成功を収めることが期待できます。
▼LMSについてはテーマに合わせて下記で詳しく解説しています。(関連記事)
目次[非表示]
- 1.多言語対応のLMSを展開する際の課題
- 1.1.ユニバーサルデザインにしたいが日本に寄りがち
- 1.2.日本製の製品は多言語対応が弱い
- 1.3.ハンドリングは日本で行いたい
- 2.LMS(学習管理システム)とは
- 3.多言語対応のLMSの必要性
- 4.多言語対応のLMSを導入するメリット
- 4.1.①学習の一貫性
- 4.2.②国に捉われない人材の確保
- 4.3.③国際文化を尊重・配慮しているアピール
- 5.多言語LMSの導入・運用ステップ
- 5.1.言語・地域選定からスタート
- 5.2.UIの多言語切替機能の確認
- 5.3.多拠点・時差・異文化を考慮した運用体制の構築
- 5.4.学習効果測定と運用レビュー
- 6.多言語対応におすすめのLMS!
- 7.多言語LMSについてのよくある質問
- 8.まとめ:多言語対応LMSならCrossknowlegde!
多言語対応のLMSを展開する際の課題

多言語対応のeラーニング・LMSを展開する際には、いくつかの課題が存在します。弊社がこれまでご支援してきた中で実際に聞いた課題感を紹介します。
ユニバーサルデザインにしたいが日本に寄りがち
日本企業が海外拠点や法人向けにeラーニングシステムを展開する際、ユニバーサルデザインが重要です。ユーザーが異なる文化や言語背景を持つことを考慮すると、誰もが使いやすく、直感的に理解できるデザインが求められます。
しかし、日本で企画し展開する場合、日本的な要素に偏ったデザインが導入されがちなのも事実です。機能の配置やナビゲーションが日本のユーザーに最適化されているために、海外の利用者には直感的でないことがしばしばあります。
このような設計の偏りを解消するためには、日本人が日本人の発想で開発したシステムではなく、もともと世界中で活用されることを前提としてデザインされているシステムを選ぶことが重要です。
日本製の製品は多言語対応が弱い
日本発のeラーニングシステムは品質や機能面で評価されていますが、多言語対応においては課題が残ることがあります。「多言語対応」とは単にシステムのインターフェースを翻訳すればいい訳ではありません。各言語における文化的な違いや表現のニュアンスを理解し、正確に反映することが求められます。
しかし、日本の企業では細部にわたる現地語対応が不十分な場合が多く、翻訳の質や量が限られてしまうことがあります。そのため、もともと多言語で活用されることを前提として開発されている外国製品を日本語にローカライズし活用できるものを選ぶことが重要です。
このような展開をしている企業は、各国にローカライズパートナーを持ち、グローバルでの活用を前提に現地の言語や文化にローカライズできる体制を取っています。このような体制を取っている企業のサービスを活用することで、高品質な多言語対応を実現できます。これにより、日本から海外拠点に向けて学習教材を提供する場合でも、学習者が母国語で効率的に学習できる環境を提供することが可能になります。
ハンドリングは日本で行いたい
多くの日本企業はeラーニングシステムの管理や運用を本社で一括して行いたいと考えています。これにより、品質管理や運営の統一性を保持できる一方で、いくつかの課題が生じる可能性があります。
日本の仕事文化や業務フローがそのまま海外に適用されることで、現地のニーズや特性を十分に考慮できない場合もあります。
このような課題を解消するためには、現地のスタッフを巻き込んだ運用チームを構築し、現地の状況やニーズを調査し、それに応じた柔軟な運用方針を策定し、日本で行うこと、現地で行うことのすみ分けをすることが重要です。そうすることで、より効果的なハンドリングが可能となり、円滑な運営や迅速な対応が実現できます。
LMS(学習管理システム)とは

LMSとは、Learning Management Systemの略であり、日本では学習管理システムと呼称されることがあります。eラーニングを実施する際にベースとなるシステムであり、学習教材の配信やテストの実施、成績などを統合して管理することが可能です。
インターネットを通してパソコンやスマートフォンなどを利用して学習ができ、時間と場所に捉われない柔軟な教育が実施できます。
LMSには、受講者がログインして学習する受講機能をはじめ、講師や研修担当者が学習者の受講履歴やテスト結果などを管理できる機能などが備わっています。
LMSはその名前から学習を管理するシステムと思われがちですが、本来の目的は学習者にとって学習しやすい環境を提供することです。
いつでもどこでも、自分のペースで学習できる機会を創出することで、学習者のモチベーション維持と効率的な学びをサポートします。
LMSの基本機能
LMSには、管理者と学習者双方にとって利便性の高い機能が標準装備されています。LMSの基本機能は以下のとおりです。
- eラーニング機能
- 管理機能
- 教材作成機能
eラーニング機能では、教材の配信および受講が可能です。
具体的には、対象の受講者や学習コンテンツの内容、配信期間などを細かく設定することができ、企業のニーズに合わせたカスタマイズにも対応しています。
受講者ごとの進捗管理や組織全体の学習状況の管理、テストの実施や成績確認など、教育を効率的に実施する管理機能も備わっています。
教材作成機能とは、テキストや動画などの素材を基に教材を作成する機能です。LMSによっては、素材を読み込むだけで教材を自動的に作成してくれます。
これにより、教育・研修担当者の負担軽減に繋がります。
▼LMSの最新トレンドについては、下記にて解説しています。合わせてご覧ください。
⇒LMS(学習管理システム)とは?最新トレンドなど解説!
多言語対応のLMSの必要性

IT技術の発展や国際関係の変化により、幅広い分野・業種でグローバル化が進んでいます。
近年は、海外から日本に進出する外国人労働者が増えており、企業では言語の壁を越えた教育が求められます。グローバルに展開したいと考えている企業であれば、日本人労働者だけではなく、外国人労働者に対する教育・人材育成も考慮することが必要です。
日本人労働者と外国人労働者に対して研修を行う場合、従来の集合研修では多言語に対応した講師や教材を手配する必要があり、膨大な手間とコストがかかります。
しかし、多言語対応のLMSであれば学習者ごとに表示言語を切り替えられるため、個別に講師や教材を用意する必要がありません。LMSによって対応する言語が異なるため、自社の状況やニーズを見極めた上で最適なシステムを選定することが大切です。
多言語対応のLMSを導入するメリット

ここでは、多言語対応のLMSを導入するメリットを3つ紹介します。
①学習の一貫性
多言語LMSを導入し、幅広い言語に対応することですべての従業員が国籍や出身地に関係なく同じ教育を受けられるようになります。
同等のユーザーエクスペリエンスを確保することで、言語格差やスキルの格差をなくすことが可能です。言語の壁をなくすことで、従業員はモチベーションを維持しやすくなり、学習が継続しやすくなります。
②国に捉われない人材の確保
グローバル化が進む現代では、国や地域に関係なく人材が確保できるようになりました。 新たな国に進出する際は、その国の言語で学習できるようにすれば、その土地の即戦力となる優秀な人材の確保に繋がる可能性があります。国境や言語に捉われない学習を提供できる環境を整えておくことで、あらゆる国で幅広く展開が可能です。
③国際文化を尊重・配慮しているアピール
多言語対応のLMSを導入することで、従業員に対して国際文化を尊重している企業であることをアピールできます。
例えば、従業員が親近感を持てるような動画や写真などを含めた教材の利用が、従業員のエンゲージメント向上を促進します。
また、こういった取り組みは、企業として包括的な文化を創り出すことに繋がり、従業員にとっても働きやすい環境を構築します。
▼グローバル企業でのLMSの活用については下記にて解説しています。合わせてご覧ください。
⇒LMSの効果的な活用とは!?【グローバル企業必見!】
多言語LMSの導入・運用ステップ

多言語LMSを導入し、効果的に運用するための手順について解説します。
言語・地域選定からスタート
多言語LMS導入の第一歩は、対象となる言語と地域の選定です。これにより、ユーザーの言語環境や文化的背景に合わせた設定を行え、学習効果を最大化できます。例えば、アジア、ヨーロッパ、中東などに拠点を持つ企業では、英語に加えて中国語、スペイン語、アラビア語も必要です。地域によって表現やニュアンスが異なるため、単なる翻訳ではなくローカライズが重要となります。以上の点を考慮し、「どの地域に、どの言語で、どのような学習体験を提供するか」を明確にすることが成功の鍵です。
UIの多言語切替機能の確認
LMS選定時には、ユーザーインターフェース(UI)の多言語切替機能を確認しましょう。学習者が母国語で直感的に操作できる環境を整えることで、利用率と満足度が向上します。たとえば、あるグローバル企業は、非日本語圏の学習者のために、英語ベースで展開している海外製のLMSを選択したことで成果を上げました。このように、UIの多言語対応は「使いやすさ=学びやすさ」に直結するため、事前の確認が重要です。
多拠点・時差・異文化を考慮した運用体制の構築
多言語LMSの運用には、国際的な視点での体制構築が必要です。時差や文化的背景を考慮しない運用は、学習者のエンゲージメントを損なうリスクがあります。たとえば、ヨーロッパとアジアに拠点を持つ企業では、サポート時間の違いや祝日の違いが運用に影響を与えることがあります。また、文化によって好まれる学習スタイル(例:対話型 vs 一方向型)も異なりますので、現地担当者との連携が重要です。これにより、現地のニーズに即した柔軟な運用体制を築くことが可能となり、LMSの定着と活用が促進されます。
学習効果測定と運用レビュー
LMS導入後は、学習効果の測定と運用の定期的なレビューが欠かせません。導入しただけでは成果は得られず、継続的な改善が求められるためです。コンテンツごとの受講率や修了率、テスト結果などをKPIとして設定し、定期的にデータを分析することで課題を早期に発見・改善できます。また、現地からフィードバックを収集し、コンテンツや運用方法を見直すことも重要です。このように、PDCAサイクルを回しながら運用を最適化することにより、LMSの効果を最大限に引き出せます。
多言語対応におすすめのLMS!

多言語対応のLMSなら『CrossKnowledge』がおすすめです。
CrossKnowledgeは、日本語・英語・中国語はもちろん最大28ヶ国語に対応したLMSです。
750以上の教育コンテンツが最初から実装されており、最大8ヶ国語に対応できるため、自社で教材を用意していない場合でも、導入後にすぐeラーニングが利用可能です。
著名なMBA教授が監修した高品質な教育コンテンツも提供しています。
また、CrossKnowledgeには従業員ごとに個人診断を行う機能があり、その結果を基に最適なコンテンツをおすすめします。
機能を有効活用することで上司や部下、メンバー同士の関係性を強化することができ、エンゲージメントの向上が期待できます。
▼多言語に対応したeラーニングについては下記にて解説しています。合わせてご覧ください。
⇒多言語対応eラーニングならCrossKnowledge!
多言語LMSについてのよくある質問

Q1. 多言語対応のLMSとは何ですか?
A1. 多言語対応LMSとは、システム自体のインターフェース(ログイン画面・メニュー・通知など)や、学習コンテンツ(教材・動画・テスト等)が複数言語で提供・切り替え可能な学習管理システムのことです。例えば、CrossKnowledge LMSの場合、最大31カ国語のインターフェース対応と、最大18言語の学習コンテンツ対応が可能とされています。
Q2. なぜグローバル企業・海外拠点を持つ企業にとって多言語LMSが重要なのですか?
A2. 主な理由は以下の通りです。
言語の壁をなくすことで、拠点や国をまたいだ従業員に一貫した学習機会を提供できます。
地理・時差・文化の違いがある環境でも、時間・場所に依存せず教育を配信できるため、コスト効率が良くなり、スケーラビリティが向上します。
多言語・多文化に配慮した学習環境を整えることで、社員の理解度・動機づけが上がり、人材育成の成果も向上します。
Q3. 多言語LMSを選定する際に確認すべき機能・ポイントは?
A3. 具体的には以下のような観点があります。
インターフェースの言語切替機能:ユーザーが自身の言語でログイン・操作できるか。
コンテンツの言語対応/翻訳・字幕付き:教材が複数言語で準備されているか。
多拠点・多国籍ユーザー管理機能:グループ会社・地域別に分けて管理できるか、進捗を可視化できるか。
サポート体制・ローカライズ支援:日本語対応だけでなく現地言語での運用支援が提供されているか。
Q4. 多言語対応LMSによる活用効果/メリットには何がありますか?
A4. 主なメリットは以下の通りです。
学習機会の平等化:海外拠点/外国語話者社員も含めて、同じ品質の学びを提供できる。
研修運用効率化:集合研修・会場手配・交通費・時差調整などのコストを削減可能。
ブランド・企業文化の統一:グローバルに展開している企業で、理念・価値観・判断基準などについて言語を超えて浸透させられる。
学習者の理解・モチベーション向上:母語/慣れた言語で学ぶことで理解が深まり、離脱率や学習時間の短縮につながることが期待できる。
Q5. 多言語LMSが向いていない/注意すべきケースはありますか?
A5. 以下のような場合は、注意・検討が必要です。
対象ユーザーがほぼ1言語(例:日本語のみ)で構成されており、多言語対応のコスト・運用負荷が過大になることがあります。
多言語化はできるが、翻訳だけで文化的適応/ユーザー理解設計が不十分で、学習効果が得られにくい設計になっていることがあります。
学習コンテンツ・管理体制が国内向け設計のままで、海外拠点・異言語ユーザーのアクセス・習熟・進捗管理に適していないことがあります。
まとめ:多言語対応LMSならCrossknowlegde!
この記事では、LMSについて以下の内容で解説しました。
- LMS(学習管理システム)とは
- 多言語対応のLMSの必要性
- 多言語対応のLMSを導入するメリット
- 多言語対応におすすめのLMS!
グローバル化や国際関係の変化が進む現代で人材育成を行うのであれば、多言語に対応したLMSは欠かせません。
通常のLMSでも企業と従業員にとってメリットとなり得ますが、多言語に対応することでその幅をさらに広げることができます。外国人労働者がいることが当たり前の社会で、その学習ニーズに応えられる環境の整備は企業にとっても強みとなるはずです。
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